JP3897819B2 - 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造 - Google Patents

芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造 Download PDF

Info

Publication number
JP3897819B2
JP3897819B2 JP53642797A JP53642797A JP3897819B2 JP 3897819 B2 JP3897819 B2 JP 3897819B2 JP 53642797 A JP53642797 A JP 53642797A JP 53642797 A JP53642797 A JP 53642797A JP 3897819 B2 JP3897819 B2 JP 3897819B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkali metal
aryloxide
reactor
metal aryloxide
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP53642797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000508316A (ja
Inventor
サミュエルズ,マイケル,ロバート.
ヤブロフ,ロナルド,エム.
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EI Du Pont de Nemours and Co
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/832,739 external-priority patent/US5928485A/en
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JP2000508316A publication Critical patent/JP2000508316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3897819B2 publication Critical patent/JP3897819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B21/00Arrangements or duct systems, e.g. in combination with pallet boxes, for supplying and controlling air or gases for drying solid materials or objects
    • F26B21/14Arrangements or duct systems, e.g. in combination with pallet boxes, for supplying and controlling air or gases for drying solid materials or objects using gases or vapours other than air or steam, e.g. inert gases
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/42Electrodialysis; Electro-osmosis ; Electro-ultrafiltration; Membrane capacitive deionization
    • B01D61/44Ion-selective electrodialysis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/02Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides from salts of carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/15Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction of organic compounds with carbon dioxide, e.g. Kolbe-Schmitt synthesis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

発明の技術分野
本発明は、アルカリ金属アリールオキシドを乾燥させる方法および/またはアルカリ金属アリールオキシドを二酸化炭素と反応させる方法に関する。これらの方法は芳香族オキシカルボン酸の製造に有用である。
発明の背景
芳香族オキシカルボン酸は薬剤および抗微生物薬合成の化学中間体として、またポリエステル製造用モノマーとして使用される。例えば、o−オキシ安息香酸(OHBA、サリチル酸)は例えばアスピリンを製造する化学中間体として使用されており、p−オキシ安息香酸(PHBA)はパラベンの製造に使用されると共にポリエステルの製造の際にモノマーとしても使用されている。これらはアルカリ金属アリールオキシドを使用して製造できる。
アルカリ金属アリールオキシドは通常、フェノールなどのアリールオキシ化合物と水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基を含有するアルカリ金属との反応によって製造される。この反応は水の存在下で実施でき、かつ、反応中に水が生成される。
これらのアリールオキシドはオキシカルボン酸を製造するコルベ−シュミット反応など種々の化学的方法の化学中間体として有用である。例えば、A.S. Lindseyらによる、Chem. Rev., vol. 57, p. 583-620(1957)を参照されたい。これらの方法のいくつかでは、アリールオキシドからほぼ全ての水を除去することが望ましい。これは典型的には、アリールオキシドを真空状態におく、および/または乾燥した不活性ガスを通過させながら、固体(または、初期にはアリールオキシドの水溶液で、最終的には固体になる)のアリールオキシドを加熱して、実施する。しかし、これには非常に時間がかかり、そのため費用がかかるため、改良された乾燥法が有利であろう。
アルカリ金属アリールオキシドを乾燥させた後、これを二酸化炭素と反応させて、(通常は)芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩を形成し、これを硫酸などの強酸との反応により遊離のオキシ酸とすることができる。これは通常、粉末のアルカリ金属アリールオキシドを長時間、二酸化炭素にさらすことにより行われるが、CO2との反応に新しい固体表面をさらすために、固体(または反応の間に形成されて得られたペースト)を粉砕できる容器内で実施することが多い。従って、コルベ−シュミット反応のための改良されたカルボキシル化方法は工業的に興味深い。
カナダ特許第881,906号および米国特許第3,554,264号は、乾燥用の気体が250〜500℃でカラムに入る噴霧乾燥カラム内でアルカリ金属フェネートを乾燥させる方法を記している。アルカリ金属フェノキシドの温度がそのフェノキシドの融点以上に達することも、乾燥フェノキシドが常に液体であることも述べてはいない。
発明の概要
アルカリ金属アリールオキシドを乾燥させるための本発明の方法は、アルカリ金属アリールオキシドが溶融状態にある間に、アルカリ金属アリールオキシドから最終的には水を除去することを含む。
さらに、芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩を製造する本発明の方法は、アルカリ金属アリールオキシドの融点付近の温度または融点より高い温度で、かつアルカリ金属アリールオキシドを二酸化炭素と接触させることを含む。
芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩を製造する本発明の別の方法は、
(a)前記アルカリ金属アリールオキシドが溶融状態にある間に、アルカリ金属アリールオキシドから最終的には水を除去することと、
(b)アルカリ金属アリールオキシドの融点付近の温度または融点より高い温度で、撹拌しながら、前記アルカリ金属アリールオキシドを二酸化炭素と接触させること
を含む。
本発明はまた、芳香族オキシ化合物の金属塩と二酸化炭素との間のコルベ−シュミット反応を使用して芳香族オキシカルボン酸を製造する改良された方法も開示し、請求の範囲に記載しているが、この方法では、反応の間にペーストが生成され、その改良には、二酸化炭素との反応を絶対圧約0.8〜2気圧で、かつ、内容物が撹拌され、気体が反応器を比較的自由に通過でき、存在する固体および/または液体成分と接触しうるのに十分な自由体積がある反応器内で実施することを含むが、ここで、
撹拌は、前記反応器内の非気体反応体の平均滞在時間が約2時間未満とするに十分なものであり、
前記反応器中で前記芳香族オキシ化合物の金属塩の少なくとも80モル%が前記二酸化炭素と反応し、
前記反応器が気体出口孔を有する。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1に使用する装置の概略図であり、
図2は、カリウムフェノキシド−水系の凝固点のグラフであり、その系の種々の液圧での溶液の沸点も示している。
発明の詳細な説明
本発明で乾燥される化合物はアルカリ金属アリールオキシドである。アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムまたはルビジウムのいずれかを意味する。カリウムおよびナトリウムが好ましいアルカリ金属であり、カリウムが特に好ましい。アリールオキシドとは、構造Ar−O-の一価の陰イオンを意味する。ただし、ここではArはアリール基または酸素が芳香環の1つの炭素原子に結合している置換アリール基である。前述の一般性を限定することを意図するものではないが、有用なアリール基は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フェニルフェニルおよび3−メチルフェニルを含む。好ましいアリール基はフェニル、2−フェニルフェニルであり、2−ナフチルおよびフェニルがより好ましく、フェニルが特に好ましい。
アルカリ金属アリールオキシドは、強塩基(アリールオキシドの陰イオンより強い)と対応の芳香族オキシ化合物であるAr−OHとの反応により製造されてもよい。好適な塩基はアルカリ金属の水酸化物であり、これは比較的安価なことが多い。この反応は水中で実施されるか、または、典型的には、ほぼ等しい量の芳香族オキシ化合物とアルカリ金属の水酸化物とを使用することにより、固体のアルカリ金属の水酸化物(これは一般にいくらか水分を含んでいる)を溶融芳香族オキシ化合物と反応させることにより実施することができる。例えば、45%のKOH水溶液をフェノールと反応させることができる。
本明細書で乾燥させるとは、アルカリ金属のアリールオキシドから水分を除去することを意味する。最終的な「乾燥」アリールオキシドの水分含量は水2000ppm未満、好ましくは水500ppm未満、より好ましくは水100ppm未満であるのが好ましい。当技術分野で現在実施されている典型的な乾燥法では、アルカリ金属アリールオキシドの水溶液を加熱して、水を留去または蒸発除去する。最終的に、アルカリ金属アリールオキシドの濃度が高くなるので、溶液から析出され、かつ乾燥の最終段階は固体のアリールオキシドについて実施する。水を除去する間に、好ましくは乾燥した不活性ガスをアリールオキシドに通過させるか、アリールオキシドを真空状態におくか、またはその両方により、水蒸気の除去を促進する。
本明細書に開示の乾燥法では、乾燥の最終段階を十分高温で実施するため、アルカリ金属アリールオキシドは溶融状態である。このことは、この最終的な(すなわち、「最後の」水が除去される)乾燥は、乾燥したアルカリ金属アリールオキシドの融点付近または融点より上の温度で実施されることを意味する。1つの乾燥法では、アリールオキシド(およびそれに伴う水)の温度をアリールオキシドの融点またはそれを超えるまで連続的に上昇させる。この間に、1つの相として開始される可能性があるものは、水およびアリールオキシドを含む液体が固体のアリールオキシドまたは固体と液体のアリールオキシドに変換され、次いで、固体が形成された場合には、アリールオキシドの融点に近づき、および/または、融点を超えると、固体が単相の液体に戻るであろう。この間に、不活性ガスをアリールオキシドに通し、および/または、真空状態にする。固体であっても、液体であってもアリールオキシドを撹拌すると、通常、乾燥が加速される。アリールオキシドが溶融状態になったときに、最後の水が除去される。
乾燥を実施する別の方法は大気圧または高圧でアリールオキシドの融点を超えるまで、水とアルカリ金属アリールオキシドの混合物を加熱することであり、従って、十分な水が存在するために、単一の液相が維持される。温度がアリールオキシドの融点に近づくと、圧力を低下させて、水を気化させることができ、かつ乾燥は上記のように完了する。水の気化では液体は十分冷却されないので、最後の乾燥段階で固体が形成されることに注意しなければならない。
アリールオキシドの脱水に関する上記の考察を、カリウムフェノキシドの脱水で説明しており、この脱水に関する相のグラフを図2に示す。この図は実験室で適当に測定して得たものであるが、データを簡略化し、気相中の水の分圧が低いときにはヘンリーの法則に従うものと仮定して、種々の圧力での曲線を平行にした。従って、この図の全てのデータは近似値と考えるべきである。実線はカリウムフェノキシド/水系の凝固点を示している。横軸は存在するカリウムフェノキシドの重量分画(水がもう一方の重量分画である)であり、縦軸は摂氏で示す温度である。点線は示した圧力(0psigまたは0kPagは大気圧である)におけるこの系の水の沸点を示している。0kPag(0psig)でカリウムフェノキシドの体積(重量)分画が約0.93〜0.98であるように、凝固点の曲線がこの系の水の沸点より上にある場合には、水が系から気化されるにつれて、系は部分的に固体になるであろう。カリウムフェノキシドの体積(重量)分画が約0.98より上では、水が0kPag(0psig)で除去されるため、系は液体となろう。しかし、系の圧力を約68.9kPag(10psig)以上に維持すると、水の除去の間を通して液体のままであろう。
溶融アルカリ金属アリールオキシドからの最後の水の除去は通常、迅速に進行し、その結果、乾燥プロセスがより経済的になる。
勿論、アルカリ金属アリールオキシドは乾燥の間に感知できるほどには分解しないこと、すなわち、その融点付近または融点より上でかなり安定であることが好ましい。従って、アルカリ金属アリールオキシドの融点は400℃未満であることが好ましく、より好ましくは約350℃未満、特に好ましくは約320℃未満である。好ましい最低乾燥温度はアルカリ金属アリールオキシドの融点であるか、または275℃のいずれかの高い方である。乾燥の(最後の部分で)で言及される温度がアルカリ金属アリールオキシド自体の実際の温度である。融点は25℃/分の速度で、示差走査熱量測定で測定し、融点は融解吸熱反応の外挿初期温度として得られる。
好ましいアルカリ金属アリールオキシドはカリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシドおよびカリウム2−ナフトキシドであり、カリウムフェノキシドが特に好ましい。
乾燥プロセスは関係する物質および温度での使用に好適な任意の容器で実施できる。ステンレス鋼が特に好適である。乾燥プロセスの一部を圧力下および/または真空下で実施しようとする場合、そのレベルの容器でなければならない。容器中に存在する可能性のある液体および/または固体を撹拌して、熱伝導を改善し、アリールオキシドからの水の気化を促進することが望ましい。容器およびその内容物は、Dowtherm(登録商標)熱伝導流体(ミシシッピー、Midland所在のDow Chemical社から入手できる)などの凝縮蒸気による方法、電気的方法、高温オイルによる方法などの定法で加熱できる。
生成される乾燥アリールオキシドを冷却固化し、従来のコルベ−シュミット法に使用するか、溶融物のままCO2と反応させて、芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩とすることもできる。
コルベ−シュミット合成に関係する化学反応は次のように表すことができる:
ArOH+MOH→ArOM+H2O (1)
2ArOM+CO2→M2(OArCO2)+ArOH (2)
2(OArCO2)+2H+→HOArCO2H+2M+ (3)
上記式中、Mはアルカリ金属であり、かつArは、適当なアリール、置換アリール、置換アリレンまたはアリレン基である。式(1)は簡単な、アルカリ金属アリールオキシドの形成であり、その乾燥については上記した。「乾燥」アリールオキシドをCO2と反応させて、通常は芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩を形成する。次に、この塩を酸性化して、芳香族オキシカルボン酸(本明細書では、「遊離」芳香族オキシカルボン酸と呼ぶこともあり、これは塩ではないことを意味する)を形成することができる。
上述のように、式(2)の反応は、典型的には約150〜250℃の温度範囲で、固体のアルカリ金属アリールオキシドをCO2にさらすことにより実施される。通常は、なんらかの形の撹拌または粉砕により、すべての固体をCO2にさらすことができる。所望の芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩はこれらの条件下で固体であるが、形成された芳香族オキシ化合物は液体であり、これは最終的に、沸騰するか、CO2(または他の気体)中に蒸発されることが多い。従って、この反応では、固体粉末からペーストになり、固体粉末となることが多く、固体と気体を完全に反応させることが難しいため、完了するまで長時間かかる反応が必要となる。
溶融アルカリ金属アリールオキシドをCO2と、特に撹拌しながら、反応(接触)させると、反応時間を非常に短縮することができる。この場合、初期の物質は液体であり、固体の芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩と液体の芳香族オキシ化合物が形成されるにつれて、通常ペーストとなる。これは、芳香族オキシ化合物が沸騰するか、または混合物から気化されると、徐々に乾燥した固体となる。
アルカリ金属アリールオキシドは溶融状態で反応させるのが望ましいため、アルカリ金属アリールオキシドの融点付近または融点より上で接触を実施すべきである。得られた芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩は最終的に冷却することが一般に望ましいため、CO2との反応の最後の20モル%までアルカリ金属アリールオキシドの融点未満で実施できるが、この反応の少なくとも90モル%、より好ましくは98モル%をアルカリ金属アリールオキシドの融点付近または融点より上で実施するのが好ましい。
CO2との接触の際、もちろん、アルカリ金属アリールオキシドまたはこのプロセスに存在するその他の物質のいずれも感知できるほどには分解されることはなく、すなわち、このプロセス温度でかなり安定であることが好ましい。従って、アルカリ金属アリールオキシドの融点は400℃未満であるのが好ましく、約350℃未満がより好ましく、約320℃未満が特に好ましい。好ましい最低温度はアルカリ金属アリールオキシドの融点または275℃のいずれか高い方である。
CO2との反応において、有用なアリール基には、フェニル、1−ナフチル,2−ナフチル、2−フェニルフェニルおよび3−メチルフェニルを含む。好ましいアリール基はフェニル、2−フェニルフェニルおよび2−ナフチルであり、フェニルおよび2−ナフチルがより好ましく、フェニルが特に好ましい。好ましいアルカリ金属アリールオキシドは、カリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウム2−フェニルフェノキシドおよびカリウム2−ナフトキシドであり、カリウムフェノキシドおよびカリウム2−ナフトキシドがより好ましく、カリウムフェノキシドが特に好ましい。好ましい生成物(その親の芳香族オキシカルボン酸として表すが、元々その二アルカリ金属塩として生成される)はサリチル酸、p−オキシ安息香酸、3−フェニル−4−オキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトイン酸であり、p−オキシ安息香酸が特に好ましい。
CO2反応の構築に特に好適な物質はアルカリ金属アリールオキシドの乾燥について上記したものと同じである。この反応に有用な種類の装置は、リボン・ブレンダ、LIST社(Arisdorf、スイス)製で種々のサイズが入手できるLIST−CRPおよびLIST ORP、Littleford Day社(フローレンス、KY、アメリカ)製のLittleford VTシリーズの真空乾燥器、またはKrauss-Maffei Verfahrenstechnik Gmbh(ミュンヘン、ドイツ)製のReactotherm RTを含むが、これらには限定されない。反応はバッチ式、半連続式または連続式で実施できる。例えば、改良型スクリュー・コンベア反応器が使用できる。スクリュー・コンベア反応器は当業界で公知であり、例えば、B. Elvers他編、Ulmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol. B4、第5版、VCH Verlagagesellschaft、Weinhem、1992、p. 111-112を参照されたい。これらは通常、固体および液体を含む反応器に使用される。改良型スクリュー・コンベア反応器とは、気体が反応器を比較的自由に通過でき、かつ存在する固体および/もしくは液体成分と接触できるのに十分な自由体積を有する反応器またはその均等物を意味する。このような反応器は1つもしくは複数の回転シャフトまたは高速チョッパなどの他の撹拌を促進する手段を有していてよい。均等物とは、液体および/または固体の反応物を適当な速度(所望の滞在時間)で反応器内を移動させることができ、CO2を含むこの場合には、同時に固体および/または液体の新しい表面を気体雰囲気に露出させるすべての反応装置を意味する。反応容器に沿ってまたは反応器を通して1つまたはそれ以上の点で1つまたはそれ以上の気体を添加するための供給部、および好ましくはさらに、システムに加えたすべての過剰な気体および/またはこのプロセスの間に発生した揮発性物質を除去するための口を有するのが好ましい。「スクリュー型」のコンベア反応器を使用する場合は、反応器の「スクリュー」は中実スクリューである必要はないが、スクリュー・シャフトとスクリューの周囲との間に空間を設けた分割式スクリューであってよい。スクリューまたは撹拌器のシャフトには芯部を設けて、熱伝導流体またはCO2および/またはその他の気体を通過できるようにしてもよい。CO2および/またはその他の気体の場合、シャフトに孔を設けて、気体が反応中の塊と接触しながら通過できるようにしてもよい。
上記のように、CO2と2当量のアルカリ金属アリールオキシドとを反応させると、1当量の芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩と1当量の元の芳香族オキシ化合物が生成される。実際には、芳香族オキシ化合物は通常、そのプロセス温度で融点より上であり、かつ形成された二アルカリ金属塩と固体(その融点未満)のアルカリ金属アリールオキシドのペーストが形成される。このペースト形成の結果、CO2と出発物質のアルカリ金属アリールオキシドとの混合が困難になり、その結果、反応が遅くなる。さらに、アルカリ金属アリールオキシドとCO2との反応性は遊離芳香族オキシ化合物の存在下で低下すると考えられている。
このペーストの形成が、ボールミルなどでの工業的に一般に実施されているコルベ−シュミット法で経験する、通常少なくとも数時間の長時間にわたるプロセス・サイクルの原因と考えられている。この問題を克服するために、内容物を撹拌する撹拌器を有する反応器が望ましい。撹拌器および撹拌器ドライブ(すなわち、撹拌器用の動力)は、特に反応ペースト相において撹拌器が反応器の内容物を混合するのに十分強力なものであり、従って、CO2との比較的速い反応速度が維持されるものでなければならない。(溶融アルカリ金属アリールオキシドを反応させる場合について)上述したような反応器が好適であり、かつ改良型スクリュー・コンベア反応器(上記)が好ましい型の反応器である。好適な改良型スクリュー・コンベア反応器のこのようなラインの1つはLIST社(Arisdorf、スイス)製で種々のサイズがあるLIST−CRPおよびLIST ORPである。別の種類の好適な反応器はKrauss-Maffei Verfahrenstechnik Gmbh(ミュンヘン、ドイツ)製のReactotherm RTである。
反応器は、スクリュー・コンベア・システムに沿ってまたは反応器を通して1つまたはそれ以上の点で1つまたはそれ以上の気体を添加するための供給部、および好ましくはさらに、システムに加えたすべての過剰な気体および/またはこのプロセスの間に発生した揮発性物質を除去するための口を有するのが好ましい。
反応器の撹拌器は、本質的に自浄作用がある、すなわち、本質的にスクリューまたはバレル表面に付着しうるすべての物質が拭き取られるか、または表面から除去されて、反応器中に過剰な時間存在しないようにするものであるのが好ましい。上述のように、反応器のドライブは、反応器中で固体および/または液体を気相と常に混合し、CO2の反応速度を低下させないように、反応器の内部で形成される固体またはペーストにより生じる可能性あるすべての抗力を克服できるに十分強力でなければならない。
大部分のコルベ−シュミット反応は高温で行われ、従って、通常、反応器を加熱する手段がなければならない。このような手段は当業者に公知であり、かつ水蒸気またはその他の凝縮蒸気、高温の液体、電熱等を含む。
反応はバッチ式、セミバッチ式または連続式で実施でき、かつ連続式で実施するのが好ましい。また、固体のアルカリ金属アリールオキシドは反応器の第一端部に供給され、かつ反応器の第二端部まで連続的に反応器中を移動し、第二端部から反応器外に出るのも好ましい。好ましくは、CO2の少なくとも一部を反応器の第二端部に加え、(好ましくは反応器内の固体および液体の動きとは逆向きに)反応器の第一端部に向かって移動させる。より大量のCO2を反応器に沿った他の点で加えることもできる。好ましくは、添加するCO2の量はほぼ化学量論量(添加した金属アリールオキシドとの反応に必要な量)から化学量論量の約5倍までであり、より好ましくは化学量論量の約2〜4倍である。
適宜、窒素などの不活性ガスも反応器に添加してよい。過剰なCO2および/または不活性ガスは反応中に形成される副産物の芳香族オキシ化合物の除去を促進し、従って、反応器中でのペーストの形成を減少させるのに役立つ。上述のように、芳香族オキシ化合物の存在はアルカリ金属アリールオキシドとCO2との反応速度を低下させることが知られており、従って、芳香族オキシ化合物を除去するとプロセス全体の時間が短縮されると考えられている。
また、コルベ−シュミット反応は使用する芳香族オキシ化合物の多くの大気圧下での沸点より高い温度で実施されることも示しておく。そのため、過剰のCO2および不活性ガスを反応器に加えなくても、反応器に換気口があれば、多くの場合、芳香族オキシ化合物の多くは単純な気化により除去できる。反応熱は、遊離の芳香族オキシ化合物の気化を促進し、サイクルの時間をさらに減少し、かつ熱効率をさらに改善するために利用できる。
反応器内でのアルカリ金属アリールオキシド(またはそのCO2との反応生成物)の平均滞在時間は約1時間半未満であるのが好ましく、約1時間未満がさらに好ましく、約30分未満が特に好ましく、かつ約15分未満が非常に好ましい。2時間未満または上記のいずれかの時間で、好ましくは元のアルカリ金属アリールオキシドの少なくとも80モル%、より好ましくは少なくとも90モル%、特に好ましくは少なくとも95モル%であり、かつ最も好ましくは少なくとも98モル%がCO2と反応することである。バッチ式反応器内の滞在とは、バッチでの反応時間を意味する。セミバッチ式および連続式反応での平均滞在時間とは通常の意味である。
好ましくは、反応器の内部は周囲大気圧で±20.0kPA(0.2バール)である。周囲圧またはそれより上の圧力では反応器内の酸素または水分などの大気ガスの漏れが最小となる。このような市販の反応器の気密性を得るには費用がかかり、かつ困難である可能性がある。
好ましくは、アルカリ金属はナトリウムまたはカリウムであり、より好ましくはカリウムである。撹拌器付き反応器でのプロセスに好適なアリールオキシド陰イオンは溶融アルカリ金属アリールオキシドの乾燥および/または反応を含む方法について上記したものと同じである。
実施例1
この実施例は図1に概略的に示した装置で実施した。この方法はCRP−6バッチ式反応器1内で実施し、反応器1内に窒素または二酸化炭素を、ロータメータ2およびそれに結合した、窒素シリンダ3およびCO2シリンダ4それぞれからのバルブ19および20を介して通すことができる。反応器1に通す二酸化炭素の量は、秤5でCO2シリンダ4の重量損失を計ることにより測定した。反応器1は高温オイル循環システム6(ヒータ7を含む)で加熱した。揮発性物質は、ダスト・フィルタ8を通して、凝縮器9内に除去した。ついで、凝縮された液体はバルブ17を通ってレシーバ10に流れるが、重さを秤11で計って、回収した凝縮可能物質の量を定めることができる。凝縮器9は図示したように、水/グリコールを再循環させる。図示したトラップおよび排気/真空ポンプにより真空状態を得る。図面全体を通して、種々の温度ゲージ「T1」および圧力ゲージ「P1」でこの方法の追跡を促進する。反応器1はスタンド18に載せてある。他の有用な接続したバルブ21を図示する。
ペレット状の水酸化カリウム(KOH、4.16kg)(J.T. Baker社から購入した「Bakerが分析したACS級」、最小アッセイ値KOH85重量%、残部は大部分水)を、添付の概略図に示すように、高温オイル・システム6、上記排出口12および2つの気体注入口13、14を具備するList社のCRP−6ツインシャフト混合機(CRP−6バッチ式反応器1)に入れた。システム全体を1.3kPaの圧力下で真空排気し、かつ合計で3回窒素ガスを大気圧まで再充填し、KOHおよびシステムの雰囲気から酸素を除去した。次に、5.97kgの不緊密(loose)な結晶フェノール(PhOH、Lancaster Chemical社から購入)を蒸気排出口12の頂部の注入口からミキサに入れた。ミキサを約5分間動かし、フェノールの結晶が反応器1内に確実に落ちるようにし、かつシステムを約2.7kPaまで真空排気し、窒素を合計3回周囲圧まで再充填して、フェノールと共に導入されたすべての酸素を除去した。この時点で、冷却水を凝縮器9に供給し、かつ高温オイル・ヒータ7の設定点を室温から225℃に上昇させ、かつミキサの撹拌器ドライブを、CRP−6バッチ式反応器1の低速シャフトでのミキサ速度が75RPM,高速シャフトでのミキサ速度が94RPMとなるようにそれぞれ設定した。この実験の加熱の間に、約0.28m3/h(STPで酸素について較正したロータメータ2で測定)の窒素スイープ・ガスが供給された。このスイープ窒素の大部分はドライブ・ギアに最も近い反応器1の側部に注入された。ユニット内で内部熱電対が約120℃を示したとき、内容物は溶融して透明な液体(CRP−6バッチ式反応器1のギア・ドライブから最も遠い端部にあるのぞき窓15を通して見える)となったが、水(KOHと共に導入された水と、フェノールと水酸化カリウムが反応してフェノキシドと水を生成する反応から遊離した水との両者である)の中のカリウムフェノキシド(PhOK)溶液であると考えられる。内容物の温度が約160℃に達すると、溶液は沸騰し始め、水がレシーバ10に集まり始めた。溶液温度が約180℃に達すると、溶液全体に非常に激しい沸騰が認められた。プロセス温度が上昇するにつれて、溶液の粘度が急速に上昇し、約190℃の温度で溶液は固化し始めた。固化が完了すると、水の遊離速度は顕著に低下し、かつ高温オイル・ヒータ7の設定点を325℃に上昇させた。徐々に水を発生させながら、加熱を続けた。プロセス温度が280℃に近づくと、固体は溶融し始め、少量の溶解した水を含むカリウムフェノキシドの透明な溶融物が得られた。プロセス温度が290℃になったとき、高温オイル・コントローラ(図示せず)を310℃に設定し、窒素スイープ流を0.56m3/hに上昇させた。この高速の窒素流を15分間継続したが、この間に、0.064kgの水がさらに回収された(全部で2.57kgの水が集められた)。
この時点で、CRP−6バッチ式反応器1には約60%の溶融/脱水フェノキシドが充填されていた。窒素スイープ・ガス流を止め、指示した1.68m3/h(STPで空気について較正したロータメータで測定)の流速の二酸化炭素流を導入した。二酸化炭素流を2つの流れに分けた。1つは反応器1のドライブ端から最も遠い端部でフェノキシド上の蒸気空間に導入され、2つ目の流れは反応器1のドライブ・ギアに最も近い端部でフェノキシドの表面のやや下に導入された。二酸化炭素の約2/3はギア・ドライブに最も近い口から導入し、約1/3は別の口から導入した。二酸化炭素ガス導入直後に、のぞき窓15を通して、元は透明であった溶融物の白濁が認められた。二酸化炭素ガスはこの流速で80分間供給するが、この間に合計で4.3kg(デジタル式秤で測定した重量)がCRP−6バッチ式反応器1に導入された。二酸化炭素を導入する間、プロセス温度は比較的一定に290℃(+/−2℃)に維持した。二酸化炭素導入の最初の約40分間には、レシーバ10で比較的ゆっくりとフェノールが集められ(この期間で合計で0.97kgのフェノールが集められた)、かつフェノキシド溶融物が徐々に濁ってくるが、固体含量の低いスラリーのままのように見えた。二酸化炭素流を約40分間流した後、CRP−6反応器1内の物質は湿ったペーストの外観を示し始め、かつミキサ撹拌器の速度を一定に維持するのに必要な液圧と同様に、フェノールの収集速度が上昇し始めた。次の10分間に、撹拌器の液圧を二酸化炭素流の初期の間の数値と同じに戻すと、さらに0.74kg(合計1.71kg)のフェノールが集められた。その直後に、CRP−6バッチ式反応器1ののぞき窓15を通して見られるペーストは乾燥したように思われ、かつ短時間に非常に高いフェノールの発生が認められた。二酸化炭素を70分間流した後、合計で2.79kgのフェノールが集められ、生成物p−オキシ安息香酸の二カリウム塩が乾燥した/ぼろぼろの粉末(loose powder)として現れ、かつフェノールの発生速度は顕著に低下した。次の10分間は、さらにフェノールが集められることはほとんどなく、このプロセスは終了した。二酸化炭素ガスを注入する代わりに0.28m3/h(STPで空気について較正したロータメータ2で測定)の窒素ガスを注入し、高温オイル・ヒータ7のコントローラを10℃に設定し、かつ循環オイルを冷却した。次の90分間で、プロセスの温度が45℃に低下した。この時点で、ミキサの撹拌器を停止し、窒素スイープ・ガス流を止め、循環オイル流を止めた。反応器の端部プレートを取り外し、かつ、さらに調べるために、粉末状の生成物を取り出した。ミキサ1から合計6.67kgの固体が取り出された。この大部分(約6・40kg)は自由に流動するクリーム色の粉末の形態であり、一方、約0.27kgは蒸気排出ラインから塊として回収された。
粉末を、較正のための適当な化合物を使用する高圧液体クロマトグラフィで分析した。分析前に、カリウム塩を遊離化合物に変換した。(試料の元の重さに対する)分析により、61.14重量%のPHBA(元の試料中94.87重量%の二カリウム塩と等しい)および0.39重量%のフェノール(元の試料中0.56重量%のカリウムフェノキシドに等しい)が存在することが示された。4−オキシイソフタル酸およびサリチル酸は検出されなかった。
実施例2
3穴ガラス・トップを備えた1リットルの316ステンレス鋼樹脂製ケトル(Lab Glass Suppliesから購入)に水酸化カリウム(KOH)のペレット(アッセイ値>85%)を131.8g入れた。ペレットを入れた後、充填用ロートを凝縮器官および凝縮物レシーバと置き換え、樹脂製ケトル中で生成された凝縮可能な蒸気をすべて凝縮し、かつレシーバ内に収集して樹脂製ケトルから外に出す。KOHペレットを700Paの圧力下で真空排気し、かつ窒素を再充填して、KOHから酸素を除去した。この間、樹脂製ケトルを溶融液体金属浴上につり下げ、鋼製の容器に十分熱を拡散させると、KOHのペレットが融解し始めるのが観察された。次に、500gの溶融フェノールを、配置された滴下ロートに入れると、フェノールがトップの穴の1つを介してプロセス容器内に直接放出することができた。溶融フェノールの一部をこのプロセスに入れた。最初は非常に激しい反応が認められたが、得られた容器の内容物を激しく機械的に撹拌しながら、非常にゆっくりと、残りのフェノールを入れた。フェノールの投入が完了するまでに、投入したすべてのKOHを完全に融解/溶解させた。フェノールの投入が完了した後、滴下ロートを取り外し、かつ窒素を入れるために接続した排気管に取り替えた。樹脂製ケトルの高さの約40%が液体金属で覆われるように、溶融金属浴を持ち上げた。金属浴の温度コントローラを170℃に設定したが、フェノールおよびKOH間の反応熱により金属浴の温度は205℃に上昇した。溶融金属浴の温度コントローラの設定点を220℃に上げた。加熱が進むと、乳白色の凝縮物が収集された。プロセス温度が金属浴の温度に近づくにつれて、凝縮物は乳白色から透明に変化した。溶融金属浴の温度コントローラの設定点を240℃に上げ、かつ樹脂製ケトルの高さの80%以上が液体金属で覆われるように浴それ自体を持ち上げた。液体金属浴の温度コントローラの設定点を次の30分かけて300℃まで上げ、かつ水の除去を促進するために、窒素をゆっくりと流しながら、浴をこの温度に約1時間おいた。この後、金属浴を下げて、樹脂製ケトルと接触しないようにし、かつヒータを止めた。樹脂製ケトル中の液体の温度を熱電対で測ると266℃であった。熱電対を取り除いてから、室温まで冷却される間に、樹脂製ケトルを少量の窒素流でスイープした。液体(304g)を凝縮物レシーバに集めた。回収された固体は、カール・フィッシャ滴定で測定し、1.1%の水を含んでいた。
実施例3
水酸化ナトリウムのペレット(40g)を実施例2に記載の1リットルのステンレス鋼樹脂製ケトルに入れ、かつ400Pa以下となるまで真空排気し、窒素を3回大気圧まで再充填して、酸素を除去した。次に、ぼろぼろの結晶性フェノールを100.0g、粉末ロートを通して、窒素で覆われた容器に入れた。次に、容器を6.6kPaまで真空排気し、かつ大気圧まで2回再充填して酸素を除去した。窒素ガスの排気を容器、凝縮器および凝縮物レシーバを横断して形成し、反応塊全体からの揮発性物質の除去を促進した。次に、ステンレス鋼樹脂製ケトルの縦の高さの80%を覆うように、200℃に維持した溶融液体金属浴を持ち上げた。浴温度コントローラを318℃に設定し、機械的撹拌器のスイッチを入れた。浴、樹脂製ケトルおよび反応塊を加熱すると、水および過剰のフェノールが沸騰して排出された。金属浴の温度は約35分後に318℃に達した。さらに20分間加熱を続けてから、溶融金属浴を下げて、ヒータを止めた。
容器がほぼ室温まで冷却された後、容器を開けて、内容物を調べた。視覚的検査は、実験終了時、小分画は明らかに凍結した粉末であるが、容器の内容物の大部分は溶融物であることを示した。溶融相にあった物質を示差走査熱量測定にかけると、272℃ではっきりとした融点が示された。ナトリウムフェノキシドを180℃に加熱し、真空排気したオーブン内に数時間おいた後、DSCトレースには本質的に何の変化も認められなかった。
実施例4
水酸化カリウムのペレット(66.0g)を実施例2に記載の1リットルのステンレス鋼樹脂製ケトルに入れ、かつ400Pa以下となるまで真空排気し、かつ窒素を3回大気圧まで再充填して、酸素を除去した。次に、不緊密な結晶性2−ナフトールを144.2g、粉末ロートを通して、窒素で覆われた容器に入れた。次に、容器を6.7kPaまで真空排気し、かつ大気圧まで2回再充填して酸素を除去した。窒素ガスの排気を容器、凝縮器および凝縮物のレシーバを横断して形成し、かつ反応塊全体からの揮発性物質の除去を促進した。次に、ステンレス鋼樹脂製ケトルの縦の高さの80%を覆うように、200℃に維持した溶融液体金属浴を持ち上げた。浴温度コントローラを318℃に設定し、機械的撹拌器のスイッチを入れた。浴、樹脂製ケトルおよび反応塊を加熱すると、水および過剰のフェノールが沸騰して除去された。金属浴の温度は約30分で318℃に達した。さらに30分間加熱を続けてから、溶融金属浴を下げて、ヒータを止めた。
容器がほぼ室温まで冷却された後、容器を開けて、内容物を調べた。視覚的検査により、加熱終了時、容器の内容物のほぼ全体は溶融物であることが示された。回収したカリウム2−ナフトキシドを示差走査熱量測定にかけると、243℃でシャープな融点が示された。
実施例5
この実施例では、添加したCO2および回収したフェノールの重量を測定する秤5および11がないこと以外、図1に示したものと同様の装置を使用した。
水酸化カリウム(2.7kg)およびフェノール(4.0kg)を窒素下でCRP−6バッチ式反応器1に加え、反応器1を真空下におき、次いで、周囲圧の窒素下および窒素パージ下においた。反応器の加熱を開始し、かつ2本の撹拌器シャフトを30/37rpmで回転するように、次に53/67rpmで回転するように設定した。この間に、水を蒸留した。内容物の温度が255℃に達したときに、25分間真空状態にし、最後の微量の水を除去した。この時点では、反応器1内に粉末があった。
次に、反応器内容物の温度255℃で、CO2を1.99〜2.26m3/h(70〜80SCF/h)の速度で72分間(凝縮器10の中にフェノール・プラグが形成された短時間2回を除く)加えた。さらに、CO2添加の最初の37分間に、0.57m3/h(20SCF/h)の窒素も加えた。プラグが凝縮器10の中にある短時間2回を除き、反応器1内部の圧力はほぼ周囲圧であった。CO2の添加を開始した直後、反応塊はペースト状になり、その後、CO2の添加が進むにつれて、徐々に乾燥した粉末となった。撹拌器ドライブの動力消費も、CO2添加開始直後に、反応塊がペースト状となるのをほぼ同時にピークに達した。動力消費はその後ゆっくりと低下した。生成物の分析を表1に示す。
実施例6
この実施例は、乾燥およびCO2との反応を272〜274℃で実施し、CO2は流速2.26m3/h(80SCF/h)で58分間(システムのプラグなし)流し、かつCO2の添加の間には窒素流を流さなかった以外は実施例5とまったく同じに実施した。CO2添加の間、実施例5と同様の観察が行われた。生成物の分析を表1に示す。
実施例7
この実施例は、乾燥およびCO2との反応を反応器内容物の温度を269〜271℃で実施し、乾燥は窒素流0.57m3/h(20SCF/h)下で実施し、かつCO2は流速2.26m3/h(80SCF/h)で67分間添加した以外は、実施例5とまったく同じに実施した。CO2添加の間、実施例5と同様の観察が行われた。生成物の分析を表1に示す。
Figure 0003897819
この表中、収量は、化合物がアルカリ金属塩として存在した元の試料全体に対する割合(%)で示す。実際の分析は、遊離化合物について、すなわち適当な標準物質を使用して酸性化した後に、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)で実施した。「塩の総量」は、分析によって明らかにされた試料の総量の、HPLC分析結果を用いるバックカリキュレーションに基づいる。「失われる」物質はカリウム(二)炭酸塩およびおそらく他の無機酸塩であると思われる。表中[N/D]は検出されなかったことを意味する。

Claims (8)

  1. アルカリ金属アリールオキシドを乾燥させる方法であって、前記アルカリ金属アリールオキシドが溶融物である間に前記アルカリ金属アリールオキシドから水を最終的に除去することを含むことを特徴とする方法。
  2. 芳香族オキシカルボン酸の二アルカリ金属塩を製造する方法であって、(a)前記アルカリ金属アリールオキシドが溶融物である間にアルカリ金属アリールオキシドから最終的に水を除去すること、および(b)前記アルカリ金属アリールオキシドの融点付近または融点より上の温度で、撹拌しながら、前記アルカリ金属アリールオキシドと二酸化炭素とを接触させることを含むことを特徴とする方法。
  3. 前記アルカリ金属アリールオキシドがカリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウム2−フェニルフェノキシドまたはカリウム2−ナフトキシドであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記アルカリ金属アリールオキシドがカリウムフェノキシドであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  5. 前記アルカリ金属アリールオキシドの融点が約320℃未満であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  6. 少なくとも約275℃の温度で実施されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  7. 前記アルカリ金属アリールオキシドが乾燥の間に固体になり、次いで、溶融することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  8. 前記アルカリ金属アリールオキシドが乾燥の間、溶融状態であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
JP53642797A 1996-04-08 1997-04-07 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造 Expired - Fee Related JP3897819B2 (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1500096P 1996-04-08 1996-04-08
US60/015,000 1996-04-08
US1776796P 1996-05-15 1996-05-15
US60/017,767 1996-05-15
US3316196P 1996-12-13 1996-12-13
US60/033,161 1996-12-13
US08/832,739 US5928485A (en) 1996-04-08 1997-04-04 Process for isolation of dicarboxylic acids and hydroxycarboxylic acids
US08/832,739 1997-04-04
PCT/US1997/005766 WO1997037958A2 (en) 1996-04-08 1997-04-07 Preparation of aromatic hydroxycarboxylic acids and dialkali metal salts thereof

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006284208A Division JP4584897B2 (ja) 1996-04-08 2006-10-18 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000508316A JP2000508316A (ja) 2000-07-04
JP3897819B2 true JP3897819B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=27486441

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53642797A Expired - Fee Related JP3897819B2 (ja) 1996-04-08 1997-04-07 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造
JP2006284208A Expired - Fee Related JP4584897B2 (ja) 1996-04-08 2006-10-18 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006284208A Expired - Fee Related JP4584897B2 (ja) 1996-04-08 2006-10-18 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0892773B1 (ja)
JP (2) JP3897819B2 (ja)
KR (2) KR100548866B1 (ja)
DE (3) DE69733646T2 (ja)
SG (1) SG90072A1 (ja)
WO (1) WO1997037958A2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6126351B2 (ja) * 2012-10-18 2017-05-10 旭化成株式会社 原料供給装置及びそれを用いた樹脂組成物の製造装置、並びに樹脂組成物の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA881906A (en) * 1971-09-28 N. Cheremisinoff Paul Method for drying sodium phenate
CH451197A (de) * 1964-08-06 1968-05-15 Inventa Ag Verfahren zur Herstellung von p-Hydroxy-benzoesäure
US4272635A (en) * 1979-07-26 1981-06-09 The Dow Chemical Company Production of alkali metal phenates
US4451330A (en) * 1982-09-13 1984-05-29 Kalama Chemical, Inc. Process for the recovery of alkali metal salts from aqueous solutions thereof
JP2718932B2 (ja) * 1988-01-23 1998-02-25 株式会社上野製薬応用研究所 芳香族オキシカルボン酸の製造法
KR920003121B1 (ko) * 1989-12-27 1992-04-20 주식회사 코오롱 방향족 카르복실산의 합성방법
JPH0543509A (ja) * 1991-08-13 1993-02-23 Kawasaki Steel Corp パラヒドロキシ安息香酸の製造法
DE4316933A1 (de) * 1993-05-21 1994-11-24 Hoechst Ag Verfahren zur Herstellung von aromatischen Hydroxycarbonsäuren

Also Published As

Publication number Publication date
DE69736337D1 (de) 2006-08-24
SG90072A1 (en) 2002-07-23
WO1997037958A2 (en) 1997-10-16
KR20050115377A (ko) 2005-12-07
EP0892773A2 (en) 1999-01-27
DE69733646T2 (de) 2006-05-04
EP0892773B1 (en) 2005-06-29
DE69736252T2 (de) 2007-05-31
KR100548867B1 (ko) 2006-02-02
JP4584897B2 (ja) 2010-11-24
KR100548866B1 (ko) 2006-02-02
JP2000508316A (ja) 2000-07-04
DE69733646D1 (de) 2005-08-04
DE69736252D1 (de) 2006-08-10
WO1997037958A3 (en) 1997-12-18
JP2007008962A (ja) 2007-01-18
KR20050095654A (ko) 2005-09-29
DE69736337T2 (de) 2007-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050222379A1 (en) Method and apparatus for synthesis of lactide
JP2002507973A (ja) ケトン類への揮発性脂肪酸類の熱転化
US20190135749A1 (en) Production of Cyclic Imides Suitable for Oxidation Catalysis
CN105732327B (zh) 一种微波反应制备乙二醇锑的方法及装置
JP4584897B2 (ja) 芳香族オキシカルボン酸およびその二アルカリ金属塩の製造
US6028218A (en) Preparation of aromatic hydroxycarboxylic acids and dialkali metal salts thereof
JP2002518356A (ja) アルカリ金属アルコキシドの製造方法
US5977405A (en) Preparation of aromatic hydroxycarboxylic acids and dialkali metal salts thereof
US20090318713A1 (en) Process for manufacturing a cyclic diester of an a-hydroxy acid
EP1035100B1 (en) Preparation of aromatic hydroxycarboxylic acids
JPH0512284B2 (ja)
KR100529685B1 (ko) 방향족히드록시카르복실산의 제법
US11014883B2 (en) Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis
JP5075363B2 (ja) ポリヒドロキシカルボン酸の合成法及び合成装置
RU2448084C1 (ru) Способ очистки технического п-фенилендиамина
CN116920755A (zh) 一种无溶剂成盐反应设备与工艺
US3061651A (en) Manufacture of phenols by decarboxylation of salicylic acids
JPH02268179A (ja) 環状エステルの製造方法
Rising et al. PHENYLETHYLMALONIC METHYL ESTER. A NEW METHOD OF SYNTHESIS
KR830001542B1 (ko) 비스페놀 f 고상입자의 제조 방법
JPS622577B2 (ja)
JP2019089673A (ja) 無機ヨウ素化合物無水物の製造方法、及び塊状物
US20130150621A1 (en) Processes for purification of succinic acid via distillation
JPH04189835A (ja) ポリカーボネート粒状体の製造方法
JPH0774270B2 (ja) N−メチル−2−ピロリドンの回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060308

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060718

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060718

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140105

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees