JP3892402B2 - 圧電ソリッドステートモータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一般に、ソリッドステートモータアクチュエータのカプセル化構造に係る。
【0002】
【従来の技術】
大量生産されるソリッドステートモータ積層体、即ちアクチュエータは、圧電円盤をメタルホイル電極と交互配置(インターリーブ)したものを使用して製造される。交互にバイアスされた電極に電位を加えることにより各々の圧電円盤が膨張され、即ち軸方向に歪まされる。積層された円盤の加算的なそりは一般的に液圧系によって増幅されて、有用な動作を遂行する。
【0003】
電気膨張材料の能動素子を有する従来の電気機械的アクチュエータの一例が、グレンドンMベンソン氏の米国特許第3,501,099号及び第3,635,016号に見られる。ベンソン氏の特許は、動作増幅構造体と、圧電積層体を製造する方法の両方を開示している。セラミック材料のシートを圧延し、圧密化しそしてパンチして、セラミック円盤を形成する。清掃プロセスの後に、これらのセラミック円盤の間に交互に1組の連続する円盤電極を配置して円盤を積層させる。これらの積層体は加圧冷間溶接プロセスを受け、その後、2つの電極グループに共通電極を接続した後に、高温圧力ボンディングプロセスを受ける。これら積層体は、直流電圧を印加することにより極性が定められ、次いで、プラスチックの絶縁カバーでカプセル化された後に、トランスジューサのハウジング内に最終的に取り付けられる。
【0004】
圧電積層体を製造する場合には種々の環境設計要件が重要となる。これらファクターの中で、デバイスの作動温度範囲と外部の機械的なストレスが最も重要である。
【0005】
従来の積層体は、積層体ハウジングの外部で測定して約75℃の最高作動温度に制限される。積層体自体により発生する熱は周囲温度との兼ね合いとなる。例えば、積層体の1つの用途は、エンジンのバルブを動作することである。収容された積層体が一般に取り付けられるエンジンでは、典型的に、非常に高い熱が発生される。積層体の温度は、測定したエンジン温度よりも40ないし50℃は高い温度に到達する。
【0006】
一方、従来の積層体では、構造上の欠陥があると、作動中及び/又は設置中に剪断ストレスやねじれストレスが積層体に加えられるために、一般に積層体に故障を招く。積層体の構造故障とは、一般に、セラミック円盤が疲労によってクラックを生じることに起因するものである。円盤と電極との間の分離もしばしば問題となる。
【0007】
上記した幾つかの問題を最小限に抑える試みとして、円盤/電極積層体とハウジングとの間に圧電積層体の絶縁材が導入されている。
【0008】
コーマクGオネイル氏の米国特許第4,011,474号には、作動中のブレークダウンを回避するように積層体の絶縁を改良するための多数の方法が開示されている。ここでは、圧電積層体と絶縁材料とを接触維持することにより弧絡が回避されるとしている。オネイル氏は、その第1の実施例において、オイルのような加圧された絶縁流体を圧電積層体のハウジングに導入することを教示している。この流体は、印加電圧を加えた際に積層体が半径方向に収縮し又は軸方向に膨張する間に流体と積層体とを接触状態に維持するために加圧される。
【0009】
オネイル氏は、その第2の実施例において、積層体に固体ポリウレタンコーティングを施している。このコーティングは、加圧絶縁流体により積層体と接触状態に保持され、作動中の分離と、それに伴う弧絡を防止する。
【0010】
オネイル氏の第3の実施例では、コーティングが施された積層体のまわりにフィラメント又はテープを巻き付けることにより積層体と固体絶縁コーティングとが接触状態に維持される。このテープは、コーティングに予め負荷を掛けてコーティングが積層体から分離しないよう防止するためにコーティングのまわりに巻き付けられる。このテープは、積層体の作動中にポリウレタンコーティングの膨張を加味するために間隔を置いて巻き付けられる。
【0011】
圧電エレメントの積層体を有するモータの他の例が特開平3−214782号公報に記載されている。この公知の圧電モータは、圧電エレメントの積層体をベローズで囲み、該ベローズの両端に金属端板を配置した構造である。このベローズ型圧電モータは、用途によっては有用であるが、高温の動作温度のもとで使用される用途に使用することはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のカプセル化された圧電モータの改良に関する。本発明の課題は、積層体の動作温度範囲の拡大、耐久性の増大、出力の増加及び寿命の延長といった効果を達成できる圧電ソリッドステートモータを提供することである。
【0013】
【問題を解決するための手段】
本発明は、圧電ソリッドステートモータを提供するものであり、このソリッドステートモータは、積層体に組み立てられた複数の圧電エレメントを備える。各エレメントは2つの対向する平らな表面を有している。複数の電極の各々は、上記積層体の2つの隣接するエレメントの平らな表面に接触する平らな区分を有している。上記圧電エレメントにはシリコーン接着剤が付着される。このシリコーン接着剤には複数のアルミナ粒子が含まれる。保護ハウジングは、上記積層体、電極及びシリコーン接着剤の組合体を円筒状に包囲する。
【0014】
保護ハウジングは硬化スチール製であり、その一端には積層体の一端部を支持する区分が形成される。保護ハウジングの他端は開口しており、この開口した端部にはステンレススチール製のダイヤフラムが取り付けられる。そして、積層体の他端部がこのダイヤフラムに接触するように配置される。
本発明のこの構成によれば、圧電エレメントの積層体は硬化スチールの保護ハウジングにより保護されており、圧電エレメントの作動による動きはダイヤフラムから取り出すことができる。そして、ダイヤフラムはステンレススチール製であるから、高温の作動条件にも耐えることができる。したがって、本発明による圧電ソリッドステートモータは、ダイヤフラムを高温側に向けて保護ハウジングをエンジン頭部等に直接取り付けて使用することができる。
【0015】
【実施例】
以下、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。ここで説明する圧電積層体をカプセル化方法は、高品質、高耐久性のソリッドステートモータ積層体を形成するための自動製造工程用に設計されたものである。この方法の圧電カプセル化段階は、慎重な清掃及び検査作業を用いて高速応答性と大きな駆動力をもつ積層体を形成する技術を向上させる。
【0016】
本発明は、圧電ソリッドステートモータ積層体のカプセル化構造に関する。しかしながら、例えば、ソリッドステートモータ積層体と、電気膨張アクチュエータという用語は、同義語である。本明細書全体にわたり、圧電ソリッドステートモータ積層体を一般に「積層体(スタック)」と称する。
【0017】
本発明は、上記した従来技術の欠点を克服するだけでなく、以下に述べる特徴及び効果も提供する。
【0018】
図1は、本発明による収容されたソリッドステートモータ積層体100を示している。電極/セラミックエレメント積層体102はハウジング104の中央に配置されている。この積層体102は、複数の圧電エレメント103を備えている。これらのエレメント103は種々の幾何学形状をとることができる。好ましい実施例では、エレメント103は実質的に円形状である。従って、エレメント103を円盤(ディスク)とも称する。各円盤は、互いに実質的に平行に形成された2つの対向する表面を有するのが好ましい。これらの円盤には、2組の電極108、108’が圧電エレメントと交互に配置されている。
【0019】
各電極108、108’の基本的な構造を図2について説明する。各個々の電極108、108’は、平らな区分220と細長い区分222とを含んでいる。各電極の平らな区分220は、2つの隣接する円盤の平らな表面の実質的な部分に接触するようになっている。
【0020】
電極108、108’は、公知の技術を用いて切断又は型抜き成形されたメタルホイルである。これらの電極は、黄銅のような銅合金やそれと同等の既知のもので形成される。
【0021】
ハウジング104は硬化スチールで形成され、円筒形状をしていて、積層体を収容するための中空円筒空洞を有している。ハウジング104の上端には2つのスルーポート106、106’が設けられており、電極108、108’をハウジングから取り出せるようになっている。各電極は、コネクタ109、109’によって一緒に束ねられる。
【0022】
又、ハウジング104は、積層体及びハウジングを、例えばエンジンの頭部に取り付けるのに使用される1組のネジ110も備えている。ハウジング104は台状領域112を有する。図1の上から見たときに、この台状領域112は六角形断面を有している。この六角形状は図示されていないが、圧電ソリッドステートモータハウジングをエンジンの頭部に締め付けたり緩めたりするのに使用される。
【0023】
シリコーンのカプセル化材料は、積層体とハウジングとの間の空洞及び隣接電極間のギャップを満たすように注入される。更に、ハウジング104の端面114と、最後のセラミックエレメント115の露出面は、積層体ハウジング104の端にダイヤフラム116を容易に適切に整列させるために同時に研磨されねばならない。次いで、ダイヤフラム116は表面114にレーザ溶接される。これにより、積層体の端(即ち、エレメント115の端面)をダイヤフラム116に接触させることができる。
【0024】
ダイヤフラム116は、厚さが約0.1mmのステンレススチールで形成されるのが好ましい。このスチールのダイヤフラムは、積層体を外部の汚染から保護するように働く。更に、ダイヤフラムは、電極/エレメント積層体がハウジング内で回転しないよう防止するが、これは薄くて且つフレキシブルであるので、ほとんど束縛なく積層体を軸方向に動かすことができる。ダイヤフラム及びハウジングは、好ましくは硬度が約30ロックウェルCである。
【0025】
積層体がエンジンの頭部に設置されるときには、ダイヤフラム116に対して通常はピストンが当接される。設置の間に、積層体はエンジンの頭部にねじ込まれ、ダイヤフラム116はハウジングにストレスを伝達する。もしダイヤフラムがなければ、末端のセラミックエレメントとピストンとの間の摩擦により積層体が回転される。積層体が回転すると、エレメントに剪断力及び分離力が及ぶことになり、シリコーンのカプセル化材料が破裂することになる。このような構造欠陥は、積層体の動作に不利な影響を及ぼす。
【0026】
118と示されたハウジングの区分は、積層体を安住させるための固定台を形成する。約1000Vの駆動電圧を電極108、108’に印加すると、積層体は、この固定台118に対抗して軸方向に膨張し、ダイヤフラム116を外方に動かして、動作を生じさせる。それ故、ダイヤフラム116に対抗してほぼ全ての軸方向変位が生じ、区分118に隣接する端には軸方向変位がほとんど生じない。
【0027】
図3は、図1の圧電ソリッドステートモータ積層体及びハウジングのA−A線に沿った断面図である。シリコーン接着剤は、積層体とハウジングとの間にサンドイッチされて示されている。好ましい実施例では、シリコーン接着剤は、ドウコーニング社により製品番号Q3−6632として製造されたものである。このシリコーン接着剤は、積層体内や電極の複雑な形状部のまわりに見られるクレバスに容易に流れ込んで積層体の完全なカプセル化を確保するように低い粘性であるのが効果的である。25℃におけるシリコーン接着剤の粘性は5700cpsであり、比重は2.14である。シリコーン接着剤は、複数の酸化アルミニウム(アルミナ)粒子より成る。これらのアルミナ粒子は高い熱伝導特性を有し、カプセル化材料の熱伝導率を増加する。又、アルミナ粒子の粒子サイズは、圧電材料の粒子サイズと実質的に同じであるのが効果的である。例えば、アルミナ粒子の粒子サイズは約1ないし5ミクロンであり、圧電材料の粒子サイズは4ないし5ミクロンである。それ故、アルミナ粒子は圧電材料に良好に物理的接触し、これにより、積層体で発生された熱の多くがハウジング壁の内部へ伝導されて放熱されると共に、圧電材料に対するカプセル化材料の接着も促進される。
【0028】
一般的な積層体カプセル化プロセス300が図4及び5に示されている。ブロック302に示すように、積層体は清掃プロセスを受ける。一実施例において、従来のグリットブラスト技術により組み立てられた積層体の外面から過剰な光沢や汚染物が除去される。積層体はメタノールバス内で超音波洗浄される。きれいになった積層体は、次いで、ブロック304において熱で乾燥される。加熱プロセスにより揮発性の汚染物が除去される。この加熱プロセスは、約−98kPaの圧力を用いた真空オーブンのようなデシケータ内において100℃の温度で2時間積層体を加熱することより成る。次いで、積層体は、ブロック306に示すように室温で冷却される。
【0029】
ブロック306に続いて、ハウジングの内壁に離型材が塗布される。この離型材は、シリコーンのカプセル化材料がハウジングの内壁に付着するのを禁止するものである。従って、離型材は、積層体が動作されたときにそれと一緒にカプセル化材料が動けるようにする。更に、この離型材は、温度の変化と共にカプセル化材料が膨張/収縮できるようにし、カプセル化材料へのダメージを回避する。好ましい実施例においては、離型材は、ミラー・ステファーソン社により部品番号MS−145として製造されているフルオロカーボン懸濁離型材である。
【0030】
次いで、積層体は、ブロック310において、変更された整列固定具によりハウジング内で整列される。この整列固定具は、底部/端部区分を含む円筒状ケースを含んでいなければならない。図1に示すように、アクチュエータの一端は、電気リードを通せるように2つの開口を有している。更に、この整列固定具ケースの内径は、適切なカプセル化を行えるようにするために積層体の外径よりも若干大きくなければならない。次いで、ブロック312に示すように、整列固定具のベースにある穴にストッパを挿入し、電気リードのまわりをシールしなければならない。整列固定具ケース及びポートストッパの組成は、本発明にとって厳密なものではないことに注意されたい。しかしながら、それらの組成は、積層体の汚染又は化学反応が生じないものでなければならない。
【0031】
ブロック314において、準備した整列固定具が、真空チャンバ内に配置された空気ポッティング固定具に配置される。次いで、空気ポッティング固定具により積層体に小さな軸方向の負荷を加え、整列固定具を取り外す。この小さな軸方向の負荷は、約445ないし1112.5ニュートンの範囲の力である。
【0032】
整列固定具が取り外された後に、ブロック320において、大きな軸方向の負荷が積層体に加えられる。積層体を圧縮するのに使用するこの負荷により、円盤の不規則な表面に対して黄銅電極を成形することができる。従って、次々の円盤の間には本質的にほとんどスペースが形成されず、スチフネスが増大される。好ましい実施例において、この力はほぼ8900ニュートンに等しい。次いで、ブロック322に示すように、チャンバがシールされる。その後、ブロック324に示すように、チャンバに真空が形成される。この真空は充分な量の空気を引き抜き、真空が解放されたときに積層体内に残された空所をエラストマーが満たすようにする。好ましくは、−100kPaの真空が引かれる。
【0033】
次いで、接着剤の付与について詳細に説明する。シリコーン接着剤は、製造者からA成分及びB成分として供給される。シリコーン接着剤は、製造者の示唆する指示に基づいて1:1の重量比で混合される。完全に混ぜ合わされると、その混合物は、見掛け上均一な灰色となる。均一な生成物混合を確保するためには、A及びB成分は各々完全に混合してから両者を混ぜ合わせるようにしなければならない。成分A及びBが完全に混合されると、それにより生じるエラストマーの空気抜きをしなければならない。エラストマーは、従来の技術によって空気抜きされる。
【0034】
ブロック328において、エラストマー混合物をガラス管を通してデシケータに注入すると共に、積層体とケースの内壁との間のスペースに注入する。ブロック330において、チャンバ内の真空を解放し、積層体に残っている空所をシリコーンエラストマーで満たすようにする。従って、真空が解放されると、エラストマーが積層体の空所を満たし、積層体のスチフネス特性を向上させる。
【0035】
次いで、ブロック332においてエラストマーを硬化する。好ましい実施例では、第1の硬化段階が100℃で約2時間行われる。この第1の硬化段階で、カプセル化材料が固定し、固いゴム材のような見掛けになる。その後、第2の硬化段階が約145ないし150℃で約4時間行われる。この第2の段階は、圧電材料に対するシリコーンのカプセル化材料の接着を確立する。更に、シランのような結合材を用いて、カプセル化材料の付着特性が更に促進される。
【0036】
ブロック336において、軸方向の負荷が積層体から解放される。その後、積層体は、ブロック334において、室温で1時間冷却される。
【0037】
エラストマーは、電極及び圧電円盤を充分にカバーして弧絡を防ぐように付与される。更に、エラストマーは、積層体をハウジングから電気的に分離する。
【0038】
ブロック338において、積層体は、真空チャンバ内部の空気固定具から取り外される。シリコーンのカプセル化材料のコーティングは、ブロック340に示すようにトリミングされる。このトリミングにより、組み立てられた積層体の端面が露出され、動作中に積層体からダイヤフラム部材へ並進運動を直接伝達できるようになる。さもなくば、エラストマーのトリミングしない端部コーティングは、従順な層として働く。
【0039】
ブロック342は、極性定めのプロセスを表している。この極性定めのプロセスは、室温にある積層体に電圧信号を印加することより成る。例えば、この電圧信号は、0ボルトから800ボルトまで上方に傾斜され、次いで、800ボルトから0ボルトまで下方に傾斜される。この極性決め技術は従来のものであり、セラミック材料に基づくものである。
【0040】
ブロック344に示すように、ハウジングの端面及び圧電円盤の露出面は、スチールのダイヤフラムを積層体ハウジング組立体の端に容易に適切に整列させるように同時に研磨される。次いで、ダイヤフラムは、ブロック346で示すようにハウジングの端面にレーザ溶接される。ダイヤフラムは、好ましくは、ステンレススチールで作られ、その厚みは約0.25mmである。スチールのダイヤフラムは、積層体を外部の汚染から保護するように機能する。更に、ダイヤフラムは、電極円盤/積層体がハウジング内で回転しないように防止する。
【0041】
本発明の操作の一例を以下に述べる。圧電アクチュエータの主たる機能は動作(アクチュエーション)を与えることである。これは、圧電円盤各々に高い電位を加えることにより達成される。電気エネルギーを受けるのに応答して、各円盤は軸方向に「伸び」即ち膨張する一方、半径方向に「収縮」即ち縮まる。積層体の個々の円盤が膨張するときには、積層体も同様に膨張する。更に、円盤から電気エネルギーを除去すると、円盤はその元の形態に復帰する。圧電材料のこの膨張特性により、セラミックは、動作を必要とする多数の用途にとって望ましいものとなる。
【0042】
上記したように、シリコーン接着剤は優れた物理的特性を発揮し、これは以下のものを含むがこれに限定されるものではない。シリコーン接着剤の低い粘性は圧電円盤への良好な接着をもたらす。更に、この低い粘性は、積層体のクレバスに接着剤を充填させて良好なスチフネスを与えることができるようにする。従って、この良好なスチフネス特性によりアクチュエータを大きく変位させることができる。アルミナ粒子は、良好な熱伝導特性を発揮し、熱が重要な種々の用途に積層体を使用できるようにする。更に、カプセル化材料は積層体を外部の衝撃から保護し、積層体を過酷な条件に使用できるようにする。これらの全てにより、優れた信頼性をもつアクチュエータが得られる。
【0043】
シリコーン接着剤に関連した優れた物理特性に加えて、多くの組み立て特性も向上される。又、接着剤は、積層体に対してプライマー(下塗り)なしの接着を果たす。更に、接着剤の1回の塗布しか必要でないので、アクチュエータを迅速に製造することができる。
【0044】
本発明の他の特徴、目的及び効果は、上記説明、添付図面及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧電ソリッドステートモータ積層体を示す側面断面図である。
【図2】平らな区分及び細長い区分をもつ電極を示す図である。
【図3】図1の収容された圧電積層体のA−A線に沿った上面断面図である。
【図4】本発明による圧電積層体のカプセル化にエラストマーを適用する方法の基本的な段階を示すフローチャートである。
【図5】本発明による圧電積層体のカプセル化にエラストマーを適用する方法の基本的な段階を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 ソリッドステートモータ積層体
102 電極/セラミックエレメントの積層体
103 圧電エレメント
104 ハウジング
108、108’ 電極
109、109’ コネクタ
110 ネジ
112 台領域
116 ダイヤフラム
114 表面
118 固定台
Claims (5)
- 各々が両側に平らな表面を有し互いに積層された複数の圧電エレメント、及び、各々が2つの隣接する前記圧電エレメントの間に配置され、該圧電エレメントの前記平らな表面に接触する平らな区分を有する複数の電極からなる積層体と、
前記積層体を収容する筒状の保護ハウジングと、
前記積層体と前記保護ハウジングとの間にあって前記積層体を筒状に囲み前記圧電エレメントに付着されるようになったシリコン接着剤と、
を含み、
前記保護ハウジングは硬化スチール製であり、前記保護ハウジングの一端には前記積層体の一端部を支持する区分が形成され、他端は開口しており、
前記保護ハウジングの前記他端にはステンレススチール製のダイヤフラムが取り付けられ、前記積層体の他端部はこのダイヤフラムに接触しており、
前記シリコン接着剤にはアルミナ粒子が含まれている、
ことを特徴とする圧電ソリッドステートモータ。 - 前記シリコン接着剤は、最初は前記積層体の空所に流れこむことのできる程度の低粘性の液体であり、前記積層体の周囲およびその全体にわたって分布されて、前記積層体とハウジングとの間の領域を満たし、次に前記シリコン接着剤が硬化されて前記圧電エレメントに接着されたものであることを特徴とする請求項1に記載のソリッドステートモータ。
- 前記電極の各々は、前記積層体から外方に延びるように前記平らな区分と共に形成された細長い区分を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のソリッドステートモータ。
- 前記圧電エレメント及び前記電極の前記平らな区分は実質的に円形状を有しており、
前記細長い区分は、前記平らな区分の周囲から外方に延び、所定の複数の電極の細長い区分が共に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のソリッドステートモータ。 - 前記アルミナ粒子の粒子サイズは1ないし5ミクロンであり、前記圧電エレメントの粒子サイズは4ないし5ミクロンであることを特徴とする請求項3に記載のソリッドステートモータ。
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