JP3893667B2 - 固体撮像素子の駆動装置、撮像信号の検波方法およびこれらを用いたカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子の駆動装置、固体撮像素子から出力される撮像信号の検波方法およびこれらを用いたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Device) タイプ等の固体撮像素子を撮像デバイスとして用いたカメラには、一般的に、CCD撮像素子内の各画素(光電変換素子)に蓄積された信号電荷を、シャッタパルスの印加によって例えば半導体基板側に掃き出すいわゆる電子シャッタ機能が備えられており、フィールド期間内における電荷蓄積時間(即ち、露光時間)を、シャッタパルスを印加する間隔、即ちシャッタスピードを変えることによって制御することができる。これが、シャッタスピードを利用した自動露光(AE;Automatic Exposure)制御である。
【0003】
この自動露光制御においては、例えば、CCD撮像素子から出力される撮像信号を検波することによって画面の明るさ情報として取り込み、この検波出力のAE収束目標値に対する差分を求めるとともに、この差分に応じたシャッタスピード情報を設定し、このシャッタスピード情報に基づいてCCD撮像素子に与えるシャッタパルスの発生タイミングを制御することによって露光制御を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、CCD撮像素子から出力される撮像信号の検波を行う場合には、フレーム画像もしくはフィールド画像を一度取り込んだ後、後段の信号処理系において、検波範囲を設定して制御を行っていたため、検波の周期はフレームまたはフィールド周期と同一となり、実質的なフレームレートの向上は不可能であった。
【0005】
一方、検波処理において必要とされる検波対象としては、取り込んだ画像情報の一部を切り出して処理を施すのが一般的であり、これらの処理は後段の信号処理系において行われていた。しかしながら、検波という観点からすると、画像情報の全てを取り込む必要は必ずしもなく、むしろ、画像情報の全てを取り込んだ場合には、CCD撮像素子の多画素化に伴いフレームレートの低下が問題点として残ることになる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、任意のフレームレートの設定を可能とした固体撮像素子の駆動装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、任意のフレームレートおよび検波範囲の設定を可能とした撮像信号の検波方法を提供することである。
【0008】
本発明はさらに、検波時のフレームレートの向上を可能としたカメラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による固体撮像素子の駆動装置は、第1の動作モードではフィールド周期でリセットパルスを発生し、第2の動作モードではフィールド周期よりも短い周期でリセットパルスを発生するリセットパルス発生手段と、固体撮像素子を垂直転送駆動するための垂直転送パルスを発生するとともに、リセットパルスによってリセットが行われ、第2の動作モードではそのリセット周期の一部の区間で固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動するための高速転送パルスを発生する駆動パルス発生手段とを備え、前記リセットパルス発生手段は、フィールド周期でリセットパルスを発生し、前記第1の動作モードではそのリセットパルスを直接前記駆動パルス発生手段に供給するリセットパルス発生器と、前記第2の動作モードでは前記リセットパルス発生器から出力されるリセットパルスを逓倍して前記駆動パルス発生手段に供給する逓倍器とを有することを特徴としている。
【0010】
上記構成の固体撮像素子の駆動装置において、第1の動作モード(即ち、撮像モード)では、リセットパルス発生手段からフィールド周期でリセットパルスが発生されることで、そのリセットパルスによって駆動パルス発生手段のリセット(初期化)が行われる。そして、この駆動パルス発生手段から発生される駆動パルスによって固体撮像素子の転送駆動が行われることで、1フィールド分の画像情報がフィールド周期で撮像信号として出力される。
【0011】
一方、第2の動作モード(即ち、検波モード)では、外部から与えられる情報に応じてリセットパルス発生手段からフィールド周期よりも短い周期でリセットパルスが発生されることで、そのリセットパルスによって駆動パルス発生手段の初期化が行われる。このとき同時に、駆動パルス発生手段からは、そのリセット周期の一部の区間で垂直転送パルスとして高速転送パルスが発生されることで、固体撮像素子の垂直転送駆動が高速にて行われる。これにより、高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の領域、即ち垂直方向の特定の領域の画像情報のみが、フィールド周期よりも短い周期で撮像信号として出力される。
【0012】
本発明による撮像信号の検波方法は、撮像モードではフィールド周期で発生されるリセットパルスによってリセットが行われる駆動パルス発生手段で発生される垂直転送パルスによって垂直転送駆動される固体撮像素子から出力される撮像信号を検波するに当り、撮像モードでのフィールド周期のリセットパルスを逓倍して検波モードでのリセットパルスとして前記駆動パルス発生手段に供給することにより、固体撮像素子を垂直転送駆動する際の検波モードでのリセット周期をフィールド周期よりも短く設定するとともに、そのリセット周期の一部の区間で前記固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動し、この高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の際に固体撮像素子から出力される撮像信号を検波するようにする。
【0013】
この検波方法において、通常の撮像モードでは固体撮像素子を垂直転送駆動する際のリセット周期がフィールド周期であるのに対し、検波モードではリセット周期をフィールド周期よりも短く設定するとともに、垂直転送駆動の際に、そのリセット周期の一部の区間で固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動する。これにより、高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の領域、即ち垂直方向の特定の領域の画像情報のみが、フィールド周期よりも短い周期で撮像信号として出力される。そして、この撮像信号を検波する。
【0014】
本発明によるカメラは、入射光を画素単位で光電変換する固体撮像素子と、被写体からの光学像を2次元の画像として固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、撮像モードではフィールド周期でリセットパルスを発生しかつ検波モードではフィールド周期よりも短い周期でリセットパルスを発生するリセットパルス発生手段と、固体撮像素子を垂直転送駆動するための垂直転送パルスを発生するとともに、リセットパルスによってリセットが行われ、検波モードではそのリセット周期の一部の区間で固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動するための高速転送パルスを発生する駆動パルス発生手段と、垂直転送パルスによる高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の際に固体撮像素子から出力される撮像信号を検波する検波手段とを備え、前記リセットパルス発生手段は、フィールド周期でリセットパルスを発生し、前記撮像モードではそのリセットパルスを直接前記駆動パルス発生手段に供給するリセットパルス発生器と、前記検波モードでは前記リセットパルス発生器から出力されるリセットパルスを逓倍して前記駆動パルス発生手段に供給する逓倍器とを有することを特徴としている。
【0015】
上記構成のカメラにおいて、撮像モードでは、リセットパルス発生手段からフィールド周期でリセットパルスが発生されることで、そのリセットパルスによって駆動パルス発生手段の初期化が行われる。そして、この駆動パルス発生手段から発生される駆動パルスによって固体撮像素子の転送駆動が行われることで、1フィールド分の画像情報がフィールド周期で撮像信号として出力される。
【0016】
一方、検波モードでは、外部から与えられる情報に応じてリセットパルス発生手段からフィールド周期よりも短い周期でリセットパルスが発生され、そのリセットパルスによって駆動パルス発生手段の初期化が行われる。このとき同時に、駆動パルス発生手段からは、そのリセット周期の一部の区間で垂直転送パルスとして高速転送パルスが発生されることで、固体撮像素子の垂直転送駆動が高速にて行われる。これにより、高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の領域、即ち垂直方向の特定の領域の画像情報のみが、フィールド周期よりも短い周期で撮像信号として出力される。そして、検波手段では、この撮像信号を検波対象として検波が行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、例えばデジタルスチルカメラに適用された本発明の一実施形態を示すシステム構成図である。
【0018】
本実施形態に係るデジタルスチルカメラは、入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に画素単位で光電変換し、各画素の信号電荷を撮像信号として出力するCCD撮像素子(以下、CCDイメージセンサと称す)1と、被写体(図示せず)からの光学像を2次元の画像としてCCDイメージセンサ1の撮像面上に結像させるレンズ2を含む光学系と、CCDイメージセンサ1を駆動する駆動系3と、CCDイメージセンサ1から出力される撮像信号を処理する信号処理系4と、システム全体の制御を司るマイクロコンピュータ等からなるシステムコントローラ5とから構成されている。
【0019】
CCDイメージセンサ1としては、例えばインターライン転送方式のものが用いられる。図2に、インターライン転送方式のCCDイメージセンサの構成の一例を示す。同図において、CCDイメージセンサ1の撮像エリア11は、行列状に配列され、入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に変換して蓄積する複数のセンサ部(画素)12と、これらセンサ部12の垂直列ごとに設けられ、各センサ部11から読み出しゲート13を介して読み出された信号電荷を垂直転送する複数本の垂直CCD14とに構成されている。
【0020】
この撮像エリア11において、センサ部12は例えばPN接合のフォトダイオードから構成されている。このセンサ部12に蓄積された信号電荷は、読み出しゲート部13のゲート電極に後述する読み出しパルスXSGが印加されることにより、この読み出しゲート部13によって垂直CCD14に読み出される。垂直CCD14は、例えば4相の垂直転送パルスφV1〜φV4によって転送駆動され、各センサ部12から読み出された信号電荷を水平ブランキング期間の一部にて1走査線(1ライン)に相当する部分ずつ順に垂直方向に転送する。
【0021】
ここで、垂直CCD14において、1相目,3相目の転送電極は、読み出しゲート部13のゲート電極を兼ねている。このことから、4相の垂直転送パルスのうち、1相目と3相目の垂直転送パルスが低レベル、中間レベルおよび高レベルの3値をとるように設定されており、その3値目の高レベルのパルスが読み出しゲート部13のゲート電極に印加される読み出しパルスXSGとなる。
【0022】
撮像エリア11の図面上の下側には、水平CCD15が配されている。この水平転送CCD15には、複数本の垂直CCD13の各々から1ラインに相当する信号電荷が順次転送される。水平CCD15は、水平転送パルスφH1,φH2によって転送駆動され、複数本の垂直CCD14から移された1ライン分の信号電荷を、水平ブランキング期間後の水平走査期間において順次水平方向に転送する。
【0023】
水平CCD15の転送先側の端部には、例えばフローティング・ディフュージョン・アンプ構成の電荷電圧変換部16が設けられている。この電荷電圧変換部16は、水平CCD15によって水平転送されてきた信号電荷を順次電圧信号に変換して出力する。この電圧信号は、被写体からの光学像に応じたCCD出力OUTとして導出される。以上により、インターライン転送方式のCCDイメージセンサ1が構成されている。
【0024】
このCCDイメージセンサ1を駆動する駆動系3は、図1に示すように、クリスタル発振器31の発振出力に基づいてマスタークロックを生成するとともに、先述した読み出しパルスXSGを含む4相の垂直転送パルスφV1〜φV4、2相の水平転送パルスφH1,φH2などの各種のCCD駆動パルス群や、信号処理系4に与える信号処理パルス群を生成するタイミングパルス発生器(TG)32と、このタイミングパルス発生器32から与えられるマスタークロックに基づいてリセットパルスを生成し、タイミングパルス発生器32に与える同期信号発生器(SSG)33とから構成されている。
【0025】
この駆動系3において、同期信号発生器33で発生されるリセットパルスとしては、垂直リセット(VR)と水平リセット(HR)の2種類のリセットパルスが存在する。このリセットパルスのうち、垂直リセットパルスVRについては、同期信号発生器33は、通常の撮像モードではフィールド周期で発生し、検波モードでは外部情報に基づいてシステムコントローラ5から与えられる情報に応じてフィールド周期よりも短い任意の周期で発生する。
【0026】
タイミングパルス発生器32はカウンタを内蔵しており、そのカウンタが同期信号発生器33から与えられるリセットパルスによってクリアされることで初期化(リセット)が行われ、そのリセット周期でCCD駆動パルス群および信号処理パルス群を発生する。また、検波モードでは、リセット周期の一部の区間で、外部情報に基づいてシステムコントローラ5から与えられる情報に応じて垂直転送パルスφV1〜φV4として高速転送パルスを発生し、かつ通常速度での転送パルス数を任意に設定する。
【0027】
図3は、信号処理系4の構成の一例を示すブロック図である。同図において、CCDイメージセンサ1から出力される撮像信号は、CDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)&AGC(Automatic Gain Control;自動利得制御)回路41でサンプリングおよびゲイン調整が行われた後、A/Dコンバータ42でディジタル化されてクランプ回路43に供給される。クランプ回路43は撮像信号中の黒レベルをクランプし、黒レベルに対する各画素の信号レベルを出力する。
【0028】
クランプ回路43から出力される画素信号は、ホワイトバランス回路44およびディレイライン45を経た後、Y処理回路46で信号処理されてY(輝度)信号として出力されるとともに、C処理回路47で信号処理されてC(クロマ)信号として出力される。クランプ回路43からの画素信号はさらに、AE用検波回路48を介してAE用制御回路49に供給される。AE用制御回路49は、AE用検波回路48の検波出力に基づいて駆動系3内のタイミングパルス発生器32から出力されるシャッタパルスのタイミングやAGC回路41のゲインを変化させることによって露光制御(AE制御)を行う。
【0029】
次に、上記構成のデジタルスチルカメラにおける通常撮像モード時および検波モード時の各動作について、図4のフローチャートおよび図5(A),(B)のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図5において、(A)は通常の撮像モード時のタイミングチャートを、(B)は検波モード時のタイミングチャートをそれぞれ示している。
【0030】
先ず、動作モードが通常の撮像モードであるか検波モードであるの判定を行い(ステップS1)、通常の撮像モードの場合には、駆動系3内の同期信号発生器33は、予め設定された何らかのフォーマット(例えば、NTSC方式TVフォーマット)に準拠したフィールド周期で垂直リセットパルスVRを発生し(ステップS2)、タイミングパルス発生器32に入力する。すると、タイミングパルス発生器32は、この垂直リセットパルスVRを基準に動作を開始し、あるタイミングにてセンサ部12から信号電荷を垂直CCD14に読み出すための読み出しパルスXSGを発生する(ステップS3)。
【0031】
続いて、タイミングパルス発生器33は、垂直CCD14に読み出された信号電荷を水平CCD15に転送するために、4相の垂直転送パルスφV1〜φV4(図4には、1相目,3相目の垂直転送パルスφV1,φV3のみを示す)を、全ての信号電荷を水平CCD15に転送するまで連続的に発生する(ステップS4)。これにより、フィールド周期で画面全体に亘る撮像信号が得られる(ステップS5)。この撮像信号を検波対象として用いた場合には、先述したように、検波周期がフレームまたはフィールド周期に固定となってしまう。
【0032】
次に、検波モード時の動作について説明するに、駆動系3内の同期信号発生器33は、外部情報に基づいてシステムコントローラ5から与えられる情報に応じてフレームレートを通常の撮像モードでのフレームレートよりも短くなるように決定し、そのレートに応じた周期で垂直リセットパルスVRを発生し、タイミングパルス発生器32に入力する(ステップS6)。
【0033】
すると、タイミングパルス発生器32は、この垂直リセットパルスVRを基準に動作を開始し、先ず、外部情報に基づいてシステムコントローラ5から与えられる情報に応じて検波対象として必要な領域の開始位置(ライン)を決定するとともに、高速転送パルス部Bのパルス数をその開始位置と合致するように設定し(ステップS7)、次いで高速転送パルス部A→読み出しパルスXSG→高速転送パルスB→垂直転送パルスφV1〜φV4の順に各パルスの発生を行う(ステップS8〜S11)。
【0034】
以上により、読み出しパルスXSGによってセンサ部12から垂直CCD14へ読み出した信号電荷のうち、先ず、検波対象として必要な領域の開始位置(ライン)までの信号電荷を高速転送パルス部Bにて高速転送することによって掃き出し、続いて検波対象となる領域の信号電荷を垂直転送パルスφV1〜φV4にて通常速度で垂直転送することによって読み出す。
【0035】
この検波対象となる領域の終了位置(ライン)は、垂直リセットパルスVRの発生タイミングで決まる。その終了位置以降の不要な信号電荷については、高速転送パルス部Aにて高速転送されることによって掃き出される。その後、次の読み出しパルスXSGによって再び信号電荷の読み出しを行い、上述した一連の動作を繰り返す。これにより、フィールド周期よりも短い周期で垂直方向における特定の領域の撮像信号が得らる(ステップS12)。そして、この撮像信号が検波対象としてAE用検波回路48に入力され、AE検波が行われる(ステップS13)。
【0036】
このように、CCDイメージセンサ1の垂直CCD14を転送駆動する際のリセット周期をフィールド周期よりも短く設定するとともに、そのリセット周期の一部の区間で垂直CCD14を高速にて転送駆動するようにし、通常速度での垂直転送駆動の際にCCDイメージセンサ1から出力される撮像信号を検波対象とすることにより、検波対象の撮像信号は垂直方向における特定の一部の領域のものとなり、かつフィールド周期よりも短い周期で得られるため、検波時のフレームレートを上げることができる。
【0037】
また、システムコントローラ5に与える外部情報により、同期信号発生器33で発生される垂直リセットパルスVRの発生周期(リセット周期)を変えることによって任意のフレームレートを設定でき、しかもタイミングパルス発生器32で発生される高速転送パルス部Bのパルス数を変えることによって任意に検波範囲を設定できる。
【0038】
上述したことから明らかなように、検波モードでは、画面の一部分の領域(検波範囲)の画像情報しか得ることができないことから、一枚の正式な画像情報として使用することができない。したがって、この検波モードは、例えばシャッタの半押し状態など、正式な画像情報を得る必要がないタイミングで実行されることになる。ただし、一枚の正式な画像情報とならなくても、画像情報としては使用可能なため、モニターに表示することによって検波対象の領域の画像を視覚で確認することができる。
【0039】
図6は、本発明の他の実施形態を示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示してある。本実施形態では、CCDイメージセンサ3を駆動する駆動系の構成のみが先の実施形態と異なり、それ以外の構成は全く同じである。本実施形態に係る駆動系3′は、クリスタル発振器34と、タイミングパルス発生器(TG)35と、同期信号発生器(SSG)36と、切替えスイッチ37と、分周器38とから構成されている。
【0040】
この駆動系3′において、タイミングパルス発生器35は、クリスタル発振器34の発振出力に基づいてマスタークロックを生成するとともに、読み出しパルスXSGを含む4相の垂直転送パルスφV1〜φV4、2相の水平転送パルスφH1,φH2などの各種のCCD駆動パルス群や、信号処理系4に与える信号処理パルス群を生成する。
【0041】
同期信号発生器36は、タイミングパルス発生器35から与えられるマスタークロックに基づいてリセットパルスを生成する。このリセットパルスとしては、垂直リセット(VR)と水平リセット(HR)の2種類のリセットパルスが存在する。これらリセットパルスのうち、垂直リセットパルスVRについては、予め設定された何らかのフォーマット(例えば、NTSC方式TVフォーマット)に準拠したフィールド周期で発生する。
【0042】
切替えスイッチ37は、システムコントローラ5から与えられる動作モード情報に基づいて、通常の撮像モードの場合には同期信号発生器36から出力される垂直リセットパルスVRをそのままタイミングパルス発生器35に供給し、検波モードの場合には同期信号発生器36から出力される垂直リセットパルスVRを逓倍器38に供給する。逓倍器38は、選択スイッチ37を介して同期信号発生器36から供給される垂直リセットパルスVRの周期を例えば1/2にしてタイミングパルス発生器35に供給する。
【0043】
これにより、検波モード時には、図7(A)のタイミングチャートに示すように、同期信号発生器36から出力される垂直リセットパルスVRの周期が逓倍器38で1/2にされてリセットパルスRESETとしてタイミングパルス発生器35に供給される。したがって、タイミングパルス発生器35のリセット周期が通常の撮像モード時のフィールド周期の1/2となるため、フレームレートが2倍となる。
【0044】
このように、検波モード時には、同期信号発生器36から出力される垂直リセットパルスVRの周期を逓倍器38で1/2にしてリセットパルスRESETとしてタイミングパルス発生器35に供給するようにしたことにより、同期信号発生器36で発生する垂直リセットパルスVRの周期を変化させることなく、検波時のフレームレートのみを上げることが可能となる。
【0045】
本例では、逓倍器38の逓倍比を2倍に固定としたが、逓倍比は2倍に限定されるものではない。さらに、必ずしも固定である必要はなく、その逓倍比を外部情報に基づくシステムコントローラ5からの情報に応じて可変とすることも可能であり、これによりフレームレートを任意に設定可能となる。また、本例では、切替えスイッチ37および分周器38をタイミングパルス発生器32の外付け回路としたが、タイミングパルス発生器32の内部回路として構成することも可能である。
【0046】
なお、上記各実施形態においては、垂直方向において連続する領域を1つ検波範囲として設定するとしたが、図7(B)のタイミングチャートに示すように、高速転送パルス部Bを有効映像期間中にも発生させることにより、検波範囲を複数箇所(本例では、2箇所)に設定することも可能である。図7(B)の例の場合には、垂直リセットパルスVRに基づくリセット周期を設定するとともに、2つの高速転送パルス部Bの各パルス数および最初の通常速度の垂直転送パルスφV1〜φV4のパルス数を設定することで実現できる。
【0047】
このように、検波対象となる領域(検波範囲)を垂直方向における複数箇所に設定できるようにすることにより、画角内において極端に検波結果が異なるような場合に、より正確な検波結果を得ることができるため、AE制御をより確実に行うことが可能となる。
【0048】
以上説明した各実施形態では、AE制御に用いるAE検波に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自動的に被写体にピントを合わせるオートフォーカス(AF)制御などにも適用可能である。
【0049】
また、上記各実施形態では、静止画を扱うデジタルスチルカメラに適用した場合を例にとって説明したが、動画を扱うビデオカメラにも、同様に適用可能である。ビデオカメラに適用する場合には、検波時の撮像信号は正式な画像情報として使用できないことから、ビデオメモリを装備し、このビデオメモリに格納している撮像信号を出力するのと並行して検波処理を行うようにすれば良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による固体撮像素子の駆動装置によれば、第1の動作モードではフィールド周期でリセットパルスを発生し、第2の動作モードではフィールド周期よりも短い周期でリセットパルスを発生するとともに、そのリセット周期の一部の区間で高速にて垂直転送を行うようにしたことにより、第2の動作モードではフィールド周期よりも短い周期で撮像信号を得ることができるためフレームレートを向上でき、しかもタイミング制御のみによってそれを実現できるため信号処理系の負荷を軽減できることになる。特に、第1の動作モードでのフィールド周期のリセットパルスを逓倍して第2の動作モードでのリセットパルスとすることで、第1の動作モードで用いるリセットパルスの周期を変化させることなく、第2の動作モード時のフレームレートのみを上げることができる。
【0051】
また、本発明による撮像信号の検波方法によれば、固体撮像素子を垂直転送駆動する際のリセット周期をフィールド周期よりも短く設定するとともに、そのリセット周期の一部の区間で固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動し、通常速度の垂直転送駆動の際に固体撮像素子から出力される撮像信号を検波するようにしたことにより、フレームレートを上げることができるため、検波精度を向上できることになる。特に、撮像モードでのフィールド周期のリセットパルスを逓倍して検波モードでのリセットパルスとして、固体撮像素子の垂直転送パルスを発生する手段に供給することで、検波時のフレームレートのみを上げることができる。
【0052】
本発明によるカメラによれば、撮像モードではフィールド周期でリセットパルスを発生し、検波モードではフィールド周期よりも短い周期でリセットパルスを発生するとともに、そのリセット周期の一部の区間で高速にて垂直転送を行い、通常速度の垂直転送駆動の際に固体撮像素子から出力される撮像信号を検波するようにしたことにより、フレームレートを上げることができるため、検波精度を向上でき、AE制御などをより確実に行うことができることになる。特に、撮像モードでのフィールド周期のリセットパルスを逓倍して検波モードでのリセットパルスとすることで、検波時のフレームレートのみを上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】インターライン転送方式のCCDイメージセンサの一例を示す概略構成図である。
【図3】信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】動作説明のためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るタイミングチャートであり、(A)は通常の撮像モード時、(B)は検波モード時をそれぞれ示している。
【図6】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…CCDイメージセンサ、3,3′…駆動系、4…信号処理系、5…システムコントローラ、11…撮像エリア、12…センサ部、14…垂直CCD、15…水平CCD、16…電荷電圧変換部、32,35…タイミングパルス発生器、33,36…同期信号発生器、37…切替えスイッチ、38…逓倍器
Claims (5)
- 第1の動作モードではフィールド周期でリセットパルスを発生し、第2の動作モードでは前記フィールド周期よりも短い周期でリセットパルスを発生するリセットパルス発生手段と、
固体撮像素子を垂直転送駆動するための垂直転送パルスを発生するとともに、前記リセットパルスによってリセットが行われ、前記第2の動作モードではそのリセット周期の一部の区間で前記固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動するための高速転送パルスを発生する駆動パルス発生手段とを備え、
前記リセットパルス発生手段は、
フィールド周期でリセットパルスを発生し、前記第1の動作モードではそのリセットパルスを直接前記駆動パルス発生手段に供給するリセットパルス発生器と、
前記第2の動作モードでは前記リセットパルス発生器から出力されるリセットパルスを逓倍して前記駆動パルス発生手段に供給する逓倍器とを有する
ことを特徴とする固体撮像素子の駆動装置。 - 前記駆動パルス発生手段は、前記高速転送パルスを有効映像期間中にも発生させる
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子の駆動装置。 - 撮像モードではフィールド周期で発生されるリセットパルスによってリセットが行われる駆動パルス発生手段で発生される垂直転送パルスによって垂直転送駆動される固体撮像素子から出力される撮像信号を検波する検波方法であって、
撮像モードでのフィールド周期のリセットパルスを逓倍して検波モードでのリセットパルスとして前記駆動パルス発生手段に供給することにより、前記固体撮像素子を垂直転送駆動する際の前記検波モードでのリセット周期をフィールド周期よりも短く設定するとともに、そのリセット周期の一部の区間で前記固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動し、
この高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の際に前記固体撮像素子から出力される撮像信号を検波する
ことを特徴とする撮像信号の検波方法。 - 前記固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動する区間を有効映像期間中にも設定する
ことを特徴とする請求項3記載の撮像信号の検波方法。 - 入射光を画素単位で光電変換する固体撮像素子と、
被写体からの光学像を2次元の画像として前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、
撮像モードではフィールド周期でリセットパルスを発生しかつ検波モードでは前記フィールド周期よりも短い周期でリセットパルスを発生するリセットパルス発生手段と、
前記固体撮像素子を垂直転送駆動するための垂直転送パルスを発生するとともに、前記リセットパルスによってリセットが行われ、前記検波モードではそのリセット周期の一部の区間で前記固体撮像素子を高速にて垂直転送駆動するための高速転送パルスを発生する駆動パルス発生手段と、
前記垂直転送パルスによる高速転送駆動以外の通常速度の垂直転送駆動の際に前記固体撮像素子から出力される撮像信号を検波する検波手段とを備え、
前記リセットパルス発生手段は、
フィールド周期でリセットパルスを発生し、前記撮像モードではそのリセットパルスを直接前記駆動パルス発生手段に供給するリセットパルス発生器と、
前記検波モードでは前記リセットパルス発生器から出力されるリセットパルスを逓倍して前記駆動パルス発生手段に供給する逓倍器とを有する
ことを特徴とするカメラ。
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