JP3898768B2 - プレート式熱交換器、特に自動車用の油・冷媒型冷却器 - Google Patents
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Description
DE 43 14 808から公知の前述の形式のプレート式熱交換器は、熱交換器を緊密に閉鎖するために、組み立てられた状態において接続している部材に接続するその熱交換プレートに、閉鎖プレートを有している。この閉鎖プレートは付加的に固定エレメントとして役立つことができ、そのためにこの閉鎖プレートは複数の孔を有していて、これらの孔は固定手段としてのボルト又はねじと協働し、これによってプレート式熱交換器を例えばエンジンブロックに固定する。代替的に固定プレートが設けられ、この固定プレートは個別的な要求に応じて構成されていて、例えば特別なエンジンブロックに固定するために用意されている。この固定プレートは、付加的にプレート式熱交換器の閉鎖プレートに取り付けるか、あるいは閉鎖プレートの代わりに、接続される部材(例えばエンジンブロック)に接する熱交換プレートに固定することができ、その場合には固定プレートは同時に閉鎖プレートとして役立つ。
EP0273462A2号明細書から公知の前述の形式のプレート式熱交換器においては、1つの熱交換プレートの周囲を回るカラーは、隣接の熱交換プレートの周囲を回るカラーに、又は接続プレートの縁部に、接触して、接合技術によって緊密に結合され、特にろう接されている。
この公知の熱交換プレートの固定エレメントは、熱交換プレート及び接続プレートの互いに一直線状に重なる開口によって形成されている少なくとも1つの通過部を有している。この通過部を通して、坑張ステーとして構成された固定手段を通すようになっており、その際プレート式熱交換器を固定するために、坑張ステーは、一端部において通過部の範囲内で接続プレート及び又はこの接続プレートに接している熱交換プレートに外方から載っており、かつ他端部において別の部材内に錨着されている。各熱交換プレートは、互いに一直線状に重なる開口の範囲内で隣接の各熱交換プレートに対して又は接している接続プレートに対してシールされている。
各熱交換プレートの互いに一直線状に重なる開口は、それぞれ周囲を回るカラーを備えており、その際1つの熱交換プレートの1つの開口の周囲を回るカラーは、隣接する熱交換プレートの接している開口の周囲を回るカラーに、あるいは接続プレートの接している開口に接触して、接合技術によって緊密に結合され、特にろう接されている。
本発明が携わる問題は、公知の閉鎖プレート若しくは固定プレートは、このようなプレート式熱交換器において生じる大きな圧力で変形することがあり、その際油冷却器が、接続している部材の接続範囲においてこの部材から持ち上がることである。この結果、一面ではプレート式熱交換器の摩滅が増大せしめられ、かつ他面では接続している部材に対するシール作用が減少せしめられることがある。
この問題は請求項1の特徴を有する本発明によるプレート式熱交換器によって解決される。
請求項2の特徴を具備した実施形態は、個々の熱交換プレート相互の、熱交換プレートの周囲を回るカラー並びに一直線に並んだ開口の周囲を回るカラーにおける特に簡単な結合、特にろう接を可能にする。
別の本発明による特徴及び利点は、従属請求項及び有利な1実施例についての以下の記載から明らかである。
図1は本発明によるプレート式熱交換器の熱交換プレート及び乱流挿入体の分解図を概略的に示し、かつ
図2は本発明によるプレート式熱交換器の横断面図を概略的に示す。
図1において、8つの熱交換プレート2及びそれらの間に位置している乱流挿入体3が断面して分解図で示されている。各熱交換プレート2は周囲を回るカラー4を有しており、このカラーは、図1に示すように、熱交換プレート2の平面に対してほぼ75°の角度で上方に向かって折り曲げられている。各熱交換プレート2は4つの通過開口5若しくは5′を有しているが、しかしこの断面図ではこれらの通過開口のうちの単に2つしか示されていない。通過開口5若しくは5′は図示の実施例に反して、同じ横断面を有していてはならない。周囲を回るカラー4の近くにおいて、各熱交換プレート2に4つの開口6が形成されており、これらの開口はそれぞれ周囲を回るカラー7を備えている。この場合、図示の断面図では、各熱交換プレート2に単に2つの開口6しか見えない。
それぞれ2つの熱交換プレート2の間には1つの乱流挿入体3若しくは3′が配置されている。各乱流挿入体は熱交換プレート2の通過開口5若しくは5′に相当する開口8及び9を有している。開口9内にはそれぞれ1つのシールリング10が取り付けられており、このシールリングの外径は開口9の内径にほぼ等しく、このシールリングの内径は開口5若しくは5′の内径にほぼ等しい。乱流挿入体3若しくは3′の開口8の内径は熱交換プレート2の通過開口5若しくは5′の内径にほぼ等しい。各乱流挿入体3若しくは3′には2つの開口8及びシールリング10が取り付けられている2つの開口9が形成されており、この断面図ではそれぞれ単に1つの開口8と、1つの開口9と1つのシールリング10しか見えない。相応する形式で、各乱流挿入体3若しくは3′は、熱交換プレート2の開口6に所属する4つの開口11を有しており、これらの開口11の内径は開口6におけるカラー7の取り付け箇所における外径にほぼ等しい。
図1によれば、開口5は熱交換プレートの左側に、また開口5′は熱交換プレートの右側に形成されている。乱流挿入体3はその右側にシールリング10を有しており、乱流挿入体3′はその左側にシールリング10を有している。
乱流挿入体3若しくは3′は次のように熱交換プレート2の間に挿入されている。すなわち、開口11がカラー7を取り囲み、開口8及び9が熱交換プレート2の開口5若しくは5′とほぼぴったりと重なって位置するように、挿入されている。この場合乱流挿入体3若しくは3′は、シールリング10が交互に開口5及び5′に所属するように、配置されている。
シールリング10は乱流挿入体3若しくは3′とほぼ同じ厚さを有している。シールリング10は金属の材料あるいはプラスチックあるいはセラミックから製作することができる。
熱交換プレート2を積み重ねる際に、シールリング10は開口5若しくは5′を、隣り合う熱交換プレート2の間に形成されている室及び隣り合う熱交換プレート2の間に挿入されている乱流挿入体3若しくは3′に対してシールする。この場合、それを通ってその都度の流体が次の中間室に達することができるところの通路が生ずる。この形式で、中間室が交互に冷媒及び冷却すべき流体、例えば油によって満たされる。例えば開口5及びそれと連通している中間室は冷媒に所属することができ、その際所属の乱流挿入体3及びそれに接している熱交換プレート2は図1の左側のaで示した中括弧によって示されている。他方の側において、冷却すべき流体は開口5′及びそれと連通している乱流挿入体3′を有する中間室に所属しており、このことは図1の右側のbで示した中括弧によって示されている。
図2に示すように、積み上げられ、シールされて組み合わされた熱交換プレート2を有するプレート式熱交換器1は付加的に接続プレート26を有しており、この接続プレートは図2において最も上方の熱交換プレート2′内に挿入されていて、乱流挿入体3若しくは3′と同じ形式で開口27を有しており、この開口は熱交換プレート2の開口6に所属している。この最も上方の熱交換プレート2′は残りの熱交換プレート2と、その周囲を回るカラー4′及び開口6におけるカラー7′の高さが異なっている。この場合最も上方の熱交換プレート2′のカラー4′及び7′は、別の熱交換プレート2の相応するカラー4及び7のほぼ半分の大きさであって、最も上方の熱交換プレート2′のカラー4′及び7′と別の熱交換プレート2の相応するカラー4及び7とは、それらの自由端面が共通に終わっている。個々の熱交換プレート2若しくは2′はそれらの重なり合うカラー4,4′,7,7′のところで例えばろう接によってシールされて互いに結合されている。同様に、接続プレート26は最も上方の熱交換プレート2′にシールされて固定されている。
接続プレート26は2つの接続短管12を有しており、これらの接続短管は、第1の流体、例えば冷媒、の供給及び排出のための通過開口5′に所属している。しかしながら、図2に示した断面図では、接続短管12の単に1つしか認めることができない。第2の流体、特に冷却すべき油に所属している通過開口5を閉鎖するために、接続プレート26は複数の隆起部13を有しており、これらの隆起部はそれぞれ最も上方の熱交換プレート2′の相応する通過開口5内に突入している。これによって最も上方の熱交換プレート2′と接続プレート26との間の改善されたシールが達成され、更に、隆起部13はプレート式熱交換器1の組み立て中に接続プレート26の位置決めを補助する。
上下に一直線状に重なる通過開口5は例えば冷却すべき媒体のための通過通路14を形成するのに対し、上下に一直線状に重なる通過開口5′は例えば冷媒のための通過通路14′を形成する。通過通路14及び14′のほかに、プレート式熱交換器1には、なお、第1の流体のための同じような形式で形成された別の通過通路14′と、第2の流体のための別の通過通路14が形成されているが、これら双方の通過通路はこの断面図では見えない。この形式で、プレート式熱交換器1には、一面では、通過開口5′と通過通路14′とこれに連通している中間室とから成る第1の、この場合冷媒のための流体循環路が形成されており、他面では、通過通路14と通過開口5とこれに連通している、熱交換プレート2若しくは2′の間の中間室とから成る第2の、この場合冷却すべき媒体のための流体循環路が形成されている。プレート式熱交換器1の可能な貫流を示すと、右側に示した通過通路14′は矢印aで示すように所属の中間室に分配される冷媒の供給に役立ち、左側に示した通過通路14は矢印bで示すように所属の中間室内に流入する冷却すべき油の供給に役立つ。この場合媒体流の排出は、図示していない通過通路14及び14′によって行われる。
プレート式熱交換器1を別の、部分的に示した部材20、例えば自動車のエンジンブロック、に接続するために、この部材20は、図2において最も下方の熱交換プレート2の平らな下面に相応する接続面22を備えている。この場合通過通路14は第2の流体(冷却すべき油)のための供給・排出通路23を覆い、その際最も下方の熱交換プレート2の複数の通過開口5は第2の流体の供給及び排出のための相応する複数の接続開口を形成する。この場合、第1の流体循環路の通過通路14′は、最も下方の熱交換プレート2の通過開口5′において、相応するシール手段によって接続している部材20に対してシールされ、特に部材の接続面22には接続プレート26の隆起部13の形式の隆起部を設けて、部材20上におけるプレート式熱交換器1の位置決めを容易にすることができる。
接続している部材にプレート式熱交換器1を固定するために、プレート式熱交換器に、熱交換プレート2の平面に対して垂直に延びる通過部15が形成されている。この場合各通過部15は、熱交換プレート2若しくは2′の開口6における互いに重なり合って互いに結合されているカラー7若しくは7′から形成される。例えばろう接による相互の結合によって、互いに接しているカラー7若しくは7′は一種のスリーブを構成し、このスリーブはその軸方向で圧力を負荷可能である。この場合このスリーブの内室が通過部15を形成する。
プレート式熱交換器1を、接続している部材20に固定するために、通過部15を通して坑張ステー、例えばねじ16が導かれ、このねじは一面ではその頭部17でカラー7若しくは7′から形成されているスリーブ上に支えられており、他面では部材20内に錨着されている。図示の実施例では、最も上方の熱交換プレート2′若しくはこれに接している熱交換プレート2のカラー7及び7′の端面は共通に終わっていて、この場合受け箇所として役立つ支持部18を形成しており、この支持部上にねじ頭部17が座金19を介して支えられて、その引き力をプレート式熱交換器1内に導入する。
実施例で示したねじ16と同じ形式で、部材20から出る差しはめボルトあるいはねじ山棒が坑張ステーとして役立つことができ、その際プレート式熱交換器1はこれに相応してねじナットによって部材20に固定される。
図2においては、プレート式熱交換器1は左側で例えば部材20に固定されている。部材20の平らな接続面22には供給導管23が設けられており、この供給導管はプレート式熱交換器1の第2の流体循環路の供給部と連通しており、この供給部には通過通路14,開口5及び所属の中間室が所属している。供給導管23に対して同軸的にリング溝24が部材20の接続面22に形成されており、このリング溝内にはシールリング21が挿入されていて、部材20をプレート式熱交換器1の第2の流体循環路に対してシールする。同じような形式で、部材20の接続面22に別のシールリングを設けて、第1の流体循環路の通過通路14′の開いている端部を部材20に対してシールすることができる。
通過部15を通して導入され、プレート式熱交換器1を貫通するねじ16は部材20のねじ孔25内にねじ込まれている。有利にはプレート式熱交換器1を部材20に錨着するために、それぞれプレート式熱交換器1の1つの角の範囲に配置されている4つの坑張ステー16が使用され、これにより固定力が可及的に一様に分配される。高い圧力が生じた場合でも、プレート式熱交換器1は接続している部材20から持ち上げられることはない。それは、坑張ステー16はその高い引っ張り強度によって、プレート式熱交換器1の生じる容積膨張に対して、プレート式熱交換器1の、部材20とは逆の側の上面から反対作用をするからである。したがってプレート式熱交換器1の容積膨張の結果、プレート式熱交換器1の部材20に対する圧着力が高められ、軸方向シール21におけるシール作用が増大せしめられる。
実施例におけるように、通過部15を熱交換プレート2若しくは2′の普通は長方形の輪郭の内部に配置する代わりに、複数の特別な湾曲部又はアイを熱交換プレート2若しくは2′の外側に設け、これらの湾曲部又はアイに、通過部15を形成するためのカラー7若しくは7′を有する開口6があるようすることもできる。この形式で、熱交換プレート2若しくは2′はやはり坑張ステー16によって貫通されるけれども、プレート式熱交換器1の内部構造及び貫流循環路が不都合な影響を受けることはない。
Claims (6)
- プレート式熱交換器、特に内燃機関用の油・冷媒型冷却器であって、
互いに上下に積み重ねられ、周囲を回るカラー(4,4′)を有している多数の槽状の熱交換プレート(2,2′)と、
第1の流体の供給及び排出のための接続短管(12)を有している接続プレート(26)と、
第2の流体の供給及び排出のための接続開口と、
プレート式熱交換器(1)を別の部材(20)に固定するために固定手段(16)と協働する固定エレメント(15)とを備え、
1つの熱交換プレート(2,2′)の周囲を回るカラー(4,4′)が隣接の熱交換プレート(2,2′)の周囲を回るカラー(4,4′)に、又は接続プレート(26)の縁部に、接触して、接合技術によって緊密に結合され、特にろう接されており、
固定エレメントが、熱交換プレート(2,2′)及び接続プレート(26)の互いに一直線状に重なる開口(6,27)によって形成されている少なくとも1つの通過部(15)を有し、
この通過部(15)を通して、坑張ステー(16)として構成された固定手段を通すことができ、その際プレート式熱交換器(1)を固定するために、坑張ステー(16)が、一端部において通過部(15)の範囲内で接続プレート(26)及び又はこの接続プレートに接している熱交換プレート(2′)に外方から載っており、かつ他端部において部材(20)内に錨着されており、
各熱交換プレート(2,2′)が互いに一直線状に重なる開口(6,27)の範囲内で隣接の各熱交換プレート(2,2′)に対して又は接している接続プレート(26)に対してシールされており、
各熱交換プレート(2,2′)の互いに一直線状に重なる開口(6)がそれぞれ周囲を回るカラー(7,7′)を備えており、その際1つの熱交換プレート(2,2′)の1つの開口(6)の周囲を回るカラー(7,7′)は、隣接する熱交換プレート(2,2′)の接している開口(6)の周囲を回るカラー(7,7′)に、あるいは接続プレート(26)の接している開口(27)に接触して、接合技術によって緊密に結合され、特にろう接されている形式のものにおいて、
開口(6)のカラー(7,7′)が、部材(20)へのプレート式熱交換器(1)の固定状態で、部材(20)から離反する方向へ延びているように、熱交換プレート(2,2′)に配置されており、
接続プレート(26)に接している熱交換プレート(2′)の各開口(6)のカラー(7′)の自由端面が、坑張ステー(16)のための支持部(18)を形成していることを特徴とする、プレート式熱交換器。 - 各開口(6)のカラー(7,7′)及び熱交換プレート(2,2′)の周囲を回るカラー(4,4′)が、熱交換プレート(2,2′)の平面に対して同じ傾斜角を有していることを特徴とする、請求項1記載のプレート式熱交換器。
- 接続プレート(26)に接している熱交換プレート(2′)の各開口(6)のカラー(7′)の自由端面が、隣接する熱交換プレート(2)の開口(6)のカラー(7)の自由端面と共通に終わっていて、その際これらの互いに接している端面が一緒に、坑張ステー(16)のための支持部(18)を形成していることを特徴とする、請求項1又は2記載のプレート式熱交換器。
- 各開口(6)のカラー(7,7′)及び熱交換プレート(2,2′)の周囲を回るカラー(4,4′)が、熱交換プレート(2,2′)の同じ側から出て、突出していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のプレート式熱交換器。
- プレート式熱交換器(1)を相応する部材(20)に固定するために通過部(15)を通して導かれる坑張ステーが、ねじ(16)として構成されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のプレート式熱交換器。
- プレート式熱交換器(1)を部材(20)に固定した状態で該部材に接している熱交換プレート(2)が、少なくとも第2の流体の供給及び排出のための接続開口(5)の範囲において、その外面を平らに構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のプレート式熱交換器。
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