JP3892767B2 - 定着用アンカー、定着用アンカーの製造方法、及びコンクリート構造物の補修補強方法 - Google Patents

定着用アンカー、定着用アンカーの製造方法、及びコンクリート構造物の補修補強方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、取り扱いが容易で、施工性が良い定着用アンカーの製造方法及びコンクリート構造物の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、定着用アンカー1と繊維シート9を用いた補修補強方法は、図8に示すように、耐震設計や耐久性の観点から、設計耐力の増加が必要となった既設のコンクリート構造物10に対して、雑壁や腰壁で囲まれた柱11の補強、上面を床12やスラブで覆われた梁13のせん断補強、柱11及び梁13で4辺を囲まれた壁14の面内せん断補強、曲げ部材や引張部材の引張補強等に利用されている。
ここで用いられる定着用アンカー1は、12,000〜24,000本程度の繊維の素線4に、サイジング剤と呼ばれるコーティング樹脂を用いて束ねて、2〜3mm程度の径を有する束に形成された繊維ストランド6を、前記繊維シート9の繊維量に合わせて、所定の配置ピッチ及び所定の繊維量を備えるように、現場において必要本数束ねることにより製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、該定着用アンカー1は、現場での製造に際して設計仕様に応じた繊維ストランド6の数量計測が必要であるとともに、繊維シート9との定着部となる端部に扇形状8を形成する際にも、安定した引張抵抗機能を確保することを目的に、扇の広がりや繊維ストランド6の直線的配行、扇先端での重ね代等、所要の状態に品質を確保する必要があり、現場にて行われる作業が繁雑で熟練の技能を有する。
【0004】
また、該定着用アンカー1に対して、繊維シート9に定着させることを目的に用いる含浸接着樹脂を含浸させる場合にも、繊維ストランド6を構成する素線4が含浸接着樹脂を含んで膨潤し、繊維ストランド6としてのまとまりを失う場合が多く、これにより、素線4の折り返しやねじれ、ゆるみを生じて、定着用アンカー1自身の引張抵抗機能を低下させることが一般に知られている。
【0005】
さらに、コンクリート構造物10の補修補強作業は、広い施工範囲での屋外高所作業となる場合が多いため、作業環境によることなく、また熟練者を必要としない簡易で施工性の良い定着用アンカー1及び補修補強方法が求められている。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、取り扱いが容易で、施工性が良い定着用アンカー、定着用アンカーの製造方法、及びコンクリート構造物の補修補強方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の定着用アンカーは、コンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーであって、複数の繊維の素線を束ねた繊維ストランドと、該繊維ストランドを拘束するストランド束ね材と、前記繊維ストランドを連結する連結糸とにより構成され、前記繊維ストランドを所定の長さに束ねて形成された束体の、他方の端部から中間部近傍の所定位置までは、前記ストランド束ね材が1から数カ所もしくは埋め込み部全域に巻き付けられるもしくは縫い込まれて、棒状の埋込みアンカー部が成形されるとともに、前記束体の中間部近傍の所定位置を要部として一方の端部に扇形状が成形されるように、隣り合う繊維ストランドが均等に扇形状もしくは放射状に離間配置されて、隣り合う該繊維ストランドの離間距離を保持するように、前記連結糸が繊維ストランドに交差する方向に、複数箇所で縫い込まれて扇状アンカー部が成形されることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の定着用アンカーは、前記束体の他方の端部から中間部近傍の所定位置までは、ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材が用いられて棒状の埋込みアンカー部が成形されることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の定着用アンカーは、前記繊維ストランドには、素線を直線上に保持する素線束ね糸が巻き付けられることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の定着用アンカーは、コンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーであって、複数の繊維の素線を束ねた繊維ストランドと、該繊維ストランドを拘束するストランド束ね材と、前記繊維ストランドを連結する連結糸とにより構成され、前記繊維ストランドを所定の長さに束ねて形成された束体の、中間近傍の所定位置の表面には、ストランド束ね材が巻き付けられて繊維ストランドが拘束されており、前記束体の中間部近傍の所定位置を要部として両端部各々に扇形状が形成されるように、隣り合う繊維ストランドが均等に扇形状もしくは放射状に離間配置されて、隣り合う該繊維ストランドの離間距離を保持するように、前記連結糸が繊維ストランドに交差する方向に、複数箇所で縫い込まれて、両端部各々に扇アンカー部が成形されることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の定着用アンカーは、前記束体の中間近傍の所定位置には、ストランド束ね材に代わり剥離可能な仮止材が巻き付けられることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の定着用アンカーは、前記繊維ストランドには、素線を直線上に保持する素線束ね糸が巻き付けられることを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の定着用アンカーの製造方法は、一方の端部に扇アンカー部、他方の端部に埋込みアンカー部を有するコンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーの製造方法であって、繊維の素線を複数本束ねた繊維ストランドの表面に、素線を直線状に保持する素線束ね糸を巻き付ける第1の工程と、前記繊維ストランドを折り返し配置して束ねた束体の一方の端部に扇アンカー部、他方の端部に埋込みアンカー部を成形するために、埋込みアンカー部では、前記束体の他方の端部から中間部近傍の所定位置までを保持手段を介して束ねられた状態を保持し、扇アンカー部では、前記束体の中間部近傍の所定位置を扇の要部として、束体の一方の端部を先端とした扇形状を形成するように、隣り合う繊維ストランドを伸張させた状態で均等に離間配置する第2の工程と、埋込みアンカー部では 前記束体の他方の端部の前記繊維ストランドを拘束するようにその表面に、1から数カ所もしくは埋め込み部全域にストランド束ね材を巻き付けるもしくは縫い込み、扇アンカー部では、前記束体の一方の端部で扇形状に離間配置された隣り合う繊維ストランドの離間距離を保持するように、連結糸を前記繊維ストランドと交差する方向で、数カ所に縫い込み扇状アンカー部を成形する第3の工程により製造されることを特徴としている。
【0014】
請求項8記載の定着用アンカーの製造方法は、第3の工程において、埋込みアンカー部では ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材を巻き付けることを特徴としている。
【0015】
請求項9記載の定着用アンカーの製造方法は、両端部に扇アンカー部を有するコンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーの製造方法において、繊維の素線を複数本束ねた繊維ストランドの表面に、素線を直線上に保持する素線束ね糸を巻き付ける第1の工程と、前記繊維ストランドを束ねた束体の中間部近傍の所定位置を要部とし、前記束体の両端部各々に扇形状を形成するように、隣り合う繊維ストランドを伸張させた状態で均等に離間配置する第2の工程と、前記束体の中間部近傍の所定位置に、ストランド束ね材を巻き付け、前記束体の両端部各々に扇形状を形成する隣り合う繊維ストランドの離間距離を保持するように、連結糸を繊維ストランドと交差する方向で、数カ所に縫い込み扇状アンカー部を成形する第3の工程により製造されることを特徴としている。
【0016】
請求項10記載の定着用アンカーの製造方法は、第3の工程において、束体の中間部近傍の所定位置に、ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材を巻き付けることを特徴としている。
【0017】
請求項11記載のコンクリート構造物の補修補強方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の定着用アンカーを用いたコンクリート構造物の補修補強方法であって、一方のコンクリート部材における他方のコンクリート部材との取り合い部の所望位置に定着孔を設け、該定着孔内を清掃して、充填接着材を孔内に充填する第1の工程と、前記定着用アンカーの埋込みアンカー部及び扇状アンカー部の要部近傍に、含浸接着樹脂を含浸させる第2の工程と、前記埋込みアンカー部を定着孔に挿入し、前記充填接着材の粘性に応じて孔口を漏止材で塞ぐ第3の工程と、あらかじめ前記他方のコンクリート部材に貼付された繊維シートの所定領域に含浸接着樹脂を塗布した後、該所定領域に前記定着用アンカーの扇状アンカー部を配置し、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を塗布、含浸接着させて、前記繊維シートに定着させる第4の工程よりなることを特徴としている。
【0018】
請求項12記載のコンクリート構造物の補修補強方法は、第2の工程で、前記定着用アンカーの埋込みアンカー部の先端には、余長分を有する結束線を巻き付け、一方の辺が前記定着孔の深さと同一の長さに形成されたL型部材を用いて、該L部材の一方の辺の端部に結束線の端部を挿入しておくとともに、第3の工程で、前記L部材の一方の辺と前記定着用アンカーの埋込みアンカー部の両者を、前記定着孔に挿入し、第4の工程で、前記L部材の他方の辺を前記一方のコンクリート部材に押圧しながら、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を塗布することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の定着用アンカーについて、図1から図7を用いて詳述する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、定着用アンカー1は、その適用方法に応じて定着型(図1(a)参照)、及び貫通型(図1(b)参照)の2通りに成形されて用いられている。第1の実施の形態では、定着型の定着用アンカー1について詳述する。
図1(a)に示すように、一方の端部には扇形状の扇状アンカー部2、他方の端部には棒状の埋込みアンカー部3が形成された定着型の定着用アンカー1は、繊維ストランド6を束ねた束体8と、連結糸18と、ストランド束ね材7により構成されている。
前記繊維ストランド6は、12000本あるいは24000本の炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の繊維の素線4を、微量のサイジング剤を用いて束状にまとめた上で、素線束ね糸5を巻き付けたものである。ここで用いる前記素線束ね糸5は、繊維の素線4に用いるサイジング剤の量を減らすとともに、繊維の素線4の束を直線上に維持した状態でばらけにくくし、さらに後に繊維シート9に固着する際に用いる定着用の含浸接着樹脂17を含浸させた場合においても、素線4の膨潤を抑える機能を有するものである。
なお、該繊維の素線4の束に巻き付けた素線束ね糸5は、その材質にこだわるものではなく、前記繊維ストランド6の柔軟性や接着性、樹脂含浸性が損なわれないものであれば、何れの材質を用いてもよい。また、該繊維の素線4の束に巻き付けた素線束ね糸5は、その本数にこだわるものではなく、適宜その本数を決定すればよい。
【0021】
また、連結糸18は、定着用アンカー1の一方の端部に設けられた扇状アンカー部2の扇形状を保持するために、隣り合う繊維ストランド6を連結する連結手段として用いられるもので、細い糸状のものであれば、何れの材料を用いても良く、例えば前記素線束ね糸5を用いても良い。
一方、定着用アンカー1に備えられた前記ストランド束ね材7は、前記繊維ストランド6を所定の長さに束ねて束体8を形成するために用いられるもので、その材質にこだわるものではなく、繊維ストランド6の束をばらけることなく保持できるとともに、含浸接着樹脂17を浸透するものであれば、糸または布等を用いて複数箇所を束ねる等何れを用いてもよい。また、定着用アンカーの運搬、保管において形状を保持し、現場で樹脂含浸させる直前に取り除くのであれば、セロハン紙や紙テープあるいはビニール被覆針金等の仮止材を用いても良い。
【0022】
上述する定着用アンカー1は、例えば、図2(a)に示すように、壁14を補強したい場合に壁14と柱11や梁13との取り合い部に用いられるもので、壁14に繊維シート9が貼付されるとともに、前記梁13の下面に定着孔16が設けられて、定着用アンカー1の扇状アンカー部2が該繊維シート9に固着されるとともに、埋込みアンカー部3が該定着孔16に固定されるものである。
【0023】
このように、前記繊維シート9に固着される扇状アンカー部2は、図1(a)に示すように、前記束体8における埋込みアンカー部3との境界部を扇形状の要部2cとして、所望の扇形状を成形するように、隣り合う繊維ストランド6を所定の間隔をもって離間配置したもので、扇状アンカー部2の先端部2aには、所望の扇形状を保持するように繊維ストランド6と交差する方向に連結糸18が縫い込まれている。同様に、定着部2bも、所定の離間距離を持って、複数の連結糸18が繊維ストランド6と交差する方向に縫い込まれている。
一方、前記定着孔16に固定される埋込みアンカー部3は、繊維ストランド6を束ねた状態で、前記ストランド束ね材7が巻き付けられている。なお、本実施の形態では、その先端部3aに余裕長を有する焼鈍線等の結束線22が巻き付けられている。
【0024】
上述する定着型の定着用アンカー1の製造方法を以下に示す。なお、該定着用アンカー1の製造は、工場等にてあらかじめ製造されるものである。
(第1の工程)
繊維の素線4を、所定の本数束ねた上で素線束ね糸5を巻き付け、繊維ストランド6を製造する。該繊維ストランド6は、後に折り返し配置して束ねられて、束体8となり、一方の端部8aに扇アンカー部2、他方の端部8bに埋込みアンカー部3を形成するものである。
次に、製造後の定着用アンカー1の部材長が、図1(a)に示すように扇状アンカー部2には、前記繊維シート9に定着する定着部2bに必要な定着長Lに加え、扇形状の先端部2aに余裕シロの長さLを確保するとともに、埋込みアンカー部3には、前記定着孔16に固定される固定部3bに必要な定着長Lに加え、扇状アンカー部2との取り合い部に余裕シロ3cの長さLを確保できるように、図3(a)に示すように、あらかじめ板材20に、後に埋込みアンカー部3の先端部に位置する他方の端部8b、扇アンカー部2の要部2cに位置する中間部近傍の所定位置8c、扇アンカー部2の先端部2aに位置する一方の端部8a各々に束端ピン21a、要ピン21b、扇先端ピン21cを打ち込んでおく。
なお、扇アンカー部2の先端部に位置する扇先端ピン21cは、見かけ上繊維ストランド6が束となる必要本数の1/2の数量を配置しておけば良く、また、隣り合う扇先端ピン21cは、所要の間隔をもって均等に離間配置しておく。
【0025】
(第2の工程)
図3(b)に示すように、前記板材20に打ち込まれた束端ピン21a、要ピン21b、扇先端ピン21cをガイドとして、一方の端部8aに位置する扇先端ピン21c、中間部近傍の所定位置8cに位置する要ピン21b、他方の端部8bに位置する束端ピン21a、中間部近傍の所定位置8cに位置する要ピン21b、一方の端部8aに位置する扇先端ピン21cの順に、繊維ストランド6を折り返し配置していき、繊維ストランド6による束体8の他方の端部8bに埋込みアンカー部3、一方の端部8aに扇状アンカー部2が形成されるように、必要回数繰り返す。これにより、1本の繊維ストランド6が連続しているものの、見かけ上は必要本数の繊維ストランド6を束ねた束体8が形成される。なお、繊維ストランド6を折り返し配置は、一方の端部8aに位置する扇先端ピン21cで始まり、一方の端部8aに位置する扇先端ピン21cで終了するように形成する。
【0026】
(第3の工程)
次に、前記束体8の他方の端部8bから中間部近傍の所定位置8cに、前記ストランド束ね材7を巻き付ける。これにより、該ストランド束ね材7を巻き付けられた束体8の他方の端部8bから中間部近傍の所定位置8cには、埋込みアンカー部3が形成され、その長さは、埋込みアンカー部3の固定部3bに必要な定着長L及び余裕シロ3cに必要な長さLを足しあわせた長さとなる。なお、ストランド束ね材7は、前記束体8の他方の端部8bから中間部近傍の所定位置8cに対して1から数カ所、もしくは全体に配置する等、何れに配置しても良く、さらには巻き付けるのみでなく縫い込む等、前記束体8の他方の端部8bから中間部近傍の所定位置8cを一体に形成できるものであれば何れの配置や方法を用いても良い。
また、扇先端ピン21cの固定により扇形状が維持されている束体8の一方の端部8aから中間部近傍の所定位置8cの範囲の隣り合う繊維ストランド6に対して、これらを連結するように、所定の間隔をもって繊維ストランド6と交差する方向に複数の連結糸18を縫い込む。なお、少なくとも束体8の一方の端部8aには、必ず連結糸18が縫い込まれる構成とし、その配置間隔や数量は、適宜決定して良い。これにより、束体8の一方の端部8aから中間部近傍の所定位置8cには、扇状アンカー部2が形成され、その長さは、扇状アンカー部2の定着部2bに必要な定着長L及び先端部2aに余裕シロとして必要な長さLを足しあわせた長さが確保されている。
【0027】
上述する工程により、束体8の他方の端部8bから中間部近傍の所定位置8cには埋込みアンカー部3、中間部近傍の所定位置8cから一方の端部8aには扇状アンカー部2が備えられた定着用アンカー1が形成される。なお、図3(c)に示すように、扇状アンカー部2の先端部2aには、扇形状を保持することを目的に、繊維ストランド6に対して交差するように、帯状に成形された不織布19を重ねて配置し、繊維ストランド6と併せて連結糸18を用いて縫い込んでも良い。
また、埋込みアンカー部3には、該定着孔16への挿入を容易とすることを目的に、先端部3aに余長分を残して焼鈍線等の結束線22を結束する。
【0028】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態では、貫通型の定着用アンカー1について詳述する。
貫通型の定着用アンカー1は、図1(b)に示すように、第1の実施の形態で詳述したものと同様に成形された繊維ストランド6を所定の長さに束ねた束体8に対して、中間部近傍の所定位置8cにストランド束ね材7が巻き付けられて、中間部近傍の所定位置8cを要部2cとして、その両端部が所定の大きさを有する扇形状に成形されて、扇状アンカー部2が形成されたものである。なお、該扇状アンカー部2の構成は、第1の実施の形態で示したものと同様である。
これら貫通型の定着用アンカー1は、図2(b)に示すように、例えば、袖壁15を有する柱11の補修補強に用いられるもので、前記袖壁15の柱11との取り合い部に貫通孔15aを設け、該貫通孔15aに貫通型の定着用アンカー1を貫通させる。
一方で、前記袖壁15から見て柱11の両面に、含浸接着樹脂を用いて繊維シート9を貼り付けておき、定着用アンカー1の両端部に形成された扇状アンカー部2各々を、含浸接着樹脂を介して繊維シート9の端部に、貼り付けるものである。
上述する貫通型の定着用アンカー1の製造方法を以下に示す。なお、該定着用アンカー1の製造は、第1の実施の形態と同様に、工場等であらかじめ製作されるものである。
【0029】
(第1の工程)
第1の実施の形態と同様に、繊維の素線4を、所定の本数束ねた上で素線束ね糸5を巻き付け、繊維ストランド6を製造する。該繊維ストランド6は、後に折り返し配置して束ねられて、束体8となり、一方の端部8a及び他方の端部8bに扇アンカー部2を形成するものである。
次に、製造後の定着用アンカー1の部材長が、図1(b)に示すように、両端部の扇状アンカー部2に、前記繊維シート9に定着する定着部2bに必要な定着長Lに加え、扇形状の先端部2aに余裕シロとしての長さLを確保するとともに、定着用アンカー1が前記袖壁15等の部材に層通されることを考慮し、定着用アンカー1の中間部近傍の所定位置8cに袖壁15等の部材厚と同様の長さLを確保するよう、図4(a)に示すように、あらかじめ板材20に、後に扇アンカー部2の先端部2aに位置する一方の端部8a及び他方の端部8b、扇アンカー部2の要部2cに位置する中間部近傍の所定位置8cの両側部に各々扇先端ピン21c、要ピン21bを打ち込んでおく。
なお、扇アンカー部2の先端部に位置する扇先端ピン21cは、見かけ上繊維ストランド6が束となる必要本数の1/2の数量を配置しておけば良く、また、隣り合う扇先端ピン21cは、所定の間隔をもって均等に離間配置しておく。
【0030】
(第2の工程)
図4(b)に示すように、前記板材20に打ち込まれた扇先端ピン21c、要ピン21bをガイドとして、一方の端部8aに位置する扇先端ピン21c、中間部近傍の所定位置8cの両側部に位置する要ピン21b、21b、他方の端部8bに位置する扇先端ピン21c、中間部近傍の所定位置8cの両側部に位置する要ピン21b、21b、一方の端部8aに位置する扇先端ピン21c、中間部近傍の所定位置8cの両側部に位置する要ピン21b、21b、の順に、繊維ストランド6を折り返し配置していき、1本の前記繊維ストランド6が束ねられた束体8の両方の端部8a、8bに扇状アンカー部2が形成されるように、これを必要回数繰り返す。これにより、1本の繊維ストランド6が連続しているものの、見かけ上は必要本数の繊維ストランド6を束ねた束体8が形成される。なお、繊維ストランド6を折り返し配置は、一方の端部8aもしくは他方の端部8bに位置する扇先端ピン21cで始まり、一方の端部8aもしくは他方の端部8bに位置する扇先端ピン21cで終了するように形成する。
【0031】
(第3の工程)
次に、図4(b)に示すように、該束体8の中間部近傍の所定位置8cを中心とする近傍に前記ストランド束ね材7を巻き付ける。その巻き付け長さは、部材に層通されることを考慮して設けた長さLとする。なお、ストランド束ね材7は、前記束体8の中間部近傍の所定位置8cを中心とする近傍に対して1から数カ所、もしくは全体に配置する等、何れに配置しても良く、さらには巻き付けるのみでなく縫い込む等、前記束体8のの中間部近傍の所定位置8cを中心とする近傍を一体に形成できるものであれば何れの配置や方法を用いても良い。
また、扇先端ピン21cの固定により扇形状が維持されている束体8の、一方の端部8aから中間部近傍の所定位置8c及び中間部近傍の所定位置8cから他方の端部8b各々の隣り合う繊維ストランド6に対して、これらを連結するように、所定の間隔をもって繊維ストランド6と交差する方向に複数の連結糸18を縫い込む。なお、少なくとも束体8の一方の端部8a及び他方の端部8bの先端には、必ず連結糸18が縫い込まれる構成とし、その配置間隔や数量は、適宜決定して良い。これにより、束体8の一方の端部8aから中間部近傍の所定位置8c及び中間部近傍の所定位置8cから他方の端部8bには、各々扇状アンカー部2が形成され、その長さは、扇状アンカー部2の定着部2bに必要な定着長L及び先端部2aに余裕シロとして必要な長さLを足しあわせた長さが確保される。
【0032】
上述する工程により、束体8の他方の端部8bから中間部近傍の所定位置8c、及び中間部近傍の所定位置8cから一方の端部8aには扇状アンカー部2が備えられた定着用アンカー1が形成される。なお、図4(c)に示すように、扇状アンカー部2の先端部2aには、隣り合う繊維ストランド6に対して交差するように、帯状に成形された不織布19を重ねて配置し、繊維ストランド6と併せて連結糸18を用いて縫い込んでも良い。
【0033】
(第3の実施の形態)
上述する構成の定着用アンカー1を用いたコンクリート構造物10の補強補修方法を以下に示す。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態に示した定着型の定着用アンカー1を用いて、柱11に隣接する壁14を補強する場合を例に取り、詳述する。
【0034】
(第1の工程)
まず、図5(a)に示すように、前記柱11の壁14側の側面で、所望の位置にコンクリートドリル等の穿孔手段を用いて、所定の長さ及び形を有する定着孔16を設ける。該定着孔16の内壁16aを圧縮空気やブラシ等を用いて十分清掃した後、図5(b)に示すように、必要に応じて内壁16aにプライマー26を塗布した上で、図5(c)に示すように、孔口まで充填接着材27を充填し、粘着テープ等の塞ぎ手段25を介して定着孔16を仮塞ぎする。
なお、ここでは充填接着材27に、エポキシ樹脂が用いられるが、ダレやモレの少ない充填接着材であれば、何れを用いても良い。また、プライマー26は、前記充填接着材27と定着孔16の内壁16aとの接着強度を高めること、並びに、コンクリートからの水分の供給を遮断することを目的に用いられるもので、本実施の形態では、エポキシ樹脂に対して効果の高いものを用いている。
【0035】
(第2の工程)
図6(a)に示すように、あらかじめ工場等で製作しておいた第1の実施の形態で示した定着型の定着用アンカー1に対して、埋込みアンカー部3に設けられた結束線22の余長分を絞り捩り、L型部材23の一方の辺23aの端部に挿入する。ここで、該L型部材23は、真鍮パイプ等の中空鋼材をL型形状に折り曲げて形成したもので、一方の辺23aが、前記定着孔16と同様の長さLに成形されている。
この後、図6(b)に示すように、前記定着孔16に埋込みアンカー部3を定着させるために用いられる含浸接着樹脂17が満たされた容器24に、該L型部材23が取り付けられた定着用アンカー1の、埋込みアンカー部3及び扇状アンカー部2の要部2c近傍を差し入れ、含浸接着樹脂17を含浸させる。
【0036】
(第3の工程)
含浸接着樹脂17を含んだ定着用アンカー1の埋込みアンカー部3と、前記L型部材23の一方の辺23aを一体にし、図7(a)に示すように、前記定着孔16に取り付けた塞ぎ手段を取り外して、前記L型部材23の他方の端部23bが柱11の壁14側の側面と接するまで、内方に差し入れる。この後、孔口に硬練りのエポキシ樹脂等の漏止材28を充填し、定着孔16に埋込みアンカー部3を固定する。
なお、前記L型部材23の一方の辺23aが、定着孔16の深さと同じ長さに成形されているため、一方の辺23aとともに定着孔16に挿入される埋込みアンカー部3は、挿入不足等の不具合を回避することができるものである。
また、前記埋込みアンカー部3と、前記L型部材23の一方の辺23aを一体にし、前記定着孔16の内方に差し入れる際に、前記定着孔16が横穴である場合には、L型部材23の一方の辺23aを埋込みアンカー部3の下側に配置した状態で差し入れる。これは、挿入時において、L型部材23の一方の辺23aにブレが生じて空隙ができた場合においても、空隙が重力により充填接着材27に取り込まれて接着の障害を回避できるためである。
【0037】
(第4の工程)
一方、前記壁14には、あらかじめ繊維シート9を貼り付けておき、図7(b)に示すように、該繊維シート9の表面で、後に前記定着用アンカー1の扇状アンカー部2が固着される領域およびその近傍に、含浸接着樹脂17を塗布しておく。図7(c)に示すように、該含浸接着樹脂17が塗布された領域に、定着用アンカー1の扇状アンカー部2を所定の大きさに広げて配置し、前記埋込みアンカー部3と一体となって定着孔16に一方の辺23aを埋設されたL型部材23の、他方の辺23bを柱11の側面に押し当てるようにしながら、扇状アンカー部2の上面にローラー等の塗布手段を介して、含浸接着樹脂17を塗布・含浸接着する。
【0038】
上述する第1から第3の実施の形態に示す構成によれば、前記定着用アンカー1は、あらかじめ工場等において、設計仕様を満足した数量の繊維ストランド6を用いた束体8が形成されることから、従来現場で行われていた繊維ストランド6の巻き取り作業や検品作業を行う必要がないため、施工期間を大幅に短縮することが可能となる。
また、前記定着用アンカー1は、あらかじめ工場等において、設計仕様を満足した大きさの扇状アンカー部2が成形されることから、現場では、扇状アンカー部2に含浸接着樹脂17を含浸させた上で、繊維シート9に固定するのみで良く、扇状アンカー部2を構成する繊維ストランド6の引き延ばし、扇形状の確保等の作業が省略できるため、定着用アンカー1の取り扱いが簡便であるとともに、施工者によるバラツキを減少でき、品質管理も容易に行うことが可能となる。
前記定着用アンカー1は、繊維の素線4の束に素線束ね糸5を巻き付けた繊維ストランド6が用いられることから、繊維の素線4が直線を維持しやすくばらけにくいとともに、含浸接着樹脂17を含浸させた場合においても、素線4の膨潤を抑えることが可能となる。
【0039】
前記定着用アンカー1の扇状アンカー部2は、繊維の素線4の束に素線束ね糸5を巻き付けて形成された繊維ストランド6を、緊張した状態で所定の離間距離に離間配置し、これらの状態を保持するように複数の連結糸18が繊維ストランド6と交差する方向に、複数箇所で縫い込まれることから、繊維の素線4及び繊維ストランド6を常に直線上に保持できるため、引張抵抗力を余すことなく発揮することが可能となる。
また、従来の定着用アンカー1では、繊維ストランド6に折れや曲がりが生じることを想定し、その数量に大きな安全率を設けて製作している。しかし、このような大きい安全率を設けた定着用アンカー1を本発明の製作方法で製作すると、折れや曲がりが生じる繊維ストランド6の数量が大幅に減少することから、定着アンカー1の強度を大幅に増強することが可能となる。
すなわち、所望の定着強度を有する定着アンカー1を製造する際に、繊維ストランド6の数量に用いる安全率を小さくすることが可能であるため、工費を大幅に削減することが可能となる。
【0040】
コンクリート構造物10の補修補強方法において、定着型の前記定着用アンカー1では、先に埋込みアンカー部3に含浸接着樹脂17を含浸させて前記定着孔16に固定するとともに、扇状アンカー部2は、繊維シート9に固定する際に、含浸接着樹脂17を含浸させる工程としたため、埋込みアンカー部3、及び扇状アンカー部2各々の施工性を向上することができ、施工精度を向上することが可能になるととも、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
また、先に埋込みアンカー部3に含浸接着樹脂17を含浸させる際に、扇状アンカー部2の要部2c近傍も併せて含浸接着樹脂17を含浸させることから、埋込みアンカー部3と扇状アンカー部2との境界部にも、確実に含浸接着樹脂17が含浸され、定着強度の安定性を向上させることが可能となる。
【0041】
コンクリート構造物10の補修補強方法において、前記定着用アンカー1の埋込みアンカー部3を定着孔16に挿入する際に、前記定着孔16の深さと同様に形成されている一方の辺23aを有するL型部材23を用いており、埋込みアンカー部3の先端部に取り付けた結束線22の余長部に、L型部材23の一方の辺23aを取り付け、両者を一体にして前記定着孔16に挿入することから、定着孔16への挿入をスムーズに行うことができるとともに、埋込みアンカー部3の埋込み深さを確認することができ、精度を保証できるとともに、施工性を大幅に向上することが可能となる。また、L型部材23の一方の辺23bを柱11に押しつけながら、扇状アンカー部の含浸接着樹脂の塗布作業が行えるため、定着用アンカー1の抜けだしを防止することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1、2記載の定着用アンカーによれば、コンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーであって、複数の繊維の素線を束ねた繊維ストランドと、該繊維ストランドを拘束するストランド束ね材と、前記繊維ストランドを連結する連結糸とにより構成され、前記繊維ストランドを所定の長さに束ねて形成された束体の、他方の端部から中間部近傍の所定位置までは、前記ストランド束ね材が1から数カ所もしくは埋め込み部全域に巻き付けられるもしくは縫い込まれて、棒状の埋込みアンカー部が成形されるとともに、前記束体の中間部近傍の所定位置を要部として一方の端部に扇形状が成形されるように、隣り合う繊維ストランドが均等に扇形状もしくは放射状に離間配置されて、隣り合う該繊維ストランドの離間距離を保持するように、前記連結糸が繊維ストランドに交差する方向に、複数箇所で縫い込まれて扇状アンカー部が成形される。もしくは、前記束体の他方の端部から中間部近傍の所定位置までは、ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材が用いられて棒状の埋込みアンカー部が成形されることから、前記定着用アンカーの扇状アンカー部は、繊維の素線の束に素線束ね糸を巻き付けて形成された繊維ストランドを、緊張した状態で所定の離間距離に離間配置し、これらの状態を保持するように複数の連結糸が繊維ストランドと交差する方向に、複数箇所で縫い込まれることから、繊維の素線及び繊維ストランドを常に直線上に保持できるため、引張抵抗力を容易に保持することが可能となる。
また、従来の定着用アンカーでは、繊維ストランドに折れや曲がりが生じることを想定し、その数量に大きな安全率を設けて製作している。しかし、このような大きい安全率を設けた定着用アンカーを本発明の製作方法で製作すると、折れや曲がりが生じる繊維ストランドの数量が大幅に減少することから、定着アンカーの強度を大幅に増強することが可能となる。すなわち、所望の定着強度を有する定着アンカーを製造する際に、繊維ストランドの数量に用いる安全率を小さくすることが可能であるため、工費を大幅に削減することが可能となる。
【0043】
請求項3記載の定着用アンカーによれば、前記繊維ストランドには、素線を直線上に保持する素線束ね糸が巻き付けられることから、繊維の素線が直線を維持しやすくばらけにくいとともに、含浸接着樹脂を含浸させた場合においても、素線の膨潤を抑えることが可能となる。
【0044】
請求項4、5記載の定着用アンカーによれば、コンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーであって、複数の繊維の素線を束ねた繊維ストランドと、該繊維ストランドを拘束するストランド束ね材と、前記繊維ストランドを連結する連結糸とにより構成され、前記繊維ストランドを所定の長さに束ねて形成された束体の、中間近傍の所定位置の表面には、ストランド束ね材が巻き付けられて繊維ストランドが拘束されており、前記束体の中間部近傍の所定位置を要部として両端部各々に扇形状が形成されるように、隣り合う繊維ストランドが均等に扇形状もしくは放射状に離間配置されて、隣り合う該繊維ストランドの離間距離を保持するように、前記連結糸が繊維ストランドに交差する方向に、複数箇所で縫い込まれて、両端部各々に扇アンカー部が成形される。もしくは、前記束体の中間近傍の所定位置には、ストランド束ね材に代わり剥離可能な仮止材が巻き付けられることから、繊維の素線及び繊維ストランドを常に直線上に保持できるため、引張抵抗力を容易に保持することが可能となる。
また、従来の定着用アンカーでは、繊維ストランドに折れや曲がりが生じることを想定し、その数量に大きな安全率を設けて製作している。しかし、このような大きい安全率を設けた定着用アンカーを本発明の製作方法で製作すると、折れや曲がりが生じる繊維ストランドの数量が大幅に減少することから、定着アンカーの強度を大幅に増強することが可能となる。すなわち、所望の定着強度を有する定着アンカーを製造する際に、繊維ストランドの数量に用いる安全率を小さくすることが可能であるため、工費を大幅に削減することが可能となる。
【0045】
請求項6記載の定着用アンカーによれば、前記繊維ストランドには、素線を直線上に保持する素線束ね糸が巻き付けられることから、繊維の素線が直線を維持しやすくばらけにくいとともに、含浸接着樹脂を含浸させた場合においても、素線の膨潤を抑えることが可能となる。
【0046】
請求項7、8記載の定着用アンカーの製造方法によれば、一方の端部に扇アンカー部、他方の端部に埋込みアンカー部を有するコンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーの製造方法であって、繊維の素線を複数本束ねた繊維ストランドの表面に、素線を直線状に保持する素線束ね糸を巻き付ける第1の工程と、前記繊維ストランドを折り返し配置して束ねた束体の一方の端部に扇アンカー部、他方の端部に埋込みアンカー部を成形するために、埋込みアンカー部では、前記束体の他方の端部から中間部近傍の所定位置までを保持手段を介して束ねられた状態を保持し、扇アンカー部では、前記束体の中間部近傍の所定位置を扇の要部として、束体の一方の端部を先端とした扇形状を形成するように、隣り合う繊維ストランドを伸張させた状態で均等に離間配置する第2の工程と、埋込みアンカー部では 前記束体の他方の端部の前記繊維ストランドを拘束するようにその表面に、1から数カ所もしくは埋め込み部全域にストランド束ね材を巻き付けるもしくは縫い込み、扇アンカー部では、前記束体の一方の端部で扇形状に離間配置された隣り合う繊維ストランドの離間距離を保持するように、連結糸を前記繊維ストランドと交差する方向で、数カ所に縫い込み扇状アンカー部を成形する第3の工程により製造される。もしくは、第3の工程において、埋込みアンカー部では ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材を巻き付ける。
【0047】
また、請求項9、10記載の定着用アンカーの製造方法によれば、両端部に扇アンカー部を有するコンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーの製造方法において、繊維の素線を複数本束ねた繊維ストランドの表面に、素線を直線上に保持する素線束ね糸を巻き付ける第1の工程と、前記繊維ストランドを束ねた束体の中間部近傍の所定位置を要部とし、前記束体の両端部各々に扇形状を形成するように、隣り合う繊維ストランドを伸張させた状態で均等に離間配置する第2の工程と、前記束体の中間部近傍の所定位置に、ストランド束ね材を巻き付け、前記束体の両端部各々に扇形状を形成する隣り合う繊維ストランドの離間距離を保持するように、連結糸を繊維ストランドと交差する方向で、数カ所に縫い込み扇状アンカー部を成形する第3の工程により製造される。もしくは、第3の工程において、束体の中間部近傍の所定位置に、ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材を巻き付ける。
これにより、前記定着用アンカーは、あらかじめ工場等において、設計仕様を満足した数量の繊維ストランドを用いた束体が形成されることから、従来現場で行われていた繊維ストランドの巻き取り作業や検品作業を行う必要がないため、施工期間を大幅に短縮することが可能となる。
また、前記定着用アンカーは、あらかじめ工場等において、設計仕様を満足した大きさの扇状アンカー部が成形されることから、現場では、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を含浸させた上で、繊維シートに固定するのみで良く、扇状アンカー部を構成する繊維ストランドの引き延ばし、扇形状の確保等の作業が省略できるため、定着用アンカーの取り扱いが簡便であるとともに、施工者によるバラツキを減少でき、品質管理も容易に行うことが可能となる。
【0048】
請求項11記載のコンクリート構造物の補修補強方法によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の定着用アンカーを用いたコンクリート構造物の補修補強方法であって、一方のコンクリート部材における他方のコンクリート部材との取り合い部の所望位置に定着孔を設け、該定着孔内を清掃して、充填接着材を孔内に充填する第1の工程と、前記定着用アンカーの埋込みアンカー部及び扇状アンカー部の要部近傍に、含浸接着樹脂を含浸させる第2の工程と、前記埋込みアンカー部を定着孔に挿入し、前記充填接着材の粘性に応じて孔口を漏止材で塞ぐ第3の工程と、あらかじめ前記他方のコンクリート部材に貼付された繊維シートの所定領域に含浸接着樹脂を塗布した後、該所定領域に前記定着用アンカーの扇状アンカー部を配置し、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を塗布、含浸接着させて、前記繊維シートに定着させる第4の工程よりなることから、埋込みアンカー部、及び扇状アンカー部各々の施工性を向上することができ、施工精度を向上することが可能になるととも、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
【0049】
請求項12記載のコンクリート構造物の補修補強方法によれば、第2の工程で、前記定着用アンカーの埋込みアンカー部の先端には、余長分を有する結束線を巻き付け、一方の辺が前記定着孔の深さと同一の長さに形成されたL型部材を用いて、該L部材の一方の辺の端部に結束線の端部を挿入しておくとともに、第3の工程で、前記L部材の一方の辺と前記定着用アンカーの埋込みアンカー部の両者を、前記定着孔に挿入し、第4の工程で、前記L部材の他方の辺を前記一方のコンクリート部材に押圧しながら、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を塗布することから、定着孔への挿入をスムーズに行うことができるとともに、埋込みアンカー部の埋込み深さを確認することができ、精度を保証できるとともに、施工性を大幅に向上することが可能となる。また、L型部材の他方の辺をコンクリート部材に押しつけながら、扇状アンカー部の含浸接着樹脂の塗布作業が行えるため、定着用アンカーの抜けだしを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る定着用アンカーを示す図である。
【図2】 本発明に係る定着用アンカーの適用例を示す図である。
【図3】 本発明に係る第1の実施の形態の定着用アンカーの製造方法を示す図である。
【図4】 本発明に係る第1の実施の形態の定着用アンカーの製造方法を示す図である。
【図5】 本発明に係るコンクリート構造物の補修補強方法(その1)を示す図である。
【図6】 本発明に係るコンクリート構造物の補修補強方法(その2)を示す図である。
【図7】 本発明に係るコンクリート構造物の補修補強方法(その3)を示す図である。
【図8】 従来の定着用アンカーを示す図である。
【符号の説明】
1 定着用アンカー
1a 中間部近傍の所定位置
2 扇状アンカー部
2a 先端部
2b 定着部
2c 要部
3 埋込みアンカー部
3a 先端部
3b 固定部
3c 余裕シロ
4 素線
5 素線束ね糸
6 繊維ストランド
7 ストランド束ね材
8 束体
8a 一方の端部
8b 他方の端部
8c 中間部の所定位置
9 繊維シート
10 コンクリート構造物
11 柱
12 床
13 梁
14 壁
15 袖壁
15a 貫通孔
16 定着孔
17 含浸接着樹脂
18 連結糸
19 不織布
20 板材
21a 束端ピン
21b 要ピン
21c 扇先端ピン
22 結束線
23 L型部材
23a 一方の辺
23b 他方の辺
24 容器
25 塞ぎ手段
26 プライマー
27 充填接着材
28 漏止材

Claims (12)

  1. コンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーであって、
    複数の繊維の素線を束ねた繊維ストランドと、
    該繊維ストランドを拘束するストランド束ね材と、
    前記繊維ストランドを連結する連結糸とにより構成され、
    前記繊維ストランドを所定の長さに束ねて形成された束体の、他方の端部から中間部近傍の所定位置までは、前記ストランド束ね材が1から数カ所もしくは埋め込み部全域に巻き付けられるもしくは縫い込まれて、棒状の埋込みアンカー部が成形されるとともに、
    前記束体の中間部近傍の所定位置を要部として一方の端部に扇形状が成形されるように、隣り合う繊維ストランドが均等に扇形状もしくは放射状に離間配置されて、隣り合う該繊維ストランドの離間距離を保持するように、前記連結糸が繊維ストランドに交差する方向に、複数箇所で縫い込まれて扇状アンカー部が成形されることを特徴とする定着用アンカー。
  2. 請求項1に記載の定着用アンカーにおいて、
    前記束体の他方の端部から中間部近傍の所定位置までは、ストランド束ね材 に代わり、剥離可能な仮止材が用いられて棒状の埋込みアンカー部が成形されることを特徴とする定着用アンカー。
  3. 請求項1または2に記載の定着用アンカーにおいて、
    前記繊維ストランドには、素線を直線上に保持する素線束ね糸が巻き付けられることを特徴とする定着用アンカー。
  4. コンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーであって、
    複数の繊維の素線を束ねた繊維ストランドと、
    該繊維ストランドを拘束するストランド束ね材と、
    前記繊維ストランドを連結する連結糸とにより構成され、
    前記繊維ストランドを所定の長さに束ねて形成された束体の、中間近傍の所定位置の表面には、ストランド束ね材が巻き付けられて繊維ストランドが拘束されており、
    前記束体の中間部近傍の所定位置を要部として両端部各々に扇形状が形成されるように、隣り合う繊維ストランドが均等に扇形状もしくは放射状に離間配置されて、隣り合う該繊維ストランドの離間距離を保持するように、前記連結糸が繊維ストランドに交差する方向に、複数箇所で縫い込まれて、両端部各々に扇アンカー部が成形されることを特徴とする定着用アンカー。
  5. 請求項4に記載の定着用アンカーにおいて、
    前記束体の中間近傍の所定位置には、ストランド束ね材に代わり剥離可能な仮止材が巻き付けられることを特徴とする定着用アンカー。
  6. 請求項4または5に記載の定着用アンカーにおいて、
    前記繊維ストランドには、素線を直線上に保持する素線束ね糸が巻き付けられることを特徴とする定着用アンカー。
  7. 一方の端部に扇アンカー部、他方の端部に埋込みアンカー部を有するコンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーの製造方法であって、
    繊維の素線を複数本束ねた繊維ストランドの表面に、素線を直線状に保持する素線束ね糸を巻き付ける第1の工程と、
    前記繊維ストランドを折り返し配置して束ねた束体の一方の端部に扇アンカー部、他方の端部に埋込みアンカー部を成形するために、
    埋込みアンカー部では、前記束体の他方の端部から中間部近傍の所定位置までを保持手段を介して束ねられた状態を保持し、
    扇アンカー部では、前記束体の中間部近傍の所定位置を扇の要部として、束体の一方の端部を先端とした扇形状を形成するように、隣り合う繊維ストランドを伸張させた状態で均等に離間配置する第2の工程と、
    埋込みアンカー部では 前記束体の他方の端部の前記繊維ストランドを拘束するようにその表面に、1から数カ所もしくは埋め込み部全域にストランド束ね材を巻き付けるもしくは縫い込み、
    扇アンカー部では、前記束体の一方の端部で扇形状に離間配置された隣り合う繊維ストランドの離間距離を保持するように、連結糸を前記繊維ストランドと交差する方向で、数カ所に縫い込み扇状アンカー部を成形する第3の工程により製造されることを特徴とする定着用アンカーの製造方法。
  8. 請求項7に記載の定着用アンカーの製造方法において、
    第3の工程において、埋込みアンカー部では ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材を巻き付けることを特徴とする定着用アンカーの製造方法。
  9. 両端部に扇アンカー部を有するコンクリート部材の補強に用いられる定着用アンカーの製造方法において、
    繊維の素線を複数本束ねた繊維ストランドの表面に、素線を直線上に保持する素線束ね糸を巻き付ける第1の工程と、
    前記繊維ストランドを束ねた束体の中間部近傍の所定位置を要部とし、前記束体の両端部各々に扇形状を形成するように、隣り合う繊維ストランドを伸張させた状態で均等に離間配置する第2の工程と、
    前記束体の中間部近傍の所定位置に、ストランド束ね材を巻き付け、
    前記束体の両端部各々に扇形状を形成する隣り合う繊維ストランドの離間距離を保持するように、連結糸を繊維ストランドと交差する方向で、数カ所に縫い込み扇状アンカー部を成形する第3の工程により製造されることを特徴とする定着用アンカーの製造方法。
  10. 請求項9に記載の定着用アンカーの製造方法において、
    第3の工程において、束体の中間部近傍の所定位置に、ストランド束ね材に代わり、剥離可能な仮止材を巻き付けることを特徴とする定着用アンカーの製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれかに記載の定着用アンカーを用いたコンクリート構造物の補修補強方法であって、
    一方のコンクリート部材における他方のコンクリート部材との取り合い部の所望位置に定着孔を設け、該定着孔内を清掃して、充填接着材を孔内に充填する第1の工程と、
    前記定着用アンカーの埋込みアンカー部及び扇状アンカー部の要部近傍に、含浸接着樹脂を含浸させる第2の工程と、
    前記埋込みアンカー部を定着孔に挿入し、前記充填接着材の粘性に応じて孔口を漏止材で塞ぐ第3の工程と、
    あらかじめ前記他方のコンクリート部材に貼付された繊維シートの所定領域に含浸接着樹脂を塗布した後、該所定領域に前記定着用アンカーの扇状アンカー部を配置し、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を塗布、含浸接着させて、前記繊維シートに定着させる第4の工程よりなることを特徴とするコンクリート構造物の補修補強方法。
  12. 請求項11に記載のコンクリート構造物の補修補強方法であって、
    第2の工程で、前記定着用アンカーの埋込みアンカー部の先端には、余長分を有する結束線を巻き付け、一方の辺が前記定着孔の深さと同一の長さに形成されたL型部材を用いて、該L部材の一方の辺の端部に結束線の端部を挿入しておくとともに、
    第3の工程で、前記L部材の一方の辺と前記定着用アンカーの埋込みアンカー部の両者を、前記定着孔に挿入し、
    第4の工程で、前記L部材の他方の辺を前記一方のコンクリート部材に押圧しながら、扇状アンカー部に含浸接着樹脂を塗布することを特徴とするコンクリート構造物の補修補強方法。
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