JP2009172552A - 水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸及びアルカリの使用量の大幅削減、ランニングコストの低減、処理設備の耐酸対策の軽減をできる水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置。
【解決手段】本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法は、水溶性塩素含有廃棄物Dと新水Wを含むスラリーS1を固液分離により固形分C1と濾液F1に分離する水洗・固液分離工程と、濾液F1にpH調整剤P1を添加してpHを4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加し、得られたスラリーS2中のセレンを鉄粉により還元・沈殿させて、スラリーS2を沈降分離によりセレン及び鉄粉を含有する固形分C2と上澄み液F2とに分離するセレン除去工程と、上澄み液F2のpHを7以上かつ10.5以下に調整し重金属を沈殿させて、この上澄み液F2を沈降分離により重金属を含む固形分C3と上澄み液F3とに分離する中和処理工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置に関し、更に詳しくは、セメントキルン等のセメント製造設備から塩素を取り除く際に生じる脱塩バイパスダスト、生ごみ等を焼却する際に生じるごみ焼却飛灰、煤塵等、セレンを含有する水溶性塩素含有廃棄物から、セレンを効率良く回収すると同時に、この回収の際に得られる固形分も工業原料として再利用することが可能な水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置に関するものである。
従来、セメントキルン等のセメント製造設備に付設した塩素バイパス装置で得られた塩素バイパスダスト、都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉から排出される焼却灰や飛灰等、セレンを含みかつ水溶性の塩素含有廃棄物の排水処理、特に6価セレンを含む水溶性塩素含有廃棄物の排水処理においては、6価セレンを効果的に除去するために、この6価セレンを還元して4価セレンにする必要がある。
排水中のセレンを除去する処理方法としては、例えば、セレンを含む廃水に、第一鉄化合物と第二鉄化合物を添加した後に、廃水のpHを3以下に調整し、次いで、アルカリ源を添加して廃水のpHを8〜12に調整し、生成した水酸化第一鉄及び水酸化第二鉄と共に4価セレンと6価セレンを沈殿させる処理方法(特許文献1)、セレンを含む溶液をpH4.5以下に調整して第一鉄化合物を添加し、次いで、この溶液をpH8〜12に調整してセレン及び水酸化第一鉄を含む溶液とし、この溶液を固液分離してセレン及び水酸化第一鉄を含む固体分と、セレンが除去された液体分とを得る処理方法(特許文献2)等が提案されている。
特開2002−126758号公報 特開2004−275903号公報
ところで、従来の排水中のセレンを除去する処理方法では、セレンを含む排水あるいは溶液を、一旦酸性に調整した後、アルカリを添加してアルカリ性にしているが、酸性側では少なくともpH4.5以下、アルカリ性側では少なくとも8以上と、pHを変動させる幅が比較的大きく、pHを調整するための酸及びアルカリが多量に必要になる。また、アルカリ性の排水あるいは溶液は、中和処理を施した後、排水基準を満たすための各種処理を施し、放流されることになるが、中和処理のための酸が必要になる。
このように、pHを調整するための酸及びアルカリ、及び中和処理のための酸が多量に必要になることから、ランニングコストも掛かるという問題点があった。
また、酸性側のpHの調整許容値が比較的低いため、処理設備の耐酸対策を高いものにする必要があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、酸及びアルカリの使用量を大幅に削減することができ、ランニングコストを低減することができるとともに処理設備の耐酸対策に要する負担を軽減することができる水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために次の様な水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置を提供した。
すなわち、本発明の第1の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法は、水溶性塩素含有廃棄物の水洗により生じる排水の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、この排水に鉄粉を添加し、この鉄粉により前記排水中のセレンを還元して沈殿させ、このセレンを前記排水から除去することを特徴とする。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、水溶性塩素含有廃棄物の水洗により生じる排水の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整した後、この排水に鉄粉を添加することにより、前記排水中のセレンは添加した鉄粉により効率的に還元されて沈殿することとなる。これにより、排水中のセレンを効率的に除去することが可能となる。また、排水の水素イオン濃度の調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅が比較的小さく、酸及びアルカリの必要量が少なくなり、ランニングコストも削減される。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減される。
前記セレンを前記排水から除去した後、この排水の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該排水中の重金属を沈殿させ、この重金属を前記排水から除去することが好ましい。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、排水の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整することで、この排水に含まれる重金属が水酸化物として析出され、沈殿することとなる。これにより、排水中の重金属を効率的に除去することが可能となる。
前記排水に、前記水溶性塩素含有廃棄物中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれる場合に、前記排水から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜により除去することが好ましい。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、排水から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜により除去することにより、排水中に存在するダイオキシンが付着した浮遊物質を効率的に除去することが可能になり、排水中のダイオキシン濃度を極めて速やかに排水基準以下に低減することが可能になる。
本発明の第2の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法は、水溶性塩素含有廃棄物からセレンを除去する方法であって、前記水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合して第1のスラリーとし、この第1のスラリーを固液分離により固形分と濾液に分離する水洗・固液分離工程と、前記濾液にpH調整剤を添加して該濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加して第2のスラリーとし、この第2のスラリー中のセレンを前記鉄粉により還元して沈殿させ、この第2のスラリーを沈降分離によりセレン及び鉄粉を含有する固形分と上澄み液とに分離するセレン除去工程と、を有することを特徴とする。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、水洗・固液分離工程により、水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合した第1のスラリーを固形分と濾液に分離し、セレン除去工程により、濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整した後、さらに鉄粉を添加し、得られた第2のスラリー中のセレンを鉄粉により還元して沈殿させる。これにより、第2のスラリー中のセレンは添加した鉄粉により効率的に還元されて沈殿することとなり、第2のスラリー中のセレンを効率的に除去することが可能となる。また、濾液の水素イオン濃度の調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅が比較的小さく、酸及びアルカリの必要量が減少し、ランニングコストも削減される。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減される。
前記セレン除去工程の後に、第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該第1の上澄み液に含まれる重金属を沈殿させ、この第1の上澄み液を沈降分離により重金属を含有する固形分と第2の上澄み液とに分離する中和処理工程を有することが好ましい。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整することで、この第1の上澄み液に含まれる重金属が水酸化物として析出され、沈殿することとなる。これにより、第1の上澄み液中の重金属を効率的に除去することが可能となる。
前記セレン除去工程は、前記セレンを前記第2のスラリーから分離したセレン及び鉄粉を含有する固形分の一部を、第2のスラリーに添加される鉄粉の一部として繰り返し使用することとしてもよい。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、第2のスラリーから分離したセレン及び鉄粉を含有する固形分の一部を、第2のスラリーに添加される鉄粉の一部として繰り返し再使用することにより、添加する鉄粉の量を低減できるとともにスラリーからのセレンの効率的な除去を継続して行うことが可能になる。
前記第1の上澄み液または第2の上澄み液に、前記水溶性塩素含有廃棄物中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれる場合に、前記第1の上澄み液または第2の上澄み液から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜により除去する除去工程を有することが好ましい。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理方法では、第1の上澄み液または第2の上澄み液から、ダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜により除去することにより、第1の上澄み液または第2の上澄み液中に存在するダイオキシンが付着した浮遊物質を効率的に除去することが可能になり、第1の上澄み液中のダイオキシン濃度を極めて速やかに排水基準以下に低減することが可能になる。
本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置は、水溶性塩素含有廃棄物からセレンを除去する装置であって、前記水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合して第1のスラリーとし、この第1のスラリーを固液分離により固形分と濾液に分離する水洗・固液分離手段と、前記濾液にpH調整剤を添加して該濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加して第2のスラリーとし、前記第2のスラリー中のセレンを前記鉄粉により還元して沈殿させ、この第2のスラリーを沈降分離によりセレン及び鉄粉を含有する固形分と第1の上澄み液とに分離するセレン除去手段と、を備えてなることを特徴とする。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理装置では、水洗・固液分離手段により、水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合した第1のスラリーを固形分と濾液に分離し、セレン除去手段により、濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整した後、さらに鉄粉を添加することにより、第2のスラリー中のセレンを鉄粉により還元して沈殿させる。これにより、濾液中のセレンは添加した鉄粉により効率的に還元されて沈殿することとなり、セレンを効率的に除去することが可能となる。また、水素イオン濃度の調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅が比較的小さく、酸及びアルカリの必要量が減少し、ランニングコストも削減される。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減される。
本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置は、前記セレン除去手段の後段に、前記第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該第1の上澄み液に含まれる重金属を沈殿させ、この重金属を前記第1の上澄み液から除去し、この第1の上澄み液を沈降分離により固形分と第2の上澄み液とに分離する中和処理手段を設けてなることを特徴とする。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理装置では、中和処理手段により、第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該第1の上澄み液に含まれる重金属を沈殿させ、この第1の上澄み液を沈降分離により重金属を含有する固形分と第2の上澄み液とに分離する。これにより、第1の上澄み液に含まれる重金属を水酸化物として効率的に除去することが可能となる。
本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置は、前記第1の上澄み液または第2の上澄み液に、前記水溶性塩素含有廃棄物中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれる場合に、前記セレン除去手段の後段に、前記第1の上澄み液または第2の上澄み液から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を除去する精密膜濾過手段を設けてなることを特徴とする。
この水溶性塩素含有廃棄物の処理装置では、精密膜濾過手段により、第1の上澄み液または第2の上澄み液からダイオキシンが付着した浮遊物質を除去することにより、第1の上澄み液または第2の上澄み液中に存在するダイオキシンが付着した浮遊物質を効率的に除去することが可能になり、第1の上澄み液中のダイオキシン濃度を極めて速やかに排水基準以下に低減することが可能になる。
本発明の第1の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法によれば、水溶性塩素含有廃棄物の水洗により生じる排水の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、この排水に鉄粉を添加するので、セレンを効率的に除去することができる。
また、排水の水素イオン濃度の調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅を比較的小さくすることができ、酸及びアルカリの必要量を減少させることができ、ランニングコストも削減することができる。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減することができる。
本発明の第2の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法によれば、水溶性塩素含有廃棄物を含む濾液にpH調整剤を添加して該濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整した後、鉄粉を添加するので、セレンを効率的に除去することができる。
また、水溶性塩素含有廃棄物を含む濾液の水素イオン濃度の調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅が比較的小さく、酸及びアルカリの必要量が少なくなり、ランニングコストも削減することができる。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減することができる。
本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置によれば、セレン除去手段により、濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整した後、さらに鉄粉を添加するので、セレンを効率的に除去することができる。
また、濾液の水素イオン濃度の調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅を比較的小さくすることができ、酸及びアルカリの必要量を減少させることができ、ランニングコストも削減することができる。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減することができる。
本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置の最良の形態について、図面に基づき説明する。
なお、本形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態のセメント製造設備における水溶性塩素含有廃棄物の処理装置を示す模式図であり、水溶性塩素含有廃棄物中のカルシウム成分をセメント原料として利用するとともに、この水溶性塩素含有廃棄物に含まれるセレンを除去する処理装置の例である。
図において、1は水洗・濾過部(水洗・固液分離手段)、2はセレン除去部(セレン除去手段)、3は中和処理部(中和処理手段)である。
水洗・濾過部1は、セメントキルン等のセメント製造設備から排出される排ガスから塩素を取り除く際に生じる脱塩バイパスダスト、産業廃棄物等を焼却する際に生じるごみ焼却飛灰、煤塵等のセレンを含む水溶性塩素含有廃棄物に、水を添加し混合して得られたスラリーを固液分離により固形分と濾液に分離する装置であり、水溶性塩素含有廃棄物Dに新たな水(以下、新水とも称する)Wを添加し混合して(第1の)スラリーS1とする溶解槽11と、このスラリーS1を加圧濾過により固形分C1と(第1の)濾液F1に分離し、この加圧濾過後に得られた固形分C1を加圧した状態のまま新水Wを圧送して固形分C1を洗浄するフィルタープレス等の濾過機12とにより構成されている。洗浄された固形分C1は、セメント製造設備のセメントキルンに投入されてセメント原料として有効利用される。
セレン除去部2は、水洗・濾過部1から排出される濾液F1のpH(水素イオン濃度)を調整した後、さらに鉄粉を添加することにより、濾液F1からセレンを除去する装置であり、濾液F1にpH調整剤P1を添加して濾液F1のpHを4以上かつ7以下に調整するpH調整槽21と、この濾液F1に鉄粉を添加して(第2の)スラリーとし、このスラリーを所定の温度にて所定時間反応させることによりスラリー中のセレンを鉄粉により還元して沈殿させ、このセレンをスラリーから除去する反応槽22と、反応槽22から排出されるスラリーS2を沈降分離により固形分C2と(第1の)上澄み液F2とに分離する沈殿槽23とにより構成されている。
中和処理部3は、セレン除去部2から排出される上澄み液F2のpHを調整することにより、この上澄み液F2に含まれる重金属を除去する装置であり、上澄み液F2にpH調整剤P2を添加してpHを7以上かつ10.5以下に調整するpH調整槽31と、この上澄み液F2に凝集剤及び液体キレートを添加して反応させ、この上澄み液F2に含まれる重金属を沈殿させて除去する反応槽32と、重金属が除去された上澄み液F2を沈降分離により固形分C3と(第2の)上澄み液F3とに分離する沈殿槽33とにより構成されている。
次に、本実施形態の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法について、図1に基づき説明する。
本実施形態の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法は、水溶性塩素含有廃棄物からセレンを除去する方法であり、水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合して第1のスラリーとし、この第1のスラリーを固液分離により固形分と濾液に分離する水洗・固液分離工程と、前記濾液にpH調整剤を添加して該濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加して第2のスラリーとし、この第2のスラリー中のセレンを前記鉄粉により還元して沈殿させ、このセレンを前記第2のスラリーから除去し、この第2のスラリーを沈降分離により固形分と第1の上澄み液とに分離するセレン除去工程と、第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して第1の上澄み液に含まれる重金属を沈殿させ、この重金属を第1の上澄み液から除去し、この第1の上澄み液を沈降分離により固形分と第2の上澄み液とに分離する中和処理工程とを有する処理方法である。
これらの各工程について、さらに詳細に説明する。
また、本実施形態において対象とする水溶性塩素含有廃棄物は、セメントキルン等のセメント製造設備に付設した塩素バイパス装置で得られた塩素バイパスダスト、都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉から排出される焼却灰や飛灰等、水溶性の塩素含有ダストである。
ここでは、セメント焼成設備の塩素バイパス装置で得られた水に可溶な塩素バイパスダストを対象として、前記各工程での処理を詳細に説明する。
「水洗・固液分離工程」
まず、セレンを含む水溶性塩素含有廃棄物Dを溶解槽11に投入し、さらに水溶性塩素含有廃棄物Dに対して2〜10質量倍の新水Wを添加して攪拌し、スラリー化するとともに、含有する塩素化合物等の可溶成分を溶出させリパルプさせる。新水Wとしては、工業用水、製造工程等から排出される2次排水等が用いられる。
ここで水の添加量を上記の様にする理由は、水の添加量が水溶性塩素含有廃棄物Dの2質量倍以下であると、水溶性塩素含有廃棄物D中の可溶成分の溶出が十分でなく、後段の濾過機12により濾過して得られる固形分C1中に残存する可溶成分が多くなるからである。また得られるスラリーの粘性が高くなり、後の工程へのポンプ輸送が難しくなるからである。
また、水の添加量が水溶性塩素含有廃棄物Dの10質量倍以上であると、カルシウム成分や重金属類等の他の成分の溶出が多くなり、したがって、後段の工程においては、これらの成分を取り除くための薬剤の使用量が多くなるからである。
上記のリパルプでは、可溶成分の溶解速度を高めるため、溶解槽11内の温度を40℃以上に高めてもよい。また、攪拌時間は10時間以内で十分塩素成分を溶解することができるが、長時間の攪拌は、ダストに含有するカルシウムとアルカリ成分および塩素との複塩が生成して沈殿物が生じ、十分な脱塩が行われない虞があるので好ましくない。
このリパルプにより生成したスラリーS1を濾過機12に投入し、圧搾して固液分離を行い、固形分C1と濾液F1に分離する。
次いで、濾過機12内に新水Wを導入し、固形分C1に残留する可溶成分を含有する水分を新水Wで洗浄する。この新水Wでの洗浄は、濾過機12を加圧した状態で、固形分C1に一方向から新水Wを圧送することにより、少ない水量で効率のよい洗浄を行うことができる。
この洗浄のために使用する新水Wは、脱塩洗浄に供する廃棄物量に対して0.5〜2.0質量倍が好ましい。
この新水Wを用いた洗浄により、固形分C1中の塩素含有量を十分に低下させることができる。
また、得られた固形分C1はセメント原料として有効利用される。例えば、固形分C1を直接セメント製造設備に送った場合には、他のセメント原料と混合され、乾燥・粉砕の後、粉末セメント原料としてセメント焼成工程にて再循環使用され、セメントクリンカとして焼成される。
「セレン除去工程」
濾過機12から排出された濾液F1には、水溶性塩素含有廃棄物D中の塩素が溶出している他には、セレン、重金属、カルシウム等が含まれている。そこで、この濾液F1に含まれているセレンを選択的に除去する。
濾過機12から排出された濾液F1のpH(水素イオン濃度)は10〜12程度であるから、この濾液F1を酸性または中性にするためにpH調整槽21に投入し、この濾液F1にpH調整剤P1を添加して濾液F1のpHを4以上かつ7以下に調整する。ここで、pH調整剤P1としては、炭酸、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸が好適に用いられる。
なお、この濾液F1の替わりに、水溶性塩素含有廃棄物Dを水洗して生じた排水を用いることもできる。
調整後の濾液のpHが上記範囲であれば、鉄粉によるセレンの還元反応が生じ、セレンの除去が可能となる。なお、上記範囲内においてpHが低いほど還元反応が良好となるが、酸及びアルカリの使用量の低減効果は低くなる。一方、pHが高いほど酸及びアルカリの使用量の低減効果は高くなるが、還元反応が鈍くなる。
よって、pHの調整範囲を5〜6とすることが好ましい。
次いで、このpHを調整した濾液F1を反応槽22に投入し、この濾液F1にさらに鉄粉を添加する。
この鉄粉の添加量は、濾液F1に含まれるセレンを還元して沈殿させることができる量であればよく、濾液F1に対して2質量%以上かつ5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以上かつ5質量%以下である。
この濾液F1は、鉄粉を添加し、撹拌混合することにより(第2の)スラリーS2となる。
このようにしてスラリーS2中のセレンと鉄粉とを反応させ、このスラリーS2中のセレンを鉄粉により還元して沈殿させる。このスラリーS2は加温してもよく、加温の際の温度は、45℃〜60℃が好ましい。
この還元過程では、セレンは鉄粉により還元されて析出する一方、鉄粉はその一部がセレンによりイオン化され第2鉄イオンとしてスラリーS2中に溶出することとなる。これにより、スラリーS2中のセレンは鉄粉により還元されて沈殿することとなる。具体的な沈殿のメカニズムは解明されてはいないが、還元されたセレンが微結晶粒の金属セレンとして析出して沈殿する、還元されたセレンが水難溶性の水酸化物としてする、あるいは還元されたセレンが鉄粉に吸着して沈殿するなどが考えられる。
次いで、このスラリーS2を沈殿槽23に投入し、所定時間静置してスラリーS2を沈降分離し、沈殿物であるセレン及び鉄粉を含有する固形分C2と、(第1の)上澄み液F2とに分離する。
ここで得られた固形分C2は、一部は第2のスラリーに添加される鉄粉の一部として繰り返し使用することができる。
なお、添加される鉄粉の全量を固形分C2として繰り返し使用すると、徐々にセレンの除去能が低下するが、添加される鉄粉の一部としての使用であれば、セレンの除去機能を維持することができる。
一方、添加される鉄粉のうち再使用しないものについては、固形分C1と同様、セメント原料として有効利用される。
ここで、上澄み液F2に、水溶性塩素含有廃棄物D中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれている場合には、この上澄み液F2からダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜(MF)装置(図示略)を用いて除去する必要がある。
上澄み液F2を精密濾過膜(MF)装置に送ると、その中に取り付けられたメンブレンフィルタ(MF:精密濾過膜)により上澄み液F2中の浮遊物質が取り除かれる。この上澄み液F2は、浮遊物質が取り除かれたことでダイオキシンも取り除かれることとなり、ダイオキシン濃度を極めて速やかに排水基準以下に低減することができる。
「中和処理工程」
沈殿槽23から排出される上澄み液F2には、水溶性塩素含有廃棄物D中の塩素が溶出している他には、重金属等も含まれている。そこで、この上澄み液F2にpH調整剤を添加し、さらには凝集剤及び液体キレートを添加して、この上澄み液F2に含まれる重金属及びカルシウムを含む沈殿物を生じさせ、この沈殿物を濾過により分離する。
沈殿槽23から排出される上澄み液F2のpHは4以上かつ7以下であるから、この上澄み液F2をアルカリ性または中性にするためにpH調整槽31に投入し、この上澄み液F2にpH調整剤P2を添加して上澄み液F2のpHを7以上かつ10.5以下、好ましくは9.5以上かつ10.5以下に調整する。ここで、pH調整剤P2としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好適に用いられる。
次いで、このpHを調整した上澄み液F2を反応槽32に投入し、この上澄み液F2に重金属の凝集を目的として、高分子凝集剤等の凝集剤、及びチオカルバミン酸ナトリウム系等の液体キレートを添加し、上澄み液F2中の重金属を沈殿させる。
次いで、上澄み液F2を沈殿槽33に投入し、所定時間静置して上澄み液F2を沈降分離し、沈殿物である重金属を含む固形分C3と、(第2の)上澄み液F3とに分離する。
一方、上澄み液F3は、PH調整されて排水基準を満たす排水として放流される。
ここで、上澄み液F3に、水溶性塩素含有廃棄物D中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれている場合には、この上澄み液F3からダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜(MF)装置(図示略)を用いて除去する必要がある。
上澄み液F2を精密濾過膜(MF)装置に送ると、その中に取り付けられたメンブレンフィルタ(MF:精密濾過膜)により上澄み液F3中の浮遊物質が取り除かれる。この上澄み液F3は、浮遊物質が取り除かれたことでダイオキシンも取り除かれることとなり、ダイオキシン濃度を極めて速やかに排水基準以下に低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法によれば、水溶性塩素含有廃棄物Dを含む濾液F1にpH調整剤P1を添加してpHを4以上かつ7以下に調整した後、鉄粉を添加するので、セレンを効率的に除去することができる。
また、水溶性塩素含有廃棄物Dを含む濾液F1のpHの調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅が比較的小さく、酸及びアルカリの必要量を減少させることができ、ランニングコストも削減することができる。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減することができる。
本実施形態の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置によれば、水溶性塩素含有廃棄物Dに水を添加し混合したスラリーS1を固液分離により固形分C1と濾液F1に分離する水洗・固液分離部1と、濾液F1にpH調整剤P1を添加して濾液F1のpHを4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加してセレンを鉄粉により還元・沈殿させて、このスラリーS2を沈降分離によりセレン及び鉄粉を含有する固形分C2と上澄み液F2とに分離するセレン除去部2と、上澄み液F2のpHを7以上かつ10.5以下に調整し、上澄み液F2に含まれる重金属を沈殿させて、この上澄み液F2を沈降分離により重金属を含む固形分C3と上澄み液F3とに分離する中和処理部3とにより構成したので、水溶性塩素含有廃棄物D中のセレンを効率的に除去することができる。また、pHの調整は、酸性側のpHの調整許容値が比較的高いため、pHを変動させる幅が比較的小さく、酸及びアルカリの必要量を減少させることができ、ランニングコストも削減することができる。また、処理設備の耐酸対策に対する負担も軽減することができる。
以下、本発明の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
なお、この実施例では、対象となるセレンを含む水溶性塩素含有廃棄物として、セメントキルンから排出され塩素バイパス装置によって採取された脱塩バイパスダストを用いた。
この脱塩バイパスダストの組成は下記の通りであった。
SiO2:5.1質量%、Al2O3:2.5質量%、Fe2O3:1.0質量%、CaO:14.1質量%、SO3:0.2質量%、Cl:28.2質量%、Na2O:2.4質量%、K2O:39.5質量%、Cu:500mg/Kg、Zn:500mg/Kg、Pb:5,000mg/Kg、Se:350mg/Kg
この脱塩バイパスダスト100Kgに新水500Kgを添加して60分攪拌し、スラリーとした。このスラリーの温度は25℃であった。次いで、このスラリーをフィルタプレスを用いて固形分と濾液に分離した。
次いで、この濾液に塩酸(pH調整剤)を添加して濾液のpHを5.8に調整した。この濾液のセレン濃度は10mg/Lであった。
次いで、鉄粉の添加量の違いによるセレンの除去効果を調べるために、濾液に鉄粉を様々な添加量で添加した場合の濾液のセレン濃度を調べた。
ここでは、反応温度が45℃、55℃の2通りの濾液に鉄粉を様々な量添加し、60分または180分撹拌・混合し、スラリー中のセレンを鉄粉により還元した。
図2は、鉄粉の添加量を様々に変えた場合の濾液のセレン濃度を示す図であり、図中、Aは45℃にて60分混合したものであり、Bは45℃にて180分混合したものであり、Cは55℃にて60分混合したものであり、Dは55℃にて180分混合したものである。
表1に、これらの条件及び測定値を示す。
Figure 2009172552
この図2によれば、鉄粉の添加量を5質量%とすることにより、濾液のセレン濃度が1.1mg/Lあるいはそれ以下にまで減少することが分かった。
次いで、反応温度の違いによるセレンの除去効果を調べるために、濾液の温度を45℃と55℃の2通りとした場合の濾液のセレン濃度を調べた。
図3は、反応温度の違いによる濾液のセレン濃度を示す図であり、図中、Aは鉄粉の添加量を1質量%、反応時間を60分としたものであり、Bは鉄粉の添加量を1質量%、反応時間を180分としたものであり、Cは鉄粉の添加量を5質量%、反応時間を60分としたものであり、Dは鉄粉の添加量を5質量%、反応時間を180分としたものである。
表2に、これらの条件及び測定値を示す。
Figure 2009172552
この図3によれば、反応温度が高いほど、濾液のセレン濃度が減少することが分かった。したがって、鉄粉の添加量を5質量%とすることにより、濾液のセレン濃度を0.085mg/Lあるいはそれ以下にまで減少することが分かった。
次いで、反応時間の違いによるセレンの除去効果を調べるために、反応時間を60分、120分、180分のうち2通りまたは3通りとした場合の濾液のセレン濃度を調べた。
図4は、反応時間の違いによる濾液のセレン濃度を示す図であり、図中、Aは鉄粉の添加量を1質量%、反応温度を45℃としたものであり、Bは鉄粉の添加量を1質量%、反応温度を55℃としたものであり、Cは鉄粉の添加量を5質量%、反応温度を45℃としたものであり、Dは鉄粉の添加量を5質量%、反応温度を55℃としたものである。
表3に、これらの条件及び測定値を示す。
Figure 2009172552
この図4によれば、反応時間が長いほど、濾液のセレン濃度が減少することが分かった。したがって、鉄粉の添加量を5質量%とすることにより、濾液のセレン濃度を1.1mg/Lあるいはそれ以下にまで減少することが分かった。
次いで、セレンの除去を継続的に行うための条件を調べるために、2つの実験を行った。
図5は、鉄粉の入れ替えの有無による濾液のセレン濃度を示す図であり、図中、Aは、鉄粉を添加した濾液をpH6に調整し、45℃にて180分撹拌混合してセレンを還元、沈殿させてスラリーから除去した後、この固形分から、次に処理する濾液量に対して1質量%相当分の固形分を抜き取り、残りの固形分に濾液を新たに加えるとともに、抜き取った固形分に相当する量の鉄粉を添加し、再度、スラリーのpH調整〜セレン除去を行うという工程を繰り返し行ったものである。
一方、Bは、鉄粉を添加した濾液をpH6に調整し、45℃にて180分撹拌混合してセレンを還元、沈殿させてスラリーから除去した後、この固形分に濾液を新たに加え、再度、スラリーのpH調整〜セレン除去を行うという工程を繰り返し行ったものである。
表4に、これらの条件及び測定値を示す。
Figure 2009172552
この図5によれば、鉄粉の入れ替え量を1質量%としたときの濾液のセレン濃度は、0.029mg/Lあるいはそれ以下であり、一方、鉄粉の入れ替えを行わなかったときの濾液のセレン濃度は、処理を繰り返し行うことにより1.9mg/Lにまで上昇していた。したがって、鉄粉の入れ替え量を1質量%とすれば、処理を継続して行うことが十分可能であることが分かった。
本発明の一実施形態の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置を示す模式図である。 鉄粉の添加量を様々に変えた場合の濾液のセレン濃度を示す図である。 反応温度の違いによる濾液のセレン濃度を示す図である。 反応時間の違いによる濾液のセレン濃度を示す図である。 鉄粉の入れ替えの有無による濾液のセレン濃度を示す図である。
符号の説明
1 水洗・濾過部
2 セレン除去部
3 中和処理部
11 溶解槽
12 濾過機
21 pH調整槽
22 反応槽
23 沈殿槽
31 pH調整槽
32 反応槽
33 沈殿槽
D 水溶性塩素含有廃棄物
W 新水
S1〜S2 スラリー
C1〜C3 固形分
F1 濾液
F2、F3 上澄み液
P1、P2 pH調整剤

Claims (10)

  1. 水溶性塩素含有廃棄物の水洗により生じる排水の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、この排水に鉄粉を添加し、この鉄粉により前記排水中のセレンを還元して沈殿させ、このセレンを前記排水から除去することを特徴とする水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  2. 前記セレンを前記排水から除去した後、
    この排水の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該排水中の重金属を沈殿させ、この重金属を前記排水から除去することを特徴とする請求項1記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  3. 前記排水に、前記水溶性塩素含有廃棄物中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれる場合に、
    前記排水から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜により除去することを特徴とする請求項1または2記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  4. 水溶性塩素含有廃棄物からセレンを除去する方法であって、
    前記水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合して第1のスラリーとし、この第1のスラリーを固液分離により固形分と濾液に分離する水洗・固液分離工程と、
    前記濾液にpH調整剤を添加して該濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加して第2のスラリーとし、この第2のスラリー中のセレンを前記鉄粉により還元して沈殿させ、この第2のスラリーを沈降分離によりセレン及び鉄粉を含有する固形分と第1の上澄み液とに分離するセレン除去工程と、
    を有することを特徴とする水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  5. 前記セレン除去工程の後に、前記第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該第1の上澄み液に含まれる重金属を沈殿させ、この第1の上澄み液を沈降分離により重金属を含有する固形分と第2の上澄み液とに分離する中和処理工程を有することを特徴とする請求項4記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  6. 前記セレン除去工程は、
    前記セレンを前記第2のスラリーから分離したセレン及び鉄粉を含有する固形分の一部を、第2のスラリーに添加される鉄粉の一部として繰り返し使用することを特徴とする請求項4または5記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  7. 前記第1の上澄み液または前記第2の上澄み液に、前記水溶性塩素含有廃棄物中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれる場合に、
    前記第1の上澄み液または前記第2の上澄み液から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を精密濾過膜により除去する除去工程を有することを特徴とする請求項4、5または6記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理方法。
  8. 水溶性塩素含有廃棄物からセレンを除去する装置であって、
    前記水溶性塩素含有廃棄物に水を添加し混合して第1のスラリーとし、この第1のスラリーを固液分離により固形分と濾液に分離する水洗・固液分離手段と、
    前記濾液にpH調整剤を添加して該濾液の水素イオン濃度を4以上かつ7以下に調整し、さらに鉄粉を添加して第2のスラリーとし、前記第2のスラリー中のセレンを前記鉄粉により還元して沈殿させ、この第2のスラリーを沈降分離によりセレン及び鉄粉を含有する固形分と第1の上澄み液とに分離するセレン除去手段と、
    を備えてなることを特徴とする水溶性塩素含有廃棄物の処理装置。
  9. 前記セレン除去手段の後段に、
    前記第1の上澄み液の水素イオン濃度を7以上かつ10.5以下に調整して該第1の上澄み液に含まれる重金属を沈殿させ、この第1の上澄み液を沈降分離により重金属を含有する固形分と第2の上澄み液とに分離する中和処理手段を設けてなることを特徴とする請求項8記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置。
  10. 前記第1の上澄み液または前記第2の上澄み液に、前記水溶性塩素含有廃棄物中のダイオキシンが付着した浮遊物質が含まれる場合に、
    前記セレン除去手段の後段に、
    前記第1の上澄み液または前記第2の上澄み液から、このダイオキシンが付着した浮遊物質を除去する精密膜濾過手段を設けてなることを特徴とする請求項8または9記載の水溶性塩素含有廃棄物の処理装置。
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