JP3892779B2 - 移植機の苗取り出し方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、玉葱、レタス、キャベツ、タバコ等のソイルブロック苗を、苗トレイのポット部から1つずつ取り出して移植する移植機の苗取り出し方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移植機は、走行機体に、縦横に多数のポット部を備えた苗トレイを載置する苗載せ台と、畝に苗を植え付ける植付部と、苗載せ台上の苗トレイのポット部から苗を1つずつ取り出して植付部へと供給する苗取出装置とを備え、畝に沿って走行しながら畝長手方向に間隔をおいて順次自動的に苗を植え付ける。
この種の従来技術としては、特開平6−311805号公報及び特許3238597号公報に開示されたものがある。
【0003】
前記前者従来技術は、苗取り爪を支持している爪支持台を、苗トレイのポット部に対向する方向に遊星ギヤ機構で往復直線移動させると共に、その往復直線移動中に苗取り爪の姿勢をポット部に対向する姿勢から植付部の植付カップに向かう姿勢に姿勢変更するように構成されている。
前記後者従来技術は、カムを使用して爪支持台に対して苗取り爪を苗トレイのポット部に対向する方向に往復直線移動させながら、別のカムを使用して支持台の姿勢を変更して、苗取り爪をポット部内で略V字状を描かせ、また、ポット部から植付部の植付カップに向かう姿勢に姿勢変更するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記前者従来技術においては、爪支持台の往復移動に遊星ギヤ機構を使用していて、苗植え付けの高速化を可能にしているが、往復移動は直線移動であるため、苗取り爪はポット部に対して往動と復動とが同一軌跡を通ようになっており、復動時に取り出し苗にポット部との間の取り出し方向の抵抗がまともにかかるため、苗取り動作にミスを生じ易くなっている。
前記後者従来技術では、苗取り爪をポット部の上下中央より下側から進入させて上側から退出させて、低抵抗で苗を取り出せるようにしているが、ポット部内への苗取り爪の進入は1つのカムで直線運動させ、他のカムで上下運動をさせるようになっており、運動機構が複雑になると共に高速化が困難になっている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした移植機の苗取り出し方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明は、ポット部に対向する方向に略沿う略楕円軌跡を描かせるように苗取り爪を往復移動させることにより、ポット部の上下中央より下側から進入させて上側から退出させて、低抵抗で苗を取り出せるようにした移植機の苗取り出し方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための具体的手段は次の通りである。
第1に、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33を苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡の一端下側で苗取り爪32をポット部Pに進入させた後に一端上側で苗取り爪32をポット部Pから後退させて苗Nを取り出すことである。
これによって、苗取り爪32の苗取り出し運動は苗爪台33を略楕円軌跡Dの運動にするだけで、苗Nを僅かに持ち上げながら、ポット部Pと苗Nとの間の抵抗を小さくして、ポット部Pから取り出すことができる。
【0007】
第2に、苗Nを取り出した後に、苗取り爪32をポット部Pの外側から前記略楕円軌跡Dの他端側との間でポット部Pに対向する姿勢から略下向きに姿勢変更することである。
これによって、苗取り爪32の苗取り出し運動は苗爪台33を略楕円軌跡Dの運動にするだけで、苗Nを僅かに持ち上げながら、ポット部Pと苗Nとの間の抵抗を小さくして、ポット部Pから取り出すことができ、苗取り爪32を略下向き姿勢に変更することにより、取り出した苗Nを放出することが可能になる。
【0008】
第3に、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33を苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡の一端下側で苗取り爪32をポット部Pに進入させた後に一端上側で苗取り爪32をポット部Pから後退させて苗Nを取り出し、前記苗取り爪32ポット部Pの外側から前記略楕円軌跡Dの他端側との間でポット部Pに対向する姿勢から略下向きに姿勢変更する略円弧軌跡運動を与えることである。
【0009】
これによって、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33に略楕円軌跡Dの往復運動を与え、さらに苗取り爪32に略円弧軌跡運動を与えることにより、苗取り爪32は苗Nをポット部Pから低抵抗で取り出すことができ、かつ略下向きに姿勢変更して放出することが可能になる。
第4に、前記苗取り爪32の姿勢が略下向きになったときに苗取り爪32に昇降運動を与えることである。
これによって、苗取り爪32は略円弧軌跡運動途中で苗Nを放出するのではなく、円弧方向の運動慣性力の影響がない状態で、苗Nを適正方向に放出することができる。
【0010】
第5に、前記苗爪台33に、左右一対の苗取り爪32を先端拡縮可能に設け、この左右苗取り爪32に先端が嵌合した苗取り補助具34を長手方向相対移動自在に設けており、苗取り爪32をポット部Pに進入するときに苗取り補助具34を反対方向に移動して前記左右苗取り爪32の先端間距離Lを収縮させることである。
これによって、苗取り補助具34の相対移動で左右苗取り爪32の先端間距離Lを拡縮して、ポット部P内の苗Nを挟持することができる。
【0011】
第6に、前記苗取り爪32をポット部Pに進入するときの先端間距離Lの収縮を、進入初期よりも進入終期に急激に行わせることである。
これによって、左右苗取り爪32の先端間距離Lを収縮して、ポット部P内の苗Nを挟持することができると共に、苗取り爪32のポット部進入初期に苗Nの根鉢を壊すのが少なくなる。
第7に、前記苗取り補助具34を苗取り爪32の姿勢が略下向きになったときに苗取り爪32の先端側へ移動させて、苗取り爪32が取り出した苗Nを苗取り爪32から放出させることである。
【0012】
これによって、苗取り補助具34の相対移動で左右苗取り爪32が取り出した苗Nを放出させることができる。
第8に、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33と、この苗爪台33を苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせかつその略楕円軌跡運動の一端下側で苗取り爪32をポット部Pに進入させた後に一端上側で苗取り爪32をポット部Pから後退させて苗Nを取り出させる往復動手段36とを有することである。
【0013】
これによって、苗爪台33に略楕円軌跡Dの往復運動と略円弧軌跡運動とを与えることにより、苗取り爪32は苗Nをポット部Pから低抵抗で取り出すことができ、かつ略下向きに姿勢変更して放出することが可能になる。
第9に、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33と、この苗爪台33を苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせかつその略楕円軌跡の一端下側で苗取り爪32をポット部Pに進入させた後に一端上側で苗取り爪32をポット部Pから後退させて苗Nを取り出させる往復動手段36と、前記苗取り爪32がポット部Pの外側から前記略楕円軌跡Dの他端側との間にあるときに、苗取り爪(32)の姿勢をポット部Pに対向する姿勢から略下向きに姿勢変更する略円弧軌跡運動をさせる姿勢変更手段37とを有することである。
【0014】
これによって、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33に略楕円軌跡Dの往復運動を与え、さらに苗取り爪32に略円弧軌跡Eの運動を与えることにより、苗取り爪32は苗Nをポット部Pから低抵抗で取り出すことができ、かつ略下向きに姿勢変更して放出することが可能になる。
第10に、前記苗取り爪32の姿勢が略下向きになったときに苗取り爪32に昇降運動を与える姿勢制御手段38を有することである。
これによって、苗取り爪32は略円弧軌跡運動による姿勢変更途中で苗Nを放出するのではなく、略下向き姿勢を維持して円弧方向の運動慣性力の影響がない状態で、苗Nを適正方向に放出することができる。
【0015】
第11に、前記苗爪台33に、左右一対の苗取り爪32の基部を枢支して先端拡縮可能に設け、この左右苗取り爪32に先端が嵌合した苗取り補助具34を長手方向相対移動自在に設け、この苗取り補助具34と苗爪台33との間に苗取り爪32をポット部Pに進入するときに苗取り補助具34を反対方向に移動して前記左右苗取り爪32の先端間距離Lを収縮させる補助具作動手段39を設けていることである。
これによって、苗取り補助具34の相対移動で左右苗取り爪32の先端間距離Lを収縮して、ポット部P内の苗Nを挟持することができる。
【0016】
第12に、前記補助具作動手段39は、揺動運動で苗取り補助具34を直線移動させる揺動アーム40と、この揺動アーム40を揺動させるカム体41とを有し、前記カム体41は苗取り爪32をポット部Pに進入するときの苗取り補助具34の移動速度を、進入初期よりも進入終期に急激に行わせる急速揺動カム面41aを有することである。
これによって、左右苗取り爪32の先端間距離Lを収縮して、ポット部P内の苗Nを挟持することができると共に、苗取り爪32のポット部進入初期に苗Nの根鉢を壊すのが少なくなる。
【0017】
第13に、前記往復動手段36は、太陽歯車42を有する太陽軸43と、この太陽軸43に回転可能に支持されかつアイドラ歯車44及び遊星歯車45を支持しているギヤケース47と、遊星歯車45を支持する遊星軸46に基部が装着されかつ先端に爪支軸61を介して苗爪台33を回転自在に支持した回動アーム48とを有し、前記太陽歯車42から遊星歯車45までの中心間距離K1と遊星歯車45から爪支軸61までの中心間距離K2とを異ならせていることである。
これによって、遊星歯車機構を使って苗取り爪32を略楕円軌跡Dを描く往復動をさせることができ、苗Nの取り出しの高速化が可能になる。
【0018】
第14に、前記姿勢変更手段37は、苗爪台33に装着されている連動部材49と、苗爪台33が前記略楕円軌跡運動を行うときに連動部材49と係合してその移動を案内する略円弧形状のカム面50Aを有するカム部材50とを有することである。
これによって、苗爪台33に苗取り爪32の姿勢を変更するための略円弧軌跡運動を行わせることができる。
第15に、前記姿勢変更手段37は、苗爪台33に装着されている連動部材49と、苗爪台33が前記略楕円軌跡運動を行うときに連動部材49と係合してその移動を略円弧方向に案内する揺動部材51とを有することである。
【0019】
これによって、略円弧軌跡Eを描く運動を簡単な構成で容易に行わせることができる。
第16に、前記姿勢変更手段37は、苗爪台33に装着されている連動部材49と、苗爪台33が前記略楕円軌跡運動を行うときに連動部材49と係合してその移動を略円弧方向に案内する揺動部材51とを有し、前記姿勢制御手段38は、揺動部材51の揺動支点を支持しかつ苗取り爪32の姿勢が略下向きになったときに苗爪台33を僅かに上昇させる支点揺動体52と、この支点揺動体52を往復動手段36からの動力で揺動させる作動部材53とを有することである。
【0020】
これによって、苗放出時に苗取り爪32の略下向き姿勢を維持する機構を、支点揺動体52を揺動させるだけの簡単な機構で構成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜12に第1実施形態を示しており、図4には移植機1の全体を示している。
図4において、移植機1は、走行機体2の後部に移植装置3及び操縦ハンドル4を備えた2条植え4輪歩行型を例示しており、畝Rを跨いだ状態で畝長手方向(図4の左右方向)に前進走行しながら、ソイルブロック苗(根鉢付きの苗。以下、苗Nという)を畝Rに所定間隔をおいて自動的に植え付ける。
【0022】
走行機体2は、ミッションケース5の前部に架台6を前方突出状に固定し、この架台6にエンジン、燃料タンク、バッテリー等の車両機器を搭載し、かつ左右一対の前輪9及び後輪(駆動輪)10を縣架している。
前記前輪9は、架台6の前部に枢支された前輪支軸11の左右端部に支持アーム12を介して設けられ、後輪10は、ミッションケース5の左右両側から外方突出した後輪支軸13の外端部に、後下方へ傾斜した伝動ケース14を介して設けられている。
【0023】
左右同側にある前輪支軸11と後輪支軸13とは連動ロッド15及びアームを介して連動連結されており、架台6に支持したアクチュエータ(油圧シリンダ)16を作動することで、連動部材17及び前記連動ロッド15等を介して前輪支軸11と後輪支軸13とが連動して回動し、これにより左右の前後輪9、10が同時に昇降して、走行機体2を畝Rに対して高さ調整できるように構成されている。
エンジンの動力はミッションケース5から左右の後輪支軸13内の伝動軸及び伝動ケース14内の伝動手段等を介して後輪10に伝動される。また、ミッションケース5からは、後方に突出された第1PTO軸18と、左右両側に突出した第2PTO軸19とから動力が取り出せるようになっている。
【0024】
前記前輪支軸11の左右両側又は左右一側(右側)及び後輪支軸13の左右両側又は左右一側は、伸縮自在に構成されており、畝Rの左右幅に対応してトレッド調整可能とされている。
従って、移植機1は、左右一側の前輪支軸11及び後輪支軸13を伸長させることにより、移植装置3が畝Rの左右他側(左側)にオフセットされ、この状態で移植機1を畝Rの長手方向に往復移動させることによって、4条分の苗が畝Rに植え付けられるように構成されている。
【0025】
前記移植装置3は、走行機体2の後部に装着された移植フレーム21に設けられており、苗Nを畝Rに植え付ける植付機構22と、苗トレイTを載置して縦横に送る苗供給機構23と、この苗供給機構23上の苗トレイTから苗Nを取り出して植付機構22へ供給する苗取出機構24とから主構成されている。
移植フレーム21は、前部がミッションケース5に固定された固定フレーム21Aと、前部が第2PTO軸19に軸心回りに回動自在に取り付けられた可動フレーム21Bとを有し、固定フレーム21Aに苗供給機構23と苗取出機構24(両者で苗供給部が構成される)が備えられていると共にハンドル4が固定され、可動フレーム21Bに植付機構22が備えられている。
【0026】
図1、2において、前記苗トレイTは、プラスチック製で、薄肉に形成されていて可撓性を有し、縦横に所定ピッチで碁盤目状に配列された多数のポット部Pを備えている。
苗トレイTは正面視でポット部縦配列方向に長い長方形に形成されており、ポット部Pに床土を充填し、そこへ播種し育苗することでソイルブロック苗Nが育成されており、例えば、ポット部Pの数は、10×20=200個、12×24=288個等となっており、苗トレイTの大きさは一定であるので、ポット部数が異なると、1つのポット部Pの大きさは異なり、図7には2種類の大きさを示している。
【0027】
前記ポット部Pは、奥に行くに従って次第に狭くなる略四角錐形状(又は円錐形状)で、角部はR面取りが施されており、底壁には通気、排水用の奥底孔Paが形成されている。従って、苗トレイTを送り姿勢にしたときのポット部Pの上下側壁Pbは奥細りテーパ面となる。ポット部Pの中心線を符号Sで示している。
苗供給機構23には、苗トレイTを上部を後方へ倒した状態に載置する苗載せ台25と、この苗載せ台25を左右方向に往復移動自在に支持する支持手段と、苗載せ台25を1つのポット部Pづつ間欠的に横配列方向(左右方向)に横送りする横送り手段と、苗載せ台25上の苗トレイTを1列づつ上から下へ縦送りする縦送り手段とを有する。
【0028】
前記苗供給機構23は、苗載せ台25を横送りしながら、苗トレイTのポット部Pから苗取出機構24により苗Nを取り出し、横一列の総てのポット部Pから苗Nを取り出した後、縦送り手段によってポット部Pの1ピッチ分だけ苗トレイTを縦送りをし、次の横一列のポット部Pから苗Nを取り出し可能としている。
前記苗取出機構24は苗載せ台25の前方側に配置されており、2条植えに対応するべく1つの苗トレイTに対して左右一対の苗取出装置30を備えており、左右苗取出装置30は、1つの苗トレイTの横配列方向のポット部Pの数の半分のピッチ分の間隔をおいて並設されている。
【0029】
各苗取出装置30は、第1PTO軸18からの動力で駆動されており、先端部に左右一対の断面L字状の苗取り爪32(苗取出部材)を備えていて、この苗取り爪32をポット部P内の床土を有する苗鉢に突き刺して苗Nを保持し、この苗Nをポット部Pから取り出し、植付機構22の植付カップ26に供給するように構成している。
植付機構22は、畝Rに植え穴を形成すると共にそこに苗Nを放出する植付カップ26と、この植付カップ26を上下移動させる植付駆動機構と、植え穴に放出された苗Nの左右両側から株際に土を押圧して苗Nの床土を埋める覆土手段27とを有しており、前記植付カップ26は植付駆動機構によって、前後に幅のある上下に長い楕円軌跡(図19に示す軌跡G)を描いて、上部の苗供給位置と下部の苗放出位置との間を昇降する。
【0030】
左右苗取出装置30の一方は、固定フレーム21Aに装着された支持台57にギヤボックス58を装着し、このギヤボックス58に第1PTO軸18からの動力が伝達される伝動軸59を支持し、この伝動軸59の両端をギヤボックス58から突出して一端を太陽軸43とし、他端からギヤ伝動手段又はチェーン伝動手段等を介して、他方の苗取出装置30の太陽軸43に動力を伝達するように構成されており、前記ギヤボックス58からは苗供給機構23へ伝達する動力も取り出されている。
【0031】
各苗取出装置30は、左右一対の苗取り爪32と、左右苗取り爪32に先端が嵌合した苗取り補助具34と、前記苗取り爪32及び苗取り補助具34を支持した苗爪台33と、この苗爪台33を苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に沿う往復運動をさせて苗取り爪32にポット部P内の苗Nを取り出させる往復動手段36と、前記苗爪台33に苗取り爪32の姿勢をポット部Pに対向する姿勢から略下向きに姿勢変更させる姿勢変更手段37とを有し、往復動手段36及び姿勢変更手段37の作動によって、苗取り爪32の先端32aに略楕円軌跡Dと略円弧軌跡Eとを合成した総合軌跡Mを描く運動をさせる。
【0032】
前記左右各苗取り爪32は、爪部材32Aの基部に設けた縦軸32Bを介して先端間隔拡縮自在に苗爪台33に枢支されており、爪部材32Aは縦軸32Bから直径方向に延びており、左右の爪部材32Aの基部にはその先端を収縮方向に付勢するバネ製の収縮部材60が設けられている。
両苗取り爪32の爪部材32Aは幅方向断面略くの字状(又は略L字状)に屈曲した帯板を丸棒材(針形状)に固着して形成しており、先端32aが丸く、下縁32bを基部から先端32aまで略直線状に形成し、上縁32cを途中から先端32aまで下向き傾斜させて先端傾斜面32dを形成しており、前記下縁32bと先端傾斜面32dとがなす挟角は、ポット部Pの周壁Pbのテーパ角又はその前後の角度であることが好ましい。
【0033】
左右苗取り爪32は、先端部がポット部Pの断面側面形状と近似した形状であり、苗Nの根鉢との接触面積を可及的に大きくしており、ポット部P内に進入して、苗Nの根鉢を中心線より下側で最深部まで突き刺して、左右から強制的に挟み込んで抱きかかえるように挟持する。
前記苗爪台33は、爪支軸61に回動自在に支持された台本体33Aに支持ブロック33Bを設けて構成されている。支持ブロック33Bは台本体33Aに形成した長孔33aとボルト33bとを介して台本体33Aに装着され、苗取り爪32と平行に位置調整自在になっている。
【0034】
この支持ブロック33Bに両苗取り爪32の縦軸32Bが枢支されており、前後位置調整により、爪支軸61から苗取り爪32の先端32aまでの距離を調整できる。
苗爪台33の前記支持ブロック33Bには貫通孔が形成され、苗取り補助具34の押動杆34Aが摺動自在に挿通支持されており、この押動杆34Aの先端に左右爪部材32Aに同時に嵌合する嵌合部材34Bが設けられている。この嵌合部材34Bの先端面は、苗取り爪32に突き刺した苗Nを押し出す押出面34aとなっている。
【0035】
前記嵌合部材34Bは、爪部材32Aの下縁32bから上部近く(又は上縁32c)まで嵌合する左右対称状の溝34bを有しており、この溝34bは正面視略くの字状(又はL字状)でかつその上部が上方に開放しており、左右くの字状の溝34bの間隔は前記左右縦軸32Bの間隔より狭く設定され、この苗取り補助具34を前後相対移動することにより、左右苗取り爪32の先端間距離Lを拡縮できるように構成されている。嵌合部材34Bが苗取り爪32の先端側に位置するとき、距離Lは縮小されて最小(L1)になり、苗取り爪32の基部側に位置するとき、距離Lは拡大されて最大になる。
【0036】
なお、嵌合部材34Bは左右溝34bの間隔の異なるものが複数用意されていて、ポット部Pの大きさに合わせて取り替えて、爪部材32Aがポット部P内に適正に進入できるように案内するようにしている。
前記苗爪台33の台本体33Aには揺動アーム40が支軸65を介して揺動自在に支持され、この揺動アーム40の先端がリンク66を介して押動杆34Aの後端に連結され、揺動アーム40の中途部に設けらカムフォロア67がカム体41の外周のカム面に当接している。
【0037】
苗爪台33の台本体33Aと揺動アーム40との間には、嵌合部材34Bを爪部材32Aの先端方向へ弾発するコイルスプリング製の付勢手段62が設けられている。この付勢手段62は、コイルスプリングを支持ブロック33Bと嵌合部材34Bとの間で押動杆34Aに嵌装して構成してもよい。
前記揺動アーム40、リンク66、カム体41及び付勢手段62等は、苗取り補助具34を駆動するための補助具作動手段39を構成しており、苗爪台33とカム体41との相対回動により、揺動アーム40は支軸65を中心に往復揺動し、押動杆34Aを直線移動させる。
【0038】
苗取り爪32でポット部Pの苗Nを突き刺すときは、嵌合部材34Bが苗取り爪32の基部側へ移動し、補助具作動手段39は先端間距離Lを収縮させる爪拡縮手段となり、苗取り爪32がポット部Pから取り出した苗Nを放出するときは、カム体41の小径部をカムフォロア67に急激に移行させて、付勢手段62の弾発力で嵌合部材34Bを苗取り爪32の先端側へ急激に移動する苗放出手段となる。
前記カム体41の立ち上がりカム面は、立ち上がり始めよりも後半が急激に立ち上がった急速揺動カム面41aを形成しており、苗取り爪32をポット部Pに進入するときの苗取り補助具34の移動速度を、進入初期よりも進入終期に急激に行わせ、苗取り爪32が進入終期になったときに苗Nを挟持するように構成されている。
【0039】
急速揺動カム面41aに続く円弧カム面が、苗取り補助具34を苗取り爪32の基部側へ移動した位置に保持する作用面41bとなっており、この作用面41bの後端は急激に落ちていて小径のカム凹部41cを形成しており、苗取り爪32の基部側での苗取り補助具34の保持を解除して、付勢手段62で苗取り爪32先端側へ弾発できるようにしている。
前記爪支軸61とギヤボックス58との間には往復動手段36が設けられている。前記太陽軸43には太陽歯車42が固定されると共にギヤケース47が回動自在に嵌装されており、このギヤケース47には遊星軸46が支持され、その内部では、遊星軸46に装着された遊星歯車45と前記太陽歯車42とにアイドラ歯車44が噛合している。
【0040】
また、ギヤケース47から突出している遊星軸46の端部には回動アーム48の一端が着脱自在に装着され、この回動アーム48の他端に前記爪支軸61が固定されている。爪支軸61は苗爪台33の回動中心となっている。
前記往復動手段36は遊星歯車機構となっており、太陽軸43からの動力で太陽歯車42が自転すると、アイドラ歯車44及び遊星歯車45が回転して回動アーム48が遊星軸46の廻りを自転し、これと同時に遊星歯車45はギヤケース47と共に太陽軸43の廻りを公転する。
【0041】
図3において、遊星軸46から太陽軸43までの距離(遊星歯車45の公転半径)K1に対して、遊星軸46から爪支軸61までの距離(回動アーム48の長さ)K2は短く設定されており、爪支軸61の運動軌跡は往路と復路とが上下に乖離した略楕円軌跡Dを描くことになる。
前記距離K1対距離K2は18対17、又はその前後のリンク比率に設定されており、距離K1対距離K2が1対1の場合(従来技術)、爪支軸61の軌跡は直線状になるが、長さに差が有る場合、往動と復動とでは爪支軸61の通る点が異なり、軌跡の両端でリターンし、途中で上下に離れていて、中央で厚みのある楕円を扁平にしたような軌跡となる。
【0042】
即ち、太陽歯車42が図3矢印方向(反時計方向)に回転する場合、爪支軸61は略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddを通って中心線Daのポット部P側端部に至り、中心線Da上から上側軌跡Duを通って中心線Daのポット部Pから最遠の端部に至ることになる。これによって、苗取り爪32には苗トレイTのポット部Pに略対向する方向の略楕円軌跡Dの運動が与えられ、苗取り爪32はその略楕円軌跡Dの運動の一端下側でポット部Pに進入して苗Nに突き刺さり、その後にリターンして略楕円軌跡Dの一端上側でポット部Pから後退して突き刺さした苗Nを取り出す。
【0043】
前記距離K1は距離K2より短く設定することもでき、その場合は、太陽歯車42を時計方向に回転させれば、爪支軸61に略楕円軌跡Dのポット部P側端部で下側軌跡Ddから上側軌跡Duへ移行するように運動させることができる。
前記略楕円軌跡Dの中心線Daは、角度Qだけ水平線に対して後下向きに傾斜している。この傾斜角度Qは、苗供給機構23上の苗トレイTの苗取り出し位置にあるポット部Pの下側の側壁Pbと略平行に配置されており、また、苗取り爪32の下縁32b及び押動杆34Aとも略平行になっている。
【0044】
中心線Daは、太陽軸43と遊星軸46と爪支軸61とが一直線上に並ぶときの中心線であり、図3は苗取り爪32が苗Nを突き刺してポット部P内に最大に突入する状態であり、苗取り爪32の下縁32bを苗取り出し位置にあるポット部Pの下側の側壁Pbと略平行にするために、前記傾斜角度Qが設定されている。
しかし、苗取り爪32の下縁32bを苗取り出し位置にあるポット部Pの下側の側壁Pbに対して上向き又は下向きに傾斜させる場合は、後述するカム部材50の位置又は姿勢を変更することにより、傾斜角度Qを所要角度に変更設定することができる。
【0045】
図1、2、5〜8において、前記姿勢変更手段37は、苗爪台33に装着されている連動部材49と、この連動部材49の先端の軸49Bに設けたコロ49Aと係合してその移動を案内するカム部材50とを有し、このカム部材50は、溝を形成することにより略円弧形状のカム面50Aを形成しており、取り付け具70を介してギヤボックス58に固定の取り付け板70に前後位置、上下位置或いは傾斜角度調整自在に固定されている。
この姿勢変更手段37は、太陽軸43の回りを自転しながら公転する爪支軸61上の苗取り爪32の姿勢を制御するものであり、前記苗取り爪32がポット部Pの外側から略楕円軌跡Dの往復運動の遠方端側(苗トレイTから遠い側)との間にあるときに、連動部材49の先端のコロ49Aを略円弧軌跡Eで案内して、苗取り爪32の姿勢をポット部Pに対向する姿勢から略下向きに姿勢変更するように、前記苗爪台33の姿勢を変更する。
【0046】
前記略円弧軌跡Eの下部を形成するカム部材50のカム面50Aには、苗取り爪32がポット部P内に突入する略楕円軌跡Dの往復運動の近傍端側にあるときにも苗爪台33の姿勢を制御する部分50Aaを形成しているが、この部分50Aaは略直線形状で、ポット部Pの下側の側壁Pb、苗取り爪32の下縁32b及び押動杆34A等と略平行に形成されており、先端32aがポット部P内にあるときに苗取り爪32の姿勢を可及的に変化させないようになっている。
しかし、カム面50Aの部分50Aaの形状を、苗取り爪32の下縁32bがポット部P内でより最適な軌跡で移動するように苗取り爪32の姿勢を制御する形状に形成してもよい。
【0047】
前記略円弧軌跡Eの上部を形成するカム部材50のカム面50Aには、苗取り爪32が略下向きの姿勢になったときに、その姿勢を可及的に変更しないように維持する部分50Abを形成しており、この部分50Abは略円弧軌跡Eから逆方向に曲がった円弧を経て直線に近い形状となっている。苗取り爪32は下向き姿勢にしたまま、略楕円軌跡Dの遠方端側で可及的に静止させることが好ましく、前記部分50Abでそのように苗取り爪32を姿勢制御している。
前記往復動手段36による略楕円軌跡Dの往復運動と、前記姿勢変更手段37による略円弧軌跡Eの往復運動とによって、苗取り爪32の先端32aは合成された苗取り出し軌跡Mを描く運動をする。
【0048】
次に、前述した第1実施形態における苗取り出し方法を説明する。
図10は苗取り爪32がポット部Pに進入する直前の状態であり、往復動手段36が作動して、太陽軸43の回転によって遊星軸46を自転しながら公転させ、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33の爪支軸61を、苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に沿う略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡運動の下側軌跡Ddを通って略楕円軌跡Dの長手方向の略中央に位置する状態になっている。
【0049】
また、姿勢変更手段37が作動して、連動部材49及びカム部材50を介して苗取り爪32の姿勢を略下向きから略横向きのポット部Pに略向く姿勢に変更してきている。そしてこのような姿勢で、苗取り爪32は取り出し位置のポット部Pに近づいて行き、苗Nの茎葉をすくい込むように、上昇しながら茎葉の下側に近づいてきている。
このような状態から更に太陽軸43が回転すると、爪支軸61は略楕円軌跡Dの運動のポット部P側端部の下側軌跡Ddに入り、連動部材49のコロ49Aはカム部材50の部分50Aaに達し、苗取り爪32の姿勢は略楕円軌跡Dの中心線Paと略平行で、下縁32bはポット部Pの下側の側縁Pbと略平行になり、ポット部P内の苗Nの根鉢に突き刺さり始める(部分軌跡M1を描く)。
【0050】
また、これと同時に補助具作動手段39が作動を開始しており、カム体41が揺動アーム40を付勢手段62に抗して揺動し、苗取り補助具34をポット部Pから引き離す方向に移動させ、苗取り爪32が苗Nの根鉢に突き刺さり始めるのを妨害しない状態に移行させていく。苗取り補助具34が苗取り爪32の根本側へ移動することにより、左右苗取り爪32の先端間距離Lは縮小し始められるが、この付近では、嵌合部材34Bの溝と爪部材32Aとの間の遊びが無くなる程度、又は極めて僅かに縮小する程度である。
【0051】
前記図11の状態から太陽軸43が回転すると、図1〜3の状態に移行することになり、ここでは、爪支軸61は略楕円軌跡Dの運動のポット部P側端部の下側軌跡Ddを先端側まで移動し、連動部材49のコロ49Aはカム部材50の部分50Aa内を移動することになり、苗取り爪32はポット部Pに略向く姿勢で略直線的にポット部P内へ進入し、苗Nに突き刺さる。
このとき、苗取り爪32の爪部材32Aは下縁32bがポット部Pの下側の側縁Pbと略平行に進入し、その先端32aはポット部Pの奥底孔Paから突出する位置まで突入する。この苗取り爪32が苗Nの根鉢に完全に突き刺さった状態では、先端傾斜面32dはポット部Pの上側の側縁Pbと略平行になる。また、板材で形成した爪部材32Aの先端部は下側も上側も、奥が次第に狭くなるポット部Pの下側壁Pb及び上側壁Pbに略沿うように形成されている。
【0052】
苗Nの根鉢上面に対する爪部材32Aの先端32aの突入開始位置は、根鉢の上面中央に対して左右両側で若干下方であり、四角形ポット部Pの左右コーナ部近傍であり、先端32aの突入完了位置は根鉢の底の中央近くとなり、ポット部Pの中心線S上に略位置するが、先端32aが奥底孔Paを通過するときは、中心線Sよりも下側であることが好ましい。
また、補助具作動手段39の作動は、カム体41の急速揺動カム面41aが揺動アーム40を揺動することになり、苗取り補助具34はポット部Pから離れる方向に急速移動され、苗取り爪32が苗Nの根鉢に完全に突き刺さるとき、又はその若干手前から収縮部材60に抗して左右苗取り爪32の先端を収縮し、先端間距離Lは収縮して距離L1となり、苗Nの根鉢を挟持することになる。即ち、苗取り補助具34は苗取り爪32によるポット部Pへの進入初期よりも進入終期で移動が高速化され、苗取り爪32を突き刺しの略後半で急激に収縮させて苗Nの挟持を確実かつ安定的に行わせる。
【0053】
苗取り爪32が苗Nの根鉢に完全に突き刺さった後は、往復動手段36の作動による苗爪台33の爪支軸61の運動は、略楕円軌跡Dのポット部P側端部の上側軌跡Duを通ることになり、略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddから上側軌跡Duへ側面視略V字状に移動することにより(部分軌跡M2を描く)、苗取り爪32はポット部Pに略向いた姿勢のまま、若干持ち上がりながらポット部Pから抜け出すことになる。
前記部分軌跡M2は、図2に示すように、ポット部Pの奥側で上側の側壁Pbと略平行になっており、ポット部Pの口側で上下方向中央に近づいており、そのため、苗Nの根鉢はポット部Pの下側の側壁Pbと摺接することも上側の側壁Pbと摺接することも殆どなく、下側の側壁Pbから上方へ分離しながら上側の側壁Pbとも分離することができる。
【0054】
これによって、苗Nがポット部Pから抜け出るときの抵抗が小さくなり、根鉢の土が崩壊されることなく、苗Nをポット部Pから取り出せる。そして、爪支軸61が略楕円軌跡Dの中央にくるころには、図12に示すように、姿勢変更手段37の略円弧状カム面50Aの作用によって姿勢変更が開始される。
爪支軸61が略楕円軌跡Dの中央からポット部Pから遠い側の端部まで移動する間(部分軌跡M3を描く)に、姿勢変更手段37は苗取り爪32を大きくかつ急激に姿勢変更し、苗取り爪32が略下向きになったとき、又はその前後にカムフォロア67がカム体41の作用面41bから外れてカム凹部41cに落ち、揺動アーム40の戻り揺動が許容される状態になり、これにより付勢手段62の弾発力で補助具作動手段39の苗取り補助具34を苗取り爪32先端側へ突出し、押出面34aで苗取り爪32に突き刺している苗Nを下方に待機している植付カップ26へ放出する。
【0055】
このとき、連動部材49のコロ49Aはカム部材50の部分50Ab内を移動することになり、苗取り爪32は苗トレイTから離れる方向の移動が停止された状態になり、略下向き姿勢になった状態が僅かな時間でも静止されることにより、コロ49Aがカム部材50の略円弧軌跡Eを移動するときの姿勢変更(前方移動)の慣性力が減少し、苗取り爪32が取り出した苗Nを慣性力を減少させた状態で、苗取り補助具34による下方放出を可能にする。
苗Nの供給を受けた植付カップ26は、苗受領待機位置から畝Rまで下降して、孔を開けながら苗Nを植え付ける。
【0056】
苗放出後の苗取り爪32は、略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddを通ってポット部Pに近づく戻り動作(部分軌跡M4を描く)をし、姿勢変更手段37によって略下向き姿勢から横向き姿勢(緩い角度の後下向き傾斜姿勢)に変更され、図10の状態に戻り、苗取り爪32の先端32aは総合軌跡Mを完成する1サイクルを終了する。
前記往復動手段36及び姿勢変更手段37等は、構造が簡単であり、質量が小さいので運動の慣性力が少なくなっており、前記1サイクルを高速化することができる。
【0057】
図14〜18は第2実施形態を示しており、左右各苗取り爪32の爪部材32Aには丸棒材で形成された針が使用されており、苗取り補助具34の嵌合部材34Bには左右爪部材32Aが貫通する2つの孔が形成されたメガネ状部材が使用されている。
また、押動杆34Aを案内する苗爪台33の支持ブロック33Bは、案内方向前後に2分割されており、基部支持ブロック33Baは台本体33Aに固着され、苗取り爪32の縦軸32Bを枢支する先端支持ブロック33Bbは基部支持ブロック33Ba及び台本体33Aに対して前後位置調整自在に装着されており、苗取り爪32の前後位置を調整可能にしている。
【0058】
前記 この第2実施形態では、往復動手段36は第1実施形態と略同一であり、姿勢変更手段37は、連動部材49の案内に、カム部材を設ける代わりに、揺動部材51を有し、滑り構造の溝カムを使用せずに、耐久性がよく、軌跡のズレが少ないピンジョイント構造にしている。
この揺動部材51は円筒部材の両端に連結部材を螺合した長さ調整自在なリンク部材であり、その一端が軸49Bを介して連動部材49に連結され、他端がギヤボックス58に固定の取り付け板70に支点軸71を介して枢支されており、連動部材49の端部を略円弧軌跡Eを描かせるように案内している。
【0059】
前記揺動部材51は円筒部材を直線形状に形成しているが、円弧形状、特に苗爪台33等から離れる方向に弯曲した形状に形成してもよく、また、前記取り付け板70は太陽軸43の周囲で位置調整自在であることが好ましい。
この第2実施形態では、図14において、往復動手段36を作動して、太陽軸43の回転によって遊星軸46を自転しながら公転させ、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33の爪支軸61を、苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に沿う略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡Dの運動のポット部P側端部の下側軌跡Ddに入る。
【0060】
また、姿勢変更手段37が作動して、連動部材49が揺動部材51に案内されて、軸49Bは略円弧軌跡Eを画きながら運動し、この連動部材49及び揺動部材51を介して苗取り爪32の姿勢を略下向きから横向きのポット部Pに略向く姿勢に変更し、苗取り爪32は取り出し位置のポット部Pの苗Nに近づいて行き、苗Nの茎葉をすくい込むように、上昇しながら茎葉の下側に近づいた後、苗取り爪32が苗Nの根鉢に突き刺さり始める。
苗取り爪32が苗Nの根鉢に突き刺さり始めるときの揺動部材51の揺動は、苗取り爪32の長手方向と略平行な運動であり、略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddと略円弧軌跡Eの略直線的な部分との合成により、苗取り爪32の先端32aに部分軌跡M1を描かせながら、ポット部P内の苗Nの根鉢に突き刺し始める。
【0061】
これと同時に補助具作動手段39が作動を開始しており、カム体41が揺動アーム40を付勢手段62に抗して揺動し、苗取り補助具34をポット部Pから引き離す方向に移動させ、苗取り爪32が苗Nの根鉢に突き刺さり始めるの妨害しない状態に移行させ、苗取り補助具34が苗取り爪32の根本側へ移動することにより、左右苗取り爪32の先端間距離Lは縮小し始められる。
前記図14の状態から太陽軸43が回転すると、図15の状態に移行することになり、ここでは、爪支軸61は略楕円軌跡Dの運動のポット部P側端部の下側軌跡Ddを先端側まで移動し、苗取り爪32はポット部Pに略向く姿勢で略直線的にポット部P内へ進入し、苗Nに突き刺さる。
【0062】
このとき、苗取り爪32の爪部材32Aは下縁32bがポット部Pの下側の側縁Pbに対して、側面視において、ポット部Pの口側ではポット部中心線から離れていて、奥で中心線に近づく又は中心線と交差する方向に進入し、その先端32aはポット部Pの奥底孔Paの手前まで突入する。
即ち、苗Nの根鉢上面に対する爪部材32Aの先端32aの突入開始位置は、根鉢の上面中央に対して左右両側で若干下方であり、四角形ポット部Pの左右コーナ部近傍であり、先端32aの突入完了位置は根鉢の底の中央近く又は若干上側となる。
【0063】
前記爪部材32Aの進入方向は、ポット部Pの下側の側縁Pbに対して略平行でもよく、到達位置は奥底孔Paから突出する位置でもよい。
また、補助具作動手段39の作動は、カム体41の急速揺動カム面41aが揺動アーム40を揺動することになり、苗取り補助具34はポット部Pから離れる方向に急速移動され、苗取り爪32が苗Nの根鉢に完全に突き刺さるとき、又はその若干手前から収縮部材60に抗して左右苗取り爪32の先端を収縮し、先端間距離Lは収縮して距離L1となり、苗Nの根鉢を挟持することになる。
【0064】
苗取り爪32が苗Nの根鉢に完全に突き刺さった後は、往復動手段36の作動による苗爪台33の爪支軸61の運動は、略楕円軌跡Dのポット部P側端部の上側軌跡Duを通ることになり、略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddから上側軌跡Duへ側面視略V字状に移動することにより、苗取り爪32はポット部Pに略向いた姿勢のまま、若干持ち上がりながらポット部Pから抜け出し、部分軌跡M2を描くことになる(図16参照)。
爪支軸61が略楕円軌跡Dの中央からポット部Pから遠い側の端部まで移動する間に、姿勢変更手段37は苗取り爪32を前方移動しながら大きく姿勢変更し、部分軌跡M3を移行してきた苗取り爪32が略下向きになったとき、又はその直前にカム体41の作用面41bから揺動アーム40のカムフォロア67が外れてカム凹部41cに落ち、付勢手段62の弾発力で補助具作動手段39の苗取り補助具34を苗取り爪32先端側へ突出させ、押出面34aで苗取り爪32に突き刺している苗Nを下方で待機している植付カップ26へ放出する(図17参照)。
【0065】
このとき、連動部材49の先端の軸49Bの軌跡Eは略垂直部分とになり、苗取り爪32は苗トレイTから離れる方向の移動が停止された状態になり、略下向き姿勢になった状態が僅かな時間でも静止されることにより、苗取り爪32の姿勢変更(前方移動)の慣性力が減少し、苗取り爪32が取り出した苗Nを慣性力を減少させた状態で、苗Nの下方放出を可能にする。
苗Nの供給を受けた植付カップ26は畝Rまで下降して、孔を開けながら苗Nを植え付ける。
【0066】
苗N放出後の苗取り爪32は、略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddを通ってポット部Pに近づく戻り動作をし、姿勢変更手段37によって略下向き姿勢から横向き姿勢に変更され、これらによって苗取り爪32は部分軌跡M4を描いて図18の状態を移行し、苗取り爪32の先端32aは総合軌跡Mを完成する1サイクルを終了する。
図19〜23は第3の実施の形態を示しており、左右各苗取り爪32の爪部材32Aは第1実施形態と同様に帯状平板を折り曲げたものを使用しており、往復動手段36、姿勢変更手段37、補助具作動手段39等は第2実施形態と略同一であり、第2実施形態と異なる点は、姿勢変更手段37の揺動部材51の支点軸71を移動する姿勢制御手段38を備えていることである。なお、苗取り爪32、連動部材49及び揺動部材51等は簡略化して図示してある。
【0067】
支点軸71はギヤボックス58及び取り付け板70に対しては支持されていなく、支点揺動体52の先端に支持されており、この支点揺動体52の基部が取り付け板70又はギヤボックス58に基軸72を介して枢支されている。
姿勢制御手段38は、前記支点揺動体52と、カム板で形成されかつ太陽軸43に装着された作動部材53とを有し、支点揺動体52に設けたカムフォロア73が作動部材53の外周のカム面53aと当接しており、作動部材53の回転によって支点揺動体52を揺動し、揺動部材51の支点軸71に短い円弧軌跡Hを描くように往復揺動させる。
【0068】
この第3実施形態では、図20、21において、往復動手段36を作動して、太陽軸43の回転によって遊星軸46を自転しながら公転させ、苗取り爪32を取り付けた苗爪台33の爪支軸61を、苗トレイTのポット部Pに略対向する方向に沿う略楕円軌跡Dを描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡Dの運動のポット部P側端部の下側軌跡Ddに移行させ、これと同時に連動部材49を揺動部材51で案内する。
苗取り爪32が苗Nの根鉢に突き刺さり始めるときの揺動部材51の揺動は、苗取り爪32と略平行な運動であり、先端32aに部分軌跡M1を描かせながら、ポット部P内の苗Nの根鉢に突き刺し始める。そして、爪支軸61は略楕円軌跡Dの運動のポット部P側端部の下側軌跡Ddを先端側まで移動し、苗取り爪32はポット部Pに略向く姿勢で略直線的にポット部P内へ進入し、苗Nに突き刺さる。
【0069】
また、姿勢変更手段37が作動して、支点軸71を中心に揺動部材51を揺動し、苗取り爪32の姿勢を略下向きから横向きのポット部Pに略向く姿勢に変更し、苗取り爪32は取り出し位置のポット部Pの苗Nに近づくに従って、苗Nの茎葉をすくい込むように上昇しながら茎葉の下側に近づいた後、苗取り爪32が苗Nの根鉢に突き刺さり始める。
苗取り爪32が苗Nの根鉢に完全に突き刺さった後は、往復動手段36の作動による苗爪台33の爪支軸61の運動は、略楕円軌跡Dのポット部P側端部の上側軌跡Duを通ることになり、略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddから上側軌跡Duへ側面視略V字状に移動することにより、苗取り爪32は部分軌跡M1から部分軌跡M2を描きながら側面視略V字状に移行し、苗取り爪32はポット部Pに略向いた姿勢のまま、若干持ち上がりながらポット部Pから抜け出す(図21、22参照)。
【0070】
爪支軸61が略楕円軌跡Dの中央からポット部Pから遠い側の端部まで移動する間(苗取り爪32は部分軌跡M3を描く)に、姿勢変更手段37は苗取り爪32を前方移動させながら大きく姿勢変更し、苗取り爪32が略下向きになったとき、又はその直前に揺動アーム40のカムフォロア67がカム体41の作用面41bから外れてカム凹部41cに落ち、付勢手段62の弾発力で補助具作動手段39の苗取り補助具34を苗取り爪32の先端側へ突出し、押出面34aで苗取り爪32に突き刺している苗Nを、下方に待機している植付カップ26へ放出する。
【0071】
このとき、作動部材53のカム面53aがカムフォロア73を介して支点揺動体52を揺動し、支点軸71に軌跡Hを描かせる円弧運動を行わせ、揺動部材51の揺動支点を移動して、苗取り爪32を略下向き姿勢のまま上昇させ、総合軌跡Mの部分軌跡M3と部分軌跡M4との間に上昇部分軌跡M5を描かせる(図23を参照)。
このように苗取り爪32は苗トレイTから離れる方向の移動が停止された状態になり、略下向き姿勢になった状態が僅かな時間でも静止されることにより、苗取り爪32の姿勢変更(前方移動)の慣性力が減少し、苗取り爪32が取り出した苗Nを慣性力を減少させた状態で下方放出を可能にする。苗Nの供給を受けた植付カップ26は畝Rまで下降して、孔を開けながら苗Nを植え付ける。植付カップ26の軌跡Gは図19に示す。
【0072】
苗N放出後、苗爪台33が往復動手段36によって略楕円軌跡Dの下側軌跡Ddを通ってポット部Pに近づく戻り動作し、姿勢変更手段37によって略下向き姿勢がら横向き姿勢に変更する動作をし、これらによって苗取り爪32の先端32aは部分軌跡M4を描くことになり、図20に示す状態まで戻って総合軌跡Mを完成する1サイクルを終了する。
前記姿勢制御手段38の作動部材53のカム面53aには、苗放出時に支点揺動体52を揺動して上昇部分軌跡M5を形成するための突出部分以外にも、複数の突出部分が形成されており、例えば、第3実施形態の総合軌跡Mを第1、2実施形態の総合軌跡Mと比較すると明らかになるように、苗取り爪32の部分軌跡M1が略直線になるように姿勢変更手段37の動作を修正する突出部分等が形成されており、第2実施形態で得られる苗取り爪32の軌跡Mを修正して、苗トレイTからの苗Nの取り出し及び植付カップ26への苗放出をより正確にできるようにしている。
【0073】
この第3実施形態では、姿勢制御手段38で姿勢変更手段37を制御することにより、苗取り爪32の総合軌跡Mを姿勢変更手段37のみの場合よりも多様に制御でき、特に、苗Nの受け渡し時の苗取り爪32の動きを遅くして、苗受け渡しを確実にする等に有効である。
なお、本発明は前記各実施の形態における各部材の形状、構造及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜23に示すように構成することが最良である。しかし、各実施形態の構成に限定されるものではなく、種々変形したり、構成の組み合わせを変更したりすることもできる。
【0074】
例えば、第1実施形態においては、カム部材50の下部に支点を設け、上部を第3実施形態の姿勢制御手段38で揺動するように構成してもよい。第2実施形態においては、苗取り爪32及び苗爪台33を第1実施形態と同一のものを使用してもよい。
なおまた、従来技術と同様に、遊星軸46から太陽軸43までの距離K1と遊星軸46から爪支軸61までの距離K2を同一にしておいて、遊星歯車機構で苗取り爪32に直線往復運動を与え、姿勢変更手段37のカム部材50のカム面50Aに往動用のカム面と復動用のカム面とを乖離して形成しておいて、その乖離状態によって、苗取り爪32の往復運動中に略V字状の軌跡M1、M2を画かせ、それによって、苗取り爪32を苗トレイTのポット部Pに略対向する方向の運動を与えながら、その軌跡運動の一端下側で苗取り爪32をポット部Pに進入させた後に一端上側で苗取り爪32をポット部Pから後退させて苗Nを取り出し、苗Nを取り出した後に、苗取り爪32をポット部Pの外側から軌跡運動の他端側との間で苗取り爪32の姿勢をポット部Pに対向する姿勢から略下向きに姿勢変更させるように構成することも可能である。
【0075】
しかしながら、カム部材50に往動用のカム面と復動用のカム面とを乖離して形成しかつ各カム面にカムフォロア49Aを当接させるようにすることは可能であるが、動作の確実性が低くなる。これに対して、前記実施形態のように、距離K1と距離K2とを異ならせる方が、動作の確実性が高く、構造が簡単で製作が容易になる。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、苗取り爪32の苗取り出し運動を略楕円軌跡Dの運動にするだけで、苗Nを僅かに持ち上げながら、ポット部Pと苗Nとの間の抵抗を小さくして、ポット部Pから取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の苗突き刺し完了時を示す全体側面図である。
【図2】苗突き刺し完了時の要部の側面図である。
【図3】往復動手段の説明図である。
【図4】移植機の全体を示す側面図である。
【図5】苗取出装置の側面図である。
【図6】苗取出装置の平面図である。
【図7】苗取り爪の平面図である。
【図8】苗取出装置の一部断面正面図である。
【図9】往復動手段の側面図である。
【図10】苗突き刺し前の苗取出装置の要部の側面図である。
【図11】苗突き刺し中の苗取出装置の要部の側面図である。
【図12】苗取り出し直後の苗取出装置の要部の側面図である。
【図13】苗放出時の苗取出装置の要部の側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態の苗突き刺し中の苗取出装置の側面図である。
【図15】第2実施形態の苗突き刺し完了時の苗取出装置の側面図である。
【図16】第2実施形態の苗取り出し中の苗取出装置の側面図である。
【図17】第2実施形態の苗放出時の苗取出装置の側面図である。
【図18】第2実施形態の苗突き刺し前の苗取出装置の側面図である。
【図19】本発明の第3実施形態の苗突き刺し完了時の苗取出装置の概略側面図である。
【図20】第3実施形態の苗突き刺し前の苗取出装置の概略側面図である。
【図21】第3実施形態の苗突き刺し完了時の苗取出装置の概略側面図である。
【図22】第3実施形態の苗取り出し中の苗取出装置の概略側面図である。
【図23】第3実施形態の苗放出時の苗取出装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 移植機
22 植付機構
23 苗供給機構
24 苗取出機構
30 苗取出装置
32 苗取り爪
32A 爪部材
32B 縦軸
32a 先端
32b 下縁
32c 上縁
32d 先端傾斜面
33 苗爪台
33A 台本体
33B 支持ブロック
34 苗取り補助具
34A 押動杆
34B 嵌合部材
34a 押動面
36 往復動手段
37 姿勢変更手段
38 姿勢制御手段
39 補助具作動手段
40 揺動アーム
41 カム体
41a 急速揺動カム面
42 太陽歯車
43 太陽軸
45 遊星歯車
47 ギヤケース
49 連動部材
50 カム部材
51 揺動部材
52 支点揺動体
53 作動部材
D 略楕円軌跡
E 略円弧軌跡
L 先端間距離
N 苗
P ポット部
Pa 奥底孔
Pb 側壁
S 中心線
T 苗トレイ

Claims (16)

  1. 苗取り爪(32)を取り付けた苗爪台(33)を苗トレイ(T)のポット部(P)に略対向する方向に略楕円軌跡(D)を描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡(D)の一端下側で苗取り爪(32)をポット部(P)に進入させた後に一端上側で苗取り爪(32)をポット部(P)から後退させて苗(N)を取り出すことを特徴とする移植機の苗取り出し方法。
  2. 苗(N)を取り出した後に、苗取り爪(32)をポット部(P)の外側から前記略楕円軌跡(D)の他端側との間でポット部(P)に対向する姿勢から略下向きに姿勢変更することを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗取り出し方法。
  3. 苗取り爪(32)を取り付けた苗爪台(33)を苗トレイ(T)のポット部(P)に略対向する方向に略楕円軌跡(D)を描きながら往復運動をさせて、その略楕円軌跡(D)の一端下側で苗取り爪(32)をポット部(P)に進入させた後に一端上側で苗取り爪(32)をポット部(P)から後退させて苗(N)を取り出し、前記苗取り爪(32)にポット部(P)の外側から前記略楕円軌跡(D)の他端側との間でポット部(P)に対向する姿勢から略下向きに姿勢変更する略円弧軌跡運動を与えることを特徴とする移植機の苗取り出し方法。
  4. 前記苗取り爪(32)の姿勢が略下向きになったときに苗取り爪(32)に昇降運動を与えることを特徴とする請求項2又は3に記載の移植機の苗取り出し方法。
  5. 前記苗爪台(33)に、左右一対の苗取り爪(32)を先端拡縮可能に設け、この左右苗取り爪(32)に先端が嵌合した苗取り補助具(34)を長手方向相対移動自在に設けており、苗取り爪(32)をポット部(P)に進入するときに苗取り補助具(34)を反対方向に移動して前記左右苗取り爪(32)の先端間距離(L)を収縮させることを特徴とする請求項3又は4に記載の移植機の苗取り出し方法。
  6. 前記苗取り爪(32)をポット部(P)に進入するときの先端間距離(L)の収縮を、進入初期よりも進入終期に急激に行わせることを特徴とする請求項5に記載の移植機の苗取り出し方法。
  7. 前記苗取り補助具(34)を苗取り爪(32)の姿勢が略下向きになったときに苗取り爪(32)の先端側へ移動させて、苗取り爪(32)が取り出した苗(N)を苗取り爪(32)から放出させることを特徴とする請求項5又は6に記載の移植機の苗取り出し方法。
  8. 苗取り爪(32)を取り付けた苗爪台(33)と、この苗爪台(33)を苗トレイ(T)のポット部(P)に略対向する方向に略楕円軌跡(D)を描きながら往復運動をさせかつその略楕円軌跡運動の一端下側で苗取り爪(32)をポット部(P)に進入させた後に一端上側で苗取り爪(32)をポット部(P)から後退させて苗(N)を取り出させる往復動手段(36)とを有することを特徴とする移植機の苗取り出し装置。
  9. 苗取り爪(32)を取り付けた苗爪台(33)と、この苗爪台(33)を苗トレイ(T)のポット部(P)に略対向する方向に略楕円軌跡(D)を描きながら往復運動をさせかつその略楕円軌跡(D)の一端下側で苗取り爪(32)をポット部(P)に進入させた後に一端上側で苗取り爪(32)をポット部(P)から後退させて苗(N)を取り出させる往復動手段(36)と、前記苗取り爪(32)がポット部(P)の外側から前記略楕円軌跡(D)の他端側との間にあるときに、苗取り爪(32)の姿勢をポット部(P)に対向する姿勢から略下向きに姿勢変更する略円弧軌跡運動をさせる姿勢変更手段(37)とを有することを特徴とする移植機の苗取り出し装置。
  10. 前記苗取り爪(32)の姿勢が略下向きになったときに苗取り爪(32)に昇降運動を与える姿勢制御手段(38)を有することを特徴とする請求項9に記載の移植機の苗取り出し装置。
  11. 前記苗爪台(33)に、左右一対の苗取り爪(32)の基部を枢支して先端拡縮可能に設け、この左右苗取り爪(32)に先端が嵌合した苗取り補助具(34)を長手方向相対移動自在に設け、この苗取り補助具(34)と苗爪台(33)との間に苗取り爪(32)をポット部(P)に進入するときに苗取り補助具(34)を反対方向に移動して前記左右苗取り爪(32)の先端間距離(L)を収縮させる補助具作動手段(39)を設けていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の移植機の苗取り出し装置。
  12. 前記補助具作動手段(39)は、揺動運動で苗取り補助具(34)を直線移動させる揺動アーム(40)と、この揺動アーム(40)を揺動させるカム体(41)とを有し、前記カム体(41)は苗取り爪(32)をポット部(P)に進入するときの苗取り補助具(34)の移動速度を、進入初期よりも進入終期に急激に行わせる急速揺動カム面(41a)を有することを特徴とする請求項11に記載の移植機の苗取り出し装置。
  13. 前記往復動手段(36)は、太陽歯車(42)を有する太陽軸(43)と、この太陽軸(43)に回転可能に支持されかつアイドラ歯車(44)及び遊星歯車(45)を支持しているギヤケース(47)と、遊星歯車(45)を支持する遊星軸(46)に基部が装着されかつ先端に爪支軸(61)を介して苗爪台(33)を回転自在に支持した回動アーム(48)とを有し、前記太陽歯車(42)から遊星歯車(45)までの中心間距離(K1)と遊星歯車(45)から爪支軸(61)までの中心間距離(K2)とを異ならせていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の移植機の苗取り出し装置。
  14. 前記姿勢変更手段(37)は、苗爪台(33)に装着されている連動部材(49)と、苗爪台(33)が前記略楕円軌跡運動を行うときに連動部材(49)と係合してその移動を案内する略円弧形状のカム面(50A)を有するカム部材(50)とを有することを特徴とする請求項9又は10に記載の移植機の苗取り出し装置。
  15. 前記姿勢変更手段(37)は、苗爪台(33)に装着されている連動部材(49)と、苗爪台(33)が前記略楕円軌跡運動を行うときに連動部材(49)と係合してその移動を略円弧方向に案内する揺動部材(51)とを有することを特徴とする請求項9又は10に記載の移植機の苗取り出し装置。
  16. 前記姿勢変更手段(37)は、苗爪台(33)に装着されている連動部材(49)と、苗爪台(33)が前記略楕円軌跡運動を行うときに連動部材(49)と係合してその移動を略円弧方向に案内する揺動部材(51)とを有し、前記姿勢制御手段(38)は、揺動部材(51)の揺動支点を支持しかつ苗取り爪(32)の姿勢が略下向きになったときに苗爪台(33)を僅かに上昇させる支点揺動体(52)と、この支点揺動体(52)を往復動手段(36)からの動力で揺動させる作動部材(53)とを有することを特徴とする請求項10に記載の移植機の苗取り出し装置。
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