JP2002126757A - セレン含有排水の処理方法 - Google Patents
セレン含有排水の処理方法Info
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Abstract
溶存セレンを効率良く分離除去できるだけでなく、スラ
ッジの発生量を可及的に低減することができ、特に排煙
脱硫排水等の大量のセレン含有排水を処理するのに好適
なセレン含有排水の処理方法を提供する。 【解決手段】 溶存セレンを含有する排水と、Fe、Mn、
Ni、及びCuからなる群から選ばれた少なくとも1種の鉄
系金属とを接触させ、得られた処理排水中に析出した沈
殿物を固液分離して排水中の溶存セレンを除去するセレ
ン含有排水の処理方法において、排水と鉄系金属とを接
触させる反応帯域を空気と比較して酸素貧条件に制御
し、これによって溶存セレンを効率良く分離除去できる
と共に、スラッジの発生量を可及的に低減することがで
きるセレン含有排水の処理方法である。
Description
O4 2-)や亜セレン酸イオン(SeO3 2-)等の形で排水中に
溶存する溶存セレンをこの排水中から効率良く分離除去
するためのセレン含有排水の処理方法に関する。
や窯業製品、半導体材料、太陽電池や映画用フィルム、
赤外線偏光子、顔料、増感剤、脱水素剤、起泡剤等、様
々な工業製品の製造に多用されており、また、このよう
なセレン及びセレン化合物を用いる工業製品の製造工場
等からは、不可避的に溶存セレンを含むセレン含有排水
が排出される。
環境基準がセレン濃度(Seとして)0.01mg/リッ
トル以下に設定されたことも引き金になって、排水中の
溶存セレンを分離除去するための種々の方法が提案され
ている。例えば、米国特許第4,405,464号明細書には、
6価のセレンイオン〔例えば、セレン酸イオン(Se
O4 2-)〕を含む水溶液と金属鉄とをpH6以下で接触さ
せ、6価のセレンイオンを4価のセレンイオン〔例え
ば、亜セレン酸イオン(SeO3 2-)〕に還元すると共に金
属鉄を酸化させて溶解せしめ、この溶解した酸化鉄を水
酸化鉄の形で析出せしめ、析出した水酸化鉄を固液分離
して6価及びそれ以下のセレンイオンを減少せしめた水
溶液を回収する方法が記載されており、また、特開平7-
2,502号公報には、セレン及び/又はセレン含有廃液を
pH0〜6の範囲で金属鉄と接触させ、金属鉄の表面に
セレンを析出させて廃液中のセレン濃度を低減しそして
除去する方法が記載されている。
溶存セレンを排水基準として規定されているセレン濃度
0.1mg/リットル以下を満たす値にまで低減せしめ
るために、水溶液(廃液)を金属鉄と接触させる反応帯
域で、このセレン濃度の数千倍から数万倍に達する大量
の鉄イオンを生ぜしめる必要があり、結果として極めて
大量の水酸化鉄がスラッジとして生成し、セレン含有排
水の処理において大量に発生するこのスラッジの処理が
大きな負荷となっている。
火力発電所等の設備に付設され、主として排煙中の亜硫
酸ガスを除去する排煙脱硫装置から排出され、ジエチル
-p-フェニレンジアミン比色法(工業排水試験方法)で
定量できる硫黄酸化物等の酸化性物質を含む排煙脱硫排
水について、溶存セレンと酸化性物質とを1つのプロセ
スで同時に処理して除去しようとした場合、その処理量
の多さとも相俟って、より一層深刻な問題になってい
る。
含有排水から溶存セレンあるいは溶存セレンと酸化性物
質とを効率良く分離除去できると共に、スラッジの発生
量をできるだけ低減せしめることができる方法について
検討し、第1工程で排水と鉄系金属とを接触させて鉄系
金属により溶存セレンを還元して遊離させ、次いで第2
工程で酸化して生成した3価の鉄系金属を亜硫酸イオン
系還元剤で還元して再び溶存セレンの還元に寄与せし
め、この第2工程を経て生成した沈殿物を固液分離して
溶存セレンを除去する方法を提案した(特開平10-151,4
70号公報)。
より、従来に比べてスラッジの発生量を大幅に抑制する
ことが可能になった。しかしながら、この方法において
も、セレン濃度の数千倍から数万倍に達する鉄イオンの
発生に基づく大量のスラッジの発生は、特に排煙脱硫排
水等の大量の排水を処理する必要がある場合、依然とし
て排水処理に大きな負担となっており、更にスラッジ発
生量をより低減化することが要請されている。
は、先ず大量のスラッジが発生する原因について検討し
た結果、セレン含有排水と鉄系金属とが接触する反応帯
域では、鉄系金属が液中の溶存酸素により酸化されて水
酸化鉄として液中に溶解し、これと同時に、溶存セレ
ン、特に6価のセレン酸イオンは鉄系金属あるいは液中
に溶解した2価の鉄イオンにより還元され、水酸化鉄が
析出するのに同伴されて4価又は0価のセレンとして析
出するが、この際に、反応帯域を構成する反応槽の上部
空間に空気等の酸素を含む気体が存在すると、この酸素
が気液界面から液中に吸収され、鉄系金属の溶解が過度
に促進され、これが原因で必要以上に鉄系金属が溶解
し、大量のスラッジが発生する原因になっていることが
判明した。
り少ない鉄系金属の消費量でセレン含有排水中の溶存セ
レンを効率良く還元し、これによって可及的に低減され
たスラッジ発生量でセレン含有排水中から溶存セレンを
除去することができ、特に排煙脱硫排水のように大量に
処理する必要がある場合や、溶存セレンと共に酸化性物
質の処理も同時に行う必要がある場合に、好適に適用す
ることができるセレン含有排水の処理方法について更に
検討を重ねた結果、不活性ガス導入及び/又は還元剤添
加等の手段で排水と鉄系金属とを接触させる反応帯域を
空気と比較して酸素貧条件に制御することにより、この
反応帯域での溶存酸素の濃度や鉄系金属の溶解速度を適
当な範囲に制御することができ、セレン除去率を低下せ
しめることなくスラッジ発生量を顕著に低減できること
を見出し、本発明を完成した。
排水から溶存セレンを、あるいは、溶存セレンと酸化性
物質とを効率良く分離除去できるだけでなく、スラッジ
の発生量を可及的に低減することができ、特に排煙脱硫
排水等の大量のセレン含有排水を処理するのに好適なセ
レン含有排水の処理方法を提供することにある。
存セレンを含有する排水と、Fe、Mn、Ni、及びCuからな
る群から選ばれた少なくとも1種の鉄系金属とを接触さ
せ、得られた処理排水中に析出した沈殿物を固液分離し
て排水中の溶存セレンを除去するセレン含有排水の処理
方法において、排水と鉄系金属とを接触させる反応帯域
に、不活性ガスを導入し、及び/又は、溶存酸素を除去
するための還元剤を添加し、この反応帯域を空気と比較
して酸素貧条件に制御する、セレン含有排水の処理方法
である。
レンを含有する排水(いわゆる、セレン含有排水)は、
セレン及びセレン化合物を用いる種々の工業製品の製造
工場等から排出され、セレン酸イオン(SeO4 2-)や亜セ
レン酸イオン(SeO3 2-)等、種々の形で排水中に溶存す
る溶存セレンを含む排水を意味し、このような溶存セレ
ンを含むものであれば、排水中に不溶のセレンやセレン
化合物等が存在してもよく、特に、溶存セレンと共に酸
化性物質をも含む排煙脱硫排水について好適に適用する
ことができる。
セレンを除去するために用いられる鉄系金属としては、
鉄(Fe)それ自体、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、
及び銅(Cu)からなる鉄系金属であり、その形状につい
ては、セレン含有排水と効率良く接触でき、また、取り
扱い易いものであれば、どのような形状であってもよ
く、例えば、球状、粒状、粉状、棒状、チップ状、リベ
ット状、円柱状、円筒状、板片状等、種々の形状を有す
る金属成形材を好適に用いることができる。また、純度
は高い方が好ましいが、特に限定されない。
水と鉄系金属とを接触させる反応帯域に不活性ガスを導
入し、及び/又は、溶存酸素を除去するための還元剤を
添加し、この反応帯域を空気と比較して酸素貧条件、好
ましくはセレン含有排水中のセレン濃度(Seとして;以
下、同様である)に応じて処理後の排水中のセレン濃度
が規制値以下となるように、酸素濃度15容量%以下、
より好ましくは3〜10容量%の範囲に制御する。例え
ば、反応帯域を形成する反応装置として上部空間を有す
る反応槽を用い、この反応槽の上部空間に窒素ガスを導
入して酸素貧条件を形成する場合、反応槽上部空間の酸
素濃度を検出し、検出された酸素濃度に応じて窒素ガス
又は空気を反応槽上部空間に導入し、この反応槽上部空
間の酸素濃度を一定の値に維持するもので、反応槽上部
空間の酸素濃度については処理後の処理排水のセレン濃
度によって決定する。このように反応帯域を酸素貧条
件、好ましくは酸素濃度15容量%以下に制御してセレ
ン含有排水と鉄系金属とを接触させることにより、必要
以上に鉄系金属が酸化されて排水中に溶出することがな
くなり、スラッジの大量発生を抑制することができる。
スについては、反応帯域の操業条件下でセレン含有排水
を構成する溶存セレンや酸化性物質等の種々の成分、更
には鉄系金属との間で不活性であり、更に溶存セレンや
酸化性物質と鉄系金属との酸化還元反応に対して不活性
であればよいが、後処理やコスト等の観点から、好まし
くは窒素ガスである。
せるために用いられる反応装置は、少なくとも排水と鉄
系金属とを接触させる反応帯域を形成するものであれば
よく、例えば、攪拌翼付混合型反応槽、流動床反応槽、
固定床反応槽、充填反応槽等を挙げることができ、反応
形式はバッチ式であっても、また、連続式であってもよ
い。この反応装置としては、その反応帯域にセレン含有
排水中のセレン濃度に応じて制御された量の不活性ガス
を導入するために、好ましくは不活性ガスを導入できる
上部空間を有する反応槽がよい。更に、反応装置として
は、鉄系金属、酸、アルカリ、還元剤等の投入口や、攪
拌機、pH計等の機器を必要により選択して設けること
ができる反応槽であるのがよく、また、槽下部では小粒
径の鉄系金属が流動すると共に槽上部では清澄状態が維
持される反応槽や、槽内に固定した鉄系金属に対して攪
拌機により流動する排水を接触させるタイプの反応槽等
が好適である。
させる反応帯域については、好ましくは、セレン含有排
水中のセレン濃度に応じて所望のセレン除去率となるよ
うに、そのpH値をpH2〜9の範囲、より好ましくは
pH5〜8の範囲に制御するのがよい。この反応帯域の
pH値がpH5より低いと、スラッジ発生量が増加する
傾向にあり、反対に、pH8より高くなると、セレン除
去率が低下する傾向にあるので、好ましくはpH5〜8
の範囲に制御する。
H値を検出し、所定のpH値若しくは処理排水中のセレ
ン濃度によって、反応帯域の液中若しくはバッキ帯域の
液中に塩酸水溶液等の酸又は水酸化ナトリウム水溶液等
のアルカリを添加して行う。このように反応帯域のpH
値を制御することにより、不活性ガスを導入して反応帯
域を酸素貧条件にすることに起因する反応速度の低下を
カバーし、スラッジ発生量を抑制して所望のセレン除去
率を達成できるものである。
せる反応帯域での反応条件、例えば反応温度、鉄系金属
を用いる場合の単位処理量当りの接触表面積、反応時間
等については、特に制限されるものではなく、処理対象
のセレン含有排水の種類や組成等、使用する鉄系金属の
種類、形状、大きさ等、更には使用する反応装置の種類
等に応じて、適宜決定できるものである。反応温度につ
いては、温度が高いほどセレン除去率やスラッジ発生量
の低減化が向上する傾向にあるので、操業の問題を考慮
し、好ましくは30〜80℃がよい。
反応帯域に導入する前に、この排水中に不活性ガスを導
入してバッキ処理を行い、予め排水中の溶存酸素量を低
減せしめてもよい。このバッキ処理によって、排水中に
溶解している炭酸等のpH緩衝成分や酸化性物質を揮発
又は分解させて除去し、pH制御を容易にできると共
に、中和に要する鉄溶出量を低減することができる。
及び/又は反応帯域に還元剤を添加してもよい。この還
元剤の添加により、排水中の溶存酸素を除去し、あるい
は、低減することができ、鉄系金属の溶存酸素による過
度の溶出を防止することができ、かつ、セレンの還元処
理にも有効となり、スラッジ発生量を顕著に低減でき
る。この目的で添加される還元剤としては、例えば、亜
硫酸及びその塩、ヒドラジン、チオ硫酸及びその塩、F
eCl2、FeSO4、活性炭等を挙げることができ、特
にスラッジを発生させない亜硫酸塩やヒドラジンが好適
に用いられる。特に、バッキ帯域に還元剤を添加する
と、排水中の溶存酸素を除去することができ、更に排水
中に含まれるセレン以外の鉄系金属と反応する酸化性物
質を反応処理することができ、これによって、鉄系金属
をセレンと効率良く反応させることができ、スラッジ発
生量の低減、セレン除去率の向上に効果がある。
応じて、上記バッキ処理や還元剤添加を適宜組み合わせ
て適用することにより、反応帯域での溶存セレンや鉄系
金属の酸化還元反応やスラッジ発生量を制御することが
できる。
収されて固液分離される前の処理排水のpH値を反応帯
域のpH値より高いpH7以上、好ましくはpH8〜1
2の範囲に調整し、反応帯域で使用した鉄系金属由来の
沈殿物を更に析出せしめ、これによって溶存セレンを更
にそれらに随伴させて析出せしめるようにしてもよい。
鉄系金属が例えば金属鉄である場合、生成した水酸化鉄
は、3価の水酸化鉄〔Fe(OH)3〕よりも2価の水酸化鉄
〔Fe(OH)2〕の形で沈殿物を形成し、より効率良く沈殿
物を析出する。
あるいは、この処理排水のpH調整と併用して、処理排
水中に空気を導入する空気バッキ処理を行ってもよく、
これによって、処理排水中から更に水酸化鉄等の沈殿物
の析出を促進せしめると共に、セレンの除去を促進する
ことができる。
は、セレン含有排水と接触せしめた後に、この鉄系金属
の表面に付着した付着物(沈殿物)を除去する手段、例
えば、攪拌、噴出ガス導入、噴出水流、超音波等の手段
を設けるのがよい。なお、噴出ガス導入の際に窒素ガス
等の不活性ガスを用いれば、反応槽の上部空間を酸素貧
条件とするための制御の一部としても効果的である。
この排水中に析出した沈殿物を固液分離して除去した
後、セレン濃度や酸化性物質含有量に関して排水基準を
満足する状態で放流される。
明の好適な実施の形態に基づいて、具体的に説明する。
ン含有排水は、先ずバッキ槽1に入り、このバッキ槽1
内に導入される窒素ガスによりバッキ処理され、次いで
上部空間を有する反応槽2に導入される。
いると共に、槽内に球状の鉄系金属4が仕込まれてお
り、また、反応槽2の上部空間には窒素ガス導入口5か
らバッキ槽1を通過した窒素ガス及び/又は空気が導入
されるようになっており、更に、この反応槽2の上部空
間には反応槽2内に導入された窒素ガス等を外部に排出
するための排気口6が設けられている。
を測定するpH計と、反応槽2内のpH調整のために塩
酸水溶液及び/又は水酸化ナトリウム水溶液を添加する
pH調整装置が設けられ、また、排気口6に接続された
排気ラインには排気中の酸素濃度を測定するO2計が設
けられており、pH計で測定されたpH値により反応槽
2内のpH値を制御し、また、O2計で測定された排気
の酸素濃度により反応槽2の上部空間の酸素濃度を制御
できるようになっている。
に、この処理排水のpH値を測定するpH計と、水酸化
ナトリウム水溶液を添加するpH調整装置と、攪拌機8
とを備え、処理排水のpH値を反応槽2内のpH値より
高いpH7以上に調整するpH調整槽7に移送され、反
応槽2で使用した鉄系金属由来の沈殿物を更に析出せし
める。また、このpH調整槽7には、処理排水中に空気
を導入して空気バッキ処理を行うための手段が設けられ
ており、必要により上記処理排水のpH調整に代えて、
あるいは、pH調整と併用して実施できるようになって
いる。
めた後の処理排水は、固液分離機9に移送され、そこで
固液分離されて溶存セレンが除去された処理排水と水酸
化鉄を主体とするスラッジとに固液分離される。
炭焚き排ガスを処理して得られた全体のセレン濃度(Se
として)約0.2mg/リットルの排煙脱硫排水を原水
とし、分析誤差を解消するために、この原水にセレン酸
(H2SeO4)及び亜セレン酸(H2SeO3)を添加して4価セ
レン〔セレン酸イオン(SeO4 2-)〕由来のセレン濃度
(Seとして)0.5mg/リットル及び6価セレン〔亜
セレン酸イオン(SeO3 2-)〕由来のセレン濃度(Seとし
て)0.5mg/リットルの試料排水を調製した。
を備えた攪拌機、温度計、pH測定器を備えたpH調整
装置、窒素ガス導入管、及び冷却凝縮管並びに加温装置
を備えた円筒型の2リットル反応容器に、純度99%及
び直径2〜3mmφの鉄球500gを入れ、更にこの反
応容器中に上で調製した試料排水1リットルを仕込み、
窒素ガス導入管より反応容器内上部空間に窒素ガスを導
入し、また、pH調整装置から1N塩酸水溶液を滴下し
て反応容器内の反応混合物をpH7に制御しながら、反
応温度40℃、反応容器内上部空間の酸素濃度0.1容
量%、及び、攪拌機の攪拌速度250rpmの条件で、反
応時間を3時間、9時間、及び12時間と変化させて反
応を行った。
し、この鉄球に付着した沈殿物も含めて、発生した沈殿
物を濾過して回収し、得られた濾液中のセレン濃度(残
留セレン濃度)を測定すると共に、回収された沈殿物を
乾燥してその重量(スラッジ発生量)を測定した。結果
を表1及び図2に示す。
行わなかった以外は、上記各実施例1と全く同様にして
試料排水の処理を行った。得られた処理排水について、
上記各実施例1と全く同様に、固液分離して濾液と沈殿
物とを回収し、残留セレン濃度とスラッジ発生量とを測
定した。結果を表1及び図2に示す。
例1の結果から明らかなように、残留セレン濃度が0.
15mg/リットルに到達したときのスラッジ発生量を
みると、実施例1の場合は470mg/リットルである
のに対し、比較例1の場合には920mg/リットルで
あり、実施例1の場合の方が比較例1の場合に比べてス
ラッジ発生量が約1/2に減少した。
して反応を行う前に、0.1容積%の酸素を含む窒素ガ
スを用い、40℃、30分間の条件でバッキ処理を行っ
た以外は、実施例1の反応時間3時間の場合と同様にし
て試料排水の処理を行い、残留セレン濃度とスラッジ発
生量とを測定した。結果は、残留セレン濃度が0.23
5mg/リットルであり、また、スラッジ発生量が19
0mg/リットルであった。
理排水について、そのpH値をpH9.2に再調整し、
次いで固液分離して処理排水とスラッジとを回収し、残
留セレン濃度とスラッジ発生量とを測定した。結果は、
残留セレン濃度が0.1mg/リットルであり、また、
スラッジ発生量が480mg/リットルであった。
ら溶存セレンあるいは溶存セレンと酸化性物質とを効率
良く分離除去できるだけでなく、スラッジの発生量を可
及的に低減することができ、これによってセレン含有排
水処理においてスラッジ処理の負荷を大幅に軽減するこ
とができ、特に排煙脱硫排水等の大量のセレン含有排水
を処理するのに好適である。
理工程を示す説明図である。
反応時間−残留セレン濃度及びスラッジ発生量のグラフ
図である。
攪拌機、4…球状の鉄系金属、5…窒素ガス導入口、6
…排気口、7…pH調整槽、9…固液分離機。
Claims (13)
- 【請求項1】 溶存セレンを含有する排水と、Fe、Mn、
Ni、及びCuからなる群から選ばれた少なくとも1種の鉄
系金属とを接触させ、得られた処理排水中に析出した沈
殿物を固液分離して排水中の溶存セレンを除去するセレ
ン含有排水の処理方法において、排水と鉄系金属とを接
触させる反応帯域を空気と比較して酸素貧条件に制御す
ることを特徴とするセレン含有排水の処理方法。 - 【請求項2】 反応帯域に不活性ガスを導入してこの反
応帯域を酸素貧条件に制御する請求項1に記載のセレン
含有排水の処理方法。 - 【請求項3】 反応帯域を形成する反応装置が上部空間
を有する反応槽であり、この反応槽の上部空間に不活性
ガスを導入する請求項2に記載のセレン含有排水の処理
方法。 - 【請求項4】 反応帯域に還元剤を添加してこの反応帯
域を酸素貧条件に制御する請求項1に記載のセレン含有
排水の処理方法。 - 【請求項5】 反応槽上部空間への不活性ガス導入及び
/又は還元剤添加は、セレン含有排水のセレン濃度に応
じて制御する請求項1〜4のいずれかに記載のセレン含
有排水の処理方法。 - 【請求項6】 反応帯域のpH値をpH2〜9の範囲に
制御する請求項1〜5のいずれかに記載のセレン含有排
水の処理方法。 - 【請求項7】 反応帯域のpH調整は、セレン含有排水
のセレン濃度に応じて制御する請求項6に記載のセレン
含有排水の処理方法。 - 【請求項8】 溶存セレンを含有する排水を反応帯域に
導入する前に、この排水中に不活性ガスを導入してバッ
キ処理を行う請求項1〜7のいずれかに記載のセレン含
有排水の処理方法。 - 【請求項9】 バッキ処理を行うバッキ帯域及び/又は
反応帯域に還元剤を添加する請求項1〜8のいずれかに
記載のセレン含有排水の処理方法。 - 【請求項10】 反応帯域から回収されて固液分離され
る前の処理排水のpH値を反応帯域のpH値より高いp
H7以上に調整し、処理排水中から更に沈殿物を析出せ
しめる請求項1〜9のいずれかに記載のセレン含有排水
の処理方法。 - 【請求項11】 反応帯域から回収されて固液分離され
る前の処理排水中に空気を導入して空気バッキ処理を行
い、処理排水中から更に沈殿物を析出せしめる請求項1
〜9のいずれかに記載のセレン含有排水の処理方法。 - 【請求項12】 反応帯域でセレン含有排水と接触する
鉄系金属が金属成形材であり、反応帯域でセレン含有排
水と接触せしめた後にこの金属成形材の表面に付着した
付着物を除去する請求項1〜11のいずれかに記載のセ
レン含有排水の処理方法。 - 【請求項13】 セレン含有排水が排煙脱硫装置から排
出される排煙脱硫排水である請求項1〜12のいずれか
に記載のセレン含有排水の処理方法。
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---|---|---|---|
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