JP3900891B2 - 調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動魚焼き機能を備えた調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の調理器、例えばガスの自動魚焼きは、使用者がその経験と勘でグリル庫内に入れた被焼物が焼き上がる時間をタイマー設定し、このタイマー設定された時間が経過すると自動的に加熱を停止する構成としてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、例えば魚の種類、大きさ、焦げ目等に応じて時間を設定するとはいえ、焼き上がり状態にバラツキが生じ、必ずしも使いやすいものとはいえなかった。また、併せて、ガスの火力も使用者が手動で調節しなければならず、魚焼きに適切な火力にする事も困難であるという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、グリル庫内の温度を測定する温度センサーと、加熱量を制御する熱量制御手段と、前記温度センサーの温度状態に応じて前記熱量制御手段を制御する駆動制御手段と、前記温度センサーの温度上昇度合いから少なくとも焼き上げ時間の算定を行う焼上判定手段と、各魚種に適した焼き方を設定する魚種選択キーとを有し、前記焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、前記魚種選択キーで設定した魚種に応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち自動停止させる構成とし、さらに前記焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種に応じて、温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を変化させる構成としてある。
【0005】
上記発明によれば、魚種を選択したあとは、温度センサーの温度上昇の挙動を分析し正確な焼上判定を行って、自動的に火力を設定し焼き時間を設定するため焼き上がりがいつも一定で安定し、また魚種に応じた精度の良い焼上判別が可能となり、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の調理器は各請求項に記載の構成によって実施できるものである。すなわち請求項1記載の調理器は、グリル庫内の温度を測定する温度センサーと、加熱量を制御する熱量制御手段と、前記温度センサーの温度状態に応じて前記熱量制御手段を制御する駆動制御手段と、前記温度センサーの温度上昇度合いから少なくとも焼き上げ時間の算定を行う焼上判定手段と、各魚種に適した焼き方を設定する魚種選択キーとを有し、前記焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、前記魚種選択キーで設定した魚種に応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち自動停止させる構成とし、さらに前記焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種に応じて、温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を変化させる構成としてあり、魚種を選択したあとは、温度センサーの温度上昇の挙動を分析し正確な焼上判定を行って、自動的に加熱量を設定し焼き時間を設定するため焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0007】
また、魚種に最も適した焼上判定の判定温度に変化させることにより、(例えば、同一魚の「生・姿」と「切り身」では、受熱面積は切り身が倍、従って放出水分も皮からでなく身から水分放出するので倍以上の放出があるが、生・姿はじわじわ長時間かかり、切り身は短時間に放出が終わってしまう。これを同一温度同一時間で計測すると、折衷案となり、中途半端な焼上判別となる)魚種に応じた精度の良い焼上判別が可能となり、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0008】
また請求項2記載の調理器は、グリル庫内の温度を測定する温度センサーと、加熱量を制御する熱量制御手段と、前記温度センサーの温度状態に応じて前記熱量制御手段を制御する駆動制御手段と、前記温度センサーの温度上昇度合いから少なくとも焼き上げ時間の算定を行う焼上判定手段と、各魚種に適した焼き方を設定する魚種選択キーとを有し、前記焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、前記魚種選択キーで設定した魚種に応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち自動停止させる構成とし、さらに前記焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種と、加熱開始時の温度センサーの温度に依存して、前記温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を自動設定する構成としてあり、魚種を選択したあとは、温度センサーの温度上昇の挙動を分析し正確な焼上判定を行って、自動的に加熱量を設定し焼き時間を設定するため焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0009】
またグリル庫内温度が室温開始でなくても選択魚種に最も適した焼上判定温度で精度良く判定することができ、自動加熱時間算定が安定してできるので、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0010】
また請求項3記載の調理器は、更に焼き加減の状態を設定する焦げ目キーを備え、焼き上げ判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、魚種選択キーで設定した魚種と、焦げ目キーで設定した焦げ度合いとに応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち加熱停止させる構成としてあり、魚種と焦げ目の程度を選択したあとは、温度センサーの温度上昇の挙動を分析し正確な焼上判定を行って、自動的に加熱量を設定し焼き時間を設定するため焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0011】
また請求項4記載の調理器の焼上判定手段は、少なくとも魚種選択キーで設定した魚種により、焼上判定時の加熱量を予め設定した複数個の加熱量の中から自動選択させる構成としてあり、選択魚種に最も適した焼上判定火力で精度良く判定することができ、自動燃焼時間算定が安定してできるので、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0012】
また請求項5記載の調理器の焼上判定手段は、少なくとも魚種選択キーで設定した魚種と加熱開始時の温度センサーの温度に依存して、焼上判定時の加熱量を予め設定した複数個の加熱量の中から自動選択させる構成としてあり、グリル庫内温度が室温開始でなくても選択魚種に最も適した焼上判定火力で精度良く判定することができ、自動燃焼時間算定が安定してできるので、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0013】
また請求項6記載の調理器の焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種と加熱開始時の温度センサーの温度に依存して、前記温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を、予め設定された算定式により算出し変化させる構成としてあり、グリル庫内温度が室温開始でなくても選択魚種に最も適した焼上判定温度で精度良く判定することができ、自動加熱時間算定が安定してできるので、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0014】
また請求項7記載の調理器の焼上判定手段は、温度センサーの温度上昇から焼上判定の判定結果と予め選択設定した魚種に基づいて算定した切換温度に到達すると、予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択切り換えして加熱時間を算出し、算出された所定時間加熱したのち、自動的に加熱を停止させる構成としてあり、被焼物に最も適した火力切り換え選択温度で自動的に加熱量を切り換え、自動停止させることができるので焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0015】
また請求項8記載の調理器の焼上判定手段は、一定加熱量で加熱した時の温度センサーの温度上昇度合いに応じて行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種と、開始温度に依存して、予め定めた複数個の中の自動選択した切換温度に到達すると、前記判定結果に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動切り換えし、前記判定結果に基づいて加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱したのち、自動的に加熱を停止させる構成としてあり、被焼物に最も適した火力切り換え温度で自動的に加熱量を切り換え、自動停止させることができるので焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0016】
また請求項9記載の調理器の焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇から行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種と、開始温度に依存して、予め定めた複数個の中の自動選択した切換温度に到達すると、前記焼上判定に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動切り換えし、前記焼上判定に基づいて、加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成としてあり、グリル庫内温度が高温であってもその庫内温度において被焼物に最も適した火力切り換える選択温度で自動的に加熱量を切り換え、自動停止させることができるので焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0017】
また請求項10記載の調理器の焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇から行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種に基づいて設定した、魚種により可変させる加熱量切り換え段数の切換温度に到達すると、前記焼上判定に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択切り換えし、前記焼上判定に基づいて、加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成としてあり、魚種に応じて加熱量切り換えを多段に切り換え、もしくは魚種に応じては同一加熱量で焼き上げるなど、魚種によって最も適切な加熱量を醸し出すことができるので焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0018】
また請求項11記載の調理器の焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇度合いに応じて行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種と、開始温度に依存して設定した魚種によって可変させる加熱量段数の切換温度に到達すると、前記焼上判定に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動切り換えし、前記焼上判定に基づいて、加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成としてあり、魚種と開始時のグリル庫内温度に応じて加熱量切り換えを多段に切り換え、もしくは魚種に応じては同一加熱量で焼き上げるなど、魚種によって最も適切な加熱量を醸し出すことができるので焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0019】
また請求項12記載の調理器の焼上判定手段は、予め定めた複数個の設定加熱量の中から選択し加熱量による加熱時間に、最低加熱時間と、最高加熱時間時間のリミッタを設けた構成としてあり、焼上半別時の温度センサの挙動異常(途中でドアを開けた場合、魚の油が飛び散って異常高温となった等)のときに、魚焼きに大切な第2加熱量の上下限時間を確保しているため、真っ黒になったり、生焼けであったりすることのない、安心して使用できる自動グリルを提供できる。
【0020】
また請求項13記載の調理器の焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇と、予め設定した魚種から焼上判定を行う焼上判定手段の判定結果と、選択設定した魚種に基づいて、予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択し、かつ、加熱時間を算出し、所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成とし、更に庫内温度が高温状態の時に加熱時間の最小時間と最大時間のリミッタを設ける構成としてあり、自動加熱停止直後の最も高温時の再使用時、焼上判別に誤差を生じやすい場合に限って、庫内が高温になっており高温時専用のリミッタを作動させることにより真っ黒になったり、生焼けであったりすることのないものとすることができ、超高温時でも安心して使用できる自動グリルを提供できる。
【0021】
また請求項14記載の調理器の焼上判定手段は、一定火力で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いと予め選択した魚種とから低温時の焼き時間を算定し、かつ高温時の温度上昇度合いから焼き時間を算定し、双方の焼き時間から、自動停止時間を決定する構成としてあり、焼上判定時の温度センサの挙動異常(途中でドアを開けた場合、魚の油が飛び散って異常高温となった等)のときに、魚焼きに大切な自動焼上時間を2重で算定し確保しているため、真っ黒になったり、生焼けであったりすることのない、安心して使用できる自動グリルを提供できる。
【0022】
また請求項15記載の調理器の焼上判定手段は、低温測定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いと予め設定した魚種とから低温時の焼き時間を算定するとともに、高温測定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いから高温時の焼き時間を算定し、双方の焼き時間から自動停止時間を決定する構成としてあり、魚の適正加熱量切り換え温度を損なうことなく、焼上半別時の温度センサの挙動異常(途中でドアを開けた場合、魚の油が飛び散って異常高温となった等)のときに、魚焼きに大切な自動焼上時間を2重で算定し確保しているため、真っ黒になったり、生焼けであったりすることのない、安心して使用できる自動グリルを提供できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を熱源としてバーナを用いたガス調理器を例にして添付図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施例は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】
図1(a)は本発明の実施例にかかるガス調理器の外観を示す斜視図であって、ガス調理器は、鍋底温度センサー1を備えた左こんろ2、右こんろ3、グリル4及び操作部5を備えて構成されている。前記操作部5には、図1(b)に示すように、各燃焼部の操作を個別に行う、右こんろ用点火/消火キー6、左こんろ用の点火/消火キー7、グリル用の点火/消火キー8、右こんろ用火力調節キー9、10、左こんろ用火力調節キー11、12、グリル用の火力調節キー13、14と、右こんろ用火力表示発光体15、左こんろ用火力表示発光体16、グリル用の火力表示発光体17、グリルの調理モードの設定入力を行う各設定キー(調理モード設定手段)39、40とそれらの設定を表示する各表示ランプ42、43、グリルタイマーを設定するキー41とその表示ランプ44が設けられ、また、運転入切兼用のチャイルドロックスイッチ19と、操作部近傍には制御のための電池を収納する電池収納部20が設けられている。
【0025】
前記左こんろ2は、図2に示すように、鍋底温度センサー(鍋底温度検出手段)1及び熱電対(燃焼温度検出手段)21、点火プラグ22が設けられた左こんろバーナー23を備え、この左こんろバーナー23には、制御回路24によって開閉制御されるガス制御ブロック25からガスが供給される。前記ガス制御ブロック25はホースエンド26からガスが入り、共用の元電磁弁27を通り左こんろバーナ用のガスの開閉及び火力調節を行う左こんろガス制御部29を介しノズル32を通して左こんろバーナにガスが供給される。前記ガス制御ブロック25の各ガス制御部29、30、31は大別して熱量制御手段(以下流量制御部という)33と前記流量制御部33を駆動させる電動駆動手段となるステッピングモーター34(以下モーターという)、前記流量制御部33の位置を検出する位置検出手段となるエンコーダー35から構成している。
【0026】
上記の構成でチャイルドロックスイッチ19がOFFであることを確認し、点火/消火キー6をON操作すると、制御回路に電源が入り制御回路24を起動させ、制御回路24の制御によって、左こんろガス制御部29を点火位置に移動させ、前記元電磁弁27を開成させ、前記点火プラグ22により左こんろバーナー23を点火させる。
【0027】
この制御回路24には前記鍋底温度センサー1の検出温度、熱電対21の検出温度が入力され、これらの入力データ及び前記操作部からの設定入力に基づいて前記左こんろガス制御部29を駆動制御して、左こんろバーナー23に供給されるガス流量を調節して自動制御による火力調整を行うことができる。
【0028】
また、前記右こんろ3は、図2に示すように、その燃焼部に熱電対21及び点火プラグ22が設けられた右こんろバーナー36を備え、この右こんろバーナー36には、制御回路24によって開閉制御されるガス制御ブロック25からガスが供給される。前記ガス制御ブロック25はホースエンド26からガスが入り、共用の元電磁弁27を通り、右バーナ用のガスの開閉及び火力調節を行う右こんろガス制御部30を介しノズル32を通して右こんろバーナー36にガスが供給される。
【0029】
また、前記グリル4は、図2に示すように、グリル上バーナ左右一対37−1、37−2、グリル下バーナ左右一対37−3、37−4を有している。また、左の上下バーナ37−1、37−3には、上バーナの点火を行う点火プラグ38、上バーナに点火させたのち、下バーナに着火させる火移り板、燃焼の有無を確認する熱電対21にて構成されている。
【0030】
なお、右の上下バーナに関しても同様であり同一番号を付して説明を省略する。
【0031】
これらを総称したグリルバーナ37は、制御回路24によって開閉制御されるガス制御ブロック25からガスが供給される。前記ガス制御ブロック25はホースエンド26からガスが入り、共用の元電磁弁27、ガバナ28を通りグリルバーナ37のガスの開閉及び火力調節を行うグリルガス制御部31から、ガス管42を介し、上バーナ左用ノズル32−1、上バーナ右用ノズル32−2、下バーナ左用ノズル32−3、下バーナ右用ノズル32−4を介し各のグリルバーナにガスが供給される。
【0032】
上記の構成でチャイルドロックスイッチ19がOFFであることを確認し、点火ボタン8をON操作すると、制御回路24に電源が入り制御回路24の制御によって、グリルガス制御部31を点火位置に移動させ、前記元電磁弁27を開成させ、前記点火プラグ21によりグリルバーナー37を点火させる。
【0033】
この制御回路24には、グリル庫内温度測定用の温度センサー4aの検出温度と、熱電対38の検出温度が入力され、この入力データ及び前記操作パネル5からの設定入力に基づいて前記グリル流量制御部31を駆動制御することによりグリルバーナー37に供給されるガス流量を調節し、自動制御による火力調節を行うことができる。
【0034】
上記構成からわかるように、左こんろ1、右こんろ3、グリル4からなる各燃焼部の燃焼状態は前記制御回路24によって制御される。
【0035】
図3(a)(b)は本発明のガス調理器のガス制御ブロック25を示す図で、ガスはホースエンド26から、元電磁弁27を通り、個々のバーナのガス制御部29、30、31に行く。前記個々のバーナのガス制御部に入ったガスは、流量制御部33のコックボデー33−1から入って流量制御板33−2、スライド閉子33−3を介してコックボデー33−1のガス出口33−4に到達し、ノズルに通じるガス管42に行く。
【0036】
また前記流量制御板33−2はスライド閉子33−3と共にバネ33−5にてコックボデー33−1に挿圧され、ガスのシール圧力としている。また、前記スライド閉子33−3にはスライド駆動用の駆動連結軸33−6の一端が嵌合され、他の一端はステッピングモーター34の駆動連結部34−1に接続されている。また、前記駆動連結軸33−6にはピン34−2を有し、ピン34−2にて、コックボデー33−1に固定されたエンコーダー35(位置検出手段)の可動部に継合させ、駆動連結軸33−6の移動状態を前記エンコーダー35に伝え、位置検出させる構成としている。また、前記駆動連結軸33−6にはOリング33−7をコックボデー33−1との間に使用しガスシールを行っている。前記エンコーダー35はリード線35−1、元電磁弁27はリード線27−1、モーター34はリード線34−2を介して制御回路24に接続されている。
【0037】
前記モーター34は、図4(a)(b)に示すようにそのシャフト部にネジ部49を有しネジ部49に嵌合する雌ネジ50を設け、前記雌ネジ50の先端部に駆動連結軸33−6を固定して駆動連結部34−1を構成している。従って、ステッピングモーター34に駆動パルスを1パルス送出するとステッピングモーター34は1極分回転し、ネジ部49もその分回転し、雌ネジ50がその分移動することとなる。参考的に1例を示すと、モーターの極数を24極、ネジのリード2mmとすると、1パルスで2/24=0.08mm移動する。
【0038】
従って、ステッピングモーター34を回転させると駆動連結部34−1で直線移動が行われ、駆動連結軸33−6が移動し、駆動連結軸33−6の先端に嵌合されたスライド閉子33−3が移動する。一方流量制御板33−2は固定されているため、スライド閉子33−3の中央に設けたガス通過用の調節部となる貫通穴33aが、図6c〜fに示すように順次ガス流量制御板33−2のガス流量調節部となる穴位置と合わさることとなりガスの流量調節を行う。上記構成としていることから、ステッピングモーター34のトルクはスライド閉子33−3を付勢するバネ33−5と駆動連結軸33−6のガスシール用Oリング33−7の荷重とエンコーダー35を駆動させるスラスト荷重とになるが、バネ33−5の荷重はスライド閉子33−3に直角方向でスライド方向には常に一定荷重となり、荷重自体も少ない。また流量調節制御方式は流量制御板33−2とスライド閉子33−3の貫通穴の重なり状態で決定されることから、各火力切替段における流量調節精度はニードル方式に比較して精度も格段に向上する。
【0039】
また、ガスの流量調節が必要なときのみ、モーターを駆動させる方式のため、常は、モーターが作動せず、省電力化が出来、電池電源と相性がよい。
【0040】
但し、ニードル方式であっても以降に説明する各内容は実施可能であり、スライド閉子のみにしか適用できないというものではない。
【0041】
図5(a)〜(c)は、エンコーダー35の外観図を示したものである。先の図3(a)(b)で説明した通り駆動連結軸33−6に垂直方向にピン34−2を設け、このピン34−2の移動量をエンコーダー35で検出する構成としている。前記のエンコーダー35は大分してパターンを印刷した基板35−1と外郭を構成する外郭体35−2と基板を摺動させる摺動体35−3と基板から信号を取り出すリード線35−4から構成され、前記摺動体35−3には、パターンに合致した集電子35−5が設けられている。
【0042】
図6(a)〜(f)は、エンコーダー35のパターンと火力の相関とパルス数を示す図であり、閉位置、弱火位置、中弱位置、中火位置、中強位置、強位置の5段階火力切替位置があり、火力位置をエンコーダー35とステッピングパルスの双方で検出しようとする構成のものである(ここでは、5段階の火力調節について述べるが、3段階にするにはD点、E点を取れば3段階火力とすることができるので多段の説明として記載する)。
【0043】
A点はトラック1がON(トラック4(+COM)とトラック1とが、集電子によって導通状態にある)、トラック2と3がOFFである。尚トラック4(+COM)は共用の電源供給パターンである。この状態は、ガスを遮断した閉止状態を示している(スライド閉子33−3の貫通穴33aは流量制御板33−2の穴33bに係っていないのでガスは流れない)。
【0044】
安全的に考えてこの状態は、トラック1のみがON状態で、リード線の、断線、短絡、何れの場合でも検知する事を可能としており、(トラック1がONの時には他がONしてはならない。トラック1が断線したら閉止位置が無くなり、元電磁弁を遮断させる等により)フェールセーフの配慮を行っている。また、この位置はステッピングモーター34の移動パルスは0の状態とし、パルスカウンタ(後述)も0にリセットする。
【0045】
Bゾーンは、トラック1、2、3、共にOFF状態であり、ガスの遮断状態から開弁状態への移行段階を表している。移行段階においては、各トラック共にOFF状態で、パルスカウンタが所定のパルス数となっても、例えば駆動部が固着してステッピングモーター34が回転しない場合などで所定位置に達していない異常状態であることが認識できる構成とし安全性に配慮している。
【0046】
C点は、トラック1、2、OFF、トラック3、ONで弱位置の状態である。流量制御板33−2の最小穴位置1個からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される(弱火力状態は同図(d)に示すようにスライド閉子33−3の孔が流量制御板33−2の小孔1個に掛かり最小流焼上が流れる)。
【0047】
また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離3.58/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数45である。特に最小位置に関してはこの位置より閉止側に移動すると一旦閉止状態となりガスの供給が遮断され、再度開方向に移動させると生ガスがでる構成に必然的になっているため、最小位置検出は、パルスのカウンタ数とエンコーダー35の双方で確認し、安全性を確保する構成としてある。
【0048】
D点はトラック1、OFF、トラック2、3、ONで、中弱火位置を示している。中弱火位置では流量制御板33−2の2個の穴位置からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離5.2/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数65である。
【0049】
安全性に関しては、最小火力位置と最大火力位置の中間にあり、2重確認の必要度は緩和されるが、位置の検出に関してはエンコーダー35とパルスカウンタの双方で行っていることから、例えばノイズの影響によるパルスカウンタの誤作動時等に対しても確実に位置が検出できる特徴を有しその分使いやすさの向上を図っている。
【0050】
E点はトラック1、OFF、トラック2、ON、トラック3がONからOFFに切り替わった時点で、中火位置を示している。中火位置では同図(f)に示すように流量制御板33−2の3個の穴位置からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離6.7/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数84である。
【0051】
従って位置は、D点と同様にパルスのカウンタ数とエンコーダー35の双方で確認することが可能である。
【0052】
F点はトラック1、3、OFF、トラック2ONで、中強火位置を示している。中強火位置では流量制御板33−2の4個の穴位置からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離8.2/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数102である。
【0053】
この場合エンコーダー35のパターン位置は決定されずパルス管理のみで管理されている。
【0054】
F点の位置はエンコーダー35のパターンとは一致せず、パルスカウンタの数値で位置決定している。理由は、エンコーダー35のパターンの節約で、コストを低減させる目的であるが、一実施例の説明として全ての位置をエンコーダー35で行うことは容易に出来ることから、このF点は、エンコーダー35では一致していない例を挙げた。特に安全性に関しては、最小位置と最大位置の中間位置にあり燃焼状態は確保された範囲の火力調節で、多少のパルスカウンタ変動は、安全性に無害である。また、位置検出の精度に関しては前後位置からのパルス数も少なく、誤差も集積されないソフト処理が可能であることから実施可能となったものである。
【0055】
G点はトラック1はOFF、トラック2、3はONで、強火位置を示している。強火位置では同図(e)に示すように流量制御板33−2の最大穴からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離11.4/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数143である。
【0056】
最大火力位置の位置検出は、エンコーダー35とパルスカウンタの2重で検出する構成としている。最大位置を越え移動させることは、ガス流量制御機構に通常使用以外の無理な荷重を付加する結果となり、機構の信頼性の低下になることを防ぐ目的からも必要である。
【0057】
上記は5段階の火力制御について、詳細な説明を行ったが、例えばグリルを3段階制御とする場合、上記のD点、F点をマイコンソフトで殺すことにより容易に変更が可能であり、流量チップの穴径のみ必要な火力の穴径に変更させることで対応が可能となる利便性を有している(エンコーダー、流量制御機構の変更は不要である)。
【0058】
図7(a)はグリルの横断面図を示した図で、それぞれ左右に一対の上下バーナ37−1、37−2、37−3、37−4があり、上バーナ37−1、2の燃焼熱は、グリル外郭体51、とグリル内郭体52との隙間Aからグリル外郭体51の天井に反射して被焼体の魚の上面を加熱する。一方下バーナ37−3、4は仕切板53で空気を整流し金網54の被焼体の魚の裏面を加熱する。上記したことにより魚の上下面が同時に加熱調理されることになる。またバーナカバー55は、魚の油の飛びちりがバーナに掛かってバーナの目詰まりや油の発火が発生しない役目を有している。前記上下バーナの給気は、左右の仕切板53で上下バーナ用に分離され2次空気としてバーナに供給し、上下バーナの排気は奥に設けたグリル排気穴55から排気される構成としている。
【0059】
図7(b)は縦断面図で手前にグリルドア56があり、グリルドアに固定したグリル皿57、前記皿57に載置した金網54、下バーナ37−3、37−4、奥側にはグリル排気穴55があり、排気穴55から出た排ガスは2重構成された排気部58の2系統の排気通路から排出される。
【0060】
すなわち排気部58は、図8(a)に示すようにグリル排気内金具59とグリル排気外金具59−1から構成され、グリル排気の内外金具で構成した排気通路をセンサー煙道58a、グリル外郭体51とグリル排気外金具59−1で作られた通路をグリル煙道58bとし、2つの排気通路を構成しているのである。また、グリル排気内金具59には、センサー煙道口60を設けその煙道口60の位置は左右下バーナ37−3、4の中央部で、金網54より下に位置している。またグリル排気外金具59−1の下部には、グリル庫内温度測定用の温度センサー4aを取り付けている。前記センサー煙道口60の排気温度を計測する目的で、排気煙道口から流入する排気温度を適切に計測する位置を実験により設定したものである。そして前記グリル排気外金具59−1はその温度センサー4aの上方Hに、幅W、スリット幅Tのスリット59aを設けた構成としている。このスリット59aにより、上からの伝熱を遮断し、魚の特性をより正確につかめる雰囲気を醸し出すことができるのである。
【0061】
図9は、鯵を焼いたときのセンサー温度と時間を表す図である。縦軸は、温度、横軸は点火後の時間を表し、グリルの無負荷時の空、生の鯵180g1匹、生の鯵180gを3匹同時に焼いた場合のそれぞれの温度曲線である。但し、火力は2200kcal/h(最大火力)で焼いた場合である。鯵1匹は、点火後8分で取り出せば食べ頃で、鯵3匹は点火後11分で取り出せば食べ頃である。
【0062】
仮に100℃に到達する時間を計測すると、空の場合はX1秒、鯵1匹の場合はX2秒、鯵3匹の場合はX3秒と、重さと比例して時間も長くかかる。従ってX2秒と鯵1匹の8分、X3秒と鯵3匹の11分の間に相関があればXを計測して焼き時間を想定し自動消火させるようにすることにより、自動魚焼き器ができることになる。グリルの自動化においては、この重さに比例した時間が正確に計測でき、重さに比例して焼き時間を設定することによって、適正な焼き物ができあがる。但し、魚の種類や加工方法によって焼き時間は異なるが、ここでは鯵の焼き状態に限定して説明を行う。
【0063】
この場合、最も大きな課題は、次の通りである。
【0064】
(1)温度センサーの温度が、魚の温度情報をいつも的確に計測できること
(2)できる限り、空、1匹、3匹の差が大きいこと
(3)器具間のバラツキ(ガス種交換も含む)が少ないこと
(4)経年変化(器具の汚れによって特性が変化しないこと)
図10は排気口近辺の排気ガスの温度を示した図である。魚の温度情報は排気口の左右バーナの中心部、金網の下部であって、下げすぎると皿部の雰囲気温度を計測して、魚の温度情報は得られない。具体的には、センサー温度が100℃に達したとき、排気口の上部A点は400℃、中央部B点は280℃、センサー上部は150℃、センサー近傍は110℃であって、計測できる範囲は限られているのである。また、空気の対流を計測しているため、魚の金網に対する位置にも影響されやすく、ドアに寄せる、奥に突っ込む等によっても変わる結果となる。
【0065】
これらの課題解決のために2重煙道は、最も有効なもの、すなわち排ガス中の魚の雰囲気温度を的確に取り出すものであって、金網下部の魚の温度特性が現れる部分のみ、煙道のドラフト効果で、流れを作り出し取り出す構成としたものである。同時にその作用によって、器具間のバラツキも吸収することが可能となった。また、課題(2)に関して、2重煙道にしていないと、煙道の上部の排気熱が、熱伝導でセンサー部に伝導し匹数の時間差が少なくなるが、そのようなこともなくなる。勿論センサー取り付け上部の熱伝導遮断用スリットも大きな効果を有するが、2重煙道の効果があってのスリットである。
【0066】
一方、煙道の表面処理については、白色の溶融アルミメッキ鋼板を材料としていたが、当初の魚の温度特性と、繰り返し実験後の温度特性とは、大きく変化があり、繰り返し実験後は魚の温度特性が1匹と3匹が同一になった。
【0067】
原因は、煙道の汚れによる黒化によって、煙道が熱の黒体吸収が大きくなり熱伝導で、温度センサーの温度を魚の情報とは無関係にし、上昇させることである。従って、新品の時から劣化させた状態を作りだし、特性変化が進行しない条件を作り出さないと、安定した、魚の温度情報が得られない。この分判別精度は多少落ちるが、経年変化で狂うことと比べると品質は十分に確保できる。
【0068】
従って、センサー取り付け部を含む煙道の構成部品は、黒化処理を施し、経年変化による信頼性の確保を行う必要が不可欠となる。
【0069】
次に制御回路の構成を示す。図11において、制御回路24は、電池電源61から、定電圧制御手段62を介して、制御回路24に定電圧を供給し、電池電源61から直接モーター用IC63、64、65を介してステッピングーター34に電力供給を行い、電磁弁出力66を介して電磁弁27にも電力供給を行っている。また電池61の電圧を検出するため電圧検出手段67を有し測定電圧を駆動制御部68に入力している。
【0070】
駆動制御部68は、操作と表示ブロック75の左右こんろ部76、77とグリル部78の入力キー&表示79、80、81、及びチャイルドロックスイッチ19のキー入力を判定するキー入力判定手段82、前記各種表示の出力段83、前記キー入力指示があった場合、電池電源ゆえに電源供給能力面からモーターの駆動を1個のみとし、同時に駆動させる場合における優先順位を司る総合作動手段74を有する。そしてさらに前記キー入力判定手段82の指示により総合作動手段74を介して作動する左こんろの左こんろ駆動判定部69と、右こんろの右こんろ駆動判定部70と、グリル4のグリル駆動判定部71が有り、更に各駆動判定部の指示で作動し、電源電圧を判定する電圧判定手段91に基づいて、左こんろ用モーター用IC63、右こんろ用モーターIC64、グリル用モーターIC65への電力供給状態を可変させ省電力化を行う省電力化判定手段85、及び各駆動判定部の指示でガス制御部29、30、31の火力調節位置と火力設定条件により左こんろ用モーター用IC63、右こんろ用モーターIC64、グリル用モーターIC65への速度可変出力を司るモーター速度制御手段86がある。
【0071】
上記以外に前記キー入力の特定入力(同一キーを連続押し等)でデモモード(器具の説明を行なう)を行うデモモード判定手段88、流量制御ブロックの部品状態と完成品での検査状態であるかを判定する検査モード判定手段87、及び検査モード入出力端子72、左右こんろとグリルの使用火力の状態に応じて換気の状態を可変させる為の換気連動判定手段90、及びその換気連動端子73、制御回路24と各ガス制御部29、30、31、及び電磁弁出力回路66の各種の故障状態を判定し機器を個別もしくは全体を停止させるかを判定する故障判定手段89、及び表示部にその故障状態を表示させサービス対応力を向上させる目的の故障表示判定手段84等から構成されている。
【0072】
左こんろ駆動判定部69は、温度センサー1から入力される温度データを温度判定する温度判定部92を介し、調理モードを判定する調理モード判定部93を有し、調理モードに応じた焦げ付きモード判定部94、過熱防止判定部95を有している。またグリルの駆動判定部71は、温度センサー4aから入力される温度データを温度判定する温度判定部92−1を介し、操作部から入力される魚種モードの設定の判定をする調理モード判定部93−1と、焦げモードの設定を判定する焦げ目判定部93−2、焼上判定を行う焼上判定部93−3、手動時過熱防止判定部93−4、自動時過熱防止判定部93−5を有している。
【0073】
また、左、右こんろ及びグリルの駆動判定部69、70、71は、熱電対38から入力される温度検出データにより燃焼監視を行うと共に、タイマーによる点火からの時間経過の計時データに基づいて立ち消えや消し忘れ等の緊急事態に際し左、右こんろまたはグリルのガス制御部29、30、31を閉じる制御を行う。
【0074】
上記構成になる制御回路24によるガス調理器の制御方法について、以下に示すフローチャートを参照して説明する。尚、各フローチャートに示すS1、S2・・・は、処理手順を示すステップ番号であって、本文に添記する番号と一致する。
【0075】
まず、図12は点火、消火動作のキー入力状態を示すもので、キー入力判定手段82は、操作部5のチャイルドロック19がOFFの場合S1(各種の操作キーを受け付ける状態)で、点火キーが0.3秒以上押された場合S2、キー入力有りと判断し、左こんろS3か、右こんろかS4、グリルかS5を確認し、該当燃焼部を記憶させた後S6、該当燃焼部が使用中か否か判断させるS7。該当燃焼部が使用中の場合消火動作であることと優先度1であることを総合作動手段74に指示しS8、該当使用こんろの記憶を消しS9、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS10を判定する。押されている場合は故障判定手段89に点火キーの故障である旨指示をするS11。また、該当燃焼部が使用中で無い場合S7、点火動作である旨と優先度2であることを総合作動手段74に指示しS12、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS10を判定する。押されている場合は故障判定手段89に点火キーの故障である旨指示をするS11構成としている。
【0076】
ここで優先順位を設けてモーターを作動させる意味合いは、電池電源の場合大きな負荷を一度にかけると極端な電圧低下が発生し、マイコンの電圧も下がり停止することになる。これを防ぐためモーターは複数同時に回さないように配慮し、その場合安全性使い勝手から使用事象に応じて、優先度を設けるもので、優先度1は消火動作、優先度2は点火動作、優先度3は手動火力調節動作、優先度4は自動火力調節動作としている。
【0077】
また点火キーの押し続けの配慮は、例えば、水滴がキーに入った、物がキーを押していた等、勝手にスイッチが入っていたという危険な状態を回避するための手段である。火力調節キーについても同様の意味合いで安全タイマーを設けているのである。
【0078】
図13は単純5段階火力調節のキー入力方法を示した一例を示したものである。
【0079】
図13に於いて、キー入力判定手段82は、こんろが使用中であるか判断しS13、使用中の場合火力調節キー入力が0.1秒以上か判定しS14、その場合は左こんろかS15、右こんろかS16、グリルかS17を判定し、該当燃焼部を記憶しS18、火力がUPかS19、DOWNかS20を判定し、総合作動手段74へ優先度3と共に指示をしS21、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS22、を判定する。押されている場合は故障判定手段89に火力キーの故障である旨指示をするS23構成としている。
【0080】
図14は、操作部5にあるグリル用の各種調理モードキーに対するキー入力判定手段82の内容を示したものであ。調理モードキーの入力があった場合S24、グリル使用中か判定しS25、そうでない場合タイマーをONしS26、調理モードキーを受け付けて1分以上経過したか判定しS27、経過しない場合は元に戻し、経過した場合は調理モードをリセットするS28。グリル使用中である場合、調理モードがいずれかONか判定しS29、そうでない場合は、グリル点火後10秒以内か判定しS30、10秒以上経過している場合は調理モードをリセットするS28。調理モードいずれかONか判定して、グリル点火後10秒以内の場合S30、カウンタをインクリメントN=N+1しS31、Nが1でないかN<>1判定しS32、1の場合は、調理モードを「生・姿」に決定しS33、「生・姿」のランプを点灯させS34、次段S41に行く。そうでない場合、Nが2でないかN<>2判定しS35、2の場合は、調理モードを「切り身」に決定しS36、「切り身」のランプを点灯させS37、次段S41に行く。そうでない場合、Nは3なので調理モードを「干物」に決定しS39、「干物」のランプを点灯させS40、カウンタを0にしN=0、S41、次段S42に行く。そして次段S42では駆動制御部68を介してグリル駆動判定部指示を行い元に戻す。
【0081】
図15は、調理設定手段の焦げ目のキー入力を取り扱う図である。焦げ目キー入力が続いて0.1秒以上あるか判定しS43、ある場合、調理モードキーがいずれかONか判定しS44、ONでない場合は元に戻し、ONの場合はカウンタをインクリメントしN=N+1、S45、N<>1か判定しS46、Nが1の場合は焦げを強に設定しS47、焦げ強ランプを点灯しS48、元に戻す。一方Nが1でない場合、Nが2でないか判定しN<>2S49、2の場合は焦げを弱に設定しS50、焦げ弱ランプを点灯しS51、元に戻す。2でない場合は、カウンタを0、N=0にしS52、焦げ中に設定してS53、焦げ中ランプを点灯しS54、駆動制御部を介してグリル駆動判定部に指示しS55、元に戻すS56。
【0082】
上記した内容がキー入力判定手段の具体内容の一例である。
【0083】
次に上記のキー入力判定手段を介して次段の総合作動手段74の内容を以下に記す。
【0084】
図16に総合作動手段74の動作を示す。まず点火キー入力があるか判定しS57、電池の電圧を検出する電圧検出手段67の電圧が電圧判定手段91で3.2V以下か判定しS58、以下の場合は、通常使用モードとしてデモモードか判定S59し、以上の場合は検査実行モードとして、検査モード判定手段87へ移行するS60。尚、検査モード判定手段87は省略する。
【0085】
次に調理モード指示であるか判定しS61、調理モード指示である場合はグリル駆動判定装置の調理モード判定部に内容を指示するS62。調理モード指示でない場合S61、点火指示であるか判定しS63、点火指示の場合、他の燃焼部を使用していないか判定しS67、他の燃焼部を使用していない場合、該当燃焼部に駆動指示を行いS68、その後、元電磁弁27を開成しS69、点火器出力を出すS70。
【0086】
点火指示でない場合S63であって、消火指示か火力変更指示の場合S64、他のモーターが回転中か判定しS65(点火操作で他の燃焼部を使用している場合S68もこの項に接続)、他のモーターが回転中の場合S65、回転中の優先順位は該当燃焼部の優先順位と比べて早いかを判定しS66、早い場合は回転中のモーターを停止させ、該当燃焼部に駆動指示をするS71。そうでない場合S66は該当燃焼部の駆動を待避させ回転完了まで待ち、停止後該当燃焼部の駆動を指示するS71。他のモーターが駆動していない場合S65、該当燃焼部に駆動を指示するS73。
【0087】
図17〜図19は燃焼部の駆動判定部の内容を示すもので、前記総合作動手段74からの指示により作動する。まず図17において、エンコーダー35の状態を位置判定手段100(図6に示す相関表)で読みとり現在位置としS75、閉止指示か判定しS76、閉止指示の場合は閉止位置である確認をしS77、閉止位置でない場合(エンコーダー位置が100でない場合)は、モーターエラーSUBに行きS78、閉止位置の場合はS76に戻る。
【0088】
閉止指示でない場合S76、点火指示か判定しS79、その場合は消し忘れ防止タイマーをONしS80、火力の目的位置を中強位置にセットするとともにパルス数を102にセットしS81、速度を高速にして回転方向を強方向に指示しS82、ランプの点灯を中強に指示するS83。その後、駆動制御部68内の省電力化判定手段S84とモーター速度制御手段S85を介し、モーターICを介してパルスを出力しS86、モーターを回転させモーターに出力したパルス数をカウンタでカウントさせる「N=N+1」S87。パルスカウンタのカウント数が「20カウント<N」となったときS88、エンコーダー位置がBゾーン「000」であるか確認しS89、そうでない場合は「モーターエラーSUB」S90に進み(別途記述)、そうである場合はパルスカウンタが目的位置である中強位置102パルス数のMパルス手前である「102−M<N」に達したか判定しS91、達した場合のみエンコーダー35が目的位置である中強位置「010」であるか判定しS92、エンコーダー35が目的位置で無い場合、パルスカウンタの値Nが中強位置のパルス数102にMを加算した値以上であるか「102+M<N」判定しS93、そうでない場合はS84に戻し、そうである場合はモーターエラーSUBに飛ぶS94(モーターエラーSUBは後述)。
【0089】
一方エンコーダー位置が目的の中強位置になった場合S92、パルス数を基準の中強パルス数(102)に修正しS95、図18に示す如く点火器にON指示しS96、バーナに着火したことを判別する熱起電力があるか「TC起電力有り」判別しS97、無い場合は7秒経過したか判別しS98、7秒経過したら点火器をOFFしてS99、TCエラーとしてS100、故障判定手段89へ指示するS101。前記7秒以内に熱起電力が発生した場合S97、点火器をOFFしてS102、再度熱起電力があるか判定しS103、熱起電力がある場合2時間経過したかを判定しS104、2時間経過した場合消火指示を行うS105。また熱起電力が無くなった場合S103、TCエラー処理に行くS100。
【0090】
また、点火指示でない場合S79、図19に示す如く消火動作か判定しS106、消火動作でない場合は火力変更に進む(図20に記載)。消火動作の場合、まず目的位置を閉止位置、目的エンコダー位置を閉止位置「100」とし、パルス数を閉子移動パルスK(現在位置から閉止位置までのパルス数を算出しKに代入する(図6に示す相関表参照))S107。そして速度を高速、回転方向を弱方向としS108、ランプをOFF指示しS109、エンコーダー位置が「弱〜中弱」の位置にあるか判定しS110、その場合はモーター速度を微速にしS111、そうでない場合は高速に指示するS112。
【0091】
その後、駆動制御部58内の省電力化判定手段S113とモーター速度制御手段S114を介し、モーターICを介してパルスを出力しS115、モーターを回転させモーターに出力したパルス数をカウンタでカウント「K=K−1」させるS116。パルスカウンタのカウント数が目的位置であるKからP手前に達したか「K<P」判定しS117、達した場合のみエンコーダー35が目的位置である閉止位置「100」であるか判定しS118、その場合はその時点のエンコーダー位置のパルス数を0に置換しS119、駆動制御部58に消火位置設定が終了であることを指示するS120。エンコーダー35が目的位置である閉止位置「100」で無い場合S118、パルスカウンタが目的パルス数KにP1を減算した値「K<−P1」でない場合S121、S110に戻りS121、繰り返す。そうである場合はS121、モーターエラーSUBに行くS122(後述)。
【0092】
ここで常に現在位置確認を行っているのは、他こんろ使用中に使用していないこんろの閉止位置を確認し安全を確保するためである。また点火位置を中強位置にしているのは、中火点火の目的で点火時の袖火対策の配慮であり強火で急激な点火で不安感がおこることを解消するためである。2時間タイマーは消し忘れ防止の隠しタイマーで、安全性、省エネの配慮を行ったものである。
【0093】
点火時、20パルスの出力でエンコーダー35の位置確認を行っているのは、初動時にトルク不足でスライド閉子が可動しているかの確認を行うためで、もしスライド閉子が可動していない場合は後述するトルクアップ電力で回転させるようにしてあり、当初は低トルクで作動させ電力を削減しようとする特徴を有するものである。
【0094】
次に駆動制御部68内の総合作動手段から火力変更の指示があった場合の燃焼部の駆動判定手段69、70、71の動作を説明する。火力変更は5段階火力変更の場合を示している。
【0095】
図20、図21において、火力変更指示がUPか判定しS143、UPの場合、現在位置が強位置であれば受け付けずS144、強位置でない場合は目的位置を現在火力+1としS145、ランプを1個上に切替え点灯しS146、図6に基づいて現在のエンコーダ位置から1個上のエンコーダー位置Eに変更しS147、モーター駆動の出力パルス数Pを選択し「パルス数=現在パルス(G)+P」S148、回転方向を強方向に指示するS149。これが前回回転方向と同一方向か判定しS150、同一方向の場合は「目的パルス数=パルス数」としS151、同一方向でない場合補正(a3)をパルス数に加算した値を目的パルス数とするS152。
【0096】
速度指示のためエンコーダ位置が弱〜中弱範囲の時S153には速度を微速に指示しS154、中弱〜中範囲の時S155には低速に指示しS156、中〜中強範囲の時S157には中速に指示しS158、中強〜強の時S159には高速に指示するS160。その後駆動制御部68の省電力化手段S161とモーター速度制御手段S161−1とを介して、モーターにパルスを出力しS162、エンコーダー35の位置判定とパルス数をカウントしS163、目的パルスよりSパルス手前の「目的パルス−S<(G)+(a3)+N」を判定しS164、条件成立時エンコーダ位置Eが指定位置であるか判定しS165、条件成立時はパルス数を図6に基づき標準位置に修正しS167、現在の回転方向を記憶させS168、元のフローに戻すS169。条件成立時S164、エンコーダ位置Eが指定位置で無い場合S165、パルス数が目的パルスよりSパルスオーバーの「パルス数+S<(G)+(a3)−N」になったときS170、モータエラーSUBに行くS171。
【0097】
また、火力変更指示がDOWNの時S172、現在位置が弱位置であれば受け付けずS173、弱位置でない場合、目的位置を現在火力位置−1としS174、ランプを現行から1個火力を下げた位置に変更しS175、図6に基づいて現在のエンコーダ位置から1個下のエンコーダー位置Eに変更しS176、モーター駆動の出力パルス数を「パルス数=現在パルス(G)−P」を選択しS177、回転方向を弱方向に指示するS178。これが前回回転方向と同一方向か判定しS179、同一方向の場合は目的パルス数=パルス数としS180、同一方向でない場合補正値(a3)をパルス数に加算した値を目的パルス数とするS181。
【0098】
速度指示のためエンコーダ位置Eが弱〜中弱範囲の時S182には速度を微速に指示しS183、中弱〜中範囲の時S184には低速に指示しS185、中〜中強範囲の時S186には中速に指示しS187、中強〜強の時S188には高速に指示するS189。その後駆動制御部の省電力化手段S190とモーター速度判定手段S191を介してモーターにパルスを出力しS192、エンコーダ35の位置判定Eとパルス数をカウントしS193、目的パルス数よりSパルス手前の「目的パルス+S<(G)+(a3)−N」を判定しS194、条件成立時エンコーダ位置Eが指定位置であるか判定しS195、条件成立時はパルス数を図6に基づき標準位置に修正しS196、現在の回転方向を記憶させS197、もとのフローに戻すS169。条件成立時エンコーダ位置Eが指定位置で無い場合S195、パルス数が目的パルス数よりSオーバーの「目的パルス数−S> (G)+(a3)−N」になったときS198、モータエラーSUBに行くS171。
【0099】
次に各燃焼部の駆動判定部69、70、71内にあるモーター誤作動処理の「モーターエラーSUB」に関して説明する。図22、図23はその概略フローを示したもので、モーターエラーが発生しこのルーチンに入ったとき、モーター速度を高速にしS200、トルクを最高に指示しS201、回転方向をエラー処理前と同一にしS202、目的位置もエラー処理前と同一にしS203、駆動制御部68内の省電力化判定手段S204とモーター速度判定手段S205を介して、モーターにパルスを出力するS206。このことは通常トルクで作動しないとき高トルクで再度動作させることを意味している。
【0100】
回転方向が強回転の時S207、パルスカウンタでパルスのカウントを行い「N=N+1」S208、エンコーダー35の位置検出を行いS209、エンコーダー35が目的位置か判定しS209、目的位置にきた場合はパルス数を図6に乗っ取り修正しS210、元のフローにリターンさせるS211。目的のエンコーダ位置が発見できず前回の目的パルス数から所定値Mを加算した値にNが到達したか「目的パルス+M>N」を判定しS212、達していない場合はS203に戻り、達した場合は1回目か判定しS213、1回目の場合は回転方向を弱方向に逆転させS214、モーター速度を高速にしS215、トルクを最高に指示しS216、駆動制御部68内の省電力化判定手段S217とモーター速度判定手段S218を介して、モーターにパルスを出力するS219。
【0101】
パルスカウンタ2でパルスをカウントし「Q=Q+1」S220、Q>10となったときS221、モーターの回転を逆転させS220、M=30としS223、S203に戻す。このことは逆方向に回転させ、障害物を排除させることを意味する。S203から同一処理をフローに従って行い、目的エンコーダ位置が発見できずS209、「目的パルス+M(Mの値は大きくしてある)>N」を判定しS212、その場合には1回目か判定しS213、2回目となっているためモーター故障と判定しS224、故障処理に行くS225。
【0102】
また、モーター回転が弱方向の時S207は、下記の内容が処理の都合上変化するものでその部分を説明する。先のパルスカウンタでパルスのカウントを行い「N=N+1」S208が「N=N−1」となりS226、先の目的パルス数から所定値Mを加算した値にNが到達したか「目的パルス+M>N」S212が、「目的パルス−M<N」となるS227。それ以外は同一である。これらのことは、一度でモーターを故障と判定させず通常トルクで作動させ、それでも目的位置が無いときは更にバックさせて障害物を排除し再度目的位置に合わせるという配慮をしたものであり、上記したことにより、モーターエラーが発生した場合、トルク不足やその原因である初回可動時のグリスの粘着や、シール部の固着、またこれらを見越した過大トルクで作動させる無駄な電力消費が解消でき、かつ頻繁に上手く作動しないというクレームも解消が可能となるのである。
【0103】
以降は周波数を一定とし、周波数の間欠給電で速度制御を行う。その概略の方法を説明する。
【0104】
図24において、Aは一定周波数でパルスを出力した場合を高速とし100%の速度、Bは周波数の1/3を欠落させた状態を中速とし67%の速度、Cは周波数の1/2を欠落させた状態を低速とし50%の速度、Dは周波数の2/3欠落させた状態を微速とし33%の速度、の制御を行うものである。この方式の利点はトルクを一定に出来ることで且つ速度も指定速度の変動も少ないことにある。以下にその概略フローを説明する。
【0105】
図25において、モーター速度制御手段86は駆動指示があるか判断しS228−1、前段からの指示内容が高速か判定しS228−2、高速の場合は周波数の全パルスを出力しS228−3、停止指示があるまでS228−1へと繰り返す。高速でない場合S228−2、中速か判定しS228−4、中速の場合はカウンタでパルスをカウントしS228−5、カウンタが3でない場合(1もしくは2の場合)S229、パルスをモーターに出力しS231、停止指示があるまでS228−1へと繰り返す。そうでなくカウンタが3の時S229、カウンタを初期化しS230、再度カウントさせるS228−5。中速でない場合S228−4、低速か判定しS230、低速の場合はカウンタでパルスをカウントしS233、カウンタが2でない場合(1の時)S234、パルスをモーターに出力しS236、停止指示があるまでS228−1へと繰り返す。カウンタが2の時S234はカウンタを初期化しS235、再度カウントさせるS233。低速でない場合S232、微速と判定しS237、その場合はカウンタでパルスをカウントしS238、カウンタが3の場合S239、カウンタを初期化しS240、パルスをモーターに出力しS241、停止指示があるまでS228−1へと繰り返す。カウンタが1もしくは2の時はS239、再度カウントさせるS238。
【0106】
上記した内容により調理器具に適した火力制御の速度調節が可能となるのである。
【0107】
上記した火力変更はこんろの自動調理モードにも適用され、自動調理モードと火力調節の関係を図26〜図28を用いて以下に述べる。
【0108】
左コンロ駆動判定部69内のモード選択をしない自動判別調理モードについて説明する。左コンロの場合、左コンロ駆動判定部69の調理モード判定部93は、図26〜図28に示すフローチャートの処理手順を実行する。
【0109】
図26で温度判定部92は、鍋底温度センサー2により検出された温度を取り出しS242、この温度データを演算処理してS243、演算結果を調理モード判定部93に入力する。調理モード判定部93は、演算結果から水物調理であるか否かを判定しS244、水物調理である場合には、沸騰温度から焦げ付き防止温度を決定した後S245、焦付防止判定部94に処理を移行させるS246。
【0110】
先のステップS244において水物調理でないと判定されたときには、油物調理として決定されS247、この後、油物調理の過熱を監視するため油物調理の過熱防止温度が決定された後S248、過熱防止判定部95に処理を移行させるS249。
【0111】
引き続き、上記調理モード判定部93から処理が移行された各部の処理動作について説明する。
【0112】
上記調理モード判定部93の処理手順のステップS246から処理が移行された焦付防止判定部94の処理手順を図27に示す。鍋底温度センサー2による検出温度であるセンサー温度について「センサー温度>焦げ付き防止温度−15℃」の条件判定が行われS250、この条件成立が初回か否かの判定がなされるS251。これが初回であったときには、ブザーなどで報知し、初回でないときは、焦げ付きに至る状態であるが、まだ少し時間を要する状態と考えられるので、左こんろガス制御部29を弱位置とするための指令信号を左こんろ駆動判定部69に出力するS253。左こんろ駆動判定部69はモーター34により流量制御部33を駆動してガス流量が弱位置となるようにして燃焼火力を弱める制御を行う。
【0113】
次に、焦げ付きタイマーをON動作させS254、これがX秒経過したか否かを判定してS255、X秒経過した後、「センサー温度>焦げ付き防止温度」の条件判定が行われS256、条件成立であるときには焦げ付きと判断できるので、左こんろ駆動判定部69の制御により左こんろガス制御部29を閉栓(OFF)するS257。
【0114】
また、ステップS256の判定処理により「センサー温度>焦げ付き防止温度」の条件が成立しない焦げ付き温度以下であるときには、「センサー温度>焦げ付き防止温度−5℃」の条件判定を行いS258、条件成立であるときには左こんろ駆動判定部69にガス制御部33を中火力位置にする指令を出力してS259、前記ステップS258の条件判定が成立しなかった場合と共にステップS250に戻す。
【0115】
この焦付防止判定部84の処理動作により、鍋底温度センサー2による鍋底温度の検出に基づいて水物調理(煮物)における焦げ付きを防止する処理がなされ、使用者がガス調理器から離れているときには、焦げ付きが発生する前に左こんろ1の燃焼を停止させる処理が実行される。
【0116】
上記調理モード判定部93の処理手順のステップS249から処理が移行された過熱防止判定部95の処理手順を図28に示す。
【0117】
「センサー温度>過熱防止温度−10℃」の条件判定がなされS260。この条件判定が成立する場合には、これが初回であるか否かを判定しS261、初回であるときにはブザーなどで報知しS262、左こんろ駆動判定部69はガス制御部29に弱位置に駆動制御する指令を出力するS263。先のステップS261の判定において初回でないときは、ブザー報知することなく、このステップS263に移行される。次に、「センサー温度>過熱防止温度」の条件判定がなされS264、条件成立のときには過熱状態であるので、左こんろ駆動判定部69にガス流量制御部33に閉止させる指令を出力して終了するS265。
【0118】
また、前記ステップS264による条件判定が成立しなかったときには、「センサー温度<過熱防止温度−18℃」の条件判定がなされS266、条件成立するときには左こんろ駆動判定部69にガス制御部29を強火力位置に制御する指令を出力してS267、ステップS260に処理を戻す。条件成立しないときには「センサー温度<過熱防止温度−5℃」の条件判定がなされS268、左こんろ駆動判定部69にガス制御部29を中火力位置に制御する指令を出力してS269、ステップS260に処理を戻す。
【0119】
上記したことにより天ぷらを揚げていて万一その場を離れた場合の天ぷら油の異常加熱を防止させ火災の危険を回避できるのである。
【0120】
次にグリルの自動調理について説明する。図29はグリルの自動調理の概念について説明するもので、縦軸にはグリル庫内の温度センサーの温度と、使用火力を示し、横軸には、点火後の時間を示している。
【0121】
点火時室温であった温度は時間とともに温度上昇し、a点の焼上測定開始温度に到達する。その後b点の焼上測定終了点に到達した時点で、勾配b−a/tを計算する。この勾配で魚の焼上を判定し、以降の火力と時間を設定するのである。この図では室温開始の状態を示しているが、庫内温度は室温開始と決まってはいない。大家族のときは自動消火したあと引き続いて魚焼きをする場合もあり、室温開始時以外の勾配測定と開始温度に応じた火力制御が必要となる。
【0122】
この勾配決定後温度上昇し、c点に到達すると第一火力変更点、点火初期の火力、例えば2200kcal/hから火力を1700kcal/hに切り換え魚を加熱し、d点にすなわち第2火力変更点に達したら、更に火力を1400kcal/hに切り換える。そして所定時間経過したとき自動消火させて魚焼きを完了させる。
【0123】
手動調理との大きな差は、手動調理の場合、点火時から魚焼き終了まで火力一定で火力変更せずに焼き上げることであり、自動の場合は火力を温度上昇に応じて、自動火力切り替えを行うことである。この差は、焼き上がり状態の時間の許容度の大小で評価できる。手動の場合は、鯵3匹が12分で焼き上がり、±1分程度の誤差は焦げの程度も許される。自動の場合は14分で焼き上がり±2分程度の誤差は手動の誤差の出来と同様の出来映えである。
【0124】
自動の場合は手動と比較し、若干火力を弱めて焼き、時間は多少長引いても、焼上判別による誤差を吸収して焼き加減を大切にせんが為の配慮である。
【0125】
図30は、グリル操作部の拡大図である。魚の種類と加工度によって、同一キーで処理できる魚は限定される。従って魚種の選択キーを設け、温度上昇度合いと火力の相関が類似するものを集積させ、キー選択させる構成として生・姿キー、切り身キー、干物キーを設け、更に焦げの程度を選択する、焦げ目キーを3水準選択として表に示す基準魚で火力と時間の設定を考慮した。
【0126】
【表1】
Figure 0003900891
【0127】
上記の表に示すごとく、設定火力は調理するものによって異ならせる必要があり、一定火力で一定時間焼けば済むというものではないのである。焦げ目の程度は、上表のごとく焦げの程度でもあるが、魚の特性でマッチさせることもできる。このことを配慮して制御や温度や燃焼時間を設定しているのである。
【0128】
点火時火力は、生姿と干物では、同一火力が、同一焼き程度を得られることを保証するわけではない。かたや生魚、かたや干物である。同一火力で焼こうとすると時間管理が非常に難しくなる。勿論、火力を落として、オーブンのようにじっくり蒸し焼きにすれば可能であるが、グリルという美味しさの特徴がないとユーザーの満足が得られない。
【0129】
上記したことが、グリル自動化の前提概念である。
【0130】
以降、自動グリルのフローに基づいて説明する。図31は、本発明の自動グリルのメインルーチンフローを示す。まず手動過熱防止フローがあり、魚種モードはあるか判定しS270、ない場合手動過熱防止用として作動させるため第1火力切換温度150℃に設定しS271、自動消火時間15分設定し、自動消火温度190℃設定しS272、センサー温度が150℃以上になったか判定しS273、なった場合は第1火力「中」に切換えS273−1、その後15分経過したかもしくは、190℃以上にセンサ温度が上昇したか判定しS274、どちらかが成立した場合自動消火させるS275。以上が手動過熱防止の作動である。
【0131】
この場合の目的は、魚が燃えなければ良いという最低条件の保証になっている。
【0132】
従って魚は焦げすぎて食することは当然ながらできなくなっている。
【0133】
一方、魚種モードがある場合S270は自動加熱防止、すなわち自動グリルフローに移行する。すなわち、魚種モードは生・姿か判定しS276、そうである場合は魚種モード1を記憶しS276−1、そうでない場合は魚種モードは切り身か判定しS277、そうである場合は魚種モード2を記憶しS277−1、そうでない場合は魚種モードは干物か判定しS278、そうである場合は魚種モード3を記憶するS278−1。この場合魚種モードの3つは、サイクリックにしており、最後に選択したもので移行する。
【0134】
魚種モードを決定して次に焦げ目キーは「強」か判定しS279、そうであれば焦げモード1を記憶しS279−1、そうでない場合は焦げ目キーが「中」か判定しS280、その場合は焦げモード2を記憶しS280−1、そうでない場合は焦げ目キーが「弱」であるか判定しS281、焦げモード3を記憶するS281−1。この場合焦げ目キーの3つはサイクリックにしており、最後に選択したもので移行する。焦げモードが決定したらgosub焼上判定火力S282に行って戻る(gosub焼上判定火力は後述する)。
【0135】
gosub焼上判定火力S282で設定した指定火力に切り換え燃焼させS283、グリル庫内温度測定用のセンサー温度の温度を以降定期的に取り込むS284。初回温度を初期温度として記憶させる(TSO=初回温度)S285。初期温度が50℃未満か判定しS286、そうであれば開始モード1を記憶するS286−1。そうでない場合初期温度が100℃未満か判定しS287、そうであれば開始温モード2を記憶するS287−1。そうでない場合初期温度は100℃以上としてS288開始温モード3を記憶するS288−1。その後再度gosub焼上判定火力S289に行って戻り、gosub焼上判定火力S289で設定した指定火力に切り換え燃焼させるS289−1。その後、gosub消し忘れタイマ時間S289−2に行って戻る(gosub消し忘れタイマ時間は後述する)。その後、消し忘れタイマ(KJ)をONしS289−3、自動消火タイマカウンタ(JS)をONし(JS=JS+1)S289−4、gosub焼上判定に行って戻るS289−5(gosub焼上判定は後述する)。
【0136】
図32で、gosub焼上判定で指定した第1火力を記憶しS290、第1火力切換温度K1Tを記憶しS291、第1火力の燃焼上限時間ULTを記憶しS292、第1火力の燃焼下限時間LLTを記憶しS293、第2火力の切り替え温度K2Tを記憶しS294、第2火力を記憶しS295、自動消火時間JSTを記憶するS296。その後記憶した中の焼上判定火力から第1火力に切り換える温度K1Tを設定してS297、第1火力切換温度でないかK1T<TH判定しS298、切換温度になれば第1火力に切り換えS299、燃焼限度時間ULT、LLT、を設定するS300。
【0137】
第1火力で燃焼させ、第2火力と切換温度K2Tを設定しS301、第1火力から第2火力への切換温度でないかK2T<TH判定しS302、判定温度以上の場合限度タイマは下限値以上LLT<JTか判定しS303、その場合は次のステップへそうでない場合は、JTタイマがLLT以上になるのを待って次のステップへ行く。また判定温度以下の場合はS302、第1火力から第2火力に変更する上限温度以上ULT<JTか判定しS304、そうである場合は次のステップに行く。どちらかが指定内容になるのを待って、第2火力に切り換えるS305。
【0138】
第2火力に切り換えた後グリル燃焼自動消火時間になったか判定し(JT=JST)S306、なっていない場合は切り忘れ防止時間になっていないか(KJ<JST>判定しS306−1、これもなっていない場合は、自動消火温度に達したかCB<TH判定しS306−2、達した場合はS306、S306−1、とともに自動消火させてブザー報知しS307、終了させる。このS306−1とS306−2は自動過熱防止判定部を表すフローで、魚種と焦げ目の選択で、マトリクスで表す最も好ましい実験結果によって、最適値を設定している。
【0139】
図33は、焼上判定火力のサブルーチンを示すフローである。初回には、魚種モード、焦げ目、開始温度のうち温度データがないため、2桁の数字である。2回目は温度データがあるため3桁の数字である。従って、2桁か判定しS308、2桁の場合は下の桁に1を加えるS309。1を加えるのは、通常使用する場合室温開始が多いためである。3桁の場合と同様に、マトリクスの中から、該当する火力を選択しS310、元に戻すS311。例えば1、2、1の場合、使用火力は「強」になり、この場合最初の1は魚種モードが「生・姿」で、焦げモードが標準で、開始温モードが室温開始であることを示している。また2回目の時1、2、3の状態の場合、3桁目の3は高温開始を示し使用火力は「中」なる。上記のことは、魚種モードと、焦げ目と、開始温度で火力を変化させる内容を示している。
【0140】
上記の状態で、焼上判定火力は、設定した魚種と、開始庫内温度によって、指定された火力から自動選別を行っている。このことは、魚種によって庫内に魚を入れた時から、魚種にあった火力で最も好ましい焼き状態を作り出そうとすることと、開始温度によっても、火力を変化させて、高温時には低温時と比較し、魚の表面が焦げて内部まで火が通らないという課題を解決するためにしているのである。
【0141】
図34(a)は、消し忘れタイマサブルーチンのフローを示している。マトリクスから選択してS312、消し忘れ防止時間BTに代入しS313、元に戻す。魚種モード番号と焦げモード番号と、開始温度モード番号による3桁の数字、例えば、2、2、1、は魚種モードが「切り身」、焦げモードが標準、開始温度モードが「室温」であることを示し、その場合の消し忘れタイマはマトリクスから、タイマ時間は15分である。この15分を引数として渡す。
【0142】
本来消し忘れタイマの目的は、グリル火災の防止にある。その意味で手動の消し忘れタイマは、使用する魚種が明確でないため、危険回避の関係から、最悪状態の組み合わせで火災が起きないよう安全タイマとして、1個のタイムを入れている。当然ながら、魚は焦げすぎで食することはできない。
【0143】
一方自動調理のタイマは、魚種キーで魚種を選択し入力させているので、魚は、やや焦げているが、食べられる設定を行うことを主眼としている。そのためには、魚種キーと、焦げ目キー毎に個々に個々のキーの標準魚を定めて、最高時間を個々に設定し管理する状態を作り出すのがこのルーチンの目的である。従って、手動タイマより時間が長い場合があるが、魚種が明確で、それに従って火力も点火時から焼上終了時まで火力あとになれば弱く可変させており、発火も押さえられているのである。
【0144】
また、火力を押さえてあることから、例えば最も大火力を必要とする生・姿の強キーの状態のタイマ17分は、例え間違ってこの状態の時に大火力を必要としない「干物」「弱」の魚を入れた場合でも発火しないよう時間を設定することも可能である。また、上記のことを無視して、干物の弱の魚を焼けば、発火するが、生・強の出来映えを優先して、時間を設定することも可能である。上記のことは、ここのマトリクスに入れ込む時間によって趣旨が変わるのである。
【0145】
また、マトリクスの自動消火時間に関しては開始温度と自動消火時間の関係式を作成して、算出させることも可能であり、この場合も同様の考え方の一例とする。
【0146】
図34(b)は、自動過熱防止フローの過熱上限温度を規制する温度を示し、魚種と、焦げモードと、開始温度によってマトリクスを作成して、それぞれの条件において最も好ましい温度(魚の火災が発生せず、生焼けになる早切れが発生せず、できれば魚が多少焦げても食することが可能な過熱防止温度)に実験結果から定めたものである。なおマトリクスの自動消火温度に関しては開始温度と自動消火時間の関係式を作成して、算出させることも可能であり、この場合も同様の考え方の一例とする。
【0147】
図35は焼上判定サブルーチンを示したフローである。焼上判定は、魚種モード3種と開始温度3種によって異なり、9種の焼上判定パターンから構成されている。例えば魚種モード「生・姿」、開始温モード「低温」の場合モード番号は1、1、でありマトリクスから「Aパターン」となる。マトリクスからパターンを選択しS316、選択したパターンがAであるか判定しS317、そうでない場合は図36にいき、そうである場合はセンサ温度が50℃になったか判定しS318、50℃になったら50℃になったタイム(T50)を記憶しS319、次にセンサー温度が100℃になったか判定しS320、100℃になったら100℃になったタイム(T100)を記憶するS321。次に勾配計算(TK=T100−T50)を計算するS322。
【0148】
その後、第1火力切換温度K1T=110℃を指定しS323、第1火力=「中」を指定しS324、第1火力から第2火力に切り換える「第1火力切換上限時間ULT=20」を設定しS325、第1火力から第2火力に切り換える「第1火力切換下限時間LLT=3」を設定するS326。次に焦げモードが1か判定しS327、その場合は燃焼時間計算JST=A1×TK+α1を行うS328。そうでない場合は、次に焦げモードが2か判定しS329、その場合は燃焼時間計算JST=A2×TK+α2を行うS330。そうでない場合は、焦げモードが3でありS331、燃焼時間計算JST=A3×TK+α3を行うS332。焦げモード1、2、3いずれの場合でも計算終了後、第1火力切換温度 K2T=140℃を指定しS333、第2火力「弱」を指定しS334、元に戻るS335。
【0149】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=A1×TK+α1で、A1、α1はこのモード(生・姿の室温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0150】
このフローは最も一般的な「生・姿」の室温開始の魚焼きフローを示したもので、鯵や秋刀魚を焼く場合に使用する。焦げ目の程度は時間の長短で加減され、焼上判定は50℃から100℃の温度上昇度合いで判定され、その温度上昇度合いで、焼上判定を行いその焼上判定の結果から燃焼時間を決定している。
【0151】
従来と異なるところは、火力を魚の焼き進行度とあわせ、変化させるところであり、一段階、グリル庫内温度を「強」火力で立ち上げ、魚の表面を焼きその間に魚の焼上判定をする。
【0152】
効果「魚の旨さは、最初に高温で、臭みのある皮と身の間の油を高温で焼き切り、内部の旨味を閉じこめることであり、これを実現する」。
【0153】
二段階、魚の内外ともに加熱できる「中」火力とし、焦げすぎずに早く内部温度を上昇させる。
【0154】
効果「内部にまで加熱を素早く行う適切な火力でしかも表面が焦げすぎず、弱火にしすぎて長時間加熱すると魚の水分が抜けてぱさぱさになることを防ぐ」。
【0155】
三段階、外部は焦がさず内部に熱を浸透させ生焼け状態をなくする「弱」火力とする。
【0156】
効果「自動グリルの信頼性は焦げすぎず、生焼けでないことの確保であり、弱火で内部に熱の浸透を行うことを実現する」。
【0157】
従ってそのために、どの温度で火力を切り換えるか、また、二段階の火力に上下限の限時タイマを設けて、調節を行い、二段階の効果を確保するバックアップしたソフト構成としている。
【0158】
生の姿魚の勾配測定は、できる限り低温から100℃近辺までの間を長時間かけて、計測することが精度向上のために好ましい。なぜなら、皮があって中身の水分が一時期に放出されずにじわじわ出て行くからである。一方切り身や、干物は、姿と比較すると、短時間に特性が現れ、長時間の測定ではかえって誤差が多くなる。また切り身の場合、姿と比較すると、身の厚さも半分、水分も早く出ていく。干物の場合も、当初だけ勾配が現れるが、時間をかけても水分による温度変化は微量であり誤差が大きくなる欠点がある。従って魚種によって、最も好ましい焼上判定温度ゾーンは上記の特性から同一ではなく、個別に決まってくるのである。本発明はここに要点がある。
【0159】
また、生・姿の場合、低温から勾配測定をするが、庫内温度が暖まった状態では、点火当初は、勾配が庫内温度上昇のため曲線がねていて、魚の特性が表れない温度域があり、その温度域は、開始温度から25K程度は使用できない。従って、温度補正を行わないと50℃から勾配測定を行う場合は25℃以下となる。なお、当然ながら、開始温度が50℃の場合室温シーケンス(50〜100℃の勾配測定方法)を使用することは不可能であり、この課題解消の為Bパターンを設けた。
【0160】
図36は、Bパターン(生・姿、開始温度中温)を示すフローである。Bパターンか判定しS336、そうでない場合は図37へ、そうである場合は、現在のセンサ温度は開始温度より+10℃上がったか(TSO+10℃)<THを判定しS337、そうなるのを待って、点火時からの10℃上がった時間T10=JSを記憶させるS338。次に焦げモードが1か判定しS339、そうである場合は燃焼時間の計算を行い(JST=B1×T10+β1)S340次に行く。そうでない場合、焦げモードは2か判定しS341、そうである場合は燃焼時間の計算を行い(JST=B2×T10+β2)S342次に行く。そうでない場合、焦げモードは3と判定しS343、燃焼時間の計算を行い(JST=B3×T10+β3)S344、焦げモード3場合のみ、第1火力切換温度K1T=110℃としS345、第1火力を「中」に指示しS346、第1火力燃焼上限時間ULT=20に設定しS347、第1火力燃焼下限時間LLT=3に設定しS348、その後開始温度が80℃以下かTSO<80℃判定しS349、その場合には第2火力切換温度K2T=140℃としS350、次に進む。
【0161】
一方80℃以上の場合第2火力切換温度は開始温度に応じて80℃の時140℃とし100℃の時150℃に設定する一次式で計算する(K2T=Q1×TSO+P1)S351、そして次に進む。
【0162】
焦げモード1、2、で燃焼時間の計算を行った後、第1火力切換温度K1T=120℃としS352、第1火力を「中」に設定しS353、第1火力燃焼上限時間ULT=20に設定しS354、第1火力燃焼下限時間LLT=3に設定しS355、その後開始温度が80℃以下かTSO<80℃判定しS356、その場合には第2火力切換温度K2T=150℃としS357、次に進む。一方80℃以上の場合第2火力切換温度は開始温度に応じて80℃の時150℃とし100℃の時160℃と設定する一次式で計算し(K2T=Q2×TSO+P2)S358、そして次に進む。いずれの場合も第2火力を「弱」に設定しS359、元に戻すS360。
【0163】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=B1×TK+β1で、B1、β1はこのモード(生・姿の中温開始で、焦げの程度が弱)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0164】
Bパターンでは、勾配測定方法が、室温開始と異なり10℃上昇法で勾配を測定している。この方法は、50℃から100℃の時間測定方法より精度は落ちるが、開始温度が高いため勾配の測定第2の方法としているのである。また、第1火力への切り替え温度も開始温度によって区分しているが、火力「強」の状態で高温の庫内に入れた時間と、センサー温度の焼き加減のバランスで、最適状態を醸し出す配慮を行った発明である。また、80℃以上の開始の場合、開始温度によって第1火力への切り替え温度を一次式で算定しているが、高温になれば焼きのバランスが強の時間の伸び具合で微妙に変化するため(高温になると温度上昇が鈍くなり、その分影響度合いが大きく出るため細微な制御を必要とするため)である。また焦げの選択度合いにより、火力切換温度を変えているが、焦げ「弱」の場合、小鯵などの容量が少ない物であって、比較的内部に熱が早く浸透するので、強火力から中火力への切換も早めに切り換えると同時に、自動消火時間も早くさせることによる2重の効果を発揮しているのである。
【0165】
図37は、Cパターン(生・姿、開始温度100℃以上)のフローを示す。Cパターンか判定しS361、そうでない場合は図38へ行き、そうである場合は現在のセンサ温度は開始温度より+10℃上がったか(TSO+10℃)<THを判定しS362、そうなるのを待って、点火時からの10℃上がった時間T10=JSを記憶させるS363。次に焦げモードが1か判定しS364、そうである場合は燃焼時間の計算を行い(JST=C1×T10+γ1)S365、次に行く。そうでない場合、焦げモードは2か判定しS366、そうである場合は燃焼時間の計算を行い(JST=C2×T10+γ2)S367次に行く。そうでない場合、焦げモードは3と判定しS368、燃焼時間の計算を行い(JST=C3×T10+γ3)S369、いずれの焦げモードも、その後開始温度が140℃未満かTSO<140℃判定しS370、その場合には第2火力切換温度K2T=150℃としS371、次に進む。一方140℃以上の場合第2火力切換温度は開始温度に応じて140℃の時150℃とし160℃の時170℃と設定する一次式で計算する(K2T=Q2×TSO+P2)S372、その後第2火力への燃焼切り替え上限時間ULT=7分に設定しS373、第2火力への燃焼切り替え下限時間LLT=4分に設定しS374、第2火力を「弱」に指定しS375、燃焼時間が最小燃焼時間より少ないとき(JST<CT2)S376、最小時間を予め定めた時間に入れ替える(JST=CT2)S377その後図32の※Aに行くS378。
【0166】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=C1×TK+γ1で、C1、γ1はこのモード(生・姿の高温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0167】
このフローは、高温開始、焼き終わって自動消火後次の魚を直ぐ焼く場合に使用するフローで、自動消火後1分では庫内温度が160℃、2分経過時点で140℃程度有り、このような高温の中へ被焼物を入れたとき、火力切換温度は段階制御では追随性が悪くリニヤ温度切換が必要となる。また、上昇温度からの温度勾配で焼上判定を行う場合、精度があまり正しいとはいえない場合が想定されるので、時間リミッターと併用して使用する方法として、焼けすぎ、生焼けの状態を防ぐ工夫を行っている。
【0168】
図38はDパターン(切り身・室温開始)のフローを示す。Dパターンであるか判定しS379、そうでない場合は図39へ、そうである場合は、センサー温度が50℃になったか判定しS380、50℃になったら50℃になったタイム(T50)を記憶しS381、次にセンサー温度が80℃になったか判定しS382、80℃になったら80℃になったタイム(T80)を記憶するS383。
【0169】
次に勾配計算(TK=T80−T50)を計算するS384。次に焦げモード1か判定しS385、そうである場合は燃焼時間計算(JST=D1×TK+δ1)を行いS386、第2火力切換温度K2T=200℃を指示しS387、第2火力=「中」を指示しS388、次に行く。
【0170】
一方焦げモードが1でない場合S385、焦げモードが2でないか判定しS389、その場合は、燃焼時間計算(JST=D2×TK+δ2)を行いS390、第2火力切換温度K2T=90℃を指示しS391、次に行く。一方焦げモードが2でない場合S389、焦げモードが3としてS392、燃焼時間計算(JST=D3×TK+δ3)を行いS393、第2火力切換温度K2T=80℃を指示しS394、第2火力=「弱」を指示しS395、焦げモード1、2の場合と併せてUTL=20を指示しS396、LLT=7を指示しS397、燃焼時間計算の値がDモードの最小燃焼時間DT2より小さいかJST<DT2判定しS398、その場合はJST=DT2に入れ替えS399、DT2より大きい場合と併せて図32の※Aへ行くS400。
【0171】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=D1×TK+δ1で、D1、δ1はこのモード(切り身の室温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0172】
以上が切り身の室温開始の動作フローであり、姿と比較すると、焦げが強の場合、中火力で通して焼き上げることとなっている。このことは、切り身の場合、姿と比較すると1段火力を落として焼き上げることが失敗なく、おいしく焼けることを実験結果に基づいて実証したもので、手動であっても好ましい焼き方である。
【0173】
判別温度は、50〜80℃としていて、生・姿110℃と比較すると低い温度で計測しているが、前記したごとく、魚の特性が最も表れるポイントをとらまえて判定を行っているのである。
【0174】
また、焦げモード2(中)、3(弱)は姿より低い温度(切り身の場合2は、90℃で中から弱に、3の場合は80℃で中から弱に火力を切り換え)(姿の場合110℃で強から中に火力切り替え)、しているが、このように使用火力も切り替え温度も、魚種と、開始温度とによって変化させ、適切に魚を焼き上げる配慮を行い、魚の特性に最も適した火力を設定してその上に立って自動消火タイマーを組み立てる構成としているものである。要するに、タイマー管理ができる、準備(適正火力管理、適正火力切り替え温度、適正魚種キー設定、焦げ目の適正設定)を如何に適切に行うかが本発明の主眼である。
【0175】
図39はEパターン(切り身・中温開始)のフローを示す。Eパターンであるか判定しS401、そうでない場合は図40へ、そうである場合はセンサー温度が所定温度に達したか110<TH判定しS402、達するのを待って、所定温度に達したときの時間を記憶する(T110=JS)S403。その後単位温度当たりの時間計算を行うJK=T110/(110℃−TSO)S404:TSOは開始温度。次に焦げモードが1か判定しS405、その場合は燃焼時間計算JST=E1×TK+ε1を行いS406、第2火力への切換温度K2T=140℃としS407次に進む。一方焦げモードが1でない場合、焦げモードは2か判定しS408、その場合は燃焼時間計算JST=E2×TK+ε2を行うS409。焦げモードが2でない場合、焦げモードは3としS410、燃焼時間計算JST=E3×TK+ε3を行うS411。
【0176】
焦げモード2、3の双方とも、第2火力への切換温度K2T=110℃としS412、焦げモード1の場合と併せて、第2火力の火力を弱指定しS413、ULT=20(S414)、LLT=3(S415)を指示し、燃焼時間計算の値がEモードの最小燃焼時間ET2より小さいかJST<ET2判定しS416、その場合はJST=ET2に入れ替えS417、図32の※Aへ行くS418。
【0177】
焼上判定方法を、単位温度当たりの時間にしているが、これは、切り身の場合生姿と異なり、比較的早く水分蒸発を行うため、単位温度当たりの時間として扱うことが、判別精度向上につながるためである。
【0178】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=E×TK+ε1で、E1、ε1はこのモード(切り身の中温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。切り身の中温開始は、室温開始と比べ、開始温度との相関で、火力切り替え温度を高く設定し、中火力の焼き時間を加減して切り身に適した加熱状態を醸し出す配慮を行い出来映えの管理を行っているのである。
【0179】
図40はFパターン(切り身・高温開始)のフローを示す。Fパターンであるか判定しS419、そうでない場合は図41へ、そうである場合はセンサー温度は開始温度より10℃上か(TSO+10℃)<TH判定しS420、そうなるのを待って開始時から10℃になった時の時間を記憶する(T10=JS)S421。その後焦げモード1か判定しS422、そのときには燃焼時間計算を行い(JST=F1×T10+ζ1)S423、第2火力への切換温度K2T=140℃としS424、次に進む。そうでない場合、焦げモード2か判定しS425、そのときには燃焼時間計算を行う(JST=F2×T10+ζ2)S426。そうでない場合、焦げモード3としてS427、燃焼時間計算を行い(JST=F3×T10+ζ2)S428、次に進む。
【0180】
焦げモード2、3、の燃焼計算が終わったら第2火力への切換温度K2T=TSO+10℃を指示しS429、焦げモード1結果と併せて、第2火力=弱の指示をしてS430、ULT=20(S431)、LLT=3(S432)を指示し、燃焼時間計算の値がFモードの最小燃焼時間FT2より小さいかJST<FT2判定しS433、その場合はJST=FT2に入れ替えS434、図32の※Aへ行くS435。
【0181】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=F×TK+ζ1で、F1、ζ1はこのモード(切り身の高温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0182】
図41はGパターン(干物・室温開始)のフローを示す。Gパターンであるか判定しS436、そうでない場合は図42へ行き、そうである場合は、センサー温度が50℃になったか判定しS437、50℃になったら50℃になったタイム(T50)を記憶しS438、次にセンサー温度が80℃になったか判定しS439、80℃になったら80℃になったタイム(T80)を記憶するS440。次に勾配計算(TK=T80−T50)を計算するS441。次に焦げモード1か判定しS442、そうである場合は燃焼時間計算(JST=G1×TK+η1)を行いS443、次に進む。一方焦げモードが1でない場合S442、焦げモードが2でないか判定しS444その場合は、燃焼時間計算(JST=G2×TK+η2)を行いS445、次に進む。また、焦げモードが2でない場合S444、焦げモードが3の場合はS446、燃焼時間計算(JST=G3×TK+η3)を行いS447、その後焦げモード1、2、3のいずれの場合も、第2火力切換温度K2T=120℃を指示しS448、第2火力=「弱」を指示しS449、ULT=20を指示しS450、LLT=3を指示しS451、燃焼時間計算の値がGパターンの最小燃焼時間GT2より小さいかJST<GT2判定しS452、その場合はJST=GT2に入れ替えS453、図32の※Aへ行くS454。
【0183】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=×TK+η1で、G1、η1はこのモード(切り身の高温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。また切り身と比較した場合、火力は「中」から「弱」に切り換えることは同じであるが、切換温度が切り身は90℃、干物は120℃としている。干物は、高温雰囲気でないとパリパリになりやすく、低温で長時間さらすことはできない。また、時間的には、切り身の場合温度上昇も干物に比べると鈍く「中」火力にさらしている時間は、切り身の方が長くなることも考慮して決定しているのである。従って、勾配から焼き時間を単に推定しているのではなく、火力をどの温度までどう加熱させたとき、焼き時間は何時間が妥当であるかという総合判断から時間を設定しているのであって、火力切換温度が変化すれば当然焼き時間も変化させて焼き加減を決める方法が安定した自動グリルを提供できることになるのである。
【0184】
図42はHパターン(干物・中温開始)のフローを示す。Hパターンであるか判定しS455、そうでない場合は図43へ、そうである場合はセンサー温度は開始温度より10℃上か(TSO+10℃)<TH判定しS456、そうなるのを待って開始時から10℃になった時の時間を記憶する(T10=TH)S457。その後焦げモード1か判定しS458、そのときには燃焼時間計算を行い(JST=H1×T10+θ1)S459、第2火力への切換温度K2T=140℃としS460次に進む。そうでない場合、焦げモード2か判定しS461、そのときには燃焼時間計算を行う(JST=H2×T10+θ2)S462。そうでない場合、焦げモード3としS463、燃焼時間計算を行う(JST=H3×T10+θ3)S464、次に進む。
【0185】
焦げモード2、3、の燃焼計算が終わったら第2火力への切換温度K2T=120℃を指示しS465、焦げモード1結果と併せて、第2火力=弱の指示をしてS466、ULT=20(S467)、LLT=3(S468)を指示し、燃焼時間計算の値がHモードの最小燃焼時間HT2より小さいかJST<HT2判定しS469、その場合はJST=HT2に入れ替えS470、大きい場合とあわせ図32の※Aへ行くS471。
【0186】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=×TK+θ1で、H1、θ1はこのモード(切り身の高温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0187】
図43はIパターン(干物・高温開始)のフローを示す。IパターンS472として、センサー温度は開始温度より10℃上か(TSO+10℃)<TH判定しS473、そうなるのを待って開始時から10℃になった時の時間を記憶する(T10=TH)S474。その後焦げモード1か判定しS475、そのときには燃焼時間計算を行い(JST=I1×T10+ι1)S476、第2火力への切換温度K2T=140℃としS477、次に進む。そうでない場合、焦げモード2か判定しS478、そのときには燃焼時間計算を行う(JST=I2×T10+ι2)S479。そうでない場合、焦げモード3としS480、燃焼時間計算を行い(JST=I3×T10+ι3)S481、次に進む。
【0188】
焦げモード2、3、の燃焼計算が終わったら第2火力への切換温度K2T=TSO+10℃を指示しS482、焦げモード1結果と併せて、第2火力=弱の指示をしてS483、ULT=20(S484)、LLT=(S485)を指示し、燃焼時間計算の値がIモードの最小燃焼時間IT2より小さいかJST<IT2判定しS486、その場合はJST=IT2に入れ替えS487、図32の※Aへ行くS488。
【0189】
ここで、燃焼開始時からの燃焼時間計算のJST=×TK+ι1で、I1、ι1はこのモード(切り身の高温開始で、焦げの程度が強)の時に、このモードの基準魚を最も適切に焼き上げる係数であって、この係数は焦げ目の選択によっても変える必要がある。またこの係数は魚種モード毎に定める必要がある。
【0190】
上記したように、魚の種類、焦げの程度、開始庫内温度によって、焼上判定方法の最も好ましい方法はそれぞれの条件によって変化する。従って、各種の焼上判定方法からその条件にあった最も好ましい焼上判定方法を、マトリクスの中から選択する方法は、判定方法の精度向上を果たしひいては、自動消火時間の精度向上につながり、焼き状態の安定した自動グリルを提供できることとなるのである。
【0191】
以上が焼上判定方法の説明であるが次に、判定方法のバックアップによる信頼性の確立と精度保証について述べる。
【0192】
図44と図45は、信頼性の向上に関するもので、鯵と秋刀魚の勾配(この場合、定めた2点間の時間をいう)と、焼き時間の関係を表す。横軸には、勾配(時間差)を、縦軸には焼き時間を表し、鯵やサンマを1匹、2匹、3匹重さも変化させて、焼き上がりまでの時間と勾配(時間差)をプロットしたものである。同一図面で、2個の群があるが、時間差測定温度を変えて記載している。その1つは、50−100℃、残りは130−140℃の勾配である。
【0193】
50−100℃の勾配測定時の火力は強(2200Kcal/h)で燃焼させ、110℃で火力を中(1700Kcal/h)に落として、姿魚を焼くのに適した火力とした場合の勾配(時間差)と焼き時間の相関を表したものである。プロットされたデータ群を一次近似させると50−100℃の近似式Y=A1X+B1と130−140の近似式Y=A2X+B2で表され、勾配(時間差)が判定できると、焼き時間が決定できることとなる。この場合、50−100℃の近似式の方が鯵もサンマも、焼き時間の相関がよく出ていることは、R^2の値からも読みとれる。従って、50−100℃の勾配で決定しても必要十分である。
【0194】
ここで、焼き上がり時間の決定方法として、
(1)火力強の50−100℃の勾配を使用して焼き上がり時間を決定するか、
(2)130−140℃の勾配を使用して焼き上がり時間を決定するか
(3)双方の勾配を使用して時間を決定するかの3方法がある。
【0195】
(1)については、フローですでに説明した。(2)についても同一の考えで処理でき説明は省略する。(3)についての方法について以下に説明する。
【0196】
図46は、上記(3)を用いたフローである。
【0197】
図46は図32と下記を除いて同一であり説明は同一番号を付して省略する。変わるところは、第1火力に切り換えるS299とULT、LLTを設定するS300の間に、GOSUB焼上判定2(S299−1)を挿入したことである。
【0198】
図47はその焼上判定2のサブルーチンの内容を示すフローである。センサー温度が、130℃になったか130<TH判定しS490、なるのを待って、T130に130℃になった時間を記憶しS491、次に140℃になったか140<TH判定しS492、なるのを待って、T140に140℃になった時間を記憶しS493、時間差を計算するT14=T140−T130(S494)、その後140℃勾配から推定する焼き時間の計算を行う(第2判定)JST2=a1×T14+b1(S495)。次に50−100℃の勾配から算定した自動消火時間JSTを呼び出し(第1判定)、JST1=JST(S496)、新しいJST(自動消火時間)の計算を行うJST=(JST1+JST2)/2(S497)、このJSTをもって元に戻るRET(S498)。
【0199】
以上が50−100℃、と130−140℃の双方の勾配を利用した自動消火時間の算定方法である。
【0200】
なお、当然ながら上記説明の中で紙面の都合上省略したが、魚種の選定や、焦げ目キー入力により自動消火時間を変える方法は前述したとおりである。また、前記の低温勾配と、高温勾配は按分計算としたが、ウエイト計算(低温勾配の方が比較的精度が高いので、6:4程度の比重計算で行うこと)でも本発明の趣旨に包含される。
【0201】
上記の発明によって、低温勾配単独で焼き時間を算定する場合と比較し、
(1)低温勾配測定時の異常(勾配測定中使用者が一時的にドアを開けた、油が飛んで瞬間的に燃えた等)対策として、勾配測定の危険率が縮小される。
【0202】
(2)上記によって、何時も同程度に焼ける確率が高くなり使用者の信頼度が向上する。
という効果がある。このバックアップの効果は、0か1の考えからすれば、突然×の焼き姿が出たり、◎であったりという信頼性の低い状態から、一寸出来が悪いかなという状態に改善できる大きな効果を有していて、自動グリルの開発には欠かすことのできない重要な発明要素となるのである。
【0203】
次に、勾配測定の是正による焼上判定精度向上について記す。
【0204】
図48は開始温度による焼き時間算定の誤差修正方法の一例を示す。横軸に室温、縦軸に時間を示し、鯵180gの魚1匹、3匹と、空の状態の室温を変化させた時の、100℃に到達した時間を表したグラフである。四角のプロットは、生データを表し、三角のプロットは、温度是正を行ったプロットを表している。
【0205】
生のプロットは、当然ながら室温の高低に応じて、100℃に到達する時間も短長の時間差を生ずる。焼き時間を算定するときは室温の影響を取り除いて、どの程度の魚が庫内に入っているかを知る必要があり、そのための開始温度是正が必要となる。本発明は室温補正を行うことを目的として、その方法の一例として、まず、生データのプロットの一次近似を行い、y=−2.8322x+375.66を得る。
【0206】
ここで、得た温度是正係数2.8322を基に、室温是正y=(個々のデータ)−(標準温度−個々のデータの開始温度)×温度是正係数(2.8322)として、全てのデータを標準温度に補正し直し、図の三角の35℃換算のプロットを行う。
【0207】
上記は、補正の一例を示したもので、補正した標準温度の100℃到達時間を得る方法を示したものである。このことは、開始室温を一定にした場合の100℃到達時間を一定温度に換算して取り扱うこととなり魚の特質がわかりやすくなる。このことは次の図49によってより明確となる。
【0208】
図49は、上記の内容を横軸に匹数、縦軸に100℃到達時間とし、生データ、前記の補正データ(結果関数修正と表している)ともう一つの補正方法「開始30℃是正100℃時間」の3通りのプロットを行ったものである。新規の是正方法は、開始温度が所定温度(30℃)になるよう、加減して、あたかも30℃開始となるようデータに細工したもので(例えば10℃開始であれば30/10=20、この20をデータに加算して取り扱う)ある。
【0209】
図に示すごとく、温度是正を行っていない生データでは、空、1匹、3匹の区分がついていないが、温度是正を行うことによって目的とする、匹数判別が明確になり、匹数が明確になることにより焼き時間の算定が正確にできる。
【0210】
(1)生データでは、3匹と1匹の区分はできにくく、R^2=0.6203である。
【0211】
(2)関数修正方式では精度が向上し、判別が殆ど正確でR^2=0.8906である。
【0212】
(3)30℃是正方法では一番精度が良く、判別が可能でR^2=0.9493となる。
【0213】
従って、焼き時間を算定するためには、室温補正を行い正確な匹数(焼上の判定)を行うことが必要不可欠となる。そして(2)、(3)の方法は、勾配測定であろうと、時間測定であろうと焼き時間推定の方法に対して、是正が可能であることを示している。特に(2)は出てきた結果に対して、予め実験値で得た数値を是正式で是正することにより補正できるため応用範囲が広く、焼き時間精度の向上が図れる。
【0214】
上記した補正方法を、焼き時間算定の中に組み込み、焼き時間の精度向上を図る手段の一例を次に示す。
【0215】
図50は開始温度補正手段(測定温変換方式)を示すフローである。開始温度(TSO)と標準温度(STT)との差を計算しSA=STT−TSO(S500)、次にセンサ温度(TH)+SAは100℃になったか判定しS501、100℃になるのを待って100℃になったタイム(T100)を記憶しS502、第1火力切り換え温度K1T―110℃に指示しS503、第1火力=「中」に指示しS504、第1火力切り換え上限時間ULT=20に指示しS505、第1火力切り換え下限時間LLT=3に指示しS506、その後、焦げモードは1か判定しS507、その場合は燃焼時間計算JST=J1×T100+κ1を計算しS508、そうでない場合は焦げモードが2か判定しS509、その場合は燃焼時間計算JST=J2×T100+κ2を計算しS510、そうでない場合は焦げモードが3と判定しS511、燃焼時間計算JST=J3×T100+κ3を計算しS512、焦げモード1、2の場合も含めて第2火力切り換え温度K2T=140℃指示しS513、第2火力=「弱」を指示しS514元に戻るS515。
【0216】
上記した内容は100℃に到達する時間の長短と、長短と相関のある被焼き物の焼き時間を予め実験で相関係数を求めて、グリルの燃焼させる時間を計算で定めるものであり、このときの開始温度差を是正することにより内容物の焼き時間を精度良く計算によって求める手段を示したものである。引用は、Aパターンの変形を使用しているが、各パターンも同一の考え方であり一例を持って他のパターンは紙面の都合上省略する。
【0217】
また、図51は開始温度是正方法2(関数是正方法)でこれも一例を示したものである。 開始温度を記憶しTSO=TH(S516)、センサ温度が50℃になるのを待ってS517、50℃になったタイムを記憶し(T50)=JS(S518)、センサ温度が100℃になるのを待ってS519、100℃になったタイムを記憶し(T100)=JS(S520)、勾配計算TH1=(T100−T50)を計算するS521。その後、温度補正計算を行うTH=TK1−(標準温度−TSO)×温度是正係数S522。ここで標準温度は、室温開始の場合0〜50℃の範囲とこの発明では仮定して列記しているが、かけ離れた数値でなければ問題はない。この是正の意味は前図で説明済みである。そのあとの処理は事前に説明済みであるので番号を付して省略する。
【0218】
この是正によって、焼き時間の精度向上を図り信頼されるグリルの自動調理が可能となる。なお、引用は、Aパターンを使用しているが、各パターンも同一の考え方であり一例を持って他のパターンは紙面の都合上省略する。
【0219】
なお、本実施例ではバーナを熱源としているが、ヒータやインダクションヒータ等の電気加熱手段を熱源として用いてもよいものである。
【0220】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、魚種を選択したあとは、温度センサーの温度上昇の挙動を分析し正確な焼上判定を行って、自動的に火力を設定し焼き時間を設定するため焼き上がりがいつも一定で安定し、そして魚種に応じた精度の良い焼上判別が可能となり、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【0221】
また本発明によれば、グリル庫内温度が室温開始でなくても選択魚種に最も適した焼上判定温度で精度良く判定することができ、自動加熱時間算定が安定し、焼き上がりがいつも一定で安定した自動グリルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の一実施例に於ける調理器の外観を示す斜視図
(b)は同操作部の正面図
【図2】 同ガス流量制御装置の全体構成図
【図3】 (a)は同ガス制御ブロックの平面図
(b)は同側断面図
【図4】 (a)(b)は同ガス制御部の流焼上制御機構のガタつき内容を示す説明図
【図5】 (a)は同エンコーダーの平面図
(b)は同正面図
(c)は同側面図
【図6】 (a)〜(f)は同エンコーダーのパターンと火力の相関図
【図7】 (a)は同グリル部の横断面図
(b)は同縦断面図
【図8】 (a)は同煙道の拡大斜視図
(b)は同センサ取り付け部の拡大斜視図
【図9】 同鯵焼きのセンサー温度と焼き時間を示すグラフ
【図10】 同サンマを焼いたときのセンサー温度と煙道雰囲気温度を示すグラフ
【図11】 同制御部のブロック図
【図12】 同点火消火動作の概略フローチャート
【図13】 同キー入力判定手段の概略フローチャート
【図14】 同キー入力判定手段の概略フローチャート
【図15】 同キー入力判定手段の概略フローチャート
【図16】 同総合作動手段の概略フローチャート
【図17】 同こんろ駆動判定手段の一部の概略フローチャート
【図18】 同こんろ駆動判定手段の残りの概略フローチャート
【図19】 同こんろ駆動判定手段の一部の概略フローチャート
【図20】 同火力変更判定手段の概略フローチャート
【図21】 同火力変更判定手段の概略フローチャート
【図22】 同モーター誤作動処理手段の一部の概略フローチャート
【図23】 同モーター誤作動処理手段の残りの概略フローチャート
【図24】 (A)〜(D)同速度制御の説明図
【図25】 同速度制御の概略フローチャート
【図26】 同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図27】 同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図28】 同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図29】 同グリル自動調理の概念を示す図
【図30】 同グリル操作部の拡大図
【図31】 同自動グリルのメインルーチンを示すフローチャート
【図32】 同自動グリルのメインルーチンのフローチャート
【図33】 同焼上判定火力サブルーチンを示すフローチャート
【図34】 (a)は同消し忘れタイマーのサブルーチンを示すフローチャート (b)は自動加熱防止フローを示すフローチャート
【図35】 同焼上判定サブルーチンのAパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図36】 同Bパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図37】 同Cパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図38】 同Dパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図39】 同Eパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図40】 同Fパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図41】 同Gパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図42】 同Hパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図43】 同Iパターンサブルーチンを示すフローチャート
【図44】 同鯵の温度勾配と焼き時間の関係を示す図
【図45】 同サンマの温度勾配と焼き時間の関係を示す図
【図46】 同2個の温度勾配から焼き時間を決定するフローチャート
【図47】 同焼上判定2のサブルーチン示すフローチャート
【図48】 同開始温度と誤差の修正を表す図
【図49】 同開始温度と誤差の修正を表す図
【図50】 同開始温度補正手段のフローチャート
【図51】 同開始温度補正手段2のフローチャート
【符号の説明】
1 鍋底温度センサー
2 左こんろ
3 右こんろ
4 グリル
4a グリル庫内温度測定用温度センサー
23 左こんろバーナ
24 制御回路
29 左こんろガス制御部
30 右こんろガス制御部
31 グリルガス制御部
33 流量制御部(熱量制御手段)
34 ステッピングモーター
36 右こんろバーナ
37 グリルバーナ(熱源)
39 調理モード設定キー
40 調理モード設定キー
41 調理モード設定キー
51 グリル外筐体
52 グリル内筐体
58 グリル排気部
59 グリル排気内金具
59−1 グリル排気外金具
60 センサー煙道口
68 駆動制御部
92−1 温度判定部
93−1 調理モード判定部
93−2 焦げ目判定部
93−3 焼上判定部
93−4 手動過熱防止判定部
93−5 自動過熱防止判定部

Claims (15)

  1. グリル庫内の温度を測定する温度センサーと、加熱量を制御する熱量制御手段と、前記温度センサーの温度状態に応じて前記熱量制御手段を制御する駆動制御手段と、前記温度センサーの温度上昇度合いから少なくとも焼き上げ時間の算定を行う焼上判定手段と、各魚種に適した焼き方を設定する魚種選択キーとを有し、前記焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、前記魚種選択キーで設定した魚種に応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち自動停止させる構成とし、さらに前記焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種に応じて、温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を変化させる構成とした調理器。
  2. グリル庫内の温度を測定する温度センサーと、加熱量を制御する熱量制御手段と、前記温度センサーの温度状態に応じて前記熱量制御手段を制御する駆動制御手段と、前記温度センサーの温度上昇度合いから少なくとも焼き上げ時間の算定を行う焼上判定手段と、各魚種に適した焼き方を設定する魚種選択キーとを有し、前記焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、前記魚種選択キーで設定した魚種に応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち自動停止させる構成とし、さらに前記焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種と、加熱開始時の温度センサーの温度に依存して、前記温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を自動設定する構成とした調理器。
  3. 焼き加減の状態を設定する焦げ目キーを備え、焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いを検知し、魚種選択キーで設定した魚種と、焦げ目キーで設定した焦げ度合いとに応じて加熱時間を算定し、予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択して所定時間加熱したのち加熱停止させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  4. 焼上判定手段は、少なくとも魚種選択キーで設定した魚種により、焼上判定時の加熱量を予め設定した複数個の加熱量の中から自動選択させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  5. 焼上判定手段は、少なくとも魚種選択キーで設定した魚種と加熱開始時の温度センサーの温度に依存して、焼上判定時の加熱量を予め設定した複数個の加熱量の中から自動選択させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  6. 焼上判定手段は、魚種選択キーで選択設定された魚種と加熱開始時の温度センサーの温度に依存して、前記温度センサーの温度上昇による始と終りを持つ焼上判定温度範囲の判定温度を、予め設定された算定式により算出し変化させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  7. 焼上判定手段は、温度センサーの温度上昇から焼上判定の判定結果と予め選択設定した魚種に基づいて算定した切換温度に到達すると、予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択切り換えして加熱焼時間を算出し、算出された所定時間加熱したのち、自動的に加熱を停止させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  8. 焼上判定手段は、一定加熱量で加熱した時の温度センサーの温度上昇度合いに応じて行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種と、開始温度に依存して、予め定めた複数個の中の自動選択した切換温度に到達すると、前記判定結果に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動切り換えし、前記判定結果に基づいて加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱したのち、自動的に加熱を停止させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  9. 焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇から行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種と、開始温度に依存して、予め定めた複数個の中の自動選択した切換温度に到達すると、前記焼上判定に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動切り換えし、前記焼上判定に基づいて、加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  10. 焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇から行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種に基づいて設定した、魚種により可変させる加熱量切り換え段数の切換温度に到達すると、前記焼上判定に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択切り換えし、前記焼上判定に基づいて、加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  11. 焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇度合いに応じて行った焼上判定の判定結果と、予め選択設定した魚種と、開始温度に依存して設定した魚種によって可変させる加熱量段数の切換温度に到達すると、前記焼上判定に基づいて予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動切り換えし、前記焼上判定に基づいて、加熱時間を算出し、算出した所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成とした請求項1または2記載の調理器。
  12. 焼上判定手段は、予め定めた複数個の設定加熱量の中から選択し加熱量による加熱時間に、最低加熱時間と、最高加熱時間を設けた請求項1または2記載の調理器。
  13. 焼上判定手段は、一定加熱量で加熱したときの温度センサーの温度上昇と、予め設定した魚種から焼上判定を行う焼上判定手段の判定結果と、選択設定した魚種に基づいて、予め定めた複数個の設定加熱量の中から加熱量を自動選択し、かつ、加熱時間を算出し、所定時間加熱させたのち、自動停止させる構成とし、更に庫内温度が高温状態の時に加熱時間の最小時間と最大時間を設ける構成とした請求項1または2記載の調理器。
  14. 焼上判定手段は、一定火力で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いと予め選択した魚種とから低温時の焼き時間を算定し、かつ高温時の温度上昇度合いから焼き時間を算定し、双方の焼き時間から、自動停止時間を決定する構成とした請求項1または2記載の調理器。
  15. 焼上判定手段は、低温測定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いと予め設定した魚種とから低温時の焼き時間を算定するとともに、高温測定加熱量で加熱したときの温度センサの温度上昇度合いから高温時の焼き時間を算定し、双方の焼き時間から自動停止時間を決定する構成とした請求項1または2記載の調理器。
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