JP3900443B2 - ライティングボードの外装枠構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、書き込み面にチョークやマーカーペン等の筆記具を用いて書き込みを行うライティングボード、たとえば電子黒板や黒板やホワイトボードや掲示板や伝言板等において、その周囲を囲む外装枠の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の外装枠は、図8に一例を示すように、大半は次のような構造になっていた。
(1)四隅のコーナ枠100の前面および外周側面が上枠101と左右の側枠102と下枠(図示せず)の前面および外周側面と同一面で、しかも直線的なデザインになっている。
【0003】
(2)上枠101と左右の側枠102と下枠は、押し出し樹脂成形(材質は主にポリ塩化ビニル樹脂)で形成され、一部の製品は中空体となっていて、コーナ枠100に直角な方向に接合突出部が形成され、その接合突出部に、中空体である上枠101と左右の側枠102と下枠の各端部を嵌合し、裏側からビスやパッキン止め等の方法で締結している。
【0004】
また、従来は、図9に示すように、電子黒板のスタンド103の内側に固定されたフレーム側板104の後端に、さらに押し出し成形した樹脂製の側板105を固定して外装側面の一部を覆い、その側板105の溝部105aに、プラスチックや段ボールや木片の圧縮ボード等による裏板106の端縁をはめ合わせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、従来は、次のような問題点があった。
▲1▼ 四隅のコーナ枠100の前面および外周側面を、上枠101と左右の側枠102と下枠のそれぞれの前面および外周側面と同一面にしているが、各枠の押し出し材端面のカット精度や押し出し加工時に発生する反りや組立上や輸送上に発生する隙間や段違いのために、互いに正確な同一面とならずに不均一になり、外観上見苦しくなっていた。
【0006】
▲2▼ 前面および外周側面が直線的で、外観が全体的にフラットな感じとなり、単調でインパクト感が無かった。
【0007】
▲3▼ 外装部の側面に関しては、押し出し樹脂成形材である側板105が、側面を全体的に覆っていないため、外装色と同色の別の外装板を貼り付けており、コストアップになっていた。
【0008】
▲4▼ 外装部の側面を覆う部品点数が多く、それらの組み合わせの不調和から外観上の体裁が悪かった。
【0009】
この発明の目的は、従来のこのような問題点を解決し、四隅のコーナ枠と上枠と左右の側枠と下枠とが、成形上や組立上や輸送上等において、互いの接合部分に隙間や段違いが生じることがあっても、外観上違和感がなく、また全体的に立体感があって体裁が良く、ユーザに好感度の高いインパクトを与えることができるライティングボードの外装枠構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明による外装枠構造は、外装枠が四隅同形状のコーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5とで構成され、コーナ枠2は、その前面および外周側面が、上枠3、左右の側枠4、下枠のそれぞれの前面および外周側面よりも突出するように成形され、フレーム7の外側面に、その全面を覆うように側板15を固定し、コーナ枠2および左右の側枠4の後部に溝部10を形成して、その溝部10に、側板15の前縁部分15dを挿入させる。
【0011】
このような構成を基本として、次のような形態にすることが好ましい。
上枠3と左右の側枠4と下枠5とは樹脂成形による中空体とする。
上枠3および左右の側枠4の前壁部は湾曲凸状、外壁部は中央部分を湾曲凹状とする。
【0012】
コーナ枠2に直角な方向に接合突出部2aを形成し、その接合突出部2aに、中空体である上枠3と左右の側枠4と下枠5の各端部を嵌合して締結手段で締結する。
【0014】
側板15でフレーム7の外側面と後面とを覆うように、側板15を樹脂成形により断面L字形状に形成し、側板15の後部15aの端縁に形成された溝部15bに、裏板16の端縁を嵌合させる。
【0015】
側板15の色をコーナ枠2、上枠3、左右の側枠4、および下枠5の色とは異ならせる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0017】
図1は、ライティングボードとしてエンドレスシート1を用いた電子黒板の外観斜視図である。エンドレスシート1は、四隅同形状のコーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5とによる外装枠に沿って搬送される。外装枠は、スタンド6を有するフレーム7の前面に支持されている。下枠5には、粉受け8が取り付けられている。
【0018】
図2および図3に示すように、コーナ枠2は、樹脂材料により中実体として押し出し樹脂成形され、上枠3と左右の側枠4と下枠5とは、樹脂材料により断面L字形状の中空体として押し出し樹脂成形されている。コーナ枠2、上枠3、左右の側枠4、および下枠5に用いる樹脂材料としては、焼却処分の際にダイオキシンを発生させない樹脂、たとえばABS樹脂を用いるのが良い。従来では、上述のようにポリ塩化ビニル樹脂を用いていたので、ダイオキシンを発生させるという環境上の問題があった。
【0019】
コーナ枠2には、直角な方向に同じ形状(断面L形状)の接合突出部2aが一体に突出形成され、コーナ枠2自体の前面および外周側面と接合突出部2aの前壁部部分2xおよび側壁部分2yとの境界は段部2bとなっている。接合突出部2aの前壁部分2xの前面は緩やかな湾曲凸面となって、その両辺縁には凸条2cが形成され、これら凸条2cの間の中間部分にタッピング用の2個の孔9が設けられている。接合突出部2aの側壁部分2yの外側面2dは平坦面で、その後辺縁には凸条2eが形成されている。
【0020】
中空体である上枠3は、強度を増すため、また立体感を持たせるために、その前壁部3aが全体的に緩やかな湾曲凸状、外壁部(上壁部)の中央部分3bが湾曲凹状となっている。また、中空体である下枠5は、組立後の使用形態で見ると、その前壁部5aが全体的に緩やかな湾曲凸状、外壁部(下壁部)の中央部分5bが湾曲凹状となっているが、上枠3と同じ成型品を上下逆にして使用したもので、実質的には上枠3と同じである。
【0021】
中空体である左右の側枠4も、組立後の使用形態で見ると、その前壁部4aが全体的に緩やかな湾曲凸状、外壁部の中央部分4bが湾曲凹状となっているが、上枠3と同じ成型品を用いたもので、実質的には上枠3と同じ構造である。
【0022】
コーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5のいずれについても、その後面に、真っ直ぐな突出部とL字形の突出部とによる溝部10が形成されている。また、上枠3と左右の側枠4と下枠5のいずれについても、その後壁部の両端部分には、コーナ枠2の接合突出部2aに設けられた2個の孔9に対応するネジ孔11(図4)が設けられている。
【0023】
コーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5とは、図4に示すように、コーナ枠2の接合突出部2aに、上枠3と左右の側枠4と下枠5の各端部を嵌合させ、ビス12で締結して組み立てられている。
【0024】
このような組立状態において、図2に示すように、コーナ枠2の外周側面は、上枠3と左右の側枠4と下枠5の各外壁部の外面との間に段部13を形成してそれよりも前方に突出し、またコーナ枠2の前面は、上枠3と左右の側枠4と下枠5の各前壁部の前面との間に段部14を形成してそれよりも前方に突出する。
【0025】
本例では、コーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5をABS樹脂で成形している。ABS樹脂で中空体を押し出し樹脂成形すると、特に中空内部の寸法精度があまり良くないが、コーナ枠2の接合突出部2aとの嵌合において、その前壁部分2xの両辺縁の凸条2および側壁部分2yの後辺縁の凸条2eの高さを調整することで、また上枠3と左右の側枠4と下枠5の各前壁部の湾曲凸状による弾性、および各外壁部の湾曲凹状による弾性を利用して接合突出部2aを押圧することで、外面上に現れる寸法(組立精度)を均一にできる。また、組立操作性も向上する。
【0026】
図5は図1の電子黒板を裏側から見た斜視図、図6はその簡略水平断面図である。
【0027】
フレーム7の外周の左右には、その外周面と後面を覆う断面L字形状の左右の側板15がビスで締結されている。この側板15もABS樹脂により押し出し樹脂成形され、その後部15aの端縁には、裏板16の端縁を嵌合する溝部15bが形成され、また側板15の側部15cの前縁部分15dは矢形になっている。裏板16としては、中空部を無数に区画形成したプラスチック段ボール等を使用することができる。
【0028】
さらに、フレーム7の前面には、L字形状のストッパ17がビスで締結されている。このストッパ17は、コーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5とによる外装枠をフレーム7に組み付けるとき、外装枠の溝部10内に挿入して外装枠を規制し、位置決めするとともに、外装枠の変形や破損を防止するためのものである。このようにストッパ17が溝部10に挿入するとき、側板15の前縁部分15dも外装枠の溝部10内に挿入する。この前縁部分15dを矢形にしたのは、この際の挿入を容易にするためである。
【0029】
側板15は、コーナ枠2と上枠3と左右の側枠4と下枠5とによる外装枠のフレーム7への組付性を向上させる機能、および裏板16の支持機能のほか、フレーム7の側面の化粧板としての機能も兼ねるもので、側板15の色は、外装枠の色とは異なる色にするのが良い。たとえば、外装枠が白色の場合、全体に薄形イメージとなるように、外装枠側板15は黒っぽい色とする。
【0030】
なお、図5において、18は溝部18aを有する縁支持板で、その溝部18aに、裏板16の上縁を溝部18aに嵌合させてフレーム7に支持する。同図では上側の縁支持板だけ図示してあるが、裏板16の下縁を同様に支持するものもある。これら上下の縁支持板は、PP樹脂により押し出し成形されて、上下共通に使用できるようになっている。縁支持板18の先端部は、図示しない締結部材でフレーム7に締結されている。
【0031】
図7は、この発明の変形例を示し、コーナ枠2の前面の周縁に、四角に囲む凸部2fを形成してその内側を凹面2gとすることで、デザイン上のインパクトを高くしたものである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、各請求項の発明による効果は、次のとおりである。
[請求項1]
コーナ枠は、その前面および外周側面が、上枠、左右の側枠、および下枠のそれぞれの前面および外周側面よりも突出しているので、成形上や組立上や輸送上等において、互いの接合部分に隙間や段違いが生じることがあっても、外観上違和感がなく、また全体的に立体感があって体裁が良く、ユーザに好感度の高いインパクトを与えることができる。また、フレームの外側面の全面を側板で覆い、この側板の前縁部をコーナ枠および左右の側枠の後部の溝部に挿入させたので、フレームの外側面を体裁良くカバーできる。
【0033】
[請求項2]
上枠と左右の側枠と下枠とは樹脂成形による中空体になっているので、強度が向上する上に、変形も少なくなり、組立性も向上する。また、コーナ枠との接合構造が簡素化されるので、外観上スッキリした製品ができる。
【0034】
[請求項3]
上枠および左右の側枠の前壁部は湾曲凸状、上枠および左右の側枠の外壁部は中央部分を湾曲凹状としたので、強度が増すとともに、成形上のムラを吸収して組立精度を向上させることができる。また、立体感を一層強調できる。
【0035】
[請求項4]
コーナ枠の接合突出部に、中空体である上枠と左右の側枠と下枠の各端部を嵌合して締結手段で締結するので、組立作業性が良く、接合強度も高い。
【0037】
[請求項5]
側板の後部の端縁に形成された溝部に裏板の端縁を嵌合させたので、請求項5による効果に加え、裏板の組み付けの作業性が向上する。
【0038】
[請求項6]
側板の色をコーナ枠、上枠、左右の側枠、および下枠の色とは異ならせたので、見た感じが全体的に薄形になるようなデザイン化にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した電子黒板の外観斜視図である。
【図2】この発明の一例の外装枠構造の斜視図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】その断面図である。
【図5】図1の電子黒板を裏側から見た斜視図である。
【図6】図1の電子黒板の簡略水平断面図である。
【図7】この発明の変形例の斜視図である。
【図8】従来例の斜視図である。
【図9】従来の電子黒板の一部分の簡略水平断面図である。
【符号の説明】
2 コーナ枠
2a 接合突出部
3 上枠
4 左右の側枠
5 下枠
7 フレーム
10 コーナ枠と上枠と左右の側枠と下枠の溝部
15 側板
15a 側板の後部
15b 側板の溝部
15d 側板の前縁部分
16 裏板
Claims (6)
- ライティングボードの周囲を、四隅同形状のコーナ枠と上枠と左右の側枠と下枠とで囲む外装枠において、前記コーナ枠は、その前面および外周側面が、上枠、左右の側枠、下枠のそれぞれの前面および外周側面よりも突出するように成形され、フレームの外側面に、その全面を覆うように側板が固定され、前記コーナ枠および前記左右の側枠の後部に溝部が形成され、その溝部に、前記側板の前縁部分が挿入されていることを特徴とする、ライティングボードの外装枠構造。
- 前記上枠と前記左右の側枠と前記下枠とは樹脂成形による中空体になっていることを特徴とする、請求項1に記載のライティングボードの外装枠構造。
- 前記上枠および前記左右の側枠の前壁部は湾曲凸状、外壁部は中央部分を湾曲凹状としたことを特徴とする、請求項2に記載のライティングボードの外装枠構造。
- 前記コーナ枠に直角な方向に接合突出部が形成され、その接合突出部に、中空体である前記上枠と前記左右の側枠と前記下枠の各端部が嵌合され、締結手段で締結されていることを特徴とする、請求項2、または3に記載のライティングボードの外装枠構造。
- 前記側板が、前記フレームの外側面と後面とを覆うように樹脂成形により断面L字形状に形成され、前記側板の後部の端縁に形成された溝部に、前記裏板の端縁が嵌合されていることを特徴とする、請求項4に記載のライティングボードの外装枠構造。
- 前記側板の色を前記コーナ枠、前記上枠、前記左右の側枠、前記下枠の色とは異ならせたことを特徴とする、請求項4、または5に記載のライティングボードの外装枠構造。
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1997
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