JP3899192B2 - 硬化剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化剤組成物に関する。更に詳しくは、不飽和ポリエステルパテやFRP(繊維強化プラスチック)の硬化に使用される特定の成分からなる硬化剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和ポリエステルパテやFRPは不飽和ポリエステル樹脂(以下UP樹脂と略す)より構成されており、UP樹脂の硬化の速さがポリエステルパテやFRPを成形する場合の作業性に与える影響は大きいので、これらの作業において硬化剤の選択は重要である。
【0003】
UP樹脂を室温で硬化させるためには硬化剤(有機過酸化物)に促進剤を併用する必要があり、多くの組み合わせがあるが、次の2つに大別されている。
【0004】
その1つは硬化剤としてベンゾイルパーオキサイド、オルソ−メチルベンゾイルパーオキサイド、メタ−メチルベンゾイルパーオキサイド等のベンゾイルパーオキサイド類(以下BPO類と略す)を、促進剤としてジメチルアニリンやジメチルパラトルイジン等の第3級アミンを用いる系で、この硬化系は硬化の立ち上がりが速く、低温での速い硬化、硬化した樹脂の基材への密着性が良いなどの利点がある。
しかし一方この系は表面乾燥性が悪く、硬化物に残存するスチレンモノマー量が多いという欠点がある。
【0005】
もう1つはメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類(KPO類と略す)を、促進剤としてナフテン酸コバルトやナフテン酸マンガン等の金属石鹸を用いる系で、この硬化系はポリエステルパテやFRPの成形物の表面乾燥性が良い、残存するスチレンモノマー量が少ないという利点がある。
しかし一方、低温時の硬化が緩慢であり、硬化した樹脂の基材への密着性が比較的悪いという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら2種類の硬化系の利点を残し、欠点を補う目的でこの2つの硬化系の併用が試みられた。すなわち、硬化剤としてBPO類とKPO類を同時に、促進剤として第3級アミンと金属石鹸を同時に用いることが試みられ、期待通りの結果が得られたが、硬化剤をポリエステルパテやUP樹脂に添加する工程が煩雑になるため、実用化されるに至っていない。
すなわち、第3級アミンや金属石鹸は事前にポリエステルパテやUP樹脂に配合しておけるので種類が多くても特に成形作業上問題とはならないが、硬化剤はポットライフの問題があり、ポリエステルパテやFRPの成形の直前に添加、混合する必要があるので硬化剤を2種類用いる場合は、硬化剤の添加を2回に分けて行う必要があり、作業が煩雑になる。また硬化剤の添加忘れや二度入れなどのトラブルを起こしやすいので、実用化されていない。
【0007】
硬化剤の添加工程を単純にし、トラブルを未然に防止するためにBPO類とKPO類との組成物による一体化が種々の組み合わせにより試みられたが、一般に市販されているBPO類とKPO類の単なる混合組成物では、常温での貯蔵において、その有効成分(活性酸素量で表される)の減少率と分解によるガスの発生量がBPO類とKPO類単独の場合に比べて非常に大きい。
【0008】
それを改良する方法として市販のBPO類とKPO類にアルコールを併用する方法(特開昭57−40507号公報)が提案されているが、この方法ではポリエステルパテやFRPの物性や表面乾燥性にアルコール類が悪影響を与えるため、実用化されていない。
【0009】
もう一つの改良方法としは、市販のBPO類と常温で固体(結晶)のKPO類を使用し、一体化する混合組成物(特開昭61−281140号公報)が提案されている。この方法はアルコール類による悪影響はなく、特開昭57−40507号公報よりも改良されたBPO類とKPO類の配合物であるが、その混合組成物をジメチルフタレート(DMP)やジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤とシリカ等の揺変剤を加えてペースト状にしたものは、長期の常温貯蔵での寒暖の繰り返しによりKPO類の結晶が成長するという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、貯蔵中における有効成分の減少率とガスの発生量を低下させるために鋭意研究した結果、BPO類とKPO類の配合にあたり、その混合組成物に下記一般式(1)で示されるエステル化合物又は一般式(2)で示されるホスホン酸類、例えば1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸化合物を、共存させることにより、BPO類とKPO類の混合硬化剤組成物の貯蔵安定性を著しく向上することを見いだし、本発明に至った。
即ち、本発明は下記の1.〜7.に関するものである。
【0011】
1. 有機過酸化物と少なくとも、下記の一般式(1)で示されるエステル化合物又は下記の一般式(2)で示されるホスホン酸類のいずれか一方を含有することを特徴とする硬化剤組成物。
【0012】
【化3】
【0013】
(式(1)においてR1は炭素数1〜6のアルキル基を、R2は少なくとも1つのエーテル結合を含み、かつ基全体の炭素数が2〜20のアルキル基を表す。また式(2)においてXは架橋基を示し、該架橋基はその架橋鎖中に異項原子を含まないか又は1〜5個の異項原子を含む、炭素数1〜20の架橋基を意味し、nは1〜7の整数を示す。)
【0014】
2. 一般式(2)で示されるホスホン酸類が1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸化合物であることを特徴とする上記1に記載の硬化剤組成物。
【0015】
3. 一般式(1)の化合物が下記一般式(3)で示されるエステル化合物である1又は2に記載の硬化剤組成物。
【化4】
(式中R1は前記と同じ意味を表し、R 3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R 4 は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【0016】
4. 一般式(1)のエステル化合物及び一般式(2)のホスホン酸類の両者をそれぞれ少なくとも1種類またはそれ以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化剤組成物。
5. 一般式(1)で表されるエステル化合物の含有量が硬化剤組成物全体に対して1〜50重量%である上記1〜4のいずれかに記載の硬化剤組成物。
6. 一般式(2)のホスホン酸類の含有量が硬化剤組成物全体に対して0.001重量%〜1.0重量%である上記1〜5のいずれかに記載の硬化剤組成物。
7. 硬化剤組成物全体に対して、一般式(1)で示されるエステル化合物の含有量が1〜50重量%で、かつ1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸化合物の含有量が0.001重量%〜1.0重量%である上記1〜6のいずれかに記載の硬化剤組成物。
8. 有機過酸化物がベンゾイルパーオキサイド類及びケトンパーオキサイド類の両者を含む混合有機過酸化物である上記1〜7のいずれかに記載の硬化剤組成物。
9. 一般式(1)のエステル化合物がメトキシ−炭素数1〜6のアルキルアセテートであり、一般式(2)のホスホン酸類が1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である上記1〜8のいずれかに記載の硬化剤組成物。
【0017】
上記から明らかなように本発明は不飽和ポリエステルパテやFRP等の硬化剤として、
(A)有機過酸化物、例えばBPO類とKPO類の混合硬化剤に、一般式(1)で示されるエステル化合物を配合した硬化剤組成物、
(B)有機過酸化物、例えばBPO類とKPO類の混合硬化剤に、一般式(2)で示されるホスホン酸類例えば1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸化合物等を少なくとも1種類以上配合した硬化剤組成物、
(C)有機過酸化物、例えばBPO類とKPO類の混合硬化剤に、一般式(1)と一般式(2)で示されるホスホン酸類例えば前記のホスホン酸化合物等を少なくとも1種類以上配合した硬化剤組成物等を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明における有機過酸化物としては硬化剤として使用される有機過酸化物であれば特に限定はないが、ベンゾイルパーオキサイド類とケトンパーオキサイド類との混合有機過酸化物が好ましい。
本発明における「アルキル」という用語は直鎖状、分枝、非分枝、環状等いずれのものも含む意味で使用される。
それらの具体例を挙げれば、鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−,i−又はt−ブチル基、ペンチル、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコデシル基等が挙げらる。環状のものとしてはシクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0019】
R1における炭素数1〜6のアルキル基としては上記に例示したものの内、炭素数1〜6のものが挙げられ、好ましくは炭素数1〜3のものである。
R2における少なくとも1つのエーテル結合を含み、かつ基全体の炭素数が2〜20であるアルキル基としては、鎖状のアルキル基中又は環状のアルキル基中にエーテル結合を含むものであれば特に制限はない。エーテル結合の数としては例えば1〜3程度であり、通常1つである。1つのエーテル結合を含むアルキル基としては例えば−R3−O−R4(R3及びR4は前記と同じ意味を示す。)で示される基が挙げられる。それらの例を挙げればメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシエチル基、プロポキシプロピル基、等があげられる。R3において好ましい基は炭素数1〜6のアルキレン基である。またR4において好ましい基は炭素数1〜3のアルキル基である。
【0020】
一般式(1)で表されるエステル化合物の具体例としてはエチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、2−メチル−2−メトキシブチルプロピオネート、2,2−ジメチル−4−メチル−4−メトキシプロピルアセテート等があげられる。
【0021】
一般式(2)におけるXで示される架橋基としてはホスホン酸基を2以上結合する架橋基で有れば特に制限はないが、一般的には炭化水素鎖であり、その中に異項原子を含んでいてもよい。異項原子としては窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、通常窒素原子が好ましい。又この架橋基はヒドロキシ基等の置換基を含んでいてもよい。それらの架橋基の代表的な例を挙げると、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキレン基、下記一般式(4)で示される基
【化5】
【0022】
又は下記一般式(5)
【化6】
で示される基等が挙げられる。
【0023】
一般式(2)で示されるホスホン酸類として好ましい化合物としては例えば下記構造式(a)、(b)又は(c)で示される1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)等を挙げることができる。1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸は効果及び経済的観点からもっとも好ましい。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
本発明で使用されるKPO類としてはメチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)、メチルイソブチルケトンパーオキサイド(MIBKP)、シクロヘキサノンパーオキサイド(CYHP)、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド(MCYHP)、アセチルアセトンパーオキサイド(AAP)等の液状ケトンパーオキサイドが使用可能である。
【0028】
これら液状KPO類とBPO類の混合組成物を作成するに当たり、一般式(1)のエステル化合物または一般式(2)で示されるホスホン酸類、例えば1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸化合物を共存させることによりまたは一般式(1)のエステル化合物または一般式(2)で示されるホスホン酸類を併用使用することにより、ポリエステルパテやFRPの硬化に悪影響を与えるアルコール類を併用しなくても、また、貯蔵中に結晶の成長をもたらす固体のケトンパーオキサイドを用いなくてもBPO類とKPO類の安定な組成物を得ることが初めて可能となった。
【0029】
ケトンパーオキサイドに配合するBPO類としては、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、オルソ−メチルベンゾイルパーオキサイド(O−MBPO)、メタ−メチルベンゾイルパーオキサイド(M−MBPO)、パラ−メチルベンゾイルパーオキサイド(P−MBPO)等を用いることができる。これらBPO類は安全上の理由から通常純度75%以下に調整された水または可塑剤希釈品の使用が好ましいが、純度が75%以上のBPO類も使用可能である。
【0030】
BPO類とKPO類との混合の割合は、任意に選択できるが、硬化特性上からは通常重量比でBPO類/KPO類=10/90〜90/10程度であり、好ましくは25/75〜75/25である。BPO類とKPO類の配合によれば、BPO類が分離し、底に混合物の沈澱が生ずるものから、液状配合物が少ないために粉末状になるものまで得られるが、BPO類が分離、沈澱する場合にはシリカ例えばアエロジル(商品名、日本アエロジル(株)社製)等の揺変剤を用いて均一なペーストにすることにより、また、粉末状になる場合は、可塑剤で希釈してペーストにすることにより均一な配合物を得ることが可能である。
また、得られたペースト状組成物を必要に応じて顔料、染料等で着色することも可能である。
【0031】
本発明の硬化剤組成物の好ましい組成割合(組成物全体に対する重量%)を示すと下記の通りである。
有機過酸化物 :20〜80%、好ましくは30〜70%
(KPO類とBPOの割合:BPO類/KPO類=10/90〜 90/10好ましくは25/75〜75/25重量比)
一般式(1)のエステル化合物 :0〜40%、好ましくは15〜35%
一般式(2)のホスホン酸類 :0〜3%、好ましくは0.001〜1%
その他の成分 :残部
(ただし、一般式(1)のエステル化合物 及び 一般式(2)のホスホン
酸類の合計は零でないものとする。)
【0032】
【実施例】
次に比較例、実施例で本発明をさらに詳しく説明するが、これらは何れも例示であり、本発明を限定するものではない。
【0033】
比較例1〜5
500mlのビーカーに表1に示した組成比で試験用サンプルが220gできるように各成分を精秤し、良く混合した後、内容積130ccのポリエチレン製チューブ2本にその混合物を100gずつ採取し、中の空気をできるだけ押し出した後、密栓する。
それぞれのチューブを常温で1年および40℃のオーブンに28日置いた後の混合物の活性酸素量(A.Oと略す)、ガス発生量及び形状変化(結晶の成長)を測定した。 活性酸素量はヨード滴定法で定量し、ガスの発生量は100gの混合物当たりのチューブのフクレをccで示した。結果を表2に記載した。また、形状変化は認められなかった。
【0034】
BPO類は純品を50%に希釈したペースト状のものを使用した。
BPO類
BPO :50%DOP希釈品(A.O:3.32%)
O−MBPO:50%DOP希釈品(A.O:3.10%)
M−MBPO:50%DOP希釈品(A.O:3.15%)
【0035】
KPO類は市販品(化薬アクゾ(株)製)を用いた。
KPO類
MEKP :カヤメックA (A.O:10.21%)
MIBKP:カヤメックB (A.O:10.15%)
CYHP :シクロノックス(A.O: 8.20%)
【0036】
【表1】
【0037】
【表 2】
【0038】
実施例1〜5
500mlのビーカーに表3に示した組成比で試験用サンプルが220gできるように各成分を精秤し、良く混合した後、内容積130ccのポリエチレン製チューブ2本にその混合物を100gずつ採取し、中の空気をできるだけ押し出した後、密栓する。
それぞれのチューブを常温で1年および40℃のオーブンに28日置いた後の混合物の活性酸素量(A.Oと略す)、ガス発生量及び形状変化(結晶の成長)を測定した。
活性酸素量はヨード滴定法で定量し、ガスの発生量は100gの混合物当たりのチューブのフクレをccで示した。結果を表4に記載した。また、形状変化はいずれも認められなかった。
BPO類とKPO類は表1と同一のものを使用した。
一般式(1)のエステル化合物として使用する表中のエチレングリコールメチルエーテルアセテート(商品名アーコソルブPMA)、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート(商品名ソルフィットAC)は、何れも(株)クラレ製を使用した。
また、一般式(2)のホスホン酸類として使用する1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(商品名ディクエスト2010)、、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(商品名ディクエスト2000)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(商品名ディクエスト2041)は、何れも日本モンサント(株)製を使用した。揺変剤としてシリカ(商品名:アエロジル200、日本アエロジル(株)社製)を使用した。着色剤として有機顔料クロモフタルブラウン5R(商品名、チバガイギー社製)を使用した。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
応用例
市販のパテを用いて実施例3及び実施例4の硬化剤組成物の実用試験を行った。
同時に市販の硬化剤2種(BPO系及びCYHP系)を比較試験した。
市販のパテはポリエステルパテ(促進剤として金属石鹸配合)と鈑金パテ(促進剤として第3級アミン配合)の2種類があり、ポリエステルパテにはCYHP系硬化剤が、鈑金パテにはBPO系硬化剤が使用されている。
本発明の硬化剤組成物の評価には上記2種類のパテを1:1に混合して用いた。
硬化剤の添加量はすべて2部、結果を表5にまとめた。
【0042】
なお、表中の下記の用語は下記の意味で使用される。
カップゲルタイム:ポリエチレンカップに50gのパテをとり、これに硬化剤を1g加え、1分間良く混合し、混合を始めてからゲル化(パテの流動性がなくなるまで)するまでの時間を表す。
指触乾燥時間:ポリエチレンカップに50gのパテをとり、これに硬化剤を1g加え、1分間良く混合した後、鉄板に厚さ0.6mmに塗布し、混合を始めてからパテ表面が指触乾燥するまでの時間を表す。
研磨可能時間:指触乾燥時間の測定に続いて、混合を始めてから#80のサンドペーパーで研磨できるようになるまでの時間を表す。
耐熱密着性:同様の方法でパテと硬化剤を混合し、鉄板に厚さ3mmに塗布し、20℃のオーブンで一日放置後、80℃に昇温し、2時間保持後、20℃に戻す。パテを鉄板ごとエッジで90°に折り曲げ、界面の剥離の有無を観察する。
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】
本発明により得られたパーオキサイド組成物を使用することにより、ポリエステルパテやFRPの硬化において、低温で硬化が速く、表面乾燥性の優れた硬化系の実現が可能である。
Claims (8)
- 一般式(2)で示されるホスホン酸類が1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化剤組成物。
- 一般式(1)のエステル化合物及び一般式(2)のホスホン酸類の両者をそれぞれ少なくとも1種類またはそれ以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化剤組成物。
- 一般式(1)で示されるエステル化合物の含有量が硬化剤組成物全体に対して1〜50重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化剤組成物。
- 一般式(2)のホスホン酸類の含有量が硬化剤組成物全体に対して0.001重量%〜1.0重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化剤組成物。
- 硬化剤組成物全体に対して、一般式(1)で示されるエステル化合物の含有量が1〜50重量%で、かつ1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸化合物の含有量が0.001重量%〜1.0重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化剤組成物。
- 一般式(1)のエステル化合物がメトキシ−炭素数1〜6のアルキルアセテートであり、一般式(2)のホスホン酸類が1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化剤組成物。
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