JP3901430B2 - プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ソルダーレジスト層上に製造番号等の文字印刷がなされたプリント配線板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にプリント配線板の表層には、ICチップなどを実装するために、半田バンプなどを形成し、これら半田バンプが互いに融着しないようにソルダーレジスト層を設けてある。このソルダーレジスト層上には、製品を識別するための表示文字、認識文字などの様々な文字や記号などが形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このソルダーレジスト層上に、インクによって文字を形成する技術として、特開平3−166790号、特開平4−174591号などがある。
特開平3−166790号には、粗面化したソルダーレジスト層上に、印字を行う技術が示されている。一方、特開平4−174591号には、ソルダーレジスト層上に文字印刷を含むパターンを、色素埋め込み印刷させて文字を形成させる技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記技術は、それぞれの工程の前後で、煩雑な工程を必要とし、また、微細な文字、バーコードなどを形成させることができなかった。係る課題に対応するため、本発明者は鋭意研究した結果、特願平11−10650号にて、ソルダーレジスト層上に文字印刷用インクで文字印刷を行う際に、黒色の上層インク層と白色の下層インク層とを積層し、黒色の上層インク層に溝を形成して白色の下層インク層を露出させることで、文字印刷の文字を形成させる技術を提案した。これにより、にじみ、かすれが生ぜず、工程認識用文字の画像認識が正確に行うことができるようになった。
【0005】
しかしながら、上述した技術では、上層インク層と下層インク層とを積層する際に、上層インク層と下層インク層との間で位置ずれが生じないように細心の注意が必要となった。また、上層インク層と下層インク層との厚さをそれぞれ制御することが難しかった。更に、インクの硬化処理工程を2回行う必要があるため、製造工程が増加した。その上、2種類のインクを管理する必要があるために、コストが高くなるという課題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、微細な文字を形成でき、なおかつ、製造工程を減らして廉価に製造できるプリント配線板及びプリント配線板の製造方法を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、請求項1の発明では、導体回路を施した基板上に、開口部を有するソルダーレジスト層を形成したプリント配線板において、
光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを少なくとも2種類以上混合して成るインク層の印刷を行い、前記光の吸収率の低いインクを残留させることで文字印刷が形成されてなり、
前記文字印刷は、前記インク層に文字形状をレーザ加工して形成された溝であって、当該溝表面の前記光の吸収率の高いインクを前記光の吸収率の低いインクよりも多く除去し、前記光の吸収率の低いインクを残留させることで形成されていることを技術的特徴とする。
【0008】
請求項1では、文字印刷の文字が、光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを、少なくとも2種類以上混合して成るインク層に形成されている。光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとが混合されたインク層とインク層に形成された文字とのコントラストの差により、製品の実装など後工程の際の画像認識を確実に行うことが可能となる。さらに、インク層が単層なので、インク層を印刷する際の位置合わせや厚さの制御を容易に行うことが可能となる。その上、インクの硬化処理工程を1回で行うことができるので、製造工程を削減することが可能となる。また、1種類の文字印刷用インクを管理するだけでよいので、管理コストを下げることが可能できる。
【0009】
光の吸収率の高いインクとは、黒系インク、紺系インク、青系インク、茶系インクなどを指し、光の吸収率の低いインクとは、白系インク、黄系インク、赤系インクなどを指す。けれど、当該光の吸収率とは、文字印刷に用いるインクにおける相対的な吸収率の差を意味しており、先ほど列挙したものが該当するとは言い難い。即ち、用いる組み合わせによって、それぞれ意味が異なる場合もある。
【0010】
請求項では、文字印刷は、インク層に文字形状をレーザ加工して形成された溝であって、当該溝表面の前記光の吸収率の高いインクを前記光の吸収率の低いインクよりも多く除去し、光の吸収率の低いインクを残留させることで形成する。ここで、レーザにより光の吸収率の高いインクが光の吸収率が低いインクよりも多く除去される原理について図10を参照して説明する。図10(A)に示すように、光の吸収率の高いインク(黒色)102からなるインク層は、レーザを照射するとレーザ光を吸収しやすく、除去されやすい。また、図10(B)に示すように、光の吸収率が低いインク(白色)104からなるインク層は、レーザを照射しても、レーザ光を吸収し難いため、除去し難い。ここで、図10(C)に示すように、光の吸収率の高いインク102と光の吸収率が低いインク104とが混合されたインク層にレーザを照射すると、レーザ照射により形成された溝110の表面部分で、光の吸収率の高いインク102が多く除去され、光の吸収率が低いインク104は残留する。
【0011】
光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクとが混合されたインク層は、相対的に光沢度が高い。一方、レーザ加工により光の吸収率の高いインクが除去され光の吸収率が低いインクが残留した文字形状の溝110の表面は、相対的に光沢度が低い。例えば、白と黒のインクの組み合わせを用いた場合は、白い顔料が残るため、白い粗面ができる。これにより、インク層表面とインク層に形成された文字形状の溝とのコントラストが明確になるので、機械で正確に画像認識することが可能となる。
また、文字形状の溝をレーザで形成するため、文字やバーコードなどの記号を微細に形成することが可能となる。
【0012】
品認識文字とは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベット、トレードマークなどによって、会社名、製品名、製品特性などを判定、区別することができる文字を指す。
また、製造認識文字とは、製造日、管理番号、ロットナンバー、(文字印刷前までの工程)検査結果などによる製造に関するデータ、結果を判定、区別することができる文字を意味する。
そして、工程認識文字とは、ターゲットマーク、バーコードなど、実装、検査工程の製品認識、アライメント用ターゲットなどの工程に関わる認識用の文字である。
【0013】
請求項では、インク層の光沢度を1.0〜2.0としている。特に望ましいのは、1.2〜1.8である。この範囲であれば、インク層とレーザにより文字形状に形成された溝とのコントラストは明確となり、機械で正確に画像認識することが可能となる。なお、光沢度が1.0未満である場合は、コントラストが明確ではないため、機械で正確に画像認識することができない。また、光沢度を2.0以上とすることは、2種類のインクを混ぜるという前提では不可能であった。
【0014】
なお、光沢度の測定には、グラフィックアーツマニュファクチャリングカンパニー社製(GAMMODEL 144 DENSITOMETER)を用いる。まず最初に、光沢度の原点測定を行う。備え付けの原点測定用の白いサンプル、黒いサンプルを交互に測定して、装置毎に送付してある記載の光沢度の数値に補正する(白が0で、黒が2.0であり、光沢度はその間の色の度合いである)。そして補正後に、形成された位置決めマークに該当する金属層の測定を行い、3回以上測定した数値が光沢度となる。
【0015】
請求項では、ソルダーレジスト層上に形成されるインク層の厚みを10〜100μmの範囲としている。望ましいのは15〜60μmの範囲である。理由としては、印字性、作業性に優れはっきりした印字文字が得られるからである。特に、ターゲットマークなどの工程認識文字を、前述の厚みに形成することにより、認識用の画像検出装置で精度良く読み込むことができる。
【0016】
インク層の厚みが10μm未満である場合、レーザがインク層を貫通してソルダーレジスト層に達し、文字が画像認識装置により認識されないことがある。また、100μmを超える厚みとすると、半田バンプの高さよりも高くなるため、ICチップなどの外部電子部品を実装する際に干渉することがある。
【0017】
請求項では、インク層にレーザにより形成された溝の底面には、粗化面が形成されている。これにより、インク層表面は滑らかでつやがあるのに対して、溝の底面には、光の吸収率の高いインク粒子が除去され、光の吸収率の低いインク粒子が残留したことによる粗化面が形成されている。このため、インク層表面と溝の底面とのコントラストが明確となり、機械で正確に画像認識することが可能となる。
【0018】
請求項のプリント配線板の製造方法は、導体回路を施した基板上に、開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、前記ソルダーレジスト層上に文字印刷用インクで文字印刷を行うプリント配線板の製造方法において、少なくとも以下(a)〜(c)の工程を備えることを技術的特徴とする:
(a)ソルダーレジスト層上に、光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを少なくとも2種類以上混合した文字印刷用インクを塗布する工程;
(b)前記ソルダーレジスト層上に塗布された前記文字印刷用インクを乾燥硬化させて、インク層を形成する工程;
(c)前記インク層を文字形状にレーザ加工して、該インク層中の前記光の吸収率の高いインクを除去して、前記光の吸収率の低いインクを残留させて文字形状の溝を形成する工程。
【0019】
請求項では、光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとが少なくとも2種類以上混合されたインク層を、文字形状にレーザ加工して、インク層に文字形状の溝を形成している。光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクとが混合されたインク層は、相対的に光沢度が高く、レーザ加工により光の吸収率の高いインクが除去され光の吸収率が低いインクが残留した文字形状の溝の表面は、相対的に光沢度が低い。これにより、インク層表面と文字形状の溝とのコントラストが明確になるので、機械で正確に画像認識することが可能となる。
【0020】
また、インク層が単層であるため、インク層を印刷する際の位置合わせや厚さの制御を容易に行うことが可能となる。その上、インクの硬化処理工程を1回で行うことができるので、製造工程を削減することができる。また、1種類の文字印刷用インクを管理するだけでよいので、管理コストを下げることが可能となる。
さらに、文字形状の溝をレーザで形成するため、文字やバーコードなどの記号を微細に形成することが可能となる。
【0021】
なお、光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクとが、少なくとも2種類以上混合された文字印刷用インクとしては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂などの熱硬化性樹脂であればなんでもよい。特に、ガラス転移温度が100〜150℃の範囲にある熱硬化性樹脂であるほうが望ましい。これは、ソルダーレジスト層のガラス転移温度に近いために、熱履歴による剥離、欠落などを防止できるからである。
【0022】
使用される文字印刷用インクの粘度は、25,000〜75,000cps範囲としている、理由としては、にじみ、かすれを生じにくく、かつインク層の厚みの均一性を保ちやすいからである。
【0023】
文字印刷用インクの粘度が25,000cps未満のとき、ソルダーレジスト層上に、所望の厚みのインク層は形成できるが、インク層がにじむことがある。また、文字印刷用インク印刷後の乾燥、硬化、あるいは、インク層中の気泡を抜くための脱泡処理の際、インクが飛散したり、流れたりしてソルダーレジスト、基板及び半田バンプ上を汚染することがある。特に、半田バンプを汚染した場合は、ICチップなどの外部電子部品と電気接続が取れなくなる。
【0024】
一方、文字印刷用インクの粘度が75,000cpsを超えたとき、所望の厚みのインク層が形成できなかったり、インク層がかすれたりする。文字印刷で形成された文字がターゲットマーク、バーコードなどの工程認識用である場合は、実装工程、検査工程にて位置認識、製品判定などが行えなくなる。また、インク層中に気泡が残留したりする。気泡は、インク粘度が75,000cps以下のときは、脱泡、乾燥、硬化を経る間に、除去、低減される。ここで、印字文字上に、アンダーフィルなどの封止樹脂で覆う場合には、上述したようにインク層内の気泡により信頼試験が低下することがある。
【0025】
ンク層に文字形状の溝を形成する際に、炭酸、エキシマ、UVのレーザ処理の中から選ばれる少なくとも1種類以上を使用している。これにより、インク層中の光の吸収率の高いインクがレーザのエネルギーの熱により除去され、溝の表面に光りの吸収率の低いインクを多く残すことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図を参照して説明する。
先ず、本発明の第1実施例に係るプリント配線板10の構成について、図7〜図9を参照して説明する。図7は、本発明の第1実施例に係るプリント配線板10の断面図を示し、図8(A)は、図7に示すプリント配線板10の平面図を示している。図9は、図7に示すプリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード94へ載置した状態を示している。また、図8(A)中のA−A断面が、図7の断面図に相当する。
【0027】
図7に示すように、プリント配線板10では、コア基板30の表面及び裏面にビルドアップ配線層80A、80Bが形成されている。コア基板30には、スルーホール36が形成され、コア基板30の両面には、導体回路34が形成されている。また、ビルドアップ配線層80A、80Bは、導体回路58(バイアホール60を含む)が形成された層間樹脂絶縁層50と、導体回路158(バイアホール160を含む)が形成された層間樹脂絶縁層150とからなる。層間樹脂絶縁層150上には、ソルダーレジスト層70が配設されている。ソルダーレジスト層70には、開口部71が形成され、開口部71には半田バンプ76U、76Dが配設されている。
【0028】
図9に示すように、プリント配線板10の上面側の半田バンプ76Uは、ICチップ90のランド92へ接続される。一方、下側の半田バンプ76Dは、ドーターボード94のランド95へ接続されている。
【0029】
次に、プリント配線板10の平面図である図8(A)に示すように、半田バンプ76Uは、プリント配線板の中央部に配設されている。半田バンプ76Uの外周には、半田バンプ76UにICチップ90を載置する際の基準位置を示す十字状のターゲットマーク96Aが配設されている。同様に、ソルダーレジスト層70上に、ドータボード94への取り付け時の基準位置を示す円状のターゲットマーク96B、三角のターゲットマーク96Cが配設されている。更に、ソルダーレジスト層70上には、ICチップをプリント配線板10に取り付ける取り付け装置にて製品を自動認識するためのバーコード98a、製品名(製品認識文字:214TL)及びロットナンバー(製造認識文字:7112)からなる文字情報98bが配設されている。なお、文字情報98bは、図8(B)に拡大して示すように線幅0.3mmに形成されている。
【0030】
これらターゲットマーク96A、96B、96C、バーコード98a及び文字情報98bは、図8(A)、(B)に示すように、光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクとが混合されたインク層100に文字形状をレーザ加工して溝110を形成すると共に、溝110表面の光の吸収率の高いインクを光の吸収率の低いインクよりも多く除去することにより形成してある。
また図7に示すように、文字形状の溝110の底面110aには、粗化面112が形成されている。
【0031】
インク層100を光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクと混合された文字印刷用インクで形成することにより、インク層100が単層となり、インク層100を印刷する際の位置合わせや厚さの制御を容易に行うことが可能となる。その上、インクの硬化処理工程を1回で行うことができるので、製造工程を削減することが可能となる。また、1種類の文字印刷用インクを管理するだけでよいので、管理コストを下げることが可能となる。
【0032】
また、光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとの混合されたインク層100は、相対的に光沢度が高い。一方、レーザ加工により光の吸収率の高いインクが除去され光の吸収率が低いインクが残留した文字形状の溝110の表面は、相対的に光沢度が低い。これにより、インク層100表面と文字形状の溝110とのコントラストが明確になるので、機械で正確に画像認識することが可能となる。なお、インク層100の光沢度は1.0〜2.0の範囲がよい。特に望ましいのは、1.2〜1.8である。この範囲であれば、インク層100と溝110とのコントラストが明確となる。
【0033】
さらに、インク層100表面は滑らかでつやがあるのに対して、溝110の底面110aには粗化面112が形成されているため、インク層100表面と溝110の底面110aとのコントラストが明確となり、機械で正確に画像認識することが可能となる。
【0034】
図8(A)に示すように、上述した十字状のターゲットマーク96Aの形成されたインク層は、半田バンプ76Uから5mm離して配設されている。また、文字情報98bの形成されたインク層は、半田バンプ76Uから8mm離して配設されている。インク層は5mm以上半田バンプから離すことが望ましい。5mm未満であると、印刷の際にインクが飛散して半田バンプ76Uを汚染する可能性があり、また、半田バンプを破壊、傷つけることがある。一方、図7に示す文字情報98bの厚み(t2)は、20μmに形成されている。これは、半田バンプ76Uの高さ(t1)が100μmであるため、100μmを越えるとICチップ90を載置する際に、文字情報98bとICチップ90とが干渉することを避けるためである。
なお、インク層100の厚みは10〜100μmの範囲がよい。望ましいのは15〜60μmの範囲である。理由としては、印字性、作業性に優れはっきりした印字文字が得られるからである。
【0035】
引き続き、図7を参照して上述したプリント配線板の製造方法について、図1〜図7を参照して説明する。
【0036】
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂からなる基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とする(図1(A)参照)。まず、この銅張積層板30Aをドリル削孔し、続いてめっきレジストを形成した後、この基板に無電解銅めっき処理を施してスルーホール36を形成し、さらに、銅箔32を常法に従いパターン状にエッチングすることにより、基板30の両面に下層導体回路34を形成する(図1(B)参照)。
【0037】
(2)下層導体回路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、エッチング液を基板30の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路34の表面とスルーホール36のランド表面36aとをエッチングすることにより、下層導体回路34の全表面に粗化面34α、36αを形成する(図1(C)参照)。ここで、エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部およびイオン交換水78重量部を混合したものを使用する。
【0038】
(3)エポキシ系樹脂を主成分とする樹脂充填剤40を、基板30の両面に印刷機を用いて塗布することにより、下層導体回路34間またはスルーホール36内に充填し、加熱乾燥を行う。即ち、この工程により、樹脂充填剤40が下層導体回路34の間あるいはスルーホール36内に充填される(図1(D)参照)。
【0039】
(4)上記(3)の処理を終えた基板30の片面を、ベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、下層導体回路34の表面やスルーホール36のランド表面36aに樹脂充填剤40が残らないように研磨し、ついで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行う。このような一連の研磨を基板30の他方の面についても同様に行う。そして、充填した樹脂充填剤40を加熱硬化させる(図2(A)参照)。
【0040】
このようにして、スルーホール36等に充填された樹脂充填剤40の表層部および下層導体回路34上面の粗化層34αを除去して基板30両面を平滑化し、樹脂充填剤40と下層導体回路34とが粗化面34αを介して強固に密着し、またスルーホール36の内壁面と樹脂充填剤40とが粗化面36αを介して強固に密着した配線基板を得る。
【0041】
(5)次に、上記(4)の処理を終えた基板30の両面に、上記(2)で用いたエッチング液と同じエッチング液をスプレイで吹きつけ、一旦平坦化された下層導体回路34の表面とスルーホール36のランド表面36aとをエッチングすることにより、下層導体回路34の全表面に粗化面34βを形成する(図2(B)参照)。
【0042】
(6)次に、上記工程を経た基板の両面に、厚さ50μmの熱硬化型エポキシ系樹脂シートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg/cm2 で真空圧着ラミネートし、エポキシ系樹脂からなる層間樹脂絶縁層50を設ける(図2(C)参照)。真空圧着時の真空度は、10mmHgである。
【0043】
(7)次に、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径5mm、トップハットモード、パルス幅50μ秒、マスクの穴径0.5mm、3ショットの条件でエポキシ系樹脂からなる層間樹脂絶縁層50に直径80μmのバイアホール用開口51を設ける(図2(D)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行う。
【0044】
(8)次に、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶縁層50の表面に粗化面50αを形成する(図3(A)参照)。この際、不活性ガスとしてはアルゴンガスを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で、2分間プラズマ処理を実施する。
【0045】
(9)次に、同じ装置を用い、内部のアルゴンガスを交換した後、Ni及びCuをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni/Cu金属層53を層間樹脂絶縁層50の表面に形成する。このとき、形成されたNi/Cu金属層53の厚さは0.2μmである(図3(B)参照)。
【0046】
(10)上記処理を終えた基板30の両面に、市販の感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトマスクフィルムを載置して、100mJ/cm2 で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト54のパターンを形成する(図3(C)参照)。
【0047】
(11)次に、以下の条件で電解めっきを施して、厚さ15μmの電解めっき膜56を形成する(図3(D)参照)。なお、電解めっき水溶液中の添加剤は、アトテックジャパン社製のカパラシドHLである。
【0048】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0049】
(12)ついで、めっきレジスト54を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト54の下に存在していたNi/Cu金属層53を硝酸および硫酸と過酸化水素との混合液を用いるエッチングにて溶解除去し、Ni/Cu金属層53及び電解めっき膜56からなる厚さ16μmの導体回路58(バイアホール60を含む)を形成する(図4(A)参照)。
【0050】
(13)次に、上記(5)の工程と同様にエッチングを導体回路58(バイアホール60を含む)の表面に行うことにより、導体回路58(バイアホール60を含む)の表面に粗化面58αを形成する(図4(B)参照)。
【0051】
(14)続いて、上記(6)〜(13)の工程を、繰り返すことにより、さらに上層に、層間樹脂絶縁層150を形成する。そして、層間樹脂絶縁層150上に導体回路158(バイアホール160を含む)を形成する(図4(C)参照)。
【0052】
(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物(有機樹脂絶縁材料)を得る。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0053】
(16)次に、基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部71のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口部71を形成する。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層70を硬化させ、開口部71を有する、その厚さが20μmのソルダーレジスト層(有機樹脂絶縁層)70を形成する(図5(A)参照)。上述したソルダーレジスト以外にも、市販のソルダーレジストを用いることもできる。
【0054】
(17)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成する(図5(B)参照)。
【0055】
(18)そして、ソルダーレジスト層70の開口部71に、半田ペーストを印刷して200℃でリフローすることにより、半田バンプ76U、76Dを形成する(図5(C)参照)。
【0056】
(19)次に、ソルダーレジスト層70上に、光の吸収率の高いインク(黒色)と光の吸収率が低いインク(白色)とが混合された文字印刷用インクを印刷する。その後、減圧室でインク中の気泡を抜く脱泡処理を施す。文字印刷用インクとしては、光の吸収率の高いインクとしては、プリント配線板用の熱硬化性樹脂から成る黒インクを用い、また、光の吸収率が低いインクとしては、プリント配線板用の熱硬化性樹脂の白インクを用いる。第1実施例では、白インクと黒インクとの混合比率(体積比)を、白:黒=0.2:0.8とする。そして、白インクと黒インクとを混合してなる文字印刷用インクの粘度は50000cpsとする。文字印刷用インクの粘度を50000cpsに調整することで、半田バンプ76Uをインクで汚染することを避けると共に、さらにかすみ、にじみの発生を生じることなく印刷を行っている。印刷は、通常の印刷の他ポッティングなどの種々の方法を用いることができる。
なお、文字印刷用インクの粘度は25000〜75000cpsの範囲であることが好ましい。理由としては、にじみ、かすれを生じにくく、かつインク層100の厚みの均一性を保ちやすいからである。
【0057】
(20)その後、文字印刷用インクを80℃/5分+120℃/10分の条件で加熱乾燥させ、文字印刷用インクを硬化させることにより、ソルダーレジスト層70上にインク層100を形成する(図6(A)及び図6(A)のA−A断面図である図6(B)参照)。ここで、インク層100は半田バンプ76Uから、5mm離れた位置に厚さ20μmで形成する。
【0058】
ここで、光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクとが、混合された文字印刷用インクを用いることにより、インクの硬化処理工程を1回で行うことができるので、製造工程を削減することが可能となる。その上、1種類の文字印刷用インクを管理するだけでよいので、管理コストを下げることが可能となる。また、文字印刷用インクをソルダーレジスト層70上に印刷する際に、インク層100の位置合わせや厚さの制御を容易に行うことが可能となる。
【0059】
文字印刷用インクとしては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂などの熱硬化性樹脂であればいずれも用い得る。特に、ガラス転移温度が100〜150℃の範囲にある熱硬化性樹脂であるほうが望ましい。これは、ソルダーレジスト層70のガラス転移温度に近いために、熱履歴による剥離、欠落などを防止できるからである。
【0060】
インク層100の厚みは、10〜100μmの範囲であることが好ましい。望ましいのは15〜60μmの範囲である。理由としては、印字性、作業性に優れはっきりした印字文字が得られるからである。特に、ターゲットマークなどの工程認識文字は、前述の厚みに形成することにより、認識用の画像検出装置で精度良く読み込むことができる。
【0061】
また、インク層100の光沢度は、1.2〜2.0の範囲であるほうが好ましい。特に望ましいのは、1.6〜1.9である。この範囲であれば、インク層100と溝110とのコントラストは明確となり、機械で正確に画像認識することが可能となる。
【0062】
(21)その後、インク層100の表面に炭酸ガスレーザを用いて、ロットナンバー、実装用ターゲットマーク、バーコードなどの文字情報の形状にレーザ照射する。インク層100のレーザ照射された部分の光の吸収率の高いインクが溶解除去し、一方で、光の吸収率が低いインクは残留するため、インク層100に文字形状の溝110が形成される。この文字形状の溝110の底面110aには、粗化面112が形成されている(図7参照)。
これにより、ソルダーレジスト層70上の半田バンプ76Uの外周に、後述する工程で半田バンプ76UにICチップ90を載置する際の基準位置を示す十字状のターゲットマーク96Aが形成される。同様に、ソルダーレジスト層70上に、ドータボード94への取り付け時の基準位置を示す円状のターゲットマーク96B、三角のターゲットマーク96Cが形成される。更に、ICチップをプリント配線板10に取り付ける取り付け装置にて製品を自動認識するためのバーコード98a、製品名(製品認識文字:214TL)及びロットナンバー(製造認識文字:7112)からなる文字情報98bが形成される(図8(A)参照)。ここで、レーザとしては、炭酸ガスレーザ以外にも、エキシマ、UVなどのレーザを用いてもよい。文字形状の溝110をレーザで形成することにより、文字やバーコードなどの記号を微細に形成することが可能となる。
【0063】
光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとが混合されたインク層100の表面は、相対的に光沢度が高い。また、レーザにより光の吸収率の高いインクが除去され光の吸収率が低いインクが残留した文字形状の溝110は、相対的に光沢度が低い。なお、溝110の光沢度は、光沢度計で測定した結果1.678であった。これにより、インク層100の表面と文字形状の溝110とのコントラストが明確になるので、機械で正確に画像認識することが可能となる。
さらに、インク層100の表面は滑らかでつやがあるのに対して、溝110の底面110aには粗化面112が形成されているので、インク層100の表面と溝110の底面110aとのコントラストが明確となり、機械で正確に画像認識することが可能となる。
【0064】
(22)続いて、インク層100を含むソルダーレジスト層70の表面にプラズマ処理を施して、表面の汚れなどを除去する。本実施例では酸素プラズマを用いている。酸素プラズマ処理には、九州松下製プラズマクリーニング装置を用い、真空状態にした中に、プラズマ照射量800W、酸素供給量300sec./M、酸素供給圧0.15MPa、処理時間10分で処理をする。また、ソルダーレジスト層70表面に形成されたインク層100には、剥がれや欠けなどが生じなかった。また、この処理により、ソルダーレジスト層70表面の接触角度が10゜、最大粗度(Rj)30nmになり、アンダーフィルの塗布性が良好となった。
【0065】
(23)ルーターを持つ装置で、基板を適当な大きさに分割切断した後、プリント配線板の短絡、断線を検査するチェッカー工程を経て、所望の該当するプリント配線板10を得る。
【0066】
(24)その後、このプリント配線板10のターゲットマーク96Aを、画像検出用カメラで光学的に読出し、プリント配線板10側の半田バンプ76UとICチップ90のランド92とを位置合わせし、リフローすることで、半田バンプ76Uとランド92とを接合させる。ここで、プリント配線板10へのICチップ90の取付は、取付装置により自動的に行うが、取付装置は、多品種のプリント配線板へそれぞれ対応する品種のICチップを載置する。この際、図8(A)中に示すバーコード98aにより、プリント配線板10の種類を自動的に識別し、対応するICチップを取り付ける。
【0067】
そして、ドータボードへの取り付け装置により、プリント配線板10のターゲットマーク96B、96Cにより位置及びアライメント等を調整し、プリント配線板の半田バンプ76Dを、ドータボード94側のパッド95へ接続する(図9参照)。
【0068】
第2実施例
第2実施例のプリント配線板は、上述した第1実施例と同様である。但し、第1実施例では、インク層を構成する白インクと黒インクとの混合比率(体積比)を、白:黒=0.2:0.8としていた。これに対して、第2実施例では、白インクと黒インクとの混合比率(体積比)を、白:黒=0.5:0.5とした。
【0069】
第3実施例
第3実施例のプリント配線板は、上述した第1実施例と同様である。但し、第3実施例では、白インクと黒インクとの混合比率(体積比)を、白:黒=0.7:0.3とした。
【0070】
第4実施例
第4実施例のプリント配線板は、上述した第1実施例と同様である。但し、第1実施例では、白インクと黒インクとを用いたのに対して、第4実施例では、インク層に黄インクと黒インクを用い、混合比率(体積比)を、黄:黒=0.2:0.8とした。
【0071】
第5実施例
第5実施例のプリント配線板は、上述した第1実施例と同様である。但し、第5実施例では、白インクと青インクを用い、混合比率(体積比)を、白:青=0.2:0.8とした。
【0072】
第6実施例
第5実施例のプリント配線板は、上述した第1実施例と同様である。但し、第5実施例では、白インクと青インクを用い、混合比率(体積比)を、白:青=0.5:0.5とした。
【0073】
引き続き、本実施例のプリント配線板に対する性能比較のため構成した比較例に係るプリント配線板について説明する。
(比較例1)
基本的に第1実施例と同様であるが、ソルダーレジスト層70の表面のインク層100に用いる文字印刷用インクとして、市販の灰色のインクを用いた。
【0074】
(比較例2)
基本的に第1実施例と同様であるが、ソルダーレジスト層70の表面のインク層100に用いる文字印刷用インクとして、黒色のインクを用いた。
【0075】
(比較例3)
基本的に第1実施例と同様であるが、ソルダーレジスト層70の表面のインク層100に用いる文字印刷用インクとして、白色のインクを用いた。
【0076】
(比較例4)
特願平11−10650号に示されるように、ソルダーレジスト層上に文字印刷用インクで文字印刷を行う際に、白色の下層インク層の上に黒色の上層インク層を積層し、黒色の上層インク層にレーザで溝を形成して白色の下層インク層を露出させることで文字を形成した。
【0077】
以上、第1実施例〜第6実施例及び比較例1〜比較例4についてインク層100に形成された溝の光沢度、インク層100の厚み、インク層100に形成された溝110の深さ、溝表面の粗化の有無、文字認識に要した時間、バーコード認識に要した時間の6項目について比較評価した。その結果を図11に示す。第1実施例〜第6実施例、及び、比較例4では、各項目で所望の結果が得られた。これに対して、比較例1、比較例2、比較例3では、良好な結果が得られなかった。なお、比較例4では、第1、第2実施例よりも低い溝の光沢度を得ているが、文字認識、バーコード認識には時間がかかった。これは、第1、第2実施例の溝に形成された粗化層により、機械による光学認識が容易になったためと考えられる。それに、比較例4では、位置ズレにより白インクが露出されないことがあり、後の工程での不具合を引き起こしてしまった。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプリント配線板及びプリント配線板の製造方法によれば、文字印刷の文字は、光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを混合したインク層に形成されている。光の吸収率の高いインクと光の吸収率が低いインクとが混合されたインク層とインク層に形成された文字とのコントラストの差により、製品の実装など後工程の際の画像認識を確実に行うことが可能となる。さらに、インク層は単層なので、インク層を印刷する際の位置合わせや厚さの制御を容易に行うことが可能となる。その上、インクの硬化処理工程を1回で行うことができるので、製造工程を削減することができる。また、1種類の文字印刷用インクを管理するだけでよいので、管理コストを下げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図2】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図4】(A)、(B)、(C)は、本発明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は、本発明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図6】本発明の第1実施例に係るプリント配線板の製造工程図であって、図6(A)は印刷工程を示すプリント配線板の平面図、図6(B)は図6(A)のA−A断面図である。
【図7】本発明の第1実施例に係るプリント配線板の断面図である。
【図8】図8(A)は、図7に示すプリント配線板10の平面図であり、図8(B)は、図8(A)中の文字情報を拡大して示す説明図である。
【図9】図7に示すプリント配線板にICチップを取り付け、ドータボードに載置した状態を示す断面図である。
【図10】図10(A)、(B)、(C)は、光の吸収率が高いインク層、光の吸収率が低いインク層及び光の吸収率が高いインクと光の吸収率が低いインクとを混合したインク層についての説明図である。
【図11】図11は、第1実施例〜第6実施例および比較例1〜比較例4に係るプリント配線板を試験した結果を示す図表である。
【符号の説明】
30 コア基板
34 導体回路
36 スルーホール
50 層間樹脂絶縁層
58 導体回路
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト層
71 開口部
76U76D 半田バンプ
80A、80B ビルドアップ配線層
96A、96B、96D ターゲットマーク
98a バーコード
98b 文字情報
100 インク層
110 溝
112 粗化面
150 層間樹脂絶縁層
158 導体回路
160 バイアホール

Claims (5)

  1. 導体回路を施した基板上に、開口部を有するソルダーレジスト層を形成したプリント配線板において、
    光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを少なくとも2種類以上混合して成るインク層の印刷を行い、前記光の吸収率の低いインクを残留させることで文字印刷が形成されてなり、
    前記文字印刷は、前記インク層に文字形状をレーザ加工して形成された溝であって、当該溝表面の前記光の吸収率の高いインクを前記光の吸収率の低いインクよりも多く除去し、前記光の吸収率の低いインクを残留させることで形成されていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記インク層の光沢度が1.0〜2.0の範囲であることを特徴とする請求項に記載のプリント配線板。
  3. 前記インク層の厚みは、10〜100μmの範囲で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板。
  4. 導体回路を施した基板上に、開口部を有するソルダーレジスト層を形成したプリント配線板において、
    光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを少なくとも2種類以上混合して成るインク層に文字印刷を行い、
    前記文字印刷は、前記インク層に文字形状をレーザ加工して形成された溝であって、当該溝表面の前記光の吸収率の高いインクを前記光の吸収率の低いインクよりも多く除去することにより形成し、
    前記溝の底面には、粗化面が形成されていることを特徴とするプリント配線板。
  5. 導体回路を施した基板上に、開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、前記ソルダーレジスト層上に文字印刷用インクで文字印刷を行うプリント配線板の製造方法において、少なくとも以下(a)〜(c)の工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法:
    (a)ソルダーレジスト層上に、光の吸収率の高いインクと光の吸収率の低いインクとを少なくとも2種類以上混合した文字印刷用インクを塗布する工程;
    (b)前記ソルダーレジスト層上に塗布された前記文字印刷用インクを乾燥硬化させて、インク層を形成する工程;
    (c)前記インク層を文字形状にレーザ加工して、該インク層中の前記光の吸収率の高いインクを除去して、前記光の吸収率の低いインクを残留させて文字形状の溝を形成する工程。
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