JP3897156B2 - 誘導電動機の制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変電圧可変周波数の交流電力を発生する電力変換装置を介して駆動される誘導電動機の電動機内部損失とこのときの前記電力変換装置の変換装置内部損失との和をより小さくしつつ、前記誘導電動機を駆動するための誘導電動機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、可変電圧可変周波数の交流電力を発生する電力変換装置を介して駆動される誘導電動機の制御方法の従来例を示す回路構成図である。
【0003】
図4において、1は後述の制御装置10からの各相の電圧指令値vU *,vV *,vW *(交流量)それぞれをPWM演算して内蔵する変換器主回路を形成するそれぞれの半導体スイッチへのオン・オフ駆動信号に変換し、これらのオン・オフ駆動信号に基づき前記変換器主回路から三相の交流電圧を発生する電力変換装置、2は電力変換装置1から給電される誘導電動機、10は電力変換装置1を介して誘導電動機2を可変速制御する制御装置である。
【0004】
この制御装置10には磁束指令値演算手段11と電圧指令値演算手段12と積分演算手段13と座標変換手段14とを備えている。
【0005】
図4に示した制御装置10において、磁束指令値演算手段11は外部から指令される誘導電動機2の一次角周波数指令値ω1 *に対応した該電動機の二次磁束を発生させるための磁束指令値φ2 *を導出する演算を行い、図に示すようなω−φ特性、すなわち、一次角周波数指令値ω1 *が誘導電動機2の定格角周波数までは一定値の磁束指令値φ2 *を出力し、該定格角周波数を越えると、一次角周波数ω1 *に反比例した磁束指令値φ2 *を出力する。電圧指令値演算手段12は前記一次角周波数指令値ω1 *と磁束指令値φ2 *との乗算演算値としての誘導電動機2の一次電圧指令値V1 *を求め、さらにこの一次電圧指令値V1 *を周知の技術により該電動機の励磁(d軸)成分の一次電圧指令値v1d * とトルク(q軸)成分の一次電圧指令値v1q * とに分解する演算を行っている。従って、前記一次電圧指令値V1 *は一次角周波数指令値ω1 *が前記定格角周波数までは一次角周波数指令値ω1 *にほぼ比例して増大し、前記定格角周波数を越えた領域では一次電圧指令値V1 *はほぼ一定値となる。また、座標変換手段14は一次角周波数指令値ω1 *を積分演算手段13での時間積分演算により得られる位相角指令値θ* に基づき前記一次電圧指令値v1d * と一次電圧指令値v1q * とを三相の電圧指令値vU *,vV *,vW *それぞれに座標変換する動作を行っている。
【0006】
上述の電力変換装置1と制御装置10とによる誘導電動機2の制御方法は、一般に、V/f制御方式と称されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記V/f制御方式を誘導電動機の効率の面から見ると、次のような問題点を有している。すなわち、誘導電動機が出力するトルクの大きさに関わらず該電動機に前述の如く予め設定した二次磁束を発生させるため、常に比較的大きな励磁電流が流れることとなる。これは前記電動機の銅損(抵抗損)や鉄損を大きめに発生させる。しかるに、誘導電動機が出力するトルクが定格値に対して小さなときには必ずしも十分なる励磁電流が必要でなく、前記V/f制御方式では、この状態の誘導電動機に不必要な損失が発生して該電動機の効率を低下させるので、近年の省エネルギーの要請に対して十分ではなかった。
【0008】
また、上記問題点に対する解決策として、例えば特開平7−322700号公報に、電力変換装置を介して駆動される誘導電動機のみを最大効率状態で運転するための該電動機の二次磁束を発生させる方法が開示されているが、この方法では前記電力変換装置の損失と誘導電動機の損失を合計した値をより少なくすること、すなわち可変速駆動設備全体の効率に対する考慮が十分になされていない。
【0009】
この発明の目的は、電力変換装置と誘導電動機とからなる可変速駆動設備全体の効率をより良くするための誘導電動機の制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明は可変電圧可変周波数の交流電力を発生する電力変換装置を介して駆動される誘導電動機の制御方法において、
予め設定される前記誘導電動機の第1の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第1の電動機内部損失と第1の変換装置内部損失との和である第1の合計損失と、前記誘導電動機が出力するトルクにより発生する該電動機の内部損失を最小にする第2の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第2の電動機内部損失と第2の変換装置内部損失との和である第2の合計損失とを求め、前記第1または第2の合計損失のうち何れか小さい値の合計損失に対応する前記誘導電動機の前記磁束指令値と一次角周波数指令値とに基づいた該電動機の一次電圧を前記電力変換装置から前記電動機に供給することを特徴とする。
【0011】
第2の発明は前記第1の発明の誘導電動機の制御方法において、前記誘導電動機の第2の磁束指令値は該電動機が出力するトルクの平方根に前記電動機の一次角周波数,一次抵抗,二次抵抗,励磁インダクタンス,鉄損抵抗から導出される係数を乗じた値にすることを特徴とする。
【0012】
第3の発明は可変電圧可変周波数の交流電力を発生する電力変換装置を介して駆動される誘導電動機の制御方法において、
予め設定される前記誘導電動機の第1の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第1の電動機内部損失と第1の変換装置内部損失との和である第1の合計損失と、前記誘導電動機が出力するトルクにより発生する該電動機の内部損失と前記電力変換装置の定常内部損失との和を最小にする第3の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第3の電動機内部損失と第3の変換装置内部損失との和である第3の合計損失とを求め、前記第1または第3の合計損失のうち何れか小さい値の合計損失に対応する前記誘導電動機の前記磁束指令値と一次角周波数指令値とに基づいた該電動機の一次電圧を前記電力変換装置から前記電動機に供給することを特徴とする。
【0013】
第4の発明は前記第3の発明の誘導電動機の制御方法において、前記誘導電動機の第3の磁束指令値は該電動機が出力するトルクの平方根に前記電動機の一次角周波数,一次抵抗,二次抵抗,励磁インダクタンス,鉄損抵抗および前記電力変換装置の定常内部損失に対応した等価抵抗から導出される係数を乗じた値にすることを特徴とする。
【0014】
第5の発明は前記第1または第3の発明の誘導電動機の制御方法において、前記誘導電動機の第1の磁束指令値は該電動機の一次周波数指令値または回転速度から導出することを特徴とする。
【0015】
第6の発明は前記第1または第3の発明の誘導電動機の制御方法において、前記誘導電動機が出力するトルクを該電動機の一次電圧,一次電流,一次角周波数,一次抵抗から導出することを特徴とする。
【0016】
第7の発明は前記第1または第3の発明の誘導電動機の制御方法において、前記誘導電動機が出力するトルクを該電動機の一次電圧,一次電流,一次角周波数,励磁インダクタンス,漏れインダクタンスから導出することを特徴とする。
【0017】
第8の発明は前記第1または第3の発明の誘導電動機の制御方法において、前記変換装置内部損失は前記電力変換装置が前記誘導電動機に前記二次磁束を発生させたときに生ずる定常内部損失とスイッチング損失との和から導出することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、電力変換装置とこの電力変換装置を介して駆動される誘導電動機とからなる可変速駆動設備全体の損失をより少なくするための該電動機の二次磁束を発生させることにより、この設備全体を最大効率状態で運転することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の誘導電動機の制御方法の第1の実施の形態を示す回路構成図であり、図4に示した従来例回路と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその詳細説明を省略する。
【0020】
すなわち図1に示した回路構成では従来の電力変換装置1の内部の直流中間電圧eDCを検出し出力する機能が付加された電力変換装置1aと、この電力変換装置1aから供給される誘導電動機2の一次電流i1 を検出するに電流検出器3と、制御装置20とを備えている。
【0021】
図1に示した制御装置20には従来例回路と同一機能の磁束指令値演算手段11,電圧指令値演算手段12,積分演算手段13,座標変換手段14の他に、座標変換手段21と、トルク演算手段22と、第2磁束指令値演算手段23と、第1損失演算手段24と、第2損失演算手段25と、比較手段26と、切替手段27とを備えている。なお、磁束指令値演算手段11は誘導電動機2の第1の磁束指令値φ21 * を出力するようにしている。
【0022】
この制御装置20の動作を、図2に示す鉄損を考慮した誘導電動機の等価回路図を参照しつつ、以下に説明する。
【0023】
トルク演算手段22では電圧指令値演算手段12からの誘導電動機2の一次電圧指令値v1d * ,一次電圧指令値v1q * と一次角周波数指令値ω1 *と一次電流i1 を座標変換手段21によりベクトル回転させたd−q軸成分i1d,i1qとを入力し、誘導電動機が出力するトルクは一次磁束ベクトルおよび一次電流ベクトルそれぞれの転置行列の外積で表されることから、トルク演算値τ# を得るために、下記式(1)の演算を行っている。
【0024】
Figure 0003897156
ここで、φ1dは一次磁束φ1 のd軸成分,φ1qはq軸成分,R1 は一次抵抗である。
【0025】
次に、第2磁束指令値演算手段23では誘導電動機2が出力するトルクにより発生する該電動機の内部損失を最小にする第2の磁束指令値φ22 * を得るために、下記式(2)〜式(7)に従った演算を行っている。
【0026】
誘導電動機の内部損失PLOSSMは、R2 を二次抵抗,RC を鉄損抵抗,iT をトルク電流,iC を鉄損電流とすると、下記式(2)で表すことができる。
【0027】
LOSSM=R1・i1 2+R2・iT 2+RC・iC 2 …(2)
上記式(2)に、iC=ω1・Lm・iM /RC なる関係を代入すると、下記式(3)となる。ここで、ω1 は誘導電動機の一次角周波数,Lmは励磁インダクタンス,iM は励磁電流である。
【0028】
Figure 0003897156
上記式(3)における(ω1・Lm)2 /RC をRmとおいて、式(3)を整理すると式(4)となる。
【0029】
LOSSM=(R1+R2)iT 2+(R1+Rm)iM 2 …(4)
上記式(4)において、誘導電動機の励磁電流iM ,トルク電流iT を該電動機が出力するトルクτと発生する二次磁束φ2 で表すと、τ=φ2 ・iT ,φ2 =Lm・iM なる関係があることから、下記式(5)が導出される。
【0030】
Figure 0003897156
上記式(5)において、誘導電動機が出力するトルクτの条件で、PLOSSMを最小にする二次磁束φ2 を求めるために両辺をφ2 で微分すると、下記式(6)で表される。
【0031】
Figure 0003897156
上記式(6)の右辺を0にする、すなわち、誘導電動機の内部損失PLOSSMを最小にする該電動機の二次磁束φ2 は、下記式(7)で表される。
【0032】
Figure 0003897156
すなわち、第2磁束指令値演算手段23ではトルク演算手段22で導出された誘導電動機2が出力するトルク演算値τ# の平方根を上記式(7)の右辺のτの平方根に置き換え、この値に誘導電動機2の一次角周波数指令値ω1 *,一次抵抗R1 ,二次抵抗R2 ,励磁インダクタンスLm,鉄損抵抗RC から導出される上記式(7)の右辺で示した係数を乗じた値を第2の磁束指令値φ22 * として出力している。
【0033】
また、第1損失演算手段24では予め設定される磁束指令値演算手段11からの第1の磁束指令値φ21 *に基づく二次磁束で誘導電動機2を運転したときの電動機内部損失PLOSSM1と、このときに電力変換装置1に生ずる変換器内部損失PLOSSA1との和PLOSS1を求めるために下記式(8)〜式(10)の演算を行っている。
【0034】
先ず、電動機内部損失PLOSSM1は前記式(5)から下記式(8)となる。
【0035】
Figure 0003897156
また、変換器内部損失PLOSSA1は定常内部損失PLOSSB1とスイッチング損失PLOSSC1とからなり、この定常内部損失PLOSSB1は、下記式(9)で表される。
【0036】
Figure 0003897156
ここで、RINV は電力変換装置1の定常内部損失に対応する等価抵抗であり、この値は電力変換装置1の定常内部損失設計値とこの設計値に対応する定格電流値とから導出される。
【0037】
さらに、スイッチング損失PLOSSC1は、下記式(10)で表される。
【0038】
Figure 0003897156
ここで、KLOSSはスイッチング損失係数、eDCは直流中間電圧、cosψは力率、θPWM1 は第1の磁束指令値φ21 * の条件における前記電圧指令値と直流中間電圧とから導出される電圧半周期当たりでPWMスイッチングのない期間の位相角、Hは電流の指数である。
【0039】
すなわち、第1損失演算手段24では誘導電動機2の磁束指令値φ21 * ,一次電圧指令値v1d * ,一次電圧指令値v1q * ,一次角周波数指令値ω1 *,d軸電流成分i1d,q軸電流成分i1q,トルク演算値τ# を入力し、PLOSS1を出力するためにPLOSS1=PLOSSM1+PLOSSB1+PLOSSC1を上記式(8)〜式(10)から求めている。
【0040】
さらに、第2損失演算手段25では、上述の第1損失演算手段24と同様に、第2磁束指令値演算手段23からの誘導電動機2の磁束指令値φ22 * 、誘導電動機2の一次電圧指令値v1d * ,一次電圧指令値v1q * ,一次角周波数指令値ω1 *,d軸電流成分i1d,q軸電流成分i1q,トルク演算値τ# を入力し、これらからPLOSS2を出力するためにPLOSS2=PLOSSM2+PLOSSB2+PLOSSC2を下記式(11)〜式(13)から求めている。
【0041】
Figure 0003897156
ここで、θPWM2 は第2の磁束指令値φ22 * の条件における前記電圧指令値と直流中間電圧とから導出される電圧半周期当たりでPWMスイッチングのない期間の位相角である。
【0042】
比較手段26では第1損失演算手段24で導出されたPLOSS1の値と、第2損失演算手段25で導出されたPLOSS2の値との大小比較を行い、いずれか小さい方の前記磁束指令値を切替手段27で選択し出力する指令を送っている。
【0043】
従って、この制御装置20によれば、電力変換装置1とこの電力変換装置1を介して駆動される誘導電動機2とからなる可変速駆動設備全体の損失をより少なくするための該電動機の二次磁束を発生させることにより、この設備全体の効率を改善することができる。
【0044】
図3は、この発明の誘導電動機の制御方法の第2の実施の形態を示す回路構成図であり、図1に示した第1の実施形態回路と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその詳細説明を省略する。
【0045】
すなわち図3に示した回路構成は電力変換装置1aと誘導電動機2と電流検出器3と制御装置30とから形成され、この制御装置30には図1の回路と同様の磁束指令値演算手段11,電圧指令値演算手段12,積分演算手段13,座標変換手段14,座標変換手段21,第1損失演算手段24,比較手段26,切替手段27の他に、トルク演算手段31と第3磁束指令値演算手段32と第3損失演算手段33とを備えている。
【0046】
この制御装置30の動作を、図2に示す誘導電動機の等価回路図を参照しつつ、以下に説明する。
【0047】
トルク演算手段31では電圧指令値演算手段12からの誘導電動機2の一次電圧指令値v1d * ,一次電圧指令値v1q * と一次角周波数指令値ω1 *と一次電流i1 のd−q軸成分i1d,i1qとを入力し、誘導電動機が出力するトルクは一次磁束ベクトルおよび一次電流ベクトルそれぞれの転置行列の外積で表されることから、トルク演算値τ# を得るために、下記式(14)〜式(19)の演算を行っている。
【0048】
図2に示した誘導電動機のT形等価回路において、鉄損を無視(RC を等価回路から削除する)したときの無効電力Qは、下記式(14)で表される。
【0049】
Q=(1/2)(ω1・Lm・i1 2+ω1・Lσ・iM 2) …(14)
ここで、Lσは漏れインダクタンスである。
【0050】
また、上記無効電力Qは一次電圧ベクトルおよび一次電流ベクトルそれぞれの転置行列の外積として、下記式(15)で表される。
【0051】
Q=v1q・i1d−v1d・i1q …(15)
上記式(14)と式(15)とにより、励磁電流iM と二次磁束φ2 はそれぞれ式(16),式(17)で表される。
【0052】
Figure 0003897156
ここで、誘導電動機の一次電流i1 と励磁電流iM とトルク電流iT との間には、i1 =(iM 2 +iT 2 1/2 なる関係があることから、上記式(16)より下記式(18)が導出される。
【0053】
Figure 0003897156
よって、トルク演算値τ# は、下記式(19)として導出される。
【0054】
Figure 0003897156
次に、第3磁束指令値演算手段32では誘導電動機2が出力するトルクにより発生する該電動機の内部損失と電力変換装置1の定常内部損失との和を最小にする第3の磁束指令値φ23 * を得るために、下記式(20)〜式(22)に従った演算を行っている。
【0055】
誘導電動機の内部損失PLOSSMは前記式(5)で表され、また、電力変換装置1の定常内部損失PLOSSBは前記式(9)の一般式として、下記式(20)で表される。
【0056】
Figure 0003897156
従って、前記PLOSSMとPLOSSBとの和は、下記式(21)で表される。
【0057】
Figure 0003897156
よって、上記式(21)の右辺で表される損失を最小にする誘導電動機の二次磁束φ2 は前記式(7)に対応して、下記式(22)となる。
【0058】
Figure 0003897156
すなわち、第3磁束指令値演算手段32ではトルク演算手段31で導出された誘導電動機2が出力するトルク演算値τ# の平方根を上記式(22)の右辺のτの平方根に置き換え、この値に誘導電動機2の一次角周波数指令値ω1 *,一次抵抗R1 ,二次抵抗R2 ,励磁インダクタンスLm,鉄損抵抗RC および電力変換装置1の等価抵抗RINV から導出される上記式(22)の右辺で示した係数を乗じた値を第3の磁束指令値φ23 * として出力している。
【0059】
さらに、第3損失演算手段33では、上述の第1損失演算手段24と同様に、第3磁束指令値演算手段32からの誘導電動機2の磁束指令値φ23 * 、誘導電動機2の一次電圧指令値v1d * ,一次電圧指令値v1q * ,一次角周波数指令値ω1 *,d軸電流成分i1d,q軸電流成分i1q,トルク演算値τ# を入力し、これらからPLOSS3を出力するためにPLOSS3=PLOSSM3+PLOSSB3+PLOSSC3を下記式(23)〜式(25)から求めている。
【0060】
Figure 0003897156
ここで、θPWM3 は第3の磁束指令値φ23 * の条件における前記電圧指令値と直流中間電圧とから導出される電圧半周期当たりでPWMスイッチングのない期間の位相角である。
【0061】
比較手段26では第1損失演算手段24で導出されたPLOSS1の値と、第3損失演算手段33で導出されたPLOSS3の値との大小比較を行い、いずれか小さい方の前記磁束指令値を切替手段27で選択し出力する指令を送っている。
【0062】
従って、この制御装置30によれば、電力変換装置1とこの電力変換装置1を介して駆動される誘導電動機2とからなる可変速駆動設備全体の損失をより少なくするための該電動機の二次磁束を発生させることにより、この設備全体の効率をより改善することができる。
【0063】
なお、図1に示した第1の実施形態回路におけるトルク演算手段22に代えて、トルク演算手段31を設けてもよく、同様に、図3に示した第2の実施形態回路におけるトルク演算手段31に代えて、トルク演算手段22を設けてもよい。
【0064】
【発明の効果】
この発明によれば、電力変換装置とこの電力変換装置を介して駆動される誘導電動機とからなる可変速駆動設備全体の損失をより少なくするための該電動機の二次磁束を発生させることにより、この設備全体を最大効率状態で運転することができるので、近年の省エネルギーの要請に十分に対応できる誘導電動機の制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す回路構成図
【図2】図1の動作を説明する誘導電動機の等価回路図
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す回路構成図
【図4】従来例を示す回路構成図
【符号の説明】
1,1a…電力変換装置、2…誘導電動機、3…電流検出器、10…制御装置、11…磁束指令値演算手段、12…電圧指令値演算手段、13…積分演算手段、14…座標変換手段、20…制御装置、21…座標変換手段、22…トルク演算手段、23…第2磁束指令値演算手段、24…第1損失演算手段、25…第2損失演算手段、26…比較手段、27…切替手段、30…制御装置、31…トルク演算手段、32…第3磁束指令値演算手段、33…第3損失演算手段。

Claims (8)

  1. 可変電圧可変周波数の交流電力を発生する電力変換装置を介して駆動される誘導電動機の制御方法において、
    予め設定される前記誘導電動機の第1の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第1の電動機内部損失と第1の変換装置内部損失との和である第1の合計損失と、
    前記誘導電動機が出力するトルクにより発生する該電動機の内部損失を最小にする第2の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第2の電動機内部損失と第2の変換装置内部損失との和である第2の合計損失とを求め、
    前記第1または第2の合計損失のうち何れか小さい値の合計損失に対応する前記誘導電動機の前記磁束指令値と一次角周波数指令値とに基づいた該電動機の一次電圧を前記電力変換装置から前記電動機に供給することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  2. 請求項1に記載の誘導電動機の制御方法において、
    前記誘導電動機の第2の磁束指令値は該電動機が出力するトルクの平方根に前記電動機の一次角周波数,一次抵抗,二次抵抗,励磁インダクタンス,鉄損抵抗から導出される係数を乗じた値にすることを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  3. 可変電圧可変周波数の交流電力を発生する電力変換装置を介して駆動される誘導電動機の制御方法において、
    予め設定される前記誘導電動機の第1の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第1の電動機内部損失と第1の変換装置内部損失との和である第1の合計損失と、
    前記誘導電動機が出力するトルクにより発生する該電動機の内部損失と前記電力変換装置の定常内部損失との和を最小にする第3の磁束指令値に基づく二次磁束でこの誘導電動機を運転したときに生ずる第3の電動機内部損失と第3の変換装置内部損失との和である第3の合計損失とを求め、
    前記第1または第3の合計損失のうち何れか小さい値の合計損失に対応する前記誘導電動機の前記磁束指令値と一次角周波数指令値とに基づいた該電動機の一次電圧を前記電力変換装置から前記電動機に供給することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  4. 請求項3に記載の誘導電動機の制御方法において、
    前記誘導電動機の第3の磁束指令値は該電動機が出力するトルクの平方根に前記電動機の一次角周波数,一次抵抗,二次抵抗,励磁インダクタンス,鉄損抵抗および前記電力変換装置の定常内部損失に対応した等価抵抗から導出される係数を乗じた値にすることを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  5. 請求項1または3に記載の誘導電動機の制御方法において、
    前記誘導電動機の第1の磁束指令値は該電動機の一次周波数指令値または回転速度から導出することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  6. 請求項1または3に記載の誘導電動機の制御方法において、
    前記誘導電動機が出力するトルクを該電動機の一次電圧,一次電流,一次角周波数,一次抵抗から導出することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  7. 請求項1または3に記載の誘導電動機の制御方法において、
    前記誘導電動機が出力するトルクを該電動機の一次電圧,一次電流,一次角周波数,励磁インダクタンス,漏れインダクタンスから導出することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  8. 請求項1または3に記載の誘導電動機の制御方法において、
    前記変換装置内部損失は前記電力変換装置が前記誘導電動機に前記二次磁束を発生させたときに生ずる定常内部損失とスイッチング損失との和から導出することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
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