JP3894659B2 - ドラム缶の開口用カッター及び開口装置と開口方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,ドラム缶の蓋や底などを切断して開口させるためのドラム缶開口用カッター及びドラム缶開口装置と開口方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドラム缶の内容物を取り出すには,人手による場合は,ポンチなどを用いてドラム缶の上下の端面に孔を開けたり,たがねなどを使用してドラム缶の上端面に取り付けられた蓋を切断開口している。
【0003】
また,作業能率向上を目的として,特開平5−178395号のドラム缶自動開口機が開示されている。この特開平5−178395号のドラム缶自動開口機では,ドラム缶の端面に取り付けられた蓋の天面を押圧盤で押圧し,蓋の周緑の耳部に爪体を下側から食い込ませ,爪体を上下動することで蓋を開閉させている。これにより,ドラム缶の蓋を切断することなく開口を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,人手によってタガネやポンチを用いてドラム缶を開口する作業は大変な重労働となる。また,人手ではあまり大きな孔を開けられないため,ドラム缶から内容物を抜き出す場合に孔が小さく,排出に時間がかかる。また,内容物を抜き出した後,ドラム缶を燃焼炉に投入して燃焼させたりする場合,孔が小さいために内容物の残存量が多く,内容物が可燃性であると危険である。また,開口作業によっては火花が発生するので,内容物が可燃性である場合は危険が伴ってしまう。
【0005】
一方,特開平5−178395号のドラム缶自動開口機は,蓋の天面を押圧するための押圧盤や蓋周緑の耳部を掴む爪体及びその上下機構などを備えた比較的大がかりな装置であり,設置スペースも大きくなり,価格も相当に高価なものとなる。ドラム缶に入れられた内容物が液体であるような場合は,蓋を完全に取る必要はなく,蓋や底面に適当な大きさの孔を開口できれば,内容物の排出には十分である。
【0006】
本発明の目的は,比較的簡単な構成でドラム缶の端面などを容易かつ安全に開口できる手段を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために,本発明は,筒状に形成されたカッター本体の先端を鋭利な刃部に形成すると共に,前記カッター本体の先端の一部に非刃部を対向して一対形成し,かつ,前記カッター本体の内部に,前記刃部によって切断されたドラム缶端面の切断部分を前記一対の非刃部を結ぶ直線の両側において押圧する押圧部材を設け,前記カッター本体の先端に頂部と谷部を交互に形成し,前記非刃部を谷部に配置し,前記非刃部を配置しない谷部に切削抵抗を低減させるための延長刃部を形成し,かつ,前記カッター本体の先端においてこれら非刃部と延長刃部を交互に配置したことを特徴とする,ドラム缶開口用カッターである。
【0008】
このドラム缶開口用カッターにあっては,カッター本体の先端に形成された刃部をドラム缶の端面に押圧接触させることによって,ドラム缶の端面を切断する。ここで,このようにドラム缶の端面を切断すると,刃部の一部に非刃部が形成されているので,ドラム缶の端面には非刃部に対応する箇所に非切断部分が互いに対向して一対残ることとなる。そして,このように非切断部分を残してドラム缶の端面を切断した状態で,非刃部の両側に設けられた押圧部材により,ドラム缶端面の切断部分をドラム缶の内部に向かって押圧する。すると,ドラム缶端面の切断部分は,一対の非切断部分を結ぶ線を中心にしてドラム缶の内部に向かって折り曲げられることとなり,こうして,ドラム缶の端面が開口させられる。
【0009】
このドラム缶開口用カッターにおいて,前記刃部が,耐摩耗性金属で構成されることが好ましい。そうすれば,カッターの寿命が通常の鋼などに比べ約10倍以上となる。
【0010】
また,前記非刃部は,前記刃部よりも引っ込んだ凹部であることが好ましい。そうすれば,非刃部がドラム缶端面にぶつかることなく,刃部によってドラム缶の端面をスムーズに切断できるようになる。
【0011】
また,前記カッター本体の先端に頂部と谷部を交互に形成し,前記非刃部を谷部に配置する。そうすれば,頂部から谷部に向かって刃部によりドラム缶の端面を徐々に切断していくことができるようになる。
【0012】
また,前記カッター本体の先端に前記頂部と谷部を4箇所ずつ形成し,それら谷部の内の2箇所に前記非刃部を配置すると共に残りの2箇所に切削抵抗を低減させるための延長刃部を形成し,かつ,前記カッター本体の先端においてこれら非刃部と延長刃部を交互に配置する。このように延長刃部を形成すれば,非刃部に対応する箇所以外の箇所において非切断部分が生ずることなく,ドラム缶の端面を開口できるようになる。
【0013】
また本発明は,上記ドラム缶開口用カッターと,ドラム缶を保持する保持機構と,該保持機構に保持されたドラム缶の端面に対して前記ドラム缶開口用カッターを移動させる移動機構を備えたドラム缶開口装置である。
【0014】
このドラム缶開口装置にあっては,保持機構によってドラム缶を保持する。そして,保持機構に保持されたドラム缶の端面に対し,移動機構によってドラム缶開口用カッターを移動させる。そして,ドラム缶開口用カッターをドラム缶の端面に押圧接触させることによって,ドラム缶の端面を切断開口させる。
【0015】
このドラム缶開口装置において,前記保持機構は,ドラム缶の周面を両側から挟持する一対のクランプ部材を有し,かつ,少なくとも一方のクランプ部材の内側面にはドラム缶を位置決めするためのガイド溝を設けることが好ましい。そうすれば,ドラム缶を位置決めしながらクランプ部材によってしっかりと挟持できるようになる。
【0016】
また,前記移動機構は,前記ドラム缶開口用カッターのカッター本体の先端を前記ドラム缶の端面に対して押圧させる油圧シリンダーを備えることが好ましい。そうすれば,油圧シリンダーの高い押圧力を利用してドラム缶の端面を確実に切断開口させることができるようになる。
【0017】
また本発明によれば,上記ドラム缶開口用カッターのカッター本体先端に形成された刃部をドラム缶の端面に押圧接触させることによりドラム缶の端面を切断し,カッター本体先端の非刃部に対応する非切断部分をドラム缶の端面に互いに対向して一対残し,非刃部の両側に設けられた押圧部材でドラム缶端面の切断部分をドラム缶の内部に向かって押圧することにより,ドラム缶端面の切断部分をドラム缶の内部に向かって折り曲げることを特徴とする,ドラム缶開口方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を,図面を用いて説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかるドラム缶開口用カッター(以下「カッター」という)1の斜視図,図2は,カッター本体2の展開図,図3は,図1において上方から見たカッター1の平面図,図4は,図3A−A線におけるカッター1の縦断面図である。
【0019】
カッター1において,円筒形状に形成されたカッター本体2の先端(図1では上端)が鋭利な刃部3に形成されている。カッター本体2の基端(図1では下端)には,フランジ4が形成されている。刃部3は,例えばカッター本体2の先端を内側に斜めにカットすることにより,鋭利に形成され,その角度は45〜60゜程度が望ましい。カッター本体2は,例えば肉厚約10mm,外径φ約510mm,高さ約450mmの鋼管(材質:S400)を加工して作成することができる。フランジ4は,例えば厚さ約20mm,直径約600mmの鋼材を加工して作成される。
【0020】
図示の例では,カッター本体2の先端には,先端側に突出して形成された4つの頂部10a,10b,10c,10dと,これら頂部10a,10b,10c,10dの間において凹んで形成された4つの谷部11a,11b,11c,11dが交互に配置されている。これら頂部10a,10b,10c,10dの頂角θと谷部11a,11b,11c,11dの内角θ’は,例えば60゜程度が望ましい。
【0021】
そして,これら4つの谷部11a,11b,11c,11dの内,谷部11aと谷部11cには,非刃部12aと非刃部12cが形成され,谷部11bと谷部11dには,延長刃部12bと延長刃部12dが形成されている。このように,カッター本体2の先端においてこれら非刃部12a,12cと延長刃部12b,12dが交互に配置されている。
【0022】
図示の例では,非刃部12a,12cは,カッター本体2の先端に連続して形成されている刃部3よりも引っ込んだ凹部に形成されている。このように凹部に形成された非刃部12a,12cは,図2に示すように,例えば幅Lが約60mm,深さHが約80mmとなるように形成すると良い。また,これら非刃部12aと非刃部12cは,カッター本体2の先端において,丁度反対の位置(円筒形状に形成されたカッター本体2のほぼ直径方向をなす位置)に対向するように配置されている。
【0023】
一方,延長刃部12b,12dは,谷部11b,11dにおいて両側に位置する刃部3の一方に沿ってカッター本体2の先端を斜めに切り込んで溝13b,13dを形成し,刃部3に沿った溝13b,13dの内側面を鋭利な形状にした構成になっている。このように延長刃部12b,12dを形成するための溝13b,13dは,図2に示すように,例えば幅L’が約10mm,深さH’が約20mmとなるように形成すると良い。
【0024】
また,カッター本体2の内部には,一対の押圧部材20,21が設けられている。図3に示されるように,これら押圧部材20,21は,先に説明した一対の非刃部12a,12c同士を結ぶ直線Pの両側から,非刃部12a,12cを挟むようにして配置されている。また,図4に示されるように,これら押圧部材20,21はカッター本体2の先端側(図4では上端側)に向かって互いに広がるように略V字状に配置され,これら押圧部材20,21の先端(図4では上端)20’,21’は,非刃部12a,12cの底面12a’,12c’よりもカッター本体2の先端側に突出するように配置されている。これら押圧部材20,21は,例えば幅L”が120mm,厚さT”が約10mmに形成すると良い。また,これら押圧部材20,21の先端20’,21’の位置(X,Y)は,非刃部12a,12cの基端部3’から約20mmカッター本体2の先端よりも内方(図4中,距離Xで示す)であって,非刃部12a,12cの側面12a’,12c’から約20mm(図4中,距離Yで示す)外方に配置すると良い。また,これら押圧部材20,21の傾斜角度θ”は,カッター本体2の中心軸に対して例えば約10度傾斜させると良い。
【0025】
図5は,以上に説明したカッター1を備えた本発明の実施の形態にかかるドラム缶開口装置30の正面図である。このドラム缶開口装置30は,基台31上に置かれたドラム缶Dを保持する保持機構32と,下方に装着されたカッター1を,この保持機構32に保持されたドラム缶Dの上端面D1に対して移動させる移動機構33を備えている。
【0026】
図6は,保持機構32の平面図であり,この保持機構32は,基台31上に置かれたドラム缶Dの周面D2を両側から挟持する左右一対のクランプ部材40,41を有している。図示の例では,一方のクランプ部材41は固定されており,他方のクランプ部材40は,クランプ部材41に対して接近及び離間するように移動する構成となっている。クランプ部材40の背後には,クランプ部材41に対してクランプ部材40を接近及び離間させるための一対のガイドロッド43,43と油圧シリンダ44のピストンロッド44’が接続されている。そして,基台31上にドラム缶Dを置いた状態で,油圧シリンダ44の伸張稼働によってクランプ部材40をクランプ部材41に対して接近させることにより,ドラム缶Dの周面D2を両側から挟持するようになっている。
【0027】
また,左側のクランプ部材40の内側面には,ドラム缶Dを位置決めするためのV形状のガイド溝42が設けられている。ドラム缶Dの周面D2をクランプ部材40,41の間で挟持した際には,ドラム缶Dの周面D2がガイド溝42に当接して位置決めされるようになっている。
【0028】
図5に示すように,基台31には支柱45が立設されており,この支柱45によって移動機構33が支持されている。即ち,支柱45の上部に固定されたプレート46には一対のガイド50,51と,これらガイド50,51の間に配置された油圧シリンダ52が装着されている。そして,これらガイド50,51に沿って鉛直方向に昇降自在に設けられたガイドロッド53,54の下端及び油圧シリンダ52のピストンロッド55の下端に,先に説明したカッター1のフランジ4が支持されている。
【0029】
図5に示すように,カッター1は,鋭利な刃部3に形成されたカッター本体2の先端を下にし,フランジ4を上にした姿勢で,これらガイドロッド53,54及びピストンロッド55の下端に取り付けられている。そして,油圧シリンダ52の稼働により,カッター1は刃部3を下に向けた姿勢で昇降し,これにより,カッター1の刃部3が,保持機構32によって保持されたドラム缶Dのの上端面D1に対して昇降移動するようになっている。
【0030】
さて,以上のように構成されたドラム缶開口装置30において,予め移動機構33の油圧シリンダ52を短縮稼働させることにより,カッター1を上昇させておく。そして先ず,基台31上にドラム缶Dを置き,保持機構32において油圧シリンダ44を伸張稼働させてクランプ部材40,41によってドラム缶Dの周面D2を両側から挟持する。この場合,ドラム缶Dの周面D2をクランプ部材40の内側面に形成されたガイド溝42に当接させることにより,ドラム缶Dの位置決めが行われる。
【0031】
次に,移動機構33の油圧シリンダ52を伸張稼働させることにより,カッター1を下降させる。これにより,保持機構32のクランプ部材40,41で挟持されたドラム缶Dの上端面D1に対して,カッター1の刃部3が押圧接触し,ドラム缶Dの上端面D1が切断されていく。
【0032】
ここで図7,8,9は,カッター1によってドラム缶Dの上端面D1が切断開口されていく状態を順を追って示している。油圧シリンダ52の伸張稼働によってカッター1が下降を開始すると,先ず最初にカッター本体2先端の刃部3に形成された頂部10a,10b,10c,10dがドラム缶Dの上端面D1に接触し,切断が開始される。そして,図7に示すように,カッター1の下降に伴ってドラム缶Dの上端面D1はカッター本体2先端の刃部3によって徐々に円形状に切断されていく。
【0033】
そして,図8に示すように,カッター本体2先端の刃部3がドラム缶Dの上端面D1よりも低くなる位置までカッター1が下降すると,刃部3による切断が終了し,ドラム缶Dの上端面D1はほぼ円形状に切断された状態となる。但し,先に図1〜4で説明したように,カッター本体2先端の刃部3には一対の非刃部12a,12cが対向して形成されているので,このようにカッター本体2先端の刃部3がドラム缶Dの上端面D1よりも低くなる位置までカッター1が下降した際には,ドラム缶Dの上端面D1には非刃部12a,12bに対応する箇所に非切断部分60が互いに対向して一対残ることとなる。
【0034】
そして,このように非切断部分60を残してドラム缶Dの上端面D1をほぼ円形状に切断した状態でカッター1が更に下降すると,図9に示すように,非刃部12a,12cを挟んで両側に配置された一対の押圧部材20,21の先端(図9では下端)20’,21’が,ドラム缶Dの上端面D1に接触し,非切断部分60の両側において上端面D1の切断部分61をドラム缶Dの内部に向かって下方に押圧する。これにより,ドラム缶Dの上端面D1において,一対の非切断部分60を結ぶ線を中心にして,切断部分61がドラム缶Dの内部に向かって両側から折り曲げられることとなり,こうして,ドラム缶Dの上端面D1が開口させられる。
【0035】
最後に,移動機構33の油圧シリンダ52を短縮稼働させることにより,カッター1を再び上昇させる。図10は,以上の工程を経て本発明の実施の形態にかかるドラム缶開口装置30によって開口させられた状態のドラム缶Dを示す斜視図である。このように,本発明の実施の形態によれば,ドラム缶Dの上端面D1を,一対の非切断部分60を結ぶ線P’を中心にして,切断部分61を両側からドラム缶Dの内部に向かって折り曲げることにより,ドラム缶Dの上端面D1が開口される。
【0036】
以上説明したように,この実施の形態にかかるドラム缶開口装置30によれば,移動機構33に油圧シリンダ52を用いたことにより,油圧シリンダー52の高い押圧力を利用してドラム缶Dの上端面D1を確実に切断開口させることができるようになる。また,カッター本体2先端の非刃部12a,12cは,カッター本体2の先端に連続して形成されている刃部3よりも引っ込んだ凹部に形成されているので,これら非刃部12a,12cがドラム缶Dの上端面D1にぶつかることなく,刃部3によってドラム缶Dの上端面D1をスムーズに切断することができる。また,カッター本体2先端の刃部3において非刃部12a,12cが形成されていない谷部11b,11dには切削抵抗を減らすための延長刃部12b,12dを形成しているので,非刃部12a,12bに対応する箇所以外の箇所においては非切断部分が生ずることがない。また,このようにカッター本体2先端の刃部3をドラム缶Dの上端面D1に押し当てて切断するので,火花等が発生せず,ドラム缶Dの内容物が可燃性であっても安全である。
【0037】
そして,この実施の形態のドラム缶開口装置30によって開口されたドラム缶Dは,図10に示すように,ドラム缶Dの上端面D1において,一対の非切断部分60を結ぶ線P’を中心にして,切断部分61が両側からドラム缶Dの内部に向かって折り曲げられた格好となり,例えば,ドラム缶Dを反転させて内容物を取り出す際などに,切断部分61が邪魔にならず,また,空となったドラム缶Dを上下に積む場合にも切断部分61は支障とならない。
【0038】
以上,本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが,本発明は以上に説明した実施の形態に限定されない。例えば,カッター本体2の形状は,角筒形状などでも良い。また,カッター本体2の直径などはドラム缶Dの直径に合わせて任意に変更できる。また,カッター本体2の先端に形成する刃部3の形状は種々変更でき,頂部や谷部の数や高さなども任意に変更できる。また,カッター本体2の基端側に取り付けられるフランジ4の大きさも任意に変更できる。また,カッター本体2先端の刃部3を形成する部分は,例えばステライトなどの耐摩耗性金属を厚さ約5mm程度以上肉盛りすると良い。これにより,カッター1の寿命が通常の鋼に比べ10倍以上となる。更に,ドラム缶Dの上端面D1を切断する際に,カッター1を回転させても良い。
【0039】
【実施例】
本発明のドラム缶開口装置を実際に作成し,廃油を入れたドラム缶の開口を行った。1本あたり3秒で開口することができた。切断部分はドラム缶の内部に折り曲げることができた。
【0040】
また,比較例として,エアータガネを用いてドラム缶の蓋の耳に近い周縁部を切断し,開口した。1本あたりの開口に20秒を要した。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば,ドラム缶の端面を切断してドラム缶の内部に折り曲げることにより,ドラム缶の端面を容易かつ安全に短時間で開口することが可能となる。このため,作業者への負担を大幅に軽減でき,ドラム缶から内容物を抜き出す作業も容易になる。また,カッター本体先端の刃部をドラム缶の上端面に押し当てて切断するので,火花等が発生せず,ドラム缶の内容物が可燃性であっても安全である。また,本発明では切断部分をドラム缶の内部に折り曲げて端面を開口させているので,ドラム缶を反転させて内容物を取り出す際などに,切断部分が邪魔にならず,また,空となったドラム缶を上下に積む場合にも切断部分は支障とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカッターの斜視図である。
【図2】カッター本体の展開図である。
【図3】図1において上方から見たカッターの平面図である。
【図4】図3A−A線におけるカッターの縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるドラム缶開口装置の正面図である。
【図6】保持機構の平面図である。
【図7】カッターによってドラム缶の上端面が切断開口されていく状態の説明図である。
【図8】カッターによってドラム缶の上端面が切断開口されていく状態の説明図である。
【図9】カッターによってドラム缶の上端面が切断開口されていく状態の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかるドラム缶開口装置によって開口させられた状態のドラム缶を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ドラム缶開口用カッター
2 カッター本体
3 刃部
12a,12b 非刃部
20,21 押圧部材
D ドラム缶
D1 上端面
Claims (8)
- 筒状に形成されたカッター本体の先端を鋭利な刃部に形成すると共に,前記カッター本体の先端の一部に非刃部を対向して一対形成し,
かつ,前記カッター本体の内部に,前記刃部によって切断されたドラム缶端面の切断部分を前記一対の非刃部を結ぶ直線の両側において押圧する押圧部材を設け,
前記カッター本体の先端に頂部と谷部を交互に形成し,前記非刃部を谷部に配置し,前記非刃部を配置しない谷部に切削抵抗を低減させるための延長刃部を形成し,かつ,前記カッター本体の先端においてこれら非刃部と延長刃部を交互に配置したことを特徴とする,ドラム缶開口用カッター。 - 前記カッター本体の先端に前記頂部と谷部を4箇所ずつ形成し,それら谷部の内の2箇所に前記非刃部を配置すると共に残りの2箇所に切削抵抗を低減させるための延長刃部を形成し,かつ,前記カッター本体の先端においてこれら非刃部と延長刃部を交互に配置したことを特徴とする,請求項1に記載のドラム缶開口用カッター。
- 前記刃部が,耐摩耗性金属で構成されることを特徴とする,請求項1または2に記載のドラム缶開口用カッター。
- 前記非刃部は,前記刃部よりも引っ込んだ凹部であることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載のドラム缶開口用カッター。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載のドラム缶開口用カッターと,ドラム缶を保持する保持機構と,該保持機構に保持されたドラム缶の端面に対して前記ドラム缶開口用カッターを移動させる移動機構を備えたドラム缶開口装置。
- 前記保持機構は,ドラム缶の周面を両側から挟持する一対のクランプ部材を有し,かつ,少なくとも一方のクランプ部材の内側面にはドラム缶を位置決めするためのガイド溝を設けたことを特徴とする,請求項5に記載のドラム缶開口装置。
- 前記移動機構は,前記ドラム缶開口用カッターのカッター本体の先端を前記ドラム缶の端面に対して押圧接触させる油圧シリンダーを備えることを特徴とする,請求項5又は6に記載のドラム缶開口装置。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載のドラム缶開口用カッターのカッター本体先端に形成された刃部をドラム缶の端面に押圧接触させることによりドラム缶の端面を切断し,カッター本体先端の非刃部に対応する非切断部分をドラム缶の端面に互いに対向して一対残し,非刃部の両側に設けられた押圧部材でドラム缶端面の切断部分をドラム缶の内部に向かって押圧することにより,ドラム缶端面の切断部分をドラム缶の内部に向かって折り曲げることを特徴とする,ドラム缶開口方法。
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