JP3901093B2 - 光学分割剤およびそれを用いるアルコールの光学分割方法 - Google Patents

光学分割剤およびそれを用いるアルコールの光学分割方法 Download PDF

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Description

技 術 分 野
本発明は、ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン化合物又はビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン化合物からなる光学分割剤、およびこれらを用いるアルコールの光学分割方法に関する。
背 景 技 術
医薬品や農薬品、香料、甘味料などの生理活性物質には、不斉炭素原子を有するアルコールの部分構造をもつものが多い。このような化合物には光学異性体が存在し得るが、これらの光学異性体間では生理活性の強度が大きく異なったり、全く異なる性質の生理活性が発現される場合がある。従って、アルコール又はアルコールの部分構造をもつ化合物(以下、単に「アルコール類」という。)の光学異性体混合物を簡便かつ確実に分離する方法の開発が望まれている。
しかしながら、光学活性な外部要因をまったく与えずに2つの光学異性体同士が分離できるケース(自然分晶など)は稀であり、まして分離のための一般通則などは存在しない。従って、所望のアルコール類を光学異性体混合物から光学活性体に分離できるか否かの予想、あるいはその実現性は殆どのケースにおいて非常に困難である。
アルコール類の光学分割を行った例としては、例えば、Synlett.,(6),862(2000)やJ.Org,Chem.,64,2638(1999)などに、天然の光学活性環境(例えば、エステル化酵素や加水分解酵素を含む贓物の臓器)を用いて、光学異性体の一方のみをアルコールのままにし、他方をエステル誘導体に変換して光学分割する方法が記載されている。しかしながら、こうした酵素は化学的安定性、特に熱的安定性に乏しく、高温下で使用することができず、しかも高価で大量入手が困難であることから、一般性および汎用性に欠けるという問題がある。
また、Tetrahedron.,Lett,,35,4397(1994)には、不斉炭素原子を有するカルボン酸とアルコールとを縮合させてエステルにした後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりそれぞれのジアステレオマーに分離できたという報告例がある。この例は、原理的にアルコールの光学分割法と考えることができる。しかしながら、分離度の高いジアステレオマー混合物が生成するか否かに一般通則や原理はなく、一般性および汎用性に欠けるという問題点がある。
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物を簡便、かつ工業的に有利に光学分割できる新規光学分割剤、および該光学分割剤を用いるアルコールの光学分割方法を提供することを課題とする。
発 明 の 開 示
本発明者などは、既に分子内にアセタール構造またはアルケニルエーテル構造を有するオキサオクタン化合物とアルコールとの反応によりアルコールが付加したアセタール化合物が収率よく得られることを報告している(Tetrahedron Lett.,35,7785(1994))。本発明者などはこの反応を分子内に不斉炭素原子を有するアルコール(光学異性体混合物)に適用し、アルコールが付加したアセタール化合物を高収率で得た。そして、ジアステレオマー混合物として得られるアセタール化合物を簡便な分離手段によりそれぞれのジアステレオマーに分離することができること、および得られたジアステレオマーから光学活性アルコールを高収率で単離することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明の第1によれば、下記の式(1)又は(2)
Figure 0003901093
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、ホルミル基又はアシル基を表し、R10は炭素数1〜6のアルキル基を表す。但し、式(1)中、RとOR10で表される基とはシス配置である。)で表される化合物の少なくとも1種からなる光学分割剤が提供される。
本発明の光学分割剤は、前記R〜Rがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である化合物のいずれか1種からなるのが好ましく、前記R〜Rのすべてが水素原子である化合物のいずれか1種からなるのがより好ましい。
また、本発明の光学分割剤は、前記Rがアリル基またはアリル基から誘導可能な基である化合物のいずれか1種からなるのが好ましく、前記Rがアリル基またはジフェニルメチル基である化合物のいずれか1種からなるのがより好ましい。
本発明の第2によれば、前記式(1)または(2)で表される化合物の1種と、式(3):(R11)(R12)(R13)COH(式中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。ただし、R11、R12およびR13の少なくとも一つの基は水素原子ではない。)で表される分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物を反応させて、式(4)
Figure 0003901093
〔式中、R〜R13は前記と同じ意味を表し、*は不斉炭素原子を表す。また、Rと、OC(R11)(R12)(R13)で表される基とはシス配置である。〕で表される化合物のジアステレオマー混合物を得る工程と、
得られた式(4)で表されるジアステレオマー混合物をそれぞれのジアステレオマーに分離する工程と、および、
分離したジアステレオマーに、式:R14OH(式中、R14は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコールを反応させて、前記式(3)で表される光学活性アルコールを得る工程とを有する式(3)で表されるアルコールの光学分割方法が提供される。
本発明の光学分割方法は、前記R〜Rがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である化合物を用いるのが好ましく、前記R〜Rのすべてが水素原子である化合物を用いるのがより好ましい。
本発明の光学分割方法は、前記Rがアリル基またはアリル基から誘導可能な基である化合物を用いるのが好ましく、前記Rがアリル基またはジフェニルメチル基である化合物を用いるのがより好ましい。
本発明の光学分割方法は、式(3−1):(R11a)(R12a)CHOH(式中、R11aは水素原子ではない前記R11と同じ意味を表し、R12aは水素原子ではない前記R12と同じ意味を表す。)で表される分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物、または式(3−2):(R11b)CHOH(式中、R11bは不斉炭素原子を有する置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される分子内に不斉炭素原子を有する1級アルコールの光学異性体混合物を光学分割するものであるのが好ましい。
本発明の光学分割方法は、前記式(1)または(2)で表される化合物のいずれか1種と、式(3)で表されるアルコールとを反応させて、式(4)で表される化合物を得る工程において、酸触媒を反応系に共存させるのが好ましい。
本発明の光学分割方法は、前記R14がR10と同一である式:R14OHで表されるアルコールを用いるのがより好ましい。
また、本発明の光学分割方法は、前記式(3)で表される光学活性アルコールを得る工程の後、前記式(1)または(2)で表される化合物を回収し、光学分割剤として再利用するものであるのがさらに好ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明のアルコールの光学分割剤は、前記式(1)又は(2)で表される化合物の少なくとも1種からなる。
前記式(1)および(2)で表される化合物は、(5員環+5員環)骨格を有する。かかる骨格を有する化合物では、RとOR10基とがシス配置となることが知られている(Tetrahedron Lett.,35,7785(1994))。従って、R=R、R=R、R=R、かつR=Rであれば、前記式(1)および(2)で表される化合物には、下記に示すように、それぞれ2種類の光学異性体〔(1−1、1−2)、(2−1、2−2)〕が存在し得る。
Figure 0003901093
本発明においては、これらの光学異性体のいずれか1種を用いることができるが、これらを個々の光学異性体に分離することなく、上記(1−1)と(1−2)で表される化合物の光学異性体混合物、あるいは(2−1)と(2−2)で表される化合物の光学異性体混合物のいずれかを光学分割剤として用いることもできる。
上記式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などが挙げられる。また、その置換基としては、例えば、水酸基;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基などのアルキルチオ基;フッ素、塩素などのハロゲン原子;フェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メチルフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基;などが挙げられる。また、R〜Rは、同一又は異なる複数の置換基を有していてもよい。
これらの中でも、入手および製造が容易であることから、R〜Rがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である化合物が好ましく、R〜Rのすべてが水素原子である化合物がより好ましい。
は、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、ホルミル基又はアシル基を表す。
前記置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、上述したR〜Rの置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基と同様なものを例示することができる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、例えば、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが挙げられる。また、それらの置換基としては、水酸基;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基などのアルキルチオ基;フッ素、塩素などのハロゲン原子;フェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メチルフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基;などを例示することができる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2,4−ジメトキシベンゾイル基などが挙げられる。また、Rは、同一又は異なる複数の置換基を有していてもよい。
これらの中でも、Rは、アリル基又はアリル基から誘導可能な置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であるのが好ましい。ここで、「アリル基から誘導可能な置換基」とは、アリル基から種々の化学反応により誘導合成が可能な基を意味する。使用できる化学反応としては、ビシクロオキサオクタン環が化学的に安定である反応条件を採用できるものであれば特に制限されない。例えば、転位反応、還元反応、酸化反応、グリニャール反応などが挙げられる。
転位反応では、例えば、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウムなどのパラジウム錯体を転位触媒として使用することができる。還元反応では、例えば、金属リチウム−アンモニア系還元剤、リチウムアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を使用することができる。また、パラジウム−カーボンなどの水素化触媒を使用する接触水素還元法を採用することもできる。酸化反応では、例えば、オゾン、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、クロム酸、重クロム酸塩などの酸化剤を使用することができる。グリニャール反応では、例えば、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミドなどの各種グリニャール反応剤を使用することができる。
アリル基またはアリル基から誘導可能な置換基としては、例えば、プロピル基;1−プロペニル基;ホルミル基:ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、1−ヒドロキシジフェニルメチル基などの1−ヒドロキシアルキル基;α−ヒドロキシベンジル基などのα−ヒドロキシアラルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基;ベンジル基、ジフェニルメチル基などのアラルキル基;などが挙げられる。
これらの中でも、収率よく目的物を得ることができること、およびアルコールの光学分割剤として優れた性能を発揮する観点から、Rは、アリル基又はジフェニルメチル基であるのがより好ましい。
式(1)で表される化合物の光学異性体混合物は、例えば、Tetrahedron Lett.,35,7785(1994)に記載される方法に準じて製造することができる。一般的な製造ルートを下記に示す。
Figure 0003901093
(上記式中、Xはハロゲン原子を表し、Aはアセチル基などの水酸基の保護基を表し、R〜Rは前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(5)で表されるシクロペンタノン誘導体に、塩基の存在下、式:AOC(R)(R)C(R)(R)Xで表されるハロゲン化物を反応させることにより、式(6)で表される中間体を得た後、これに、パラトルエンスルホン酸(p−TsOH)などの酸触媒の存在下に、式:R10OHで表されるアルコールを作用させることにより、式(1)で表される化合物を得ることができる。
ここで、R10は置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。また、その置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基などのアルキルチオ基;フッ素、塩素などのハロゲン原子;フェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メチルフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基;などが挙げられる。また、R10は、同一又は異なる複数の置換基を有していてもよい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、7−メトキシ−8−メチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−メチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−メチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−メチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−メチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−エチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−エチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−エチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−エチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−エチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−n−プロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−n−プロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−n−プロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−n−プロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−5−n−プロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−イソプロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−イソプロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−イソプロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−イソプロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−イソプロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、
7−メトキシ−8−メトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−メトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−メトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−メトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−メトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−メチルチオメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−エチルチオメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−エトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−プロピルチオメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−エトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、
7−メトキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、
7−メトキシ−8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−ホルミル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−ベンゾイル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−フェニルヒドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−ジフェニルヒドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−8−アセチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−メトキシ−2−メチル−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−エトキシ−2−メチル−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−n−プロポキシ−2−メチル−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−イソプロポキシ−2−メチル−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン、7−t−ブトキシ−2−メチル−8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタンなどが挙げられる。
前記式(2)で表される化合物は、例えば、下記に示す反応式に従って、式(1)で表される化合物から誘導することができる(Tetrahedron Lett.,35,7785(1994)参照)。反応はすべて立体配置を保持したままで進行することが知られている。
Figure 0003901093
(式中、R〜R10は前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(1)で表される化合物を、不活性溶媒中で、アセチルクロリドを作用させることにより、式(7)で表される中間体(単離せず)を得た後、このものに、tert−ブチルアルコール(t−BuOH)およびトリエチルアミン(EtN)を作用させることにより、式(2)で表される化合物を得ることができる。
式(2)で表される化合物の具体例としては、8−メチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−エチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−n−プロピル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−アリル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−ベンジル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−メトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−ホルミル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−ベンゾイル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−アセチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−フェニルヒドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン、8−ジフェニルヒドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテンなどが挙げられる。
次に、本発明のアルコールの光学分割方法について説明する。本発明の光学分割方法の概略を下記に示す。
Figure 0003901093
本発明の光学分割方法は、(i)式(3):(R11)(R12)(R13)COHで表される分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物を、式(1)又は(2)で表される化合物と反応させることにより、式(4)で表される化合物のジアステレオマー混合物を得る工程と、(ii)得られた式(4)で表される化合物のジアステレオマー混合物をそれぞれのジアステレオマーに分離する工程と、および、(iii)分離したジアステレオマーに、式:R14OHで表されるアルコールを反応させることによって、式(3)で表される光学活性アルコールを得る工程とを有する。
式(3)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。ただし、R11、R12およびR13の少なくとも一つの基は水素原子ではない。
炭素数1〜20のアルキル基としては、前記R〜Rの炭素数1〜20のアルキル基として具体的に例示したものと同様な基が挙げられる。
前記式(3)で表されるアルコールは、分子内に不斉炭素原子を有するものであれば特に制限されず、1級アルコール、2級アルコールおよび3級アルコールのいずれであってもよい。本発明においては、式(3−1):(R11a)(R12a)CHOHで表される2級アルコール又は式(3−2):(R11b)CHOHで表される1級アルコールが好ましい。ここで、R11aは水素原子でない前記R11と同じ意味を表し、R12aは水素原子でない前記R12と同じ意味を表す。また、R11bは、不斉炭素原子を有する置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。R11bとしては、例えば、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルヘキシル基などが挙げられる。
(i)前記式(1)又は(2)で表される光学活性化合物と式(3)で表されるアルコールの光学異性体混合物との反応は、適当な溶媒中、両者を混合、撹拌することにより行なうことができる。
この反応に用いられる溶媒としては、非プロトン性溶媒であれば特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ベンゾニトリル、ジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;などが挙げられる。これらの溶媒は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、これらの中でも、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;などの比較的低い沸点をもつ有機溶媒の使用が好ましい。
また、この反応においては、ピリジニウムパラトルエンスルホネート(PPTS)、パラトルエンスルホン酸(p−TsOH)、モンモリロナイトなどの酸触媒または合成ゼオライトを反応系に共存させるのが好ましい。酸触媒を使用する場合、その添加量は、前記式(1)又は(2)で表される化合物1モルに対し、通常0.0001〜1モルである。反応は、−20℃から用いられる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは−10〜50℃で円滑に進行する。反応は、通常、数分から数十時間で完結する。
(ii)次に、上記反応で得られた式(4)で表される化合物のジアステレオマー混合物をそれぞれのジアステレオマーに分離する。このジアステレオマー混合物は、シリカゲル、アルミナ、中性アルミナなどを用いるカラムクロマトグラフィーにより、それぞれのジアステレオマーに容易に分離することができる。
分離に用いられる溶離液としては、光学異性体を十分に分離できるRf値差(ΔRf値)を与える不活性溶媒であれば特に制限はない。例えば、n−ヘキサン、n−ヘキサン−ベンゼン、n−ヘキサン−ジエチルエーテル、n−ヘキサン−酢酸エチル、n−ヘキサン−アセトン、n−ヘキサン−クロロホルム、n−ヘキサン−ジクロロメタン、ベンゼン、ベンゼン−酢酸エチル、ベンゼン−ジエチルエーテル、ベンゼン−クロロホルム、ベンゼン−ジクロロメタン、ベンゼン−アセトン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタンなどが挙げられる。
(iii)次いで、分離した式(4)で表される化合物の光学異性体のそれぞれに、式:R14OHで表されるアルコールを反応させることによって、前記式(3)で表される光学活性アルコールをそれぞれ得ることができる。
この反応は、前記式(4)で表される化合物に、前記式(3)で表されるアルコールを反応させる場合と同様の条件下で行なうことができる。
アルコール(R14OH)としては、炭素数1〜6のアルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールなどの低沸点のアルコールが挙げられる。これらの中でも、反応終了後の反応生成物の分離・精製の容易さ、および式(1)で表される化合物を光学分割剤として繰り返して使用できる点から、R14がR10と同じであるアルコールの使用がより好ましい。
この反応により遊離した式(3)で表される光学活性アルコールは、蒸留やカラムクロマトグラフィーなどの公知の精製法により単離することができる。
上記反応はいずれも立体配置を保持したまま進行し、副反応を起こすことがないので、式(1)又は(2)で表される化合物を収率良く回収することができる。回収された式(1)又は(2)で表される化合物は、必要に応じて精製を行って光学分割剤として再利用に供することができる。
また、本発明の光学分割剤を使用することにより、アルコール類だけではなく、分子内に不斉炭素原子を有し、ビニルエーテルに付加可能な活性水素を有する官能基をもつ化合物(例えば、チオール類、カルボン酸類、スルホン酸類、アミン類、末端アセチレン類、β−ジカルボニル化合物など)の光学異性体混合物も光学分割することが可能である。
さらに、本発明の光学分割方法を応用すれば、式(1)又は(2)で表される化合物の光学分割が可能である。概略を下記スキームに示す。
Figure 0003901093
式中、R〜R10および*は前記と同じ意味を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Ra、RbおよびRcの具体例としては、前記R11、R12およびR13と同様なものを例示することができる。
上記スキームに示す各反応においては、本発明のアルコールの光学分割方法の場合と同様の反応条件を採用することができる。
先ず、式:(Ra)(Rb)(Rc)COHで表される光学活性アルコールを式(1)又は(2)で表される化合物に反応させることにより、式(4’)で表される化合物のジアステレオマー混合物を得る。
次に、式(4’)で表される化合物のジアステレオマー混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの公知の分離手段により分離する。
次いで、分離したそれぞれのジアステレオマー(4’−1,4’−2)にアルコールR14OH(R14は、前記R10と同じ意味を表す。)を作用させることにより、式(1)で表される化合物の光学異性体(1’−1,1’−2)を得ることができる。また、得られた式(1’−1)および(1’−2)で表される化合物の光学異性体から、それぞれ前述した方法により式(2)で表される化合物の光学異性体(2−1,2−2)に誘導することができる。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、式(1)又は(2)で表される化合物およびアルコールの種類、反応溶媒、反応温度などを自由に変更することができる。
実施例1 7−メトキシ−8−(2−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(8)の製造
出発原料となる7−メトキシ−8−(2−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(8)の光学異性体混合物は、Tetrahedron Lett.,35,7785(1994)に記載と同様にして合成した。
実施例2 7−メトキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(14)の製造
Figure 0003901093
7−メトキシ−8−(2−プロペニル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(8)80.0g(0.439mol)のベンゼン800ml溶液に、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)11.8g(30.8mmol)を室温で加え、同温度で30分間撹拌した後、トリエチルアミン9mlを加え、更に10分間室温で撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、セライトを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)を用いて精製し、無色油状の7−メトキシ−8−(1−プロペニル)−ビシクロ[3.3,0]−1−オキサオクタン(9)64.2gを得た。収率:80%
得られた化合物(9)の物性データーを以下に示す。
FT−IR(neat):2954,2882,2829,1451,1316,1122,1063,1013,970,911,836cm−1
H−NMR(CDCl,δppm):5.67(dd,J=1.3,15.8Hz,1H)、5.47(dq,J=15.8,6.3Hz,1H)、3.91(ddd,J=6.0,7.5,7.5Hz,1H)、3.88(ddd,J=7.5,7.5,7.5Hz,1H)、3.29(s,3H)、2.12−2.00(m,1H)、2.09(ddd,J=6.0,7.5,12.3Hz,1H)、1.85−1.62(m,5H)、1.84(ddd,J=7.5,7.5,12.3Hz,1H)、1.72(dd,J=1.3,6.3Hz,3H)
El−MS:m/z 182(M).
El−HRMS:m/z Calcd for C1118:182.1307.Found:182.1310.
上記で得られた化合物(9)55g(0.302mol)の塩化メチレン275ml溶液に、−78℃でオゾン−酸素気流を16時間通じた。オゾン化終了後、同温度で反応溶液に乾燥窒素を30分間通じて過剰のオゾンを追い出し、メチルスルフィド38.3mlを加え、室温になるまで撹拌した。反応液を水中に注ぎ、塩化メチレンを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルを用いたショートカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=8:1)によって、残留物中の高極性側の副生成物を除去し、無色油状の7−メトキシ−8−(ホルミル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(10)を得た。このものは精製することなく次の反応に用いた。
得られた化合物(10)のTHF500ml溶液に、フェニルマグネシウムブロミド(PhMgBr)のTHF溶液(1M、412ml、0.412mol)を0℃で滴下し、同温度で30分間撹拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して無色油状の7−メトキシ−8−(α−ヒドロキシベンジル)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(11)を得た。このものは精製することなく次の反応に用いた。
上記で得た化合物(11)のDMF500ml溶液にピリジニウムジクロロクロマート(PDC)98g(0.259mol)を室温で加え、同温度で48時間撹拌した。反応液を水中に注ぎ、ジエチルエーテルを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて残留物を精製し、無色油状の7−メトキシ−8−ベンゾイル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(12)の結晶33.5gを得た。収率:45%
得られた化合物(12)の物性データーを以下に示す。
FT−IR(KBr):3061,2978,2882,2834,1670,1595,1470,1438,1319,1275,1216,1109,1057,1028,949,885,823,772,710cm−1
H−NMR(CDCl,δppm):7.65−7.60(m,2H)、7.45−7.33(m,3H)、4.01(ddd,J=3.4,8.4,8.4Hz,1H)、3.97(ddd,J=5.6,8.4,8.4Hz,1H)、3.32(s,3H)、2.79(ddd,J=3.4,5.6,12.4Hz,1H)、2.47(ddd,J=7.3,10.4,12.9Hz,1H)、2.19(dddd,J=1.1,1.1,6.5,12.0Hz,1H)、2.00(ddd,J=7.5,12.0,12.0Hz,1H)、1.95−1.70(m,2H)、1.83(ddd,J=8.4,8.4,12.4Hz,1H)、1.62(dddd,J=1.1,2.5,6.5,12.9Hz,1H)
元素分析:Calcd for C1518:C,73.15;H,7.37.Found:C,73.02;H,7.51(%)
上記で得られた化合物(12)4.7g(19.1mol)のTHF100ml溶液にフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液(1M、40ml、40mmol)を0℃で滴下し、同温度で30分撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製して、無色油状の7−メトキシ−8−ヒドロキシジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(13)5.12gを得た。収率:79%
得られた化合物(13)の物性データーを下記に示す。
FT−IR(KBr):3046,2995,2959,2887,1446,1395,1207,1113,1061,1000,754,700cm−1
H−NMR(CDCl、δppm):7.46−7.41(m,2H)、7.37−7.32(m,3H)、7.28−7.14(m,6H)、6.19(s,1H)、3.97(ddd,J=4.5,8.0,8.0Hz,1H)、3.82(ddd,J=8.0,8.0,8.0Hz,1H)、3.36(s,3H)、2.86(ddd,J=4.5,8.0,12.5Hz,1H)、2.69(ddd,J=9.0,9.0,13.5Hz,1H)、2.16(ddd,J=8.0,8.0,12.5,1H)、1.88(ddd,J=3.5,13.5,13.5Hz,1H)、1.86(brdd,J=8.8,11.4,1H)、1.21(ddddd,J=1.4,3.5,9.0,9.0,12.5Hz,1H)、0.94(ddd,J=9.0,11.4,11.4Hz,1H)
元素分析:Calcd for C2124:C,77.75;H,7.46.Found:C,77.71;H,7.70(%)
上記で得た化合物(13)20mg(0.0616mmol)のTHF1ml溶液に、−78℃で液体アンモニア2mlを滴下し、同温度で金属リチウム10mg(1.44mmol)を加え、10分間撹拌した。反応溶液に塩化アンモニウムを加えて反応を止め、室温になるまでさらに撹拌した。反応液を水中に注ぎ、塩化メチレンを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=8:1)を用いて精製し、無色油状の7−メトキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(14)15mgを得た。収率:78%
化合物(14)の物性データーを下記に示す。
FT−IR(KBr):2952、2895、1595,1497、1449、1322、1122、1065、1031、976、834、754、701cm−1
H−NMR(CDCl,δppm):7.40−7.32(m、4H)、7.27−7.09(m,6H)、4.57(s,1H)、3.86(ddd,J=8.0,8.0,8.0Hz,1H)、3.82(ddd,J=5.4,8.0,8.0Hz,1H)、3.38(s,3H)、2.67(ddd,J=6.4,9.4,13.5Hz,1H)、2.01(ddd,J=5.4,8.0,12.5Hz,1H)、1.96(ddd,J=8.0,8.0,12.5Hz,1H)、1.82(ddd,J=1.9,8.0,12.0Hz,1H)、1.80(ddd,J=4.7,9.4,13.5Hz,1H)、1.49(ddddd,J=6.4,8.0,9.4,9.4,12.0Hz,1H)、1.03(ddddd,J=1.9,4.7,9.4,9.4,12.0Hz,1H)、0.90(ddd,J=9.4,9.4,12.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl,δppm):144.5(C)、142.9(2×CH)、130.7(2×CH)、129.6(2×CH)、128.1(2×CH)、127.6(2×CH)、126.0(CH)、125.8(CH)、118.0(C)、65.7(CH)、58.0(C)、54.4(CH)、50.6(CH)、40.1(CH)、32.9(CH)、31.9(CH)、21.0(CH
元素分析:Calcd for C2124:C,81.78;H,7.84.Found:C,81.62;7.99(%)
実施例3 8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン(15)の製造
Figure 0003901093
実施例2で得た化合物(14)1.54g(5.0mmol)のクロロホルム8ml溶液に塩化アセチル3.93g(50mmol)を室温で滴下し、同温度で20時間撹拌した。その後、クロロホルムおよび過剰の塩化アセチルを無水条件下で減圧留去し、さらに0.1mmHg下で完全に留去した。この残留物を塩化メチレン3mlで希釈し、即座に次の反応に用いた。
トリエチルアミン5.06g(50.0mmol)の塩化メチレン13ml溶液に残留物の溶液を室温で滴下し、同温度で30分撹拌した。反応溶液を5N水酸化ナトリウム水溶液7.5mlに注いだ後、塩化メチレンを用いて抽出した。続いて、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した後、塩化メチレンを用いて抽出した。有機層を無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をアルミナゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:ジエチルエーテル=8:1)を用いて精製し、白色粉末結晶の目的化合物(15)1.14gを得た。収率82%
化合物(15)の物性データーを下記に示す。
FT−IR(KBr):3078、3028、2977、2940、2894、2862、1674、1600、1492、1450、1366、1321、1206、1174、1082、1028、987、928、750、702cm−1
H−NMR(CDCl,δppm):7.29(d,J=4.4Hz,4H)、7.26−7.13(m、6H),4.43(dd,J=1.5,3.5Hz,1H)、4.38(brdd,J=8.7,9.0Hz,1H)、4.27(s,1H)、4.10(ddd,J=6.2,8.7,11.0Hz,1H)、2.42(ddd,J=0.0,6.2,12.0Hz,1H)、2.25(brdd,J=6.2,12.4Hz,1H)、2.06(dddd,J=0.0,3.5,9.0,14.2Hz,1H)、1.97(ddd,J=9.0,11.0,12.4Hz,1H)、1.91(ddd,J=9.0,9.0,12.0Hz,1H)、1.39(dddd,J=1.5,9.0,6.2,14.2Hz,1H)
13C−NMR(CDCl,δppm):166.3(C)、142.5(C)、142.3(C)、130.0(2×CH)、129.8(2×CH)、128.2(2×CH)、127.3(2×CH)、126.3(CH)、126.2(CH)、93.6(CH)、75.7(CH)、57.8(C)、53.9(CH)、36.7(CH)、35.4(CH)、33.2(CH)元素分析:Calcd for C2020O:C,86.92;H,7.29.Found:C,86.81;H,7.42(%)
実施例4 8−ジフェニルメチル−7−[(2’R)−2’−オクチルオキシ]−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(16)の製造
Figure 0003901093
ピリジニウムパラトルエンスルホン酸(PPTS)5.0mg(0.02mmol)を含む、(R)−(−)−2−オクタノール26.0mg(0.2mmol)の塩化メチレン1ml溶液に、化合物(15)66.3mg(0.24mmol)の塩化メチレン1ml溶液を0℃で滴下し、室温で30分撹拌した。反応液を飽和食塩水で洗浄後、無水炭酸カリウムを用いて乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1)を用いて精製し、無色油状の化合物(16)76.6mg(0.189mmol、94%)を得た。更に、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)を用いてジアステレオマーを分離し、2種類の16aおよび16bで表される光学活性体を得た。収量:16a:29.1mg(収率:38%)、16b:32.2mg(収率:42%)
得られた化合物(16a,16b)の物性データーを以下に示す。
16a:8−ジフェニルメチル−7−[(2’R)−2’−オクチルオキシ]−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン
H−NMR(CDCl,δppm):7.41(brd,J=7.6Hz,4H)、7.28−7.08(m,6H)、4.57(s,1H)、3.94(tq,J=6.0,6.0Hz,1H)、3.84(t,J=7.2Hz,2H)、2.67(ddd,J=6.2,9.2,13.6Hz,1H)、1.96(t,J=7.2Hz,2H)、1.84−1.70(m,2H)、1.68−1.25(m,11H)、1.20(d、J=6.0Hz,3H)、1.13−0.98(m,1H)、0.94(ddd,J=9.5,9.5,12.0Hz,1H)、0.89(t,J=6.5Hz,3H)
元素分析:Calcd for C2838:C,82.71;H,9.42.Found:C,82.49;H,9.64(%)
旋光度:[α] 22=−152.94°(c=2.21、CHCl
16b:8−ジフェニルメチル−7−[(2’S)−2’−オクチルオキシ]−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン
H−NMR(CDCl,δppm):7.41(brd,J=7.6Hz,4H)、7.28−7.08(m,6H)、4.55(s,1H)、3.85(tq,J=6.0,6.0Hz,1H)、3.88−3.76(m,2H)、2.63(ddd,J=6.2,8.8,13.6Hz,1H)、1.99(ddd,J=8.0,8.0,12.0Hz,1H)、1.93(ddd,J=5.3,6.7,12.0Hz,1H)、1.88−1.71(m,2H)、1.70−1.29(m,11H)、1.19(d,J=6.0Hz,3H)、1.13−0.89(m,2H)、0.92(t,J=6.5Hz,3H)
元素分析:Calcd for C2838:C,82.71;H,9.42.Found:C,82.49;H,9.71(%)
旋光度:[α] 22=+118.59°(c=2.27、CHCl
実施例5 7R,8R−8−ジフェニルメチル−7−メトキシ−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(14a)の製造
Figure 0003901093
上記で得られた化合物(16a)252mg(0.62mmol)を無水メタノール5mlに溶解させ、ピリジニウムパラトルエンスルホネート(PPTS)16mg(0.062mmol)を加えて、12時間還流させた。反応液を室温まで戻した後、炭酸カリウム20mg(0.14mmol)を加えて15分間撹拌した。反応液を水に注ぎ、ジエチルエーテル60mlで3回抽出した。有機層を集め、炭酸カリウムで乾燥、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、目的物(14a)を162mg得た。収率85%
旋光度:「α] 23=−208.09°(c=0.875、CHCl
実施例6 7S,8R−8−ジフェニルメチル−7−メトキシ−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(14b)の製造
実施例5と同様にして、化合物(16b)から、7S,8R−8−ジフェニルメチル−7−メトキシ−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(14b)を得た。
旋光度:[α] 23=+208.09°(c=0.875、CHCl
実施例7 8R−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン(15a)の製造
実施例5で得られた化合物(14a)から、実施例3と同様にして目的物(15a)を得た。
旋光度:[α] 23=−8.34°(c=2.805、CHCl
実施例8 8S−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ−6−オクテン(15b)の製造
実施例6で得られた化合物(14b)から、実施例3と同様にして目的物(15b)を得た。
旋光度:[α] 23=+8.34°(c=2.805、CHCl
実施例9 (7R,8S)−8−ジフェニルメチル−7−(3b,5a−コレスタノイルオキシ)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(17)の製造
Figure 0003901093
モンモリロナイトK10(30mg)の塩化メチレン(0.5ml)溶液に、化合物(16a)30mg(0.074mmol)およびコレスタノール143.6mg(0.37mmol)の塩化メチレン(0.5ml)溶液を室温で加え、同温度で2時間撹拌した。反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製して、目的物(17)の無色板状結晶30.7mgを得た。収率62%
化合物(17)の物性データーを以下に示す。
H−NMR(CDCl,δppm):7.40(brd,J=7.5Hz,4H)、7.27−7.08(m、6H)、4.57(s,1H)、3.83(t,J=7.3Hz,2H)、3.72−3.61(m,1H)、2.70−2.61(m,1H)、1.99−0.58(m,38H)、0.91(d,J=6.6Hz,3H)、0.88(d,J=6.3Hz,6H)、0.85(s,3H)、0.66(s,3H)
元素分析:Calcd for C4768:C,84.88;H,10.31.Found:C,84.88;H,10.35(%)
旋光度:[α] 22=−137.87°(c=1.60、CHCl
得られた化合物(17)の結晶をX線で解析することにより、化合物(16a)の絶対配置を決定した。これを基に他の化合物の絶対配置や相対配置を決定することができた。
実施例10 8−ジフェニルメチル−7−(2’R−2’−アルコキシ)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(18a)および8−ジフェニルメチル−7−(2’S−2’−アルコキシ)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサ オクタン(18b)の製造
Figure 0003901093
上記で得られた7−メトキシ−8−ジフェニルメチル−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン(14a)と種々のアルコール(R19)(R20)(R21)COHとを反応させて、アセタール交換反応を行なった。一般的手法は次の2通りである。
(方法1)
化合物(14a)の塩化メチレン溶液を同重量のモンモリロナイトK10およびモレキュラーシーブ4Aを含むアルコール(化合物(14a)に対して、5〜10当量)の塩化メチレン溶液に室温で加え、同温度で7〜10時間撹拌した。反応液をセライトろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1)にて精製して目的物の異性体混合物を得た。更に、得られた異性体混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン=1:2.5〜3)にてそれぞれのジアステレオマー(18aおよび18b)に分離した。
(方法2)
化合物(14a)のベンゼン溶液に、アルコール(化合物(14a)に対して10〜20当量)、ピリジニウムパラトルエンスルホネートを順次加え、10〜20時間還流した。反応液に炭酸カリウムを少量加えて室温で撹拌した後、反応液を水に注ぎ、ジエチルエーテルを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水炭酸カリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残留物を、必要に応じシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製した後、再度シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン=1:2.5〜3)にてジアステレオマー(18aおよび18b)を分離した。
得られた化合物の同定は、FT−IR、H−NMR、13C−NMRの各種スペクトルの測定および元素分析により行なった。
実施例10で用いたアルコールの種類、得られた光学活性体(18aおよび18b)のRf値(シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)による)、Rf値の差(ΔRf値)および溶離液を第1表に示す。
Figure 0003901093
実施例11 8−(2−プロペニル)−7−〔((1S)−エンド)−(−)−ボルニルオキシ〕−ビシクロ「3.3.0]−1−オキサオクタン(20a,20b)の製造
Figure 0003901093
アセタール(8)3g(16.5mmol)とモレキュラーシーブ5A 3gを含むトルエン35ml溶液に、((1S)−エンド)−(−)−ボルネオール(19)2.54g(16.5mmol)を室温で加えた後、110℃で10時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮して残留物4.3gを得た。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:ジエチルエーテル=40:1)にて精製して目的物の異性体混合物を得た。更に、得られた異性体混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:ジイソプロピルエーテル=1:40)にてそれぞれのジアステレオマー(20aおよび20b)に分離した。20a:1.91g(収率:38%)、20b:2.11g(収率:42%)。
得られた化合物(20a、20b)の物性データーを以下に示す。
20a:8−(2−プロペニル)−7−〔((1S)−エンド)−(−)−ボルニルオキシ〕−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン
FT−IR(nujor):3180、2960、2880、1645、1480、1460、1400、1375、1330、1310、1240、1195、1125、1060、1025、960、948、920cm−1
H−NMR(CDCl,δppm):5.88(ddd,J=7.0,10.0,16.5Hz,1H)、5.09−5.04(m,2H)、4.10−3.98(m,1H)、3.92−3.70(m,2H)、2.27(m,1H)、2.22−0.95(m,16H)、0.84(s,6H)、0.80(s,3H)
EI−MS:m/z 304(M
旋光度:[α] 25=−74.18°(c=1.05,CHCl
20b:8−(2−プロペニル)−7−(((1S)−エンド)−(−)−ボルニルオキシ)−ビシクロ[3.3.0]−1−オキサオクタン
FT−IR(nujor):3180、2960、2880、1645、1478、1460、1395、1375、1325、1310、1240、1195、1120、1058、1025、960、948、920cm−1
H−NMR(CDCl,δppm):5.88(ddd,J=7.0,10.0,16.5Hz、1H)、5.09−5.04(m,2H)、3.92−3.70(m,3H)、2.27(m,1H)、2.22−0.95(m,16H)、0.84(s,6H)、0.80(s,3H)
EI−MS:m/z 304(M
旋光度:[α] 25=+5.56°(c=0.84,CHCl
産業上の利用可能性
本発明の第1によれば、分子内に不斉炭素原子を有するアルコールを簡便かつ工業的に有利に光学分割することができる新規光学分割剤が提供される。本発明の第2によれば、前記第1の発明の光学分割剤を用いることにより、従来、工業的スケールで光学分割が困難であったアルコールのジアステレオマー混合物を簡便かつ工業的に有利に光学分割できるアルコールの光学分割法が提供される。また、本発明の光学分割方法は、一般性および汎用性に富んでおり、極めて広範囲のアルコール類の光学分割に適用することができる。

Claims (15)

  1. 下記の式(1)または(2)
    Figure 0003901093
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、ホルミル基またはアシル基を表し、R10は炭素数1〜6のアルキル基を表す。但し、式(1)中、R基とOR10基とはシス配置である。)で表される化合物の少なくとも1種からなる光学分割剤。
  2. 前記R〜Rがそれぞれ独立して水素原子またはメチル基である化合物のいずれか1種からなる請求項1記載の光学分割剤。
  3. 前記R〜Rのすべてが水素原子である化合物のいずれか1種からなる請求項1または2記載の光学分割剤。
  4. 前記Rがアリル基またはアリル基から誘導可能な基である化合物のいずれか1種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の光学分割剤。
  5. 前記Rがアリル基またはジフェニルメチル基である化合物のいずれか1種からなる請求項1〜4のいずれかに記載の光学分割剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の1種と、式(3):(R11)(R12)(R13)COH(式中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。ただし、R11、R12およびR13のうち少なくとも一つの基は水素原子ではない。)で表される分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物を反応させて、式(4)
    Figure 0003901093
    〔式中、R〜R13は前記と同じ意味を表し、*は不斉炭素原子を表す。また、R基と、OC(R11)(R12)(R13)で表される基とはシス配置である。〕で表される化合物のジアステレオマー混合物を得る工程と、
    得られた式(4)で表されるジアステレオマー混合物をそれぞれのジアステレオマーに分離する工程と、および、
    分離したジアステレオマーに、式:R14OH(式中、R14は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコールを反応させて、前記式(3)で表される光学活性アルコールを得る工程とを有する式(3)で表されるアルコールの光学分割方法。
  7. 前記R〜Rがそれぞれ独立して水素原子またはメチル基である化合物を用いる請求項6記載の光学分割方法。
  8. 前記R〜Rのすべてが水素原子である化合物を用いる請求項6または7に記載の光学分割方法。
  9. 前記Rがアリル基またはアリル基から誘導可能な基である化合物を用いる請求項6〜8のいずれかに記載の光学分割方法。
  10. 前記Rがアリル基またはジフェニルメチル基である化合物を用いる請求項6〜9のいずれかに記載の光学分割方法。
  11. 式(3−1):(R11a)(R12a)CHOH(式中、R11aは水素原子ではない前記R11と同じ意味を表し、R12aは水素原子ではない前記R12と同じ意味を表す。)で表される分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物を光学分割するものである請求項6〜10のいずれかに記載の光学分割方法。
  12. 式(3−2):(R11b)CHOH(式中、R11bは不斉炭素原子を有する置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される分子内に不斉炭素原子を有するアルコールの光学異性体混合物を光学分割するものである請求項6〜11のいずれかに記載の光学分割方法。
  13. 前記式(1)または(2)で表される化合物のいずれか1種と、式(3)で表されるアルコールとを反応させて、式(4)で表される化合物を得る工程において、酸触媒を反応系に共存させることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載の光学分割方法。
  14. 前記R14がR10と同一である式:R14OHで表されるアルコールを用いる請求項6〜13のいずれかに記載の光学分割方法。
  15. 前記式(3)で表される光学活性アルコールを得る工程の後、前記式(1)または(2)で表される化合物を回収し、光学分割剤として再利用することを特徴とする請求項6〜14のいずれかに記載の光学分割方法。
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