JP3897271B2 - 加工観察装置及び試料加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集束イオンビーム装置による試料の加工と加工中の試料断面の観察や分析を一つの装置で行うことができる加工観察装置、及びその加工観察装置を用いた試料加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置は高集積化が進み形成されるパターンが微細化しているため、半導体装置の検査に際し、光学装置では分解能が不十分な状況になっている。このため、電子線装置やイオンビーム装置が半導体装置製造のプロセスモニターとして用いられている。半導体装置は今後、更に微細化が進み集積度が上がると考えられており、半導体装置の検査装置としては、光学式半導体検査装置に代わって荷電粒子ビームを使った半導体検査装置、たとえば測長SEM(Scannning electron microscope)や集束イオンビーム(Focused ion beam:FIB)装置が益々重要になりつつある。
【0003】
特に、半導体製造プロセスの不良解析を行う場合、試料の断面観察が有効である。例をあげると、異物検査装置や外観検査装置で試料の不良個所を特定し、特定した不良個所をFIB装置で加工して断面を作り、その断面をFIB、走査電子顕微鏡(Scannning electron microscope:SEM)あるいは透過電子顕微鏡(Transmisson electron microscope:TEM)で観察して構造解析行う。また、試料断面の異物や構造の組成分析には、エネルギー分散形X線分析装置(Energy dispersive spectrometer:EDS)が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
半導体デバイスのTEM試料を作製する場合、特定の場所を狙ってスパッタ加工することができるFIB装置が近年盛んに用いられるようになっている。しかし、半導体デバイスの微細化が進むにつれ、特定の位置を精度良く加工することが益々重要になり、試料を0.1μm以下の位置精度で0.1μm以下の薄さに加工することが必要になっている。また、半導体デバイスの多層構造化が進んでデバイスの厚みが増し、不良解析場所は表面から深い位置に在る場合が多い。この場合、表面からでは加工場所が分からないが、このような表面から特定できない不良解析場所をTEM試料に加工することが望まれている。
【0005】
本発明は、このような要請に応えるべくなされたものであり、FIB装置で加工している試料の断面の状態を確認しながらFIB加工を制御できる加工観察装置及び試料加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、FIBで加工中の試料の加工断面を走査電子顕微鏡(SEM)によって観察するために、FIB装置のイオン光学系の光軸に対しSEMの電子光学系の光軸を垂直に配置した。更に、ステージ機構の駆動軸をイオン光学系の光軸と電子光学系の光軸の双方に対して垂直に設定した。FIB加工中の加工断面におけるサブミクロンの微小部の状態を加工と同時に監視するために、FIB装置とSEMのそれぞれに信号検出器を設け、また、それぞれの装置に像表示のためのビーム走査制御回路と像表示制御回路を持たせた。これにより、独立の倍率でFIB装置とSEMによる同時観察が可能になる。
【0007】
FIB装置による像観察方向とSEMによる像観察方向が90°違うことから、ステージ機構の移動方向と像の動きを一致させ、且つ、双方で同一像(たとえば試料に文字Fが描かれているとして、FIB装置でもSEMでもFと見える)にするため、ステージ機構の駆動方向とビーム偏向の極性を図3に示すような関係にした。
【0008】
それぞれの装置で鮮明な像を得るために、FIB装置はイオン像と二次電子像を検出表示できるようにし、SEMは二次電子像と反射電子像を検出表示できるようにした。FIB装置でイオン像を検出する場合には検出器の引き込み電圧をマイナスに設定し、二次電子像を検出する場合には引き込み電圧をプラスに設定する。また、SEMで二次電子像を検出する場合には検出器の引き込み電圧をプラスに設定し、反射電子像を検出するには検出器の引き込み電圧を0にする。FIB加工中にSEMで加工断面を観察できるように、像の表示は次の表1に示す4つの組合わせができるようにした。
【0009】
【表1】
【0010】
FIB加工中の同時観察でSEMによるFIB加工断面の鮮明な像が得られる組合せは、表1の1又は2の組み合わせであった。従って、FIB加工中にはSEMの像表示は反射電子像にして二次電子を排除した。これにより、FIB装置で発生した二次電子の影響を受けない鮮明な像が得られた。
【0011】
この理由は、同時観察ではFIBとSEMの両方で二次電子が発生して、二次電子検出では混合して検出されるが、物理的に二次イオンの発生はFIBのみから、反射電子の発生はSEMのみからと限定されている。したがって、二次イオンや反射電子の情報は装置間で混合することがないので、表1の1又は2の組み合わせで同時観察を行うとFIB加工断面の鮮明な像が得られる。
【0012】
本発明による加工観察装置は、試料室と、FIB装置カラムと、SEMカラムと、試料室に固定され試料ホールダを保持して駆動するステージ機構とを備え、FIB装置カラムのイオンビーム光学軸とSEMカラムの電子ビーム光学軸とステージ機構の試料ホールダ駆動軸の一軸とが互いに直交していることを特徴とする。FIB装置カラムは、イオン源、イオン源から放出されたイオンビームを集束して試料に照射するためのイオン光学系、イオンビームを偏向制御するための偏向器等を備え、SEMカラムは電子源、電子源から放出された電子ビームを収束して試料に照射するための電子光学系、電子ビームを偏向制御するための偏向器等を備える。
【0013】
ステージ機構は、サイドエントリー型のステージ機構である。サイドエントリー型のステージ機構に装着された試料ホールダは、ステージ機構の前記一軸のまわりに90°ステップで360°回転できる。この構造により、FIBで加工したTEM用試料断面をSEMで表裏の観察と分析できる。
【0014】
この加工観察装置は、試料室に対するFIB装置カラム及びSEMカラムの少なくとも一方の位置を調整する位置調整機構を備える。この位置調整機構により、FIB装置による加工断面が、ステージ機構を動かすことなくSEMの観察視野に入るように調整する。位置調整機構によりSEMの走査電子線偏向を利用したイメージシフト機能で調整できる範囲(±20μm以内)まで機械的にFIB装置の視野とSEMの視野を合わせることによりFIB装置とSEMで同一視野を得ることができる。
【0015】
FIB装置はイオン像と二次電子像とを切り換えて表示する機能を有し、SEMは反射電子像と二次電子像とを切り換えて表示する機能を有する。イオン像と二次電子像の切り換え、あるいは反射電子像と二次電子像の切り換えは、例えば検出器の引き込み電圧を切換えることで行うことができる。イオン像を表示するときは、検出器の引き込み電圧をマイナスにする。二次電子像を表示するときは、検出器の引き込み電圧をプラスにする。また、反射電子像を表示するときは、検出器の引き込み電圧をマイナスにして検出器に二次電子が入らないようにする。
【0016】
加工観察装置にエネルギー分散形X線分析装置を併置する場合、エネルギー分散形X線分析装置の検出器は、直接FIB加工位置を見込まない位置に退避できるように可動とするのが好ましい。また、エネルギー分析形X線分析装置の検出器先端に脱着可能な保護膜を装着するのが好ましい。
本発明による試料加工方法は、前記加工観察装置を用いて、試料のFIB加工断面をSEMで観察しながらFIBで加工することを特徴とする。この方法は、特に試料のサブミクロン以下の特定微小部をFIBで加工するのに有効である。
【0017】
試料のFIB加工断面をSEMで反射電子像を観察しながら、あるいは加工断面をエネルギー分散形X線分析装置で分析しながらFIBで加工することにより、加工終点を容易に検出することができる。SEMによる反射電子像の観察は、SEMの信号検出器を反射電子検出器に切換えるか、二次電子検出器の引き込み電圧を切るか弱くして反射電子を検出するが二次電子を捕捉しないようにして行う。FIB加工中は、FIB装置は試料のイオン像を観察する。
【0018】
FIBによる二次電子像、二次イオン像、SEMによる二次電子像、反射電子像から得られる情報はそれぞれ異なる。例えば、SEMの二次電子像は高分解能ではあるが、結晶粒に関する情報が得られない。一方、二次イオン像からは結晶粒の情報が得られる。したがって、これらの像をそれぞれ比較することにより、試料に関してより多くの情報を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による加工観察装置のシステム構成例を説明する概略図である。この加工観察装置は、FIBカラム20、SEMカラム40、試料室60、ステージ機構70、後述するようにステージ機構70に装着されて試料10を保持する試料ホールダ80、EDS検出器95、W(タングステン)デポ銃96、FIB装置用検出器31、SEM用検出器51を備える。試料室60、FIBカラム20及びSEMカラム40の内部は、真空排気装置65によって真空排気されている。
【0020】
FIBは電子ビームと違いスパッタ作用が大きいので、試料10の微細加工に利用できる。そのため、FIB装置はTEM用試料の加工又はSEM用試料の断面加工のための加工機と観察装置として使われ、SEMは加工試料の観察及びEDSと組み合せた分析装置として使われる。Wデポ銃96は、加工試料上にイオンビーム誘発W膜を堆積し、保護膜を形成するためのものである。EDS分析器95は、SEMの電子線照射によって試料10から発生されるX線を検出してX線分析を行う。
【0021】
FIBで加工中の試料10の加工断面を観察するために、FIB装置のイオン光学系の軸に対しSEMの電子光学系の軸が垂直になるように配置した。更に、ステージ機構70は、その駆動軸の一つがイオン光学系の軸及び電子光学系の軸に対して垂直になるようにした。また、FIB加工中に、試料のサブミクロンの微小部の加工断面状態を同時に監視するために、FIB装置とSEMのそれぞれに信号検出器31,51を設け、それぞれの装置にビーム走査制御回路と像表示制御回路を備えた。これにより、独立の倍率でFIBとSEMによる同時観察ができるようになった。ただし、上記FIB装置のイオン光学系の軸とSEMの電子光学系の軸は、正確に直交していなくても、おおよそ直交していれば有用であった。
【0022】
図2は、試料ホールダ80とステージ機構70の説明図である。試料ホールダ80は、ピン81、シャフト83,84、試料固定部85、取っ手86、及び試料向き切替えつまみ87を備える。試料10は試料固定部85に固定される。試料固定部85はシャフト83に固定されており、シャフト83はシャフト84及び取っ手86の内部を貫通し、その端部に試料向き切替えつまみ87が取り付けられている。従って、試料向き切替えつまみ87を回すと、シャフト84に対してシャフト83が回転する。
【0023】
試料ホールダ80は、試料室60の壁面に取り付けられたステージ機構(サイドエントリー型ステージ機構)70に装着される。ステージ機構70にはシャフト挿入穴71と溝72が設けられている。シャフト84上のピン81をステージ機構70の溝72の位置に合わせて試料ホールダ80のシャフト84をシャフト挿入穴71に挿入すると、試料ホールダ80は、ピン81が溝72にガイドされ、ステージ機構70に位置決めされて挿入される。ステージ機構70はシャフト挿入穴71に挿入された試料ホールダ80のシャフト84を気密に保持し、試料ホールダ80をホールダ挿入方向及びその方向に直交する2方向及びθ方向に駆動することができる。また、ステージ機構70に保持された試料ホールダ80の試料向き切替えつまみ87を回すと、試料ホールダ挿入方向を軸としてシャフト83及び試料固定部85が回転する。試料向き切替えつまみ87は、90゜ずつステップ的に回転できる。
【0024】
試料ホールダ80のこの構造によって、FIBで加工した試料断面をSEMで観察できるとともに、試料の向きを90°回転して、FIBによってSEMで観察した試料断面と同一の試料断面を観察することが可能になる。イオン照射によって試料から放出された二次電子による二次電子像と、電子線照射によって試料から放出された二次電子による二次電子像では、同じ二次電子像でも違いが生じる。この試料ホールダ80を用いると、試料を90゜回転することによって試料の同一位置の二次電子像をFIB装置とSEMによって観察することができ、試料断面についての多くの情報を簡便に得ることができる。
【0025】
図3は、FIB装置のイオンビーム入射方向、SEMの電子ビーム入射方向、及びステージ機構の移動方向の関係を説明する図である。図3(a)に示すように、FIB装置のイオンビーム入射方向とSEMの電子ビーム入射方向は直交しており、ホールダ挿入方向(ステージ機構軸)はその両方向に直交している。図3に示すように、SEMからみたX,Y,Z方向は、FIB装置ではX,Z,Y方向にそれぞれ対応する。この場合、SEMでZを調整してもSEM像は移動しないが、FIB装置による観察像はY方向に移動する。このことを利用して、FIB装置とSEMの観察点を一致させることができる。
【0026】
図3(b)は、試料が図3(a)の姿勢にあるときFIB装置で観察した試料表面のFIB像である。また、図3(c)はSEMで観察した試料断面のSEM像である。試料ホールダ4は、FIBで加工したTEM用試料断面をSEMで表裏の観察と分析ができるように、90°ステップで360°回転できるようになっている。ステージ機構70の移動方向と像の動きを一致させ、且つ、SEMとFIB装置で同一像を観察できるようにするため、例えば文字Fが描かれた試料の像を観察したとき、FIB装置でもSEMでもFと見えるようにするため、ステージ機構の駆動方向とビーム偏向の極性を図3の関係にした。
【0027】
FIB装置とSEMで同一視野を得るために、SEMのイメージシフト機構で調整できる範囲(±20μm以内)までFIB装置とSEMの視野を機械的に合わせる調整機構をSEM鏡筒の試料室取付け部に設けた。
【0028】
図4は、FIB装置とSEMの視野合わせ調整機構の説明図である。図4(a)は試料室に取り付けられたSEMカラムを示す側面図、図4(b)はSEMカラムを光軸方向に見た図である。図4(a)に示すように、SEMカラム40は試料室60にOリング61で真空シールドされて取付けられている。試料室60とSEMカラム40は、真空ポンプによって真空排気され高真空に保たれている。SEMカラム取付けフランジ59の周囲には試料室60に固定されたリング状の位置調整板62があり、位置調整板62には位置調整ネジ63が4ヶ所に設けられている。4ヶ所の位置調整ネジ63の押し出し量を調整することにより、試料室60に対するSEMカラム40の位置を調整することができる。
【0029】
この調整機構を用いて、FIB装置とSEMの視野を、SEMのイメージシフトで調整できる範囲(±20μm以内)まで合わせた。FIB装置とSEMの視野合わせに当たっては、例えばFIB装置によって試料像を観察し、次に試料ホールダ80の試料向き切替えつまみ87を90゜回して、FIB装置による試料観察面をSEM側に向ける。そして、SEMによる試料像を見ながら、その像がFIB装置による試料像と一致するように、位置調整板62の位置調整ネジ63によって試料室60に対するSEMカラム40の位置を調整する。FIB装置の視野とSEMの視野を合わせることは、ステージ機構70のX軸とFIBの光軸との交点にSEMの軸を合わせることに相当する。FIB装置の視野とSEMの視野が合っていれば、試料ホールダ80の試料固定部85を90゜回転することで、FIB装置とSEMによって試料上の同じ点を観察することができる。
【0030】
図5は、本発明による試料加工観察装置のシステム構成を示す概略図である。FIB装置のGa液体金属イオン源21から引出されたGaイオンビーム22は30kVに加速され、ビーム制限アパーチャ23を通過して対物レンズ24で集束され、固体試料10を照射する。ビーム走査信号生成装置25は、制御コンピュータ90からビーム走査を開始命令を受けると、ビーム走査信号を偏向器制御装置26に渡し、偏向器制御装置26では走査(偏向)信号に基づいて電圧を生成して偏向器27に電圧を印加する。イオンビーム22は、試料10上を走査するように偏向制御される。
【0031】
イオンビーム22を照射することによって固体試料10から発生した二次電子11と二次イオン12は、検出器31で検出され、プリアンプ32で増幅されて電気信号に変換される。検出器31には、検出電圧(引き込み電圧)がプラスがマイナスかに応じて二次電子11と二次イオン12を選別して検出できるMCP(マイクロチャンネルプレート)を使用した。上記検出信号は、偏向器制御装置26からの偏向信号と同期して走査信号を輝度変調してワークステーション(WS)のモニター33に像表示されると同時に、信号処理装置34で像をデジタル化してメモリに蓄える。この信号処理装置34のデータは、制御コンピュータ90に渡され制御される。
【0032】
同様に、SEMの電子源41から引出された電子ビーム42は、最大30kVに加速され、ビーム制限アパーチャ43を通過して対物レンズ44で集束されて固体試料10を照射する。走査信号生成装置45は、制御コンピュータ90からビーム走査を開始命令を受けると走査信号を偏向器制御装置46に渡し、偏向器制御装置46では走査(偏向)信号に基づいて電圧を生成して偏向器47に電圧を印加する。こうして、電子ビーム42は試料10上を走査するよう偏向制御される。
【0033】
電子ビーム42を照射することによって固体試料10から発生した二次電子13と反射電子14は、検出器51で検出され、プリアンプ52で増幅されて電気信号に変換される。検出器51として、検出電圧(引き込み電圧)がプラスか0かに応じて二次電子13と反射電子14を選別して検出できるYAG半導体検出器を用いた。増幅された検出信号は、偏向制御装置46の偏向信号と同期してモニターの走査信号を輝度変調してWSのモニター53に像表示されると同時に、信号処理装置54で像をデジタル化してメモリに蓄える。この信号処理装置54のデータは、制御コンピュータ90に渡され制御される。
【0034】
図6は、電子線照射で試料から発生する二次粒子のエネルギー分布を示す説明図である。一般に、電子線照射では二次電子と反射電子が発生する。二次電子のエネルギーは約4eVにピークがあり、そのピークから減少しながら50eV程度まで拡がる。また、反射電子のエネルギーは、照射エネルギーと等しいエネルギーの付近にピークを生じる。
【0035】
図7は、イオン照射で試料から発生する二次粒子のエネルギー分布を示す説明図である。イオン照射では、電子線照射の場合と同様に約4eVにピークがあり、それから減少しながら50eV程度まで拡がる二次電子を生じるが、反射電子は生じない。その代わり、イオンビームのスパッタ作用で二次イオンを生じる。
【0036】
従って、二次電子の検出効率を高めるには、二次電子発生点近傍に数V程度の検出器への引込み電圧が必要である。一方、反射電子はエネルギーが高く引き込み電圧を必要としない。このため、反射電子は直接検出器で捉えるが、発生点からの距離の2乗に反比例して反射電子検出効率が悪くなるので、検出立体角が大きくなるように発生点近傍で検出される。二次イオンは、二次電子と極性が反対で、エネルギー分布が二次電子より若干低い方にシフトしているが分布は良く似ている。このため、二次イオン検出には負の引き込み電圧を印加する。当然この条件では、電子の検出が排除される。
【0037】
鮮明な像を表示するために、FIB装置の検出器は、MCP(マルチチャンネルプレート)を用いてイオン像と二次電子像を検出表示できるように、SEMの検出器は、シンチレータとPHM(フォトマルチプライヤー)による検出器で二次電子像を、SSD(半導体検出器)による検出器で反射電子像を検出表示できるようにした。
像表示の組合わせは、次の〔表2〕に示すように8種類ある。
【0038】
【表2】
【0039】
表2の1又は2は、SEMで二次電子像又は反射電子像を観察している状態で、この時イオンビーム装置は、動作していないか、検出器をOFFにした場合で、SEMで鮮明な像が得ることができた。表2の3又は4は、FIB装置で二次電子像又はイオン像を観察している状態で、この時SEMは、動作していないか検出器をOFFした場合で、FIB装置で鮮明な像を得ることができた。表2の5は、FIB装置でイオン像を観察し、SEMで反射電子像を観察している状態で、FIB加工中に加工断面をSEMを観察した場合、FIB、SEMの双方で鮮明な像が得られた。表2の6は、FIB装置で二次電子像を観察し、SEMで反射電子像を観察している状態で、FIB加工中に加工断面をSEM観察した場合、SEMで鮮明な像が得られた。表2の7は、FIB装置でイオン像を観察し、SEMで二次電子像を観察している状態で、FIB加工中に加工断面をSEMを観察した場合、FIB装置で鮮明な像が得られた。しかし、SEMの像は不鮮明であった。表2の8は、FIB装置とSEMの両方で二次電子を検出している状態で、FIB加工中に加工断面をSEMで観察した場合、FIB装置、SEM、それぞれの検出器に両方の装置で発生した二次電子信号が重畳して検出され、FIB装置の像もSEMの像も不鮮明であった。
【0040】
FIB加工中の加工断面のSEMによる観察は、鮮明か不鮮明かを別にすると表2の5から8で可能であったが、鮮明な像を得る観点から表2の5又は6が望ましく、その中でも最も簡便な方法は6のFIB装置で二次電子像を観察し、SEMで反射電子像を観察する方法であった。この検出器の検出モードを変える機能によって同一断面を、FIBによる二次電子像、二次イオン像、SEMによる二次電子像、反射電子像をそれぞれで比較することによって、半導体の不良解析や構造解析に役立てることが出来た。
【0041】
ステージ機構操作は、ステージ機構操作卓とFIB装置のWSのステージ機構コントロール画面からできるようにした。ステージ機構操作卓の表示は、SEMで見たステージ機構の移動方向に合わせた。一方、WSのステージ機構コントロール画面の表示は、FIB装置で見たステージ機構の移動方向に合わせた。また、ステージ機構の移動は、ステージ機構コントロール画面とステージ機構操作卓に連動して座標値を表示するようにした。ステージ機構の移動速度は、ステージ機構操作卓に速度の切替えスイッチを設けた。また、FIB装置の倍率に連動してステージ機構の移動速度が変わるようにした。
【0042】
また、SEMでEDS分析できるように、EDS検出器95の信号取出し角を最適化し、EDSを使用しない場合は、EDS検出器95の先端にシャッターを設けてFIB加工で生じるスパッタ粒子によってEDS検出器95が汚染されるのを防いだ。また、FIB加工中にEDS分析を行うために、FIB加工中に生じるスパッタ粒子で直接EDS検出器95が汚染されないように、EDS検出器95の先端に有機保護膜を設けた。
【0043】
図8は、本発明の加工観察装置を用いた試料加工方法の一例を説明する図である。この例は、半導体デバイスをFIB装置によって加工してコンタクトホールの部分の断面を作成する例を示している。FIB入射方向、SEMの電子ビーム入射方向に対する試料の姿勢は、図3に示すようになっている。
【0044】
FIB装置は、検出器にマイナスの引き込み電圧を印加して二次イオン像を観察しながら加工を行った。SEMは、検出器としてプラスの電圧を印加した半導体検出器を用い、二次電子の入射を抑制して加工断面の反射電子像を実時間観察した。このとき、加工が進むにつれてSEMの反射電子像は図8(a)、(b)、(c)のように変化した。オペレータはSEMの反射電子像をモニターし、図8(c)のようにコンタクトホール101の断面が現れたとき、FIB加工を終了した。
【0045】
図9は、本発明の加工観察装置を用いた試料加工方法の他の例を説明する図である。この例は、試料中の異物を調べるために試料をFIB加工した例である。FIB入射方向、SEMの電子ビーム入射方向に対する試料の姿勢は、図3に示すようになっている。EDS検出器のエネルギーレベルは、予め異物の特性X線に合わせた。
【0046】
FIB装置は、検出器にマイナスの引き込み電圧を印加して二次イオン像を観察しながら加工を行った。SEMは、検出器としてプラスの電圧を印加した半導体検出器を用い、二次電子の入射を抑制して加工断面の反射電子像を実時間観察した。また、EDS検出器によりSEMの電子線照射によって試料断面から発生されるX線分析も同時に行った。加工が進むにつれて、SEMの反射電子像は図9(a)、(b)、(c)のように変化した。また、加工が進むにつれてEDS分析信号強度は、FIB加工が進むにつれて図9(d)のように変化した。オペレータは、SEMの反射電子像とEDS分析信号強度をモニターし、図9(c)のようにSEM像に異物102が大きく現れ、EDS分析による異物の物質分析結果が最大となった時間t=t3でFIB加工を止めた。
【0047】
【発明の効果】
本発明によると、FIB装置で加工している試料断面の状態をSEMで確認しながらFIB加工制御できる。これによって、試料の特定の位置を精度良くFIB加工することが可能になり、0.1μm以下の加工位置精度で0.1μm以下の薄さの加工ができる。また、試料表面からでは加工場所が分からない試料をTEM試料に加工することができる。
【0048】
また、試料の同一断面から得たFIBによる二次電子像、二次イオン像、SEMによる二次電子像、反射電子像をそれぞれ比較することによって豊富な情報を得ることができ、半導体の不良解析等に役立てることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加工観察装置のシステム構成例を説明する概略図。
【図2】試料ホールダとステージ機構の説明図。
【図3】FIB装置のイオンビーム入射方向、SEMの電子ビーム入射方向、及びステージ機構の移動方向の関係を説明する図。
【図4】FIB装置とSEMの視野合わせ調整機構の説明図。
【図5】本発明による試料加工観察装置のシステム構成を示す概略図。
【図6】電子線照射で試料から発生する二次粒子のエネルギー分布を示す説明図。
【図7】イオン照射で試料から発生する二次粒子のエネルギー分布を示す説明図。
【図8】本発明の加工観察装置を用いた試料加工方法の一例を説明する図。
【図9】本発明の加工観察装置を用いた試料加工方法の他の例を説明する図。
【符号の説明】
10…試料、11…二次電子、12…二次イオン、13…二次電子、14…反射電子、20…FIBカラム、21…イオン源、22…イオンビーム、23…ビーム制限アパーチャ、24…対物レンズ、25…ビーム走査信号生成装置、26…偏向器制御装置、27…偏向器、31…FIB装置用検出器、32…プリアンプ、33…モニター、34…信号処理装置、40…SEMカラム、41…電子源、42…電子ビーム、43…ビーム制限アパーチャ、44…対物レンズ、45…走査信号生成装置、46…偏向器制御装置、47…偏向器、51…SEM用検出器、52…プリアンプ、53…モニター、54…信号処理装置、59…SEMカラム取付けフランジ、60…試料室60、61…Oリング、62…位置調整板、63…位置調整ネジ、65…真空排気装置、70…ステージ機構、71…シャフト挿入穴、72…溝、80…試料ホールダ、81…ピン、83…シャフト、84…シャフト、85…試料固定部、86…取っ手、87…試料向き切替えつまみ、90…制御コンピュータ、95…EDS検出器、96…Wデポ銃、101…コンタクトホール、102…異物
Claims (5)
- 試料室と、
前記試料室に保持された試料に集束イオンビームを照射可能な集束イオンビーム装置カラムと、
前記試料室に保持された試料に前記集束イオンビームと同時に電子ビームを照射可能な走査電子顕微鏡カラムと、
前記集束イオンビーム装置カラムから照射された集束イオンビームが試料に照射されたことにより発生する信号を検出する第1の信号検出器と、
前記走査電子顕微鏡カラムから照射された電子ビームが試料に照射されたことにより発生する信号を検出する第2の信号検出器と、
前記集束イオンビーム装置の像と前記走査電子顕微鏡の像とを同時表示するために、前記第1の信号検出器と第2の信号検出器のそれぞれに備えられた、像表示のためのビーム走査制御回路と像表示制御回路と、
前記集束イオンビーム装置の像倍率と前記走査電子顕微鏡の像倍率とを独立に制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする加工観察装置。 - 請求項1記載の加工観察装置において、
前記第1の信号検出器はマルチチャンネルプレートであり、
前記第2の信号検出器はシンチレータとフォトマルチプライヤーによる検出器と半導体検出器の組合せからなることを特徴とする加工観察装置。 - 請求項2記載の加工観察装置において、
前記第1の信号検出器と第2の信号検出器の検出モードを変える機能を備えたことを特徴とする加工観察装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工観察装置において、
前記集束イオンビーム装置カラムのイオンビーム光学軸と、前記走査電子顕微鏡カラムの電子ビーム光学軸と、前記試料室の試料ステージ機構の試料ホールダ駆動軸の一軸とが互いに略直交していることを特徴とする加工観察装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項記載の加工観察装置を用いた試料加工方法において、試料の集束イオンビーム加工断面を走査電子顕微鏡で観察しながら集束イオンビームで加工することを特徴とする試料加工方法。
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