JP3900799B2 - シリカ除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリカ含有水からシリカを除去するためのシリカ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
開放循環式冷却設備等の設備の伝熱面や配管内では、スケール障害が発生しやすい。特に、省資源、省エネルギーの立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解している塩類が濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなると共に、難溶性の塩となってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の低下、配管の閉塞、水質の計測機器センサー部への障害などの障害を引き起こす。
【0003】
そこで、従来より種々のスケール防止剤が用いられている。特開昭61−107998号公報には、シリカ系スケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤として、アクリルアミド系モノマーとアクリル酸系ポリマーを含むスケール防止剤が提案され、特開平2−31894号公報には、冷却水系のスケール防止と、防食、スライム防止などの効果を併せ持つ複合水処理剤として、ポリエチレングリコールとホスホン酸又はカルボン酸系ポリマーを含有するスケール防止剤が提案され、特開平7−256266号公報には、冷却水の水質変動や運転条件に関わりなく、スライム、スケール、腐食障害、レジオネラ菌の発生を防止し得る水処理方法として、水溶性カチオン性ポリマー、ハロゲン化脂肪族にニロトアルコール及びホスホン酸又はカルボン酸系ポリマーを添加する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなスケール防止方法は、シリカスケールの付着防止にはあまり有効ではない。例えば、アクリルアミド系ポリマーは、シリカ濃度が低い場合にはスケール防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効果がない。また、特開平7−256266号公報に提案されているカチオン性ポリマーは、四級アンモニウム塩であってカチオン性が非常に強いために、水中のシリカや微生物由来の汚れ(スライム)とゲル状の反応物を作りやすく、配管内で詰りなどのトラブルを生じやすいことや、カチオン性であるために配管の金属材料に吸着されやすく、系内でのポリマーの消耗が著しいことなどの欠点がある。また、ポリエチレングリコールは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの付着を抑える効果はあるが、共存イオンの影響を受けやすく効果が安定しないなどの問題がある。
【0005】
特に、開放循環式冷却設備は、開放式冷却塔において水をスプレーし、蒸発熱を利用して水を冷却するようにしており、運転を継続していると循環冷却水中の溶解物質の濃度が次第に高くなり、シリカが析出し易くなる。
【0006】
本発明は、このような水中のシリカ濃度を低下させてシリカスケール発生を防止することができるシリカ除去装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリカ除去装置は、シリカ含有水からシリカを除去するためのシリカ除去装置において、該シリカ含有水が通水される通水塔と、該通水塔内に収容された粒状シリカゲルとを備えてなり、該シリカゲルは、粒径が50〜1000μmであり、初期細孔容積が0.7mL/g以上であることを特徴とするものである。
【0008】
かかるシリカ除去装置にあっては、シリカ含有水がシリカゲル粒子と接触すると、該水中のシリカがシリカゲル粒子の表面(外面であってもよく、粒子内部の気孔の表面であってもよい。)に析出して成長することにより、水中より除去される。
【0009】
本発明においては、通水塔に流入する水を濾過する濾過装置を設けてもよい。この濾過装置を設けることにより、シリカゲル粒子表面への各種の異物の付着が防止されると共に、有機物質が除去されることによりシード表面でのスライムの発生が防止されるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るシリカ除去装置の系統図である。
【0011】
このシリカ除去装置は、粒状のシリカゲル3が収容されたカラム等よりなる上向流方式の通水塔2と、この通水塔2へ導入されるシリカ含有水を濾過処理する濾過装置1とを有する。通水塔2へは、シリカゲルの流動床が形成されるように通水が行われる。
【0012】
なお、本発明装置は、水温にもよるが、シリカ濃度が150〜300mg/L程度のシリカ含有水を処理するのに好適である。シリカ濃度を飽和濃度に換算した場合、飽和濃度を100%とすると、150〜300%程度の飽和度のシリカ含有水が処理されるのに好適である。
【0013】
シリカゲルの粒径は50〜1000μmであり、とくに50〜500μm、とりわけ70〜400μmが好適である。シリカ含有水中のシリカは、このシリカゲルの内部の微細な気孔の表面に析出する。シリカゲルの粒径が50μmよりも小さいと、流動床から流失し易くなる。500μmよりも大きいと、粒子の芯の部分までシリカ析出に利用されないおそれがある。即ち、シリカはシリカゲル内部の気孔表面に析出するが、外周面に近い部分から析出が進行する。シリカゲルの粒径が過大であると、粒子の芯の部分で殆どシリカ析出が進行しないうちに外周面近傍の気孔が析出シリカで埋まり、気孔が目詰まりした状態となり、この結果、シリカゲル粒子の芯の部分がシリカ析出に利用されないようになる。
【0014】
このシリカゲルの初期細孔容積は0.7mL/g以上とくに0.8〜1.6mL/gが好ましい。このシリカゲルであれば、長期間にわたりシリカを十分に除去することができる。
【0015】
シリカゲル粒子の比表面積に特に制限はないが、10〜1000m2/gであることが好ましく、50〜500m2/gであることがより好ましい。シリカゲル粒子の細孔径に特に制限はないが、1〜50nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。
【0016】
シリカゲルとしては、天然シリカゲル、合成シリカゲルのいずれを用いることができ、また、組成式SiO2・nH2Oで表されるシリカゲルの他に、Al2O3を含有するシリカアルミナ質ゲルや、ホワイトカーボンと呼ばれる無水ケイ酸、含水ケイ酸なども用いることができる。また、化学修飾されていない通常のシリカゲルの他に、メチル基、ブチル基、オクチル基、オクタデシル基、フェニル基などの炭化水素基で化学修飾されたシリカゲル、アミノ基、アミノプロピル基、4級アンモニウム基、スルホン基などのイオン交換基などで化学修飾されたシリカゲルなども用いることができる。合成シリカゲルは、ケイ酸ナトリウムの水溶液を無機酸により中和し、析出した沈殿を水洗、乾燥することにより得ることができるが、乾燥用やクロマトグラフ用として市販されているシリカゲル粒子を用いることもできる。
【0017】
シリカゲル粒子の形状に特に制限はなく、球状、破砕状など、任意の形状のシリカゲル粒子を用いることができる。
【0018】
通水塔2におけるシリカ含有水の通水速度は、充填されたシリカゲル粒子に対して空間速度SV1〜120h−1であることが好ましく、SV10〜60h−1であることがより好ましい。通水速度がSV1h−1未満であると、装置が大型化する。通水速度がSV120h−1を超えると、シリカの除去率が低下するおそれがある。
【0019】
本発明では、通水塔2に流入する水を濾過する濾過装置1を設けるのが好ましい。この濾過装置1としては、例えば、ポリスチレン等の合成樹脂ビーズの充填床を用いることができるが、目開き10μm〜200μm程度のメッシュや、あるいは膜濾過装置などを用いてもよい。
【0020】
本発明のシリカ除去装置は、開放循環式冷却設備等の水の循環設備に組み込むのに好適であるが、この場合、必要に応じて、循環水にスケール防止剤、防食剤、スライムコントロール剤などを添加してもよい。
【0021】
スケール防止剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体、ポリマレイン酸、マレイン酸や無水マレイン酸と他のモノマーとの共重合体、ポリイタコン酸、イタコン酸と他のモノマーとの共重合体などの有機ポリマーや、ニトリロトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、ヘキサメタリン酸ソーダなどのリン系化合物などを挙げることができる。併用する防食剤としては、例えば、クロム酸塩や亜鉛塩などの重金属塩、上記のリン化合物、アニオン性の有機ポリマーなどを挙げることができる。併用するスライムコントロール剤としては、例えば、ヒドラジン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどを挙げることができる。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下のシリカ濃度は、JIS K0101 44.1.1に従って水中のイオン状シリカをモリブデン黄吸光光度法により測定し、二酸化ケイ素(SiO2)として表示した。
【0023】
実施例1
下部にシリカ含有水の流入口、上部に処理水の流出口を設けた直径20mm、長さ200mmのアクリル樹脂製カラムに、粒径50〜350μm、細孔容積0.7mL/gのシリカゲル粒子40mLを充填した。このカラムにメタケイ酸ナトリウムを溶解後にpH調整したシリカ濃度200mg/Lのシリカ含有水を通水した。シリカ含有水の空間速度SVは30h−1である。この処理水のシリカ濃度を測定し、シリカの除去率と、その経時変化を求めた。通水終了後に、種シリカゲル1g当たりのシリカ除去量を測定した。結果を表1に示す。
【0024】
実施例2
粒径50〜350μm、初期細孔容積1.4mL/gのシリカゲル粒子を充填したこと以外は、実施例1と同様にして通水試験を行い、シリカの除去率を経時的に測定すると共に、通水終了後に、種シリカゲル1g当たりのシリカ除去量を測定した。結果を表1に示す。
【0025】
実施例3
粒径500〜1000μm、初期細孔容積1.4mL/gのシリカゲル粒子を充填したこと以外は、実施例1と同様にして通水試験を行い、シリカの除去率を経時的に測定すると共に、通水終了後に、種シリカゲル1g当たりのシリカ除去量を測定した。結果を表1に示す。
【0026】
比較例1
粒径50〜350μm、初期細孔容積0.4mL/gのシリカゲル粒子を充填したこと以外は、実施例1と同様にして通水試験を行い、シリカの除去率を経時的に測定すると共に、通水終了後に、種シリカゲル1g当たりのシリカ除去量を測定した。結果を表1に示す。
【0027】
比較例2
粒径1000〜4000μm、初期細孔容積0.4mL/gのシリカゲル粒子を充填したこと以外は、実施例1と同様にして通水試験を行い、シリカの除去率を経時的に測定すると共に、通水終了後に、種シリカゲル1g当たりのシリカ除去量を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかな通り、初期細孔容積が0.7mL/g以上のシリカゲルを用いると、長期にわたって十分にシリカを除去することができる。細孔容積が小さい比較例1は、比較的早期にシリカ除去率が低下し、細孔容積が大きくても、粒径が大きい比較例2は早期に除去率が低下する。
【0030】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、水中のシリカを効率良く除去することができ、開放循環式冷却設備等におけるシリカ析出が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るシリカ除去装置の系統図である。
【符号の説明】
1 濾過装置
2 通水塔
3 シリカゲル
Claims (2)
- シリカ含有水からシリカを除去するためのシリカ除去装置において、
該シリカ含有水が通水される通水塔と、
該通水塔内に収容された粒状シリカゲルとを備えてなり、
該シリカゲルは、粒径が50〜1000μmであり、初期細孔容積が0.7mL/g以上であることを特徴とするシリカ除去装置。 - 請求項1において、前記通水塔に流入するシリカ含有水を濾過する濾過装置を有することを特徴とするシリカ除去装置。
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