JP3895520B2 - クロック変調装置 - Google Patents
クロック変調装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3895520B2 JP3895520B2 JP2000158653A JP2000158653A JP3895520B2 JP 3895520 B2 JP3895520 B2 JP 3895520B2 JP 2000158653 A JP2000158653 A JP 2000158653A JP 2000158653 A JP2000158653 A JP 2000158653A JP 3895520 B2 JP3895520 B2 JP 3895520B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- delay
- phase
- clock
- output
- modulation device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B15/00—Suppression or limitation of noise or interference
- H04B15/02—Reducing interference from electric apparatus by means located at or near the interfering apparatus
- H04B15/04—Reducing interference from electric apparatus by means located at or near the interfering apparatus the interference being caused by substantially sinusoidal oscillations, e.g. in a receiver or in a tape-recorder
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03K—PULSE TECHNIQUE
- H03K5/00—Manipulating of pulses not covered by one of the other main groups of this subclass
- H03K5/13—Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals
- H03K5/133—Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals using a chain of active delay devices
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03K—PULSE TECHNIQUE
- H03K5/00—Manipulating of pulses not covered by one of the other main groups of this subclass
- H03K2005/00013—Delay, i.e. output pulse is delayed after input pulse and pulse length of output pulse is dependent on pulse length of input pulse
- H03K2005/00019—Variable delay
- H03K2005/00058—Variable delay controlled by a digital setting
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03K—PULSE TECHNIQUE
- H03K5/00—Manipulating of pulses not covered by one of the other main groups of this subclass
- H03K2005/00013—Delay, i.e. output pulse is delayed after input pulse and pulse length of output pulse is dependent on pulse length of input pulse
- H03K2005/0015—Layout of the delay element
- H03K2005/00234—Layout of the delay element using circuits having two logic levels
- H03K2005/00267—Layout of the delay element using circuits having two logic levels using D/A or A/D converters
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B2215/00—Reducing interference at the transmission system level
- H04B2215/064—Reduction of clock or synthesizer reference frequency harmonics
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B2215/00—Reducing interference at the transmission system level
- H04B2215/064—Reduction of clock or synthesizer reference frequency harmonics
- H04B2215/067—Reduction of clock or synthesizer reference frequency harmonics by modulation dispersion
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Nonlinear Science (AREA)
- Pulse Circuits (AREA)
- Manipulation Of Pulses (AREA)
- Optical Communication System (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波干渉(ElectroMagnetic Interference;EMI)を減少させるために用いられるクロック変調装置に関し、特に、EMI対策が必要な車載用電装機器に用いて好適なクロック変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイコンやASIC(特定用途向けIC)等のクロックに同期して動作するLSI(大規模集積回路)を搭載したLSI基板が種々の装置に用いられるようになってきている。例えば、車載用電子機器であるカーナビゲーションシステムには、基本クロック周波数が数十MHzで動作するマイコンやASICを搭載したLSI基板が内蔵されている。ところが、これらマイコンやASICを動作させるクロックパルスの基本クロック周波数の高調波成分は、車載ラジオで使用されるFM帯域(66MHz〜108MHz)の周波数と重なるため、車載ラジオの品質を維持するには当該高周波成分の不要輻射ノイズを低減させるEMI対策が必要になる。
【0003】
EMI対策の方法としては、基本クロックパルスの周波数スペクトルについて、基本周波数及びその高調波成分をそれぞれ中心周波数として時間経過と共に各スペクトルを各中心周波数の両側に分散させることにより不要輻射ノイズレベルを低減させる方法がある。
スペクトルの分散は、基本クロックパルスを連続的に位相変調することにより得ることができる。例えば、特開平7−202652号公報には、以下に示す位相変調クロックパルス発生器が開示されている。
【0004】
位相変調クロックパルス発生器の変調器は、クロックパルス源から基準位相を示すクロックパルスを受信する。クロックパルス源には遅延回路が接続されていて、この遅延回路はn個のタップ接続を含む。それぞれのタップ接続は、基準位相からそれぞれ異なる位相遅延だけ遅延したクロックパルスを供給する。n個のタップ接続のそれぞれにはマルチプレクサが接続されていて、このマルチプレクサが、クロックパルスを示す出力を発生する。選択器回路がマルチプレクサを制御してn個のタップ接続の相異なる接続の系列を順次マルチプレクサの出力に接続し、それによってその出力が基準位相からそれぞれ異なる位相ずれを有する一連のクロックパルスを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような位相変調クロックパルス発生器を用いることにより、位相変調されたクロックパルスを得ることができ、スペクトル分散による不要輻射ノイズの低減が可能になる。ところで、各周波数のスペクトルの分散数を増加させるとそれに伴ってEMI対策に用いる回路の回路規模が増大してしまう。そのため、EMI対策を施したLSI基板の回路面積の増大とコスト上昇が避けられないという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、少ないスペクトル分散数で最適に不要輻射ノイズを低減できるクロック変調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、入力パルスに対してそれぞれ位相遅延時間τだけ遅れて出力パルスを出力する遅延要素を直列に複数段接続した遅延回路と、前記複数段の遅延要素のそれぞれから出力される前記出力パルスを順次選択する選択回路とを備えたクロック変調装置であって、前記遅延要素の初段に入力する基本クロックパルスに対して、前記初段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量と、最終段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量は、前記複数段の遅延要素の中心位置の遅延要素からの出力パルスの位相を基準として±45°近辺であることを特徴とするクロック変調装置によって達成される。
【0008】
本発明の構成において、前記出力パルスを順次、昇順と降順を繰り返して選択することにより、分散数2のスペクトル分散が得られる。そして、本実施形態の図3に示すように、初段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量と、最終段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量が、複数段の遅延要素の中心位置の遅延要素からの出力パルスの位相を基準として±45°近辺で、FM帯における最大のノイズ低減効果を得ることができる。
【0009】
上記本発明のクロック変調装置において、前記位相遅延時間τは、前記基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定されていることを特徴とする。
本発明の構成のように、各遅延要素の位相遅延時間τを基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定することにより、本実施形態の図2に示すように、FM帯における最大のノイズ低減効果を得ることができる。
【0010】
上記本発明のクロック変調装置において、前記各段の遅延素子に印加する電源電圧を制御する電源電圧制御部を備えていることを特徴とする。また、前記電源電圧制御部は、D/Aコンバータを有していることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成によれば、相対的に低い周波数のクロックが入力される場合には電源電圧制御部により各遅延要素に印加する電源電圧を下げて各遅延要素の位相遅延時間τを長くし、高い周波数のクロックが入力される場合には印加電圧を上げて各遅延要素の位相遅延時間τを短くする。これにより、基本クロック周波数に依らず各遅延要素の位相遅延時間τを基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態によるクロック変調装置を図1乃至図4を用いて説明する。まず、本実施の形態によるクロック変調装置の概略の構成を図1を用いて説明する。図1に示すように、本クロック変調装置は大別すると遅延回路2及び選択回路4の2つの主要回路から構成される。
【0013】
遅延回路2は、デジタル論理回路からなる複数の遅延要素(以下、ディレイバッファDBという)が直列に接続されて構成されている。本例では、31個のディレイバッファDB0〜DB30がこの順に直列に接続されている。
【0014】
各ディレイバッファDBは入力されたクロックパルスの位相を所定時間だけ遅らせて出力する。ディレイバッファDB0には基本クロックパルス(入力CLK)が入力する。入力CLKの基本クロック周波数は、本例では16MHzである。ディレイバッファDB0の出力端子はディレイバッファDB1の入力端子に接続されると共に、選択回路4内のスイッチ回路S0に接続されている。同様にして、ディレイバッファDB1の出力端子はディレイバッファDB2の入力端子に接続されると共に、選択回路4内のスイッチ回路S1に接続されている。以下同様にして、各ディレイバッファDB3〜DB29の出力端子は、順次、次段のディレイバッファDB4〜DB30の入力端子に接続されると共に、選択回路4内のスイッチ回路S2〜S29に接続されている。ディレイバッファDB30の出力端子は、選択回路4内のスイッチ30に接続されている。
【0015】
このように選択回路4内には、31個のスイッチ回路S0〜S30が設けられている。また、入力CLKは、ディレイバッファDB0の入力端子に入力するだけでなく、スイッチ回路S0〜S30のいずれかをオン状態にする選択信号6として、遅延回路2を経由せずに選択回路4に直接入力するようにもなっている。スイッチ回路S0〜S30は、選択回路4に選択信号6が入力する毎に、例えば選択信号6の立ち上がりエッジに同期してスイッチ回路S0〜S30のいずれか1つのスイッチだけが閉じて(オン状態)、残りの全てのスイッチが開状態(オフ状態)となるように構成されている。また、等時間間隔で、スイッチ回路S0からスイッチ回路S30に昇順にスイッチのオン状態が遷移し、スイッチ回路S30が選択された後には、逆にスイッチ回路S29からスイッチ回路S0まで降順でスイッチのオン状態が遷移するようになっている。従って、スイッチがオン状態になるスイッチ回路の符号を順に記すと、S0、S1、S2、・・・、S28、S29、S30、S29、S28、・・・S2、S1、S0、S1、S2、・・・となる。各段で所定時間ずつ位相が遅れたクロックパルスは選択回路4の出力端子から再び連続したクロックパルス列になって出力される。
【0016】
このようにして選択回路4の出力端子からは、スイッチ回路S0〜S30のスイッチが昇順に選択される30サイクルの期間においては、入力CLKの位相より相対的に位相が順次遅れる31個の出力クロックパルス(出力CLK)が出力され、次いでスイッチ回路S30〜S0に向かってオン状態のスイッチが降順に選択される30サイクルの期間においては、入力CLKの位相に対して相対的に位相が順次進む31個の出力CLKが出力される。
【0017】
入力CLKの基本クロック周波数を中心周波数Fc(=16MHz)とし、選択回路4から出力されたクロックパルスを不図示の整形回路で整形することにより、本クロック変調装置からは、Fc−α(Hz)とFc+α(Hz)の2つの周波数のクロックパルスが所定時間T1毎に交互に出力される。ここで、所定時間T1は、スイッチ回路S0〜S30を昇順あるいは降順に選択する時間に等しいから、T1=30・t1(但し、時間t1は原理的には1つのスイッチがオン状態を維持している時間)である。
【0018】
これにより、入力CLKの基本クロック周波数の各高調波成分のスペクトルもそれぞれ2つの周波数に分割されて所定時間T1毎に交互に発生する。従って、本実施の形態によるクロック変調装置では、周波数Fcの両側にα(Hz)だけ離れた位置に振幅レベルの下がった2本のスペクトルが所定時間T1毎に交互に生成され、周波数Fcの各高調波成分の両側にも振幅レベルの下がった2本のスペクトルが所定時間T1毎に交互に生成される。入力CLKの中心周波数Fcが16MHzの場合、その周期Tcは、Tc=62.5nsである。従って、ディレイバッファDBの各段当たりの位相遅延時間τが、τ=±0.5nsである場合には、Fc−α=1/(62.5(ns)+0.5(ns))=15.87(MHz)となり、Fc+α=1/(62.5(ns)−0.5(ns))=16.13(MHz)となる。
【0019】
このように本クロック変調装置を用いることにより、位相変調されたクロックパルスを得ることができ、スペクトル分散による不要輻射ノイズの低減が可能になる。次に、良好な不要輻射ノイズの低減を得るために本クロック変調装置の遅延回路2の最適化について説明する。
【0020】
まず、遅延回路2に内蔵された31個のディレイバッファDB0〜DB30の各段当たりの位相遅延時間τを調整する。図2は、ディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τとFM帯のノイズ低減効果の関係を示している。図2において、横軸は、入力CLKの周期Tcに対するディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τの割合(%)を示している。上述のように、入力CLKの基本クロック周波数Fc=16MHzであるとすると、入力CLKの周期Tcは62.5nsとなる。従って、横軸は、τ/Tc(%)={τ(ns)/62.5}×100(%)を示している。また縦軸は、FM帯のノイズ低減の大きさをdB(デシベル)で表示している。
【0021】
図2に示すように、ディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τを変化させることにより、ノイズ低減量Nが変化する。図示の通り、横軸の値τ/Tc(%)が0.8%を含む近傍で6.5dB程度の最大のノイズ低減量が得られる。τ/Tc(%)が0.8%とするとディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τは、τ=0.5nsとなる。ちなみに、ディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τが0.2nsとした場合、横軸の値τ/Tc(%)は0.32%となる。また、位相遅延時間τが1.0nsとした場合、τ/Tc(%)は1.6%となる。図示の通り横軸の値τ/Tc(%)が0.32%あるいは1.6%の場合においてもノイズ低減効果は得られるが、0.8%近辺の場合に最も大きなノイズ低減効果を得ることができる。この結果、ディレイバッファDBの各段の位相遅延時間τは入力CLKの周期Tcの0.8%程度に設定することが望ましい。
【0022】
次に、選択回路4から出力される出力CLKにおける、入力CLKに対する最大位相変化を最適化することにより、ノイズ低減効果をさらに得ることができることについて説明する。
【0023】
図3は、位相変化量(位相遅延量)とノイズ低減効果との関係を示している。横軸は、入力CLKに対する出力CLKの位相変化量Dp(deg)を示している。縦軸は、FM帯のノイズ低減の大きさをdB(デシベル)で表示している。
【0024】
例えば、図1に示すクロック変調装置において、ディレイバッファDBの各段当たりの位相遅延時間τがτ=0.5nsの場合は、31段のディレイバッファDB0〜DB30間から出力される出力CLKの位相変化量Dt(ns)は、Dt=0.5ns×30=15.0nsとなる。従って、基本周波数Fc=16MHzの入力CLKの位相に対する位相変化量Dpは、Dp=360°×(15.0/62.5)≒90°となる。ディレイバッファDB0〜DB30の中心に位置するディレイバッファDB15から出力される出力パルスの位相を基準にすれば、位相変化量Dpは±45°と表せる。
【0025】
同様にして、例えば、ディレイバッファDBの段数が10段であるとすると、位相変化量Dpは、Dp=360°×(5.0/62.5)≒30°となり、ディレイバッファDBの中心を基準とした場合には、±15°と表せる。
【0026】
また、ディレイバッファDBの段数が40段の場合には、位相変化量Dpは、Dp=360°×(20.0/62.5)≒120°となり、ディレイバッファDBの中心を基準とした場合には、±60°と表せる。
【0027】
このような各位相変化量に対して、ノイズ低減量を測定すると図3に示すグラフが得られる。図3に示すように、位相変化量DpをDp=±15°〜±60°の間に設定した場合、それぞれの場合についてノイズ低減効果が見られるが、Dp=±45°近辺で最もFM帯のノイズが低減されることが分かる。この結果、遅延回路4の初段のディレイバッファDB0と最終段のディレイバッファDB30の出力の位相変化量は、ディレイバッファDB0〜DB30の中心に位置するディレイバッファDB15の出力パルスの位相を基準として、±45°近辺とすることが望ましい。
【0028】
以上説明したように、ディレイバッファDBの各段の位相遅延時間τを入力CLKの周期Tcの0.8%程度に設定し、あるいはそれに加えて、ディレイバッファDB0とディレイバッファDB30の出力の位相変化量が、ディレイバッファDB15の出力パルスの位相に対して±45°程度ずれるように調整する。これにより、マイコンやASICあるいはSDRAM等のようにクロックに同期して動作する回路の動作クロックとして、本実施の形態によるクロック変調装置から出力された出力CLKを使用できると共に、最適なEMI対策を施すことができるようになる。
【0029】
本実施形態によるクロック変調装置によれば、回路規模の増大を招くことなく、効率的に不要輻射ノイズを抑えることができるようになる。評価サンプルを用いた実測結果では、本実施形態によるクロック変調装置を用いることにより、車載用LSI基板で問題となるFM帯域の不要輻射ノイズを約6db低減することができた。
【0030】
本発明は上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、入力CLKの基本クロック周波数が16MHzの場合について本発明を適用したが、それと異なる基本クロック周波数の入力CLKに対しても本発明はもちろん適用可能である。
【0031】
例えば、図1に示したような31段のディレイバッファDB0〜DB30を有する遅延回路2に対して、入力CLKの基本クロック周波数Fcが8MHzの場合について説明する。入力CLKの周期Tcは、Tc=125nsとなる。従って、ディレイバッファDB0〜DB30の各段当たりの位相遅延時間τが、τ=0.5nsのままであると、τ/Tc(%)={0.5(ns)/125}×100(%)=0.4%となってしまい、ディレイバッファDBの各段の位相遅延時間τが入力CLKの周期Tcの0.8%近辺にならない。
【0032】
また、選択回路4からの出力CLKの位相変化量Dt(ns)は、Dt=15.0nsのままであるから、基本クロック周波数Fc=8MHzの入力CLKに対する位相変化量Dp(deg)は、Dp=360°×(15.0/125)≒45°となり、ディレイバッファDB0〜DB30の中心に位置するディレイバッファDB15からの出力パルスの位相を基準にした場合には、±22°程度の位相変化量となり、最適なノイズ低減効果が得られる±45°近辺から外れてしまう。
【0033】
この場合には、基本クロック周波数Fcに応じて、遅延回路2内のディレイバッファDBの各段当たりの位相遅延時間τを変化させることができる構成にすればよい。例えば、位相遅延時間τは、遅延回路2内の各ディレイバッファDBの動作電圧を変化することにより変化させることができる。そこで図4に示すように、各ディレイバッファDBに印加する電源電圧を変化させることができる電源電圧制御部を設けるようにしてもよい。電源電圧制御部にはD/Aコンバータやレギュレータ等を用いることが可能である。図4では、遅延回路2内のそれぞれのディレイバッファDBにバッファアンプ12を介してD/Aコンバータ10からの出力電圧を印加するように構成した例を示している。
【0034】
相対的に低い周波数の入力CLKに対して使用する場合にはD/Aコンバータ10への入力値を低く設定して各ディレイバッファDBに印加する電源電圧を下げ、高い周波数の入力CLKに対して使用する場合にはD/Aコンバータ10への入力値を高く設定し各ディレイバッファDBに印加する電源電圧を上げるようにする。これにより、入力CLKの周波数が変化しても、最適な位相変化量Dを得ることができるようになる。なお、図4に示すようにD/Aコンバータ10の出力にバッファアンプ12を設けているが、D/Aコンバータ10の出力駆動能力が十分あれば、これは必ずしも必要ない。
【0035】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、少ないスペクトル分散数で最適に不要輻射ノイズを低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置の概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置におけるディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τとFM帯のノイズ低減効果の関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置における位相変化量とノイズ低減効果との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置における遅延回路2内のそれぞれのディレイバッファDBにバッファアンプ12を介してD/Aコンバータ10からの出力電圧を印加するように構成した例を示す図である。
【符号の説明】
2 遅延回路
4 選択回路
6 選択信号
10 D/Aコンバータ
12 バッファアンプ
DB0〜DB30 ディレイバッファ
S0〜S30 スイッチ回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波干渉(ElectroMagnetic Interference;EMI)を減少させるために用いられるクロック変調装置に関し、特に、EMI対策が必要な車載用電装機器に用いて好適なクロック変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイコンやASIC(特定用途向けIC)等のクロックに同期して動作するLSI(大規模集積回路)を搭載したLSI基板が種々の装置に用いられるようになってきている。例えば、車載用電子機器であるカーナビゲーションシステムには、基本クロック周波数が数十MHzで動作するマイコンやASICを搭載したLSI基板が内蔵されている。ところが、これらマイコンやASICを動作させるクロックパルスの基本クロック周波数の高調波成分は、車載ラジオで使用されるFM帯域(66MHz〜108MHz)の周波数と重なるため、車載ラジオの品質を維持するには当該高周波成分の不要輻射ノイズを低減させるEMI対策が必要になる。
【0003】
EMI対策の方法としては、基本クロックパルスの周波数スペクトルについて、基本周波数及びその高調波成分をそれぞれ中心周波数として時間経過と共に各スペクトルを各中心周波数の両側に分散させることにより不要輻射ノイズレベルを低減させる方法がある。
スペクトルの分散は、基本クロックパルスを連続的に位相変調することにより得ることができる。例えば、特開平7−202652号公報には、以下に示す位相変調クロックパルス発生器が開示されている。
【0004】
位相変調クロックパルス発生器の変調器は、クロックパルス源から基準位相を示すクロックパルスを受信する。クロックパルス源には遅延回路が接続されていて、この遅延回路はn個のタップ接続を含む。それぞれのタップ接続は、基準位相からそれぞれ異なる位相遅延だけ遅延したクロックパルスを供給する。n個のタップ接続のそれぞれにはマルチプレクサが接続されていて、このマルチプレクサが、クロックパルスを示す出力を発生する。選択器回路がマルチプレクサを制御してn個のタップ接続の相異なる接続の系列を順次マルチプレクサの出力に接続し、それによってその出力が基準位相からそれぞれ異なる位相ずれを有する一連のクロックパルスを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような位相変調クロックパルス発生器を用いることにより、位相変調されたクロックパルスを得ることができ、スペクトル分散による不要輻射ノイズの低減が可能になる。ところで、各周波数のスペクトルの分散数を増加させるとそれに伴ってEMI対策に用いる回路の回路規模が増大してしまう。そのため、EMI対策を施したLSI基板の回路面積の増大とコスト上昇が避けられないという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、少ないスペクトル分散数で最適に不要輻射ノイズを低減できるクロック変調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、入力パルスに対してそれぞれ位相遅延時間τだけ遅れて出力パルスを出力する遅延要素を直列に複数段接続した遅延回路と、前記複数段の遅延要素のそれぞれから出力される前記出力パルスを順次選択する選択回路とを備えたクロック変調装置であって、前記遅延要素の初段に入力する基本クロックパルスに対して、前記初段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量と、最終段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量は、前記複数段の遅延要素の中心位置の遅延要素からの出力パルスの位相を基準として±45°近辺であることを特徴とするクロック変調装置によって達成される。
【0008】
本発明の構成において、前記出力パルスを順次、昇順と降順を繰り返して選択することにより、分散数2のスペクトル分散が得られる。そして、本実施形態の図3に示すように、初段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量と、最終段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量が、複数段の遅延要素の中心位置の遅延要素からの出力パルスの位相を基準として±45°近辺で、FM帯における最大のノイズ低減効果を得ることができる。
【0009】
上記本発明のクロック変調装置において、前記位相遅延時間τは、前記基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定されていることを特徴とする。
本発明の構成のように、各遅延要素の位相遅延時間τを基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定することにより、本実施形態の図2に示すように、FM帯における最大のノイズ低減効果を得ることができる。
【0010】
上記本発明のクロック変調装置において、前記各段の遅延素子に印加する電源電圧を制御する電源電圧制御部を備えていることを特徴とする。また、前記電源電圧制御部は、D/Aコンバータを有していることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成によれば、相対的に低い周波数のクロックが入力される場合には電源電圧制御部により各遅延要素に印加する電源電圧を下げて各遅延要素の位相遅延時間τを長くし、高い周波数のクロックが入力される場合には印加電圧を上げて各遅延要素の位相遅延時間τを短くする。これにより、基本クロック周波数に依らず各遅延要素の位相遅延時間τを基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態によるクロック変調装置を図1乃至図4を用いて説明する。まず、本実施の形態によるクロック変調装置の概略の構成を図1を用いて説明する。図1に示すように、本クロック変調装置は大別すると遅延回路2及び選択回路4の2つの主要回路から構成される。
【0013】
遅延回路2は、デジタル論理回路からなる複数の遅延要素(以下、ディレイバッファDBという)が直列に接続されて構成されている。本例では、31個のディレイバッファDB0〜DB30がこの順に直列に接続されている。
【0014】
各ディレイバッファDBは入力されたクロックパルスの位相を所定時間だけ遅らせて出力する。ディレイバッファDB0には基本クロックパルス(入力CLK)が入力する。入力CLKの基本クロック周波数は、本例では16MHzである。ディレイバッファDB0の出力端子はディレイバッファDB1の入力端子に接続されると共に、選択回路4内のスイッチ回路S0に接続されている。同様にして、ディレイバッファDB1の出力端子はディレイバッファDB2の入力端子に接続されると共に、選択回路4内のスイッチ回路S1に接続されている。以下同様にして、各ディレイバッファDB3〜DB29の出力端子は、順次、次段のディレイバッファDB4〜DB30の入力端子に接続されると共に、選択回路4内のスイッチ回路S2〜S29に接続されている。ディレイバッファDB30の出力端子は、選択回路4内のスイッチ30に接続されている。
【0015】
このように選択回路4内には、31個のスイッチ回路S0〜S30が設けられている。また、入力CLKは、ディレイバッファDB0の入力端子に入力するだけでなく、スイッチ回路S0〜S30のいずれかをオン状態にする選択信号6として、遅延回路2を経由せずに選択回路4に直接入力するようにもなっている。スイッチ回路S0〜S30は、選択回路4に選択信号6が入力する毎に、例えば選択信号6の立ち上がりエッジに同期してスイッチ回路S0〜S30のいずれか1つのスイッチだけが閉じて(オン状態)、残りの全てのスイッチが開状態(オフ状態)となるように構成されている。また、等時間間隔で、スイッチ回路S0からスイッチ回路S30に昇順にスイッチのオン状態が遷移し、スイッチ回路S30が選択された後には、逆にスイッチ回路S29からスイッチ回路S0まで降順でスイッチのオン状態が遷移するようになっている。従って、スイッチがオン状態になるスイッチ回路の符号を順に記すと、S0、S1、S2、・・・、S28、S29、S30、S29、S28、・・・S2、S1、S0、S1、S2、・・・となる。各段で所定時間ずつ位相が遅れたクロックパルスは選択回路4の出力端子から再び連続したクロックパルス列になって出力される。
【0016】
このようにして選択回路4の出力端子からは、スイッチ回路S0〜S30のスイッチが昇順に選択される30サイクルの期間においては、入力CLKの位相より相対的に位相が順次遅れる31個の出力クロックパルス(出力CLK)が出力され、次いでスイッチ回路S30〜S0に向かってオン状態のスイッチが降順に選択される30サイクルの期間においては、入力CLKの位相に対して相対的に位相が順次進む31個の出力CLKが出力される。
【0017】
入力CLKの基本クロック周波数を中心周波数Fc(=16MHz)とし、選択回路4から出力されたクロックパルスを不図示の整形回路で整形することにより、本クロック変調装置からは、Fc−α(Hz)とFc+α(Hz)の2つの周波数のクロックパルスが所定時間T1毎に交互に出力される。ここで、所定時間T1は、スイッチ回路S0〜S30を昇順あるいは降順に選択する時間に等しいから、T1=30・t1(但し、時間t1は原理的には1つのスイッチがオン状態を維持している時間)である。
【0018】
これにより、入力CLKの基本クロック周波数の各高調波成分のスペクトルもそれぞれ2つの周波数に分割されて所定時間T1毎に交互に発生する。従って、本実施の形態によるクロック変調装置では、周波数Fcの両側にα(Hz)だけ離れた位置に振幅レベルの下がった2本のスペクトルが所定時間T1毎に交互に生成され、周波数Fcの各高調波成分の両側にも振幅レベルの下がった2本のスペクトルが所定時間T1毎に交互に生成される。入力CLKの中心周波数Fcが16MHzの場合、その周期Tcは、Tc=62.5nsである。従って、ディレイバッファDBの各段当たりの位相遅延時間τが、τ=±0.5nsである場合には、Fc−α=1/(62.5(ns)+0.5(ns))=15.87(MHz)となり、Fc+α=1/(62.5(ns)−0.5(ns))=16.13(MHz)となる。
【0019】
このように本クロック変調装置を用いることにより、位相変調されたクロックパルスを得ることができ、スペクトル分散による不要輻射ノイズの低減が可能になる。次に、良好な不要輻射ノイズの低減を得るために本クロック変調装置の遅延回路2の最適化について説明する。
【0020】
まず、遅延回路2に内蔵された31個のディレイバッファDB0〜DB30の各段当たりの位相遅延時間τを調整する。図2は、ディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τとFM帯のノイズ低減効果の関係を示している。図2において、横軸は、入力CLKの周期Tcに対するディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τの割合(%)を示している。上述のように、入力CLKの基本クロック周波数Fc=16MHzであるとすると、入力CLKの周期Tcは62.5nsとなる。従って、横軸は、τ/Tc(%)={τ(ns)/62.5}×100(%)を示している。また縦軸は、FM帯のノイズ低減の大きさをdB(デシベル)で表示している。
【0021】
図2に示すように、ディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τを変化させることにより、ノイズ低減量Nが変化する。図示の通り、横軸の値τ/Tc(%)が0.8%を含む近傍で6.5dB程度の最大のノイズ低減量が得られる。τ/Tc(%)が0.8%とするとディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τは、τ=0.5nsとなる。ちなみに、ディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τが0.2nsとした場合、横軸の値τ/Tc(%)は0.32%となる。また、位相遅延時間τが1.0nsとした場合、τ/Tc(%)は1.6%となる。図示の通り横軸の値τ/Tc(%)が0.32%あるいは1.6%の場合においてもノイズ低減効果は得られるが、0.8%近辺の場合に最も大きなノイズ低減効果を得ることができる。この結果、ディレイバッファDBの各段の位相遅延時間τは入力CLKの周期Tcの0.8%程度に設定することが望ましい。
【0022】
次に、選択回路4から出力される出力CLKにおける、入力CLKに対する最大位相変化を最適化することにより、ノイズ低減効果をさらに得ることができることについて説明する。
【0023】
図3は、位相変化量(位相遅延量)とノイズ低減効果との関係を示している。横軸は、入力CLKに対する出力CLKの位相変化量Dp(deg)を示している。縦軸は、FM帯のノイズ低減の大きさをdB(デシベル)で表示している。
【0024】
例えば、図1に示すクロック変調装置において、ディレイバッファDBの各段当たりの位相遅延時間τがτ=0.5nsの場合は、31段のディレイバッファDB0〜DB30間から出力される出力CLKの位相変化量Dt(ns)は、Dt=0.5ns×30=15.0nsとなる。従って、基本周波数Fc=16MHzの入力CLKの位相に対する位相変化量Dpは、Dp=360°×(15.0/62.5)≒90°となる。ディレイバッファDB0〜DB30の中心に位置するディレイバッファDB15から出力される出力パルスの位相を基準にすれば、位相変化量Dpは±45°と表せる。
【0025】
同様にして、例えば、ディレイバッファDBの段数が10段であるとすると、位相変化量Dpは、Dp=360°×(5.0/62.5)≒30°となり、ディレイバッファDBの中心を基準とした場合には、±15°と表せる。
【0026】
また、ディレイバッファDBの段数が40段の場合には、位相変化量Dpは、Dp=360°×(20.0/62.5)≒120°となり、ディレイバッファDBの中心を基準とした場合には、±60°と表せる。
【0027】
このような各位相変化量に対して、ノイズ低減量を測定すると図3に示すグラフが得られる。図3に示すように、位相変化量DpをDp=±15°〜±60°の間に設定した場合、それぞれの場合についてノイズ低減効果が見られるが、Dp=±45°近辺で最もFM帯のノイズが低減されることが分かる。この結果、遅延回路4の初段のディレイバッファDB0と最終段のディレイバッファDB30の出力の位相変化量は、ディレイバッファDB0〜DB30の中心に位置するディレイバッファDB15の出力パルスの位相を基準として、±45°近辺とすることが望ましい。
【0028】
以上説明したように、ディレイバッファDBの各段の位相遅延時間τを入力CLKの周期Tcの0.8%程度に設定し、あるいはそれに加えて、ディレイバッファDB0とディレイバッファDB30の出力の位相変化量が、ディレイバッファDB15の出力パルスの位相に対して±45°程度ずれるように調整する。これにより、マイコンやASICあるいはSDRAM等のようにクロックに同期して動作する回路の動作クロックとして、本実施の形態によるクロック変調装置から出力された出力CLKを使用できると共に、最適なEMI対策を施すことができるようになる。
【0029】
本実施形態によるクロック変調装置によれば、回路規模の増大を招くことなく、効率的に不要輻射ノイズを抑えることができるようになる。評価サンプルを用いた実測結果では、本実施形態によるクロック変調装置を用いることにより、車載用LSI基板で問題となるFM帯域の不要輻射ノイズを約6db低減することができた。
【0030】
本発明は上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、入力CLKの基本クロック周波数が16MHzの場合について本発明を適用したが、それと異なる基本クロック周波数の入力CLKに対しても本発明はもちろん適用可能である。
【0031】
例えば、図1に示したような31段のディレイバッファDB0〜DB30を有する遅延回路2に対して、入力CLKの基本クロック周波数Fcが8MHzの場合について説明する。入力CLKの周期Tcは、Tc=125nsとなる。従って、ディレイバッファDB0〜DB30の各段当たりの位相遅延時間τが、τ=0.5nsのままであると、τ/Tc(%)={0.5(ns)/125}×100(%)=0.4%となってしまい、ディレイバッファDBの各段の位相遅延時間τが入力CLKの周期Tcの0.8%近辺にならない。
【0032】
また、選択回路4からの出力CLKの位相変化量Dt(ns)は、Dt=15.0nsのままであるから、基本クロック周波数Fc=8MHzの入力CLKに対する位相変化量Dp(deg)は、Dp=360°×(15.0/125)≒45°となり、ディレイバッファDB0〜DB30の中心に位置するディレイバッファDB15からの出力パルスの位相を基準にした場合には、±22°程度の位相変化量となり、最適なノイズ低減効果が得られる±45°近辺から外れてしまう。
【0033】
この場合には、基本クロック周波数Fcに応じて、遅延回路2内のディレイバッファDBの各段当たりの位相遅延時間τを変化させることができる構成にすればよい。例えば、位相遅延時間τは、遅延回路2内の各ディレイバッファDBの動作電圧を変化することにより変化させることができる。そこで図4に示すように、各ディレイバッファDBに印加する電源電圧を変化させることができる電源電圧制御部を設けるようにしてもよい。電源電圧制御部にはD/Aコンバータやレギュレータ等を用いることが可能である。図4では、遅延回路2内のそれぞれのディレイバッファDBにバッファアンプ12を介してD/Aコンバータ10からの出力電圧を印加するように構成した例を示している。
【0034】
相対的に低い周波数の入力CLKに対して使用する場合にはD/Aコンバータ10への入力値を低く設定して各ディレイバッファDBに印加する電源電圧を下げ、高い周波数の入力CLKに対して使用する場合にはD/Aコンバータ10への入力値を高く設定し各ディレイバッファDBに印加する電源電圧を上げるようにする。これにより、入力CLKの周波数が変化しても、最適な位相変化量Dを得ることができるようになる。なお、図4に示すようにD/Aコンバータ10の出力にバッファアンプ12を設けているが、D/Aコンバータ10の出力駆動能力が十分あれば、これは必ずしも必要ない。
【0035】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、少ないスペクトル分散数で最適に不要輻射ノイズを低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置の概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置におけるディレイバッファDBの1段当たりの位相遅延時間τとFM帯のノイズ低減効果の関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置における位相変化量とノイズ低減効果との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるクロック変調装置における遅延回路2内のそれぞれのディレイバッファDBにバッファアンプ12を介してD/Aコンバータ10からの出力電圧を印加するように構成した例を示す図である。
【符号の説明】
2 遅延回路
4 選択回路
6 選択信号
10 D/Aコンバータ
12 バッファアンプ
DB0〜DB30 ディレイバッファ
S0〜S30 スイッチ回路
Claims (4)
- 入力パルスに対してそれぞれ位相遅延時間τだけ遅れて出力パルスを出力する遅延要素を直列に複数段接続した遅延回路と、
前記複数段の遅延要素のそれぞれから出力される前記出力パルスを順次選択する選択回路と
を備えたクロック変調装置であって、
前記遅延要素の初段に入力する基本クロックパルスに対して、前記初段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量と、最終段の遅延要素からの出力パルスの位相変化量は、前記複数段の遅延要素の中心位置の遅延要素からの出力パルスの位相を基準として±45°近辺であること
を特徴とするクロック変調装置。 - 請求項1記載のクロック変調装置において、
前記位相遅延時間τは、前記基本クロックパルスの周期の0.8%程度に設定されていること
を特徴とするクロック変調装置。 - 請求項1又は2に記載のクロック変調装置において、
前記各段の遅延素子に印加する電源電圧を制御する電源電圧制御部を備えていること
を特徴とするクロック変調装置。 - 請求項3記載のクロック変調装置において、
前記電源電圧制御部は、D/Aコンバータを有していること
を特徴とするクロック変調装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000158653A JP3895520B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | クロック変調装置 |
US09/774,689 US6392461B2 (en) | 2000-05-29 | 2001-02-01 | Clock modulator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000158653A JP3895520B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | クロック変調装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001337735A JP2001337735A (ja) | 2001-12-07 |
JP3895520B2 true JP3895520B2 (ja) | 2007-03-22 |
Family
ID=18663089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000158653A Expired - Fee Related JP3895520B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | クロック変調装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6392461B2 (ja) |
JP (1) | JP3895520B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7333527B2 (en) * | 2001-11-27 | 2008-02-19 | Sun Microsystems, Inc. | EMI reduction using tunable delay lines |
JP4021710B2 (ja) * | 2002-06-11 | 2007-12-12 | 沖電気工業株式会社 | クロック変調回路 |
DE10261409B4 (de) * | 2002-12-30 | 2006-05-11 | Infineon Technologies Ag | Verzögerungsregelschleife und Verfahren zur Verzögerungsregelung |
EP1505732B1 (en) * | 2003-07-31 | 2007-09-26 | STMicroelectronics Pvt. Ltd | Digital clock modulator |
JP4376611B2 (ja) * | 2003-12-19 | 2009-12-02 | パナソニック株式会社 | 周波数変調回路 |
KR100856123B1 (ko) * | 2006-03-20 | 2008-09-03 | 삼성전자주식회사 | Emi 방출을 감소시킬 수 있는 데이터 처리장치와 그방법 |
US7382170B2 (en) * | 2006-04-18 | 2008-06-03 | Agere Systems Inc. | Programmable delay circuit having reduced insertion delay |
JP5303761B2 (ja) * | 2007-06-18 | 2013-10-02 | 国立大学法人 長崎大学 | タイミング発生回路および位相シフト回路 |
JPWO2011118381A1 (ja) * | 2010-03-26 | 2013-07-04 | 古河電気工業株式会社 | 遅延制御装置 |
US20130057425A1 (en) * | 2011-09-06 | 2013-03-07 | Fabian Wenger | Pulsed level gauge system with controllable delay path through selected number of delay cells |
US20130057426A1 (en) * | 2011-09-06 | 2013-03-07 | Fabian Wenger | Pulsed level gauge system with supply voltage controlled delay |
JP6599184B2 (ja) * | 2015-09-11 | 2019-10-30 | 株式会社東芝 | クロック生成回路及び無線受信機 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4754164A (en) * | 1984-06-30 | 1988-06-28 | Unisys Corp. | Method for providing automatic clock de-skewing on a circuit board |
FR2710800B1 (fr) * | 1993-09-27 | 1995-12-15 | Sgs Thomson Microelectronics | Ligne à retard numérique. |
US5796673A (en) * | 1994-10-06 | 1998-08-18 | Mosaid Technologies Incorporated | Delay locked loop implementation in a synchronous dynamic random access memory |
JP3622270B2 (ja) * | 1995-06-16 | 2005-02-23 | セイコーエプソン株式会社 | 映像信号処理装置、情報処理システム及び映像信号処理方法 |
US5945862A (en) * | 1997-07-31 | 1999-08-31 | Rambus Incorporated | Circuitry for the delay adjustment of a clock signal |
US5994938A (en) * | 1998-01-30 | 1999-11-30 | Credence Systems Corporation | Self-calibrating programmable phase shifter |
US6104223A (en) * | 1998-01-30 | 2000-08-15 | Credence Systems Corporation | Calibratable programmable phase shifter |
US6100735A (en) * | 1998-11-19 | 2000-08-08 | Centillium Communications, Inc. | Segmented dual delay-locked loop for precise variable-phase clock generation |
US6229364B1 (en) * | 1999-03-23 | 2001-05-08 | Infineon Technologies North America Corp. | Frequency range trimming for a delay line |
-
2000
- 2000-05-29 JP JP2000158653A patent/JP3895520B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2001
- 2001-02-01 US US09/774,689 patent/US6392461B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6392461B2 (en) | 2002-05-21 |
JP2001337735A (ja) | 2001-12-07 |
US20010045857A1 (en) | 2001-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3895520B2 (ja) | クロック変調装置 | |
US7321249B2 (en) | Oscillator, frequency multiplier, and test apparatus | |
US8065549B2 (en) | Scan-based integrated circuit having clock frequency divider | |
US7208988B2 (en) | Clock generator | |
US20020063534A1 (en) | Inverter for LCD backlight | |
GB2337881A (en) | Clock phase correction circuits | |
JPWO2005013546A1 (ja) | クロック乗換装置、及び試験装置 | |
JP3993297B2 (ja) | 制御回路 | |
US20150035576A1 (en) | Clock spurs reduction technique | |
US20050146366A1 (en) | High-resolution digital pulse width modulator and method for generating a high-resolution pulse width modulated signal | |
US7061293B2 (en) | Spread spectrum clock generating circuit | |
JP2006229622A (ja) | 負荷変動補償回路、電子デバイス、試験装置、及びタイミング発生回路 | |
US10979048B2 (en) | Clock switching circuit and method | |
JP2001056359A (ja) | 半導体試験装置 | |
JP3374141B2 (ja) | 電子デバイス、電子デバイス試験装置および電子デバイス試験方法 | |
JP2009192528A (ja) | ドライバ回路および試験装置 | |
JP2003338736A (ja) | サンプリング回路 | |
JP2598580Y2 (ja) | Ic試験装置 | |
JP2002169623A (ja) | アナログ/ディジタル混載型半導体集積回路、およびアナログ/ディジタル混載型半導体集積回路におけるクロックの位相調整方法 | |
JP2001228216A (ja) | デバイス動的特性測定用テスト回路 | |
JPH0964702A (ja) | クロック逓倍器 | |
JPH09311665A (ja) | 液晶表示装置の駆動回路 | |
JP2009079913A (ja) | 半導体集積回路装置およびその試験方法 | |
JP2002262131A (ja) | 輝度信号処理回路 | |
JP2000245710A (ja) | 電源装置及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060322 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |