JP5654922B2 - ブロック覆工の補修方法およびブロック覆工の補修構造 - Google Patents

ブロック覆工の補修方法およびブロック覆工の補修構造 Download PDF

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Description

本発明は、例えばトンネルの内面等に設けられるブロック覆工を繊維シート接着工により補修するブロック覆工の補修方法およびその補修構造に関する。
トンネルの内面に設けられるトンネル覆工としては、石、レンガ、コンクリートブロック等のブロック材を積み重ねて形成されるブロック覆工が知られている。例えば、レンガトンネルでは、掘削したトンネルの内面に多数のレンガをモルタル等の目地材を用いて積み重ねてブロック覆工を形成している。
このようなブロック覆工では、漏水や経年変化、あるいは土圧等の外力によりブロック材に想定以上の荷重が作用し、1層目のブロック材の背面側の目地にひび割れが生じたりブロック材自体にひび割れが生じたりして、ブロック覆工全体の耐力が低下することがある。
このような耐力が低下したブロック覆工に対する補修作業は、例えば、非特許文献1に示されるように、目地やせ部分をブラシやブロワー等を用いて掃除し、次いで、モルタルガンや目地コテ等を用いて目地材を目地やせ部分に詰め込むことにより行われる。
しかしながら、目地補修は、目地部という狭小区間での上向作業となる場合が多く、また、覆工深部からの漏水の影響を考慮して固練りのモルタルが多く使用されるので、モルタルを手作業で目地詰め作業することは困難である。特に、2層目以降の目地部やブロックの背面の目地部に目地材を詰めることは困難であり、場合によっては目地の内部に目地空洞等の弱部が生じるおそれがあった。
そこで、ブロック覆工の表面をモルタル等により不陸調整した後、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などで形成された繊維シートを接着する繊維シート接着工によりブロック材の剥離対策を行うようにしている。
鉄道総合技術研究所編、「トンネル補強・補修マニュアル」、(財)研友社、1990年10月
しかしながら、繊維シート接着工では、繊維シートの端部のめくれを防止するために、仕上げの段階でアンカーピンによる施工が多く行われるので、ブロック覆工の表面にひび割れがある場合には、アンカーピンの施工によりブロック材の欠けが誘発され、ブロック覆工の耐力が低下するおそれがあった。
これに対して、足の長いアンカーピンを使用して、ブロック覆工の深い位置でアンカーピンを固定する構造が考えられるが、この場合でも、アンカーピンを挿入するための孔径が大きくなるので、アンカー自体が太くなり、かえってブロックの欠けを誘発するおそれがある。また、アンカーピンとして拡底方式のものを用いた場合も、ブロック材のひび割れが増長され、ブロック材の欠けが誘発されるおそれがある。さらに、アンカーピンとしては、通常、鋼材製のものが用いられるので、その腐食も問題となる。
本発明の目的は、アンカー施工によるブロック材の破損を防止して補修後のブロック覆工の耐力を高めることにある。
本発明のブロック覆工の補修方法は、ブロック材を積み重ねて形成されるブロック覆工を繊維シート接着工により補修するブロック覆工の補修方法であって、前記ブロック覆工の表面に繊維シートを接着する工程と、前記繊維シートを貫通して前記ブロック覆工に達する固定孔を、積み重ねられた前記ブロック材のうち1層目の前記ブロック材を貫通して2層目の前記ブロック材まで達する深さに開ける工程と、前記固定孔に繊維紐を挿入し、前記繊維紐を接着材により1層目の前記ブロック材と2層目の前記ブロック材とに固定する工程と、前記繊維紐の前記固定孔から突出する先端を前記繊維シートの表面に広げて接着材により前記繊維シートに固定する工程とを有することを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記繊維シートを前記ブロック覆工の表面に接着する前に、前記ブロック材の間の目地を掃除する工程を行うことを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記繊維シートを前記ブロック覆工の表面に接着する前に、前記ブロック覆工の表面を不陸調整する工程を行うことを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記ブロック材の間の目地に排水用ホースを設置し、目地材により前記排水用ホースを前記目地内に埋設した後、前記ブロック覆工の表面を不陸調整する工程を行うことを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記繊維シートの一部を2枚重ねとし、前記繊維シートの2枚重ねとされた部分を貫通して前記固定孔を開けるとともに前記繊維シートの2枚重ねとされた部分に前記繊維紐の先端を接着することを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記繊維シートは、炭素繊維、アラミド繊維またはガラス繊維等の繊維により形成されることを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記繊維紐は、炭素繊維、アラミド繊維またはガラス繊維等の繊維を三つ編み状に組んだ組紐として構成されるとともに、先端側は組紐が解かれた刷毛状とされていることを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記組紐の部分に接着材を含浸させてから前記繊維紐を前記固定孔に挿入することを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修方法は、前記ブロック覆工はトンネルの内面に設けられるトンネル覆工であることを特徴とする。
本発明のブロック覆工の補修構造は、上記ブロック覆工の補修方法により形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、鋼材製のアンカーピンや拡底方式のアンカーピンに代えて繊維紐により繊維シートをブロック覆工に固定するようにしたので、アンカー構造によりブロック材が欠けることを防止して、補修後のブロック覆工の耐力を高めることができる。また、繊維紐を用いて繊維シートをブロック覆工に固定するようにしたので、アンカー構造を軽量化して、繊維シートの剥がれを抑制することができる。さらに、繊維紐は現地で必要な長さに切断することができるので、この繊維紐を用いたブロック覆工の補修作業を容易にすることができる。
ブロック覆工が設けられたトンネルの概略を示す図である。 図1に示すトンネルのブロック覆工の一部を拡大して示す図である。 図2に示すブロック覆工の目地やレンガにひび割れが生じた状態を示す図である。 目地やレンガに生じたひび割れにより、ブロック覆工の一部にレンガの浮きが生じた状態を示す図である。 図4に示すブロック覆工におけるレンガの浮きを本発明の一実施の形態であるブロック覆工の補修方法により補修した状態を示す図である。 図5に示すブロック覆工の補修構造の断面図である。 図6に示す繊維紐の詳細を示す斜視図である。 目地が掃除されたブロック覆工の断面図である。 不陸調整されたブロック覆工の断面図である。 表面に繊維シートが接着されたブロック覆工の断面図である。 (a)は固定孔が開けられたブロック覆工の断面図であり、(b)は同平面図である。 固定孔に接着材が詰め込まれた状態を示す断面図である。 固定孔に繊維紐が固定された状態を示す断面図である。 (a)は繊維紐の先端が繊維シートの表面に放射状に広げて配置された状態を示す断面図であり、(b)は同平面図である。 図6に示すブロック覆工の補修構造の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すトンネル11は、地山を掘削して形成され、その内面にトンネル覆工としてブロック覆工12を設けたものである。図2に示すように、このブロック覆工12は、ブロック材としてのレンガ13を、モルタルを目地材としてトンネル11の内面に沿って3層に積み重ねるとともにトンネル11の奥行き方向に向けて連続して積んだ断面馬蹄形のアーチ状に形成されている。つまり、このトンネル11は、多数のレンガ13が目地14を介して積まれた、いわゆるレンガトンネルとなっている。
このようなトンネル11のブロック覆工12では、漏水や経年変化、あるいは土圧等の外力によりレンガ13に想定以上の荷重が作用することにより、図3に示すように、1層目のレンガ13の背面側の目地14にひび割れ15が生じたり、レンガ13自体にひび割れ16が生じたりすることがある。このようなひび割れ15,16が生じると、図4に示すように、ブロック覆工12の一部のレンガ13に浮きが生じ、このレンガ13が剥離するなどしてブロック覆工12全体の耐力が低下することになる。
本発明は、図5、図6に示すように、このように耐力が低下したブロック覆工12を、そのレンガ13の浮きが生じた部分の表面に繊維シート21を接着する、つまり繊維シート接着工を施すとともに、この繊維シート21を繊維紐22によりブロック覆工12に固定することにより、補修するようにしたものである。
本発明のブロック覆工の補修構造では、繊維シート接着工に用いる繊維シート21として、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの繊維により形成された連続繊維シートが用いられる。この繊維シート21は、ブロック覆工12のレンガ13の浮きを生じた部分の全体を覆う大きさに切断され、レンガ13の浮きを生じた部分を覆うようにブロック覆工12の表面に接着材により接着されている。また、繊維シート21の一部は、矩形に切り取られた繊維シート21aが重ねて接着されることにより2枚重ねにされている。
なお、ブロック覆工12の繊維シート21が接着される部分はモルタルにより不陸調整されている。
ブロック覆工12には繊維紐22を固定するための固定孔23が設けられている。この固定孔23は、2枚重ねにされた繊維シート21,21aの中央部分を貫通し、繊維シート21,21aの表面側に開口するとともに、1層目のレンガ13を貫通して2層目のレンガ13にまで達する深さに形成されている。
図7に示すように、繊維紐22は、連続した繊維を三つ編み状に組んだ組紐として構成されている。繊維紐22を構成する繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等が用いられる。繊維紐22の先端側から100mmの部分には止め紐22aが巻かれ、この止め紐22aにより繊維紐22の本体部分22bが組紐状に保持されている。また、繊維紐22の本体部分22bは、予め接着材の中に浸され、接着材が含浸されることにより強度が発現した状態とされている。
繊維紐22は、その本体部分22bが固定孔23に挿入され、固定孔23に詰められた接着材により固定孔23に固定されている。つまり、繊維紐22の本体部分22bは、接着材により1層目のレンガ13と2層目のレンガ13とに固定されている。これにより、1層目のレンガ13は繊維紐22により2層目のレンガ13に固定されてブロック覆工12からの剥離が防止される。
一方、繊維紐22の止め紐22aよりも先端側の先端部分22cは、組紐が解かれて各繊維がばらばらとなった刷毛(ブラシ)状に形成されている。繊維紐22の先端部分22cは、固定孔23から繊維シート21aの表面側に突出しており、繊維シート21aの表面に沿うように折り曲げられて当該表面に放射状に配置されている。繊維紐22の繊維シート21aの表面に放射状に配置された先端部分22cは接着材が含浸されることにより繊維シート21aの表面に接着により固定されている。これにより、繊維紐22は、繊維シート21,21aをブロック覆工12に固定するアンカーとして機能する。
なお、繊維紐22は、繊維シート21の2m毎に1つ設けられている。
次に、図8〜図16に基づいて、本発明のブロック覆工の補修構造を形成する手順、つまり本発明の一実施の形態であるブロック覆工の補修方法によりブロック覆工12を補修する手順について説明する。
本発明のブロック覆工の補修方法では、まず、掃除工程が行われる。掃除工程では、図8に示すように、ブロック覆工12のレンガ13の間の隙間部分つまり目地14の表面がブラシ31やブロワー32等を用いて掃除され、目地14から余分な目地材や異物等が取り除かれる。
次に、図9に示すように、ブロック覆工12の繊維シート21が接着される部分の表面が不陸調整される。不陸調整においては、ブロック覆工12の掃除された目地14に手作業やモルタルガン等を用いて目地材であるモルタルが詰め込まれるとともに、その表面がコテ33等を用いてモルタルにより平らに仕上げられる。
次に、図10に示すように、不陸調整されたブロック覆工12の表面に、繊維シート21が接着により貼り付けられる。この繊維シート21としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの繊維により形成された連続繊維シートが用いられる。繊維シート21は、ブロック覆工12のレンガ13の浮きが発生した部分の全体を覆う範囲に貼り付けられる。また、繊維シート21の繊維紐22が固定される箇所には、矩形に切り取られた繊維シート21aが重ねて貼り付けられて、当該部分の繊維シート21,21aは2枚重ねとされる。
ブロック覆工12に繊維シート21が接着されると、図11に示すように、ハンマドリル34等の工具により、繊維シート21,21aを貫通する固定孔23がブロック覆工12に開けられる。この固定孔23は繊維シート21,21aの2枚重ねにされた中央部分つまり矩形の繊維シート21aの中央部分を貫通して、当該中央部分に開口するとともに、1層目のレンガ13を貫通して2層目のレンガ13にまで達する深さに形成される。図示する場合では、固定孔23の直径は15mm〜20mmである。
次に、図12に示すように、ブロック覆工12に開けられた固定孔23の内部にパテ状の接着材35が詰められる。この接着材35としては、例えば水中硬化型のものが用いられる。
次に、図13に示すように、接着材35が詰められた固定孔23に繊維紐22の本体部分22bを挿入し、先に詰め込んだ接着材35により繊維紐22の本体部分22bを固定孔23に固定する。
この繊維紐22は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の連続した繊維を三つ編み状に組んだ組紐として構成され、その先端側から100mmの部分に止め紐22aが巻かれ、この止め紐22aにより繊維紐22の本体部分22bが組紐状に保持されたものである。また、繊維紐22の本体部分22bは、予め接着材が含浸されて強度が発現した状態とされている。繊維紐22は、固定孔23の深さや繊維シート21,21aの2枚重ね部分の面積等に応じて、作業現場において適当な長さに切断して用いられる。
繊維紐22が固定孔23に固定されることにより、1層目のレンガ13と2層目のレンガ13とが繊維紐22に接着材により固定され、互いに繊維紐22により連結された状態とされる。また、1層目のレンガ13に生じたひび割れ16を固定孔23が貫通しているので、この固定孔23に固定された繊維紐22により、1層目のレンガ13のひび割れ16に対する上下部分が互いに連結された状態とされる。
なお、このとき、繊維紐22の刷毛状の先端部分22cは固定孔23から繊維シート21,21aの表面側に突出した状態となっている。
次に、図14に示すように、繊維紐22の刷毛状の先端部分22cが繊維シート21aの表面に沿うように折り曲げられ、繊維シート21aの2枚重ねされた部分の表面に広げられて放射状に配置される。そして、繊維紐22の放射状に広げられた先端部分22cに接着材が含浸され、繊維紐22の先端部分22cが繊維シート21aの表面に接着により固定される。
これにより、ブロック覆工12の表面に接着された繊維シート21,21aはアンカーとして機能する繊維紐22によってブロック覆工12に固定され、その剥がれや捲れが防止されることになる。また、目地14のひび割れ15により浮きを生じた1層目のレンガ13は、繊維紐22により2層目のレンガ13に固定されるので、1層目のレンガ13のブロック覆工12からの剥離が防止される。さらに、ひび割れ16を生じた1層目のレンガ13は、そのひび割れ16の上下部分がそれぞれ繊維紐22により固定されて連結されるので、ひび割れ16よりも下方側のレンガ13の剥離を防止することができる。
なお、ブロック覆工12のレンガ13の浮きが発生した範囲が広い場合には、繊維シート21の2m毎に1つの繊維紐22を配置すればよい。
このように、本発明のブロック覆工の補修方法(補修構造)では、ブロック覆工12のレンガ13の浮きを生じた部分の表面に繊維シート21,21aを接着により貼り付けるとともに、この繊維シート21,21aをアンカーとして機能する繊維紐22によってブロック覆工12に固定するようにしたので、ブロック覆工12の表面からのレンガ13の剥離を防止することができるとともに、繊維シート21,21aのブロック覆工12の表面からの剥がれや捲れを防止することができる。
また、本発明のブロック覆工の補修構造では、繊維紐22を1層目のレンガ13から2層目のレンガ13にまで達する固定孔23に接着材35により固定するようにしたので、1層目のレンガ13を繊維紐22により2層目のレンガ13に固定することができ、これにより、1層目のレンガ13のブロック覆工12からの剥離を防止することができる。
さらに、本発明のブロック覆工の補修構造では、繊維紐22を1層目のレンガ13に生じたひび割れ16を貫通する固定孔23に接着材35により固定するようにしたので、1層目のレンガ13のひび割れ16の上下部分を繊維紐22により互いに連結させることができ、これにより、1層目のレンガ13のひび割れ16より下方側の部分がブロック覆工12から剥離することを防止することができる。
したがって、このブロック覆工の補修方法により形成されるブロック覆工の補修構造により、このブロック覆工12の耐性を高めることができる。
図15は図6に示すブロック覆工の補修構造の変形例を示す断面図である。
図15に示すブロック覆工の補修構造は、ブロック覆工12から漏水を生じている場合に適用されるものである。
ブロック覆工12が漏水を生じている場合に適用される本発明のブロック覆工の補修方法では、ブロック覆工12の表面を不陸調整する前に、レンガ13の間の目地14に排水用のホース41を設置し、このホース41を目地材により目地14の内部に埋設した後、ブロック覆工12の表面を不陸調整するようにしている。それ以外の補修の工程については、図6に示す場合と同様である。
詳細は図示しないが、排水用のホース41は、ブロック覆工12の内部の漏水が発生する箇所に開口する取水孔を備えており、また、その先端はブロック覆工12の所定箇所においてブロック覆工12の外部に突出している。これにより、ブロック覆工12の内部に染み出した漏水は、取水孔から排水用のホース41に取り込まれ、ブロック覆工12の外部に排出される。
なお、排水用のホース41の外面には不織布が接着材により貼り付けられ、この不織布により、取水孔から排水用のホース41の内部にモルタルや異物等が侵入するのが防止される。
このように、目地14に排水用のホース41を埋設することにより、ブロック覆工12のレンガ13の浮きに対する補修を行いつつ、ブロック覆工12からの漏水を防止することができる。
なお、図15においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付してある。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、繊維紐22の刷毛状の先端部分22cを放射状に広げて繊維シート21aに接着するようにしているが、これに限らず、例えば先端部分22cを扇形状に広げて繊維シート21aに接着するなど、先端部分22cを他の形状に広げて繊維シート21aに接着するようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、繊維紐22が固定される部分の繊維シート21,21aを2枚重ねにしているが、これに限らず、例えば繊維シート21を1枚のみとし、または、繊維シート21を3枚重ね以上にしてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、繊維シート21,21aは、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の繊維により形成されるが、これに限らず、他の繊維により形成されたものを用いてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、繊維紐22は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の連続した繊維を三つ編み状に組んで組紐として構成するようにしているが、これに限らず、一端から他端までが連続した繊維で形成された紐であれば、他の繊維や編み方等で形成されたものであってもよい。
11 トンネル
12 ブロック覆工
13 レンガ
14 目地
15,16 ひび割れ
21 繊維シート
21a 繊維シート
22 繊維紐
22a 止め紐
22b 本体部分
22c 先端部分
23 固定孔
31 ブラシ
32 ブロワー
33 コテ
34 ハンマドリル
35 接着材
41 ホース

Claims (10)

  1. ブロック材を積み重ねて形成されるブロック覆工を繊維シート接着工により補修するブロック覆工の補修方法であって、
    前記ブロック覆工の表面に繊維シートを接着する工程と、
    前記繊維シートを貫通して前記ブロック覆工に達する固定孔を、積み重ねられた前記ブロック材のうち1層目の前記ブロック材を貫通して2層目の前記ブロック材まで達する深さに開ける工程と、
    前記固定孔に繊維紐を挿入し、前記繊維紐を接着材により1層目の前記ブロック材と2層目の前記ブロック材とに固定する工程と、
    前記繊維紐の前記固定孔から突出する先端を前記繊維シートの表面に広げて接着材により前記繊維シートに固定する工程とを有することを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  2. 請求項1記載のブロック覆工の補修方法において、前記繊維シートを前記ブロック覆工の表面に接着する前に、前記ブロック材の間の目地を掃除する工程を行うことを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  3. 請求項1または2記載のブロック覆工の補修方法において、前記繊維シートを前記ブロック覆工の表面に接着する前に、前記ブロック覆工の表面を不陸調整する工程を行うことを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  4. 請求項3記載のブロック覆工の補修方法において、前記ブロック材の間の目地に排水用ホースを設置し、目地材により前記排水用ホースを前記目地内に埋設した後、前記ブロック覆工の表面を不陸調整する工程を行うことを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロック覆工の補修方法において、前記繊維シートの一部を2枚重ねとし、前記繊維シートの2枚重ねとされた部分を貫通して前記固定孔を開けるとともに前記繊維シートの2枚重ねとされた部分に前記繊維紐の先端を接着することを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロック覆工の補修方法において、前記繊維シートは、炭素繊維、アラミド繊維またはガラス繊維等の繊維により形成されることを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のブロック覆工の補修方法において、前記繊維紐は、炭素繊維、アラミド繊維またはガラス繊維等の繊維を三つ編み状に組んだ組紐として構成されるとともに、先端側は組紐が解かれた刷毛状とされていることを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  8. 請求項7記載のブロック覆工の補修方法において、前記組紐の部分に接着材を含浸させてから前記繊維紐を前記固定孔に挿入することを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のブロック覆工の補修方法において、前記ブロック覆工はトンネルの内面に設けられるトンネル覆工であることを特徴とするブロック覆工の補修方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のブロック覆工の補修方法により形成されたことを特徴とするブロック覆工の補修構造。
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