JP3566633B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ビデオカメラ等の撮像装置に係り、特に静止画の映像信号を生成するときの露光制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラは、信号処理のディジタル化に伴ない、多種多様な機能が開発されている一方で、ディジタルの映像信号を容易に出力できることから、コンピュ−タなどの映像入力手段として注目されつつある。コンピュ−タなどの取り扱う映像は、静止画が一般的であり静止画の映像信号を得るために、現在では民生用のカメラ一体型VTRを用いてカメラ一体型VTRから出力される動画像のうちの任意の1フィ−ルドないし1フレ−ム分の映像信号をメモリ等に記録する。メモリ等に記録された映像信号は、静止画としてコンピュ−タに入力される。なお、特開平2−288679号公報には、ビデオカメラにおいて、適正露出の静止画を出力する技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以下に示す問題から上記画像入力方法は好ましい方法ではない。
【0004】
(1)自動制御系を静止画にも対応できるようにする…一般的なビデオカメラでは映像信号を用いて露光制御を行なっている。すなわち、被写体の照度を検出する検出器を別個には有しておらず、映像信号から検出してそれぞれの制御部にフィ−ドバックしている。しかしながら、静止画の映像信号から検出しても、検出した静止画にフィ−ドバックできない。
【0005】
(2)一般的な撮像素子を用いてフレ−ムの静止画を生成できるようにする…一般的な撮像素子は、画素の信号を一度しか読み出せない破壊読み出しであり、しかも垂直方向に隣接する2つの画素の信号を混合して読みだす画素混合方式である。上記読み出し方式のままで信号処理を行なうと、画素数に見合った解像度の静止画は生成できない。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決し、通常のビデオカメラ(アイリス及び信号処理)で、フルフレームの静止画を撮像することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点(1)を解決するため本発明は、入射光の一部を遮断する光量制限手段、入射光を画素ごとに光電変換するとともに、該画素で光電変換された電荷を任意の時間に掃き捨てるシャッタ機能を有する固体撮像素子、該固体撮像素子で光電変換された信号を映像信号として出力する信号処理手段、及び該光量制限手段及び該固体撮像素子の該シャッタ機能を制御することにより露光量を調節するとともに、静止画撮影時には、それ以前の動画撮影時に規定された露光量で該光量制限手段及び該シャッタ機能の露光制御を行なう露光制御手段を有する。
【0008】
上記問題点(2)を解決するため本発明では、さらに
前記信号処理手段は、前記固体撮像素子が画素の信号を独立して出力している時と、画素混合して出力している時とで異なった信号処理により映像信号を生成する。
【0009】
【作用】
上記(1)の問題点を解決する手段によれば、動画撮像時の検出結果を記憶しておき、その検出結果を基に静止画を生成するように動作する。
【0010】
また、上記(2)の問題点を解決する手段によれば、静止画撮像時には撮像素子の駆動方法を変えて画素の信号を混合せずに読み出され、信号処理回路に静止画の映像信号が入力されたときに信号処理の内容が静止画用に切り替わる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を図を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施例に係る撮像装置の構成図である。同図において101は、レンズ、102は、メカシャッタ、103は、撮像素子、104は、アンプ、105は、A/D変換器、106は、映像信号処理回路、107は、カメラ制御回路、108は、メカシャッタ制御回路、109は、撮像素子駆動回路、110は、シャッタボタンである。撮像素子103の具体例を図2に示す。図2において、201は、ホトダイオ−ド、202は、垂直CCD、203は、水平CCDであり、gr、mg、cy、yeは、ホトダイオ−ド201の各々の表面に配された色フィルタで、grはグリ−ン、mgはマゼンタ、cyはシアン、yeはイエロ−の色フィルタであることを示す。このような色フィルタが配されたホトダイオ−ドは一般に画素と呼ばれている。レンズ101を通して入力された光は、メカシャッタ制御回路108により絞り値Fが制御されたメカシャッタ102を通して撮像素子103に入力され、撮像素子103の表面に配されたホトダイオ−ド201で光電変換され、垂直CCD202内で画素混合され、水平CCD203を経由して出力される。撮像素子103の出力信号は、アンプ104で増幅され、A/D変換器105でディジタル信号に変換され、映像信号処理回路106に入力される。映像信号処理回路106は、入力された信号をNTSC等の映像信号に変換して出力すると共に被写体の輝度情報等をカメラ制御回路107に出力する。カメラ制御回路107は、被写体の輝度情報をもとに映像信号処理回路106の出力が所望の輝度レベルになるようにメカシャッタ制御回路108を制御し、メカシャッタ102の絞り値を変化させ、また、必要に応じて撮像素子駆動回路109を制御し、撮像素子103が有する電子シャッタスピ−ドを制御する。
【0013】
次に、電子シャッタについて簡単に説明する。図3は、撮像素子103のポテンシャルを模式的に表した図である。同図において、301は、撮像素子103に蓄えられた電荷、302は、読み出しゲ−ト、303は、基板電圧、304は、well、305は、チャネルストッパである。ホトダイオ−ド201により光電変換された電荷は、読み出しゲ−ト602とwell604の間に図に示すように蓄えられる。撮像素子103に撮像素子駆動回路109から電荷掃き出しパルスが供給されると、基板電圧303のポテンシャルが下がる。すると、図4に示すように基板電圧303に引き込まれる形でwell304のポテンシャルが下がる。すると、電荷301は、基板電圧303の部分に掃き捨てられる。チャネルストッパ305は、隣の画素に対応する垂直CCD202からの電荷の漏れ込みを阻止するためのものである。
【0014】
この構成において、シャッタボタン110を押すことによりカメラ制御回路107からシャッタクロ−ズの制御信号がメカシャッタ制御回路109に入力され、メカシャッタ制御回路109によってメカシャッタ102は、所定の時間後にクロ−ズ状態となる。メカシャッタ102がクロ−ズ状態となるまでに撮像素子103に入力された光は、上記動作と同様に撮像素子103に配されたホトダイオ−ド201によって光電変換され、メカシャッタ102がクロ−ズ状態の間に垂直CCD202を経由して水平CCD203へ転送し、撮像素子駆動回路109より供給される水平走査パルスに同期して電圧変換されて出力される。この時、撮像素子103は、ホトダイオ−ド201から1度信号を読み出すと、ホトダイオ−ド201に信号が残らない、いわゆる破壊読み出しであるので、一般的な読み出し方法である画素混合読み出しをすると、フレ−ムの情報が失われてしまう。
【0015】
以下、画素混合読み出しの説明をする。撮像素子103は、シャッタボタン110が押されるまで、特開昭63−114487号公報に記載されているように、垂直方向に隣接する2つの画素信号を混合して読み出す、いわゆる画素混合方式で信号を読み出す。
【0016】
図5は、画素混合読み出し時における垂直転送パルスと、垂直CCD202における信号電荷の転送のタイミングチャ−トを示したものである。同図において垂直転送パルス1の3値パルスが高レベルになることでgr、mgの行のホトダイオ−ド201から、垂直転送パルス3の3値パルスが高レベルになることでcy、yeの行のホトダイオ−ド201からそれぞれ垂直CCD202に信号電荷が転送される。垂直CCD202に転送された信号電荷は、図5に示す通りに垂直CCD202内で混合され、水平CCD203に転送され、撮像素子103から出力される。
【0017】
ところが、静止画撮像時において上記した画素混合読み出しを行なうと、撮像素子103の垂直方向の画素数に見合った解像度を得ることが出来ないので、静止画撮像時には、以下に示す独立読み出しを行なう。図6は、独立読み出し時における垂直転送パルスと、垂直CCD202における信号電荷の転送のタイミングチャ−トを示したものである。同図において垂直転送パルス1、及び垂直転送パルス3の3値パルスが高レベルになる周期は、図6に示す通り1フィ−ルドおきである。よって垂直転送パルス1の3値パルスが高レベルになるフィ−ルドでは、gr、mgの行のホトダイオ−ド201からのみ信号電荷が垂直CCD202に転送され、次の1フィ−ルドでは、垂直転送パルス3の3値パルスが高レベルになることで、cy、mgの行のホトダイオ−ド201からのみ垂直CCD202に信号電荷が転送される。垂直CCDに202転送された信号電荷は、1フィ−ルド期間ですべて水平CCD203に転送されてしまうので、上記した画素混合読み出し方式の様に、隣りあったホトダイオ−ド201の信号電荷が混合されることはなく、1つのホトダイオ−ドに対して1つの信号を得ることができる。以下、水平CCD203に転送された信号電荷は、駆動回路105より供給される水平走査パルスに同期して撮像素子103から出力される。撮像素子103の出力信号は、アンプ104で増幅され、A/D変換器105でディジタル信号に変換され、映像信号処理回路106に入力される。映像信号処理回路106は、入力された信号を映像信号に変換して出力する。ただし、上記独立読み出しをするにあたり、上記gr、mgの行ホトダイオ−ドの露光量と、cy、yeの行のホトダイオ−ドの露光量を等しくするために、静止画撮像のための露光を開始した時から、少なくとも上記信号を読み出し終えるまでの期間は、メカシャッタ102を全閉状態にしなければならない。さらに、撮像素子103に対する露光量は、前フィ−ルドに撮像素子103が有するホトダイオ−ド201が光電変換した信号電荷を垂直CCD202に転送した直後からメカシャッタ102が全閉状態になるまでに撮像素子103に入射した光量である。
【0018】
図7は、メカシャッタ102の絞り値に対する撮像素子103への露光量を示したグラフである。本実施例のビデオカメラの露光制御ではシャッタボタン110が押されるまでは通常のビデオカメラと同様の動作を行っている。すなわち1フィールド期間撮像素子103に蓄積した電荷を毎フィールド読出し、信号処理回路で生成した輝度信号から露光量を計算して所定の露光量となるようにメカシャッタ制御回路109でメカシャッタ102の絞りを制御する。撮像素子103の露光は、電子シャッタを使用しない場合、ホトダイオード201から垂直CCD202への電荷転送を行う時刻t1〜t4からそれぞれ開始されるので、時刻t3〜t4の間でシャッタボタン110が押されたとすると、時刻t4から静止画生成のための露光が開始される。この時、Aで示した面積(露光量)が、現在撮像している被写体に対する適正な露光量であったとする。静止画撮像時に適正な露光量を得るためには、時刻t4〜t5期間の露光量であるBで示した面積とAで示した面積が等しくなるようにメカシャッタ102を動作させれば、静止画撮像時においても適正な露光量を得ることが出来る。
【0019】
次に、本発明の第2の実施例を図を用いて説明する。
【0020】
前述の第1の実施例で図1に示した撮像装置において、動画撮像時信号中の雑音成分は、毎フィ−ルド毎に位相が異なり、人間の目で平滑化されるため、信号中の雑音成分は、あまり気にならなかった。しかし、静止画の場合、上記平滑化が行なわれないので、静止画撮像時においては、従来の動画を撮像する撮像装置よりもS/Nを向上させる必要がある。
【0021】
上記S/Nを向上させる手段を図3を用いて以下に示す。同図においてホトダイオ−ド201により光電変換された電荷は、読み出しゲ−ト302とwell304の間に図に示すように蓄えられる。動画読み出し時においては、1フィ−ルドに1回垂直転送パルス1及び3の3値パルスが高レベルになることで読み出しゲ−ト302のポテンシャルが下がり、上記電荷301が垂直CCD202に転送される。この時、図に示した読み出しゲ−トのポテンシャルが垂直転送パルス1の3値パルスが高レベルになることで下がったとすれば、垂直方向に隣接する画素が有する読み出しゲ−トのポテンシャルは、垂直転送パルス3の3値パルスが高レベルになることによって下がるものとする。上記方法で読み出された電荷301は、上方ないし下方に隣接するホトダイオ−ドで光電変換された電荷と垂直CCD202内で混合される。静止画撮像時においては、読み出しを開始する1フィ−ルド目には、垂直転送パルス1の3値パルスのみをが高レベルとして、2フィ−ルド目に垂直転送パルス3の3値パルスのみを高レベルとすることで上記画素混合を行なわずに電荷301を読みだす。この時、電荷601が読み出しゲ−ト602とwell604の間から溢れないかぎり1つの画素に対して動画撮像時よりも多くの量の電荷301を蓄積しても、垂直CCD202及び水平CCD203は、電荷の転送が可能である。上記方法に基づき撮像素子103により多くの電荷を蓄積することで、S/Nが向上する。
【0022】
次に、本発明の第3の実施例を図を用いて説明する。
【0023】
本発明の第3の実施例に係る撮像装置の構成は、前述の第1の実施例と共通であるので、図1を用いて説明する。また、第1の実施例と共通する部分については、その説明を省略する。上記実施例に示したした様に、静止画を撮像する場合、撮像素子103により多くの光を入射させ、より多くの電荷を蓄積した方がS/Nは有利である。以下、撮像素子103に蓄積させる電荷の量を動画撮像時の1.5倍として静止画撮像時の露光制御について説明する。
【0024】
図8は、本実施例におけるメカシャッタ102の絞り値に対する撮像素子103への露光量とホトダイオ−ド201から垂直CCD202への電荷の転送タイミングを示す図である。上記撮像装置において、静止画撮像動作に入る前には、第1の実施例で述べたように一般的なビデオカメラと同様の露光制御を行なう。ここでは簡単のため動画撮像の時間を3フィ−ルド分しか示さないが、動画を撮像する時間の長さは、上記露光制御が十分安定するまでの任意の長さであり、その後シャッタボタン110が押されるまでの時間である。上記動画の露光制御が安定した後、図8のtsに示す時刻にシャッタボタン110が押されたとすと、カメラ制御回路107からシャッタクロ−ズの制御信号がメカシャッタ制御回路109に入力され、シャッタ制御回路108によってメカシャッタ102は、次のフィ−ルドの先頭つまり時刻t4から閉鎖動作を開始する。すなわち静止画撮像のための露光は、時刻t4から開始される。この時メカシャッタ102は、慣性を持たずに一定速度で直線的に絞り値を変化し、現在の絞り量から3フィ−ルドの時間で閉鎖したとする。また、図8に示すように時刻t4以降メカシャッタ102が閉鎖するまで垂直転送パルス1及び3の3値パルスを停止し、ホトダイオ−ド201からの電荷の読み出しを停止する。上記条件によれば、前述の第1の実施例と同様に静止画撮像時の露光量すなわちBで示した面積は、動画撮像時の露光量、すなわちAで示した面積の1.5倍となり、図8に示す時刻t3からt4期間の露光量の1.5倍の露光量を撮像素子103に与えることができる。上記方法でt4〜t7期間に撮像素子103に入射した光は、光電変換されてメカシャッタ102が閉鎖した後のt7、t8のタイミングで各々1回ずつ垂直転送パルス1、3の3値パルスを高レベルにして、上記した独立読み出しにより撮像素子103から出力される。ただし、独立読み出しをしたので、映像信号処理回路106は、信号処理を静止画用に切り替えて入力された信号を映像信号に変換して出力する。また、この時撮像素子103に蓄えられた信号電荷は、動画撮像時の1.5倍であるので以後の信号処理における信号増幅の総量は、動画撮像時の1/1.5倍にすれば良い。
【0025】
また、上記t4〜t7期間に撮像された映像信号は、1度しか読み出すことが出来ないので、読み出したら図示しないメモリ等の記録手段に記録し、必要に応じてコンピュ−タ機器等に静止画として出力する。
【0026】
次に、本発明の第4の実施例を図を用いて説明する。
【0027】
本発明の第3の実施例に係る撮像装置の構成は、前述の第1及び3の実施例と共通であるので、図1を用いて説明する。また、第1及び3の実施例と共通する部分については、説明を省略する。本実施例においても、撮像素子103に蓄積させる電荷の量を動画撮像時の1.5倍として静止画撮像時の露光制御について説明する。
【0028】
図9は、本実施例におけるメカシャッタ102の絞り値に対する撮像素子103への露光量と、ホトダイオ−ド201から垂直CCD202への電荷の転送タイミングを示す図である。本実施例において、前述の第3の実施例と異なる点は、被写体の照度がより高く、撮像素子103への露光量が前述の第3の実施例の半分であることである。上記撮像装置において、静止画撮像動作に入る前には、第1の実施例で述べたように一般的なビデオカメラと同様の露光制御を行なう。動画の露光制御が安定した後、図9のtsに示す時刻にシャッタボタン110が押されたとすと、静止画撮像のための露光は、時刻t4から開始される。この時メカシャッタ102は、前述の第3の実施例と同様に慣性を持たずに一定速度で直線的に絞り値を変化する。すなわち、メカシャッタ102が閉鎖するまでに要する時間も半分となり、1.5フィ−ルドとなる。この時、前述の第1の実施例と同様に、シャッタボタン110が押された次のフィ−ルドすなわち時刻t4からメカシャッタ102を閉鎖させたとすると、静止画撮像のための露光量を時刻t3〜時刻t4の動画撮像時に行なっていた露光制御による露光量の1.5倍にすることが出来ない。そこで、シャッタボタン110が押されても、カメラ制御回路107は、以下に示す方法で決まる一定の時間シャッタクロ−ズの制御信号をメカシャッタ制御回路109に出力しない。
【0029】
図10は、シャッタボタン110が押されてから、カメラ制御回路107が上記一定時間を計算し、シャッタクロ−ズの制御信号をメカシャッタ制御回路109に出力するまでの一連の動作を示す流れ図である。シャッタボタン110が押されると、シャッタクロ−ズの制御信号がカメラ制御回路107に入力され、カメラ制御回路107は、メカシャッタ102の現在の絞り値を判定し、現在のメカシャッタ102の絞り値から、メカシャッタ102が閉鎖するまでに要する時間を計算する。そして、動画撮像時に行っていた露光制御による露光量の1.5倍の露光量を静止画撮像時に与えるためにメカシャッタ102の閉鎖動作をどれだけ遅らせれば良いかを計算する。カメラ制御回路107は、シャッタボタン110が押されてから、上記計算で得られた時間後にメカシャッタ制御回路109にシャッタクロ−ズの制御信号を出力し、メカシャッタ102を閉鎖させる。なお、図示しないが、カメラ制御回路107は、メカシャッタ102の絞り値を認識する手段を有し、現在の露光量と、メカシャッタ102が閉鎖するまでに要する時間から、撮像素子103への露光量を静止画撮像時に動画撮像時の1.5倍の露光量を与えるために必要な上記一定時間を計算する手段を有する。本実施例においては、上記一定時間を1フィ−ルドとすることで、前述の第1の実施例と同様に図9に示す静止画撮像時の露光量すなわちBで示した面積は、動画撮像時の露光量、すなわちAで示した面積の1.5倍となり、時刻t3からt4期間の露光量の1.5倍の露光量を撮像素子103に与えることができる。上記方法でt4〜メカシャッタ102が閉鎖するまでに撮像素子103に入射した光は、光電変換されてメカシャッタ102が閉鎖した後のt7、t8のタイミングで各々1回ずつ垂直転送パルス1、3の3値パルスを高レベルにして、上記した独立読み出しにより撮像素子103から出力される。ただし、独立読み出しをしたので、映像信号処理回路106は、信号処理を静止画用に切り替えて入力された信号を映像信号に変換して出力する。また、この時撮像素子103に蓄えられた信号電荷は、動画撮像時の1.5倍であるので以後の信号処理における信号増幅の総量は、動画撮像時の1/1.5倍にすれば良い。
【0030】
また、上記t4〜メカシャッタ102が閉鎖するまでに撮像された映像信号は、1度しか読み出すことが出来ないので、読み出したら図示しないメモリ等の記録手段に記録し、必要に応じてコンピュ−タ機器等に静止画として出力する。
【0031】
静止画撮像時において動画撮像時の露光量の1.5倍の露光量を得ることが出来る。なお、上記一定時間は、さらに被写体が明るく、さらに露光量が少ない場合は、上記一定時間がそれに応じて長くなることは、言うまでもない。なお、前述の第3の実施例同様、図9に示すように時刻t4以降メカシャッタ102が閉鎖するまで垂直転送パルス1及び3の3値パルスを停止し、ホトダイオ−ド201からの電荷の読み出しを停止する。
【0032】
次に、本発明の第5の実施例を図を用いて説明する。
【0033】
本実施例は、前述の第3の実施例と共通する部分があり、異なる部分について説明する。本実施例においても、撮像素子103に蓄積させる電荷の量を動画撮像時の1.5倍として静止画撮像時の露光制御について説明する。
【0034】
図11は、本実施例におけるメカシャッタ102の絞り値に対する撮像素子103への露光量と、ホトダイオ−ド201から垂直CCD202への電荷の転送タイミング及び撮像素子108から供給される電荷掃き捨てパルスのタイミングを示す図である。本実施例において、前述の第3の実施例と異なる点は、被写体の照度がより低く、撮像素子103への露光量が前述の第3の実施例の2倍であることである。上記撮像装置において、静止画撮像動作に入る前には、第1の実施例で述べたように一般的なビデオカメラと同様の露光制御を行なう。動画の露光制御が安定した後、図11のtsに示す時刻にシャッタボタン110が押されたとすと、静止画撮像のための露光は、時刻t4から開始される。この時メカシャッタ102は、前述の第3の実施例と同様に慣性を持たずに一定速度で直線的に絞り値を変化する。すなわち、メカシャッタ102が閉鎖するまでに要する時間も2倍となり、6フィ−ルドとなる。この時、シャッタボタン110が押された次のフィ−ルドすなわち時刻t4からメカシャッタ102を閉鎖させたとすると、静止画撮像のための露光量は、時刻t3〜時刻t4の動画撮像時に行なっていた露光制御による露光量の3倍になってしまう。そこで、シャッタボタン110が押されて、時刻t4からメカシャッタ102が閉鎖動作を行なっている最中に、カメラ制御回路107は、以下に示す方法で決まる一定の時間撮像素子103が有する電子シャッタ機能によりホトダイオ−ド201に蓄積した電荷を掃き捨てる。
【0035】
図12は、シャッタボタン110が押されてから、カメラ制御回路107が上記一定時間を計算し、シャッタクロ−ズの制御信号をメカシャッタ制御回路109に出力するまでの一連の動作を示す流れ図である。シャッタボタン110が押されると、シャッタクロ−ズの制御信号がカメラ制御回路107に入力され、カメラ制御回路107は、メカシャッタ102の現在の絞り値を判定し、現在のメカシャッタ102の絞り値から、メカシャッタ102が閉鎖するまでに要する時間を計算する。そして、動画撮像時に行っていた露光制御による露光量の1.5倍の露光量を静止画撮像時に与えるために上記電子シャッタ機能による電荷の掃き出しを時刻t4からどれだけ行なえば良いかを計算する。カメラ制御回路107は、シャッタボタン110が押されてから、時刻t4からメカシャッタ102を閉鎖させるためにメカシャッタ制御回路109にシャッタクロ−ズの制御信号を出力し、同時に上記計算で得られた時間、撮像素子駆動回路108を制御し、撮像素子103に電荷掃き捨てパルスを供給させる。なお、図示しないが、カメラ制御回路107は、メカシャッタ102の絞り値を認識する手段を有し、現在の露光量と、メカシャッタ102が閉鎖するまでに要する時間から、撮像素子103への露光量を静止画撮像時に動画撮像時の1.5倍の露光量を与えるために必要な上記一定時間を計算する手段を有する。本実施例においては、上記一定時間を略2フィ−ルドとすることで、静止画撮像時において動画撮像時の露光量の1.5倍の露光量を得ることが出来る。なお、上記一定時間は、さらに被写体が暗く、さらに露光量が多い場合は、上記一定時間がそれに応じて長くなることは、言うまでもない。
【0036】
また、上記t4〜メカシャッタ102が閉鎖するまでに撮像された映像信号は、1度しか読み出すことが出来ないので、読み出したら図示しないメモリ等の記録手段に記録し、必要に応じてコンピュ−タ機器等に静止画として出力される。なお、前述の第3の実施例同様、図11に示すように時刻t4以降メカシャッタ102が閉鎖するまで垂直転送パルス1及び3の3値パルスを停止し、ホトダイオ−ド201からの電荷の読み出しを停止する。
【0037】
次に、本発明の第6の実施例を図を用いて説明する。
【0038】
図13は本発明の実施例に係る撮像装置の構成図であり、前述の第1の実施例と共通する部分には同じ番号を付け、説明を省略する。同図において、1301はメカシャッタ、1302はEEPROM(電気的に書き替え可能なROM)であり、前述の第3、4及び5の実施例においてメカシャッタ102は、慣性を持たずに一定速度で直線的に絞り値が変化するものとしていたが、上記メカシャッタ1301は、慣性を持っている。すなわち、シャッタボタン110が押されてシャッタクロ−ズの制御信号がメカシャッタ制御回路109に入力された後にメカシャッタ1301が行なうシャッタ閉鎖動作は、図14に示す軌跡をたどる。図14に示す軌跡は、メカシャッタ1301の種類によって異なり、また同一の種類のメカシャッタでも、個々のバラツキ等で、必ずしも同一ではない。そこで、用いたメカシャッタ1301の閉鎖動作時の軌跡をEEPROM1302に予め記録しておく。図14には、メカシャッタ1301の絞り値が3種類の場合しか示していないが、必要に応じて任意の各絞り値におけるメカシャッタ1301の閉鎖動作の軌跡をEEPROM1302に記録する。上記EEPROM1302に記録するデ−タは、生産工程における自動調整時に記録してもよい。
【0039】
なお、上記任意の各絞り値におけるメカシャッタ1301の閉鎖動作の軌跡は、その他の記録手段に記録してもよい。
【0040】
以下、本実施例においての静止画撮像時の露光制御を説明する。前述の第1、3、4及び5の実施例と同様に静止画撮像動作をする前には、一般的なビデオカメラと同様の動画を撮像し、一般的なビデオカメラが行なっている露光制御を行なう。図15,16,17は、本実施例において静止画撮像を行なう場合の各メカシャッタ1301の絞り値に対する撮像素子103への露光量と、ホトダイオ−ド201から垂直CCD202への電荷の転送タイミングを示す図であり、図18は、シャッタボタン110が押されてからの静止画撮像時における露光制御動作を示す流れ図である。
【0041】
図18に示すように、動画の露光制御が安定した後、任意のタイミングtsでシャッタボタン110が押されると、カメラ制御装置107は現在のメカシャッタ1301の絞り値に対応する閉鎖動作の軌跡をEEPROMから読み出す。そして、EEPROMからのデ−タをもとに、静止画撮像時において、動画撮像時に行なった露光制御による露光量の1.5倍の露光量を与えるために、図15に示すように前述の第4の実施例で行なったシャッタ閉鎖動作を遅らせる方法を用いるか、また、図16に示すように前述の第5の実施例で行なった電子シャッタによる電荷の掃き出しを行なうか、図17に示すようにまた前述の第3の実施例で行なったように時刻t4からシャッタ閉鎖動作を行なうかを判定する。上記判定結果が前述の第4の実施例と同様にシャッタ閉鎖動作を遅らせるであったなら、カメラ制御回路107は図18で示すaを選択し、時刻t4からシャッタ閉鎖動作をどれだけ遅らせるかを計算し、時刻t4から得られた計算時間後すなわち図15に示す時刻tssにシャッタクロ−ズの制御信号をメカシャッタ制御回路に出力する。また、上記判定結果が前述の第5の実施例と同様に電子シャッタによる電荷の掃き出しを行なうであったら、図18で示すbを選択し、カメラ制御回路107は、静止画撮像のための露光開始時間である時刻t4から電子シャッタによる電荷の掃き出しを行なう時間を計算し、時刻t4にシャッタクロ−ズの制御信号をメカシャッタ制御回路109に出力し、同時に上記計算で得られた時間だけ撮像素子駆動回路108を制御し、撮像素子103に蓄積した電荷の掃き出しを行なわせる。また、上記した2つ以外、すなわちシャッタ閉鎖動作を遅らせる必要も、電子シャッタによる電荷の掃き出しも行なう必要が無い場合には、図18で示すcを選択し、前述の第3の実施例のように時刻t4からシャッタクロ−ズの制御信号をメカシャッタ制御回路109に出力し、メカシャッタ1301を閉鎖させる。
【0042】
なお、図示しないが、カメラ制御回路107は、メカシャッタ1301の絞り値を認識する手段を有し、現在の露光量と、EEPROM1302より与えられるデ−タから、撮像素子103への露光量を静止画撮像時に動画撮像時の1.5倍とするために、上記方法のいづれかの方法を用いれば良いかを判定する手段と、シャッタ閉鎖動作を遅らせる時間の計算手段及び電子シャッタによる電荷の掃き出し時間を計算する手段を有する。また、上記t4〜メカシャッタ1301が閉鎖するまでに撮像された映像信号は、1度しか読み出すことが出来ないので、読み出したら図示しないメモリ等の記録手段に記録し、必要に応じてコンピュ−タ機器等に静止画として出力する。なお、前述の第3、4、5の実施例同様、図15、16、17に示すように時刻t4以降メカシャッタ102が閉鎖するまで垂直転送パルス1及び3の3値パルスを停止し、ホトダイオ−ド201からの電荷の読み出しを停止する。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、静止画撮像時に正確な露光制御を行なうことができ、高画質な静止画を撮像することが出来る撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る撮像装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る撮像素子の具体例を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る撮像素子のポテンシャルを示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る撮像素子のポテンシャルを示す図である。
【図5】本発明の実施例に係る撮像素子の駆動を示すタイミングチャ−トである。
【図6】本発明の実施例に係る撮像素子の駆動を示すタイミングチャ−トである。
【図7】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量を示す図である。
【図8】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量と撮像素子の駆動を示す図である。
【図9】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量と撮像素子の駆動を示す図である。
【図10】本発明の実施例に係る流れ図である。
【図11】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量と撮像素子の駆動を示す図である。
【図12】本発明の実施例に係る流れ図である。
【図13】本発明の実施例に係る撮像装置の回路構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例に係るメカシャッタの閉鎖動作の軌跡を示す図である
【図15】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量と撮像素子の駆動を示す図である。
【図16】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量と撮像素子の駆動を示す図である。
【図17】本発明の実施例に係る撮像素子への露光量と撮像素子の駆動を示す図である。
【図18】本発明の実施例に係る流れ図である。
【符号の説明】
101…レンズ
102…メカシャッタ
103…撮像素子
104…アンプ
105…A/D変換器
106…映像信号処理回路
107…カメラ制御回路
108…メカシャッタ制御回路
109…撮像素子駆動回路
110…シャッタボタン
201…ホトダイオ−ド
202…垂直CCD
203…水平CCD
301…電荷
302…読み出しゲ−ト
303…基板電圧
304…well
305…チャネルストッパ
1301…メカシャッタ
1302…EEPROM
Claims (1)
- 入射光の一部をもしくは完全に遮断する光量制限手段と、
該入射光を画素ごとに光電変換するとともに、該画素で光電変換された電荷を任意の時間に掃き捨てるシャッタ機能を有する固体撮像素子と、
該固体撮像素子で光電変換された信号を映像信号として出力する信号処理手段と、
該光量制限手段と該固体撮像素子の該シャッタ機能を制御することにより動画撮像時の露光量を調節するとともに、静止画撮像時には、それ以前の動画撮像時に規定された露光量で該光量制限手段及び該シャッタ機能の露光制御を行なう露光制御手段と、
該光量制限手段に入射光を完全に遮断させるように、該露光制御手段を制御する入射光遮断制御手段と
を有し、
該露光制御手段は、静止画撮像のために、該入射光遮断制御手段より入射光遮断制御が入力された後、所定時間後入射光を完全に遮断するように該光量制限手段を制御するとともに、該入射光遮断制御手段より入射光遮断制御が入力される前の動画撮像時の露光量よりも該入射光遮断制御手段より入射光遮断制御が入力された後の静止画撮像時の露光量が多くなるように該光量制御手段及び該シャッタ機能を制御することを特徴とする撮像装置。
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-
2000
- 2000-08-01 JP JP2000237627A patent/JP3566633B2/ja not_active Expired - Lifetime
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