JP3896839B2 - 電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話装置に関し、より詳しくはいたずら電話の着信に対し応答を拒否できる電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電話装置では、相手を確認する手段として回線を通じて通知される発信者番号を利用し、いたずら電話であると判明した相手先からの着信に応答するのを自動的に拒否するようにしている。
【0003】
しかし、ISDN回線では、発信者が着信者に通知される発信者番号を任意に変更することができるため、いたずら電話をかける者が電話番号を変更してしまうと、いたずら電話か否かの判定ができず、自動的に応答を拒否することができなかった。
また、アナログ回線も同様に、いたずら電話をかける者が電話会社に連絡して契約している電話番号を変更してしまうと、電話番号自体が変わってしまうので、自動的に応答を拒否することができなくなってしまう。
【0004】
一方、回線を通じて発信者名(契約者名)を交換機から着信側に通知するサービスが始まろうとしている。この回線を通じて交換機から通知される発信者名(契約者名)に基づいて、着信がいたずら電話か否かを判別する発明が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いたずら電話をかける者が発信者番号または発信名のどちらか一方を変更してしまうと、着信側の電話装置にいたずら電話として記録された電話番号または発信者名のうちどちらか一方が異なる電話番号または発信者名が通知されるので、着信側の電話装置は、その発信者をいたずら電話と判別することができず、結果としていたずら電話からの着信に自動的に応答するのを拒否できないという問題が発生していた。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、効果的にいたずら電話からの着信に応答するのを拒否することができる電話装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明に係る電話装置は、発信者の発信時に発信側の電話番号および発信者名のうち少なくとも一方の情報を回線を介して着信側へ通知する交換機に回線を介して接続される電話装置において、発信者の発信に基づいて回線に着信が到来するときに交換機から通知される発信側の電話番号および発信者名の情報を受信する受信手段と、この受信手段により受信された発信側の電話番号および発信者名の情報が記録されるユーザテーブルと、発信者の発信に基づいて回線に着信が到来するときにこの着信を拒否する発信側の電話番号および発信者名の情報が記録されるブラックリストテーブルと、受信手段により受信された発信側の電話番号および発信者名をユーザテーブルに既に記録されている発信側の電話番号および発信者名の情報と比較し、発信側の電話番号または発信者名のうち一方が異なることを検出する検出手段と、この検出手段が一定期間内に検出する回数が所定値を超えると受信手段により受信された発信側の電話番号および発信者名をブラックリストテーブルに記録する記録手段と、受信手段により受信された発信側の電話番号または発信者名がブラックリストテーブルに記録されているときに、発信側からの着信に応答するのを拒否する着信応答手段とを備えたことを特徴とする。
この電話装置によれば、交換機から通知される発信側の電話番号および発信者名のうち一方が一定期間内に所定回数異なると、その発信側の電話番号および発信者名はいたずら電話としてブラックリストテーブルに記録され、このブラックリストテーブルに記録された電話番号および発信者名からの着信は応答するのが拒否される。
【0007】
上記電話装置において、ブラックリストテーブルに記録された発信側の電話番号および発信者名の情報を所定操作に基づいて表示する表示手段をさらに備えてもよい。この電話装置によれば、ブラックリストテーブルの情報が表示手段により表示される。
【0008】
上記電話装置において、必ず応答する発信者の電話番号および発信者名の情報を記録する着信有効テーブルをさらに備え、記録手段は、所定操作に基づいて必ず応答する発信者の電話番号および発信者名を着信有効テーブルに記録し、着信応答手段は、受信手段により受信された電話番号および発信者名の情報が着信有効テーブルに記録されているときにこの着信有効テーブルに記録されている発信者からの着信に応答するようにしてもよい。この電話装置によれば、着信有効テーブルに記録された発信者からの着信には、ブラックリストテーブルに記録されているか否かにかかわらず応答する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず図8を参照して、本実施の形態に係る電話装置に適用される発信者通知サービスの概要を説明する。図8において、10Aは情報発信端末、10Bは情報受信端末、100は発側交換機、200は着側交換機、300は発信者名DB(発信者名データベース)をそれぞれ示している。
【0010】
情報発信端末10Aについて発信者通知サービスが設定されており、この情報発信端末10Aの発信者電話番号と発信者名(契約者名)とが発信者名DB300に登録されているとする。ここで、図8の時点▲1▼で情報発信端末10Aが情報受信端末10B宛に発信したとすると、情報発信端末10Aの電話番号が発側交換機100を介して着側交換機200に送られる。着側交換機200では、この情報発信端末10Aの電話番号を時点▲2▼で発信者名DB300に転送する。発信者名DB300では、転送されてきた電話番号をもとに発信者名を検索し、検索結果の発信者名を時点▲3▼で着側交換機200に転送する。着側交換機200は、時点▲4▼における情報受信端末10Bへの着信時に着信情報として、情報発信端末10Aの電話番号と発信者名とを情報受信端末10Bに通知する。
【0011】
図9は、着信時における着側交換機200と情報受信端末10Bの動作を示すシーケンス図である。まず、図9(a)に示すアナログ回線の場合の動作から説明する。
図8に示す着側交換機200は、情報受信端末10Bの着信に先立ち、ステップS21で16Hzの受信端末起動信号を情報受信端末10Bへ送出する。すると、情報受信端末10Bでは、この受信端末起動信号を検出してステップS22で回線の直流ループを閉結する(一次応答信号)。着側交換機200は、この回線直流ループ閉結に基づく一次応答信号により、情報受信端末10B側の応答を認識すると、前述した情報発信端末10Aの電話番号と発信者名をモデム信号によりステップS23で情報受信端末10Bに通知する。
【0012】
情報受信端末10Bは、着側交換機200から通知された情報発信端末10Aの電話番号と発信者名とを受信すると、閉結していた回線の直流ループをステップS24で開放する(受信完了信号)。着側交換機200は、受信完了信号を検出すると、ステップS25で情報受信端末10Bへ16Hzの呼出信号を送出する。この呼出信号により情報受信端末10B側が着信鳴動し、情報受信端末10Bの例えばオフフックにより回線の直流ループが閉結されると、この回線直流ループ閉結がステップS26で二次応答信号として着側交換機200へ伝達され、着側交換機200では情報受信端末10Bの着信応答を認識する。したがって、情報受信端末10B側で着側交換機200から通知される情報発信端末10Aの電話番号および発信者名を表示部に表示するようにすれば、情報受信端末10B側では着信に応答する前に誰からの着信であるかを容易に識別することができる。
【0013】
一方、図9(b)はISDN回線の場合の動作を示すシーケンス図である。ISDN回線の場合は、情報受信端末10Bへの着信時にまず着側交換機200から、「CNG」(”発番号情報要素”)と、「CRI−INV(Caller RelatedInfomation-INV)」(発信者関連文字情報オペレーション)を含んだ「FAC」(”ファシリティ”)情報要素とからなる「SETUP」(「呼設定」メッセージ)をISDN回線 を介して情報受信端末10BにステップS31で送信する。
【0014】
すると、情報受信端末10Bはこの「呼設定」メッセージを識別して、「CALLPROC」(「呼設定受付」メッセージ)をステップS32で着側交換機200に送信するとともに、続いてステップS33およびS34でそれぞれ、「ALERT」(「呼出」メッセージ)および「CONN」(「応答」メッセージ)を着側交換機200へ送出する。着側交換機200は、これらのメッセージを受信すると、「CONNACK」(「応答確認」メッセージ)をステップS35で情報受信端末10Bへ返送する。したがって、情報受信端末10B側で着側交換機200からの「呼設定」メッセージに含まれる、”発番号情報要素”中の発番号(発信者電話番号)と、”ファシリティ”情報要素の「CRI−INV」内の発信者名とを表示部に表示するようにすれば、情報受信端末10B側では着信に対応する前に誰からの着信であるかを容易に識別することができる。
【0015】
次に、図1を参照して本実施の形態に係る電話装置の構成について説明する。図1(a)は本実施の形態に係る電話装置の構成例を示すブロック図であり、発信者の電話番号と名前(発信者名)とが通知されるアナログ回線(外線)L1、L2に接続された単独電話機の例である。
この電話装置10は、外線I/F11と、制御部12と、通話回路13と、記憶部14と、表示部15と、操作部16と、ブザー17とから構成される。なお、電話装置10は、図8における情報受信端末10Bに対応する。
【0016】
受信手段を実現する外線I/F11には、回線L1、L2に到来する着信信号を検出する着信検出回路18と、回線L1、L2の直流ループの開放状態を検出する開ループ検出回路19と、回線L1、L2のリバースを検出するリバース検出回路20と、回線L1、L2の直流ループを閉結するための図示しないスイッチ素子等からなるループ閉結回路21と、回線L1、L2へ送出するダイヤル信号を生成するダイヤル回路22と、回線L1、L2からのモデム信号を受信するモデム23と、トランスTとが設けられている。
【0017】
ここで、利用者が発信操作を行うと、電話装置10の制御部12はループ閉結回路21を駆動して回線L1、L2の直流ループを閉結した後、操作された相手電話番号をダイヤル回路22に送出することによりこの電話番号に応じたダイヤル信号を生成させ、ループ閉結回路21を介して回線L1、L2側へ送出させる。これにより、相手の呼出が行われ相手の呼出への応答により発信通話が可能になる。
【0018】
一方、相手端末(情報発信端末)側からの着信時には、図9(a)に示すように、まず着側交換機200から16Hzの受信端末起動信号が回線L1、L2に到来する。この受信端末起動信号は電話装置10の着信検出回路18で検出されて制御部12に出力される。この場合、制御部12は、ループ閉結回路21を駆動する。すると、ループ閉結回路21のスイッチ素子の接点が閉結されることにより、回線L1とL2の間が、回線L1→トランスT→ループ閉結回路21のスイッチ素子→回線L2の経路で接続され、回線L1、L2の直流ループが閉結される(一次応答信号)。着側交換機200は一次応答信号を検出すると、前述したように発信者電話番号および発信者名をモデム信号により通知する。
【0019】
着側交換機200からのモデム信号は、直流ループが閉結された回線L1、L2に到来しモデム23により受信される。電話装置10の制御部12は、モデム23により受信された発信者電話番号および発信者名を表示部15に表示するとともに、ループ閉結回路21を駆動してスイッチ素子の接点を開放することにより回線L1、L2の直流ループを開放する(受信完了信号)。すると、着側交換機200は、この受信完了信号に基づき電話装置10側へ16Hzの呼出信号を送出する。この呼出信号は着信検出回路18で検出されて制御部12に伝達され、この場合制御部12はブザー17を駆動して着信鳴動を行う。
【0020】
この着信鳴動により利用者が着信に気づきこの着信に応答するためにオフフックすると、図示しないフックスイッチにより回線L1、L2の直流ループが閉結され、これが二次応答信号として着側交換機200へ伝達されることにより、利用者の着信応答通話が実現される。
なお、電話装置10がISDN回線に接続される場合は、図1の外線I/F11の代わりにISDN回線I/F部を設け、このISDN回線I/F部が着側交換機200と図9(b)のシーケンスに基づく処理を行うことにより、同様に着側交換機200から通知される発信者電話番号および発信者名を受信できるとともに、「呼設定受付」メッセージ(受信完了)を着側交換機200へ返送することもできる。
【0021】
制御部12は、電話装置10の各部を制御するCPUなどのマイクロプロセッサから構成されており、記憶部14に予め格納されているプログラム14Dを読み込んで起動することにより各種機能を実現する。
すなわち制御部12は、ハードウェアとソフトウェアの協働により図1(b)に示す記録手段12A、検出手段12Bおよび着信応答手段12Cとして作用する。
【0022】
記録手段12Aは、外線I/F11が受信した電話番号および発信者名を、後述する記憶部14のユーザテーブル14A、ブラックリストテーブル14B、着信有効テーブル14Cに記録する。検出手段12Bは、外線I/F11が受信した電話番号および発信者名を、既にユーザテーブル14Aに記録されている電話番号および発信者名と比較し、この電話番号および発信者名のどちらか一方が異なることを検出する。着信応答手段12Cは、外線I/F11が受信した電話番号または発信者名が、ブラックリストテーブル14Bに記録されている場合は着信を拒否し、着信有効テーブル14Cに記録されている場合は着信に応答する。
【0023】
記憶部14は、公知の記憶媒体からなり、図1(b)に示すように制御部12で実行されるプログラム14Dのほか、ユーザテーブル14A、ブラックリストテーブル14Bおよび着信有効テーブル14Cなどの各種情報を記憶する。ユーザテーブル14Aには、外線I/F11が受信した電話番号および発信者名が記録される。ブラックリストテーブル14Bには、着信を拒否する電話番号および発信者名が記録される。着信有効テーブル14Cには、着信に応答する電話番号および発信者名が記録される。
制御部12には、上述した記憶部14と、LCDやLEDなどの表示素子を用いて回線使用状態や着信状態などの電話の動作状態を表示する表示部15と、図示しないダイヤルキーなどのキー入力や図示しないフックスイッチの状態などから利用者の操作を検出する操作部16と、ブザー17とが接続される。
【0024】
なお、本実施の形態に係る電話装置は、上述した単独電話機のみならず親子電話機やボタン電話機にも適用することができる。
【0025】
次に、図2および図3を参照して、前述した発信者通知サービスを利用した本実施の形態における電話装置の動作について説明する。図2および図3は、本実施の形態における電話装置の受信処理の動作を示すフローチャートである。
【0026】
外線I/F11が着信を検出すると(ステップS1:YES)、制御部12は、着側交換機200に一時応答信号を送信し、この一時応答信号に基づいて着側交換機200から発信側の電話番号または発信者名の情報が送られてきたか否かを確認する(ステップS2)。電話番号および発信者名のどちらの情報も送られてこない場合には(ステップS2:NO)、制御部12は、ループ閉結回路21を駆動し回線L1、L2の直流ループを開放させ、ブザー17を駆動して着信鳴動を行う(通常処理)(ステップS7)。
また、電話番号および発信者名のどちらの情報も送られてこない場合には(ステップS2:NO)、制御部12は、自動的にループ閉結回路21を駆動させて回線L1、L2の直流ループを閉結することにより着信に応答し、例えば「応答できません」などのメッセージを送出した後、ループ閉結回路21を開放して回線L1、L2を切断するようにしてもよい。
【0027】
電話番号および発信者名の少なくともどちらか一方の情報を受信した場合には(ステップS2:YES)、制御部12は、受信した電話番号または発信者名が着信有効テーブル14Cに記録されているか否かを確認する(ステップS3)。着信有効テーブル14Cに受信した電話番号または発信者名が記録されている場合には(ステップS3:YES)、着信応答手段12Cは、通常処理を行う(ステップS7)。
【0028】
着信有効テーブル14Cに受信した電話番号または発信者名が記録されていない場合は(ステップS3:NO)、その電話番号または発信者名がブラックリストテーブル14Bに記録されているか否かを確認する(ステップS4)。
ブラックリストテーブル14Bに受信した電話番号または発信者名のどちらか一方もしくは両方が記録されている場合には(ステップS4:YES)、制御部12は、受信した電話番号または発信者名が新しい場合には、その電話番号または発信者名を新たにブラックリストテーブル14Bに追加して記録した後(ステップS5)、着信応答手段12Cは、ループ閉結回路21の閉結し、その後開放を行うことにより回線L1、L2を切断し、発信側からの着信に応答するのを拒否する(切断処理)(ステップS6)。
なお、切断処理の他の例として、着信応答手段12Cは、着側交換機200から呼出信号が送られてきてもブザー17が駆動しないようにすることができる。このようにすると、発信側の電話装置には、着信側の電話装置が留守の場合と同様に呼出音が鳴り続ける。
【0029】
ブラックリストテーブル14Bに受信した電話番号または発信者名が記録されていない場合は(ステップS4:NO)、図3に示す符号1の処理に進み、ユーザテーブル14Aに受信した電話番号または発信者名が記録されているか否かを確認する(ステップS8)。受信した電話番号と発信者名のいずれもユーザテーブル14Aに記録されていない場合には(ステップS8:NO)、記録手段12Aが受信した電話番号または発信者名をユーザテーブル14Aに記録し(ステップS9)、制御部12は、通常処理を行う(ステップS18)。
【0030】
受信した電話番号または発信者名の少なくともどちらか一方が既にユーザテーブル14Aに記録されている場合には(ステップS8:YES)、検出手段12Bは、受信した電話番号または発信者名と、既にユーザテーブル14Aに記録されている電話番号または発信者名とを比較し、電話番号または発信者名のどちらか一方が相違するか否かを検出する(ステップS10)。
受信した電話番号および発信者名が既にユーザテーブル14Aに記録されている電話番号および発信者名と同一の場合には(ステップS10:NO)、制御部12は、通常処理を行う(ステップS18)。
これに対し、電話番号または発信者名のどちらか一方が既にユーザテーブル14Aに記録されている電話番号または発信者名と相違することを検出した場合には(ステップS10:YES)、ユーザテーブル14Aに設けられている不一致カウンタの数値を1つ増やし(ステップS11)、本実施の形態ではこの数値が3以上か否かを確認する(ステップS12)。
【0031】
不一致カウンタが3未満の場合には(ステップS12:NO)、着信応答手段12Cは、通常処理を行う(ステップS18)。しかし、不一致カウンタが3以上の場合には(ステップS12:YES)、検出手段12Bが3回検出するのに一定期間を要したか否かを確認する(ステップS13)。
通常、電話番号および発信者名は、頻繁に変わるものではない。何らかの理由で頻繁に変わったとしても、それが短期間に変わることは、いたずら電話以外ではほとんど考えられない。そこで、ステップS12およびS13では、電話番号または発信者名のどちらか一方が相違する回数は、例えば1ヶ月に3回など通常では考えられない回数に設定する。
検出手段12Bが3回検出するのに要した期間が一定期間を越えた場合には(ステップS13:NO)、不一致カウンタを消去し(ステップS15)、制御部12は、通常処理を行う
(ステップS18)。
【0032】
検出手段12Bが3回検出するのに要した期間が一定期間内の場合には(ステップS13:YES)、この発信側の情報をブラックリストテーブル14Bに登録するか否かを確認する指示を出す(ステップS14)。電話装置の使用者がブラックリストテーブル14Bに記録すること望む場合には(ステップS14:YES)、使用者が操作部16により所定操作を行い、この所定操作に基づいて記録手段12Aがブラックリストテーブル14Bに発信側の情報を記録し(ステップS16)、着信応答手段12Cが切断処理を行う(ステップS17)。
なお、検出手段12Bが一定期間内に3回検出した時点で自動的にブラックリストテーブル14Bに発信側の情報を登録するようにすることもできる。
【0033】
電話装置の使用者がブラックリストテーブル14Bに記録することを望まない場合には(ステップS14:NO)、不一致カウンタをリセットし(ステップS15)、着信応答手段12Cは、通常処理を行う(ステップS18)。なお、この際に記録手段12Aは、発信側の情報を着信有効テーブルに記録するように設定することもできる。
【0034】
次に、図4を参照して、本実施の形態におけるユーザテーブル14Aについて説明する。図4は、本実施の形態におけるユーザテーブル14Aの一例である。ユーザテーブル14Aには、電話番号および発信者名のそれぞれに不一致カウンタが対応づけて記録される。受信した電話番号または発信者名のどちらか一方がユーザテーブル14Aに記録されている電話番号および発信者名と相違することを検出手段12Bが検出すると、電話番号および発信者名の片方でも一致する全ての対応する不一致カウンタの数値は1つ増やされる。
【0035】
電話装置10は、不一致カウンタの数値が一定期間内に所定の数値を超えると、この不一致カウンタに対応づけて記録されている電話番号および発信者名からの着信に応答するのを拒否するか否かを使用者に確認する。
なお、電話装置10は、不一致カウンタの数値が一定期間内に所定の数値を超えた時点で、自動的に不一致カウンタに対応づけて記録されている電話番号および発信者名をブラックリストテーブル14Bに記録することもできる。
また、ブラックリストテーブル14Bに記録する基準となる不一致カウンタの数値および所定期間は、適宜自由に設定することができる。
【0036】
次に、図5を参照して、本実施の形態におけるブラックリストテーブル14Bについて説明する。図5(a)は、着信▲1▼〜▲5▼における発信側からの着信例、(b)〜(d)は、ブラックリストテーブル14Bへの記録の仕方を説明する図である。便宜上、電話番号および発信者名は、1つの数字もしくはアルファベットで表す。
着信▲1▼〜▲3▼においては、電話番号が1で発信者名がA、B、C、着信▲4▼では電話番号が2で発信者名がA、着信▲5▼では電話番号が1で発信者名がDからの着信があったと仮定する。
【0037】
ブラックリストテーブル14Bは、電話番号と発信者名のそれぞれにインデックスを対応づけて記録される。なお、インデックスとは、電話番号と名前のつながりを表す。
着信▲1▼〜▲3▼があった場合には、電話番号と発信者名は、図5(b)に示すようにブラックリストテーブル14Bに記録される。着信▲1▼〜▲3▼は、電話番号は全て同じ1であるが、発信者名がA、B、Cと全て異なる。このような場合にブラックリストテーブル14Bには、電話番号は1、この電話番号に対応するインデックスにはA、B、C、発信者名はA、B、C、この発信者名に対応するインデックスには1が記録される。
【0038】
次の着信▲4▼は、電話番号が2であるが、発信者名がAで、この発信者名Aは図5(b)に示すように、既にブラックリストテーブル14Bに記録されているので、電話番号に2、この電話番号2に対応するインデックスにAを記録する。次いで、発信者名Aが以前にどの電話番号で着信があったかもしくは可能性があるかを発信者名に基づいてブラックリストテーブル14Bを検索すると、発信者名Aに対応するインデックスには1が記録されており、以前に電話番号1で着信があったもしくは着信する可能性があることがわかる。電話番号1は、ブラックリストテーブル14Bを電話番号1に基づいて検索すると、インデックスにA、B、Cが記録されており、以前にA、B、Cという発信者名で着信があったもしくは着信する可能性があることがわかる。そこで、電話番号2も発信者名B、Cが使用される可能性があるので、図5(c)に示すように、電話番号2に対応するインデックスにはA、B、Cが記録される。同様に発信者名A、B、Cも電話番号2が使用される可能性があるので、発信者名A、B、Cに対応するインデックスには2が記録される。
【0039】
次の着信▲5▼は、電話番号が1で、発信者名がDとなっており、図5(c)に示すように電話番号1は既に記録されているので、発信者名にD、この発信者名Dに対応するインデックスに1を記録する。次いで、電話番号1がどの発信者名を使用する可能性があるかを電話番号1に基づいてブラックリストテーブル14Bを検索すると、電話番号1に対応するインデックスにはA、B、Cが記録されているので、発信者名A、B、Cを使用する可能性があることがわかる。また、発信者名A、B、Cは、どの電話番号を使用する可能性があるかを発信者名A、B、Cに基づいてブラックリストテーブル14Bを検索すると、対応するインデックスには1と2が記録されているので、電話番号1、2を使用する可能性があることがわかる。そこで、発信者名Dも、電話番号2が使用される可能性があるので、図5(d)に示すように、発信者名Dに対応するインデックスには2が記録される。同様に、電話番号1、2も発信者名Dが使用される可能性があるので、電話番号1、2に対応するインデックスにはDが記録される。
上述したように、本発明の電話装置は、ブラックリストテーブル14Bに実際に受信した電話番号および発信者名のみならず受信する可能性がある電話番号および発信者名も記録されるので、いたずら電話からの着信を効果的に識別することができ、この着信に応答するのを効果的に拒否することができる。
【0040】
なお、本発明の電話装置は。ブラックリストテーブル14Bに、電話番号および発信者名のそれぞれにインデックスが対応づけて記録されれば、上述した以外の方法で電話番号、発信者名およびインデックスを記録してもよい。
【0041】
次に、図6に着信有効テーブル14Cの一例を示す。着信有効テーブル14Cには、発信者からの着信に必ず応答する電話番号および発信者名が記録される。図6に示すように、着信有効テーブル14Cには、電話番号および発信者名のどちらか一方もしくは両方を複数記録することもできる。これにより、必ず応答する発信者からの着信には、確実に応答することができる。
【0042】
次に、図7に表示部15に表示されるブラックリストテーブル14Bの一例を示す。操作部16に所定操作を行うと、表示部15には図7に示すような着信に応答するのを拒否する電話番号および発信者名が表示される。電話番号および発信者名のどちらか一方もしくは両方が複数ある場合には、全て表示することができる。これにより、いたずら電話の発信者の情報を確認することができる。
なお、ブラックリストテーブル14Bの情報は、操作部16で所定操作を行うことにより変更、消去等をすることができる。
また、表示部15へのブラックリストテーブル14Bの表示方法は、電話番号および発信者名が表示されれば、図7に示す形態以外の表示方法で表示してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電話装置は、発信者の発信に基づいて回線に着信が到来するときに交換機から通知される発信側の電話番号および発信者名の情報を受信し、受信された発信側の電話番号および発信者名の情報をユーザテーブルに記録し、受信された発信側の電話番号および発信者名を既にユーザテーブルに記録されている発信側の電話番号および発信者名の情報と比較して発信側の電話番号または発信者名のうち一方が異なることを所定期間内に所定回数検出すると、その発信側の電話番号および発信者名をブラックリストテーブルに記録し、このブラックリストテーブルに記録されている発信側からの着信に応答するのを拒否することにより、効果的にいたずら電話からの着信に応答するのを拒否することができる
【0044】
また、本発明の電話装置は、ブラックリストテーブルに記録された発信側の電話番号および発信者名の情報を所定操作に基づいて表示する表示手段をさらに備えることにより、着信を拒否する発信者の情報を確認することができる。
さらに、本発明の電話装置は、必ず応答する発信者の電話番号および発信者名の情報を記録する着信有効テーブルをさらに備えることにより、着信有効テーブルに記録されている発信者からの着信には必ず応答し、いたずら電話からの着信と差別化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明に係る電話装置の構成を示すブロック図、(b)制御部および記憶部の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る電話装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 本発明に係る電話装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】 ユーザテーブル14Aの例を示す図である。
【図5】 ブラックリストテーブル14Bの例およびブラックリストテーブル14Bへの記録方法の一例を説明する図である。
【図6】 着信有効テーブル14Cの例を示す図である。
【図7】 表示部15に表示されるブラックリストテーブル14Bの例である。
【図8】 情報発信端末装置の発信時に発信端末の情報が情報受信端末側へ通知される状況を示す図である。
【図9】 着信時に着側交換機と情報受信端末側で送受される信号のシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
10…電話装置、11…外線I/F、12…制御部、12A…記録手段、12B…検出手段、12C…着信応答手段、13…通話回路、14…記憶部、14A…ユーザテーブル、14B…ブラックリストテーブル、14C…着信有効テーブル、14D…プログラム、15…表示部、16…操作部、17…ブザー、18…着信検出回路、19…開ループ検出回路、20…リバース検出回路、21…ループ閉結回路、22…ダイヤル回路、23…モデム。
Claims (3)
- 発信者の発信時に発信側の電話番号および発信者名のうち少なくとも一方の情報を回線を介して着信側へ通知する交換機に前記回線を介して接続される電話装置において、
発信者の発信に基づいて前記回線に着信が到来するときに前記交換機から通知される前記発信側の前記電話番号および前記発信者名の情報を受信する受信手段と、
この受信手段により受信された前記発信側の前記電話番号および前記発信者名の情報が記録されるユーザテーブルと、
発信者の発信に基づいて前記回線に着信が到来するときにこの着信を拒否する前記発信側の前記電話番号および前記発信者名の情報が記録されるブラックリストテーブルと、
前記受信手段により受信された前記発信側の前記電話番号および前記発信者名を前記ユーザテーブルに既に記録されている前記発信側の前記電話番号および前記発信者名の情報と比較し、前記発信側の前記電話番号または前記発信者名のうち一方が異なることを検出する検出手段と、
この検出手段が一定期間内に検出する回数が所定値を超えると前記受信手段により受信された前記発信側の前記電話番号および前記発信者名を前記ブラックリストテーブルに記録する記録手段と、
前記受信手段により受信された発信側の電話番号または発信者名が前記ブラックリストテーブルに記録されているときに、前記発信側からの着信に応答するのを拒否する着信応答手段と
を備えたことを特徴とする電話装置。 - 請求項1に記載された電話装置において、
前記ブラックリストテーブルに記録された前記発信側の前記電話番号および前記発信者名の情報を所定操作に基づいて表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする電話装置。 - 請求項1または2に記載された電話装置において、
必ず応答する発信者の電話番号および発信者名の情報を記録する着信有効テーブルをさらに備え、
前記記録手段は、所定操作に基づいて必ず応答する発信者の電話番号および発信者名を着信有効テーブルに記録し、
前記着信応答手段は、前記受信手段により受信された前記電話番号および前記発信者名の情報が前記着信有効テーブルに記録されているときにこの着信有効テーブルに記録されている前記発信者からの着信に応答することを特徴とする電話装置。
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