JP3901098B2 - 楽音編集システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、操作者の動作に応じて、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)等の楽音データを編集することができる楽音編集システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
既存のMIDI等の楽音データに対して、テンポや、音量、音色等を変更したり、エンベロープや、ディストーション等の効果を加えたりして自分の好みの曲想に編集できる楽音編集装置がある(例えば特許文献1参照)。この種の楽音編集装置においては、操作者は、楽音データに対して、手入力でデータの変更や追加を行うようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平3―213898号公報
【0004】
しかしながら、楽音データを手入力で変更するには、音楽知識が必要であるため、従来装置は、音楽知識のない初心者にとっては、ほとんど使うことができないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、音楽知識が無くても、楽音データを編集することができる楽音編集システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、楽音の自動演奏に用いられ、発生すべき1つの音と、当該音に指示されている音情報とを対応付けて1つのブロックを構成し、複数のブロックの集合によって曲が構成される所定のデータ形式である楽音データを記憶する記憶手段と、操作者の運動を検出し、その運動に対応する運動検出信号を生成する運動検出手段と、前記運動検出信号に基づいて、楽音制御情報を生成する楽音制御情報生成手段と、前記記憶手段から演奏の進行に応じてブロック単位で順次読み出される前記楽音データに対し、前記楽音制御情報に基づいて編集を行う編集手段とを具備している。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、楽音データについて、発生すべき1つの音と、当該音に指示されている音情報とを対応付けて1つのブロックを構成し、複数のブロックの集合によって曲が構成される所定のデータ形式とすることにより、操作者が運動すれば、運動検出手段によりその運動が検出され、楽音制御情報生成手段によりその運動に対応する運動検出信号に基づいて、楽音制御情報が生成され、編集手段により、演奏の進行に応じてブロック単位で順次読み出される楽音データに対して前記楽音制御情報に基づいて1つの音毎に編集が行われる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記運動検出信号と前記楽音制御情報とを対応付ける対応付け手段と、前記対応付け手段が対応付けた前記運動検出信号と前記楽音制御情報の組を記憶するテーブルとをさらに具備し、前記楽音制御情報生成手段は、前記テーブルを参照して、前記運動検出手段によって生成された運動検出信号に対応する楽音制御情報を生成することを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、操作者の様々な動きに応じて、楽音データに対する様々な編集を行うことが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記音情報は、発音時刻と消音時刻とを特定する情報を有し、前記編集手段は、前記記憶手段から前記発音時刻順にブロック単位で順次読み出される前記楽音データに対し、前記楽音制御情報に基づいて編集を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、楽音データの各ブロックの音が、発音時刻と消音時刻によって特定されることにより、1つのブロックによって発音継続時間を特定することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記編集手段は、前記記憶手段から前記発音時刻順でブロック毎に順次読み出される前記楽音データに対し、前記楽音制御情報に基づいて前記音情報の消音時刻を特定する情報の編集を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、消音時刻を特定する情報の編集を行うことにより、発音継続時間を変更することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、前記運動検出手段は、操作者が手にもって動かせるセンサ部と、前記センサ部の出力信号を処理して前記運動検出信号を生成する運動信号処理部とからなり、前記センサ部の動かし方と前記運動信号処理部の処理の仕方とが、予め定めた対応関係になっていることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、操作者が操作しやすく、また、操作者の様々な動きを検出可能な運動検出手段を構成可能であり、更に、センサ部の動かし方と運動信号処理部の処理の仕方とが、予め定めた対応関係になっていることにより、楽音データに対する編集を常に安定的に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施形態について詳述する。
(1)構成
▲1▼楽音編集システムの全体構成
まず、本実施形態にかかる楽音編集システム全体の構成について説明する。図1は、楽音編集システム全体の概略的な構成を示しており、この図に示されるように、本実施形態の構成は、操作端末5と、楽音編集装置4との二つに大別される。
【0021】
操作端末5は、操作者の手に把持される携帯可能な端末であり(図3参照)、図1に示す動作センサ部MSが、操作者の運動を検出し、操作者の運動状態に応じた信号を出力する。この動作センサ部MSは、複数のセンサを有しており、各センサから出力される信号は、無線送信部20を介して、楽音編集装置4に送信される。
【0022】
楽音編集装置4は楽音データを編集する装置であり、動作センサ部MSが出力する信号を受信し、受信した信号に基づいて、楽音データを編集するための楽音パラメータの値を決定する。楽音パラメータは、例えば、楽音の音量、テンポ、残響、音像位置などである。
【0023】
▲2▼操作端末の構成
次に、操作端末5について詳細に説明する。図2は、操作端末5の電気的構成を示すブロック図である。図示の無線送信部20は、送信機中央処理装置(送信機CPU)T0、メモリT1、高周波トランスミッタT2、表示ユニットT3、送信用電力増幅器T5、操作スイッチT6等から構成されている。動作センサ部MSは、3次元加速度センサMS1と、傾斜センサMS2と、方位センサMS3と、ねじれ方向傾斜センサMS4とを有している。
【0024】
送信機CPUT0は、メモリT1に記録された送信機動作プログラムに基づいて、高周波トランスミッタT2、表示ユニットT3の動作を制御する。動作センサ部MSの出力信号は、送信機CPUT0により、所定の処理が施され、高周波トランスミッタT2に伝送され、さらに、送信用電力増幅器T5で増幅されて、送信アンテナTAを介して楽音編集装置4に送信される。
【0025】
表示ユニットT3は、各種情報を表示するもので、例えば、7セグメント形式のLED(Light Emitting Diode)又はLCD(Liquid Crystal Display)表示器や1個乃至複数個のLED発光器等を備えている。操作スイッチT6は、当該操作端末5の電源のオン/オフやモード設定等の各種設定を行うために用いられるスイッチである。これらの各構成要素には、図示せぬ電池電源から駆動電力が供給されるが、このような電池電源としては、一次電池を用いるようにしてもよいし、充電可能な二次電池を用いるようにしてもよい。
【0026】
図3は、操作端末5の外観を示す図であり、図示のように、操作端末5は、筒状の形状をしている。そして、上述した操作スイッチT6は操作端末5を握った操作者が親指で操作できる位置に取り付けられている。また、3次元加速度センサMS1と、傾斜センサMS2と、方位センサMS3と、ねじれ方向傾斜センサMS4とは、操作者の動作との関係で以下のような信号を出力するように取り付けられている。
【0027】
まず、操作者が、操作端末5を操作スイッチT6の位置が上になるように持って上下に振る(肩関節を伸展又は屈曲させる)と、振り動作の加速度に応じたX方向の加速度αxを表わす信号出力が3次元加速度センサMS1から発生される。また、操作端末5を左右に振る(肩関節を水平外転又は水平内転させる)と、この振り動作の加速度に応じたy方向の加速度αyを表わす信号出力が発生される。操作端末5を前後に突いたり引いたりする(矢状軸の正方向又は負方向に動かす)と、突き動作の加速度或いは引き動作の加速度に応じたz方向の加速度αzを表わす信号出力が発生される。実際の運動は上述した各運動が合成されている場合が多いが、このような場合は、各軸の成分について、加速度αx、αy、αzが各々出力される。
【0028】
また、操作者が操作端末5を、操作スイッチT6の位置が上になるように持って上下に傾けると、傾斜角度βを表わす信号が傾斜センサMS2から発生され、水平方向に旋回させると旋回角度γを表す信号が方位センサMS3から発生され、腕を外側内側に捻る(Z軸を中心として回動させる:外旋内旋する)と、ねじれ方向の回転角に対応したねじれ傾斜角度δを表す信号がねじれ方向傾斜センサMS4から出力される。
このように、操作者が操作端末5を操作すると、その操作に応じた信号(運動検出信号)が動作センサ部MSによって出力される。即ち、動作センサ部MSによって、操作者の運動が検出され、その運動に対応する運動信号が出力される。
【0029】
▲3▼楽音編集装置のハードウェア構成
次に、楽音編集装置4のハードウェア構成について説明する。図4は、楽音編集装置4のハードウェア構成例を示すブロック図である。
受信処理回路10aは受信アンテナRAを介して操作端末5からの信号(運動検出信号)を受信し、これを本体CPU10に転送する。本体CPU10は、ROM11内の所定のプログラムに従って種々の制御を行う。本体CPU10は、転送された信号(運動検出信号)に基づいて楽音データを編集するための楽音パラメータ(楽音制御情報:詳細は後述)を生成する。
RAM12は、処理中の各種データや各種のテーブルを一時記憶する。なお、RAM12の一部の記憶領域は電池によってバックアップされ、記憶内容を保持する不揮発性領域になっている。外部記憶装置13は、自動演奏用のMIDIデータを1曲もしくは複数曲分記憶している。タイマ14は、楽音の発音時間などを計測する際に用いられる。
【0030】
操作部15は、キーボートやポインティングデバイスなどを有し、操作者によって操作される。操作者が、当該操作部15を操作して入力した情報は、本体CPU10に供給される。表示回路17は、本体CPU10の制御の下に各種の情報をディスプレイ10gに表示させる。
楽音信号生成回路19は、本体CPU10の制御の下に楽音信号を生成し、さらに、残響や、エコーなどの所定の効果を付与する。効果の付与された楽音信号は、サウンドシステム26に供給される。
サウンドシステム26は、供給される楽音信号を増幅して、スピーカLF,LR,RF,RRに供給する。スピーカLF、RFはそれぞれ、ユーザの前方左右に配置され、スピーカLR、RRはそれぞれ、ユーザの後方左右に配置される。
【0031】
▲4▼編集用データの構成
この実施形態では、外部から供給されるMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格の楽音データを加工して、編集用のデータを生成するようにしている。
ここで、図5は、本実施形態で用いる自動演奏用のMIDIデータを示した図である。
MIDIデータは、上述した楽音パラメータの集合となっている。
まず、第1列のデルタタイムとは、イベントとイベントの間隔を示す楽音パラメータであり、テンポクロックの数で表される。デルタタイムが「0」の場合は、先のイベントと同時に実行される。第2列はイベントが配置されており、第3列はチャンネル番号が記載されている。MIDI規格によれば、チャンネル番号毎に音色が割り当てられる。図示の例は、簡単のためにチャンネル番号「1」だけの楽曲を示している。第4列には、ノート(Note)、プログラム番号(ProgramNo)あるいはコントロール番号(ControlNo)が記入される。第5列はそのほかの情報が記入される。
【0032】
次に、各行の楽音パラメータについて説明する。第1行のヘッダー(Header)は時間単位を示している。「時間単位」とは、分解能を示すものであり、4分音符あたりのテンポクロック数で表現される。同図においては、480の値がセットされている。これにより、4分音符一つは、480個分のテンポクロックの長さに対応することが指示されたことになる。
テンポクロックについては、第11行において定義される。すなわち、第11行のテンポ指令値(Temp)は、演奏の速さを指定し、4分音符の長さをマイクロ秒で表す。例えば、4分音符=120のテンポの場合、4分音符が1分間に120拍であるため、60(秒)/120(拍)×1000000=500000(マイクロ秒)の値が、テンポ指令値の値としてセットされる。自動演奏は、テンポクロックに基づく速さで行われるが、テンポクロックの周期は、テンポ指令値と「時間単位」の値に応じて制御されるようになっている。したがって、テンポ指令値(Temp)が「500000」で「時間単位」が「480」の場合は、テンポクロックの周期は、1/960となる。
【0033】
次に、第2行第4列のプログラム番号「Program」は、音色を示す楽音パラメータであり、予め各音色毎にその値が定められている。同図においては、値「1」がセットされており、これはピアノの音色であることを示している。第3行のボリューム「Volume」は、全体の音量を示す楽音パラメータであり、同図においては、70がセットされている。第4行の音像位置「Panpot」は、ステレオ出力時の音源の定位を示す楽音パラメータである。第5行の残響「ReverbSend」は、楽音に対して残響効果を付加する場合、どれくらいの音量の残響値を付加するかを示す楽音パラメータである。
【0034】
また、第12行以降は、音符についての楽音パラメータとなっている。これらは発音を示すノートオン(NoteOn)と消音を示すノートオフ(NoteOff)のイベントで構成され、各イベントには音高を示すノート(Note)と、音の強さを示すベロシティ(Velocity)が付属している。
図5に示す音符列は、まずD4がオンし、それからデルタタイム240後にそのD4がオフして、新たにG4,C4がオンする。そして、デルタタイム240後にG4,C4がオフして、新たにE4がオンする。さらに、デルタタイム240後に、E4がオフして新たにF4がオンする、という進行状況になっている。
【0035】
このMIDIデータを用いた一般的な自動演奏処理は、あるイベントを実行すると、その後はデルタタイムによって示される時間だけ待機して後続のイベントを実行する、という処理を繰り返す。
【0036】
本実施形態においては、自動演奏と同時に楽音データの編集を可能にするために、MIDIデータを再構成して編集用のデータを生成している。
その概略を言えば、まず一つの音符について、キーオンからキーオフまでの時間を計時し、これを発音継続時間として当該音符に対応付ける。また、その音符について指示されている音高、音色、効果、テンポなどの情報も、その音符についての一つのデータのブロックとする。そして、このブロックの集合によって曲が構成されることとなる。この処理は、本体CPU10が外部記憶装置13から自動演奏用のMIDIデータを読み出してRAM12に格納し、この格納されたMIDIデータを解析することにより、音高や発音時間や効果などを認識して編集用のデータを作成する。作成した編集用のデータは、RAM12に格納する。なお、このように作成された編集用のデータを、以下において単に編集用データという。
【0037】
また、MIDI楽器などによるリアルタイム演奏を入力しても各楽音の発音時間をタイマ14で計測することによって、発音時間を示すデータを作成することができる。そして、音高、音色、効果などの情報は、MIDI楽器から逐次送信されるプログラム番号やコントロール番号を識別して各音符に関連付けて行くことにより、上述の場合と同様の編集用データを作成することができる。
【0038】
ここで、図6は、編集用データの一例である。なお、この編集用データは、図5に示すMIDIデータを、変換した場合に対応している。
ここで、図に示す第1列の「発音開始時刻」とは、曲の冒頭を基準(0:00:00:00)にしたときの、楽音の発音が開始される時刻を示している。
第2列の「発音継続時間」とは、楽音が実際に放音される時間をテンポクロックの数で表したデータである。同図においては、240の値がセットされているが、これは図5のデルタタイムの240に対応している。
また、第3列はチャンネル、第4列はノート(Note)、第5列はベロシティ(Velocity)、第6列はテンポ指令値(Temp)、第7列はプログラム番号(Program)、第8列以降はコントロール番号となっており、MIDI規格のデータに対応した情報が配列されている。このように、図6に示す一つの行(一つの音符に対応するデータのブロック)には、その音の発音に必要な情報が全て書き込まれている。
【0039】
(2)動作
以下、本実施形態の動作について説明する。
▲1▼テーブル設定動作
操作者は楽音データの編集を行う前に、楽音データに対しどのような編集を行うのかを設定する。具体的には、楽音データに含まれる楽音パラメータのうちのいずれかを書き換えるためのテーブルの設定する。この設定を行い易くするために、本実施形態においては、操作端末5の動かし方に応じて、どの楽音パラメータを書き換えるかを割り当てるようにしている。この場合、操作端末5の動かし方と書き換え対象となる楽音パラメータの対応関係は、操作者によって設定できるようになっている。以下、この設定操作について説明する。
【0040】
まず、操作者が操作部15を操作して、設定モードにすると、本体CPU10は、図7〜図12に示すようなイラストをディスプレイ10gに表示する。図7〜図12に示すイラストは、いずれか一つがディスプレイ10gに表示され、操作部15によって画面送りの操作がなされると、次のイラストが表示されるようになっている。なお、説明の簡略上6種の動作について示したが、これ以外の動作についてもイラストが用意されている。また、各イラストの画像データはROM11に記憶されている。
【0041】
ここで、図7〜図12に示される画面について説明する。図7は、操作端末5を上下に振る動作を示しており、「上下に振る」という文字も表示されている。図8は、操作端末5を水平面内で内転もしくは外転する動作を示しており、「水平に振る」という文字も表示されている。図9は、操作端末5を左右に細かく振る動作を示しており、「左右に細かく振る」という文字も表示されている。図10は操作端末5を上下左右に振るという動作を示しており、「上下左右に振る」という文字も表示されている。図11は操作端末5の仰角を変える方向に傾けるという動作を示しており、「傾ける」という文字も表示されている。図12は操作端末5を捻るという動作を示しており、「ひねる」という文字も表示されている。
このように表示される画面を参照して、まず操作端末5の動かし方を選択する。この選択は、操作部15に対して所定の操作することによって行われる。
【0042】
次に、操作端末5の動かし方を選択した後は、操作者は、この動かし方について、どの楽音パラメータに対応させるかを決定する。楽音パラメータは前述のように、テンポ、音量、残響、ピッチベンド、パンポットなど複数あるが、そのいずれかを選択する。この選択方法は、本体CPU10が、ディスプレイ10gに楽音パラメータの項目を表示し、操作者が操作部15のマウス等を用いて、いずれかを選択することによって行われる。
【0043】
この実施形態においては、操作端末5の動かし方に対して、動作センサ部MSの出力信号のどれをどのように用いるかが予め対応付けられている。
たとえば、「上下に振る」(図7)という動かし方に対しては、3次元加速度センサMS1の出力信号αxの符合の変化が検出信号として対応付けられている。
「水平に振る」(図8)という動かし方には、方位センサMS3の出力信号γの値が検出信号として対応付けられている。
「左右に細かく振る」(図9)という動かし方には、3次元加速度センサMS1の出力信号αyのローカルピーク値が検出信号として対応付けられている。
「上下左右に振る」(図10)という動かし方には、3次元加速度センサαx、αyの絶対値が検出信号として対応付けられている。
「傾ける」(図11)という動かし方には、傾斜センサMS2の出力信号βの値が検出信号として対応付けられている。
「ひねる」(図12)という動かし方には、ねじれ方向センサMS4の出力信号δの値が検出信号として対応付けられている。
本実施形態において、操作端末5の動かし方と動作センサ部MSの出力信号とを固定的に対応付けているのは、これらの対応付けが一般の操作者には困難なことが多いため、実験等によって適切と判断されたもの同士を対応付けている。なお、技術的に詳しい操作者を対象にする場合などは、これらの対応付けを操作者の操作に従って任意に行うように構成してもよい。
【0044】
次に、操作端末5の動かし方とそれに対応する楽音パラメータが決定された場合に作成されるテーブルについて説明する。
図13は、「左右に細かく振る」という動かし方に対して、残響という楽音パラメータ(以下、残響パラメータという)が選択された場合に作成されるテーブル(以下、残響設定テーブル11aという)を示している。
残響設定テーブル11aの右の列には予め決められた残響パラメータ値が、小さい値から順次大きい値になるように設定されている。この複数の残響パラメータ値は、予めROM11にセットとして記憶されており、楽音パラメータとして残響が選択された場合には、ROM11内の残響パラメータ値のセットが呼び出されるようになっている。一方、残響設定テーブル11aの左の列には、操作端末5の動かし方に対応したローカルピーク値Vp1,Vp2,Vp3・・・が設定されている。この複数のローカルピーク値は、ROM11内にセットとして記憶されており、操作端末5の動かし方として「左右に細かく振る」が選択されると、ROM11から呼び出されるようになっている。以上のようにして、ROM11から呼び出された残響パラメータ値のセットと、ローカルピーク値のセットとを用いて、図13に示す残響設定テーブル11aが生成される。
【0045】
次に、図14は、「傾ける」という動かし方に対して音量という楽音パラメータ(以下、音量パラメータという)が選択された場合に作成されるテーブル(以下、音量設定テーブル11bという)を示している。
音量設定テーブル11bの右の列には予め決められた音量パラメータ値が、小さい値から順次大きい値になるように設定されている。この複数の音量パラメータ値は、予めROM11にセットとして記憶されており、楽音パラメータとして音量が選択された場合には、ROM11内の音量パラメータ値のセットが呼び出されるようになっている。一方、音量設定テーブル11bの左の列には、操作端末5の動かし方(傾ける度合い)に対応した角度β1,β2,β3・・・が設定されている。この複数の角度は、ROM11内にセットで記憶されており、操作端末5の動かし方として「傾ける」が選択されると、ROM11から呼び出されるようになっている。以上のようにして、ROM11から呼び出された音量パラメータ値のセットと、角度βのセットとを用いて、図14に示す音量設定テーブル11bが生成される。
【0046】
次に、図15は、「水平に振る」という動かし方に対してテンポという楽音パラメータ(以下、テンポパラメータという)が選択された場合に作成されるテーブル(以下、テンポ設定テーブル11cという)を示している。
テンポ設定テーブル11cの右の列には予め決められたテンポパラメータの値が、小さい値から順次大きい値になるように設定されている。この複数のテンポパラメータの値は、予めROM11にセットで記憶されており、楽音パラメータとしてテンポが選択された場合には、ROM11内のテンポパラメータのセットが呼び出されるようになっている。一方、テンポ設定テーブル11cの左の列には、操作端末5の動かし方に対応した角度γ1,γ2,γ3・・・が設定されている。この複数の角度は、ROM11内にセットとして記憶されており、操作端末5の動かし方として「水平に振る」が選択されると、ROM11から呼び出されるようになっている。以上のようにして、ROM11から呼び出されたテンポパラメータ値のセットと、角度γのセットとを用いて、図15に示すテンポ設定テーブル11cが生成される。
【0047】
次に、図16は、「上下左右に振る」という動かし方に対して音量という楽音パラメータが選択された場合に作成されるテーブル(以下、音量設定テーブル11dという)を示している。
音量設定テーブル11dの右の列には予め決められた音量パラメータの値が、小さい値から順次大きい値になるように設定されている。この複数の音量パラメータは、図14に示す音量設定テーブル11bで示した音量パラメータと同じものである。一方、音量設定テーブル11dの左の列には、操作端末5の動かし方に対応した3次元加速度センサMS1の加速度α1,α2,α3・・・が設定されている。ここで、αはαxまたはαyのうち検出された方を示している。この動かし方は、上下左右のいずれに振られるか判らないので、x方向、y方向どちらのセンサからも信号が出力される可能性があるからである。この加速度の値は、ROM11内にセットとして記憶されており、操作端末5の動かし方として「上下左右に振る」が選択されると、ROM11から呼び出されるようになっている。以上のようにして、ROM11から呼び出された音量パラメータ値のセットと、加速度αのセットとを用いて、図16に示す音量設定テーブル11dが生成される。
【0048】
次に、図17は、「ひねる」という動かし方に対してピッチベンドという楽音パラメータ(以下、ピッチベンドパラメータという)が選択された場合に作成されるテーブル(以下、ピッチベンド設定テーブル11eという)を示している。ピッチベンド設定テーブル11eの右の列には予め決められたピッチベンドパラメータの値が、小さい値から順次大きい値になるように設定されている。この複数のピッチベンドパラメータの値は、予めROM11にセットで記憶されており、楽音パラメータとしてピッチベンドが選択された場合には、ROM11内のピッチベンドパラメータのセットが呼び出されるようになっている。一方、ピッチベンド設定テーブル11eの左の列には、操作端末5の動かし方に対応した角度δ1,δ2,δ3・・・が設定されている。この複数の角度は、ROM11内にセットとして記憶されており、操作端末5の動かし方として「ひねる」が選択されると、ROM11から呼び出されるようになっている。以上のようにして、ROM11から呼び出されたピッチベンドパラメータ値のセットと、角度δのセットとを用いて、図17に示すピッチベンド設定テーブル11eが生成される。
上述した各テーブル(図13乃至図17)は、RAM12の不揮発性領域に生成され、電源を切ってもテーブルは保存されるようになっている。
【0049】
▲2▼編集動作
<残響編集>
まず、操作者は、操作端末5の動かし方を選び、編集対象となる楽音パラメータとして残響を選択する。ここでは、「左右に細かく振る」という動かし方に対して、残響という楽音パラメータが選択されたとする。この結果、本体CPU10は、図13に示す残響設定テーブル11aを生成し、RAM12の不揮発領域に格納する。
【0050】
また、操作者は、操作部15を操作して編集対象となる楽曲のMIDIデータを選択する。この結果、本体CPU10は、外部記憶装置13に記憶されている当該MIDIデータを読み出し、RAM12に一時記憶させる。そして、当該MIDIデータを図6に示されるような編集用データに変換する。そして、本体CPU10は、編集用データ内の各音のデータを発音時刻に従って順次楽音信号生成回路19に供給する。楽音信号生成回路19は、供給された各音のデータに基づいて楽音信号を生成し、生成した楽音信号をサウンドシステム26に供給する。これにより、各音のデータに基づく楽音が、指定された音響効果を伴って放音される。
操作者は、発音された楽音を聞きながら操作端末5を手に持って左右に細かく振り、この細かく振る動作を加減することで、残響パラメータを書き換えてゆく。この残響パラメータが書き換えられることにより、楽音データが編集される。
【0051】
以下、図18に示すフロー図を参照しながら説明する。まず、加速度αyが検出され、そのローカルピーク値が求められる(ステップS10)。そして、ローカルピークインターバルが所定の間隔未満か否かが判定される(ステップS11)。このステップS11の判定は、操作端末5の動かし方が細かく振る動作になっているか否かを判定するものであり、「NO」の場合は、他の動作を行っている場合なので、残響パラメータについての処理を行わず、ステップS14を介してステップS10に戻る。ステップS14は、演奏が終了したか、あるいは、操作者により編集処理の中断が指示されたかを判断するステップであり、「YES」の場合は、このルーチンを終了する。
【0052】
一方、ステップS11の判定において、「YES」となると、残響設定テーブル11aを参照し、検出された加速度αyのローカルピーク値に対応する残響パラメータの値を求める。そして、編集用データの当該音符についての残響パラメータの値を、求められた残響パラメータの値に書き換える。その後は、ステップS14を介してステップS10に戻り、上述の動作を繰り返す。
【0053】
ステップS10の処理により、残響パラメータの値が書き換えられると、本体CPU10は、書き換えられた残響パラメータの値を楽音信号生成回路19に供給する。楽音信号生成回路19は、供給された新たな残響パラメータの値にしたがって残響を変化させる。操作者は、この残響の変化を聞き、操作端末5の動かし方にしたがって残響効果が変化していることを確かめることができる。
以上のようにして操作者は、リアルタイムに演奏される楽曲の残響の変化を確認しながら、操作端末5を細かく振ることで、容易に残響パラメータを書き換えることができる。この結果、MIDIデータの残響編集を容易に行うことができる。
【0054】
ここで、一例を示すと、たとえば図19の上段に示す編集用データ(図6に示す編集用データに対応)のG4、C4の音が発音されているときに、操作者が操作端末5を左右に細かく振り、そのときのローカルピーク値に対応する残響パラメータの値が「65」だったとすると、これらの音符の残響パラメータの値は同図下段に示すように、「65」に書き換えられる。なお、図19においては、説明の便宜上、本動作に直接関係のないデータについて一部を省略している。
【0055】
<音量編集>
操作者は、操作端末5の動かし方を選び、書き換え対象となる楽音パラメータとして音量を選択する。動かし方として「上下左右に振る」が選択されたとすると、本体CPU10は、図16に示す音量設定テーブル11dを生成し、RAM12の不揮発領域に格納する。
【0056】
操作者が操作端末5を上下左右に振ることにより、その際の加速度α(αxまたはαy)が検出され、音量設定テーブル11dから加速度αの値に応じた音量パラメータの値が選択される。そして、編集用データの当該音の音量パラメータの値が、加速度αに対応する音量パラメータの値に書き換えられ、発音されている楽音の音量も更新された音量パラメータの値に対応する音量となる。なお、動作のフロー図は上述した図18に示す場合と同様なので省略する。また、1回、1回の加速度αに応じて音量パラメータの値を書き換えると、振り方のばらつきの影響も受けてしまうため、たとえば、数回分を平均するなどの加工を行ってもよい。
【0057】
ここで、編集の一例を示すと、たとえば図20の上段に示す編集用データ(図6に示す編集用データに対応)のE4の音が発音されているときに、操作者が操作端末5を上下左右に振り、そのときの加速度αに対応する音量パラメータの値が「73」だったとすると、これらの音符の音量パラメータの値は同図下段に示すように「73」に書き換えられる。
【0058】
ところで、音量編集に際し、操作端末5の動かし方として「傾ける」が選択されたとすると、図14に示す音量設定テーブル11bが選択され、操作端末5の傾きに応じた角度βによって音量が決定されるが、動作としては上述の音量パラメータ制御と同様である。このように、本実施形態においては、楽音パラメータの書き換えにおいて、操作端末5の任意の動かし方を選択することができる。
【0059】
<テンポ編集>
上述の場合と同様にして、まず、操作者が操作端末5の動かし方を選び、書き換え対象となる楽音パラメータとしてテンポを選択する。いま、動かし方として「水平に振る」が選択されたとすると、本体CPU10は、図15に示すテンポ設定テーブル11cを生成し、RAM12の不揮発領域に格納する。
【0060】
そして、操作者が操作端末5を水平に振ることにより、その振り角度に応じた角度γが検出され、テンポ設定テーブル11cから角度γの値に応じたテンポパラメータが選択される。そして、編集用データの当該音以降のテンポパラメータが、角度γに対応するテンポパラメータの値に書き換えられる。これにより、発音されている楽音のテンポも書き換えられたテンポパラメータに対応するテンポに変化する。なお、動作のフロー図は上述した図18に示す場合と同様なので省略する。また、テンポパラメータの場合には、当該音符のテンポだけでなく、それ以降に発音されるテンポパラメータの値も一斉に書き換えられる。このように、テンポについては、前述の残響等の楽音パラメータとは異なる書き換え態様になっている。このような動作は、ROM11内のプログラムに予め設定されている。テンポ以外の楽音パラメータでも、現時点で発音されている当該音符以外について楽音パラメータの値の書き換えを行ってもよい。要は、楽音パラメータの機能に適した書き換え態様を予めプログラムしておけばよい。
【0061】
ここで、編集の一例を示すと、たとえば図21の上段に示す編集用データ(図6に示す編集用データに対応)のE4の音が発音されているときに、操作者が操作端末5を傾け、そのときの角度γに対応するテンポパラメータの値が「521739」だったとすると、変更後の編集用データは同図下段に示すように書き換えられる。
【0062】
なお、本実施形態においては、テンポが変更されると、それ以降の音についても一斉にテンポ変更させたが、当該音符だけについてテンポパラメータの値を変更してもよく、あるいは、その音符以降の1小節や1フレーズだけテンポパラメータの値の変更を行うようにしてもよい。さらに、書き換え前のテンポパラメータの値と同じ値が続くときに、それらの同じ値については、一斉に変更後の値に書き換えるなど種々のやり方が可能である。
【0063】
<ピッチベンド編集>
まず、操作者が操作端末5の動かし方を選び、書き換え対象となる楽音パラメータとしてピッチベンドを選択する。以下では、いま、動かし方として「ひねる」が選択されたとすると、本体CPU10は、図17に示すピッチベンド設定テーブル11eを生成し、RAM12の不揮発領域に格納する。
【0064】
そして、操作者が操作端末5を捻ることにより、その捻り角度に応じた角度δが検出され、ピッチベンド設定テーブル11eから角度δの値に応じたピッチベンドパラメータの値が選択される。そして、編集用データの当該音のノートがピッチベンドパラメータの値に応じてピッチベンドされる。なお、動作のフロー図は上述した図18に示す場合と同様なので省略する。
【0065】
ここで、編集の一例を示すと、たとえば図22の上段に示す編集用データ(図6に示す編集用データに対応)のE4の音が発音されているときに、操作者が操作端末5を捻り、そのときの捻り角度δに対応するピッチベンドパラメータの値が「半音」だったとすると、変更後の編集用データは同図下段に示すように書き換えられる。すなわち、E4音が半音上昇してF4音となる。
【0066】
<音像位置編集>
まず、操作者が操作端末5の動かし方を選び、書き換え対象となる楽音パラメータとして音像位置を選択する。以下では、この楽音パラメータを音像位置パラメータという。いま、動かし方として「捻る」が選択されたとすると、本体CPU10は、音像位置設定テーブル(図示略)を生成し、RAM12の不揮発領域に格納する。
そして、操作者が操作端末5を捻ることにより、その捻り角度に応じた角度δが検出され、音像位置設定テーブルから角度δの値に応じた音像位置パラメータの値が選択される。そして、編集用データの当該音のノートの音像位置パラメータの値が変更される。これにより、当該音の音像位置が変化する。なお、動作のフロー図は上述した図18に示す場合と同様なので省略する。
【0067】
ここで、編集の一例を示すと、たとえば図23の上段に示す編集用データ(図6に示す編集用データに対応)のE4の音が発音されているときに、操作者が操作端末5を捻り、そのときの捻り角度δに対応する音像位置パラメータの値が「70」だったとすると、変更後の編集用データは同図下段に示すように書き換えられる。すなわち、E4音の音像位置パラメータの値が「64」から「70」に変化し、左右の音像位置が変化する。
【0068】
なお、本実施形態においては、前方の左右のスピーカLF,RFだけでなく、後方にも左右のスピーカLB,RBを設けており、左右前後の音像位置制御を行っているので、二つのセンサの信号、たとえば、角度βと角度γを用いれば、左右の音像だけでなく、前後の音像も変化させることができる。
【0069】
<その他の編集の動作>
以上のように、操作端末5の動かし方を選択し、それに対応する楽音パラメータを選択することで、本体CPU10が自動的にテーブルを生成するので、操作端末を動かすだけで楽音パラメータの書き換えが可能であり、この結果、楽音データの編集が可能である。
上述した以外にも、種々の編集が可能であるが、たとえば、ある音の長さを変えて、フェルマータをつけたように演奏したり、あるいは、もともとあるフェルマータの長さを変えて演奏することもできる。
【0070】
この場合も上述の動作と同様に、予め、操作者は、楽音編集装置4にその設定を行っておく。そして、所望の音符が発音されたところで、操作端末5を予め設定した動かし方で動かす。この結果、その音符の発音継続時間の値が書き換えられる。
【0071】
ここで、編集の一例を示すと、たとえば図24の上段に示す編集用データ(図6に示す編集用データに対応)のE4の音が発音されているときに、操作者が操作端末5について設定した動かし方をすると、その動きに応じた楽音パラメータの値が選択され、E4に対応する発音継続時間を書き換える。図では、「240」を「300」に変更する例を示している。
【0072】
また、本体CPU10は、当該楽音に対する発音継続時間を変更すると、時間単位と、テンポの値に基づいて、当該楽音が実際に発音される発音継続時間を算出する。そして、この算出結果に基づいて、編集用データの、当該楽音以降に発音される発音開始時刻を更新する。図24の例では、E4音に対応する発音継続時間を、300÷480×500000=312500(マイクロ秒)として算出する。そして、この312500(マイクロ秒)を用いて、E4音の次に続く楽音であるF4の発音開始時刻を算出する。このようにして、E4音以降の楽音について、それぞれ発音開始時刻を算出し、この算出結果に基づいて、RAM12に記憶された編集用データを更新する。
【0073】
以上のように、種々の編集動作を楽音を聞きながら簡単に行うことができる。そして、編集が終了した後は、操作者からの指示に応じて、本体CPU10がRAM12に格納された編集後の編集用データを、RAM12の不揮発性領域に記憶させたり、あるいは、図示せぬ内部ハードディスクに記憶させる。また、外部記憶装置13に記憶させてもよい。さらに、記憶のさせ方としては、編集後の編集用データを再度MIDI形式のデータに変換して記憶させてもよい。
【0074】
以上説明した各編集の動作は単独で行っても、あるいは、適宜組み合わせ行っても良い。また、操作端末5にセンサ切換スイッチを設け、操作者が使用するセンサを該スイッチによって切り換えるようにしても良い。このような構成によって、動作センサ部MSのうち、3次元加速度センサMS1だけの運動情報に基づく楽曲編集を行ったり、傾斜センサMS2だけの運動情報に基づく楽曲編集を行ったりすることができる。
【0075】
また、操作者の指示に応じて、編集後の編集用データに対して更なる編集を加えられるようにしても良い。この場合、楽音編集装置4において、本体CPU10は、編集後の編集用データの再度RAM12に格納し、上述の実施形態と同様の動作を行うようにする。
【0076】
なお、楽音編集装置4は、一般的なパーソナルコンピュータシステムを用いて実現することができる。
【0077】
(3)変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
【0078】
<変形例1>
例えば、操作端末5に内蔵される動作センサは、上述のものに限らず、公知の種々のセンサを用いても良い。例えば、3次元速度センサ、2次元加速度センサ、2次元速度センサ、または歪み検出器等であっても良い。
【0079】
<変形例2>
編集対象となる1つの楽音データ(たとえばMIDIデータ)に対して、複数人で編集を行えるようにしても良い。この場合、動作センサを内蔵した操作端末5を複数設け、各操作端末5にIDを付加すれば良い。そして複数人が各操作端末5を持ってそれを動かすと、楽音編集装置4が操作端末5からそのIDと共に信号を受信し、本体CPU10がそれぞれのIDを識別することにより、各編集動作に割り当てるようにする。例えば、あるIDを有する操作端末5の出力信号に基づいて、音量の大きさを編集できるようにし、また別のIDを有する操作端末5の出力信号に基づいて、テンポの値を書き換えられるようにする。以上のように、複数人にて1つの楽音データに対して、同時に編集を行うこともできる。なお、一人で複数の操作端末5を操作して編集することも上記と同じ構成によって実現することができる。
【0080】
<変形例3>
楽音編集装置4のRAM12に再生用エリアと編集用エリアとを設け、始めに、元の楽音データをそれぞれ再生用エリアと、編集用エリアに一時的に格納するようにしても良い。そして、楽音編集装置4にて、データ編集時に、再生用エリアに格納されているデータに基づいて楽音を再生し、操作端末からの運動情報に基づく楽音データの編集は、編集エリアに格納されている楽音データに対して行うようにする。このような構成によれば、操作者は、元の楽音データに基づく楽音を聴きながら、編集を行うことができる。
【0081】
<変形例4>
上述の実施形態においては、楽音編集装置4と操作端末5とは、無線で通信を行ったが、有線で通信を行うような構成であっても良い。
【0082】
<変形例5>
上述の実施形態においては、操作者が編集したい項目に対して、操作端末5をどのように動かし、操作端末5に内蔵される動作センサからの運動情報を選択することができる構成とした。しかし、編集項目と、動作センサから検出される運動情報とを予め固定的に対応付けてもよい。対応付けるための情報は、たとえばROM11などに記憶させる。
【0083】
<変形例6>
操作端末5の形態は、身体の一部に装着されるようなものであっても良く、また操作端末5の形状は、種々の形状であっても良い。
【0084】
<変形例7>
本実施形態においては、編集用データの楽音パラメータを、残響設定テーブル11a、音量設定テーブル11b、テンポ設定テーブル11c、音量設定テーブル11dあるいはピッチベンド設定テーブル11eから読み出される楽音パラメータの値と入れ換えるようにして書き換えたが、書き換え方はこれに限らない。例えば、残響設定テーブル11a等から出力される楽音パラメータと編集用データの楽音パラメータの平均値を算出して、編集用データの楽音パラメータを前記平均値に書き換えるなどの計算による処理を加えてもよい。
また、実施形態においては、残響設定テーブル11aなどの各テーブルには楽音パラメータが記憶されていたが、これに代えて、編集用データの楽音パラメータを書き換えるための係数や加減算値を書き込んでよい。そして、残響設定テーブル11a等から読み出された係数や加減算値を用いて、編集用データの楽音パラメータを書き換えるようにしてもよい。
以上のように、残響設定テーブル11a等から出力される楽音パラメータや係数は、編集用データを編集するための楽音制御情報として機能する。即ち、楽音データを編集するための楽音制御情報として機能する。
また、残響設定テーブル11aなどの設定テーブルを省略し、動作センサ部MSが出力する信号に対し、乗算や加算・減算などの加工を行い、加工後の信号を楽音制御情報として用いることもできる。
要は、操作者の運動に対応している運動検出信号に基づいて楽音制御情報が生成されればよい。
さらに、編集対象となる楽音データの内容も本実施例で示したMIDIデータに限らない。楽音データの内容がどのような場合でも、楽音制御情報と楽音データの書き換えの関係を事前に定義しておけば、動作センサ部MSの出力信号に基づいた編集を行うことができる。例えば、楽音パラメータなどのパラメータを用いず、動作センサ部MSの出力信号に基づいて、楽音データを直接的に書き換えてもよい。
【0085】
【発明の効果】
操作者は、既存の楽音データに対して、操作者の動作に応じた編集ができるので、好みの曲想になるよう変更を加えたり、音響効果を加えたりすることが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における楽音編集システム全体の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態における操作端末5の一構成例を示すブロック図である。
【図3】 同実施形態における操作端末5の外観を示す斜視図である。
【図4】 同実施形態における楽音編集装置4のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図5】 同実施形態において用いるMIDIデータの一例を示す図である。
【図6】 同実施形態における編集用データを示す図である。
【図7】 同実施形態における操作端末5の動かし方を示す図である。
【図8】 同実施形態における操作端末5の動かし方を示す図である。
【図9】 同実施形態における操作端末5の動かし方を示す図である。
【図10】 同実施形態における操作端末5の動かし方を示す図である。
【図11】 同実施形態における操作端末5の動かし方を示す図である。
【図12】 同実施形態における操作端末5の動かし方を示す図である。
【図13】 同実施形態における残響設定テーブルを示す図である。
【図14】 同実施形態における音量設定テーブルを示す図である。
【図15】 同実施形態におけるテンポ設定テーブルを示す図である。
【図16】 同実施形態における音量設定テーブルを示す図である。
【図17】 同実施形態におけるピッチベンド設定テーブルを示す図である。
【図18】 同実施形態における楽音編集システムの動作の概略的な流れを示すフローチャートである。
【図19】 同実施形態における編集用データの編集例を示す図である。
【図20】 同実施形態における編集用データの編集例を示す図である。
【図21】 同実施形態における編集用データの編集例を示す図である。
【図22】 同実施形態における編集用データの編集例を示す図である。
【図23】 同実施形態における編集用データの編集例を示す図である。
【図24】 同実施形態における編集用データの編集例を示す図である。
【符号の説明】
3・・・楽音編集システム、4・・・楽音編集装置、5・・・操作端末、10・・・本体CPU、10a・・・受信処理回路、10b・・・バス、11・・・ROM、11a・・・残響設定テーブル、11b・・・音量設定テーブル、11c・・・テンポ設定テーブル、11d・・・音量設定テーブル、11e・・・ピッチベンド設定テーブル、12・・・RAM、12a・・・パラメータ対応テーブル、13・・・外部記憶装置、14・・・タイマ、15・・・操作部、17・・・表示回路、19・・・楽音信号生成回路、22・・・無線受信部、23・・・情報解析部、24・・・楽音パラメータ決定部、25・・・楽音発生部、26・・・サウンドシステム、27・・・パラメータ設定部、28・・・楽音データ編集部、29・・・楽音データ記憶部、CPUT0・・・送信機CPU、MS・・・動作センサ、RA・・・受信アンテナ、T1・・・メモリ、T2・・・高周波トランスミッタ、T3・・・表示ユニット、T5・・・送信用電力増幅器、T6・・・操作スイッチ、TA・・・送信アンテナ。
Claims (5)
- 楽音の自動演奏に用いられ、発生すべき1つの音と、当該音に指示されている音情報とを対応付けて1つのブロックを構成し、複数のブロックの集合によって曲が構成される所定のデータ形式である楽音データを記憶する記憶手段と、
操作者の運動を検出し、その運動に対応する運動検出信号を生成する運動検出手段と、
前記運動検出信号に基づいて、楽音制御情報を生成する楽音制御情報生成手段と、
前記記憶手段から演奏の進行に応じてブロック単位で順次読み出される前記楽音データに対し、前記楽音制御情報に基づいて編集を行う編集手段と
を具備することを特徴とする楽音編集システム。 - 前記運動検出信号と前記楽音制御情報とを対応付ける対応付け手段と、
前記対応付け手段が対応付けた前記運動検出信号と前記楽音制御情報の組を記憶するテーブルとをさらに具備し、
前記楽音制御情報生成手段は、前記テーブルを参照して、前記運動検出手段によって生成された運動検出信号に対応する楽音制御情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽音編集システム。 - 前記音情報は、発音時刻と消音時刻とを特定する情報を有し、
前記編集手段は、前記記憶手段から前記発音時刻順にブロック単位で順次読み出される前記楽音データに対し、前記楽音制御情報に基づいて編集を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の楽音編集システム。 - 前記編集手段は、前記記憶手段から前記発音時刻順でブロック毎に順次読み出される前記楽音データに対し、前記楽音制御情報に基づいて前記音情報の消音時刻を特定する情報の編集を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の楽音編集システム。 - 前記運動検出手段は、操作者が手にもって動かせるセンサ部と、前記センサ部の出力信号を処理して前記運動検出信号を生成する運動信号処理部とからなり、前記センサ部の動かし方と前記運動信号処理部の処理の仕方とが、予め定めた対応関係になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の楽音編集システム。
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