JP3896796B2 - メタノール改質触媒とその製造方法 - Google Patents

メタノール改質触媒とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、メタノールから水素を製造するメタノール改質触媒に関するものである。詳細には、本発明は優れた改質性能と低温活性を有するメタノール改質触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気化学反応による発電方式を用いた燃料電池は、高エネルギー効率と優れた環境特性とを有することから、近年、自動車への応用が期待されている。燃料電池の原理は、水の電気分解の逆反応、すなわち水素と酸素が結びついて水を生成する際に発生する電気エネルギーを利用している。この燃料電池に用いる燃料水素源として、メタノールの水蒸気改質によって生成される水素が注目されている。なぜなら、メタノールは近年、石油、石炭、天然ガスなどの多くの資源から大量生産される技術が確立されてきており、安価に入手できるからである。さらに、メタノールの取り扱いの面から見て水素ガスに比べ危険が少ないため運搬や備蓄が容易である。また、改質反応温度が200〜400℃程度であることから、簡易に水素を作り出すシステムが実現できるからである。
【0003】
メタノール改質触媒として、一般に銅、亜鉛およびアルミナを原料とする触媒がよく知られている。例えば、特開昭53−76991号公報、特開平1−111445号公報、特開平11−19516号公報などがある。これらの触媒の製造方法においては、共沈法、含浸法などの方法が使用されている。
【0004】
ここで、含浸法は、アルミナ(Al23)等の無機酸化物の担体を触媒金属溶液に含浸して担持することによって、触媒を製造する方法である。 この含浸法では、触媒金属が触媒層の表面にのみ担持されており、分散性が悪く、熱によって活性金属がシンタリング(凝集)するため、改質活性の低下を引き起こすという問題がある。
【0005】
また、共沈法は、無機金属塩の水溶液に酸やアルカリを添加して、金属酸化物あるいは金属水酸化物を沈殿させることによって、触媒を製造する方法である。この共沈法では、原料中に含まれる不純物を排除しにくく、沈殿時に使用した塩類を不純物として取り込みやすく、沈殿の成長の際にpHのばらつきなどによって均質な触媒を調製しにくいといった問題が生じる。
【0006】
燃料電池電気自動車用のメタノール改質装置には、コンパクトかつ始動性の高い改質装置が要求される。このために、メタノール改質触媒に所望される機能は、単位容積当たりの水素生成量が高く、低温(約200℃)時でもメタノール改質活性の優れていることである。しかし、銅、亜鉛およびアルミナを原料にし、共沈法、含浸法などの方法によって製造されたような従来のメタノール改質触媒にはこのような機能に劣る問題がある。よって、従来のメタノール改質触媒よりも、単位容積当たりの水素生成量が高く、低温(約200℃)時でもメタノール改質活性の優れている機能があるメタノール改質触媒が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、単位容積当たりの水素生成量が高く、低温(約250℃)時でもメタノール改質活性の優れている機能があるメタノール改質触媒を提供することを目的とする。さらに、低温(約250℃)から高温(約400℃)までメタノールからの水素生成能を高く維持できるメタノール改質触媒を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るメタノール改質触媒は、銅と、パラジウムと、シリカとを含んでなり、メタノールの水蒸気改質により水素を発生させる。本発明に係るメタノール改質触媒は、金属アルコキシドに酸を加えゾルを生成するステップと、このゾルに触媒金属水溶液を加え、撹拌するステップと、撹拌されたゾルを、蒸発乾燥し、ゲルを生成するステップと、ゲルを乾燥し、焼成するステップと、焼成された前記ゲルを還元処理するステップとを含む製造方法によって製造される。
【0009】
また、本発明に係るメタノール改質触媒は、パラジウム:銅の比率が、1:20から1:5の範囲であることが好適である。また、本発明に係るメタノール改質器は、反応経路の前段に本発明に係るメタノール改質触媒を配置し、反応経路の後段に銅と亜鉛とアルミナとを含み、アルミナの担体を、銅と亜鉛とを含む溶液に含浸して担持する方法によって製造された触媒を配置することが好ましい。本発明に係るメタノール改質触媒は、反応温度が250℃から400℃の範囲で、メタノール改質率が82%以上であることができる。
【0010】
また、本発明は、金属アルコキシドに酸を加え、ゾルを生成するステップと、該ゾルに触媒金属水溶液を加え、撹拌するステップと、撹拌されたゾルを、蒸発乾燥し、ゲルを生成するステップと、前記ゲルを乾燥し、焼成するステップと、焼成された前記ゲルを還元処理するステップとを含むメタノール改質触媒の製造方法を提供する。
【0011】
金属アルコキシドとは、アルコール類における水酸基の水素を金属で置換することにより得られる化合物である。例えば、オルトケイ酸テトラエチル((C25O)4Si)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
ゾルとは、コロイド溶液とほぼ同義に使用され、液体中に分散していて流動性を示し、粒子は活発にブラウン運動している状態をいう。
ゲルとは、コロイド粒子が独立した運動性を失って、集合して固化した状態をいう。
還元処理するとは、処理される物質に電子を付加することをいう。具体的には、水素雰囲気中で処理される物質に水素を添加することをいう。
触媒金属水溶液とは、触媒機能を有する金属を含む水溶液のことである。例えば、硝酸パラジウム水溶液や硝酸銅水溶液や硝酸亜鉛水溶液などが挙げられるが、触媒機能を有する金属を含む水溶液ならばよく、限定されるものではない。
【0012】
上に述べたように、本発明によれば、単位容積当たりの水素生成量が高く、低温(約250℃)時でもメタノール改質活性の優れている機能があるメタノール改質触媒を提供することができる。さらに、低温(約250℃)から高温(約400℃)までメタノールからの水素生成能を高く維持できるメタノール改質触媒を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、メタノール水蒸気改質触媒の水素生成能と低温活性のさらなる向上を目指して、触媒調製法や触媒成分の鋭意検討を行った。この検討結果、ゾル・ゲル法により調製したパラジウム、銅およびシリカからなる触媒がメタノールの水蒸気改質における低温活性に優れ、副生成物であるジメチルエーテル(以下「DME」ともいう)などを生成することが少ないという高活性な触媒であることを見いだした。
【0014】
ここで、ゾル・ゲル法による触媒製造方法とは、以下のようなステップを用いて、触媒を製造する方法をいう。金属アルコキシドに酸を加え、pH2〜3にすることで加水分解反応が起こり均一なゾルができる。このゾルに触媒金属水溶液を加え十分に攪拌する。つぎに、エバポレータにて蒸発乾燥させることによってゲル化する。さらに、このゲルを乾燥、焼成後、還元処理する。以上のステップによって触媒を製造する方法がゾル・ゲル法による触媒製造方法である。しかし、本発明においてゾル・ゲル法による触媒製造方法が以上の方法に限定されるものではなく、ゾルとゲルの状態を用いて触媒を作成する方法ならばよく、広義に含むものとする。
ここで、金属アルコキシドとは、アルコール類における水酸基の水素を金属で置換することにより得られる化合物であり、例えば、オルトケイ酸テトラエチル((C25O)4Si)などが挙げられる。
ここで、触媒金属水溶液とは、触媒機能を有する金属を含む水溶液のことであり、例えば、硝酸パラジウム水溶液や硝酸銅水溶液や硝酸亜鉛水溶液などが挙げられる。
【0015】
ゾル・ゲル法によって生成した触媒は、一般的に担持した活性金属の分散度が高く、金属の粒子径を小さく制御できるという優れた点がある。また、金属が担体とのネットワークを作りシンタリングしにくいという点でも優れている。ところで、従来のように担体としてアルミナを使用した場合、アルミナが酸性を有しているため以下に示すメタノールの脱水反応が生じやすく、副生成物としてDMEを生じるという問題がある。この傾向は、ゾル・ゲル法で調製したアルミナで特に高い。
2CH3OH→CH3OCH3+H2O ………(1)
【0016】
一方、担体にシリカを使用すると、低温活性ではアルミナを使用した場合とほとんど差がなく、シリカには酸性がほとんどないため、副生成物であるDMEを生じないことが鋭意研究の結果、分かった。
【0017】
本発明に係る実施の形態である、パラジウムと、銅と、シリカとを含み、ゾル・ゲル法により調製したメタノール改質触媒において、水素生成量の高いメタノール改質触媒は、パラジウムと銅との総量が5から30重量%(以下、「wt%」ともいう)で、パラジウム:銅の比率が、1:20から1:5の範囲が適している。特に、パラジウムと銅との総量が10wt%、パラジウム:銅の比率が1:9のメタノール改質触媒が、最も水素の生成量が優れている。
【0018】
また、本触媒の高温性能を補うため、メタノール改質器の反応経路の前段にゾル・ゲル法により調製したパラジウムと、銅と、シリカとを含む低温活性に優れたメタノール改質触媒を配置し、反応経路の後段に従来の含浸法により調製した銅と、亜鉛とアルミナとを含む高温活性に優れた触媒を配置する。この配置によって、低温(約250℃)から高温(約400℃)まで幅広くメタノール改質の活性が高く、特に、メタノール改質器が通常運転される300℃前後の温度で水素生成量を最大にすることができる。ここで、含浸法とは、アルミナ(Al23)等の無機酸化物の担体を触媒金属溶液に含浸して担持することによって、触媒を製造する方法である。
【0019】
【実施例】
[実施例1:ゾル・ゲル法によるCu−Pd/SiO2の調製]
0.0679gの硝酸パラジウムと水40mlを混合し攪拌しながら80℃に加熱した。ここにオルトケイ酸テトラエチル11.0mlとエチレングリコール8.3mlの混合溶液を加え、攪拌しながら加熱した。この混合溶液を80℃のまま攪拌を15分以上続け、硝酸を加えてpHを2以下に調整した。これに硝酸銅溶液(銅として0.282g)を加え、80℃のまま10分以上攪拌を続けた。これをエバポレータによって減圧し、80℃で蒸発乾燥すると、ゲル化した固体が得られた。このゲル化した固体を150℃で乾燥し、500℃で5時間の焼成後、水素還元を行い、3.1gのCu−Pd/SiO2を得た。この触媒の組成は重量比で、銅(Cu)は9wt%、パラジウム(Pd)は1wt%、シリカ(SiO2)は90wt%であった。
【0020】
[実施例2:ゾル・ゲル法によるCu−Pd/SiO2触媒の調製]
実施例1と同様の方法によって行った。0.0340gの硝酸パラジウムと水40mlを混合し攪拌しながら80℃に加熱した。ここにオルトケイ酸テトラエチル11.0mlとエチレングリコール8.3mlの混合溶液を加え、攪拌しながら加熱した。この混合溶液を80℃のまま攪拌を15分以上続け、硝酸を加えてpHを2以下に調整した。これに硝酸銅溶液(銅として0.297g)を加え、80℃のまま10分以上攪拌を続けた。これをエバポレータによって減圧し、80℃で蒸発乾燥すると、ゲル化した固体が得られた。このゲル化した固体を150℃で乾燥し、500℃で5時間の焼成後、水素還元を行い、3.1gのCu−Pd/SiO2を得た。実施例1とは銅とパラジウムの組成比が異なり、Cuは9.5wt%、Pdは0.5wt%、SiO2は90wt%であるCu−Pd/SiO2触媒を調製した。
【0021】
[実施例3:ゾル・ゲル法によるCu−Pd/SiO2触媒の調製]
実施例1と同様の方法によって行った。0.1358gの硝酸パラジウムと水80mlを混合し攪拌しながら80℃に加熱した。ここにオルトケイ酸テトラエチル11.0mlとエチレングリコール8.3mlの混合溶液を加え、攪拌しながら加熱した。この混合溶液を80℃のまま攪拌を15分以上続け、硝酸を加えてpHを2以下に調整した。これに硝酸銅溶液(銅として0.251g)を加え、80℃のまま10分以上攪拌を続けた。これをエバポレータによって減圧し、80℃で蒸発乾燥すると、ゲル化した固体が得られた。このゲル化した固体を150℃で乾燥し、500℃で5時間の焼成後、水素還元を行い、3.1gのCu−Pd/SiO2を得た。実施例1とは銅とパラジウムの組成比が異なり、Cuは8wt%、Pdは2wt%、SiO2は90wt%であるCu−Pd/SiO2触媒を調製した。

【0022】
[比較例1:ゾル・ゲル法によるCu−Pd/Al23の調製]
0.0679gの硝酸パラジウムと水40mlを混合し、攪拌しながら70℃に加熱する。ここにアルミニウムイソプロポキシド2.49gを分散させた70℃の水を加える。さらに、硝酸を加えてpHを2から3に調整しゾルを得る。これに硝酸銅溶液(銅として0.282g)を加え、70℃のまま10分以上攪拌を続ける。これをエバポレータにより減圧下にし、80℃で蒸発乾燥するとゲル化した固体が得られる。これを150℃で乾燥し、500℃で5時間の焼成後、450℃で水素還元を行い、3.1gのCu−Pd/Al23を得た。この触媒の組成はCuは9wt%、Pdは1wt%、Al23は90wt%であった。
【0023】
[比較例2:含浸法によるCu−Zn/Al23の調製]
9.5gの硝酸銅(銅として2.5g)を15mlのイオン交換水によって溶解し、その溶液に11.36gの硝酸亜鉛(亜鉛として2.5g)を添加し、撹拌しながら溶解した。その後、さらに、γ-Al235gを混合し、12時間以上撹拌した。温風乾燥後、オーブンによって500℃、1時間焼成後、450℃で水素還元を行い、Cu−Zn/Al23を得た。この触媒の組成はCuは25wt%、Znは25wt%、Al23は50wt%であった。
【0024】
[比較例3:市販の銅、亜鉛触媒]
市販の銅、亜鉛触媒として日揮化学製のN211を用いた。この触媒の組成はCu:Znの重量比が1:1であった。
【0025】
[実施例4:ゾル・ゲル法によるCu−Pd/SiO2と、含浸法によるCu−Zn/Al23とを用いたメタノール改質触媒]
図4は、メタノール改質器の模式図である。図4のように、反応経路の前段1にゾル・ゲル法で調製した実施例1のCu−Pd/SiO2を0.05g配置し、反応経路の後段2に含浸法により調製した比較例2のCu−Zn/Al23を0.05g配置した、2段触媒を調製した。
【0026】
[調製した各メタノール改質触媒の改質反応実験]
メタノール改質反応実験は、固定床流通系メタノール改質器で行った。調製した触媒粉末を反応管内に配置し、気化した水とメタノールがモル比で1:1になるように、いずれもアルゴンガスで16mmol/g−触媒量/時間に調整して反応管に導入した。反応温度は200℃から400℃に設定し、反応ガスおよび生成物の分析はガスクロマトグラフにより行った。
【0027】
図1は、各実施例と各比較例の触媒における反応温度と水素生成量との関係を表したグラフである。図1から明らかなように、含浸法により調製した比較例2のCu−Zn/Al23よりも、ゾル・ゲル法で調製した実施例1のCu−Pd/SiO2および比較例1のCu−Pd/Al23の方がメタノール改質反応の低温活性に優れていた。実施例1のCu−Pd/SiO2は、反応温度250℃から400℃の範囲で、メタノール改質率64%以上、水素生成量36mmol/g-触媒量/時間以上が得られた。
【0028】
図2は、各実施例と各比較例の触媒における反応温度と副生成物のDMEの生成率との関係を表したグラフである。図2から明らかなように、ゾル・ゲル法によって調製した比較例1のCu−Pd/Al23は、アルミナが酸性を有しているため副生成物であるジメチルエーテルの生成率が高い。一方、ゾル・ゲル法で調製した実施例1のCu−Pd/SiO2ではDMEがほとんど生成しない。したがって、メタノール改質触媒としては、ゾル・ゲル法で調製したCu−Pd/SiO2が、最もよい。
【0029】
図1において、ゾル・ゲル法によって調製した実施例1のCu−Pd/SiO2は、低温活性に優れているが高温(約400℃)になると、含浸法により調製した比較例2のCu−Zn/Al23の方が水素生成量が大きい。そこで、図4(実施例4)のように、反応経路の前段1にゾル・ゲル法によって調製した実施例1のCu−Pd/SiO2を配置し、反応経路の後段2に含浸法により調製した比較例2のCu−Zn /Al23をメタノール改質器に配置した。図1から明らかなように、反応温度が250℃から400℃の範囲で、メタノール改質率82%以上、水素生成量39mmol/g-触媒量/時間以上が得られ、低温(約250℃)から高温(約400℃)まで水素生成量を高くできた。また、メタノール改質器が通常運転される300℃前後の温度で水素生成量が44mmol/g-触媒量/時間と最大にすることができた。
【0030】
図3は、実施例1〜3のゾル・ゲル法によって調製したCu−Pd/SiO2触媒のPd含有量を変化させた場合の水素生成量との関係を表したグラフである。図3の縦軸は水素生成量[mmol/g-触媒量/時間]を表し、横軸は触媒中のPdに対するCuとPdの総量との比を表す。横軸のPd/(Cu+Pd)の値が、0.05は実施例2を示し、0.10は実施例1を示し、0.20は実施例3を示す。メタノール改質触媒に関する水素生成量を高く維持するのには、Pd:Cuが1:5(図3の横軸で0.17)から1:20(図3の横軸で0.05)の範囲がよいことが図3から分かった。また、Pd:Cuが1:9(図3の横軸で0.10)で最も水素生成量が高いことが図3から分かった。
【0031】
【発明の効果】
上記に述べたように、本発明に係るメタノール改質触媒によれば、銅、亜鉛およびアルミナからなる触媒と比較して、低温活性に優れ、副生成物であるDMEの生成が少なくできる。また、本発明に係るメタノール改質触媒はゾル・ゲル法を用いて製造されるため、触媒活性に寄与する銅およびパラジウム分散度が向上し、水素の生成能が向上できる。また、本発明に係るメタノール改質触媒によって、低温(約250℃)から高温(約400℃)までメタノールからの水素生成能を高く維持でき、また、メタノール改質器が通常運転される300℃前後の温度で水素生成量が最大とすることができる。さらに、ゾル・ゲル法で調製したため、活性金属のシンタリングも起きにくく、触媒寿命も長いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例と各比較例の触媒における反応温度と水素生成量との関係を表したグラフである。
【図2】本発明に係る実施例と各比較例の触媒における反応温度と副生成物のDMEの生成率との関係を表したグラフである。
【図3】本発明に係る実施例のゾル・ゲル法で調製したCu−Pd/SiO2触媒において、Pd/(Cu+Pd)の比と水素生成量の関係を表したグラフである。
【図4】反応経路の前段1にゾル・ゲル法により調製したCu−Pd/SiO2を配置し、反応経路の後段2に含浸法により調製したCu−Zn/Al23を配置した2段触媒の模式図である。
【符号の説明】
1 ゾル・ゲル法によって調製したCu−Pd/SiO2
2 含浸法により調製したCu−Zn/Al23

Claims (5)

  1. パラジウムと、銅と、シリカとを含んでなり、メタノールの水蒸気改質により水素を発生させるためのメタノール改質触媒。
  2. ゾル・ゲル法により製造されたことを特徴とする請求項1に記載のメタノール改質触媒。
  3. 金属アルコキシドに酸を加え、ゾルを生成するステップと、
    該ゾルに触媒金属水溶液を加え、撹拌するステップと、
    撹拌されたゾルを、蒸発乾燥し、ゲルを生成するステップと、
    前記ゲルを乾燥し、焼成するステップと、
    焼成された前記ゲルを還元処理するステップと
    を含む製造方法によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のメタノール改質触媒。
  4. パラジウム:銅の比率が、1:20から1:5の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のメタノール改質触媒。
  5. 反応経路の前段に請求項1〜4のいずれかのメタノール改質触媒を配置し、反応経路の後段にアルミナの担体に銅と亜鉛とを含浸させてなる触媒を配置したことを特徴とするメタノール改質器。
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