JP3900301B2 - 光スイッチ - Google Patents

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    • G02B6/3551x2 switch, i.e. one input and a selectable single output of two possible outputs

Description

本発明は光スイッチに関し、特に光通信装置や光伝送装置等に用いるのに好適な光スイッチに関する。
光通信の発達に伴って、光ファイバ通信網は長い光路と複雑な分岐を持つようになった。それに応じて光通信装置や光伝送装置内において回線間での光ファイバの光路(伝送経路)の切替が増大し、多くの光スイッチが用いられるようになった。光路の切替の目的は、通常の回線の切替だけでなく、断線した伝送経路を別の断線していない経路に切り替える障害復旧用や、建物や地域内の光通信ネットワークの回線を切り替える保守点検用、測定装置における光路の変更用等である。光路の分岐数でみると、1本の可動光ファイバを2本の固定光ファイバに切り替える1×2型光スイッチや、多数の光ファイバ同士の端面を対向させた1×m型光スイッチ又はn×m型光スイッチ等がある。
光スイッチの切替方式については、電気的又は光学的に光路の屈折率や位相を変化させて光の進行方向を切り替える方式や、機械的に光路を移動させて光の進行方向を切り替える方式等があるが、機械式光スイッチは光の結合損失が小さく、伝搬する光の波長依存性がほとんどないという利点を有する。そのため、種々の切換え目的及び分岐数に応じて種々の構造の機械式光スイッチが提案されている。
例えば、米国特許第6169826号に記載された機械式光スイッチは、図11に示すように、2本の可動光ファイバ20a、20bの先端に固定された軟磁性セラミック製の可動部材30と、可動部材30に対向する位置に固定された固定部材32と、固定部材32に固定された4本の固定光ファイバ21a、21b、21c、21dと、可動部材30を固定部材32に対して移動させるアクチュエータと、可動光ファイバ20a、20bを固定光ファイバ21a、21b、21c、21dに対し位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは永久磁石52と、可動部材30をその移動方向に挟むように対向する第一及び第二のヨーク50a、50bと、第一及び第二のヨーク50a、50bに配置されたコイル51a、51bとを具備している。この機械式光スイッチは小型で信頼性が高く、現在広く使用されている。
光通信網は、都市間の長距離通信を包含する一般回線通信網(通信系と言われる)と、企業内等の閉じた通信網[一般にLocal Area Network(LAN)と言われる]に大別される。一般回線通信網では、光ファイバの切断による障害を最小限に抑えるために冗長回線用光ファイバを敷設することが多く、光スイッチの多くはこれらの冗長回線用光ファイバ間の切替えに用いられる。このための光スイッチは、切換え時のみ電力を消費し、光ファイバが結合されている状態では電力を要しな自己保持機構を有する。米国特許第6169826号に記載の光スイッチは、コイルに通電して可動光ファイバを移動させた後は、永久磁石でその位置を保持するラッチ型光スイッチであり、このような用途に好適である。
LAN系光通信網は全体として閉じた光ループを形成しているが、光ファイバはループ上の端末装置で接続されており、入射された光信号は一旦電気信号に変換され、端末装置から銅線を通る電気信号はLANとの信号授受に必要な処理をされた後、光信号に変換されてループに戻る。この通信網は、各端末が正常に作動している限り問題ないが、一つの端末が故障するとそれ以降に光信号が送られなくなり、通信網全体がダウンするという問題がある。この問題を防止するためには、端末の異常時に光ループからその端末を切り離す光スイッチを設ける必要がある。この場合、可動光ファイバが保持位置に維持され続ける上記ラッチ型光スイッチではなく、正常な電気信号がなくなると、予め設定した「ホームポジション」に自動的に復帰するノンラッチ型光スイッチであるのが好ましい。米国特許第6169826号に記載の光スイッチは、切換え動作に電磁力だけを使用して小型で信頼性の高い構造にしたが、ノンラッチ型ではない。電気を用いずに復元力を得るためにバネ力を用いることも考えられるが、米国特許第6169826号に記載の電磁作動式光スイッチにバネ機構を組み入れると、構造が複雑になる。
従って本発明の目的は、異常時に可動光ファイバをホームポジションに移動させることができる小型で高信頼性のノンラッチ型光スイッチを提供することである。
可動光ファイバと固定光ファイバとの結合を切り替える本発明の一実施態様による光スイッチは、前記可動光ファイバの先端に固定された軟磁性可動ブロックと、前記固定光ファイバが固定されているとともに、前記可動ブロックに対向する位置に固定された軟磁性固定ブロックと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して移動させるためのアクチュエータと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは、前記可動ブロックをその移動方向に挟む一対の腕部を基部の両端に有するヨークと、前記ヨークの基部に装着された永久磁石と、少なくとも一方の腕部に配置されたコイルとを具備し、前記可動ブロックの位置にかかわらず、前記永久磁石により生じる磁束は、一方の腕部と前記可動ブロックとの間の第一のギャップの方が他方の腕部と前記可動ブロックとの間の第二のギャップより多いことを特徴とする。
前記可動ブロックの移動方向における前記第一及び第二のギャップの幅は異なるのが好ましい。
可動光ファイバと固定光ファイバとの結合を切り替える本発明の別の実施態様による光スイッチは、前記可動光ファイバの先端に固定された軟磁性可動ブロックと、前記固定光ファイバが固定されているとともに、前記可動ブロックに対向する位置に固定された軟磁性固定ブロックと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して移動させるためのアクチュエータと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは、前記可動ブロックをその移動方向に挟む一対の腕部を基部の両端に有するヨークと、前記固定ブロックと前記ヨークとの間に固定された永久磁石と、前記ヨークに設けられたコイルとを具備し、前記可動ブロックは一方の腕部に最接近するホームポジションと他方の腕部に最接近するメーク(make)ポジションとの間を移動し、前記ホームポジションにおける前記可動ブロックと前記一方の腕部及び前記他方の腕部との間の第一及び第二のギャップの幅をそれぞれa及びbとし、前記可動ブロックの移動距離をsとすると、前記メークポジションにおける前記第一のギャップの幅(a+s)は前記第二のギャップの幅(b−s)より小さいことを特徴とする。
前記メークポジションにおける前記第一のギャップの幅(a+s)と前記第二のギャップの幅(b−s)との差(b−a−2s)は0.3mm以上であるのが好ましい。
可動光ファイバと固定光ファイバとの結合を切り替える本発明のさらに別の実施態様による光スイッチは、前記可動光ファイバの先端に固定された軟磁性可動ブロックと、前記固定光ファイバが固定されているとともに、前記可動ブロックに対向する位置に固定された軟磁性固定ブロックと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して移動させるためのアクチュエータと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは、前記可動ブロックをその移動方向に挟む一対の腕部を基部の両端に有するヨークと、前記ヨークに装着された永久磁石と、少なくとも一方の腕部に配置されたコイルとを具備し、前記永久磁石は一対の腕部の中間の長手方向中心線よりずれていることを特徴とする。
上記構成により、前記永久磁石が発生する磁束は、前記永久磁石、前記固定ブロック、前記可動ブロック、第一のギャップ及び前記一方の腕部を通る第一の磁束経路と、前記永久磁石、前記他方の腕部、第二のギャップ、前記可動ブロック、第一のギャップ及び前記一方の腕部とを通る第二の磁束経路とを通るので、前記永久磁石の磁束は第一のギャップの方が第二のギャップより常に多い。
前記可動ブロックは一方の腕部に最接近するホームポジションと他方の腕部に最接近するメークポジションとの間を移動し、前記コイルが励磁されて磁束を発生すると、前記可動ブロックと一方の腕部との間の第一のギャップを通る磁束量が、前記可動ブロックと他方の腕部との間の第二のギャップを通る磁束量より少なくなり、前記可動ブロックは前記メークポジションに保持されるが、前記コイルが無励磁になると前記可動ブロックは前記ホームポジションに戻る。
前記ホームポジションにおける前記第一及び第二のギャップの幅をそれぞれa及びbとし、前記可動ブロックの移動距離をsとすると、δ=(b−s)−aで表されるセットバック量δが0より大きいのが好ましい。この場合、b=(a+s)の関係を満たす光スイッチより、ホームポジションへの自己復帰の信頼性が高い。
前記コイルは前記ヨークの各腕部に配置されているのが好ましい。
前記可動ブロック及び前記固定ブロックの少なくとも一方は軟磁性セラミックからなるのが好ましい。軟磁性セラミックは軟磁性フェライトが好ましく、マンガン・亜鉛フェライトがより好ましい。軟磁性フェライトとして単結晶フェライトを用いると、加工精度を比較的容易に高めることができる。
前記可動光ファイバ及び/又は前記固定光ファイバは複数本あるのが好ましい。
上記の通り、可動光ファイバを電磁力で移動させて光路を機械的に切り換える本発明のノンラッチ型光スイッチは、電源又は制御信号が途絶えた異常時に自動的にホームポジションに光路を復帰させることができ、小型で高精度である。このような特徴を有する本発明の光スイッチは、光通信装置や光伝送装置等に用いるのに好適である。
[図1(a)]本発明の第一の実施態様による光スイッチ示す平面図である。
[図1(b)]図1(a)の光スイッチの要部示す分解図である。
[図1(c)]図1(b)のC−C断面図である。
[図2(a)]図1(a)の拡大A−A断面図である。
[図2(b)]図1(a)の拡大B−B断面図である。
[図3(a)]図1(a)の光スイッチにおいて可動ブロックがホームポジションに保持されているときの永久磁石の磁束を示す概略図である。
[図3(b)]図1(a)の光スイッチにおいて可動ブロックがホームポジションからメークポジションに切り替わるときの永久磁石の磁束及びコイルの磁束を示す概略図である。
[図3(c)]図1(a)の光スイッチにおいて可動ブロックがメークポジションに保持されているときの可動ブロックと先端ヨーク部材との距離を示す概略図である。
[図4]実施例1におけるセットバック量とエアーギャップにおける磁気吸引力との関係を示すグラフである。
[図5]実施例1におけるコイル起磁力とエアーギャップにおける磁気吸引力との関係を示すグラフである。
[図6]本発明の第二の実施態様による光スイッチを示す平面図である。
[図7(a)]図6の光スイッチにおいて可動ブロックがホームポジションに保持されているときの永久磁石の磁束を示す概略図である。
[図7(b)]図6の光スイッチにおいて可動ブロックがホームポジションからメークポジションに切り替わるときの永久磁石の磁束及びコイルの磁束を示す概略図である。
[図7(c)]図6の光スイッチにおいて可動ブロックがメークポジションに保持されているときの可動ブロックと先端ヨーク部材との距離を示す概略図である。
[図8]本発明の第三の実施態様による光スイッチを示す平面図である。
[図9(a)]図8の光スイッチにおいて可動ブロックがホームポジションに保持されているときの永久磁石の磁束を示す概略図である。
[図9(b)]図8の光スイッチにおいて可動ブロックがホームポジションからメークポジションに切り替わるときの永久磁石の磁束及びコイルの磁束を示す概略図である。
[図9(c)]図8の光スイッチにおいて可動ブロックがメークポジションに保持されているときの可動ブロックと先端ヨーク部材との距離を示す概略図である。
[図10]実施例3のコイル起磁力と磁気吸引力との関係を示すグラフである。
[図11]米国特許第6169826号に記載の従来の光スイッチを示す平面図である。
[I]第一の実施態様
電磁力により作動する本発明のノンラッチ型光スイッチの一例として、2×4型の光スイッチを図1〜3を参照して説明する。非磁性基板15には、可動ブロック5を移動させる電磁アクチュエータ10と、可動光ファイバ2a,2bを支持するブロック4とが固定されている。基板15は非磁性であれば良く、ステンレススチール、セラミックス、ガラス等の非磁性体により形成されている。電磁アクチュエータ10は、軟磁性ヨーク1(例えば軟磁性鉄やパーマロイ製)と、軟磁性固定ブロック6(例えば軟磁性フェライトのような軟磁性セラミック製)と、永久磁石8(例えばネオジウム−鉄−ボロン合金製)と、コイル9a,9bとを有する。支持ブロック4及び固定ブロック6は、可動光ファイバ2と固定光ファイバ3が平行になるように基板15に固定されている。
軟磁性ヨーク1はコの字型又はE字型等で、一対の腕部を有するのが好ましい。図1(a)は、基部1cの両端に、可動ブロック5を挟むように配置された一対の腕部1a,1bを有するコの字型ヨークを示す。ヨーク1の基部1cの中央には、永久磁石8を介して固定ブロック6が固定されている。固定ブロック6は基部1cに直接固定されていてもよい。永久磁石は、ネオジウム−鉄−ボロン系磁石の他に、サマリウム−コバルト系磁石等の他種の永久磁石でも良いが、高残留磁束密度を有する点でネオジウム−鉄−ボロン系磁石が好ましい。固定ブロック6では、固定光ファイバ3a,3b,3c,3dの先端が可動光ファイバ2a,2bの先端と対向するように支持されている。
ヨーク1の腕部1a,1bにはコイル9a,9bがそれぞれ取り付けられている。ヨーク1に設けるコイルは一つでも良いが、磁束量の制御の容易さ及び巻線スペースの確保のために、各腕部1a,1bに配置するのが好ましい。ヨーク1の各腕部1a,1bの先端部の内面には、可動ブロック5の側面と所定の隙間を置いて対向するように板状の先端ヨーク部材1d,1eが取り付けられている。
コイル9a,9bに通電することにより、ヨーク1及び可動ブロック5を通る磁束を発生させる。コイル9a,9bに流す電流のオン・オフ、極性、量等を変えることにより、磁束量を制御することができる。コイル9a,9bのオン・オフにより、可動光ファイバをノンラッチ状態(非自己保持状態)とラッチ状態(自己保持状態)のいずれかに切り替えることができる。
図2(a)に示すように、固定ブロック6は軟磁性ブロック本体6aと、それに固定されるガラス製押さえ板6bとからなり、軟磁性ブロック本体6aの上面には、4本の固定光ファイバ3a,3b,3c,3dを固定するための4個のV字状溝23と、超硬質金属製の2本の位置決めピン7a,7bを固定するための両側のV字状溝71,71とが平行に形成されている。光ファイバの長手方向をX軸方向とし、その直交方向をY軸方向とする。
図1(b)及び図2(b)に示すように、固定ブロック6と所定の隙間を置いて対向する可動ブロック5は、軟磁性ブロック本体5aと、それに固定されるガラス製押さえ板5bとからなる。ブロック本体5aの上面には、2本の可動光ファイバ2a,2bを固定するための2個のV字状溝23と、2本の位置決めピン7a,7bを受承して、固定光ファイバ3a,3b及び3c,3dの切替距離sと同じ距離を移動可能にする幅を有する台形状溝72a,72bとが平行に形成されている。可動ブロック5は可動光ファイバ2a,2bの先端部を支持するとともに、台形状溝72a,72bに受承された位置決めピン7a,7bにより、距離sだけY軸方向に移動自在である。光スイッチ1の各部の高さは、例えば図1(c)に示す通りである。
可動ブロック5及び固定ブロック6はいずれも軟磁性体により形成される。ヨーク1への十分な磁気吸引を得るために、軟磁性体は0.3T(3kG)以上の飽和磁束密度を有するのが好ましい。軟磁性体としては、軟磁性セラミック、特に軟磁性フェライトが好ましい。軟磁性フェライトは高精度な加工が可能で、軟磁性金属より光ファイバの材料であるガラスに近い熱膨張係数を有するため、信頼性の高い光スイッチが得られる。また軟磁性フェライトは軟磁性金属より低密度であるので、可動ブロック5に好適である。さらに保持部材4も同じ軟磁性フェライトにより形成すると、保持部材4、可動ブロック5及び固定ブロック6が全て同じ熱膨張係数を有するので、温度変化による可動側と固定側の光ファイバの位置ずれがない。
好ましい軟磁性フェライトは、マンガン・亜鉛フェライト、ニッケル・亜鉛フェライト等である。マンガン・亜鉛フェライトは高い透磁率及び飽和磁束密度を有するので、特に好ましい。
可動光ファイバ2a,2b及び固定光ファイバ3a,3b,3c,3dの結合部近傍をそれぞれ可動ブロック5及び固定ブロック6で支持することにより、駆動時の光ファイバのブレを防止し、高い位置精度が得られる。また軟磁性フェライトからなる可動ブロック5は弾性変形が小さいために、小型・薄型化しても駆動時のブレや反りを抑えることができる。
可動ブロック5の台形状溝72a,72bは、位置決めピン7a,7bが移動し得る範囲を規定するので、台形状溝72a,72bの両端は可動ブロック5のストッパとして機能し、可動光ファイバ2を固定光ファイバ3に対して位置決めする。また台形状溝72a,72bは、可動ブロック5のY軸方向移動時に上下方向のガイドとしても機能する。なお可動ブロック5の位置決めは、位置決めピン7a,7bと台形状溝72a,72bの組合せの他に、可動ブロック5の外側に配置されたガイド、ストッパ等によっても、行うことができる。
本実施態様の光スイッチは、ホームポジションにおける可動ブロック5と先端ヨーク部材1dとの間のエアーギャップGa(第一のギャップ)の幅をaとし、可動ブロック5と先端ヨーク部材1eとの間のエアーギャップGb(第二のギャップ)の幅をbとし、可動ブロック5の移動量をsとすると、a<bであるのみならず、(a+s)<(b−s)であることを特徴とする。このため、コイル9a,9bに電流を流さない状態では、必ずエアーギャップGaを通る磁束がエアーギャップGbを通る磁束より多く、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側に吸引される。このとき、可動ブロック5はホームポジションにあると言う。ホームポジションでは可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側に保持され、可動光ファイバ2aは固定光ファイバ3aに結合し、可動光ファイバ2bは固定光ファイバ3cに結合する。
図3(a)はホームポジションにおける永久磁石8の磁束の流れを黒の矢印で示す。なお説明の明瞭化のために、可動ブロック5と先端ヨーク部材1d,1eとの距離を誇張して示す。永久磁石8が作る磁束は、固定ブロック6→可動ブロック5→先端ヨーク部材1d→腕部1a→基部1c→永久磁石8の第一の磁束経路と、固定ブロック6→可動ブロック5→先端ヨーク部材1e→腕部1b→基部1c→永久磁石8の第二の磁束経路を流れる。ホームポジションでは、エアーギャップGaの幅aはエアーギャップGbの幅bより十分に小さいので、エアーギャップGaを通る磁束はエアーギャップGbを通る磁束よりはるかに多い。磁気吸引力Fは、式:F=Φ/2μA(ただし、Φはエアーギャップを通る磁束量であり、Aはエアーギャップの面積であり、μはエアーギャップの透磁率である。)により表されるように、磁束量の二乗に比例するので、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側に確実に吸引される。なお「エアーギャップ」は磁性体間の空間をいい、空気等の気体の他、マッチングオイル等の液体で満たされていても良い。
本実施態様の光スイッチでは、ヨーク1の内側(両腕部1a,1b間)に可動ブロック5、固定ブロック6及び永久磁石8が配置されているため、永久磁石8の磁束の漏洩が防止されている。そのため、固定ブロックによる磁路がなく、永久磁石の磁極が開放されている光スイッチより、可動ブロック5と両腕部1a,1bとのエアーギャップに効率良く磁束を導くことができる。またこのような配置は、可動ブロック5と一対の腕部1a,1bとの間隔を異ならせるのに好適である。これにより、永久磁石8により形成される磁気回路は、大きな磁束量の第一の磁束経路と小さな磁束量の第二の磁束経路に分け、可動ブロック5に対する吸引力に差を設け、もってコイル9a,9bの非励磁では可動ブロック5がホームポジションに保持されるのを確実にする。
図3(b)はホームポジションからメークポジションへの切換えを示す。コイル9a,9bに、エアーギャップGaを流れる永久磁石8の磁束を打ち消すとともにエアーギャップGbを流れる永久磁石8の磁束を強める磁束(白い矢印で示す)を発生させる電流を流す。コイル9a,9bは別々に制御しても良いが、直列に接続して同じ電流を流す方が制御が簡単で好ましい。コイル9a,9bが発生する磁束は、ヨーク1→先端ヨーク部材1d→可動ブロック5→先端ヨーク部材1e→ヨーク1と流れる。従って、両エアーギャップGa,Gbを通る磁束(永久磁石8の磁束+コイル9a,9bの磁束)により、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側から先端ヨーク部材1e側(メークポジション)に移動する。メークポジションでは、可動光ファイバ2aは固定光ファイバ3bに結合し、可動光ファイバ2bは固定光ファイバ3dに結合する。
図3(c)は、可動ブロック5がメークポジションにあるときの各エアーギャップGa,Gbの幅を示す。上記の通り、メークポジションにおけるエアーギャップGaの幅(a+s)はエアーギャップGbの幅(b−s)より十分に小さいが、コイル9a,9bが発生する磁束により、エアーギャップGaを通る全磁束はエアーギャップGbを通る全磁束より少なくなるため、可動ブロック5は先端ヨーク部材1eに吸引され続け、メークポジションに保持される。このように二つの磁路を形成することにより、小電流で電磁アクチュエータ10を駆動することができる。特に二つのコイル9a,9bを直列に接続すると、著しく小電流で駆動することができる。その結果、メークポジションを維持するのに通電し続けなければならないノンラッチ型光スイッチでも、消費電力を著しく抑制できる。
通電指令のダウンや停電等によりコイル9a,9bに電流が流れなくなると、コイル9a,9bによる磁束が消滅し、永久磁石8による磁束だけが残るので、図3(a)の状態になり、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側に吸引され、ホームポジションに戻る。このように、端末装置が正常に作動している間はメークポジションに保持されるが、端末装置に異常が発生して電気信号又は電気エネルギーがなくなると、可動ブロック5はメークポジションを維持できなくなり、ホームポジションに自動的に戻る。このノンラッチ型動作は(a+s)<(b−s)とすることにより達成される。可動ブロック5が大きな質量を有する場合や重力の影響を受ける場合にも確実にホームポジションに切り替わるように、メークポジションにおけるエアーギャップGaの幅(a+s)とエアーギャップGbの幅(b−s)との差(b−a−2s)は0.3mm以上であるのが好ましい。
自己保持型光スイッチ(米国特許第6169826号)の場合、図3(c)に仮想線で示す先端ヨーク部材1eと可動ブロック5との間のエアーギャップGbの幅はaであるが、本実施態様の光スイッチの場合、エアーギャップGbの幅は(b−s)である。従って、セットバック量δは[(b−s)−a]である。エアーギャップGaの幅とエアーギャップGbの幅との差はセットバック量δに相関する。
[2]第二の実施態様
第二の実施態様の光スイッチはヨークの一部に永久磁石を有することを特徴とする。従って、(a+s)<(b−s)の要件やδ[=(b−s)−a]>0の要件を満たす必要がない。この光スイッチの具体例を図6及び7に示すが、第一の実施態様と同じ部品には同じ参照番号を付与し、それらの説明は省略する。
図6に示すように、一対の腕部1a,1bを有するほぼE字状のヨーク1の基部1cには中央に凸部1f設けられているとともに、一対の腕部1a,1bの中間を通る長手方向中心線40からずれた位置(腕部1a側)に永久磁石8が装着されている。図7(a)は、可動ブロック5が先端ヨーク部材1d側に保持された(ホームポジションにある)状態を示す。この状態では、永久磁石8が作る磁束(黒色の矢印で示す)は、基部1c→固定ブロック6→可動ブロック5→先端ヨーク部材1d→腕部1aの第一の磁束経路と、基部1c→腕部1b→先端ヨーク部材1e→可動ブロック5→先端ヨーク部材1d→腕部1aを通る第二の磁束経路に分かれる。なお永久磁石8を基部1c内に設ける代わりに、先端ヨーク部材1dの位置に永久磁石8を設けても良い。
先端ヨーク部材1eと可動ブロック5の間のエアーギャップGbには第二の磁束経路だけが通るが、可動ブロック5と先端ヨーク部材1dの間のエアーギャップGaには第一及び第二の磁束経路が通るので、エアーギャップGaの磁束量はエアーギャップGbの磁束量より十分に多い。従って、磁束量の差による磁気吸引力の違いにより、コイル9a,9bに電流を流さない状態では、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側に保持され、可動光ファイバ2aは固定光ファイバ3aに結合し、可動光ファイバ2bは固定光ファイバ3cに結合する。
図7(b)はホームポジションからメークポジションへの切換えを示す。コイル9a,9bの通電により発生する磁束(白抜きの矢印で示す)を、永久磁石8の磁束と逆方向にするとともに、それより十分に大きくしているので、エアーギャップGbを流れる全磁束はエアーギャップGaを流れる全磁束より十分に多くなる。このようにコイル9a,9bに通電するだけで、可動ブロック5をメークポジションに保持することができる。
図7(c)は可動ブロック5がメークポジションにある時のエアーギャップGa,Gbの幅を示す。図示の例は(a+s)=bの要件を満たすが、必須ではない。メークポジションの状態ではエアーギャップGaの幅は(a+s)で、エアーギャップGbの幅は(b−s)であるが、それでも永久磁石8の磁束はエアーギャップGaの方がエアーギャップGbより十分に多く設定してあるので、コイル通電指令のダウンや停電等によりコイル9a,9bに電流が流れなくなると、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側のホームポジションに自動的に戻る。端末装置の作動が正常化すると、コイル9a,9bが発生する磁束により可動ブロック5はメークポジションに移動し、そこに保持される。従って、本実施態様の光スイッチもノンラッチ型光スイッチである。
[3]第三の実施態様
第三の実施態様は、(a+s)<(b−s)の要件及びδ[=(b−s)−a]>0の要件を満たす以外第二の実施態様と異ならない。第二の実施態様と同じ部品には同じ参照番号を付与し、それらの説明は省略する。図8はホームポジションにおける第三の実施態様の光スイッチを示す。先端ヨーク部材1eは、第二の実施態様における先端ヨーク部材(点線で示す)よりセットバック量δだけ薄い。図9(a)及び(c)に示すように、可動ブロック5がホームポジションにある時のエアーギャップGa,Gbの幅をa、bとし、可動ブロック5の移動量をsとすると、可動ブロック5がメークポジションにある時のエアーギャップGa,Gbの幅は(a+s)及び(b−s)となる。セットバック量δは[(b−s)−a]により表される。
第三の実施態様におけるエアーギャップGbの幅は第二の実施態様における幅よりセットバック量δだけ広いので、第三の実施態様では第二の実施態様よりエアーギャップGaを通る永久磁石8の磁束(黒色の矢印で示す)は多く、エアーギャップGbを通る永久磁石8の磁束は少ない。従って、コイル9a,9bに電流を流さないとき、可動ブロック5は第三の実施態様の方が第二の実施態様より強く先端ヨーク部材1d側(ホームポジション)に保持される。
図9(b)は、ホームポジションからメークポジションへの切換えを示す。コイル9a,9bに電流を流して磁束(白抜きの矢印で示す)が発生すると、エアーギャップGaでは永久磁石8の磁束(黒色の矢印で示す)とコイル9a,9bの磁束(白抜きの矢印で示す)はほぼ打ち消しあい、エアーギャップGbでは永久磁石8の磁束よりコイル9a,9bの磁束が十分に大きいため、エアーギャップGaにおける全磁束量よりエアーギャップGbにおける全磁束量の方が多くなり、可動ブロック5は先端ヨーク部材1d側から先端ヨーク部材1e側に移動する。
図9(c)は可動ブロック5がメークポジションにある時のエアーギャップGa,Gbの幅を示す。これらは第一の実施態様の場合と同じであるので、説明を省略する。なお上記の通り、第三の実施態様では第二の実施態様よりエアーギャップGaを通る永久磁石8の磁束(黒色の矢印で示す)が多く、エアーギャップGbを通る永久磁石8の磁束が少ないので、コイルの通電指令のダウンや停電等によりコイル9a,9bに電流が流れなくなると、可動ブロック5は第二の実施態様の場合より強い力で先端ヨーク部材1d側に戻り、保持される。
第二及び第三の実施態様では、永久磁石8が作る磁束を一方の腕部1aだけを流れる経路と、両方の腕部1a,1bを流れるような経路に分けたので、(a)図6及び7に示すように(a+s)=bの要件を満たす場合も、(b)図8及び9に示すように(a+s)<(b−s)の要件及びδ[=(b−s)−a]>0の要件を満たす場合でも、腕部1a側のエアーギャップGaにおける永久磁石8の磁束量は腕部1b側のエアーギャップGbにおける永久磁石8の磁束量より多い。この点では、永久磁石8がヨーク1の基部1cの中央に設けられた第一の実施態様の場合と異ならない。
上記いずれの光スイッチでも、永久磁石8の磁束はエアーギャップGaの方がエアーギャップGbより多いので、コイル9a,9bが無励磁のとき、可動ブロック5はホームポジションに保持される。コイル9a,9bが励磁されている間、エアーギャップGaを通る全磁束量はエアーギャップGbを通る全磁束量より少なく、可動ブロック5はメークポジションに保持される。しかしコイル9a,9bが無励磁になると、可動ブロック5は自動的にホームポジションに戻る。従って、本実施態様の光スイッチもノンラッチ型光スイッチである。
本発明には技術的思想の範囲内で種々の変更を施すことができる。例えば上記実施態様ではヨークはE字形状であるが、これに限定されず、ほぼ平行な腕部を有するヨークであれば良く、例えばコ字状のヨークでも良い。またヨークの腕部と基部は一体的でも別体でも良い。またL字状に一体化した腕部と基部を突き合わせても良い。
永久磁石は、例えば組み立て型ヨークであれば隣接するヨーク部に挟み込み、また一体型ヨークであれば凹部に装着すれば良い。
ホームポジション及びメークポジションに位置決めするためのピンを移動自在に収容するために可動ブロック及び固定ブロックのブロック本体に形成する溝は台形状に限らず、四角形状でも良い。また光ファイバを固定する溝及びピンを収容する溝はブロック本体及び/又は押さえ板に形成していれば良い。
セットバック量δを二つの先端ヨーク部材を異なる厚さにすることにより得る代わりに、両腕部の位置を調整することにより得ても良い。その際、ヨークの腕部と基部の間に軟磁性スペーサを介在させることにより、両腕部の位置を調整しても良い。その場合、先端ヨーク部材を省いても良い。またエアーギャップGa,Gbを通る磁束の量を非対称性にするのに、長手方向中心線40からずれた位置でヨークにギャップを設けたり、そのギャップに非磁性体や低透磁率材を挿入したりしても良い。
押さえ板はガラス製に限らず、熱膨張係数を同じにするために可動ブロック及び固定ブロックと同じ軟磁性セラミックにより形成しても良い。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に示す光スイッチの動作をテストした。支持ブロック4、可動ブロック5及び固定ブロック6はいずれも0.47T(4,700G)の飽和磁束密度、1,500の透磁率(at 1kHz)及び115×10−7/℃の熱膨張係数を有するマンガン・亜鉛フェライトにより形成した。可動ブロック5は1.9mmの厚さ、3mmのX軸方向幅及び2.5mmのY軸方向幅を有していた。SS400(JIS規格)からなる先端ヨーク部材1d,1eの吸着面は2mm×1.9mmで、可動ブロック5に対してY軸方向に対向していた。各コイル9a,9bの巻数は500ターンであった。ホームポジションにおける先端ヨーク部材1dと可動ブロック5との間のエアーギャップGaの幅aを0.075mmとし、可動ブロック5の移動距離sを0.25mmとした。
コイル9a,9bに電流を流さない状態でエアーギャップGbの幅bを増加させ、エアーギャップGa,Gbにおける磁気吸引力を測定した。結果を図4に示す。ホームポジション方向の磁気吸引力をプラスとし、メークポジション方向への磁気吸引力をマイナスとした。
図4から明らかなように、メークポジション側での磁気吸引力がゼロとなる(メークポジション側からホームポジション側に切換る)時のセットバック量[(b−s)−a]は約0.25mmであった。このとき、a+s=0.325mm、b−s=δ+a=0.325mmである。従って、セットバック量を0.25mm超に設定すると、(a+s)<(b−s)となり、ホームポジションへの復元力を常に働かせることができる。なおセットバック量δ=0の場合、自己保持型光スイッチである。
セットバック量を0.3mmに変更してコイル9a,9bを励磁し、ホームポジション側及びメークポジション側の磁気吸着力を測定した。結果を図5に示す。図5から明らかなように、各コイル9a,9bに約30A・T以上の電流を流すと、ホームポジションからメークポジションに可動ブロック5を移動させることができる。
また−20℃〜+80℃の間で透過光の損失は−0.5dBと僅かであった。
可動ブロック5のX軸方向幅を2mmとし、Y軸方向幅を3.2mmとした以外実施例1と同じ光スイッチについて、セットバック量δを0.5mm、0.7mm及び0.75mmとして、すなわち[(b−s)−(a+s)]を0.25mm、0.45mm及び0.5mmとして、動作をテストした。その結果、セットバック量δが0.7mm及び0.75mm、すなわち[(b−s)−(a+s)]が0.45mm及び0.5mmの場合、ノンラッチ動作が確実に再現されたが、セットバック量δが0.5mm、すなわち[(b−s)−(a+s)]が0.25mmの場合、磁気吸引力が不十分で、ノンラッチ動作が常に再現された訳ではなかった。これより、エアーギャップGaの幅(a+s)とエアーギャップGbの幅(b−s)との差(b−a−2s)は0.3mm以上であるのが好ましいことが分かる。また透過光の損失は実施例1と同様に少なかった。
図6に示す光スイッチの動作をテストした。可動ブロック5は1.9mmの厚さ、3mmのX軸方向幅及び2.5mmのY軸方向幅を有していた。SS400(JIS規格)からなる先端ヨーク部材1d,1eの吸着面は幅2mm及び厚さ1.9mmで、可動ブロック5に対してY軸方向に対向していた。各コイル9a,9bの巻数は500ターンであった。ホームポジションにおいて、先端ヨーク部材1dと可動ブロック5との間のエアーギャップGaの幅aを0.075mmとし、先端ヨーク部材1eと可動ブロック5とのエアーギャップGbの幅bを0.325mmとし、可動ブロック5と固定ブロック6とのエアーギャップの幅を0.35mmとした。可動ブロック5の移動距離sは0.25mmとした。
両コイル9a,9bに同量の電流を流し、可動ブロック5と先端ヨーク部材との磁気吸引力をそれぞれホームポジション及びメークポジションで測定した。結果を図10に示す。約65A・Tでホームポジションにおける磁気吸引力が0となり、それを超える電流を流すとメークポジションに切り換ることが分かる。またメークポジションにあっても、電流を遮断すると磁気吸引力はプラスになり、ホームポジションに自動的に復帰することが分かる。また透過光の損失は実施例1と同様に少なかった。

Claims (10)

  1. 可動光ファイバと固定光ファイバとの結合を切り替える光スイッチであって、前記可動光ファイバの先端に固定された軟磁性可動ブロックと、前記固定光ファイバが固定されているとともに、前記可動ブロックに対向する位置に固定された軟磁性固定ブロックと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して移動させるためのアクチュエータと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは、前記可動ブロックをその移動方向に挟む一対の腕部を基部の両端に有するヨークと、前記ヨークの基部に装着された永久磁石と、少なくとも一方の腕部に配置されたコイルとを具備し、前記固定ブロックは前記基部に直接、又は前記永久磁石を介して固定され、前記可動ブロックの位置にかかわらず、前記永久磁石により生じる磁束は、一方の腕部と前記可動ブロックとの間の第一のギャップの方が他方の腕部と前記可動ブロックとの間の第二のギャップより多いことを特徴とする光スイッチ。
  2. 請求項1に記載の光スイッチにおいて、前記可動ブロックの移動方向における前記第一及び第二のギャップの幅が異なることを特徴とする光スイッチ。
  3. 可動光ファイバと固定光ファイバとの結合を切り替える光スイッチであって、前記可動光ファイバの先端に固定された軟磁性可動ブロックと、前記固定光ファイバが固定されているとともに、前記可動ブロックに対向する位置に固定された軟磁性固定ブロックと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して移動させるためのアクチュエータと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは、前記可動ブロックをその移動方向に挟む一対の腕部を基部の両端に有するヨークと、前記固定ブロックと前記ヨークとの間に固定された永久磁石と、前記ヨークに設けられたコイルとを具備し、前記可動ブロックは一方の腕部に最接近するホームポジションと他方の腕部に最接近するメークポジションとの間を移動し、前記ホームポジションにおける前記可動ブロックと前記一方の腕部及び前記他方の腕部との間の第一及び第二のギャップの幅をそれぞれa及びbとし、前記可動ブロックの移動距離をsとすると、前記メークポジションにおける前記第一のギャップの幅(a+s)は前記第二のギャップの幅(b−s)より小さいことを特徴とする光スイッチ。
  4. 請求項3に記載の光スイッチにおいて、前記メークポジションにおける前記第一のギャップの幅(a+s)と前記第二のギャップの幅(b−s)との差(b−a−2s)が0.3mm以上であることを特徴とする光スイッチ。
  5. 可動光ファイバと固定光ファイバとの結合を切り替える光スイッチであって、前記可動光ファイバの先端に固定された軟磁性可動ブロックと、前記固定光ファイバが固定されているとともに、前記可動ブロックに対向する位置に固定された軟磁性固定ブロックと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して移動させるためのアクチュエータと、前記可動ブロックを前記固定ブロックに対して位置決めする手段とを有し、前記アクチュエータは、前記可動ブロックをその移動方向に挟む一対の腕部を基部の両端に有するヨークと、前記ヨークに装着された永久磁石と、少なくとも一方の腕部に配置されたコイルとを具備し、前記固定ブロックは前記基部に固定され、前記永久磁石は一対の腕部の中間の長手方向中心線よりずれていることを特徴とする光スイッチ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光スイッチにおいて、前記可動ブロックは一方の腕部に最接近するホームポジションと他方の腕部に最接近するメークポジションとの間を移動し、前記コイルが励磁されて磁束を発生すると、前記可動ブロックと一方の腕部との間の第一のギャップを通る全磁束量が、前記可動ブロックと他方の腕部との間の第二のギャップを通る全磁束量より少なくなり、前記可動ブロックは前記メークポジションに保持されるが、前記コイルが無励磁になると前記可動ブロックは前記ホームポジションに戻ることを特徴とする光スイッチ。
  7. 請求項3、4及び6のいずれかに記載の光スイッチにおいて、前記ホームポジションにおける前記第一及び第二のギャップの幅をそれぞれa及びbとし、前記可動ブロックの移動距離をsとすると、δ=(b−s)−aで表されるセットバック量δが0より大きいことを特徴とする光スイッチ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光スイッチにおいて、前記ヨークの各腕部に前記コイルが配置されていることを特徴とする光スイッチ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光スイッチにおいて、前記可動ブロック及び前記固定ブロックの少なくとも一方が軟磁性フェライトからなることを特徴とする光スイッチ。
  10. 請求項9に記載の光スイッチにおいて、前記軟磁性フェライトがマンガン・亜鉛フェライトであることを特徴とする光スイッチ。
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