JP3896002B2 - 錠剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
医薬品の錠剤に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、錠剤を製する場合の一般的製法としては、粉体に滑沢剤を混合した後、打錠成形する方法か、或は粉体を造粒し、適切な粒度の粒状物とし、滑沢剤を混合した後、打錠成形する方法がある。
錠剤を製する前工程で造られる打錠用顆粒の造粒法として、水分に不安定な主薬を含む錠剤を製する場合は、繁用されている造粒時に水を添加する湿式造粒法の代わりに、水を添加しない乾式造粒法が用いられている。
乾式造粒法の主な製法には、通常の乾式破砕法(A法)の他、溶融造粒法(B法)が知られている。乾式破砕法(A法)は、主薬と賦形剤にポリエチレングリコール等の結合剤を加え、板状の固形物を製した後これらを破壊し、粒状物を製する方法であり、溶融造粒法(B法)は、ポリエチレングリコール等の低融点物質の融解により主薬及び賦形剤を付着させ、粒状物を製する方法である(特開昭58−214333号;特公平4−13019号)。
【0003】
従来、上記の(A法)又は(B法)により製した粒状物は、打錠障害を防止するため適量のステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を添加・混合した後、その混合物を打錠成形することにより錠剤を製していた。このような打錠成形により得られた錠剤は、長期又は高温・高湿下の保存のため又はフィルムコーティング時の熱のため、錠剤の生体内投与後又は溶液中で錠剤が長時間にわたり崩壊しない場合があり、従来、薬物の溶出面からの品質上の問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、滑沢剤を添加・混合し、乾式造粒法により造粒して得られた錠剤においても、生体投与後、或は、溶液中で崩壊遅延が起こらない錠剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題点を解決するために鋭意検討した結果、錠剤中にショ糖脂肪酸エステルを配合することにより、高温、高湿条件により、或は、フィルムコーティング時の熱によりもたらされる崩壊時間遅延を著しく短縮できることを見いだし、崩壊遅延を防止する錠剤(崩壊遅延防止剤)を提供することができた。ここで、本発明における崩壊遅延防止錠剤とは、保存条件下における錠剤の吸湿による水分及び熱処理により生じる崩壊時間の遅延を防止させた錠剤をいう。
【0006】
本発明は、以下の(1)〜(3)に記載する崩壊遅延防止錠剤に係るものである。
(1)成分(a)HLB値が3〜7のショ糖脂肪酸エステル、成分(b)硬化油、成分(c)ポリエチレングリコール、及び成分(d)(S)−(2−(2−クロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル)酢酸メチルエステル又はその塩を配合することにより得られる崩壊遅延防止錠剤。
(2)本発明に係る錠剤中に含まれるポリエチレングリコールが、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000及びポリエチレングリコール20000から選ばれた1種又は2種以上の混合物からなる(1)の崩壊遅延防止錠剤。
(3)本発明に係る錠剤中に含まれるショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選ばれた1種又はそれらの混合物からなる(1)または(2)の錠剤。
【0007】
次に、本発明に係る崩壊遅延防止剤の各々の成分について説明する。
本発明に係る錠剤中に含まれるショ糖脂肪酸エステルとは、脂肪酸にショ糖がエステル結合したものであるが、ショ糖脂肪酸エステルの物理化学的性質は、当然ながらショ糖脂肪酸1分子に結合した脂肪酸の種類と数により影響を受ける。本発明に係る崩壊遅延防止錠剤に用いることのできるショ糖脂肪酸エステルは、打錠適正の面からは、常温で固体状態を呈することが必要である。
【0008】
また、本発明に係る崩壊遅延防止剤に用いることのできるショ糖脂肪酸エステルの基準は、ショ糖脂肪酸エステルの物理化学的性質の一つであるHLB(hydrophile−lipophile balance;親水−親油バランス)値により決定することができる。本発明の崩壊遅延防止剤に使用可能なショ糖脂肪酸エステルのHLBの値は、0〜15の範囲であり、好ましくは、3〜7が適している。
以上を考慮すると、成分(a)ショ糖脂肪酸エステルの最も代表的な例として、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等をあげることができる。
また、成分(a)ショ糖脂肪酸エステルには、ショ糖ベヘニン酸エステル及びショ糖ラウリン酸エステル等をも含むものとする。また、それらのエステルは表示された各々のショ糖脂肪酸エステルが当然ながら主成分として含まれる他に、それ(主たるエステル)以外のエステル体及びフリー体(ショ糖のみ又は脂肪酸のみ)が混在する。
【0009】
エステル体としては、モノエステル、ジエステル、トリエステル又はそれらの混合物をも含むものとする。従って、それ以外のエステル体とは、主たるエステルがモノエステルの場合はジエステル体、トリエステル体であり、主たるエステル体がジエステルの場合は、それ以外のエステルとはモノエステル体、トリエステル体を意味する。同様に、主たるエステル体がトリエステルの場合は、それ以外のエステル体とは、モノエステル体、ジエステル体を意味する。
【0010】
例えば、ショ糖ステアリン酸エステルの場合、ショ糖とステアリン酸のモノエステル等の他に、ステアリン酸とのジエステル、トリエステル及びフリー体(ショ糖のみ又はステアリン酸のみ)が存在しており、多くはそれらが混合物の状態で種々の比率で存在しているが、本発明における崩壊遅延防止剤においては、それらのエステルのいずれか一種又はそれらの混合物を含むものとする。
また、ショ糖パルミチン酸エステルの場合でも、同様に、ショ糖パルミチン酸のモノエステル等の他に、ジエステル、トリエステル及びフリー体(ショ糖のみ又はパルミチン酸のみ)が存在し、多くは、それらが混合物の状態で種々の比率で存在しているが、本発明における崩壊遅延防止剤においては、それらのエステルの内いずれか一種又はそれらの混合物を含むものとする。
【0011】
主成分の1種のショ糖脂肪酸エステル以外のショ糖脂肪酸エステルが混合物として含まれていても、HLB値が0〜15好ましくは3〜7の範囲内にあれば、本発明における崩壊遅延防止剤で用いるショ糖脂肪酸エステルとして使用可能である。
【0012】
用いるショ糖脂肪酸エステルの含有量は、得られた粒状物の粒度や粒状物の物性により異なるが、打錠適性、吸湿性の面から、粉体1部に対し、0.5%から10%の範囲で用いることができる。
【0013】
本発明の錠剤中に含まれる滑沢剤は、高級脂肪酸の金属塩、脂肪酸、硬化油、等を挙げることができる。高級脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等を挙げることができ、脂肪酸としては、ステアリン酸を代表例として挙げることができる。滑沢剤の含量は、0.5〜5%を用いることができる。
滑沢剤は、打錠時に生じるスティッキングや杵と臼との摩擦を防止するために加える。
【0014】
本発明に係る崩壊遅延防止錠剤の一成分である結合剤について説明する。ポリエチレングリコールについて、常温で固体状態を呈する平均分子量が600から20000までのものを使用することもできるが、好ましくは、融点が53℃〜64℃という性質を有することが必要であるため、使用に適する平均分子量は、4000〜20000となる。従って、その代表例として、ポリエチレングリコール4000、6000及び20000を挙げることができる。これらのポリエチレングリコールは、単独で用いてもよく、また、混合して用いることもできる。ポリエチレングリコールの添加量は、別に添加する賦形剤、有効成分の種類、有効成分の量又は造粒しようとする造粒物の粒度に応じてその量を調整することができる。具体的には、2〜40%、好ましくは、5〜25%を添加することができる。
【0015】
本発明にかかる崩壊遅延防止剤の中に含むことができる、(d)成分としての生理活性を有する薬剤について説明する。
【0016】
本発明における薬剤としては、錠剤として人体又は動物に投与する生理活性を有するどのような薬剤をも用いることができる。薬効或は用途により特に限定されることはなく、あらゆる薬効の薬剤に適用が可能である。
本発明に係る崩壊遅延防止錠剤の一成分である、成分(d)生理活性を有する薬剤として、例えば、抗血小板薬をその例として挙げることができる。抗血小板薬の例として、例えば、硫酸クロピドグレル(Clopidogrel hydrogen sulfate;(S)−(2−(2−クロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル))酢酸メチルエステル又はその塩)を挙げることができる。該化合物は、本発明に係る崩壊遅延防止錠剤に適した薬剤であり、本発明の崩壊遅延防止錠剤中に配合することにより、顕著な崩壊遅延防止効果を示す一例である。
【0017】
錠剤の製法には、粉末を直接打錠する直打法と粉末を造粒した後打錠する方法があるが、更に、後者の方法における造粒法としては、湿式造粒法と乾式造粒法に分けられ、乾式造粒法には一般的な破砕法の他、溶融造粒法も知られている。本発明の崩壊遅延防止剤の製法は、乾式造粒法によることから薬剤が水に不安定な場合には、特に有用であるという特徴を有する。本発明に係る成分(d)生理活性を有する薬剤は、1〜90%を含有することができ、好ましくは、5〜50%を含有する場合が多く用いられる。
【0018】
次に、本発明の崩壊遅延防止剤の成分として、(a)〜(d)必須成分の他に、その他の賦形剤、崩壊剤等を含むことができる。以下それらについて説明する。
本発明に係る崩壊遅延防止剤に含むことができる賦形剤は、乳糖、トウモロコシデンプン、結晶セルロース等を挙げることができる。それらの賦形剤の含量は、得ようとする錠剤中の有効成分の溶解度等の物理化学的な性質や有効成分の含量に応じて、適宜調製する必要があり、錠剤の成分中に5〜95%を含むことができ、50〜90%を含有する場合が好ましい。
【0019】
また、本発明にかかる崩壊遅延防止錠剤の中に、その他の成分として、崩壊剤を含むことができる。その崩壊剤としては、カルメロース(ヒドロキシプロピルセルロース)、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム及びそれらの誘導体を挙げることができ、必要に応じて増加・減少することができるが、その含有量は5〜20%である。
【0020】
以下に本発明にかかる崩壊遅延防止剤の製造法について説明する。
本発明の崩壊遅延防止剤の製法は、上記のごとく、乾式造粒法(A法)と溶融造粒法(B法)があるが、それらの各々について説明する。
【0021】
先ず、乾式解砕法(A法)について説明する。この方法においては、有効成分に乳糖、トウモロコシデンプン等の適量の賦形剤と適量の固体状の結合剤を適切な混合機を用いて均一に混合し、得られた混合粉末は乾式造粒機を用いて成形又は打錠した後、この成形体を適当な粉砕機を用いて破砕し、篩過による整粒後、粒状物を得ることができる。
この場合、結合剤としては、ポリエチレングリコール類を用いることが望ましく、上記の乾式造粒機としては、例えば、スラッグ打錠機やローラーコンパクターなどを用いることができる。
【0022】
また、溶融造粒法(B法)においては、撹拌造粒機や流動層式造粒乾燥機などの適当な造粒機を用い、適量の有効成分、適量の賦形剤とともに得ようとする粒度に応じて、適当な粒度を有する固体状の結合剤を適量投入し、加熱させながら、攪拌或は流動し、粉末成分を溶融過程の結合剤に付着させる。
その後、ポリエチレングリコールの融点以下まで冷却して粒状物を得る。
【0023】
尚、上記成分(有効成分、賦形剤、結合剤)の各々の適量を粉砕等の前処理を行い用いることができる。
【0024】
上記、乾式造粒法(A製法)または溶融造粒法(B製法)等により得られた粒状物を篩過した後、滑沢剤とショ糖脂肪酸エステルを混合機を用いて混合する。混合機としては、例えば、V字型混合機などを用いることができる。その混合物を用いて混合した粒状物を打錠用の粒状物として打錠機により打錠成形し、錠剤を得る。打錠機としては単発打錠機やロータリー打錠機などを用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
上記のように製造した本発明にかかる崩壊遅延防止錠剤は、ショ糖脂肪酸エステルの添加により、過酷な熱保存や、熱と湿度の複合保存条件において、錠剤の崩壊遅延が防止又は抑制されるため、薬物の溶出遅延の著しい改善が認められる。
【0026】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらのみに、限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
[実施例1]
流動層式造粒乾燥機(グラッドWSG−5型)中に乳糖(DMV社製)4000g、トウモロコシデンプン(日本食品工業社製)250g、ポリエチレングリコール6000(Pタイプ、日本油脂製)500g及び低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業製)300gを投入し、吸気温度90℃設定にて流動させながら加熱し、ポリエチレングリコール6000を溶融させる。粉末成分が溶融過程のポリエチレングリコール6000に付着し、流動層中に浮遊する粉末が無くなったことを確認した後、冷風を送り、ポリエチレングリコール6000の融点以下まで冷却して顆粒を得た。得られた顆粒を16メッシュを用いて篩過した後、ステアリン酸マグネシウム50g及びショ糖脂肪酸エステル(S−370,三菱化成食品社製)50gをV字型混合機にて10分間混合した。得られた打錠用の顆粒をロータリー打錠機(畑製作所製、HT−15A)により打錠成形し、8mm径の錠剤を得た。
【0028】
[実施例1の処方]
乳糖 4000g
トウモロコシデンプン 250g
ポリエチレングリコール6000(*) 500g
低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g
ステアリン酸マグネシウム 50g
ショ糖脂肪酸エステル(**) 50g
* ;Pタイプ、日本油脂製:
**;S−370、三菱化成食品社製
【0029】
[比較例1]
実施例1の処方において、ショ糖脂肪酸エステルを除く以外、実施例1と同様に操作することにより、錠剤を得た。
【0030】
[比較例1の処方]
乳糖 4000g
トウモロコシデンプン 250g
ポリエチレングリコール6000 500g
低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g
ステアリン酸マグネシウム 50g
【0031】
[試験例1]
実施例1及び比較例1より得られた錠剤を60℃及び40℃、75%相対湿度(R.H.)の条件下で保存し、各々の崩壊時間を測定した。崩壊時間の測定は、第十二改正日本薬局方の崩壊試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。すなわち、6個の錠剤につき、試験を行い崩壊時間を各錠剤毎に求めた。表1に示す崩壊時間は、測定した6個の錠剤中の最短崩壊時間と最長崩壊時間を示した。
【0032】
【表1】
【0033】
この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表1)。
【0034】
[実施例2]
実施例1の処方においてステアリン酸マグネシウム50gの代わりに硬化油50gを用いた処方により、実施例1と同様な製法で錠剤を得た。
【0035】
[実施例2の処方]
乳糖 4000g
トウモロコシデンプン 250g
ポリエチレングリコール6000 500g
低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g
硬化油 50g
ショ糖脂肪酸エステル 50g
【0036】
[比較例2]
実施例2の処方において、ショ糖脂肪酸エステルを除いた以外は、実施例2と同様な製法で錠剤を得た。
【0037】
[比較例2の処方]
乳糖 4000g
トウモロコシデンプン 250g
ポリエチレングリコール6000 500g
低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g
硬化油 50g
【0038】
実施例2及び比較例2の処方により得られた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%(R.H.)に保存し、崩壊時間の比較を行った。
【0039】
[試験例2]
実施例2及び比較例2の処方により得られた錠剤の崩壊時間の測定は、第十二改正日本薬局方の崩壊試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。
この結果、実施例2に示すショ糖脂肪酸エステルを添加した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表2)。
【0040】
【表2】
【0041】
[実施例3]
乳糖130g、トウモロコシデンプン7g及びポリエチレングリコール6000(Pタイプ、日本油脂(株)製)8gをポリ袋で5分間混合後、ローラーコンパクターミニ(フロイント産業製)に投入後、1mmスクリーンを通し、破砕、整粒後、顆粒を得た。得られた顆粒に結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム5g及びショ糖脂肪酸エステル5gをポリ袋にて10分間混合した。得られた打錠用の顆粒を単発打錠機(岡田精工製)より打錠成形し、8mm径の錠剤を得た。
【0042】
[実施例3の処方]
乳糖 130g
トウモロコシデンプン 7g
ポリエチレングリコール6000 8g
結晶セルロース 10g
ステアリン酸マグネシウム 5g
ショ糖脂肪酸エステル 5g
【0043】
[比較例3]
実施例3の処方においてショ糖脂肪酸エステル5gを用いた処方により、実施例3と同様な製法で錠剤を得た。
【0044】
[比較例3の処方]
乳糖 130g
トウモロコシデンプン 7g
ポリエチレングリコール6000 8g
結晶セルロース 10g
ステアリン酸マグネシウム 5g
【0045】
[試験例3]
実施例3及び比較例3により得られた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%(R.H.)に保存し、崩壊時間の比較を行った。実施例3および比較例3の処方により得られた錠剤についての崩壊時間の測定は、第十二改正日本薬局方の崩壊試験に準じて試験液に水を用い試験を行った。
【0046】
【表3】
【0047】
この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表3)。
【0048】
[実施例4]
実施例3の処方において、ステアリン酸マグネシウム5gに代わり硬化油5gを用いた処方により実施例3と同様な製法で錠剤を得た。
【0049】
[実施例4の処方]
乳糖 130g
トウモロコシデンプン 7g
ポリエチレングリコール6000 8g
結晶セルロース 10g
硬化油 5g
ショ糖脂肪酸エステル 5g
【0050】
[比較例4]
実施例4の処方において、ショ糖脂肪酸エステル5gを除いた処方により、実施例3と同様な製法により錠剤を得た。
【0051】
[比較例4の処方]
乳糖 130g
トウモロコシデンプン 7g
ポリエチレングリコール6000 8g
結晶セルロース 10g
硬化油 5g
【0052】
[試験例4]
実施例4および比較例4により得られた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%(R.H.)に保存し、崩壊時間の比較を行った。崩壊時間の測定は、第十二改正日本薬局方の崩壊試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。
【0053】
【表4】
【0054】
この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表4)。
【0055】
[実施例5]
流動層造粒中に、有効成分2284g、乳糖2168g、部分α化デンプン245g、ポリエチレングリコール6000を525gおよび結晶セルロース300gを投入し、吸気温度90℃に設定し、流動させながら、加熱し、ポリエチレングリコール6000を溶融させた。粉末成分が、溶融過程のポリエチレングリコ−ル6000に付着し、流動層中に浮遊する粉末がなくなったことを確認した後、冷風を送り、ポリエチレングリコール6000の融点以下まで冷却して顆粒を得た。得られた顆粒を16メッシュにより篩過した後、硬化油80g及びショ糖脂肪酸エステル50gをV字型混合機にて10分間混合した。得られた打錠用の顆粒をロータリー打錠機(畑製作所製、HT−15A)により打錠成形し、6mm径の錠剤を得た。
【0056】
[実施例5の処方]
薬剤(有効成分) 2284g
乳糖 2168g
部分α化デンプン 245g
ポリエチレングリコール6000 525g
結晶セルロース 300g
硬化油 80g
ショ糖脂肪酸エステル 50g
【0057】
[比較例5]
実施例5の処方においてショ糖脂肪酸エステルを除く以外、実施例1と同様に操作することにより、錠剤を得た。
【0058】
[比較例5の処方]
薬剤(有効成分) 2284g
乳糖 2168g
部分α化デンプン 245g
ポリエチレングリコール6000 525g
結晶セルロース 300g
硬化油 80g
【0059】
実施例5および比較例5の両者により得られた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%(R.H.)、室温にて保存し、崩壊時間を測定した。
【0060】
[試験例5]
実施例5および比較例5の処方により得られた錠剤の崩壊時間の測定は、第十二改正日本薬局方の崩壊時間試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表5)。
【0061】
【表5】
Claims (11)
- 次の(a)から(d)の成分
(a)HLB値が3〜7のショ糖脂肪酸エステル、
(b)硬化油、
(c)ポリエチレングリコール、
(d)(S)−(2−(2−クロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル))酢酸メチルエステル又はその塩
を含む、崩壊遅延が防止または抑制された、抗血小板薬の錠剤。 - 成分(c)ポリエチレングリコールおよび成分(d)(S)−(2−(2−クロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル))酢酸メチルエステル又はその塩を含む粒状物に、成分(a)HLB値が3〜7のショ糖脂肪酸エステルおよび成分(b)硬化油を混合し、得られた混合物を打錠成形して得られる請求項1記載の錠剤。
- 粒状物が、乾式破砕法により得られるものである請求項2記載の錠剤。
- 粒状物が、溶融造粒法により得られるものである請求項2記載の錠剤。
- 成分(a)HLB値が3〜7のショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖ステアリン酸エステル又はショ糖パルミチン酸エステル又はそれらの混合物からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の錠剤。
- 成分(c)ポリエチレングリコールが、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000及びポリエチレングリコール20000から選ばれた1種又は2種以上の混合物からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
- 成分(c)ポリエチレングリコールが、ポリエチレングリコール6000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
- 成分(d)(S)−(2−(2−クロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル))酢酸メチルエステル又はその塩が、硫酸クロピドグレルである請求項1〜7のいずれか1項に記載の錠剤。
- さらに乳糖を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の錠剤。
- さらに部分α化デンプンを含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤。
- さらに低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の錠剤。
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