JP3870405B2 - セレン含有排水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セレン含有排水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、6価のセレンを含有する排水を鉄金属と接触させてセレンを還元処理する方法において、鉄金属粒子の洗浄頻度を少なくすることができ、多量の懸濁物質を含むセレン含有排水もそのまま処理することができるセレン含有排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭火力発電所の排煙脱硫排水や石油精製工場排水は、セレンを含有する場合がある。また、セレンは工業原料として、ガラスの脱色剤や着色剤、高級顔料、鉄鋼や銅への添加剤に使われるほか、ウレタンや尿素の合成時の触媒としても使用されるので、これらの工場排水にもセレンが含有される可能性がある。セレンは排水中に高濃度に含有されることは稀であるが、環境保全のためにセレンに対する規制が行われるにいたり、排水中のセレンの処理が必要となり、水質汚濁防止法に基づくセレンの排水基準は、0.1mg/リットルと示されている。
排水中のセレンは、通常コロイド状のセレン、4価の亜セレン酸イオン(SeO3 2-)又は6価のセレン酸イオン(SeO4 2-)として存在することが多い。このようなセレン含有排水の処理方法としては、凝集沈殿法とイオン交換法が知られている。しかし、これらの方法では最終処理水中のセレン濃度は0.2〜0.4mg/リットルにまでしか低下せず、0.1mg/リットルという排水基準を達成することができない。
本発明者らは、凝集沈殿法によって排水中のセレンを0.1mg/リットル以下に除去することが困難である原因について研究し、その原因は含有される6価のセレンの除去が困難であるため、あるいは、排水中に凝集沈殿を阻害、妨害する物質が存在するためであることを見いだした。この知見に基づき、本発明者らは、先にセレン含有水の処理方法として、酸の添加によりpHを調整したセレン含有水を鉄金属粒子充填層に通水し、溶出した2価の鉄イオンにより6価のセレンを次式にしたがって還元処理する方法を提案した。
SeO4 2-+6Fe2++8H+ → Se0+6Fe3++4H2O …[1]
還元されたセレンを含む被処理水は、アルカリを添加してpHを7以上とすることにより、水中の鉄イオンを水不溶性の水酸化鉄とし、還元されたセレンを水酸化鉄のフロックに吸着させて凝集分離する。この方法によれば、最終処理水中のセレン濃度を安定して0.1mg/リットル以下にすることができるが、鉄金属粒子表面の汚濁を生ずることなく、長時間継続して処理するためには、鉄金属粒子充填層に通水するセレン含有排水中の懸濁物質が50mg/リットル以下であることが望ましい。しかし、排煙脱硫排水などの排水には、懸濁物質が700〜1,000mg/リットル程度含まれる場合が多く、そのまま処理することはほとんど不可能で、あらかじめ沈殿分離した上澄水を対象にして6価のセレンの還元処理を行う必要がある。
また、懸濁物質の量が50mg/リットル以下の排水であっても、通水接触を継続すると鉄金属粒子の表面が汚濁されるため、洗浄を行う必要がある。鉄金属粒子の洗浄は、鉄金属粒子充填層を流速の高い水で展開して洗浄し、さらに空気を吹き込んで懸濁物質を鉄金属粒子から剥離して除去するが、洗浄の頻度が多く、また、装置が複雑になるという問題がある。特に、鉄金属粒子の粒径が大きい場合は、鉄金属粒子を浮上展開させるために必要な水の流速が速いために、洗浄用のポンプが必要になり、動力費が高くなるという問題もある。
このために、鉄金属粒子の洗浄頻度を少なくし、かつ容易に洗浄することができ、多量の懸濁物質を含むセレン含有排水もそのまま処理することができるセレン含有排水の処理方法の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、6価のセレンを含有する排水を鉄金属と接触させてセレンを還元処理する方法において、鉄金属粒子の洗浄頻度を少なくし、かつ容易に洗浄することができ、多量の懸濁物質を含むセレン含有排水もそのまま処理することができるセレン含有排水の処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、鉄金属粒子充填塔を固定床でなく、流動層とすることにより、多量の懸濁物質を含むセレン含有排水も沈殿分離をすることなく通水することができ、鉄金属粒子の洗浄頻度を少なくし、かつ容易に洗浄することができることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)平均粒径0.25〜0.35mmの鉄金属粒子を有し、懸濁物質を含むセレン含有排水を通水速度30〜60m/hの上向流で通水することによって、展開率3〜20%の流動層の鉄金属粒子流動層を形成するとともに、排水中のセレンを還元処理することを特徴とするセレン含有排水の処理方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(2)鉄金属粒子の80重量%以上が、粒径0.18〜0.5mmの範囲にある第(1)項記載のセレン含有排水の処理方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、セレン含有排水、特に6価のセレンを含有する排水に効果的に適用することができる。このようなセレン含有排水としては、例えば、火力発電所排水などを挙げることができる。
本発明方法においては、セレンを含有する排水に塩酸又は硫酸を注入して、排水が酸性になるように調整し、鉄金属粒子流動層に通水することが好ましい。酸性のセレン含有排水と鉄金属粒子が接触したとき、次式により2価の鉄イオンが水中へ溶出する。
Fe+2H+ → Fe2++H2 …[2]
水中に溶出した2価の鉄イオンは、水中の6価のセレンと反応し、6価のセレンは次式にしたがって還元されると考えられる。
SeO4 2-+6Fe2++8H+ → Se0+6Fe3++4H2O …[3]
【0006】
本発明方法においては、セレン含有排水を鉄金属粒子流動層に通水する。すなわち、鉄金属粒子充填層にセレン含有排水を通水することにより、充填層が展開して流動層を形成する状態となるように、セレン含有排水を通水する。鉄金属粒子流動層において6価のセレンの還元反応処理を行うことにより、懸濁物質の大部分は鉄金属粒子充填塔から流出し、排水中の懸濁物質が鉄金属粒子の表面に付着して、汚濁することが少なくなる。鉄金属粒子充填塔から流出した懸濁物質は、次の凝集処理工程において、還元処理されたセレンとともに容易に除去することができる。また、懸濁物質や還元処理されたセレンなどは、膜分離法によっても除去することができる。鉄金属粒子充填層を固定床として使用する従来法においては、セレン含有排水中の懸濁物質を50mg/リットル以下とする必要があったが、本発明方法によれば、700〜1,000mg/リットルの懸濁物質を含む排煙脱硫排水のようなセレン含有排水も、懸濁物質除去のための前処理を行うことなく、直接鉄金属粒子流動層に通水して処理することができる。
【0007】
本発明方法において、鉄金属粒子流動層を形成する鉄金属粒子としては、その80重量%以上が、特に好ましくは90重量%以上が、粒径0.18〜0.5mmの範囲にあり、かつ平均粒径が0.25〜0.35mmであるものが特に好ましい。鉄金属粒子の平均粒径が0.25mm未満であると、展開率を適正とするために通水速度を低くする必要があるため、カラム底面積を広くしなければならず、装置の設置面積が大きくなる。また、鉄金属粒子の補充時に飛散しやすいなど、取り扱いが不便となるおそれがある。平均粒径が0.35mmを超える鉄金属粒子を用いると、鉄金属粒子を流動させるための通水速度が大きくなり、必要な動力が大きくなる。
本発明方法において、鉄金属粒子流動層の展開率は、3〜20%であることが好ましく、5〜10%であることがより好ましい。鉄金属粒子流動層の展開率が3%未満であると、鉄金属粒子の表面に懸濁物質が付着して汚濁を生ずるおそれがある。鉄金属粒子流動層の展開率は、鉄金属粒子表面への懸濁物質の付着を防ぐためには、通常は20%以下で十分であり、展開率が20%を超えると、鉄金属粒子充填塔の容量が大きくなるのみならず、鉄金属粒子を流動させるための通水速度が大きくなり、必要な動力が大きくなる。また、鉄金属粒子どうしの間隔が広がるため、被処理水との接触が不充分となるので、セレンの除去率が低下する。
本発明方法において、鉄金属粒子の平均粒径が0.25〜0.35mmである場合、セレン含有排水の通水速度は30〜60m/hrであることが好ましく、35〜50m/hrであることがより好ましい。通水速度を30〜60m/hrとすることにより、鉄金属粒子流動層の展開率を容易に好適な範囲である3〜20%とすることができる。
【0008】
本発明方法においても、通水を長期間継続すると、鉄金属粒子表面に懸濁物質が付着し、圧力損失上昇や6価のセレンの還元反応速度の低下が生ずるので、定期的に、あるいは、鉄金属粒子流動層の圧力損失や処理水のセレン濃度を測定して必要に応じて、鉄金属粒子の洗浄を行うことが好ましい。本発明方法においては、鉄金属粒子の洗浄は、通常の条件で通水を継続したまま、鉄金属粒子流動層の体積に対し、体積比で1分間に0.1〜10倍量の空気を鉄金属粒子充填塔の下部から1〜5分間吹き込むことによって行うことができる。また、空気のかわりに窒素ガス等の不活性ガスを用いてもよい。鉄金属粒子充填層を固定床として用いる従来の方法においては、通水処理をいったん停止し、通水速度90m/hrのような高流速の水による洗浄と、空気の吹き込みを併用する必要があった。本発明方法においては、高流速洗浄の必要がなく、通常の通水処理を行いつつ、空気吹き込みのみで洗浄することができるので、設備面からも、運転面からも、経済的にセレン含有排水を処理することができる。
本発明方法においては、鉄金属粒子流動層に通水することにより排水中の6価のセレンを還元したのち、鉄金属粒子充填塔より流出する水の凝集処理を行うことが好ましい。凝集処理の方法には特に制限はないが、アルカリ剤を添加することにより、水中の2価の鉄イオン及び3価の鉄イオンを水不溶性の水酸化第一鉄及び水酸化第二鉄とし、鉄フロックを形成して凝集することが好ましい。アルカリ剤の添加により、被処理水のpHを7以上とすることが好ましく、pHを9〜10とすることがより好ましい。被処理水のpHが7未満であると、鉄フロックなどの凝集が不十分となるおそれがある。被処理水のpHを7以上とすることにより、次式のように、水中の2価の鉄イオンは水不溶性の水酸化第一鉄となり、3価の鉄イオンは水不溶性の水酸化第二鉄となる。
Fe2++2NaOH → Fe(OH)2+2Na+ …[4]
Fe3++3NaOH → Fe(OH)3+3Na+ …[5]
このとき、還元されたセレンは、生成する水酸化鉄のフロックに吸着され、凝集分離される。
【0009】
本発明方法においては、鉄金属粒子充填塔より流出する水の凝集処理の際に、アルカリ剤の添加に加えて、凝集剤を併用することができる。使用する凝集剤には特に制限はなく、例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄などの無機凝集剤、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムなどの高分子凝集剤などを挙げることができる。凝集処理においては、必要に応じて、マンガン除去のため過マンガン酸カリウムなどを添加することができる。
本発明方法においては、鉄金属粒子を流動状態としてセレン含有排水を通水するので、セレン含有排水が多量の懸濁物質を含んでいても、懸濁物質が鉄金属粒子の表面に付着することなく流出し、6価のセレンの還元反応が阻害されることがない。本発明のセレン含有排水の処理方法によれば、排水中の懸濁物質をあらかじめ除去する必要がなく、例えば、700〜1,000mg/リットルの懸濁物質を含む排煙脱硫排水をそのまま処理することができる。また、鉄金属粒子の洗浄において、高流速の水による洗浄の必要がなく、単に空気の吹き込みを行うことにより、鉄金属粒子を洗浄することができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
内径40mm、高さ1,000mmのアクリル樹脂製カラム下部に、直径5〜10mmの砂利を100mmの高さに充填して支持床とし、この支持床の上に、孔径3mm、ピッチ10mmの多孔板を取り付けた。多孔板上に、平均粒径0.3mm、90重量%以上が粒径0.18〜0.5mmの球状の鉄金属粒子1,000ml(約5kg)を充填した。
6価セレン濃度0.5mg/リットル、懸濁物質100mg/リットルを含有する石炭火力発電所の排煙脱硫排水に、塩酸を濃度600mg/リットルになるよう注入して、カラム下部に設けた導入口から、上向流で通水速度40m/hrで通水し、還元処理を行った。鉄金属粒子流動層の展開率は、5%であった。
カラム上部に設けた水排出口から流出する還元処理水をサンプリングして鉄溶出量を測定した。また、還元処理水に水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを9〜9.5に調整し、ポリ塩化アルミニウムを濃度500mg/リットル、過マンガン酸カリウムを濃度50mg/リットル、高分子凝集剤[栗田工業(株)、ウエルクリン]を濃度10mg/リットルになるよう添加して凝集処理を行い、沈殿を分離して処理水を得た。
通水20時間後において、処理水中のセレン濃度は0.03mg/リットルであった。鉄溶出量は400mg/リットルであった。通水開始時から20時間後までの間の圧力損失増加は0.02kgf/cm2であった。
実施例2
実施例1と同じ鉄金属粒子を充填したカラムを用い、6価セレン濃度0.3mg/リットル、懸濁物質500mg/リットルを含有する石炭火力発電所の排煙脱硫排水に、塩酸を濃度400mg/リットルになるよう注入して、カラム下部に設けた導入口から、上向流で通水速度40m/hrで通水し、還元処理を行った。鉄金属粒子流動層の展開率は、6%であった。
実施例1と同様に、カラム上部に設けた水排出口から流出する還元処理水をサンプリングして鉄溶出量を測定した。また、実施例1と同様にして還元処理水の凝集処理を行い、沈殿を分離して処理水を得た。
通水20時間後において、処理水中のセレン濃度は0.05mg/リットルであった。鉄溶出量は250mg/リットルであった。通水開始時から20時間後までの間の圧力損失増加は0.05kgf/cm2であった。
比較例1
内径40mm、高さ1,000mmのアクリル樹脂製カラム下部に、直径5〜10mmの砂利を100mmの高さに充填して支持床とし、この支持床の上に、孔径3mm、ピッチ10mmの多孔板を取り付けた。多孔板上に、粒径0.6mmの均一な球状の鉄金属粒子1,000ml(約5kg)を充填した。
実施例1と同じ6価セレン濃度0.5mg/リットル、懸濁物質100mg/リットルを含有する石炭火力発電所の排煙脱硫排水に、塩酸を濃度600mg/リットルになるよう注入して、カラム下部に設けた導入口から、上向流で通水速度40m/hrで通水し、還元処理を行った。カラム中の鉄金属粒子は展開することなく、固定床の状態を保っていた。
カラム上部に設けた水排出口から流出する還元処理水をサンプリングして鉄溶出量を測定した。また、還元処理水に水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを9〜9.5に調整し、ポリ塩化アルミニウムを濃度500mg/リットル、過マンガン酸カリウムを濃度50mg/リットル、高分子凝集剤[栗田工業(株)、ウエルクリン]を濃度10mg/リットルになるよう添加して凝集処理を行い、沈殿を分離して処理水を得た。
通水20時間後において、処理水中のセレン濃度は0.20mg/リットルであった。鉄溶出量は350mg/リットルであった。通水開始時から20時間後までの間の圧力損失増加は0.75kgf/cm2であった。
比較例2
比較例1と同じ鉄金属粒子を充填したカラムを用い、実施例2と同じ6価セレン濃度0.3mg/リットル、懸濁物質500mg/リットルを含有する石炭火力発電所の排煙脱硫排水に、塩酸を濃度400mg/リットルになるよう注入して、カラム下部に設けた導入口から、上向流で通水速度40m/hrで通水し、還元処理を行った。カラム中の鉄金属粒子は展開することなく、固定床の状態を保っていた。
比較例1と同様に、カラム上部に設けた水排出口から流出する還元処理水をサンプリングして鉄溶出量を測定した。また、比較例1と同様にして還元処理水の凝集処理を行い、沈殿を分離して処理水を得た。
通水20時間後において、処理水中のセレン濃度は0.15mg/リットルであった。鉄溶出量は200mg/リットルであった。通水開始時から20時間後までの間の圧力損失増加は1.05kgf/cm2であった。
実施例1〜2及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
Figure 0003870405
【0012】
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2の結果を対比すると、同一の排煙脱硫排水に同じ量の塩酸を注入しても、鉄金属粒子が流動層を形成する実施例の方が、鉄金属粒子が固定床となっている比較例よりも、鉄の溶出量が多いことが分かる。これは、実施例においては、鉄金属粒子の表面の汚濁はほとんど生じていないのに対して、比較例においては、排水中に含まれる懸濁物質によって、鉄金属粒子の表面が汚濁されたためと考えられる。これに伴って、実施例においては、処理水中のセレン濃度が十分に低下しているのに対して、比較例においては、6価セレンの還元反応が不十分となり、処理水中のセレン濃度が高い。
また、実施例においては、20時間通水後も圧力損失はほとんど増加していないが、比較例においては、圧力損失の増加が大きい。これは、実施例においては、鉄金属粒子流動層には懸濁物質が蓄積しないのに対して、比較例においては、鉄金属粒子充填層に懸濁物質が蓄積したためと考えられる。
【0013】
【発明の効果】
本発明のセレン含有排水の処理方法によれば、排水中の懸濁物質をあらかじめ除去する必要がなく、例えば、700〜1,000mg/リットルの懸濁物質を含む排煙脱硫排水をそのまま処理することができる。また、鉄金属粒子の洗浄において、高流速の水による洗浄の必要がなく、通水処理を継続したまま単に空気の吹き込みを行うことにより、鉄金属粒子を洗浄することができる。

Claims (1)

  1. 平均粒径0.25〜0.35mmの鉄金属粒子を有し、懸濁物質を含むセレン含有排水を通水速度30〜60m/hの上向流で通水することによって、展開率3〜20%の流動層の鉄金属粒子流動層を形成するとともに、排水中のセレンを還元処理することを特徴とするセレン含有排水の処理方法。
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