JP3892793B2 - 目地用のシーリングバックアップ材 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、建物外壁の目地に耐火材と併用して装着されるシール用のシーリング材の受けである、シーリングバックアップ材に関する。
【0002】
【従来技術】
建物外壁の目地にシールを目的として装着されるシーリング材は一般に、シーリングバックアップ材を挿入したのち充填される。こうしたシーリング材やシーリングバックアップ材は通常、樹脂やゴムなどの成形品よりなっているが、こうした成形品は、可燃性で耐火性がないため、耐火性を必要とする箇所に取付けるときには、シリコーンスポンジ、グラスウール、ロックウール等の耐火材が併用される。
【0003】
図6は、シーリング材11にシリコーンスポンジよりなる耐火材12を併用した従来例を示すもので、その施工は、外壁材13、13間の目地14に耐火材12を挿入し、ついでポリエチレン製のバックアップ材15を挿入したのちシーリング材11を充填することにより行われる。
【0004】
図7は、耐火材にグラスウールやロックウールよりなる耐火材16を用いた例、図8は、バックアップ材を樹脂やゴム等の成形品よりなるガスケット17とした例、図9は耐火材にグラスウールやロックウールよりなる耐火材16を用いると共に、バックアップ材を樹脂やゴムなどの成形品よりなるガスケット17とした例を示すものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シーリング材に耐火材を併用するときには、上述するように、先ず耐火材を挿入したのちバックアップ材を挿入するが、耐火材のシリコーンスポンジ、グラスウール、ロックウール、バックアップ材の樹脂やゴムは、共に材質的に概して柔らかく腰がないため目地への挿入にはいずれも手間がかゝり、作業性が悪い。
【0006】
本発明は、シーリング材の受けである、シーリングバックアップ材に改良を加えることによってシーリング材に耐火材を併用したときの上記の問題を軽減しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
請求項1に係わる発明は、建物外壁の目地14に耐火材2、4、9と併用して装着されるシール用のシーリング材11の受けである、樹脂又はゴム等の成形品よりなるシーリングバックアップ材1、7であって、下部を窄め、下端に開口部1aを備えた断面逆グラス状をなし、耐火材2、4、9を開口部より押し込んでシーリングバックアップ材1、7内に装着してなるものである。
【0008】
本発明によると、目地へ開口部を下向きにして挿入するとき、シーリングバックアップ材は、窄まった下部をガイドとして目地へ挿入されるようになるため、目地への挿入が容易となり、目地で支えにくゝなるうえ、耐火材はシーリングバクアップ材内に装着されているため、耐火材とシーリングバックアップ材を目地へ挿入する作業が一度ですみ、挿入作業が半減される。耐火材はまた、シーリングバックアップ材で包み込まれているため耐火材が目地を形成する外壁材端面との摩擦抵抗により目地で支えることがない。
耐火材とシーリングバックアップ材との連結或いは組み込みは、施工現場で行うこともできるが、施工現場での作業性を向上させるため、好ましくは工場で行われる。
【0009】
請求項2に係わる発明は、請求項1又は2に係わる発明において、シーリングバックアップ材は所要部が例えばショアD硬さで30〜60度の剛性を有することを特徴とする。本発明によると、シーリングバックアップ材の所要部、例えば耐火材を包込む側壁部が剛性を有することにより目地への挿入が一層容易となる。
【0010】
請求項3に係わる発明は、請求項3に係わる発明において、目地への挿入時に目地を構成する建物外壁の外壁材端面に弾接する軟質の材料よりなるリップ部をシーリングバックアップ材の両側より外側方に突設したことを特徴とする。
本発明によると、リップ部を設けたことにより目地のシール性と目地への保持力が向上する。とくにリップ部を軟質の材料で形成すると、挿入時に変形し易く挿入が容易となる。
【0011】
なお、シーリング材は一般に外壁材端面とのシール性を保つため外壁材端面に接着されるが、シーリングバックアップ材とは接着されない。シーリングバックアップ材と接着されると、熱的影響により外壁材が伸縮して目地幅が拡縮したときシーリング材が外壁材端面より剥離しがちとなり、シール性を保つことができなくなるからである。そのためシーリングバックアップ材の材質は、両者の接着を生じないようなもの、例えばポリプロピレンPP、ポリエチレンPE、熱可塑性オレフィンTPO、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体EPDM等とするのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示すシーリングバックアップ材1は、上部のシーリング材11の受け部1bが軟質のゴム又は熱可塑性オレフィンTPO等の樹脂よりなると共に、それ以外がショアD硬度が30〜60度の剛性を有する硬質のゴム又は熱可塑性オレフィンTPO等の樹脂よりなり、対向する側壁部を略く字形に形成して下部を窄め、下端に開口部1aを備えた、全体が断面逆グラス状をなす押出成形品である。
耐火材2は、断面楕円形でシリコーンスポンジよりなり、押出成形後の製造工程でシーリングバックアップ材1に開口部1aより押し込んで装着されるようになっている。
【0013】
図2は、目地への取付状態を示す。なお、図中、図6〜図9と同一構造のものは同一符号で示してある。
図2に示す目地構造の施工は、図1に示す耐火材2を組み込んだシーリングバックアップ材1を目地14に押し込んで挿入したのち、シーリング材11を充填することにより行われる。
【0014】
図3は、シーリングバックアップ材1に挿入される耐火材4の材質をグラスウールやロックウール等とし、断面矩形状にしたものである。
図4は、図1に示すシーリングバックアップ材1において、開口部1aにデュロA硬さが50〜80度の軟質のゴム又は樹脂よりなるリップ部5を外向きに突設し、目地14へ挿入したとき外装材13、13の端面に弾接して目地14のシール性と目地14への保持力を高めている。
【0015】
図5に示すシーリングバックアップ材7は、上部に上記受け部1aと同様の受け部7aを有すると共に、下端の開口部に内向きをなす爪8を突設したクリップ状をなしている。耐火材9は、係合部9aを上向きに突設した断面略逆ハート形をなし、係合部9aをシーリングバックアップ材7に押し込んでくびれた首部9bに爪8を係止させることにより、シーリングバックアップ材7に連結されている。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明のシーリングバックアップ材によると、耐火材を併用した場合の耐火材とシーリングバックアップ材の目地への挿入作業が一度ですむため、目地施工の作業性が向上すること、耐火材がシーリングバクアップ材に包み込まれ、外壁材端面と接触することなく挿入され、しかもシーリングバックアップ材は先が窄まった形態をなすため、目地への挿入作業が容易に行えること等の効果を奏する。
【0017】
請求項2に関わる発明のシーリングバックアップ材によると、所要部が剛性を有するため、目地への挿入時に支えにくゝ、目地への挿入がより一層容易に行える。
請求項3に関わる発明のシーリングバックアップ材によると、目地のシール性が向上すると共に、目地への保持力を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐火材を組み込んだシーリングバックアップ材の断面図
【図2】図1に示すシーリングバックアップ材を用いて施工した目地構造の断面図
【図3】別の態様の耐火材を組み込んだシーリングバックアップ材の断面図
【図4】耐火材を組み込んだシーリングバックアップ材の別の態様の断面図
【図5】耐火材を連結したシーリングバックアップ材の断面図
【図6】従来の目地構造を示す断面図
【図7】従来の目地構造の別の例を示す断面図
【図8】従来の目地構造の更に別の例を示す断面図
【図9】従来の目地構造の他の例を示す断面図
【符号の説明】
1、7、15、17・・バックアップ材
2、4、9、12、16・・耐火材
5・・リップ部
8・・爪
11・・シーリング材
13・・外装材
14・・目地
Claims (3)
- 建物外壁の目地14に耐火材2、4、9と併用して装着されるシール用のシーリング材11の受けである、樹脂又はゴム等の成形品よりなるシーリングバックアップ材1、7であって、下部を窄め、下端に開口部1aを備えた断面逆グラス状をなし、耐火材2、4、9を開口部より押し込んでシーリングバックアップ材1、7内に装着してなる目地用のシーリングバックアップ材。
- シーリングバックアップ材1、7は所要部が剛性を有する請求項1記載の目地用のシーリングバックアップ材。
- 目地14への挿入時に目地14を構成する建物外壁の外壁材13端面に弾接する軟質の材料よりなるリップ部5をシーリングバックアップ材1、7の両側より外側方に突設してなる請求項2記載の目地用のシーリングバックアップ材。
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