JP3897137B2 - 生体情報処理装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は煙突形状の冷却孔を有する生体情報処理装置及び電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は各種の生体情報収集装置、生体監視装置等も電子化され、それに伴い実装密度も上がり、装置の発生する熱量も大きくなってきている。このため、装置の内部温度が上昇して機械の故障や誤動作を起す虞が発生してきている。係る事態を防止するため、何等かの装置冷却を行う必要があった。
【0003】
このため、コンピュータ関係機器や一般のパーソナルユースの電子機器は冷却ファンを取り付けて強制的に外部空気を装置内部に取込んで冷却を行っていた
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、装置が患者監視装置などの生体情報処理装置である場合には、手術室や集中治療室などで使用されることが多く、埃をたてるのを嫌い、かつ麻酔ガス等の空気より重い気体の撹拌を嫌い、また静粛性も求められる。このため、冷却ファンは音が大きくて使えないことが多い。
このため、装置内の空気の対流を起すために装置の筐体に大きな穴を多数配設することも考えられる。しかし、装置の周りで種々の薬品を使用したり、装置を使用する患者がベッド内で生活している場合には、誤って液体(水や各種の飲み物、薬等)をこぼすこともあり、この様な場合に穴より液体が装置内に進入して装置の動作不良を起す可能性がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために成されたもので、静粛性を損ねることなく効果的に装置の冷却を可能とし、かつ装置周辺で例え液体がこぼされる様な事態となっても、装置の動作不良を起さない信頼性の高い生体情報処理装置及び電子機器を提供することを目的とする。そして、係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0006】
即ち、少なくとも装置筐体の幅以下の横幅及び縦幅を有する所定長さの上下方向に延出した煙突状の立ち上がり部と、前記立ち上がり部下部より折れ曲がり前記立ち上がり部基部より横方向に延出した煙突状の空気導入部とを備え、少なくとも前記立ち上がり部底部から前記空気導入部を液密に構成した冷却ダクトを備え、前記冷却ダクトの前記空気導入部端部の開口部が少なくとも装置筐体表面となるように位置決め配置するとともに、前記冷却ダクトの立ち上がり部の上端開口部が前記筐体上面となるように位置決め配置し、前記立ち上がり部の周囲に熱を発生する各構成要素を配することを特徴とする。
【0007】
そして例えば、前記冷却ダクトは、断面略長方形で前記立ち上がり部には所定大きさの穴部が複数配設されていることを特徴とする。あるいは、前記冷却ダクトはの立ち上がり部の一方側には装置の電源部が、他方側には生体情報を処理する処理回路が配設され、前記冷却ダクトの下部に生体情報の入力部及び処理情報の出力部を配設することを特徴とする。
【0008】
又例えば、前記冷却ダクトの少なくとも端部開口部は所定数の小開口部に分割されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<本発明に係る発明の実施の形態例の概要>
以下の説明は、生体情報処理装置に本発明を適用した場合を例として説明する。まず、具体的な生体情報処理装置の構造を説明する前に、本発明の実施の形態例で採用する冷却ダクトの原理について図1を参照して説明する。
【0010】
本実施の形態例の冷却ダクトを内蔵させる生体情報処理装置は、患者のベッドサイドに置かれることも多く、このような場合にはベッドサイドがそのまま患者の生活空間となる。このため、使用者などが誤って装置上部より水や飲み物等を掛けてしまう様な事態が一般の電子機器に比べてより日常的に発生する可能性がある。このような事態が発生しても、生体情報処理装置が動作不良となるようなことを有効に防止し、かつ装置内部の発熱を効果的に装置外部に放出することができるようにするためにいかに説明する冷却ダクトの構造としている。以下詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る一発明の実施の形態例における冷却ダクトの基本形状モデルを示す図である。図1において、10が本発明に係る一発明の実施の形態例における冷却ダクトである。冷却ダクト10は、少なくとも装置筐体の幅以下の横幅及び縦幅を有する所定長さの上下方向に延出した煙突状の立ち上がり部15と、立ち上がり部15の底部(下部)より折れ曲がり、立ち上がり部15の基部より横方向に延出した煙突状の空気導入部11とで構成されている。
【0012】
そして、立ち上がり部15は、断面略偏平長方形で、図示の如く上部の各側壁には数多くの空気取り入れ穴17が配設されており、立ち上がり部15の周囲に配設される回路などより発生する熱を効果的に冷却ダクト10内に導出する構造と成っている。
そして、立ち上がり部15の底部から空気導入部11は穴などが配設されていない液密構造となっている。この結果、例え立ち上がり部15の開口部16より水や飲み物等の液体が矢印Aに示すように冷却ダクト10内部に進入しても、そのまま冷却ダクト10の底部より空気導入部11を経て矢印Bに示すように外部に排出され、冷却ダクト10内に進入した液体が開口部12以外の所から外部ににじみ出ることはほとんどない構造と成っている。
【0013】
また、本発明の実施の形態例においては、空気取り入れ穴17は上下に偏平に形成された楕円形状に形成されており、内部に進入した液体などがこの空気取り入れ穴17より外側に(冷却ダクトを内蔵して装置内部に)出難い構造としている。
以上の構造の冷却ダクト10において、特に上ち上がり部15の周囲に発熱体を配置すると、立ち上がり部15部分の温度が上昇し、この部分の空気が開口部16より上部に排出され、開口部12より矢印Cに示すように新たな空気が導入され、順次矢印Dに示すように上部より高い温度の空気として排出され、効果的に冷却ダクト10の温度上昇を抑え冷却することができる。
【0014】
以上の基本構造を有する本発明の実施のの形態例の実際の生体情報処理装置への組み込み例を図2乃至図4を参照して以下に説明する。
図2は本実施の形態例の冷却ダクトを組み込んだ生体情報処理装置の背面図、図3は本実施の形態例の冷却ダクトを組み込んだ生体情報処理装置の上面図、図4は本実施の形態例の冷却ダクトを組み込んだ生体情報処理装置の断面図である。図2乃至図4において、上述した図1に示す構成と同様構成には同一番号を付している。
【0015】
図2乃至図4において、50は本実施の形態例の冷却ダクト10が組み込まれた生体情報処理装置(筐体)、51は上部に設けられた生体情報処理装置50を手で持って運搬するための取っ手である。
また、60は生体情報処理装置50の冷却ダクト10の立ち上がり部15の正面側に配設された電子回路部(CPU部)、70は生体情報処理装置50の冷却ダクト10の立ち上がり部15の背面側に配設された電源部、80は生体情報処理装置50の正面に配設された表示パネル、90は生体情報処理装置50の冷却ダクト10の下部に配設された入出力インタフェースであり、発熱量の少ない入出力コネクタや該コネクタと電子回路部(CPU部)60との接続部等が配設されている。
【0016】
実際の装置内への冷却ダクトの組み込みにあたっては、冷却ダクト10の空気導入部11端部の開口部12が少なくとも装置筐体の背面の筐体表面と略一致するように形成されており、図2、図4に示すように空気導入部11は略全体に渡って複数の小開口部(小ダクト部分)に分割されている(図示の例では4つの空気ダクトに分割されている。)。
【0017】
また、冷却ダクト10の立ち上がり部15の端部開口部16は、装置筐体の上面の筐体表面と略一致するように形成されており、図3、図4に示すように、立ち上がり部15は略全体に渡って複数の小開口部(小ダクト部分)に分割されている(図示の例では15つの空気ダクトに分割されている。)。
このように装置の背面より上部まで貫通した煙突状の冷却ダクトを有する構成としたことにより、冷却ファンなどを設けることなく効率的な冷却を行うことができる。更に、この冷却ダクトを細かく区切ったことにより、この区切りを行わなかった場合に比し、ベンチュリー管の作用で熱い空気を細い管を通って高速で上部に流すことができ、より効率の良い冷却が行える。
【0018】
このように、本実施の形態例においては、高い冷却効果を実現しているため、装置筐体の他の上部や裏面などに空気穴など内部の熱を外部に放出するための穴を設ける必要がなくなる。更に、立ち上がり部15の底部より空気導入部11にかけて液密に構成されている。
以上の結果、例え装置に水等がかけられた様な場合であっても、水等が装置内に入り込むのは冷却ダクト上部のみとすることができ、更に、この冷却ダクト内に進入した水等もそのまま空気導入口11を経由して装置背面より外部に排出され、装置の安全性、信頼性が確保でき、各種の生体情報処理装置に要求される厳格な国内規格、海外規格を満たすことができる。
【0019】
[他の発明の実施の形態例]
以上の説明は実施の形態例の冷却ダクトを生体情報処理装置に適用した例について説明した。これは、生体情報処理装置において特に静粛性が求められるため、冷却ファンを取り付けられない場合に対処するためであった。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、発熱要素を有する電子機器等であって、上部よりみヂヶ掛けられてはまずい場合などにおいても適用することができる。このような場合においても図1に示す基本原理を応用した冷却ダクトを電子機器ないに組み込むことにより、例え上部より水等がかかっても装置の動作不良の発生を有効に防止しながら高い冷却効果を得ることができる。この場合においても装置上面に立ち上がり部の開口部を位置させ、装置背面に空気導入部の開口部12を配設すれば、非常に効果的な冷却効果が得られ、かつ信頼性の他界装置が提供できる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、煙突状の冷却ダクトを有する構成としたことにより、冷却ファンなどを設けることなく簡単な構成で高い冷却効果を実現することができる。
更に、この冷却ダクトを細かく区切ることにより、ベンチュリー管の作用で熱い空気を細い管を通って高速で上部に流すことができ、より効率の良い冷却が行える。
【0021】
また、立ち上がり部の底部より空気導入部にかけて液密に構成するため、例え装置に水等がかけられた様な場合であっても、冷却ダクト内に進入した水等をそのまま空気導入口を経由して外部に排出することができ、装置の安全性、信頼性が確保でき、各種の生体情報処理装置に要求される厳格な国内規格、海外規格を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例における冷却ダクトの原理を説明するための図である。
【図2】本発明に係る発明の実施の形態例の冷却ダクトを組み込んだ生体情報処理装置の背面図である。
【図3】本実施の形態例の冷却ダクトを組み込んだ生体情報処理装置の上面図である。
【図4】本実施の形態例の冷却ダクトを組み込んだ生体情報処理装置の断面図である。
【符号の説明】
10 冷却ダクト
11 空気導入部
12、16 開口部
15 立ち上がり部
17 空気取り入れ穴
50 生体情報処理装置(筐体)
51 取っ手
60 電子回路部(CPU部)
70 電源部
80 表示パネル
90 入出力インタフェース

Claims (6)

  1. 少なくとも装置筐体の幅以下の横幅及び縦幅を有する所定長さの上下方向に延出した煙突状の立ち上がり部と、前記立ち上がり部下部より折れ曲がり前記立ち上がり部基部より横方向に延出した煙突状の空気導入部とを備え、少なくとも前記立ち上がり部底部から前記空気導入部を液密に構成した冷却ダクトを備え、
    前記冷却ダクトの前記空気導入部端部の開口部が少なくとも装置筐体表面となるように位置決め配置するとともに、前記冷却ダクトの立ち上がり部の上端開口部が前記筐体上面となるように位置決め配置し、前記立ち上がり部の周囲に熱を発生する各構成要素を配することを特徴とする生体情報処理装置。
  2. 前記冷却ダクトは、断面略長方形で前記立ち上がり部には所定大きさの穴部が複数配設されていることを特徴とする請求項1記載の生体情報処理装置。
  3. 前記冷却ダクトはの立ち上がり部の一方側には装置の電源部が、他方側には生体情報を処理する処理回路が配設され、前記冷却ダクトの下部に生体情報の入力部及び処理情報の出力部を配設することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の生体情報処理装置。
  4. 前記冷却ダクトの少なくとも端部開口部は所定数の小開口部に分割されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生体情報処理装置。
  5. 少なくとも装置筐体の幅以下の横幅及び縦幅を有する所定長さの上下方向に延出した煙突状の立ち上がり部と、前記立ち上がり部下部より折れ曲がり前記立ち上がり部基部より横方向に延出した煙突状の空気導入部とを備え、少なくとも前記立ち上がり部底部から前記空気導入部を液密に構成した冷却ダクトを備え、
    前記冷却ダクトは、断面略長方形で前記立ち上がり部には所定大きさの穴部が複数配設されており、前記空気導入部端部の開口部が少なくとも装置筐体表面となるように位置決め配置するとともに、前記冷却ダクトの立ち上がり部の上端開口部が前記筐体上面となるように位置決め配置し、前記立ち上がり部の周囲に熱を発生する各構成要素を配することを特徴とする電子機器。
  6. 前記冷却ダクトの少なくとも端部開口部は所定数の小開口部に分割されていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
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