JP2006263703A - セレン含有水の処理方法および処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排水に含まれるセレンの除去効果に優れ、かつ鉄微粒子の使用効率に優れたセレン含有水の処理方法および処理装置を提供する。
【手段】 セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させ、析出した金属セレンを排水から除去する処理方法において、最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって、平均粒径200μm未満の鉄微粒子を用いることを特徴とし、例えば、セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させた後に、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを湿式サイクロンに導き、該湿式サイクロンで鉄微粒子と金属セレン懸濁物とを分離し、金属セレン懸濁物を系外に除去する一方、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの全部または一部を反応槽に戻し、セレンの析出に再利用することを特徴とするセレン含有水の処理方法および処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工場排水や下水、河川水など各種の排水等に含まれるセレンを鉄微粒子に接触させて還元し、析出させて除去する処理方法および処理装置に関する。より詳しくは、排水等に含まれるセレンの除去効果に優れ、かつ鉄微粒子の使用効率に優れたセレン含有水の処理方法および処理装置に関する。
セレンは環境汚染物質であり、従来から排水中のセレンを除去する方法が知られている。例えば、特開平07−2502号公報(特許文献1)には、セレンおよび(または)セレン化合物を含む排液を鉄または鉄系金属に接触させて、鉄または鉄系金属の表面にセレンを析出させて排液中のセレン濃度を低減するセレンおよび(または)セレン化合物含有排液の処理方法が記載されている。
また、特願平09−47790号公報(特許文献2)には、排煙脱硫水を鉄、マンガン、ニッケル、および銅から選ばれた少なくとも1種の金属に接触させることによって、排水中の酸化性物質およびセレンを沈殿化して除去する処理方法が記載されている。
また、特願平11−169869号公報(特許文献3)には、セレン含有水を、平均粒径0.25〜0.35mmの鉄微粒子を入れた流動槽に通水して排水中のセレンを還元処理する処理方法が記載されている。さらに、特開2001−79565号公報(特許文献4)には、排水に鉄粉を投入して溶存酸素を除去した後に、第2鉄塩を添加すると共にアルカリを添加して水酸化鉄を沈殿させ、排水中のセレンをこの沈殿によって還元し、吸着共沈させる処理方法が記載されている。さらに、特開2002−316176号公報(特許文献5)には、鉄粉等に代えて鉄製繊維成形体を用い、セレンを還元する処理方法が記載されている。
特開平07−2502号公報 特願平09−47790号公報 特願平11−169869号公報 特開2001−79565号公報 特開2002−316176号公報
特許文献1の処理方法では、純鉄に限らず、鉄系金属としてクロム含有量が12.5%以下の鉄クロム合金を用いることが示されているが、その他の合金成分については記載されていない。また、特許文献2の処理方法では、鉄以外に、マンガン、ニッケル、および銅を用いることが記載されているが、その他の金属については言及されておらず、さらに、何れの処理方法においても、鉄に含有される他の金属成分の種類および含有量とセレンの除去効果との関係は知られていない。さらに、特許文献2の処理方法では排水の酸性が強いとマンガンやニッケル、銅が可溶化するので、これらの金属による汚染を生じる問題がある。
また、特許文献3の処理方法は、鉄粒子の流出を避けるために粒子径の大きい鉄粒子を用いているため比表面積が小さく、反応効率が低い。また、特許文献4の処理方法は、共沈物に含まれる鉄粉を回収するのが面倒であり、磁気選別を行っても鉄粉に澱物が随伴するので、回収した鉄粉を再利用するには、この澱物を除去しなければならいと云う問題がある。さらに、特許文献5の処理方法は、鉄製繊維成形体の隙間に澱物等が付着し易く、閉塞を生じる問題があり、閉塞のために偏流が起こると鉄製繊維成形体の一部が分離し、これが成形体内に入り込んで集積閉塞を引き起こす虞がある。
本発明は、従来の処理方法における上記問題を解決したものであり、セレンを含有する排水等を鉄粉等に接触させて、排水等に含まれるセレンを還元析出させて除去する処理システムにおいて、セレンの還元効果に優れる微細な鉄微粒子を用いることができ、かつ鉄微粒子の使用効率に優れたセレン含有水の処理方法および処理装置を提供する。
本発明は、以下の構成を有するセレン含有水の処理方法および処理装置に関する。
(1) セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させた後に、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを湿式サイクロンに導き、該湿式サイクロンで鉄微粒子と金属セレン懸濁物とを分離し、金属セレン懸濁物を系外に除去する一方、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの全部または一部を反応槽に戻し、セレンの析出に再利用することを特徴とするセレン含有水の処理方法。
(2) 上記(1)の処理方法において、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの反応槽に戻す返送量(A)と、系外に排出する排出量(B)との比率(返送比率=A/B)を、セレン還元除去率に基づいて制御するセレン含有水の処理方法。
(3) セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させ、析出した金属セレンを除去する処理方法において、最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって、平均粒径200μm未満の鉄微粒子を用いることを特徴とするセレン含有水の処理方法。
(4) 上記(1)〜(3)の何れかに記載する処理方法において、アルミニウムを0.1重量%以上、カルシウムを0.05重量%以上、およびチタンを0.05重量%以上含有する鉄微粒子を用いるセレン含有水の処理方法。
(5) 非酸化性雰囲気下でセレン含有水と鉄微粒子とを接触させてセレンを析出させる反応槽(10)、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを受け入れて鉄微粒子と金属セレン懸濁物を分離する湿式サイクロン(20)、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを反応槽から湿式サイクロンに導入する送液手段(30)および管路(31)、湿式サイクロンから排出された鉄微粒子含有スラリーを反応槽に導く管路(40)および系外に導く管路(41)、湿式サイクロンから排出された金属セレンを含むオーバフローを系外に導く管路(42)を有することを特徴とするセレン含有水の処理装置。
本発明の処理システムは、セレン含有水を反応槽に導いて鉄微粒子に接触させてセレンを析出させた後に、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを湿式サイクロンに導き、鉄微粒子を回収して再利用するので、セレンの接触還元に優れる微細な鉄微粒子を用いることができ、かつ鉄微粒子の使用効率に優れる。
また、本発明の処理システムは、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの全部または一部を反応槽に戻して再利用する際に、鉄微粒子含有スラリーの反応槽に戻す返送量(A)と、系外に排出する排出量(B)との比率(返送比率=A/B)を、セレン還元除去率に基づいて制御しながら処理反応を進めることができるので、鉄粉微粒子の使用効率と共にセレンの還元除去率を高めることができる。
また、本発明の処理システムは、セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させる際に、最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって、平均粒径200μm未満の鉄微粒子を用いることによって、反応槽内で鉄粉微粒子を良好に攪拌または流動化した状態にして接触還元反応させることができるので、セレンの除去効果を高めることができる。また、上記粒径範囲の鉄粉微粒子用いれば、湿式サイクロンにおいて鉄微粒子を良好に回収することができる。
本発明の処理システムによれば、例えば、処理前のセレン濃度0.05〜0.5mg/Lのセレン含有水について、処理後のセレン濃度を環境基準値(0.01mg/L)以下に低減することができる。
本発明の処理方法は、セレン含有水を反応槽に導いて鉄微粒子に接触させてセレンを析出させた後に、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを湿式サイクロンに導き、該湿式サイクロンで鉄微粒子と金属セレン懸濁物とを分離し、金属セレン懸濁物を系外に除去する一方、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの全部または一部を反応槽に戻し、セレンの析出に再利用することを特徴とするセレン含有水の処理方法である。
本発明の処理方法は、また、セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させ、析出した金属セレンを除去する処理方法において、最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって、平均粒径200μm未満の鉄微粒子を用いることを特徴とするセレン含有水の処理方法である。
本発明の処理方法において、セレン含有水とは、セレンまたはセレン化合物を含有する水を広く意味し、自然発生的および人為的に生じた各種の廃水や排水、流水等を含み、例えば、工場排水や生活排水、下水、海水、河川水、沼や湖池の水、地表の溜り水、河川等の堰止域の水、地下の流水や溜り水、暗渠の水などであってセレンまたはセレン化合物を含有するものを云う。なお、本発明の説明において、これらの水を含めて排水等と云い、セレン含有水についてセレンを含有する排水等と云う場合がある。通常、排水等に含まれているセレンは亜セレン酸イオン[SeO32-](4価セレン)や、セレン酸イオン[SeO42-](6価セレン)の形態で存在している。この排水等にはセレンの他に、セレンの還元を大きく妨げない限り他の金属イオンを含有するものでも良い。
本発明の処理方法で用いる鉄粉微粒子とは鉄粉、鉄微粒子、鉄片、鉄切削屑などの総称である。これらの鉄粉微粒子はセレン含有水との接触面積が大きいほど好ましいので、比較的微細なものが良く、具体的には最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって、平均粒径200μm未満のものが好ましく、平均粒径100μm未満がさらに好ましい。一方、鉄粉微粒子の粒径が上記範囲よりも小さいと空気酸化による発熱が問題となり、さらに使用した鉄粉微粒子を湿式サイクロンで回収するのが難しくなる。また、鉄粉微粒子の粒径が上記範囲よりも大きいと、反応槽内で鉄粉微粒子の良好な攪拌分散状態または流動状態を得るのが難しい。
具体的には、鉄粉微粒子の粒径が上記範囲よりも大きいと、例えば、反応槽として攪拌槽を用いた場合、通常の攪拌速度では鉄粉微粒子が槽底に沈降し易く、また流動層を用いた場合には、必要な滞留時間を確保するためには線流速を高めなければならず、装置が大型化する。一方、最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって平均粒径200μm未満、好ましくは100μm未満の鉄粉微粒子であれば、大型の装置を必要とせず、良好な攪拌状態や流動状態を得ることができる。従って、本発明において使用する鉄粉微粒子の粒径は上記範囲内のものが好ましい。
また、上記鉄粉微粒子として、アルミニウムを0.1重量%以上、カルシウムを0.05重量%以上、およびチタンを0.05重量%以上含有するものを用いることによって、セレンの還元除去率を高めることができる。具体的には、一例として、上記金属成分を含む鉄粉微粒子を用いた場合には97%以上のセレン還元率を得ることができる。一方、アルミニウム、カルシウム、チタンの何れかが上記含有量より少ない鉄粉微粒子を用いた場合のセレン還元率は高くてもせいぜい57%程度である。なお、上記アルミニウム、カルシウム、およびチタンの含有量は何れも1.0重量%より多くても、セレンの還元率は大差ないので、アルミニウム含有量は0.1〜1.0重量%、カルシウムおよびチタンの含有量はおのおの0.05〜1.0重量%であれば良い。
なお上記鉄粉微粒子は上記含有量のアルミニウム、カルシウム、およびチタンを含むものであれば良く、炭素鋼に限らずクロムやマンガンなどの金属成分を含む各種の鉄鋼の鉄粉や鉄片、あるいは切削屑などを用いることができる。
上記鉄粉微粒子の使用量は、セレン濃度0.05〜0.5mg/Lの排水1Lに対して、1〜3g/L程度であれば良い。また、密閉反応槽を用い、非酸化性雰囲気下および弱酸性下(例えば、pH=3〜5)で、攪拌しながら排水と鉄粉微粒子とを接触させるのが好ましい。排水中のセレンイオンは鉄粉微粒子に接触して還元され析出する。一方、弱酸性下で鉄粉の表面は僅かづつ溶けるので、鉄粉表面の析出したセレンは攪拌下で液中に離れ、鉄粉微粒子の表面は新鮮な状態となり、セレンイオンの還元が進行する。液温は常温(15℃〜25℃)で良い。
還元されて析出したセレンは液中で澱物化し、あるいは液中に懸濁しているので、これを固液分離してセレンを排水等から除去する。固液分離手段としては遠心分離またはシックナーなどを用いることができる。さらに、析出した金属セレン懸濁物と鉄粉微粒子とを含むスラリーを湿式サイクロンに導いて分離しても良い。
セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させた後に、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを湿式サイクロンに導き、湿式サイクロンにおいて鉄微粒子を含むスラリーをアンダーフローとし、金属セレン懸濁物を含む液をオーバーフローとして上記スラリーから分離することができる。
湿式サイクロンからアンダーフローとして排出される鉄微粒子含有スラリーはその全部または一部を反応槽に返送して再利用する。鉄微粒子含有スラリーを反応槽に戻す場合、鉄微粒子含有スラリーの反応槽に戻す返送量(A)と、系外に排出する排出量(B)との比率(返送比率=A/B)をセレン還元除去率に基づいて制御することによって、鉄粉微粒子の使用効率と共にセレンの還元除去率を高めることができる。
上記返送比率は、例えば、セレン還元率を99%にする場合には返送量を多く(返送比率を高める)して0.8にし、一方、セレン還元率を95%にする場合には返送量を少なく(返送比率を下げる)して0.15にすれば良い。
一方、湿式サイクロン上部から排出された金属セレン懸濁物を含むオーバーフローはフィルタープレスなどの固液分離手段に導いて金属セレン懸濁物を除去する。この一連の浄化処理によって、例えば、処理前のセレン濃度0.05〜0.5mg/Lの排水について、処理後のセレン濃度を環境基準値(0.01mg/L)以下に低減することができる。
本発明に係る処理装置の一例を図1に示す。
図示するように、本発明の処理装置は、セレン含有水と鉄微粒子とを接触させてセレンを析出させる反応槽10を有する。該反応槽10は攪拌手段11を有する攪拌槽でも良く、また非酸化性雰囲気下で還元反応を行わせるには密閉攪拌槽あるいは流動槽を用いるのが好ましい。反応槽10は送液手段(送液ポンプ)30および管路31を通じて湿式サイクロン20に接続している。反応槽10において析出した金属セレン懸濁物および鉄粉微粒子を含むスラリーは送液手段30および管路31を通じて湿式サイクロン20に導入される。湿式サイクロン20の下部には鉄微粒子含有スラリーを反応槽に導く管路40と、該スラリーを系外に導く管路41がおのおの接続している。一方、湿式サイクロンの上部には分離された金属セレンを含むオーバフローを系外に導く管路42が接続しており、該管路42はフィルタープレス43に接続している。
反応槽10にセレン含有水および鉄粉微粒子が導入され、攪拌状態または流動状態でセレン含有水に含まれているセレンイオンが鉄粉微粒子と接触して還元される。析出した金属セレン懸濁物および鉄粉微粒子を含むスラリーは送液手段30および管路31を通じて湿式サイクロン20に導入され、鉄粉微粒を含むスラリーと金属セレンとが分離される。
鉄粉微粒を含むスラリーはアンダーフローとして湿式サイクロン20から抜き出される。該スラリーの一部または全部は管路40を通じて反応槽10に返送して鉄粉微粒子を再利用する。該スラリーの残部は管路41を通じて系外に除去される。なお、反応槽に戻す返送量(A)と、系外に排出する排出量(B)との返送比率(A/B)はセレン還元除去率に基づいて定めれば良い。分離された金属セレンはオーバーフローとして湿式サイクロン上部の管路42を通じて系外に排出される。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。
〔実施例1〕
攪拌槽(容量2m3)にSe(VI)濃度0.05mg/Lのセレン含有水を入れ、粒度分布2〜350μmおよび平均粒径60μmの鉄粉を1.0mg/Lの濃度を添加して攪拌(回転数350rpm)し、pH=3.5で、90分間接触させてセレンを還元した。生成した沈殿物および懸濁物を固液分離した排水のSe(VI)濃度は0.01mg/L以下であった。一方、粒度分布2〜600μmおよび平均粒径300μmの鉄粉を用いた以外は同様にして排水と鉄粉を攪拌接触させてセレンを還元し、生成した沈殿物および懸濁物を固液分離した。この処理後のSe(VI)濃度は0.12mg/Lであった。
〔実施例2〕
内径50mmφおよび高さ700mmのカラムに、粒度分布2〜350μmおよび平均粒径60μmの鉄粉を充填率10%になるように入れ、pH=3.5に調整し、線速度12m/hrの速度でSe(VI)濃度0.05mg/Lのセレン含有水を下方からカラム内に導入して鉄粉を流動状態にしてセレンを還元した。生成した沈殿物および懸濁物を固液分離した排水のSe(VI)濃度は0.01mg/L以下であった。一方、粒度分布2〜600μmおよび平均粒径300μmの鉄粉を用い、鉄粉を流動状態にするために線速度60m/hrで排液をカラム下側から導入した以外は同様にしてセレンを還元し、生成した沈殿物および懸濁物を固液分離した。この処理後のSe(VI)濃度は0.03mg/Lであった。
〔実施例3〕
攪拌手段を有する反応槽(容量5L)を3層直列に配置し、Se(VI)濃度0.2mg/Lのセレン含有水を15L/hrの流量で上記反応槽に通水し、粒度分布2〜350μmであって平均粒径45μmの鉄粉を所定の割合で供給し、pH=3.5、常温で排水中のセレンを還元した。最後の第3槽から抜き出した懸濁液を湿式サイクロンに導入し、生成した金属セレン懸濁物をオーバーフローとして分離し、鉄粉をアンダーフロースラリーとして回収し、これを反応槽に返送した。この結果を処理条件と共に表1に示した。一方、鉄粉の回収を行わずに処理した例を併せて表1に示した。表1から明らかなように、鉄粉を回収して再利用した場合には、鉄粉リサイクル率70%で、鉄粉を回収しない場合と同等のセレン還元除去率を達成しており、新規鉄粉の使用量を74%削減することができた。
Figure 2006263703
〔実施例4〕
反応槽(容量5L)にSe(VI)濃度0.05〜0.40mg/Lのセレン含有水を入れ、これに表2に示す微量金属成分を含有する鉄粉1.0〜2.5g/Lを添加し、液温15℃〜25℃、pH=3.5〜4.5、300〜500rpmの回転数で槽内を回転しながら90分反応させ、セレンを還元析出させ後に、析出したセレンを固液分離した。使用した鉄粉ごとの処理結果を表2に示した。表2に示すように、アルミニウムおよひカルシウムおよびチタンを所定量含有する鉄粉を用いて処理した試料(No.2〜3)は何れもセレンの還元率が97.5%以上であり、優れたセレン還元率(セレン除去率)が得られる。一方、アルミニウムおよびカルシウムおよびチタンを含有せず又は含有量が少ない鉄粉を用いた試料(No.1)はセレンの還元率が大幅に低い。
Figure 2006263703
本発明に係る処理装置の概略模式図
符号の説明
10−反応槽、11−攪拌手段、20−湿式サイクロン、30−送液手段、31−管路、40−管路、41−管路、42−管路、43−フィルタープレス

Claims (5)

  1. セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させた後に、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを湿式サイクロンに導き、該湿式サイクロンで鉄微粒子と金属セレン懸濁物とを分離し、金属セレン懸濁物を系外に除去する一方、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの全部または一部を反応槽に戻し、セレンの析出に再利用することを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  2. 請求項1の処理方法において、湿式サイクロンで回収した鉄微粒子含有スラリーの反応槽に戻す返送量(A)と、系外に排出する排出量(B)との比率(返送比率=A/B)を、セレン還元除去率に基づいて制御するセレン含有水の処理方法。
  3. セレン含有水を反応槽で鉄微粒子に接触させてセレンを析出させ、析出した金属セレンを除去する処理方法において、最小粒径2μm〜最大粒径350μmであって、平均粒径200μm未満の鉄微粒子を用いることを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載する処理方法において、アルミニウムを0.1重量%以上、カルシウムを0.05重量%以上、およびチタンを0.05重量%以上含有する鉄微粒子を用いるセレン含有水の処理方法。
  5. 非酸化性雰囲気下でセレン含有水と鉄微粒子とを接触させてセレンを析出させる反応槽(10)、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを受け入れて鉄微粒子と金属セレン懸濁物を分離する湿式サイクロン(20)、鉄微粒子および析出した金属セレン懸濁物を含むスラリーを反応槽から湿式サイクロンに導入する送液手段(30)および管路(31)、湿式サイクロンから排出された鉄微粒子含有スラリーを反応槽に導く管路(40)および系外に導く管路(41)、湿式サイクロンから排出された金属セレンを含むオーバフローを系外に導く管路(42)を有することを特徴とするセレン含有水の処理装置。


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