JP5508314B2 - トンネル覆工体の形成方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、コンクリート片の剥離や脱落が防止されるトンネル覆工体の形成方法に関するものである。
トンネル覆工体は、地山を掘削した後、掘削内周面と対向して型枠を設置し、この型枠と掘削内周面との間にコンクリートを打設して構築される。地山を掘削した内周面は、一般には鋼支保工、吹付けコンクリート、ロックボルト等を用いて地山が緩むのを防ぐ。そして、その内側を防水シートで覆った後に型枠を設置してコンクリートを打設する。
トンネル覆工体のコンクリートを打設するための型枠としては、トンネルの軸線方向に移動する覆工用移動型枠(セントル)が多く用いられ、所定長のコンクリートを打設する毎に覆工用移動型枠がトンネル内を前進し順次にコンクリートが巻き立てられる。
このようにして、トンネル覆工体はトンネルの使用目的に適合するとともに安全で長期間の使用に耐え得るように構築される。
しかしながら、コンクリートは引張強度が小さいことから、温度の変化や施工に起因する要因等によりトンネル覆工体にひび割れが発生し、コンクリート片が剥離・剥落することがある。このようなコンクリート片の剥離・剥落は、トンネル内を通行する車両や通行人に大きな被害を及ぼすおそれがある。
上記トンネル覆工体のひび割れは、先にコンクリートが打設された領域(以下「先行打設部」という)と、この先行打設部のコンクリートが硬化した後に、該先行打設部と連続するようにコンクリートが打設される領域(以下「後続打設部」という)との打ち継ぎ部に生じ易い。先行打設部と後続打設部との打ち継ぎ部では、双方間の温度差により収縮率の変化が生じ、ひび割れが発生し易くなる。また、型枠を先行打設部へ過度に押し付けてしまうことや、後続打設部との打ち継ぎ部付近はコンクリートの材料分離が生じ易いこと等、施工に起因する要因によっても打ち継ぎ面に隣接した部分で剥離・剥落が生じ易くなると考えられる。
トンネル覆工体のコンクリートのひび割れやこれに起因するコンクリート片の剥離・剥落を防止するための技術としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。
この技術は、覆工用移動型枠により構築されるトンネル覆工体の一回にコンクリートが打設される両端部、つまりコンクリートの打ち継ぎ部からトンネルの軸線方向の両側に、格子状又は網目状の繊維補強シートを埋設するものである。この繊維補強シートは、覆工コンクリートの内周面付近に埋め込まれ、打ち継ぎ面から軸線方向の両側に各々100cm以内の範囲で、トンネルの周方向にはスプリングラインより上方となる部分に埋設されるものである。
特開2009−138516号公報
しかしながら、格子状又は網目状の繊維補強シートを覆工コンクリートの内周面の近くに埋設するのが難しく、繊維補強シートがトンネル覆工体の内周面に露出することがある。繊維補強シートが覆工コンクリートの表面に露出すると、繊維補強シートがコンクリートから剥がれやすくなり、コンクリート片の剥離・剥落を防止する効果が劣化する。また、コンクリートの打設時に繊維補強シートが移動して、内周面に沿った位置に正確に配置されないこともある。
一方、繊維補強シートは、打ち継ぎ部の両側つまり先行打設部と後続打設部との間で不連続となっており、打ち継ぎ部でコンクリート片の剥離・剥落を防止する効果が不十分となるおそれがある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンクリート片の剥離や脱落が防止されるトンネル覆工体の形成方法を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 掘削されたトンネル内で、予め定められた長さ毎にコンクリートを打設してトンネル覆工体を形成するトンネル覆工体の形成方法であって、 先にコンクリートが打設されて既に硬化した先行打設部の端面に沿って帯状に長い網状体を配置し、該網状体の一方の側縁付近を、該トンネル覆工体の内周面の断面形状に沿って前記先行打設部の端面に留め付け、該網状体の他方の側縁を前記内周面より該トンネルの内側に張り出しておく工程と、 コンクリートを打設するための型枠を先行打設部に対向する位置から移動して、前記先行打設部と連続して次にコンクリートを打設する後続打設部の所定の位置に設置する工程と、 前記網状体の前記内周面より該トンネルの内側に張り出している部分を、前記型枠の周面に沿わせ、留め付け部材を用いて該型枠に留め付ける工程と、 前記網状体及び前記留め付け部材を埋め込むように、掘削されたトンネルの内周面と前記型枠との間に後続打設部のコンクリートを打設する工程と、を含み、 前記網状体には、該網状体を構成する糸又は紐に予め砂粒又は礫を接着しておき、該網状体の糸又は紐と該トンネル覆工体の内周面との間に、前記砂粒又は礫を介挿させることを特徴とするトンネル覆工体の形成方法を提供する。
このトンネル覆工体の形成方法では、帯状に長い網状体を打ち継ぎ面に沿った位置から内周面に沿った位置に連続するように配置することが容易となる。そして、内周面に沿った位置では、網状体に大きなしわが生じることなく曲面となった型枠面に沿って配置される。また、内周面に沿った位置では、網状体を構成する糸又は紐と型枠面との間に砂粒又は礫が介挿され、網状体は覆工コンクリートの表面近くに埋め込まれる。
請求項2に係る発明は、 掘削されたトンネル内で、予め定められた長さ毎にコンクリートを打設してトンネル覆工体を形成するトンネル覆工体の形成方法であって、 コンクリートを打設するための型枠を先行打設部に対向する位置から移動して、前記先行打設部と連続して次にコンクリートを打設する後続打設部の所定の位置に設置する工程と、 前記先行打設部の端面に沿って網状体を配置するとともに、連続した網状体を前記型枠の型枠面に沿って配置する工程と、 前記先行打設部と前記後続打設部との間の打ち継ぎ面となる位置に、前記型枠面の周方向に沿って、断面が三角形又は台形の面木を配置する工程と、を含み、 該面木には軸線方向に貫通する軸孔が設けられるとともに、前記後続打設部のコンクリートと接触する面から前記軸孔に連通する複数の横穴が設けられており、 前記後続打設部のコンクリートが打設される領域側から前記横穴に挿入し前記軸孔に挿通された線材に連結して面木用留め付け部材によって前記網状体を前記面木に留め付ける工程を含むことを特徴とするトンネル覆工体の形成方法を提供する。
このトンネル覆工体の形成方法では、先行打設部の端面すなわち打ち継ぎ面に沿って配置した網状体を断面が三角形又は台形となった面木の一側面に沿わせるとともに、面木用留め付け部材で面木に留め付けることができる。これにより、傾斜した面木の側面に確実に当接した状態で網状体を埋設することが可能となり、打ち継ぎ面付近でコンクリート片の剥離・剥落を有効に防止することができる。
また、コンクリート硬化後の脱型時には、面木に挿通された線材を切断することにより面木を容易に除去することができる。
上記のように、本願発明に係るトンネル覆工体の形成方法では、コンクリートの打ち継ぎ面に沿った位置から連続してトンネル覆工体の内周面に沿った位置に網状体が埋設されるので、打ち継ぎ面付近で生じ易いひび割れに起因するコンクリート片の剥離・剥落を防止することができる。また、砂粒等が型枠と網状体との間に介挿されてコンクリート内に埋設されるので、トンネル覆工体の内周面から網状体が露出することを防止することが可能となる。
本願発明に係る方法によって形成することができるトンネル覆工体を示す縦断面図及び部分拡大断面図である。 図1に示すトンネル覆工体の横断面図及び網状体の埋設状態を示す拡大断面図である。 図1に示すトンネル覆工体に埋設される網状体を示す平面図である。 図1に示すトンネル覆工体を構築する覆工用移動型枠を示す概略斜視図である。 網状体を打ち継ぎ面及びその近傍に配置する工程を示す概略図である。 網状体を打ち継ぎ面及びその近傍に配置して覆工コンクリートを打設する工程を示す概略図である。 網状体が打ち継ぎ面の形状に沿って留め付けられた状態を示す正面図である。 網状体を留め付ける留め付け部材の側面図及び平面図である。 図8に示す留め付け部材を用いて網状体を型枠面材に留め付ける方法を示す概略図である。 網状体を先行打設部の端面に留め付ける方法を示す断面図である。 本願発明の他の実施形態であるトンネル覆工体の形成方法において、網状体を打ち継ぎ面及びその近傍に配置する工程を示す概略断面図である。 図11に示す工程で用いられる面木の概略斜視図である。 網状体を型枠面材に留め付ける留め付け部材の他の例を示す概略図である。 図13に示す留め付け部材で網状体を型枠面材に留め付ける方法を示す概略図である。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本願発明の方法によって形成することができるトンネル覆工体を示す縦断面図及びその部分拡大図であり、図2は同じトンネル覆工体の横断面図及び網状体の埋設状態を示す拡大断面図である。
このトンネル覆工体1は、掘削されたトンネルの内周面9とこの内周面に対向して配置された覆工用移動型枠10との間にコンクリートを打設して形成されたものである。このトンネル覆工体を形成するコンクリートは、覆工用移動型枠10をトンネルの軸線方向へ移動して施工区分毎に順次打ち継がれる。そして、先にコンクリートが打設された先行打設部2とこの先行打設部2に連続して打設される後続打設部3との打ち継ぎ部付近に網状体6が埋め込まれている。この網状体6は、先行打設部2と後続打設部3との打ち継ぎ面4に沿った位置からトンネル覆工体1の内周面に沿った位置に連続し、内周面に沿った位置では網状体6に付着した砂粒又は礫が内周面との間に介挿された状態で埋め込まれている。本実施の形態では、砂粒又は礫として珪砂7が用いられている。
そして、この網状体6は、トンネルの軸線方向には打ち継ぎ面4から約50cmの範囲に配置され、トンネル覆工体1の周方向には、図2(a)に示すように帯状に長く形成された網状体6が頂部から両側に約60°の範囲に配置されている。つまり、一回にコンクリートを打設する範囲の両端部に配置され、打ち継ぎ面4に沿った位置では、打ち継ぎ面4を挟んで先行打設部2と後続打設部3とに対向するように網状体6が配置される。また、トンネル覆工体1の内周面に沿った位置には打ち継ぎ面4の両側にそれぞれ所定の範囲に網状体が配置されている。なお、図1(b)に示すように、覆工コンクリートの打ち継ぎ部には、切り欠き5が設けられており、打ち継ぎ面4と内周面との隅角部が欠け落ちるのを防止するものとなっている。そして、網状体6は打ち継ぎ面4に沿った位置から切り欠き5内に面した位置を経てトンネル覆工体1の内周面に沿った位置へ連続して埋設されている。
上記網状体6は、帯状に長く形成されており、図3に示すように、アラミド繊維からなる紐6aを網状に形成したものであり、この片面に珪砂7がほぼ一様に分布するように接着されている。
上記紐6aは、アラミド繊維2000フィラメントを引き揃え、太さがほぼ3000デニールとなるように結着樹脂で束ねたものをほぼ60度で互いに交叉する3方向に配して織り合わせたものである。なお、網状体6の紐6aの間隔(網目の大きさ)は約15mmから60mmの範囲となっている。
上記珪砂7は粒径が2mm〜3mmのものが用いられており、上記紐6aを織り合わせた網状体にエポキシ樹脂等の接着剤で接着されている。エポキシ樹脂は硬化することによってアラミド繊維及び珪砂7に対して強い接着力を有し、珪砂7が紐6aに強固に接着される。
なお、本実施の形態では、砂粒又は礫として珪砂7を用いたが、他の砂粒又は礫を用いることができるとともに粒径は上記値より大きいもの、小さいもの、又はこれらを混合したものを用いることができる。また、珪砂7は網状体6の片面だけに接着したが、両面に接着してもよい。
上記覆工コンクリートを打設するための覆工用移動型枠10は、図4に示すように、トンネルの内周面に対向する型枠面材11を備えている。この型枠面材11は、覆工コンクリートが打設される前のトンネルの内周面9に沿って曲面状に組み立てられたものであり、周方向に配列された複数の部分からなり、トンネルの内周面に対して進退する方向に移動が可能となっている。そして、トンネル覆工体1の内周面9となる位置に正確に設定することができるものである。
また、型枠面材11は支持フレーム(図示しない)に支持されており、この支持フレームがトンネルの底面に敷設されたレール(図示しない)上を走行して、トンネルの軸線方向に移動することが可能となっている。そして、覆工コンクリートを打設する位置に順次に覆工用移動型枠10を移動して型枠面材11を所定の位置に設定することができるものである。
上記網状体6は、図4に示すように型枠面材11の上に敷設された状態でコンクリートが打設され、覆工コンクリートに埋め込まれるものである。
なお、図4中に示す符号12は、型枠面材11に形成された開閉窓であり、この開閉窓11からコンクリートを打設したり、打設状況等を観察したりすることできるものとなっている。
次に、上記トンネル覆工体1の形成方法について説明する。
図5は、網状体6を打ち継ぎ面4に沿った位置及び覆工用移動型枠10に沿った位置に配置する工程を示す概略断面図であり、図6は、網状体6が覆工用移動型枠10に留め付けられた状態及び覆工コンクリートが打設されて硬化した状態を示す概略断面図である。また、図7は網状体6が先行打設部2の端面に留め付けられた状態を示す概略正面図である。
まず、図5(a)及び図7に示すように、先にコンクリートが打設されて硬化した先行打設部2の端面すなわち打ち継ぎ面4に網状体6が留め付けられる。この網状体6は帯状となっており、トンネル覆工体1の断面形状にしたがって一方の側縁付近が先行打設部2の端面4に留め付けられ、他方の側縁は、内周面となる位置より下方へ張り出すように垂下させておく。網状体6は帯状に長く形成されているので、一方の側縁付近を先行打設部2の端面4のアーチ状となった形状に沿って留め付けると、図7に示すように、トンネル覆工体1の内周面より下側に垂下した網状体6には幅方向にしわ8が形成される。
その後、先行打設部2に連続するようにコンクリートを打設する位置すなわち後続打設部3を形成する位置に覆工用移動型枠10を移動し、型枠面材11をトンネル覆工体1の内周面となる位置に設置する。そして、打ち継ぎ部には型枠面材11の周方向に沿って、図5(b)に示すように、断面形状が三角形となった面木13を配置する。この面木13は、打ち継ぎ面4と内周面との角が欠け落ちるのを抑制するために予め切り欠き5を形成しておくものであり、断面が三角形となった周面の一つを型枠面材11の曲面に沿って配置し、他の周面を先行打設部2の既に形成されている切り欠き面5aに当接して配置する。
なお、上記面木は、断面が三角形のものに限定されるものではなく、台形のものを使用することもできる。
上記覆工用移動型枠10の移動により、網状体6の先行打設部2の端面から垂れ下がっていた部分は、型枠面材11の曲面上に支持される。この網状体6を面木13の後続打設部3のコンクリートと接触する面13aに沿わせるとともに連続して型枠面材11に沿って配置し、図6(a)に示すように型枠面材11に留め付け部材20を用いて留め付ける。このとき、網状体6の垂れ下がっていた部分に生じていたしわが解消され、型枠面材11の周方向に沿って帯状の網状体6を配置することができる。これにより、網状体6の波打ちやたるみを防止でき、網状体6がトンネル覆工体1の内周面付近に埋設される。
一方、覆工コンクリートを一度に打設する範囲の先行打設部2の反対側、つまり覆工用移動型枠10の移動方向における前方側は、コンクリート打設前のトンネル内周面9と型枠面材11との間を妻型枠(図示しない)によって閉鎖する。そして、この妻型枠と型枠面材11との隅角部には面木を取り付けるとともに、妻型枠に沿った位置から型枠面材11に沿った位置に連続して網状体6を同様に配置する。
その後、上記網状体6及び留め付け部材20を埋め込むように後続打設部のコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後に、図6(b)に示すように型枠面材11を後退させて脱型する。
なお、上記網状体6を埋設する範囲は、打ち継ぎ面4付近におけるコンクリート片の剥離・剥落を防止する必要がある範囲として適宜に設定することができ、打ち継ぎ面4からトンネルの軸線方向の両側へ埋設される範囲、及び周方向に埋設される範囲は、本実施の形態の範囲に限定されるものではない。
次に、上記網状体6を留め付け部材20で留め付ける方法について説明する。
図8は、留め付け部材20を示す側面図及び平面図であり、図9は、この留め付け部材20によって網状体6を型枠面材11に留め付ける方法を示す概略工程図である。
この留め付け部材20は、耐アルカリ性を有する合成樹脂からなり、図8に示すように、網状体6を型枠面材11の表面に押し付ける環状体21と、この環状体21の周上の複数の位置から環状体21が型枠面材11に押し付けられる方向とは反対側に立ち上げられて互いに結合された複数の連結部22と、この連結部22に連結され型枠面材11側に向かって伸長された固定部23と、を備えている。
上記環状体21は、直径が約50mmに形成されており、15mm〜60mmの網目となった網状体6を、網目を通過してしまうことなく型枠面材11に押し付けることができるようになっている。
上記連結部22は、環状体21の周上の4箇所から網状体6に押し付ける方向と反対側立ち上げられ、環状体21から離れるとともに環状体21の中心側に湾曲して互いに連結されている。
上記固定部23はほぼ捧状となっており、一端23aは互いに連結された上記連結部22と接合されている。そして、型枠面材11側に伸長され、環状体21の内側を貫いて型枠面材側に先端23bが突き出している。この型枠面材側に伸びた部分は、断面が縮小された狭窄部23cを有し、その先端側で断面が一旦拡大され、先端23bに向かって徐々に断面が縮小されたものとなっている。
一方、上記留め付け部材20を用いて網状体6が留め付けられる型枠面材11には、図9(a)に示すように、留め付け部材20の固定部23が挿入される小孔11aを設ける。この小孔11aは、上記留め付け部材20の狭窄部23cより先端側の最大径より小さい径となっている。網状体6は、図9(b)に示すように付着している珪砂7を型枠面材11に当接して配置する。つまり、網状体6と型枠面材11との間に珪砂7が介挿された状態となる。この網状体6を、上記小孔11aに固定部23を挿入して固定される留め付け部材20により型枠面材11に押し付け、位置がずれないように保持する。留め付け部材20の固定部23は、小孔11aに強く押し込むか又は打ち込むことによって小孔内に強く嵌め合わされ、固定される。このとき留め付け部材20の環状体21は、網状体6に当接されるとともに、連結部22に生じる弾性変形の反発力で型枠面材11に網状体6を押し付けるものとなっている。
上記網状体6及び留め付け部材20を埋め込むようにコンクリートを打設し、硬化後に型枠面材11を取り外すときには、図9(c)に示すように上記固定部23の狭窄部23cより先端側が型枠面材11の小孔に押し込まれたまま狭窄部23cで切断され、覆工コンクリートの内周面はほぼ滑らかに仕上げられる。そして、固定部23のコンクリートに埋め込まれた部分及び連結部22が網状体6より深く埋め込まれているので、脱型時に留め付け部材20に引張力が作用しても網状体6が型枠面材11とともにコンクリートから剥離することが防止される。また、面木13は型枠面材11とともに、又は型枠面材11を取り外した後に除去される。
上記留め付け部材20は、図5(a)及び図10に示すように、先行打設部2の端面4に網状体6を留め付ける場合にも用いられ、次のように網状体6を留め付けることができる。
先行打設部2の端面4の網状体6を留め付ける位置にアンカー孔を開削し、このアンカー孔にホールインアンカー25を打ち込む。ホールインアンカー25は、先行打設部2のアーチ状となった端面4に、周方向へ所定の間隔で複数を設ける。ホールインアンカー25に設けられたボルト孔には、留め付け部材20の固定部23の径より小径の貫通孔が形成された孔あき金具26をねじ込む。この孔あき金具26の貫通孔に留め付け部材20の固定部23を挿入し、強く押し入れることによって、網状体6を先行打設部2の端面4に留め付けることができる。
なお、妻型枠に網状体を留め付けるときにも、妻型枠に小孔を設けておき、上記型枠面材に網状体6を留め付けるときと同様に上記留め付け部材20を用いることができる。
このように、網状体6が、先行打設部2の端面4から面木13の側面及び型枠面材11に沿って配置された後、覆工コンクリート打設前のトンネルの内周面9と覆工用移動型枠10との間にコンクリートポンプ等によってコンクリートを送り込み、トンネル覆工体の一施工区分のコンクリートを打設する。
打設された一施工区分のトンネル覆工体のコンクリートが硬化すると、覆工用移動型枠10の側部の型枠面材11を内側に後退させるとともに型枠面材11の全体を下降させて脱型する。
脱型した覆工用移動型枠10は、次に覆工コンクリートを打設する位置へ移動する。この位置で型枠面材11はトンネル覆工体1の内周面となる位置に再び設定され、順次トンネル覆工体の施工区分毎の覆工コンクリートが打設される。
上記のようなトンネル覆工体1は、打ち継ぎ面4に沿った位置からトンネル覆工体の内周面に沿った位置まで連続して埋め込まれた網状体6によって、打ち継ぎ面付近からコンクリートが剥離して落下するのが有効に防止される。
また、網状体6とトンネル覆工体の内周面との間には珪砂7が介挿され、コンクリートに埋め込まれているので、覆工コンクリートの内周面は網状体6が露出するようなことはなく、トンネル覆工体1を良好な外観に仕上げることができる。また、網状体6がコンクリートから剥離するようなことはなく、有効にコンクリート片の剥離・剥落を防止することができる。
次に、本願発明に係るトンネル覆工体の形成方法の、第2の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態で網状体6を覆工コンクリートの打ち継ぎ面付近に止め付ける工程を示す概略断面図である。また、図12は、図11に示す工程で用いられる面木の概略斜視図である。
この方法では、図2,図5及び図6に示すトンネル覆工体と同様の網状体6が同じ位置に埋設されるものであるが、網状体6を止め付ける形態が異なっている。つまり、図2等に示すトンネル覆工体では網状体6が先行打設部の端面に止め付けられるのに対し、本実施の形態では覆工コンクリートの打設前に、打ち継ぎ部に固定されている面木30に網状体6を留め付ける。
上記面木30は、図12に示すようにゴムからなり断面が三角形となった長い部材である。この面木30には、軸線方向に貫通する軸孔31が設けられるとともに、後続打設部のコンクリートと接触する面30aから上記軸孔31に連通する複数の横穴32が設けられている。そして、上記軸孔31には線材であるワイヤ33が挿通される。
上記面木30は、図11(a)に示すように覆工コンクリートの先行打設部2と覆工用移動型枠の型枠面材11との隅角部に配置する。そして、上記軸孔31に挿通されたワイヤ33の両端部を型枠面材11の周方向における両下端部で緊張することにより、面木30を型枠面材11に押し付けて固定することができるものとなっている。
網状体6は、図11(a)に示すように先行打設部2の端面から面木30の側面30a及び型枠面材11に沿った位置に連続するように配置する。この網状体6は、後続打設部のコンクリートが打設される領域側から面木30に、次のように留め付けることができる。
図11(a)に示すように面木30に設けられた横穴32に合成樹脂で形成された結束バンド34を挿入し、軸孔31に挿通されたワイヤ33に掛け回して先端を同じ横穴32から引き出す。また、この横穴32には図11(b)に示すように留め付け部材20の固定部23を先端から挿入し、この留め付け部材20に上記結束バンド34を巻き回して、環状体21が網状体6に押し付けられるように結束バンド34を締め付ける。これにより、留め付け部材20がワイヤ33に連結されて支持されるととともに、環状体21が網状体6を面木30に押し付け、網状体6がコンクリート打設時に移動しないように留め付けられる。
その後、図11(c)に示すように型枠面材11にも留め付け部材20を用いて網状体6を留め付け、地山側の内周面と型枠面材11との間にコンクリートを充填する。コンクリートが硬化した後、図9に示す実施の形態と同様に脱型する。このとき、ワイヤ33の両端を解放し、このワイヤ33を軸孔31から引き抜くことにより、面木30は先行打設部2及び後続打設部のコンクリート面から容易に分離することができる。面木30が除去されると打ち継ぎ部における内周面に沿った位置に切り欠きが形成されている。そして、留め付け部材20の固定部23の先端部分と結束バンド34とがコンクリートから切り欠き内に突き出している。これらを切断して一施工区分の覆工コンクリートの打設を完了する。
なお、本実施の形態では、網状体6は先行打設部2の端面4には留め付けられていないが、第1の実施の形態と同様に先行打設部2の端面4にホールインアンカーを打ち込み、網状体を留め付けても良い。また、このときには覆工用移動型枠10の移動前に網状体6を先行打設部2の端面4に留め付けておき、その後に覆工用移動型枠10を移動して型枠面材11に沿った位置に網状体6を配置するのが望ましい。
本願発明のトンネル覆工体の形成方法は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本願発明の範囲内で様々の形態のものを採用することができる。
例えば、型枠面材11に網状体6を留め付けるときには、上記留め付け部材20に替えて、図13に示すような留め付け治具40を用いることができる。
この留め付け治具40は、合成樹脂で形成されており、型枠面材11に設けられた貫通孔11bの外側つまりコンクリートが打設される範囲外から上記貫通孔11bに挿入して型枠面材に係止される支持部41と、この支持部41と連続し、上記貫通孔11bに挿通されてコンクリートを打設する範囲で両側に拡開された押し付け部42とを有するものである。押し付け部42は両側に拡開された部分で網状体6を型枠面材11に押し付けるものとなっており、両側に拡開された先端から連続してそれぞれ折り返し、中央部で互いに連結された折り返し部43を備えている。そして、型枠面材11の外側から支持部41の中心を貫通してねじ込まれたビス44が、型枠面材11の内側で、上記折り返し部43に設けられた小孔43aにねじ込まれている。このビス44を回転することにより、折り返し部43が型枠面材11側に引き寄せられ、これにともなって押し付け部42が網状体6を型枠面材11に押し付けるものとなっている。
上記留め付け治具40を装着するときには、図14(a)に示すように押し付け部42は支持部41から軸線方向に伸びた状態とし、折り返し部43を支持部41側に折りたたんで両側の押し付け部42の間に挟み込んだ状態とされている。この状態で型枠面材11に設けられた貫通孔11bに挿入される。挿入後、図14(b)に示すように型枠面材11の外側から棒状部材45を押し込んで折り返し部43を押し付け部42の間から押し出し、押し付け部42を両側に拡開するとともに折り返し部43を型枠面材11のコンクリート打設側へ凸状とする。この状態で型枠面材11の外側から支持部41を貫通してビス44を挿入し、両側の折り返し部43の連結部分にねじ込む。そして、回転することによって折り返し部43の連結部分は型枠面材11に引き寄せられるとともに、押し付け部42の先端が型枠面材11側に接近し、網状体6が型枠面材11に押し付けられる。
1:トンネル覆工体、 2:先行打設部、 3:後続打設部、 4:打ち継ぎ面、 5:切り欠き、 6:網状体 7:珪砂、 8:網状体のしわ、 9:覆工コンクリートが打設される前のトンネルの内周面、
10:覆工用移動型枠、 11:型枠面材、 12:開閉窓、 13:面木、 20:留め付け部材、 21:環状体、 22:連結部、 23:固定部、 25:ホールインアンカー、 26:孔あき金具、
30:面木、 31:軸孔、 32:横穴、 33:ワイヤ、 34:結束バンド、
40:留め付け治具、 41:支持部、 42:押し付け部、 43:折り返し部、 44:ビス、 45:捧状部材

Claims (2)

  1. 掘削されたトンネル内で、予め定められた長さ毎にコンクリートを打設してトンネル覆工体を形成するトンネル覆工体の形成方法であって、
    先にコンクリートが打設されて既に硬化した先行打設部の端面に沿って帯状に長い網状体を配置し、該網状体の一方の側縁付近を、該トンネル覆工体の内周面の断面形状に沿って前記先行打設部の端面に留め付け、該網状体の他方の側縁を前記内周面より該トンネルの内側に張り出しておく工程と、
    コンクリートを打設するための型枠を先行打設部に対向する位置から移動して、前記先行打設部と連続して次にコンクリートを打設する後続打設部の所定の位置に設置する工程と、
    前記網状体の前記内周面より該トンネルの内側に張り出している部分を、前記型枠の周面に沿わせ、留め付け部材を用いて該型枠に留め付ける工程と、
    前記網状体及び前記留め付け部材を埋め込むように、掘削されたトンネルの内周面と前記型枠との間に後続打設部のコンクリートを打設する工程と、を含み、
    前記網状体には、該網状体を構成する糸又は紐に予め砂粒又は礫を接着しておき、該網状体の糸又は紐と該トンネル覆工体の内周面との間に、前記砂粒又は礫を介挿させることを特徴とするトンネル覆工体の形成方法。
  2. 掘削されたトンネル内で、予め定められた長さ毎にコンクリートを打設してトンネル覆工体を形成するトンネル覆工体の形成方法であって、
    コンクリートを打設するための型枠を先行打設部に対向する位置から移動して、前記先行打設部と連続して次にコンクリートを打設する後続打設部の所定の位置に設置する工程と、
    前記先行打設部の端面に沿って網状体を配置するとともに、連続した網状体を前記型枠の型枠面に沿って配置する工程と、
    前記先行打設部と前記後続打設部との間の打ち継ぎ面となる位置に、前記型枠面の周方向に沿って、断面が三角形又は台形の面木を配置する工程と、を含み、
    該面木には軸線方向に貫通する軸孔が設けられるとともに、前記後続打設部のコンクリートと接触する面から前記軸孔に連通する複数の横穴が設けられており、
    前記後続打設部のコンクリートが打設される領域側から前記横穴に挿入し前記軸孔に挿通された線材に連結して面木用留め付け部材によって前記網状体を前記面木に留め付ける工程を含むことを特徴とするトンネル覆工体の形成方法。
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