JP3237524B2 - 水処理装置の洗浄方法 - Google Patents

水処理装置の洗浄方法

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JP3237524B2 JP16532396A JP16532396A JP3237524B2 JP 3237524 B2 JP3237524 B2 JP 3237524B2 JP 16532396 A JP16532396 A JP 16532396A JP 16532396 A JP16532396 A JP 16532396A JP 3237524 B2 JP3237524 B2 JP 3237524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水処理装置の洗浄
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、鉄金属粒子
の充填層に通水して水中の不純物を還元処理する水処理
装置において、洗浄水の使用量が少なく、洗浄に要する
時間が短く、しかも鉄金属粒子の表面に付着した汚染物
質を効率よく除去することができる水処理装置の洗浄方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭又は石油を燃焼した際に発生する排
ガスの脱硫装置から排出される排煙脱硫排水は、重金
属、非金属類などの種々の有害物質を含有するので、排
煙脱硫排水よりこれらの有害物質を除去する必要があ
る。排煙脱硫排水の水質は、燃料の燃焼の効率化や、排
煙脱硫方式の改良により変化し、水質の変化に対応した
排煙脱硫排水の処理方法が必要とされている。排水にペ
ルオキソ硫酸、ヨウ素酸、セレン酸などが含まれている
場合は、これらの除去は容易ではなかったが、本発明者
らは先に、これらの有害物質を含む排水のpHを5以下に
調整して鉄金属と接触させたのち、凝集処理及び固液分
離を行うことにより、排水中のペルオキソ硫酸、ヨウ素
酸、セレン酸などが溶出した2価の鉄イオンによって還
元され、さらに、凝集処理により水中に溶解している鉄
イオンを水不溶性の水酸化鉄として沈殿させるとき、重
金属、フッ素などの有害物質も同時に効率的に除去され
ることを見いだした。排水を鉄金属と接触させる方法と
しては、米国特許第4,405,464号明細書、米国特
許第5,200,082号明細書などに提案されている、
反応槽において排水に鉄金属微粒子を添加して撹拌する
撹拌接触法と、特開平7−2502号公報などに提案さ
れている、排水を鉄金属の充填層に通水する通水接触法
が知られている。撹拌接触法は、充填層の洗浄操作は不
要であるが、還元反応が十分でなく、排水中の有害物質
の除去が通水接触法にくらべて劣る上に、鉄金属微粒子
の添加量や、鉄金属微粒子を均一に分散させるための撹
拌強度を管理したり、分散した鉄金属微粒子の流出を防
止するなど、運転管理上の問題が多い。これに対して、
鉄金属粒子の充填層に通水する通水接触法は、運転管理
が比較的容易であり、通水初期には排水中の有害物質が
効率的に除去されるが、長期間通水を続けると鉄金属の
表面に汚染物質が付着したり、目詰まりを生じたりし
て、排水処理効率が低下するという問題がある。長期間
の通水による汚染の問題を回避するために、鉄線材を繊
維状に束ねたものを用いる試みがなされているが、還元
反応を十分に行うためには排水を循環させる必要がある
など、実用化は困難である。このため、本発明者らは、
鉄金属粒子表面に付着した汚染物質を容易に除去し、安
定した排水処理を継続して行うことを可能とする水処理
装置の洗浄方法の研究を行った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉄金属粒子
の充填層に通水して排水中の不純物を還元処理する水処
理装置において、鉄金属粒子の表面に付着した汚染物質
を容易に剥離、除去することができ、長期間にわたり安
定して排水中の有害物質を除去することができる水処理
装置の洗浄方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、鉄金属粒子の充
填層に洗浄水を通水して洗浄したのち、洗浄水及び空気
の混合流を上向流で供給して洗浄することにより、鉄金
属粒子の表面に付着した汚染物質を効率的に剥離、除去
し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)鉄金属粒
子の充填層に通水して排水中の不純物を還元処理する水
処理装置において、充填層に洗浄水を通水して洗浄した
のち、さらに洗浄水及び空気の混合流を上向流で供給
し、鉄金属粒子の充填層の汚染物質を除去することを特
徴とする水処理装置の洗浄方法、を提供するものであ
る。さらに、本発明の好ましい態様として、(2)洗浄
水の通水速度が、LV=30〜150m・hr-1である第
(1)項記載の水処理装置の洗浄方法、(3)洗浄水の通
水を、1〜5分間行う第(1)項又は第(2)項記載の水処
理装置の洗浄方法、(4)洗浄水及び空気の混合流の供
給において、洗浄水の供給速度が、LV=30〜150
m・hr-1である第(1)項、第(2)項又は第(3)項記載の
水処理装置の洗浄方法、(5)洗浄水及び空気の混合流
の供給において、空気の供給量が、鉄金属粒子の充填層
に対し、体積比で1分間に0.1〜10倍量である第
(1)項、第(2)項、第(3)項又は第(4)項記載の水処理
装置の洗浄方法、(6)洗浄水及び空気の混合流の供給
を、1〜5分間行う第(1)項、第(2)項、第(3)項、第
(4)項又は第(5)項記載の水処理装置の洗浄方法、
(7)洗浄水及び空気の混合流による洗浄を行ったの
ち、さらに洗浄水のみによる洗浄を行う第(1)項、第
(2)項、第(3)項、第(4)項、第(5)項又は第(6)項記
載の水処理装置の洗浄方法、及び、(8)洗浄水及び空
気の混合流による洗浄後の、洗浄水のみによる洗浄にお
ける通水速度が、LV=30〜150m・hr-1である第
(7)項記載の水処理装置の洗浄方法、及び、(9)洗浄
水及び空気の混合流による洗浄後の、洗浄水のみによる
洗浄を、1〜5分間行う第(7)項又は第(8)項記載の水
処理装置の洗浄方法、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、排水を鉄金属粒子
の充填層に通水して、排水中の不純物を還元処理する水
処理装置の洗浄に使用することができる。排水のpHを5
以下に調整し、鉄金属と接触させると、鉄金属より次式
にしたがって2価の鉄イオンが水中に溶出する。 Fe+2H+ → Fe2++H2 排水中に含まれるペルオキソ硫酸、ヨウ素酸及びセレン
酸は、それぞれ以下に示す式にしたがって2価の鉄イオ
ンと反応し、還元処理される。 S28 2-+2Fe2+ → 2SO4 2-+2Fe3+ 2IO3 -+10Fe2++12H+ → I2+10Fe3+
6H2O SeO4 2-+6Fe2++8H+ → Se0+6Fe3++4
2O さらに、酸化還元電位が−400〜−100mVの場合
は、次式にしたがって鉄金属とセレン酸の反応が起こ
る。 SeO4 2-+3Fe+8H+ → Se0+3Fe2++4H2
O このようにして排水中に含まれる不純物を鉄金属と接触
して還元処理したのち、被処理水にアルカリ剤を添加し
てpHを7以上とすると、水中の鉄イオンは、例えば、下
記の式のように水不溶性の水酸化鉄となってフロックを
形成する。 Fe2++2NaOH → Fe(OH)2+2Na+ Fe3++3NaOH → Fe(OH)3+3Na+ このとき、還元されたセレンのほか、排水中に含まれる
重金属類、懸濁物質、フッ素、COD成分なども同時に
凝集、沈降して分離することができる。pHを5以下に調
整した排水を接触させる鉄金属粒子としては、純鉄、粗
鋼、合金鋼、その他の鉄合金などの粒子を挙げることが
できる。鉄金属が鉄合金であるときは、鉄の含有率が8
5重量%以上であることが好ましい。
【0006】排水と鉄金属粒子の接触は、排水を鉄金属
粒子を充填したカラムなどに通水することにより、効率
的に行うことができる。しかし、鉄金属粒子の充填層に
排水の通水を続けると、汚染物質の鉄金属粒子の表面へ
の付着や、鉄金属粒子の充填層の目詰まりなどが生じ、
排水中の不純物の除去効率が次第に低下してくる。この
ような汚染物質には、鉄金属又は鉄イオンの反応により
生成する酸化鉄、炭化鉄、硫化鉄や、排水中の懸濁物質
などがある。本発明方法においては、鉄金属粒子の充填
層に排水を通水し、不純物の還元処理を続けたのち、排
水の通水を停止し、鉄金属粒子の充填層に洗浄水を通水
して洗浄し、さらに洗浄水及び空気の混合流を上向流で
供給し、鉄金属粒子の表面に付着した汚染物質を剥離、
除去し、あるいは、鉄金属粒子の充填層に目詰まりを起
こしている汚染物質を除去する。本発明方法において、
排水の通水を停止し、鉄金属粒子の充填層に洗浄水を通
水して洗浄することにより、鉄金属粒子の充填層内に存
在する2価又は3価の鉄イオンを含有する水が、鉄イオ
ンを含有しない洗浄水により置換される。鉄金属粒子の
充填層内に鉄イオンが存在する状態で、洗浄水及び空気
の混合流を供給すると懸濁物が発生し、さらに懸濁物に
よって鉄金属粒子の表面も汚染され、不純物の還元処理
効果が十分に回復しない。発生する懸濁物の構造は明ら
かではないが、酸化鉄、水酸化鉄又はFeO(OH)など
の構造式により表される鉄化合物と推定される。鉄金属
粒子の充填層に洗浄水を供給して通水したのち、洗浄水
及び空気の混合流を供給すれば、懸濁物が発生すること
はなく、洗浄により不純物の還元処理効果が十分に回復
する。
【0007】本発明方法において、鉄金属粒子の充填層
に洗浄水を通水するときの流れ方向には特に制限はな
く、上向流又は下向流のいずれともすることができる。
しかし、pHを5以下に調整した排水の通水は、水素ガス
が発生するため通常は上向流で行い、洗浄水及び空気の
混合流の供給も上向流で行うので、設備設計及び運転管
理上からは、鉄金属粒子の充填層への洗浄水の通水も上
向流とすることが好ましい。本発明方法において、洗浄
水の通水速度は、LV=30〜150m・hr-1とするこ
とが好ましい。洗浄水の通水速度が30m・hr-1未満で
あると、洗浄水が層流となって流れ、鉄金属粒子の充填
層内にデッドスペースを生じて、鉄イオンの除去が不十
分となるおそれがある。洗浄水の通水速度が150m・h
r-1を超えると、消費する洗浄水の量が多くなる上に、
鉄金属粒子が流出するおそれがある。洗浄水の通水時間
は、1〜5分間とすることが好ましい。洗浄水の通水が
1分間未満であると、鉄イオンの除去が不十分となるお
それがある。洗浄水の通水は、通常は5分間以内で十分
であり、通常は5分間の通水により鉄金属粒子の充填層
内の鉄イオンは除去される。本発明方法においては、鉄
金属粒子の充填層に洗浄水を通水して充填層内の鉄イオ
ンを除去したのち、洗浄水及び空気の混合流を上向流で
供給する。洗浄水及び空気の混合流を上向流として供給
することにより、鉄金属粒子の充填層は展開、流動化す
るとともに、空気の気泡を含む混合流により激しく撹拌
され、鉄金属粒子表面から付着した汚染物質が剥離さ
れ、目詰まりを起こしている汚染物質とともに水流に伴
われて排出される。洗浄水のみによる洗浄では、鉄金属
粒子の充填層が展開しても、汚染物質の剥離効果が小さ
く、多量の洗浄水を消費しても洗浄効果は上がらない。
本発明方法においては、あらかじめ鉄金属粒子の充填層
内の鉄イオンを洗浄水を通水して除去しているので、洗
浄水と混合流を形成するガスとして窒素ガスを使用する
必要はなく、空気を使用しても鉄の酸化物や水酸化物な
どの懸濁物が発生するおそれがない。洗浄水と混合流を
形成するガスとして空気を使用することができるので、
窒素ガスを使用するための初期設備投資及びランニング
コストが不要となり、経済的に水処理装置の洗浄を行う
ことができる。
【0008】本発明方法において、洗浄水及び空気の混
合流を形成するための洗浄水の通水速度は、LV=30
〜150m・hr-1とすることが好ましい。洗浄水の通水
速度は、鉄金属粒子の大きさなどに応じて選択すること
ができるが、洗浄水及び空気の混合流を供給したとき、
鉄金属粒子の充填層が10〜50%展開する程度とする
ことが好ましい。洗浄水の通水速度が30m・hr-1未満
であると、鉄金属粒子の充填層の展開が少なく、鉄金属
粒子の表面に付着した汚染物質が十分に剥離しないおそ
れがある。洗浄水の通水速度が150m・hr-1を超える
と、消費する洗浄水の量が多くなる上に、鉄金属粒子が
流出するおそれがある。本発明方法において、洗浄水及
び空気の混合流を形成するための空気の供給量は、鉄金
属粒子の充填層に対し、体積比で1分間に0.1〜10
倍量であることが好ましい。空気の供給量が、鉄金属粒
子の充填層に対し体積比で1分間に0.1倍量未満であ
ると、撹拌力が弱く洗浄効果が十分に向上しないおそれ
がある。空気の供給量は、通常は鉄金属粒子の充填層に
対し体積比で1分間に10倍量で十分であり、それ以上
の空気を供給しても、空気の供給量の増加に見合って洗
浄効果は向上しない。本発明方法においては、洗浄水及
び空気の混合流の供給を1〜5分間行うことが好まし
い。混合流の供給が1分間未満であると、鉄金属粒子の
充填層の洗浄が不十分となるおそれがある。混合流の供
給は、通常は5分間以内で十分であり、それ以上混合流
を供給しても洗浄効果は向上しない。本発明方法におい
ては、洗浄水及び空気の混合流を供給して洗浄を行った
のち、ふたたび洗浄水のみによる洗浄を行うことが好ま
しい。洗浄水のみによる洗浄により、洗浄水及び空気の
混合流によって剥離した汚染物質を洗い流すとともに、
鉄金属粒子の充填層から気泡を追い出すことができ、さ
らに、鉄金属粒子の充填層を均一に形成することができ
る。本発明方法においては、洗浄水及び空気の混合流の
供給後の洗浄水のみによる洗浄は、1〜5分間行うこと
が好ましい。洗浄水のみによる洗浄時間が1分間未満で
あると、剥離した汚染物質の洗い流し及び気泡の追い出
しが不十分となるおそれがある。洗浄水のみによる洗浄
は、通常は5分間以内で十分であり、それ以上洗浄水の
みによる洗浄を継続しても洗浄効果は向上しない。洗浄
水のみによる洗浄を終了したのち、洗浄水の供給を停止
して沈静化することにより、鉄金属粒子の充填層をふた
たび形成する。
【0009】図1は、本発明の水処理装置の洗浄方法の
説明図である。本図に示す水処理装置は、円筒状のカラ
ム1の底部に排水、洗浄水及び空気の導入口2を備え、
上部に還元処理水及び洗浄水のための水排出口3を備え
ている。カラムの下部には砂利を充填して支持床4と
し、支持床の上に多孔板5を取り付け、さらにその上に
鉄金属粒子を充填して鉄金属粒子の充填層6を形成す
る。カラムの頭部には多孔板7を取り付け、還元処理時
に発生する水素ガス及び洗浄時に供給する空気の排出口
とする。排水の還元処理においては、pHを5以下、好ま
しくはpHを2〜3に調整した排水を導入口より供給し、
鉄金属粒子の充填層において、排水中に含まれるペルオ
キソ硫酸、ヨウ素酸、セレン酸などの不純物を還元処理
する。排水は上向流として導入されるので、還元処理に
際して発生する水素ガスは、水流とともに上方へ移動
し、カラム頭部の多孔板より排出される。水排出口より
流出する還元処理水は、さらに凝集沈澱設備に導き、ア
ルカリ剤を添加してpH7以上に調整し、必要に応じてさ
らに高分子凝集剤などを添加して凝集沈澱処理を行って
処理水を得る。一定時間経過後、あるいは、処理水中の
不純物が増加する傾向が認められたとき、水処理装置の
洗浄を行う。水処理装置の洗浄を行うためには、排水の
供給を停止し、導入口から洗浄水を通水することによ
り、鉄金属粒子の充填層内の水中に溶出している鉄イオ
ンを洗い流し、除去する。次いで、鉄金属粒子の充填層
に洗浄水及び空気の混合流を供給することにより、鉄金
属粒子の充填層を展開、流動化する。鉄金属粒子の充填
層の展開、流動化により、鉄金属粒子の表面に付着した
汚染物質は剥離され、目詰まりを起こしていた汚染物質
とともに、水流に伴われて水排出口より排出される。洗
浄水及び空気の混合流を所定時間供給したのち、必要に
応じて空気の供給のみを停止し、洗浄水のみによる洗浄
を行うことができる。洗浄水のみによる洗浄を行うこと
により、剥離した汚染物質を完全に洗い流すとともに、
鉄金属粒子の充填層から気泡を追い出す。洗浄水のみに
よる洗浄を行ったのち、洗浄水の供給を停止し、鉄金属
粒子を沈静化して充填層を形成する。その後、pH調整を
行った排水を導入口より供給し、還元処理を再開する。 本発明方法によれば、少ない量の洗浄水を用い、窒素ガ
スのような不活性ガスを使用することなく、鉄金属粒子
の充填層の洗浄を効率的に行うことができ、長期間にわ
たって安定して排水中の不純物の還元処理を行うことが
できる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 内径28mm、高さ600mmのアクリル樹脂製カラム下部
に、直径5〜10mmの砂利を100mmの高さに充填して
支持床とし、この支持床の上に、孔径3mm、ピッチ10
mmの多孔板を取り付けた。多孔板上に、粒子径0.6mm
の均一な球状の鉄金属粒子200ml(約1kg)を充填
し、図1に示す形状の鉄金属粒子の充填層を有するカラ
ムを作製した。セレン0.7mg/リットルを含有する排
水に塩酸を添加してpHを2〜3に調整し、カラム下部に
設けた導入口から、上向流で通水速度SV=20hr-1
通水し、還元処理を行った。カラム上部に設けた水排出
口から流出する還元処理水に、水酸化ナトリウム水溶液
を添加してpHを9〜9.5に調整して凝集処理を行い、
沈殿を分離して処理水を得た。処理水中のセレン濃度
は、通水5時間後、24時間後、30時間後及び48時
間後において、いずれも0.02mg/リットルであっ
た。通水48時間後にいったん排水の通水を止め、カラ
ムの洗浄を行った。工業用水を導入口から上向流で通水
速度LV=100m・hr-1で通水を開始し、2分後に空
気を導入口から1リットル/分で工業用水とともに送り
始めた。さらにその3分後に空気の供給を止めて、工業
用水のみの通水を3分間行い、合計8分間でカラムの洗
浄を終えた。ふたたびpH調整を行ったセレン含有排水の
通水に切り替え、上と同様に処理を続けたところ、処理
水中のセレン濃度は、通水54時間後0.02mg/リッ
トル、72時間後0.02mg/リットル、96時間後0.
03mg/リットルであった。 比較例1 実施例1に用いたものと同じ鉄金属粒子を充填したカラ
ムに、全く洗浄を行うことなく、実施例1と同じセレン
0.7mg/リットルを含有し塩酸によりpHを2〜3に調
整した排水を連続して96時間通水して還元処理を行っ
た。還元処理水は、水酸化ナトリウム水溶液を添加して
pHを9〜9.5に調整して凝集処理を行い、沈殿を分離
して処理水を得た。処理水中のセレン濃度は、通水5時
間後、24時間後、30時間後及び48時間後において
は、いずれも0.02mg/リットルであったが、通水5
4時間後0.15mg/リットル、72時間後0.22mg/
リットル、96時間後0.25mg/リットルと上昇し
た。 比較例2 実施例1に用いたものと同じ鉄金属粒子を充填したカラ
ムに、実施例1と同じセレン0.7mg/リットルを含有
し塩酸によりpHを2〜3に調整した排水を通水して還元
処理を行った。さらに還元処理水に、水酸化ナトリウム
水溶液を添加してpHを9〜9.5に調整して凝集処理を
行い、沈殿を分離して処理水を得た。処理水中のセレン
濃度は、通水5時間後、24時間後、30時間後及び4
8時間後においては、いずれも0.02mg/リットルで
あった。ここで、工業用水によるカラムの洗浄のみを行
った。すなわち、排水の通水を止め、工業用水を導入口
から上向流で通水速度LV=100m・hr-1で8分間通
水し、カラムの洗浄を終えた。ふたたびpH調整を行った
セレン含有排水の通水に切り替え、上と同様に処理を続
けたところ、処理水中のセレン濃度は、通水54時間後
0.09mg/リットル、72時間後0.11mg/リット
ル、96時間後0.12mg/リットルであった。 比較例3 実施例1に用いたものと同じ鉄金属粒子を充填したカラ
ムに、実施例1と同じセレン0.7mg/リットルを含有
し塩酸によりpHを2〜3に調整した排水を通水して還元
処理を行った。さらに還元処理水に、水酸化ナトリウム
水溶液を添加してpHを9〜9.5に調整して凝集処理を
行い、沈殿を分離して処理水を得た。処理水中のセレン
濃度は、通水5時間後、24時間後、30時間後及び4
8時間後において、いずれも0.02mg/リットルであ
った。ここで工業用水のみによる洗浄を行うことなく、
工業用水及び空気の混合流をカラムに供給して洗浄を行
った。すなわち、排水の通水を止め、工業用水を導入口
から上向流で通水速度LV=100m・hr-1で通水を開
始し、同時に空気を導入口から1リットル/分で工業用
水とともに送り始めた。3分後に空気の供給を止めて、
工業用水のみの通水を3分間行い、合計6分間でカラム
の洗浄を終えた。ふたたびpH調整を行ったセレン含有排
水の通水に切り替え、上と同様に処理を続けたところ、
処理水中のセレン濃度は、通水54時間後0.08mg/
リットル、72時間後0.10mg/リットル、96時間
後0.11mg/リットルであった。 実施例1及び比較例1〜3の結果を、第1表及び図2に
示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表及び図2の結果から、鉄金属粒子の
充填層に洗浄水のみを通水して洗浄を行ったのち、洗浄
水及び空気の混合流を供給して洗浄した実施例1におい
ては、処理水中のセレン濃度が0.02〜0.03mg/リ
ットルと安定して低いことが分かる。これに対して、全
く洗浄を行わない比較例1においては、通水時間が50
時間を超えると処理水中のセレン濃度は急速に上昇す
る。また、洗浄を洗浄水のみを用いて行った比較例2
と、洗浄水のみの通水による洗浄を行うことなく、洗浄
水及び空気の混合流を供給して洗浄した比較例3は結果
には大差はなく、いずれも通水時間72時間で処理水中
のセレン濃度は、規制値である0.1mg/リットル以上
となる。これらの結果から、鉄金属粒子の充填層に洗浄
水のみの通水による洗浄を行ったのち、洗浄水及び空気
の混合流を供給して洗浄する本発明方法が、排水中のセ
レンを安定して除去する上で、非常に有効であることが
分かる。
【0013】
【発明の効果】本発明方法によれば、排水中の不純物を
還元処理するための鉄金属粒子の充填層の洗浄を、窒素
ガスなどの不活性ガスを使用することなく、少ない量の
洗浄水を用いて効率的に行うことができ、ペルオキソ硫
酸、ヨウ素酸、セレン酸などの酸化性物質を不純物とし
て含有する排水の還元処理を、長期間にわたって安定し
て行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水処理装置の洗浄方法の説明
図である。
【図2】図2は、通水時間と処理水中のセレン濃度の関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 カラム 2 導入口 3 水排出口 4 支持床 5 多孔板 6 鉄金属粒子の充填層 7 多孔板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−68981(JP,A) 特開 昭51−14831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/70,1/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄金属粒子の充填層に通水して排水中の不
    純物を還元処理する水処理装置において、充填層に洗浄
    水を通水して洗浄したのち、さらに洗浄水及び空気の混
    合流を上向流で供給し、鉄金属粒子の充填層の汚染物質
    を除去することを特徴とする水処理装置の洗浄方法。
JP16532396A 1996-06-05 1996-06-05 水処理装置の洗浄方法 Expired - Lifetime JP3237524B2 (ja)

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