JP3901937B2 - 気水分離器、蒸気発生器、及び、気水分離方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気水分離器、及び、気水分離方法に関し、特に、発電所のタービンのような設備で用いられる2相流の水分をその2相流の蒸気から高効率に分離する気水分離器、及び、気水分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タービン発電機のように水蒸気を用いて発電する設備を構成する蒸気発生器は、エロージョン防止とエネルギー伝達効率低下の防止のために、気水分離器を備えている。図5は、原子力プラントで用いられている蒸気発生器を示し、概略多数本のU字管群101と気水分離器群111、及び、湿分分離器群112とで構成されている。U字管群101は、コールドレグ領域101Aとホットレグ領域101Bに亘って配置されている。図6は、多数本のU字管の集合体であるU字管群101の配置領域の上方領域(後流側領域)に配置される多数の気水分離器要素102の集合を示している。U字管群101の一方の各管端には、原子炉の炉心、火力発電の燃焼炉のような蒸気発生部で高温の加圧水が流入し、その高温加圧水は他方の各管端から流出して、その蒸気発生部に流入する。U字管群101の配置領域に2次的に導入される水103は、図5,6に示されるように、U字管群101の外側面で加熱され蒸発する。水の一部は、このように激しく蒸発する蒸気に撹拌され蒸気に随伴し粒径が様々に異なる水滴になって、蒸気とともに気水分離器群111の気水分離器要素102に2相流として流入する。このような2相流から液部分を分離して蒸気をタービン部に送ることが重要である。図5に示されるように、一次冷却水(熱交換媒体)は、ホットレグ領域101Bの下方部位113から導入され、上方のU字部で転回してコールドレグ領域101Aの下方部位114から導出される。気水分離器群111により湿分が除かれた蒸気114は、この蒸気発生器の頂部115から取り出される。二次冷却媒体116は、U字管の間にあって一次冷却媒体と熱交換する。
【0003】
図7は、気水分離器群111の気水分離器要素102の公知構造を示している。気水混合の2相流103は、静翼である旋回羽根104を通り旋回流になって上昇し、2相流の内の蒸気分106はオリフィス105を通り、オリフィス105に流入した水分(液分)は、重力分離空間107で更に蒸気分から分離される。オリフィス105に流入する水分のうちの一部は、オリフィス105の内側面に付着して液膜108を形成する。液膜108は、蒸気流に随伴して更に上昇し、オリフィス105の上端縁から重力分離空間の上方に吹き飛ばされる。このように吹き飛ばされる液分109は、蒸気とともにタービンの方に向かう。このような液分の未分離は回避されることが望まれる。
【0004】
U字管群101の管内を通る高温加圧水は、図6に示されるように、U字管の前半部分と後半部分では、当然に温度が異なり、且つ、U字管群101の中心面Sで分割される右半分領域と左半分領域で管外へ加えられる熱量が異なる。管外において、水流量が小であり、且つ、蒸気流量が大である領域はホットレグ領域といわれ、水流量が大であり、且つ、蒸気流量が小である領域は、コールドレグ領域といわれる。ホットレグ領域とコールドレグ領域とでは、それぞれの2相流の水と蒸気の割合が異なっている。
【0005】
気水分離器要素102は、蒸気/水で表される比に関係してその気水分離性能が異なる。気水分離器要素102の設計は、分離して取り除く液分が蒸気/水の比に対応して適正であることが望まれる。より高性能化が求められる高性能気水分離器は、ホットレグ領域とコールドレグ領域とで区分けされて設計され両領域で分離性能が個別に適正化されることが更に望まれる。
【0006】
第1にオリフィスに流入する液分の有効な分離が求められる。第2に、オリフィスに流入する液分の有効な低減化が同時的・追加的に望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、オリフィスに流入する液分の分離がより有効である気水分離器、及び、気水分離方法を提供することにある。
本発明の課題は、オリフィスに流入する液分の分離がより有効であり、且つ、オリフィスに流入する液分の低減化が有効である気水分離器、及び、気水分離方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0009】
本発明による気水分離器は、筒状のライザ(11)と、ライザ(11)の出口側に開口端が位置づけられるオリフィス(12,12’)とを含んでいる。オリフィス(12,12’)の内周面は、その内周面を流動する液膜(18)を軸心線方向(L)に直交する成分を持つ方向に付勢する物理的性質を有している。ライザで気水分離されているが、未分離の液分は、オリフィス(12)から軸心線方向(L)に直交する方向に放擲され、蒸気流から重力分離により有効に分離される。ライザ(11)に軸心線方向(L)に導入される同伴2相流(7)に軸心線方向(L)に直交する成分を与えて2相流(7)を旋回させる旋回羽根(13)が追加されていることは特に好ましい。
【0010】
オリフィス内周面は、後流側で開口断面積が広くなるように曲面化されている。その内周面は、オリフィスの後流側開口端で軸心方向に直交している。この直交性は、既述の重力分離を有効に促進する。あるいは、オリフィス(12)に穴(35)が開けられ、穴(35)はその内周面からオリフィス(12)の外周面に向かって貫通している。オリフィス(12)の内側の蒸気の圧力により、内周面に付着する液分は、軸心線方向(L)に直交する方向に放擲され、既述の通り重力分離を促進する。
【0011】
オリフィス(12)の周囲を囲む筒が追加されている。オリフィス(12)の後流側開口端は、重力分離空間の中に位置づけられている。ライザ(11)を囲むダウンカマバレル(9)が更に追加されている。ライザ(11)の内周面を流動する第1液分(16)は、ライザ(11)の後流側端縁を経由して、ライザ(11)の外周面とダウンカマバレル(9)の内周面とを流動する。ライザ(11)の内周面を流動する第1液分(16)とライザの外周面又はダウンカマバレル(9)の内周面を流動する第2液分とは、互いに逆方向に流動する。
【0012】
ライザ(11)とダウンカマバレル(9)との間の環状空間(14)には、第2液分の流動に抵抗を与える抵抗器(22)が配置されている。ライザ(11)とオリフィス(12)とダウンカマバレル(9)とは単位気水分離要素(8)を形成している。単位気水分離要素(8)の複数が蒸気発生器(1)が生成する蒸気と水とから形成される2相流(7)の中に配置され、2相流(7)は、水流量が比較の上で少なく蒸気流量が比較の上で多いホットレグ領域(3)の2相流と、水流量が比較の上で多く蒸気流量が比較の上で少ないコールドレグ領域(4)の2相流とから形成され、複数の単位気水分離要素(8)のうちのいくつか(8h)はホットレグ領域(3)に配置され、複数の単位気水分離要素(8)のうちの他のいくつか(8c)はコールド領域(4)に配置されている。ホットレグ領域(3)の単位気水分離要素(8h)のオリフィス(12)の開口端とホットレグ領域(3)のライザ(11)の後流側開口端との間の隙間幅は、コールドレグ領域(4)の単位気水分離要素(8c)のオリフィス(12)の開口端とコールドレグ領域(4)のライザ(11)の後流側開口端との間の隙間幅よりも狭い。このような隙間幅は、環状隙間(15)の断面積に対応している。両領域(3,4)に固有な物理的性質を持つ両側のライザで有効に分離された蒸気分に未分離で含まれている液分が、既述の通り、オリフィス(12)で更に高効率に分離される。
【0013】
本発明による気水分離方法は、2相流(7)のうちの水分流(16)を筒(11)の内周面上に流動させること、筒(11)の中心領域の蒸気流をオリフィス(12)に導入すること、オリフィス(12)から蒸気流を重力分離空間に放出すること、オリフィス(12)の内周面を流動する水分流(18)をオリフィス(12)の軸心線(L)に直交する方向に曲げることとから構成されている。2相流に旋回を与えることは特に好ましい。オリフィス(12)に2相流(7)を導入する前に水分と蒸気流とを分離することは、オリフィス(12)の気液分離効果を一層に高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による気水分離器の実施の形態は、伝熱管群が気水分離器群とともに図5に示す蒸気発生器の容器の中に設けられている。その伝熱管群1と気水分離器群2とは、図1に示されるように、図7に示される蒸気発生器の容器壁の中に配置されている。気水分離器群2は、通常、伝熱管群1に対して鉛直方向上方側に配置されている。伝熱管群1は、多数のU字管から構成されるU字管集合体である。各U字管は、その一方の管端から熱交換前の熱交換用媒体(高温の加圧水)が導入され他方の管端から熱交換後のその媒体が導出される。その熱交換用媒体は、ボイラー、炉心のような蒸気発生源とU字管とから構成される循環路の中で循環している。
【0015】
伝熱管群1が配置されている配置領域には、既述の蒸気発生器の容器壁の外側から2次熱交換媒体が導入される。2次熱交換媒体として、通常は水が用いられる。2次熱交換媒体は、蒸気発生器の中で概ね全体的に、伝熱管群1の配置領域の下方領域からその上方領域に流れる。その2次熱交換媒体は、伝熱管群1の各管の管壁面に接触して蒸気化する。気化した蒸気は、自らの蒸気圧により出口側に配置されている気水分離器群2に向かって上昇する。その蒸気には、粒径が多様に異なる液滴の状態の液分が含まれ、その液分は蒸気に随伴して蒸気に同伴して上昇する。
【0016】
このような気水混合の同伴2相流7は、気水分離器群2の単位気水分離器8に流入する。単位気水分離器8は、図2に示されるように、円筒状の本体筒を構成するダウンカマバレル9と、ダウンカマバレル9の中にダウンカマバレル9に同軸に配置される円筒状のライザ11と、オリフィス12と、旋回羽根13とから構成されている。旋回羽根13は、ライザ11の内周面に固着される静翼であり、ライザ11の下端開口から導入される同伴2相流7にライザ11の中心軸心線のまわりの回転力を与える。旋回羽根13を通過した2相流は、旋回しながらライザ11の中で上昇する。
【0017】
オリフィス12の下端開口縁の高さ位置は、ライザ11の上端開口縁の高さ位置とほぼ同じである。オリフィス12は、それの中心軸心線に対して対称に形成されている。オリフィス12の下半分は、円筒形状に形成されている。オリフィス12の上半分は、ラッパ形状に形成され、より上側でその内径が連続的に滑らかにより大きくなっている。オリフィス12の上半分の上端縁近傍の内側面(上側面)は、オリフィス12の中心軸心線Lに概ね直交している。
【0018】
同伴2相流7は、ライザ11に侵入して旋回羽根13により回転力を与えられて旋回しながら上昇する過程で、水分(液分)はライザ11の内周面に付着し、特に、遠心力によりライザ11の内周面に押し付けられてその面に強く吸着し、このようにライザ11の内周面に吸着する水分はその内周面上で蒸気流から随伴力を受けて上昇する。蒸気はライザ11の中心領域にその多くが分布し、液分はライザ11の表面にその多くが分布する。このように吸着して上昇する水分の流れは、液膜16を形成する。
【0019】
蒸気流は、オリフィス12に流入する。オリフィス12に流入する蒸気流17は、幾分かの液分を同伴して含んでいる。旋回性を保持している液分は、オリフィス12の下半分の内周面に押し付けられその内周面上で層流になって液膜又は液滴状膜18を形成する。液滴状膜18は、蒸気流17に随伴して上昇するが、オリフィス12の内面に付着していて、オリフィス12の上半分の滑らかな曲面(内周面)に沿って流れ、上端縁近傍で軸直角方向に蒸気流に随伴して液滴状になって吹き飛ばされる。このように飛ばされる液滴状液分19は、軸直角方向に蒸気流に随伴しているので、オリフィス12の上方側に形成されている重力分離空間21中で激しく上昇することがなく、その重力分離空間21の中で落下し蒸気流から重力分離される。
【0020】
図1に示されるように、伝熱管群1の配置領域を2分する鉛直中心面Sの両側に、ホットレグ領域3とコールドレグ領域4とが形成されている。ホットレグ領域3の側の伝熱管群1の中の熱交換媒体の温度はコールドレグ領域4の側の伝熱管群1の中の熱交換媒体の温度よりも高いので、ホットレグ領域3の側の2次熱交換媒体の蒸気流量割合はコールドレグ領域4の側の2次熱交換媒体よりも高い。水流量(液状水の流量)5は、比較上、ホットレグ領域3の側で少なくコールドレグ領域4の側で多い。蒸気流量6は、比較上、ホットレグ領域3の側で多くコールドレグ領域4の側で少ない。
【0021】
単位気水分離器8は、ホットレグ領域3の側に配置される複数の高温側単位気水分離器8hと、コールドレグ領域4の側に配置される複数の低温側単位気水分離器8cとから構成されている。図中に、オリフィス12の外径特にその下端開口縁のオリフィス外径はDで表され、ライザ11の内径特にその上端開口縁の内径はAで表されている。ダウンカマバレル9とライザ11の間の環状空間14は、オリフィス12又はその下端開口縁とライザ11又はその上端開口縁との間の環状隙間15を介して、ライザ11の内部の空間に接続・連通している。
【0022】
図1中に、各単位気水分離器8の各オリフィス外径Dが示されている。低温側単位気水分離器8cのオリフィス外径Dc1〜Dc3は、互いに異なるか又は同じである。以下の記述では、低温側単位気水分離器8cのオリフィス外径Dc1〜Dc3は同じであり、Dcで代表される。高温側単位気水分離器8hのオリフィス外径Dh1〜Dh3は、互いに異なるか又は同じである。以下の記述では、高温側単位気水分離器8hのオリフィス外径Dh1〜Dh3は同じであり、Dhで代表される。全ての単位気水分離器8のライザ11の内径Aが共通であれば、下記関係が設定される。
Dc<Dh
但し、下記関係等は否定されない。
Dc3<Dc2<Dc1<Dh3<Dh<Dh1
【0023】
上式は、下記式に等価である。
A−Dc>A−Dh
一般的には、ライザ11とオリフィス12との間の環状隙間15を流れる単位時間当たりの流量がホットレグ領域3の側で少なくコールドレグ領域4の側で多くなるように、外径Dと内径Aとが規定される。
【0024】
同伴2相流7は、ライザ11に侵入して旋回羽根13により回転力を与えられて旋回しながら上昇する過程で、水分(液分)はライザ11の内周面に付着し、特に、遠心力によりライザ11の内周面に押し付けられてその面に強く吸着し、このようにライザ11の内周面に吸着する水分はその内周面上で蒸気流から随伴力を受けて上昇する。蒸気はライザ11の中心領域にその多くが分布し、液分はライザ11の表面にその多くが分布する。このように吸着して上昇する水分の流れは、液膜16を形成する。液膜16の上端部の厚さが環状隙間15の半径方向幅よりも大きい(広い)場合、液膜の一部は環状空間14に流入しないで、オリフィス12の内部に侵入する。このようなことがないように、環状隙間15の幅は適正に大きく(広く)設定されている。液膜16の上端部の厚さが環状隙間15の半径方向幅よりも過度に小さい場合、蒸気分の一部はオリフィス12に流入しないで、環状空間14に侵入する。このようなことがないように、環状隙間15の幅は適正に小さく設定されている。
【0025】
環状空間14に侵入する液分は、ダウンカマバレル9の内周面とライザ11の外周面に吸着して下方に流下する。このように流下する液分は、図5で示される循環路を通されて再び伝熱管群1の下方領域に戻される。
【0026】
ライザ11の内周面に吸着する液膜16の厚さは、単位気水分離器8に流入する水流量と単位気水分離器8に流入する蒸気流量の比に依存する。水流量の割合が蒸気流量の割合に対してより大きい場合、その液膜16の膜厚はより厚い。水流量の割合が蒸気流量の割合に対してより小さい場合、その液膜16の膜厚はより薄い。従って、液膜16の厚さは、比較上、ホットレグ領域3の側でより薄くコールドレグ領域4の側でより厚い。環状隙間15の幅は、比較上、ホットレグ領域3の側でより薄く(狭く)コールドレグ領域4の側でより厚い(広い)ので、液膜16の上端部の内周面とオリフィス12の下端部の外周面との間の隙間は、ホットレグ領域3の側とコールドレグ領域4の側でともに適正に規定され、ホットレグ領域3の側のオリフィス12に流入する液分が多くなることが適正に抑制され、コールドレグ領域4の側の環状空間14に流入する蒸気分が多くなってダウンカマバレル9から多くの蒸気分がキャリアンダすることが適正に抑制されている。このように、未分離水のオリフィス12からの流出と、蒸気のダウンカマバレル9へのキャリアンダが有効に抑制・低減され、気水分離性能が向上している。下降水のキャリアンダの低減は、円滑な下降水の流れを有効に維持することができる。このように気水分離されているが未分離水を含む蒸気が、オリフィス12を通って重力分離空間21に進入する。
【0027】
図3は、本発明による気水分離器の実施の追加的形態を示している。本実施の形態は、既述の実施の形態に更に流量制限構造22が有効に追加されることを示している。ダウンカマバレル9とライザ11の間に環状の流量制限構造体が配置されている。環状空間14の中で重力的に、且つ、その中に流入した蒸気流に押されて流下する液分の流れは、流量制限構造22により抵抗を受け、その液分の流量が適正に維持される。流量制限構造22の抵抗は、比較上、ホットレグ領域3の側でより小さくコールドレグ領域4の側でより大きいことが、蒸気流の過度の流入を抑制することができる点で一般的に好ましいが、環状隙間15の広狭の設計に対応してその抵抗は適正に規定され得る。
【0028】
このような抵抗値がホットレグ領域3の側とコールドレグ領域4の側とで異なるので、環状空間14に液が滞留して液がダウンカマバレル9から溢れてオリフィス12に侵入することが抑制され、更に、環状空間14の中の液が過度に流れて液に同伴する蒸気(キャリアンダ蒸気)が多くなることが抑制される。
【0029】
環状隙間15の幅が適正に規定されて環状空間14に流入する適正な量の液分は、流量制限構造22により適正な量に制限され、分離された液分の流れが適正に制御され、液分がオリフィス12に流入する量が適正に制限され、且つ、分離された蒸気のうち環状空間14の中で同伴流下するキャリアンダ蒸気の量が適正に制限される。
【0030】
図4は、本発明による気水分離器の実施の他の形態を示している。図4は、既述のオリフィス12が改変されたオリフィス12’を示している。ダウンカマバレル9の頂部を貫通するオリフィス12’は、2重筒を形成している。その2重筒は、内側筒31と、外側筒32とから形成されている。内側筒31の上端と外側筒32の上端の間は、環状蓋33で閉じられている。ダウンカマバレル9の頂面部34を貫通して内側筒31が上方に延びる内側筒上方部分には、複数位置でスリット又は穴35が開けられている。スリット35は、内側筒31の内側面とそれの外側面とを接続し内側筒31の内側面からその外側面に向かって貫通する穴である。
【0031】
内側筒31の内周面に形成され上昇する液膜18は、内側筒31の内側の旋回する蒸気による遠心力によってスリット35に侵入して、内側筒31と外側筒32の間の環状空間に放出される。このように放出される液滴は、外側筒32の内面に当たり流下し、重力分離空間21の上方に向かわない。
【0032】
【発明の効果】
本発明による気水分離器、蒸気発生器、及び、気水分離方法は、オリフィス部で気水分離効率がより高くなる。特に、ライザにより既に気水分離されいるが、その未分離の液分がオリフィスで有効に分離される。このような気水分離器を備えた蒸気発生器により、より湿分の少ない蒸気を発生させて供給できることになり、タービン発電機におけるタービン部でのエロージョン防止に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による気水分離器の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、気水分離器の単位を示す断面図である。
【図3】図3は、気水分離器の他の単位を示す断面図である。
【図4】図4は、気水分離器の更に他の単位を示す断面図である。
【図5】図5は、原子力プラントで一般に用いられている蒸気発生器の一例を示す断面図である。
【図6】図6は、公知の蒸気発生器を示す断面図である。
【図7】図7は、公知の気水分離器の単位を示す断面図である。
【符号の説明】
1…蒸気発生器
3…ホットレグ領域
4…コールドレグ領域
7…同伴2層流(2相流)
8…単位気水分離要素
8h…単位気水分離要素8のうちのいくつか
8c…単位気水分離要素8のうちの他のいくつか
9…ダウンカマバレル
11…ライザ(筒)
12,12’…オリフィス
14…環状空間
15…環状隙間
18…液膜(水分流)
16…第1液分(水分流)
22…抵抗器
L…軸心線方向(軸心線)
Claims (2)
- 筒状のライザと、
前記ライザのライザ内周面に固着された旋回羽根と、
前記ライザを囲むダウンカマバレルと、
内側筒と外側筒とを有する2重筒と、
前記内側筒の上端と前記外側筒の上端の間を閉じる環状蓋と
を具備し、
前記ライザ、前記ダウンカマバレル、及び前記2重筒の各々は、上下方向に延びており、
前記内側筒は、前記ダウンカマバレルの頂面部を貫通し、
前記内側筒の前記頂面部よりも上方の部分には、前記内側筒の内側面から外側面に貫通する穴が開けられ、
前記外側筒は前記部分の外側に配置される
気水分離器。 - 前記旋回羽根により回転力を与えられて旋回しながら前記ライザを上昇する気水混合流は、蒸気分と、第1液分と、第2液分とを含み、
前記第1液分は、前記ライザ内周面を上昇し、前記ライザのライザ外周面と前記ダウンカマバレルのダウンカマバレル内周面とを流下し、
前記第2液分は、前記内側面を上昇する液膜を形成し、
前記液膜は、前記内側筒の内側を旋回する前記蒸気分による遠心力によって前記穴に侵入し、液滴となって前記内側筒と前記外側筒の間の環状空間に放出され、前記外側筒の内側に当たり流下する
請求項1の気水分離器。
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