以下,本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1から図3において、モータ式駆動装置1は、下面を開口させた箱状の収納ケース2と、小形モータ3と、この小形モータ3の回転軸3Aに連結されてその回転軸3Aの回転を減速させる歯車群4と、この歯車群4に連結されて回転する出力軸5と、この出力軸5に固定されて出力軸5の正逆転運動を往復運動に変換させるための駆動体6とを少なくとも備えている。駆動体6は、円盤状若しくは円筒状としてある。駆動体6は、小形モータ3を後述する正逆転手段59によって正逆転させることで、正逆転させられる。
歯車群4は、図1に示すように、小形モータ3の回転軸3A外周に圧入することで取り付けたウオーム7と、このウオーム7に噛み合うウオームホイール8と、このウオームホイール8を支持する金属棒からなる第一歯車軸9と、この第一歯車軸9に嵌合しかつウオームホイール8と一体的に設けた第一小歯車8Aと、この第一小歯車8Aに噛み合う第一大歯車10と、この第一大歯車10を支持する金属棒からなる第二歯車軸11と、この第二歯車軸11に嵌合しかつ第一大歯車10と一体的に設けた第二小歯車10Aと、この第二小歯車10Aに噛み合いかつ第一歯車軸9に嵌合した第二大歯車12と、この第二大歯車12と一体的に設けかつ第一歯車軸9に嵌合させた第三小歯車12Aと、この第三小歯車12Aに噛み合いかつ出力軸5の外周に形成した出力歯車5Aとから構成されている。ウオームホイール8と第一小歯車8Aは、射出成形などにより、一体成形されている。第一大歯車10と第二小歯車10Aは、射出成形などにより、一体成形されている。第二大歯車12と第三小歯車12Aは、射出成形などにより、一体成形されている。
ウオーム7は、最大回転数4300rpmがえられかつ最大トルク36g−cmがえられるように設定されている。ウオーム7とウオームホイール8の減速比を30に設定すると共に、第一小歯車8Aと第一大歯車10の減速比、第二小歯車10Aと第二大歯車12の減速比及び第三小歯車12Aと出力歯車5Aの減速比を、それぞれ2.467に設定することにより、歯車群4全体の減速比を約450としてある。
収納ケース2内には、図1に示すように、小形モータ3、歯車群4及び出力軸5が配置され、しかも、収納ケース2の上面2Aには、駆動体6が配置されている。出力軸5は、収納ケース2の内底面に近接した位置に配置され、取り付けねじ13を用いて駆動体6の取り付け軸部6Aに固定されている。取り付け軸部6Aは、収納ケース2の上面2Aに形成した取り付け筒部2Bに回転可能に嵌合させてある。収納ケース2の内容積は、約35mm(深さ寸法D1)×約62mm(横幅内寸法W1)×約56mm(奥行内寸法W2)としてある。
収納ケース2の内底面には、3本の取り付けボス14、14A、14Bが一体に設けられている。3本の取り付けボス14、14A、14Bの自由端には、金属板製のベース15が金属製のベース用取り付けねじ16により着脱可能に取り付けられている。ベース15に折り曲げ片15Aを一体的に形成し、この折り曲げ片15Aに小形モータ3が金属製のモータ用取り付けねじ17により着脱可能に取り付けられている。(図1〜図3参照) ベース15の上面には、図4に示すように、第一歯車軸9と第二歯車軸11が垂直に、カシメ等の方法により固定されている。第一歯車軸9及び第二歯車軸11の固定面となるベース15の上面と小形モータ3の固定面となる折り曲げ片15Aとは、折り曲げ片15Aをベース15の上面に対して直角となるように折り曲げることで、直交するようにしてある。
収納ケース2の上面2Aに配設された駆動体6は、取り付けねじ13を回転軸心として出力軸5の回転により回転するものであり、その回転運動を往復運動に変える機能を有している。すなわち、駆動体6の上面には、図3に示すように、出力軸の回転中心から半径方向に偏心させた位置に、換言すれば、駆動体6の回転軸心となる取り付けねじ13の外方に位置する部分に、ピン状の作動突起体6Bを設け、その作動突起体6Bに、金属製の連結ロッドなどからなる連結部材18の一端に形成したフック部18Aを係合させてある。したがって、駆動体6が取り付けねじ13を回転軸心として回転運動すると作動突起体6Bに一端を係合させた連結部材18が往復運動することになる。図3においては、連結部材18が上下に往復運動する。
収納ケース2の上面2Aには、駆動体6が所定角度正回転するとその駆動体6の正回転を阻止しかつ駆動体6が所定角度逆回転するとその駆動体6の逆回転を阻止する阻止手段が設けられている。その阻止手段は、図1〜図3の示す一実施例では、駆動体6の外周から外方に突出するプラスチック製のストッパー部材6Cを設けると共に、駆動体6の外方に位置するところに、駆動体6が所定角度正回転するとストッパー部材6Cに衝突してそのストッパー部材6Cの回転を阻止するプラスチック製の第一阻止体19と、駆動体6が所定角度逆回転するとストッパー部材6Cに衝突してそのストッパー部材6Cの回転を阻止するプラスチック製の第二阻止体20とを配設することで、構成されている。第一阻止体19及び第二阻止体20は、収納ケース2の上面2Aに一体的に形成されている。駆動体6と取り付け軸部6A、作動突起体6B及びストッパー部材6Cは、射出成形などにより、一体成形されている。駆動体6及びストッパー部材6Cの回転速度は、約13mm/秒に設定してある。収納ケース2、取り付け筒部2B、取り付けボス14、14A、14B、第一阻止体19及び第二阻止体20は、射出成形などにより、一体成形されている。
収納ケース2、外周に出力歯車5Aが形成される出力軸5、駆動体6、ウオーム7、ウオームホイール8、第一小歯車8A、第一大歯車10、第二小歯車10A、第二大歯車12及び第三小歯車12Aは、モータ式駆動装置1の軽量化及び耐腐食化を図るために、プラスチック製としてある。収納ケース2には、図1に示すように、下面の開口を覆うプラスチック製の覆蓋21がプラスチックヒンジなどにより開閉可能に取り付けられている。収納ケース2の外周左右の側壁には、それぞれ収納ケース用取り付け片2Cが一体的に設けられている。
収納ケース2への小形モータ3及び歯車群4の組み立ては、始めに、ベース15に、第一歯車軸9と第二歯車軸11を固定する。次に、ウオーム7を予め取り付けた小形モータ3の回転軸3Aをベース15の折り曲げ片15Aに設けた切り欠き15Bに嵌合させた後、モータ用取り付けねじ17により、ベース15の折り曲げ片15Aに小形モータ3を固定する。次に、第一歯車軸9にウオームホイール8を嵌入させてそのウオームホイール8をウオーム7に噛み合わせる。次に、第二歯車軸11に第一大歯車10を嵌入させてその第一大歯車10をウオームホイール8に一体形成された小歯車8Aに噛み合わせる。次に、第一歯車軸9に第二大歯車12を嵌入させてその第二大歯車12を第一大歯車10に一体形成された第二小歯車10Aに噛み合わせる。次に、第二歯車軸11の先端に出力軸5の下面中央に形成された第二凹部5Bを嵌合させると共に、出力軸5の外周に形成した出力歯車5Aを第二大歯車12に一体的形成された第三小歯車12Aに噛み合わせる。次に、収納ケース2の下面の開口から、収納ケース2内に、ベース15に取り付けられた小形モータ3及び歯車群4を挿入して、第一歯車軸9の先端を収納ケース2の内底面に形成された第一凹部2Dに嵌合させると共に、収納ケース2の取り付け筒部2Bに挿入した駆動体6の取り付け軸部6Aの下面凹部6Dに、出力軸5の先端部5Cを嵌合させる。次に、取り付けねじ13を駆動体6の上からねじ込んで、駆動体6の取り付け軸部6Aと出力軸5の先端部5Cを一体化する。最後に、取り付けボス14、14A、14Bの下面に、ベース15をベース用取り付けねじ16により固定し、収納ケース2の下面開口を覆う覆蓋21で閉じれば、収納ケース2への小形モータ3及び歯車群4の組み立て作業が終了する。
小形モータ3は、駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19若しくは第二阻止体20に衝突して、駆動体6及び出力軸5の回転が阻止されることにより、その小形モータ3の回転が強制的に阻止されると、定常回転時に発生している定常電流よりも大きいロック電流を発生させる構成にしてある。本実施例では、小形モータ3を直流ブラシモータとすると共に、小形モータ3のケース部の大きさを、約15mm(高さ寸法H)×約20mm(横幅寸法W)×約25mm(奥行寸法L)としてある。
正逆転手段59は、駆動体6が所定角度正回転するとその駆動体6の正回転を阻止する第一阻止体19及び駆動体6が所定角度逆回転するとその駆動体6の逆回転を阻止する第二阻止体20からなる阻止手段と、駆動体6の回転を阻止手段で強制的に阻止することにより小形モータ3に発生するロック電流を検出する検出手段22と、この検出手段22によりロック電流が検出されると小形モータ3の電源回路23を開放するモータ停止手段24と、このモータ停止手段24により小形モータ3の電源回路23が開放されると小形モータ3の極性を切り換える極性切り替え手段25と、マイコンを用いた制御回路などからなる指令発生手段26とから構成されている。これら検出手段22とモータ停止手段24と極性切り替え手段25と指令発生手段26により、小形モータ3にロック電流が発生すると、小形モータ3の電源回路23を開放させかつ小形モータ3の極性を切り替え、しかも、その小形モータ3の極性を切り替え後に、指令発生手段26の指令に基づき小形モータ3の電源回路23を閉成させることで、小形モータ3及び駆動体6を自動反転させることができるようにしてある。(図5参照)
検出手段22は、図5に示すように、電気抵抗27とこの電気抵抗27に並列に接続された電圧降下検出器28とからなっている。小形モータ3にロック電流が発生すると、電圧降下検出器28から検出信号X1が指令発生手段26に送信されるようにしてある。モータ停止手段24は、小形モータ3の電源回路23を開閉する開閉器であって、本実施形態例ではトライアックなどの開閉素子からなっている。小形モータ3の電源回路23は、図5に示すように、少なくとも、電気抵抗27と直流電源29とモータ停止手段24と小形モータ3とを、直列に接続した回路からなっている。直流電源29の電圧は、12〜24Vの範囲に設定されている。
指令発生手段26は、検出手段22によって駆動体6の回転が阻止されたことが検出されるとモータ停止手段24により小形モータ3の電源回路23を開閉させる指令と、極性切り替え手段25により小形モータ3の極性を切り替えさせる指令とを、少なくとも発生させる機能を有している。収納ケース2内に設けられた小形モータ3から指令発生手段26等への電気的配線は、収納ケース2の側面に設けた配線用開口2Eを利用して行われる。
極性切り替え手段25は、図5に示すように、接点A1、B1と共通接点C1を備えた切り替え素子30及び接点A2、B2と共通接点C2を備えた切り替え素子31とを有している。接点A1と接点B2が常時接続されている。接点A2と接点B1が常時接続されている。小形モータ3は、その一端側が共通接点C1に接続されていると共に、その他端側が共通接点C2に接続されている。
駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19若しくは第二阻止体20に衝突しない間、すなわち、図6の横軸のT0点からT1点までの間では、小形モータ3に定常電流が流れて電圧降下検出器28により検出されるところの電気抵抗27による電圧降下V0は小さく一定である。駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19若しくは第二阻止体20に衝突して、駆動体6及び出力軸5の回転が阻止されたとき、すなわち、図6の横軸のT1点を越えたとき、例えば、T2点のときには、小形モータ3にロック電流が流れて電圧降下検出器28により検出されるところの電気抵抗27による電圧降下は異常に大きくなる。その異常電圧降下を、図6において、V1とする。その異常電圧降下V1を電圧降下検出器28が検出すると、電圧降下検出器28から検出信号X1が指令発生手段26に送信される。
指令発生手段26に検出信号X1が送信されると、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して開指令信号X2が送信されて、モータ停止手段24を開かせることにより、電源回路23が開放されて、小形モータ3の回転を停止させると共に、指令発生手段26から極性切り替え手段25に対して極性切り替え指令信号X3が送信されて、切り替え素子30、31が切り替えられることにより、小形モータ3の極性が切り替えられる。切り替え素子30、31の切り替えは、図5において、接点A1と共通接点C1が離れかつ共通接点C1と接点B1が接続されると共に、接点A2と共通接点C2が離れかつ共通接点C2と接点B2が接続されることにより、行われる。
その後、駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19若しくは第二阻止体20に衝突することにより、回転を停止させた小形モータ3を、再び回転させる場合は、指令発生手段26から閉指令信号X4を開閉素子からなるモータ停止手段24に送信してそのモータ停止手段24を閉じさせて、電源回路23を閉成させればよい。電源回路23を閉成させれば、小形モータ3の極性が切り替えられているので、小形モータ3及び駆動体6がいままでとは反対の方向に回転、すなわち、自動反転して、駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19若しくは第二阻止体20に再び衝突する。
そして、駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19若しくは第二阻止体20に再び衝突すると、電圧降下検出器28から検出信号X1が指令発生手段26に送信されるので、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して開指令信号X2がかつ指令発生手段26から極性切り替え手段25に対して極性切り替え指令信号X3が、それぞれ送信されるため、小形モータ3の回転が再び停止させられかつ切り替え素子30、31が再び切り替えられるので、図5に示すように、接点A1と共通接点C1が接続されかつ共通接点C1と接点B1が離れると共に、接点A2と共通接点C2接続されかつ共通接点C2と接点B2が離れる。
次に、上記構成からなるモータ式駆動装置1を、例えば、全自動式の洗濯機60における排水弁開閉装置35に採用した一実施例を、図7から図10を用いて説明する。図7から図10において、図1から図6と同一符号は同一内容を表している。図7から図10に示す一実施例の洗濯機60は、図示しない外枠内に防振支持された水受け槽32を有している。その水受け槽32の外底部には、主モータ33とクラッチ機構34と排水弁開閉装置35が固定されている。水受け槽32の最低部には、排水口32Aが設けられている。水受け槽32内には、脱水槽36が設けられている。脱水槽36内の底部中央には、パルセータやアジテータなどからなる攪拌手段37が設けられている。排水口32Aには、排水弁38が連結されている。主モータ33は、攪拌手段37を回転させたりあるいは脱水槽36を回転させたりするための駆動源となるものであって、インダクションモータからなっている。
排水弁38は、プラスチック製であって筒状の弁ケース39と、プラスチック製の蓋体40と、プラスチック製であって排水口32Aを開閉するための開閉弁体41と、金属製であってコイル状の弁ばね42とを有している。開閉弁体41は、有底筒状のベローからなっている。水受け槽32の外底部に設けられた排水弁開閉装置35は、モータ式駆動装置1と、このモータ式駆動装置1における連結部材18の他端側に開閉弁体41が連結された排水弁38とから構成されている。排水弁38の開閉弁体41は、連結部材18の往復運動に連動して水平方向に移動することにより、排水口32Aを開閉させる。(図7〜図10参照)
弁ケース39と蓋体40とを、ベローからなる開閉弁体41の開口端縁41Aを挟み込んだ状態で、螺子等により固定するか、若しくは弁ケース39と蓋体40の両方の弾性を利用して弾着固定するかして、弁ケース39と開閉弁体41の開口端縁41Aとの合せ目及び開閉弁体41の開口端縁41Aと蓋体40との合せ目の水密を保持するようにしている。弁ケース39の外周には、水受け槽32の排水口32Aに弁ケース39を連結するための連結管体39Aが一体的に形成されている。連結管体39Aと排水口32Aとは、接着剤等により水密的に結合されている。弁ケース39の蓋体40に対向する面側には、排水管体39Bが一体的に形成されている。
連結部材18は、図7及び図9に示すように、一端側には作動突起体6Bに係合するフック部18Aを、かつ、他端側には円盤状の軸座18Bを、それぞれ一体的に形成し、しかも、中間部分には係止体18Cを一体的に形成した構成としてある。連結部材18の円盤状の軸座18Bは、開閉弁体41の内底41Bに固定してある。連結部材18は、蓋体40の中央を貫通して駆動体6側に延在させてある。蓋体40の中央に設けられる貫通穴は、連結部材18の外径よりも大きく設定してある。
コイル状の弁ばね42は、連結部材18の周囲に同心円状に配置して、その一端42Aを蓋体40の裏面に支持し、かつ、その他端42Bを軸座18Bに支持させることで、図7に示すように、弁ばね42の伸張力により、軸座18Bを介して開閉弁体41を、弁ケース39における排水管体39Bの入口に常時押し付けるようにしている。
排水弁38の弁ケース39は、図8及び図10に示すように、その弁ケース39の外周に一体的に形成した2個の弁ケース用取り付け片39Cを、弁ケース用固定螺子43で、水受け槽32の底部に固定することにより、水受け槽32に取り付けられる。モータ式駆動装置1は、図7から図10に示すように、収納ケース2の外周に一体的に形成した2個の収納ケース用取り付け片2Cを水受け槽32の底部に設けたボス部32Bに、収納ケース用固定螺子44で固定することにより、水受け槽32に取り付けられる。
水受け槽32の外底部には、図8及び図10に示すように、レバー軸45と、クラッチレバー46と、クラッチばね47と、ばね受けボス48とが設けられている。クラッチレバー46は、一端46Aをレバー軸45に回転可能に取り付けかつ他端46Bをクラッチ機構34外周に延在させてある。クラッチばね47は、その一端47Aをばね受けボス48に係止させかつその他端47Bをクラッチレバー46に係止させ、しかも、レバー軸45に取り付けられたクラッチレバー46の一端46Aの外周に取り付けることで、クラッチレバー46の他端46Bをクラッチ機構34に向って常時付勢させることにより、そのクラッチレバー46の他端46Bがクラッチ機構34に係止するようにしてある。
クラッチ機構34は、排水弁38の開閉弁体41が開く方向に連結部材18を移動させることによりその連結部材18の係止体18Cをクラッチレバー46に係止させてそのクラッチレバー46の他端46Bをクラッチ機構34から離すと主モータ33により脱水槽36を回転させることを可能にすると共に、排水弁38の開閉弁体41が閉じる方向に連結部材18を移動させることによりその連結部材18の係止体18Cをクラッチレバー46から離してそのクラッチレバー46の他端46Bをクラッチ機構34に係止させると主モータ33により攪拌手段37を回転させることを可能にする構成にしてある。しかも、クラッチ機構34は、連結部材18の係止体18Cをクラッチレバー46から離してそのクラッチレバー46の他端46Bをクラッチ機構34に係止させると図示しないブレーキ装置が作動して脱水槽36の回転を急停止させるブレーキ力が脱水槽36に加えられるようにしてある。
クラッチレバー46の他端46Bがクラッチ機構34に係止している状態では、図8に示すように、駆動体6のストッパー部材6Cが第一阻止体19に衝突しかつ連結部材18の係止体18Cがクラッチレバー46から離れていると共に、図7に示すように、弁ばね42の伸張力により開閉弁体41が弁ケース39における排水管体39Bの入口に押し付けられてその入口が閉じている。この状態は、指令発生手段26から閉指令信号X4がモータ停止手段24に送信されて電源回路23が閉成されるまで、維持される。そして、この状態のときに、洗濯機60の給水工程、洗濯工程若しくはすすぎ工程が実行される。ここで、給水工程とは、排水弁38を閉じて水受け槽32内に水道水等の洗濯水を規定水位まで溜める工程をいう。洗濯工程とは、排水弁38を閉じたままで、攪拌手段37を回転させて脱水槽36内に投入されている洗濯物を攪拌させることによりその洗濯物の洗濯を行う工程をいう。すすぎ工程とは、給水工程及び洗濯工程を実行した後、排水弁38を閉じたままで、攪拌手段37を回転させて脱水槽36内に投入されている洗濯物を攪拌させることによりその洗濯物のすすぎを行う工程をいう。給水工程では、クラッチ機構34により主モータ33の回転が攪拌手段37に伝達するようにしてあるが、主モータ33を回転させないので、攪拌手段37は回転しない。
駆動体6を正回転させて、駆動体6のストッパー部材6Cを第二阻止体20に衝突させた状態にすると、駆動体6の作動突起体6Bにより、連結部材18がモータ式駆動装置1側に移動させられて、図9及び図10のようになる。すなわち、クラッチばね47の付勢力に逆らって連結部材18がモータ式駆動装置1側に移動させられると、最初に連結部材18の係止体18Cがクラッチレバー46に衝突する。その後、さらに、クラッチばね47の付勢力及び弁ばね42の伸張力に逆らって連結部材18がモータ式駆動装置1側に移動させられると、連結部材18の係止体18Cによりクラッチレバー46が押されて、クラッチレバー46の他端46Bが、クラッチ機構34から離れると共に、開閉弁体41が排水管体39Bの入口から離れて、水受け槽32の排水口32Aと排水管体39Bとが連通状態となる。この状態のときに、洗濯機60の排水工程若しくは脱水工程が実行される。ここで、排水工程とは、排水弁38を開いて水受け槽32内に溜まっている洗濯水を完全に水受け槽32外に排出する工程をいう。脱水工程とは、排水工程終了後、排水弁38を開いたままで、脱水槽36を高速回転させて脱水槽36内の洗濯物内に含有されている洗濯水を遠心分離させる工程をいう。排水工程では、クラッチ機構34により主モータ33の回転が脱水槽36に伝達するようにしてあるが、主モータ33を回転させないので、脱水槽36は回転しない。
上記構成の排水弁開閉装置35によれば、給水工程時、洗濯工程時及びすすぎ工程時には開閉弁体41が弁ケース39における排水管体39Bの入口に押し付けられることで、水受け槽32の排水口32Aから弁ケース39の連結管体39Aを介して弁ケース39内に流れ込んできた排水が排水管体39Bから弁ケース39外部に流れ出るのを阻止している(図7参照)。この時、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して閉指令信号X4が送信されない限り、小形モータ3が直流電源29に接続されず、小形モータ3及び駆動体6が回転しないので、連結部材18が弁ばね42の伸張力に逆らって駆動体6側に移動することがなく、図7に示すように、排水管体39Bの入口に開閉弁体41を完全に押し付けた状態が弁ばね42の伸張力により保持される。すなわち、排水弁38の閉状態が保持される。この状態で、主モータ33を回転させずに、水道等に連結された給水弁(図示せず)を開いて水受け槽32内に水を入れることで、給水工程を実行させることができ、しかも、その給水弁を閉じて主モータ33を回転させることにより攪拌手段37を回転させることで、洗濯工程若しくはすすぎ工程を実行させることができる。
次に、洗濯工程若しくはすすぎ工程を所定時間実行させた後、排水工程若しくは脱水工程に移行させたい場合には、指令発生手段26から閉指令信号X4をモータ停止手段24に送信してそのモータ停止手段24を閉じさせることにより、小形モータ3を直流電源29に接続することで、小形モータ3の回転が歯車群4を介して出力軸5に伝達され、その出力軸5が正回転させられる。出力軸5が正回転すると駆動体6も正回転する。駆動体6が正回転すると、作動突起体6Bに係合した連結部材18が弁ばね42の伸張力に逆らって駆動体6側に移動させられるため、開閉弁体41が排水管体39Bの入口から離れると共に、連結部材18の係止体18Cによりクラッチレバー46が押されてそのクラッチレバー46の他端46Bがクラッチ機構34から離れてそのクラッチ機構34により主モータ33の回転が脱水槽36に伝達され、主モータ33により脱水槽36が回転可能な状態となる。
駆動体6が正回転して、ストッパー部材6Cが第二阻止体20に衝突すると、駆動体6の回転が止まる。このときの作動突起体6Bの位置が、図9及び図10に示すように、図7及び図8の状態から約180度正回転させた位置となり、連結部材18が、駆動体6側に移動させられるので、開閉弁体41が排水管体39Bの入口から完全に離れる。しかも、ストッパー部材6Cが第二阻止体20に衝突して駆動体6の回転が止められると、小形モータ3にロック電流が流れそのロック電流が発生したことを電圧降下検出器28により検出されて、電圧降下検出器28から検出信号X1が指令発生手段26に送信されるので、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して開指令信号X2が送信されるため、電源回路23が開放されて小形モータ3の回転が停止させられると共に、指令発生手段26から極性切り替え手段25に対して極性切り替え指令信号X3が送信されるため、切り替え素子30、31が切り替えられて小形モータ3の極性が切り替えられる。
その後、排水工程若しくは脱水工程を実行するのに必要な所定時間が経過すると、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して閉指令信号X4が送信されてモータ停止手段24を閉じさせる。モータ停止手段24が閉じると、電源回路23が閉成するので、小形モータ3が逆回転して駆動体6も逆回転(図10では、時計方向に回転)する。駆動体6の逆回転は、ストッパー部材6Cが第二阻止体20から離れて第一阻止体19に衝突するまで続き、連結部材18の作動突起体6Bが約180度逆回転して、図9及び図10の状態から図7及び図8の状態になり、作動突起体6Bに係合した連結部材18が排水弁38側に移動させられて、再び開閉弁体41が排水管体39Bの入口に押し付けられた状態、すなわち、排水弁38の閉状態となると共に、クラッチレバー46から連結部材18の係止体18Cが離れるので、クラッチばね47の付勢力によりクラッチレバー46の他端46Bがクラッチ機構34に係止させられて、再び、クラッチ機構34により主モータ33の回転が脱水槽36に伝達されず、しかも、図示しないブレーキ装置が作動して脱水槽36の回転が急停止させられる。
そして、ストッパー部材6Cが第一阻止体19に衝突して駆動体6の回転が止められると、小形モータ3にロック電流が流れそのロック電流が発生したことを電圧降下検出器28により検出されて、電圧降下検出器28から検出信号X1が指令発生手段26に送信されるので、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して開指令信号X2が送信されるため、電源回路23が開放されて小形モータ3の回転が再び停止させられ、しかも、指令発生手段26から極性切り替え手段25に対して極性切り替え指令信号X3が送信されるため、切り替え素子30、31が切り替えられて小形モータ3の極性が、再び切り替えられる。
以上のように、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35では、ストッパー部材6Cを第一阻止体19と第二阻止体20に交互に衝突させて、小形モータ3と駆動体6を正逆転させることにより、連結部材18が円滑に往復運動するので、排水弁38の開閉弁体41の開閉動作を、確実に行わせることができる。また、上記排水弁開閉装置35は、ストッパー部材6C、第一阻止体19及び第二阻止体20がそれぞれプラスチック製であって、かつ、駆動体6及びストッパー部材6Cの回転速度が約13mm/秒と低速であるため、ストッパー部材6Cが第一阻止体19と第二阻止体20に交互に衝突しても、ほとんど衝突音が発生せず、静音化が図られる。
さらに、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35によれば、小形モータ3を正逆回転させると、その回転が、ウオーム7―ウオームホイール8―第一小歯車8A―第一大歯車10―第二小歯車10―第二大歯車12―第三小歯車12Aを経由して、出力歯車5Aに伝達されるので、出力軸5及び駆動体6が正逆回転させられて、その駆動体6の作動突起体6Bに係合させた連結部材18を円滑に往復運動させることができる。しかも、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35は、小形モータ3の正逆回転を、第一阻止体19、第二阻止体20、検出手段22、モータ停止手段24、極性切り替え手段25及び指令発生手段26によって行い、従来のように、3枚の長尺接片と3枚の長尺接片に設けられる接点と同期モータで回転するカム体とからなる機械式スイッチを使用して、その機械式スイッチにおける3枚の長尺接片の先端をカム体の外周曲面に沿って摺接させるようにしていないので、カム体の磨耗紛の付着や絶縁皮膜の生成による接点不良、接点間の結露による誤動作及び長尺接片の根元部分の破損が発生することがなく、連結部材18の往復運動が確実に行われるため、排水弁38の開閉動作不良が少なくなり、排水弁38の開閉動作を確実に行わせることができ、排水漏れを阻止できる。したがって、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35によれば、製品の信頼性がきわめて優れている。
さらに、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35によれば、出力軸5及び駆動体6を正逆回転させるための駆動源となる小形モータ3を直流ブラシモータとすることで、小形モータ3自体の小形化が図られると共に、歯車群4の枚数を最小限に抑えることができるので、小形モータ3、歯車群4及び出力軸5が嵩張ることなく、しかも、収納ケース2内に密接させた状態で収納させることができため、その収納ケース2の小形化を図ることができる。
さらに、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35によれば、小形モータ3の正逆回転を、歯車群4及び出力軸5により駆動体6に伝達されるようにしたので、従来のように、カム体や3枚の長尺接片を使用しなくてもよく、部品点数が低減し、かつ、3枚の長尺接片にそれぞれリード線を溶接する作業、3枚の長尺接片を支持台に溶接する作業及び3枚の長尺接片にそれぞれ接点をカシメ等により取り付ける作業が不要となるため、生産性が向上し、大幅な低価格化を可能にする。
上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35を備えた洗濯機60では、開閉動作不良の少なくなった排水弁38を水受け槽32に設けた排水口32Aに取り付けることで、排水口32の開閉が確実に行われるので、洗濯機の給排水を確実に行わせることができる。特に、上記排水弁開閉装置35を用いることにより、接点間の結露による誤動作が発生しないので、湿度の高い悪環境の中で使用しても、連結部材18の往復運動を確実に行わせることができ、排水弁38の開閉動作不良を少なくすることができる洗濯機を実現できる。また、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35を備えた洗濯機は、ほとんど衝突音が発生しないので、静音化に優れ、マンションなどの共同住宅に設置するのに好適な洗濯機を実現できる。
さらに、上記モータ式駆動装置1を用いた排水弁開閉装置35を備えた洗濯機60では、ストッパー部材6Cが第二阻止体20に衝突することにより、駆動体6の回転が止められて小形モータ3の回転が停止させられた際、クラッチばね47の付勢力及び弁ばね42の伸張力により連結部材18が排水弁38側に移動させられて駆動体6をいままでの回転方向とは逆方向に回転させようとするが、ウオーム7とウオームホイール8の噛み合いにより出力軸5及び歯車群4の回転がロックされて、駆動体6の回転が阻止されるため、ストッパー部材6Cが第二阻止体20に接触した状態が維持され、開閉弁体41が排水管体39Bの入口から完全に離れた状態、すなわち、排水弁38の開状態が確実に保持される。なお、クラッチばね47の付勢力及び弁ばね42の伸張力が、小形モータ3の回転軸3A外周に圧入したウオーム7に、歯車群4のウオームホイール8を介して伝達されても、ウオーム7を小形モータ3の回転軸3Aの軸方向に押したり引いたりするだけで、小形モータ3の回転軸3Aを回転させる力とはならないので、不具合が発生しない。
次に、本発明の他実施例その1を、図11〜図12に基づいて説明する。図11〜図12において、図1〜図10と同一符号は同一内容を表している。図11〜図12に示す他実施例その1における排水弁開閉装置50は、図7〜図10に示す一実施例の排水弁開閉装置35のように、クラッチ機構34の切り替えと開閉弁体41の開閉の両方が行えるものではなく、開閉弁体41の開閉のみが行えるようにしたものである。すなわち、他実施例その1の排水弁開閉装置50は、モータ式駆動装置1の連結部材18に換えて、クラッチレバー46に係止させる係止体18Cを有しない連結部材51により、駆動体6の作動突起体6Bと排水弁48の開閉弁体41を連結するようにしたものであって、その連結部材51を作動突起体6Bにより往復移動させることで、開閉弁体41のみを開閉させるようにしたものであり、クラッチレバー46を作動させる機能を有していない。
排水弁開閉装置50の連結部材51は、図12に示すように、駆動体6の作動突起体6Bに連結する連結子52と、有底筒状のベローからなる開閉弁体41を保持する筒状の摺動軸53とからなっている。連結子52は、駆動体6の作動突起体6Bの回動に追従して動きかつ摺動軸53の一端側に設けた取り付け口53Aを基点に任意に傾くことができるように、その摺動軸53に取り付けられている。摺動軸53の他端側には、開閉弁体41の内底41Bに固定した円盤状の軸座53Bが一体的に形成されている。
排水弁48の弁ケース49の外周には、水受け槽32などの排水口に弁ケース49を連結するための連結管体49A、排水ホースが接続される排水管体49B及び水受け槽32などから溢れた水を排水するための溢水ホースが接続される溢水管体49Cが一体的に形成されている。弁ケース49には、排水管体49Bに対向する面側に開口を設け、その開口をおおう蓋体54が一体的に形成されている。蓋体54は、モータ式駆動装置1の収納ケース2と一体的に形成されている。開閉弁体41は、その開閉弁体41の開口端縁41Aを弁ケース49と蓋体54で挟み込み弁ケース49と蓋体54の両方の弾性を利用して弾着固定することにより弁ケース49と開閉弁体41の開口端縁41Aとの合せ目及び開閉弁体41の開口端縁41Aと蓋体54との合せ目の水密を保持するようにしている。
上記他実施例その1の構成からなる排水弁48及び排水弁開閉装置50であっても、ストッパー部材6Cを第一阻止体19と第二阻止体20に交互に衝突させて、小形モータ3と駆動体6を正逆転させることにより、連結部材51が円滑に往復運動するので、排水弁48の開閉弁体41のみの開閉動作を、確実に行わせることができる。
次に、本発明の他実施例その2を、図13〜図14に基づいて説明する。図13〜図14において、図1〜図12と同一符号は同一内容を表している。図13〜図14に示す他実施例その2における排水弁開閉装置55は、図11〜図12に示す他実施例その1の排水弁開閉装置50とは、駆動体6の回転を阻止する阻止手段の構造が相違しているのみで、他の部分は同一である。すなわち、図11〜図12に示す他実施例その1の排水弁開閉装置50では、駆動体6に一体的に形成されたストッパー部材6Cを、収納ケース2の上面2Aに一体的に形成させた第一阻止体19若しくは第二阻止体20に衝突させることで、駆動体6の正回転及び逆回転を阻止するようにしているが、他実施例その2の排水弁開閉装置55では、ストッパー部材6Cの代わりに、収納ケース2の上面2Aに形成した取り付け筒部2Bの外周に突起56を設け、かつ、第一阻止体19若しくは第二阻止体20の代わりに、駆動体6の内側に第一衝突壁57及び第二衝突壁58を設けて、その第一衝突壁57と第二衝突壁58を交互に突起56に衝突させることで、駆動体6の正回転及び逆回転を阻止するようにしている。
上記他実施例その2の構成からなる排水弁開閉装置55であっても、小形モータ3と駆動体6を正逆転させることにより、連結部材51が円滑に往復運動するので、排水弁48の開閉弁体41のみの開閉動作を、確実に行わせることができる。
次に、本発明の他実施例その3を、図15〜図16に基づいて説明する。図15〜図16において、図1〜図10と同一符号は同一内容を表している。図15に示す全自動式の洗濯機65は、鋼板製の外枠66と、この外枠66内に防振支持された水受け槽32と、この水受け槽32内に回転可能に設けられた脱水槽36と、この脱水槽36内に回転可能に設けたパルセータやアジテータからなる攪拌手段37と、前記外枠66の衣類投入開口66Aを覆う開閉自在な衣類投入開口用蓋体67と、攪拌手段37の回転と脱水槽36の回転を切り換えるクラッチ機構34と、このクラッチ機構34を作動させるためのクラッチレバー46と、攪拌手段37及び脱水槽36を回転させる駆動源となる主モータ33と、脱水槽36が回転中に衣類投入開口用蓋体67を開いたとき若しくは脱水槽36が過振したときに作動して脱水槽36の回転を停止させる危険状態になったことを検知する危険状態検知手段68と、水受け槽32の外底に設けられた排水弁38と、この排水弁38を攪拌手段37が回転可能な時(給水工程時、洗濯工程時及びすすぎ工程時)に閉じさせかつ脱水槽36が回転可能な時(脱水工程時及び排水工程時)に開かせる排水弁開閉装置69を備えている。
危険状態検知手段68は、図15から図16に示すように、衣類投入開口用蓋体67を開いた時に作動する第一作動子68Aと、脱水槽36が過振した時に作動する第二作動子68Bと、蓋開閉器68Cとを備えている。第一作動子68Aは、脱水槽36が回転中に衣類投入開口用蓋体67を開くと蓋開閉器68Cを開かせ、かつ、脱水槽36が回転中に衣類投入開口用蓋体67を閉じると蓋開閉器68Cを閉じさせる機能を有している。第二作動子68Bは、脱水槽36が回転中にその脱水槽36が過振すると蓋開閉器68Cを開かせ、かつ、その脱水槽36が過振しなくなると蓋開閉器68Cを閉じさせる機能を有している。
図15から図16に示す排水弁開閉装置69における正逆転手段70の指令発生手段26Aは、検出手段22によって駆動体6の回転が阻止されたことが検出されるとモータ停止手段24により小形モータ3の電源回路23を開閉させる指令と、極性切り替え手段25により小形モータ3の極性を切り替えさせる指令と、主モータ33の主電源回路71を開閉させる指令とを、少なくとも発生させる機能を有している。図15から図16に示す排水弁開閉装置69は、正逆転手段70以外の構造は図7から図10に示す排水弁開閉装置35と同一である。主モータ33の主電源回路71は、図16に示すように、少なくとも、主モータ回路用開閉器72と交流電源73と主モータ33とを、直列に接続した回路からなっている。
さらに、図16に示す正逆転手段70の指令発生手段26Aは、マイコンを用いた洗濯機制御回路からなり、洗濯機65の給水工程、洗濯工程若しくはすすぎ工程の実行中に、衣類投入開口用蓋体67が開かれて危険状態検知手段68が作動したとしても、モータ停止手段24に対して閉指令信号X4が送信されることがないように工夫されている。したがって、洗濯機65の給水工程、洗濯工程若しくはすすぎ工程の実行中に、衣類投入開口用蓋体67が開かれても、排水弁開閉装置69における排水弁48の開閉弁体41が閉じた状態が維持される。また、排水弁開閉装置69の正逆転手段70は、マイコンを用いた洗濯機制御回路が組み込まれる主制御基板上に配設される。
しかも、図16に示す正逆転手段70の指令発生手段26Aは、洗濯機65の排水工程若しくは脱水工程の実行中に衣類投入開口用蓋体67が開かれて危険状態検知手段68が作動しなければ、あるいは、脱水工程の実行中に脱水槽36が過振して危険状態検知手段68が作動しなければ、モータ停止手段24に対して閉指令信号X4が送信されることがないように工夫されている。したがって、洗濯機65の排水工程若しくは脱水工程の実行中に、衣類投入開口用蓋体67が開かれた時あるいは脱水槽36が過振した時以外は、排水弁開閉装置69が開いた状態が維持される。
図15に示す洗濯機65において、脱水工程進行中に、危険状態検知手段68が作動した場合、すなわち、脱水槽36が回転中に衣類投入開口用蓋体67を開いて蓋開閉器68Cを開かせた時及び脱水槽36が過振して蓋開閉器68Cを開かせた時には、図16に示すように、指令発生手段26からモータ停止手段24に対して閉指令信号X4が送信されるので、モータ停止手段24が閉じて電源回路23が閉成するため、小形モータ3が回転して排水弁38の開閉弁体41が閉じる方向に連結部材18が移動させられると共に、指令発生手段26から主モータ回路用開閉器72に対して開指令信号X5が送信されて、主モータ33が交流電源73から切り離されるようにしてある。
図15に示す洗濯機65において、脱水工程進行中は、連結部材18の係止体18Cによりクラッチレバー46が押されてそのクラッチレバー46の他端46Bがクラッチ機構34から離れてそのクラッチ機構34により主モータ33の回転が脱水槽36に伝達されているが、危険状態検知手段68を作動させることにより、小形モータ3を回転させると、排水弁38の開閉弁体41が閉じる方向に連結部材18が動くので、連結部材18の係止体18Cがクラッチレバー46から離れて、脱水槽36を回転不可となるようにクラッチ機構34を切り換えられると共に、ブレーキ装置(図示せず)を作動させて、脱水槽36の回転が急停止させられる。
上記図15〜図16に示す他実施例その3によれば、排水弁38の開閉弁体41が開く方向に連結部材18を動かすと、係止体18Cがクラッチレバー46に係止して脱水槽36が回転可能となり、かつ、排水弁38の開閉弁体41が閉じる方向に連結部材18を動かすと、係止体18Cがクラッチレバー46から離れて脱水槽36を回転不可となるようにクラッチ機構34を切り換えるようにした洗濯機であっても、脱水槽36が回転中に衣類投入開口用蓋体67を開いたとき若しくは脱水槽36が過振したときには、脱水槽36及び主モータ33の回転を確実に停止させることができるので、安全性に優れた洗濯機を実現できる。
次に、本発明の他実施例その4を、図17〜図18に基づいて説明する。図17〜図18において、図1〜図4と同一符号は同一内容を表している。図17〜図18に示す駆動体74は、プーリー75とこのプーリー75の外周に一体形成されたプーリー用ストッパー部材76とからなっている。図17〜図18に示す連結部材77は、プーリー75の外周溝75Aに巻装可能な可撓性ロープ78からなり、この可撓性ロープ78の一端側をプーリー75の外周に連結させかつ可撓性ロープ78の他端側を排水弁38の開閉弁体41に連結させてある。
上記他実施例その4の駆動体74であっても、プーリー用ストッパー部材76を第一阻止体19と第二阻止体20に交互に衝突させることができるため、小形モータ3と駆動体74を正逆転させて連結部材18、51を円滑に往復運動させることができるので、排水弁48の開閉弁体41の開閉動作を、確実に行わせることができる。
図7〜図10に示す上記一実施例の排水弁開閉装置35及び図15〜図16に示す上記他実施例その4の排水弁開閉装置69は、水受け槽32内に回転可能に脱水槽36を設け、この脱水槽36内にパルセータやアジテータからなる攪拌手段37を回転可能に設けるようにした全自動式の洗濯機60、65に採用した例で説明しているが、これに限定されるものではなく、水受け槽32内に脱水兼洗濯槽を回転可能に設け、この脱水兼洗濯槽の内壁に攪拌用突出体を設けるようにしたドラム式洗濯機に採用してもよい。また、図11〜図12に示す上記他実施例その1の排水弁開閉装置50及び図13〜図14に示す上記他実施例その2の排水弁開閉装置55は、二槽式洗濯機、洗濯専用機などに採用してもよい。また、上記排水弁開閉装置35、50、55、69は、洗濯機に採用した例で説明しているが、これに限定されるものではなく、洗濯機以外の排水弁を備えた機器にも採用することができる。また、モータ式駆動装置1における収納ケース2の3本の取り付けボス14、14A、14Bは、収納ケース2と一体に成形した構造としているが、金属棒製としてカシメ等で収納ケース2の内底面に固定する構造としてもよい。
たときの電圧とするようにしてもよい。