JP3892677B2 - ステアリングコラムカバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングコラムカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のステアリングコラムカバーは、例えば実開昭60−137672号公報で知られているように、分割された2つのコラムカバーの端面同士を突き合わせて一体化するもので、一方のコラムカバーの端面付近の裏面に形成した係合爪を、他方のコラムカバーの端面付近に形成した開口に裏面側から係合させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、係合爪と開口の係合強度が、そのまま2つのコラムカバーの取付強度になるため、係合爪も開口も大きなサイズになっていた。従って、外観上、開口から内部の係合爪が見えてしまい見映えの点で不利だった。また、大きな係合爪を形成すると、その根本付近の表面に樹脂成形特有のヒケと称される不具合が現れるおそれがあり、この点においても見映えの低下を招くおそれがある。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、見映えの向上を図ることができるステアリングコラムカバーを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、分割された2つのコラムカバーの端面同士を突き合わせて一体化するステアリングコラムカバーであって、一方のコラムカバーの端面付近の裏面に、他方のコラムカバー側へ突出し且つ表面に係合凹部を有する突起部を形成し、他方のコラムカバーの裏面に、突起部の係合凹部に係合する係合凸部と、突起部の裏面に当接或いは近接する位置に位置するフランジと、を形成し、前記突起部及び前記係合凸部を、一方及び他方のコラムカバーの表面側から裏面側へ曲折した角部付近にそれぞれ形成し、且つ前記フランジを前記角部の側面から表面と略平行に形成し、前記突起部の裏面に、前記フランジの根元付近の面に当接する隆起部を形成し、前記フランジは、前記係合凸部から前記係合凹部が外れる方向へ一方のコラムカバーが他方のコラムカバーに対して移動するのを、前記隆起部と該フランジの根元付近の面との当接によって阻止して、前記係合凹部と前記係合凸部との係合が外れるのを阻止する
【0006】
請求項1記載の発明によれば、コラムカバーの表面に開口を形成する必要がないため、見映えの点で有利である。また、表面側から外力が加わっても、フランジが、係合凸部から係合凹部が外れる方向へ一方のコラムカバーが他方のコラムカバーに対して移動するのを、隆起部と該フランジの根元付近の面との当接によって阻止するため、突起部のサイズは大きくする必要がなく、コラムカバーの表面に樹脂成形上のヒケが生じない。
また、請求項1記載の発明によれば、フランジを角部の側面から形成したため、フランジの幅が小さくても、突起部の裏面に達する。フランジの幅が小さくなった分、フランジが弾性変形しづらくなり、突起部の裏面側への移動を阻止する力が増す。
また、請求項1記載の発明によれば、突起部の隆起部がフランジの根本に近い部分に当たる。フランジの根本付近は、先端側よりも弾性変形しづらいため、その分、突起部の裏面側への移動を阻止する力が増す。
【0011】
請求項記載の発明は、前記係合凸部には、前記隆起部の側面に当接して、該隆起部を前記フランジの根元から離間した位置で該フランジに当接させるスペーサ部を形成した。
【0012】
請求項記載の発明によれば、係合凸部には、隆起部の側面に当接して、該隆起部をフランジの根元から離間した位置で該フランジに当接させるスペーサ部を形成したため、突起部の隆起部がフランジの根本に近づき過ぎず、適度な弾性変形が得られる位置に当たる。つまり、フランジの根本付近は弾性変形しづらくて良いが、あまりに根本過ぎると全く弾性変形せず、突起部の係合凹部を係合凸部に係合させる作業が困難になるため、スペーサ部により、突起部の位置を根本から適度に離した。
【0013】
請求項記載の発明は、フランジが係合凸部よりも一方のコラムカバー側へ突出している。
【0014】
請求項記載の発明によれば、フランジが係合凸部よりも一方のコラムカバー側へ突出しているため、その突出している部分のフランジを突起部を係合させる際のガイドとして利用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図5は、この発明の第1実施形態を示す図である。ステアリングコラムカバー1は、互いに樹脂による射出成形品である「一方のコラムカバー」である上側コラムカバー2と、「他方のコラムカバー」である下側コラムカバー3とから構成されており、両者の端面を突き当てた状態で一体化されている。ステアリングコラムカバー1の後部は、ステアリングコラム用開口4が形成され、その左右両側にはコンビスイッチレバー用開口5、6が形成され、更に左側の奥には大きめのATシフトレバー用開口7が形成されている。
【0017】
上側コラムカバー2と下側コラムカバー3とは、その端面付近に設けられた複数の係合手段により一体化されているが、以下ステアリングコラムカバー1の左側におけるATシフトレバー用開口7付近に形成された角部8(図1中矢示部分)付近の構造について説明する。
【0018】
上側コラムカバー2の端面付近の裏面には、下向きの突起部9が、角部8の側面8aから若干離れた状態で形成されている。この突起部9の前端には、補強リブ10が形成されている。この突起部9の表面には、係合凹部11が形成され、突起部9の裏面の後端には、「隆起部」であるリブ12が形成されている。リブ12の下端は、傾斜面12aになっている。
【0019】
一方、下側コラムカバー3の対応する裏面には、端面から若干下がった位置に係合凸部13が形成されている。この係合凸部13は、板状で、先端には傾斜面13aが形成されている。係合凸部13の後端からは、そのまま角部8の側面8aに沿ってL形に曲折したスペーサ部14が形成されている。
【0020】
そして、スペーサ部14の端部に当接した状態で、角部8の側面8aからフランジ15が下側コラムカバー3の表面と平行な状態で立設されている。このフランジ15の幅は、スペーサ部14の幅よりも大きく、上部は下側コラムカバー3の端面よりも(当然、係合凸部13よりも)上方へ突出しており、下部は下側コラムカバー3の裏面に沿って下方まで延びている。
【0021】
従って、上側コラムカバー2と下側コラムカバー3を一体化する時は、まず突起部9の下端をフランジ15の上部に沿わせ、このフランジ15の上部をガイドにして下側に押す。突起部9を下方へ押すと、リブ12の傾斜面12a等や係合凸部13の傾斜面13a等の作用により、突起部9が係合凸部13とフランジ15の間にスムースに入り込み、最終的に係合凹部11と係合凸部13とが係合する。
【0022】
この時、係合凸部13自体が若干撓むことと、スペーサ部14の作用により突起部9のリブ12がフランジ15の根本から若干離れた位置に当たることにより、フランジ15が撓み易くなり、係合凹部11と係合凸部13の係合作業を容易にしている。
【0023】
いったん係合凹部11と係合凸部13とが係合した後に、上側コラムカバー2に対して表面側から外力Fが加わっても、突起部9がすぐにフランジ15に当たって、それ以上の移動が阻止される。このように、表面側からの外力Fに対して強いため、従来のように上側コラムカバー2の表面に開口を形成したり、突起部9等を必要以上に大きくする必要がないため、見映えの点で有利である。尚、下側コラムカバー3に外力が加わった場合は、突起部9により係合凸部13の移動が阻止される。
【0024】
更に、この実施形態では、フランジ15を角部8の側面8aから形成したため、フランジ15の幅が小さくても、突起部9の裏面に達する。従って、フランジ15の幅が小さくなった分、フランジ15が弾性変形しづらくなり、突起部9の裏面側への移動を阻止する力が増す。
【0025】
また、突起部9の後端にリブ12を形成したため、突起部9がリブ12を介してフランジ15の根本に近い部分(根本自体ではない)に当たる。フランジ15の根本付近は先端付近よりも弾性変形しづらいため、この点においても、突起部9の裏面側への移動を阻止する力が増すことになる。
【0026】
図6及び図7は、この発明の第2実施形態を示す図である。この実施形態では、リブ12に代えて後端が最も裏面側に突起した隆起部16にした。この隆起部16の機能はリブ12と同様であるが、リブ12のような板形状でないため、長期間使用しても変形するおそれは少ない。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、コラムカバーの表面に開口を形成する必要がないため、見映えの点で有利である。また、表面側から外力が加わっても、フランジが、係合凸部から係合凹部が外れる方向へ一方のコラムカバーが他方のコラムカバーに対して移動するのを、隆起部と該フランジの根元付近の面との当接によって阻止するため、突起部のサイズは大きくする必要がなく、コラムカバーの表面に樹脂成形上のヒケが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態に係るステアリングコラムカバーを示す斜視図。
【図2】 図1中矢示DA部分における突起部と係合凸部を示す斜視図。
【図3】 図2の突起部を別の角度から見た斜視図。
【図4】 図2中矢示SA−SA線に沿う係合状態を示す断面図。
【図5】 図4中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図6】 この発明の第2実施形態を示す図3相当の突起部の斜視図。
【図7】 第2実施形態の突起部を示す図5相当の断面図。
【符号の説明】
1 ステアリングコラムカバー
2 上側コラムカバー( 一方のコラムカバー)
3 下側コラムカバー( 他方のコラムカバー)
8 角部
8a 側面
9 突起部
11 係合凹部
12 リブ( 隆起部 )
13 係合凸部
14 スペーサ部
15 フランジ
16 隆起部
F 外力

Claims (3)

  1. 分割された2つのコラムカバーの端面同士を突き合わせて一体化するステアリングコラムカバーであって、
    一方のコラムカバーの端面付近の裏面に、他方のコラムカバー側へ突出し且つ表面に係合凹部を有する突起部を形成し、
    他方のコラムカバーの裏面に、突起部の係合凹部に係合する係合凸部と、突起部の裏面に当接或いは近接する位置に位置するフランジと、を形成し
    前記突起部及び前記係合凸部を、一方及び他方のコラムカバーの表面側から裏面側へ曲折した角部付近にそれぞれ形成し、且つ前記フランジを前記角部の側面から表面と略平行に形成し、
    前記突起部の裏面に、前記フランジの根元付近の面に当接する隆起部を形成し、
    前記フランジは、前記係合凸部から前記係合凹部が外れる方向へ一方のコラムカバーが他方のコラムカバーに対して移動するのを、前記隆起部と該フランジの根元付近の面との当接によって阻止して、前記係合凹部と前記係合凸部との係合が外れるのを阻止することを特徴とするステアリングコラムカバー。
  2. 請求項記載のステアリングコラムカバーであって、
    前記係合凸部には、前記隆起部の側面に当接して、該隆起部を前記フランジの根元から離間した位置で該フランジに当接させるスペーサ部を形成したことを特徴とするステアリングコラムカバー。
  3. 請求項1又は2に記載のステアリングコラムカバーであって、
    フランジが、係合凸部よりも一方のコラムカバー側へ突出していることを特徴とするステアリングコラムカバー。
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