JP3891349B2 - 画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信回線を介し互いに接続して並列的に作動させる場合の消費電力を低減することが可能な画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機等の電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置においては、複数の画像形成装置を通信回線により接続し、同じ画像情報をそれぞれの画像形成装置に送信して画像形成動作を並行して行い、高速かつ大容量の画像形成を可能として生産性を向上させる技術がある。例えば特許文献1においては、依頼元複写機の表示手段に、依頼先複写機のIDとコピー可能な用紙サイズを表示して、その表示された情報に基づき依頼先複写機を選択可能とし、遠隔地の複写機にコピージョブを依頼する場合の操作性を向上させ得るデジタル複写機に関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9-83696号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこの種の画像形成装置及びそれを複数接続した画像処理システムにおいては、複数の画像形成装置を電気的に連結して同時に並列的に作動させるため、次のような問題があった。画像形成を指示する親機(上記の依頼元)に設定された画像形成装置に対し、画像形成を行う子機(上記の依頼先)に設定された画像形成装置が複数接続されていると、並列動作に必要としない子機の読取手段(スキャナ)が作動状態のままであり、システム全体として不必要な電力消費が伴った。
【0005】
本発明は上記従来例の問題点に鑑み、画像形成装置間で画像を転送して印刷する場合に、システム全体の消費電力を低減することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は上記目的を達成するために、原稿読み取り手段を有する複数の画像形成装置を通信回線を介して接続した画像形成システムにおいて、前記複数の画像形成装置の少なくとも1つが、通信回線を介して接続した他の画像形成装置に画像を転送してその印刷を依頼する画像転送手段と、前記他の画像形成装置がその印刷をする前に、前記他の画像形成装置の原稿読み取り手段の電源をオフにする電源制御手段とを備え、前記複数の画像形成装置が、前記電源制御手段からの信号により、画像転送手段からの画像を印刷する前に原稿読み取り手段の電源をオフにする手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成により、原稿読み取り手段を有する依頼先画像形成装置に画像を転送してその印刷を依頼する場合に、依頼先画像形成装置の原稿読み取り手段の電源をオフにするので、システム全体の消費電力を低減することができる。
【0008】
具体的には図5に示すように、親機301は、スキャナ306,307,308を有する子機302に画像を転送して子機302がその画像を印刷する時に、子機302のスキャナ306,307,308の電源をオフにする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、原稿台に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ順次給紙する自動原稿給紙手段と、前記原稿給紙手段に原稿が載置されたことを検出する検出手段と、前記検出手段が原稿の載置を検出したときに、前記電源制御手段を自動的に作動させる手段とをさらに設けたことを特徴とする。
【0010】
上記構成により、ユーザーが画像システムを利用する場合、手動で設定することなく電力低減を実現することができる。
【0011】
第3の手段は、電源制御手段が他の画像形成装置の原稿読み取り手段の電源をオフにするか否かをユーザが設定する設定手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
上記構成により、ユーザーが任意に電力消費設定をすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は従来例と本発明の電力消費量を比較したグラフ、図2は本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すブロック図、図3は図2の画像形成装置を含む画像形成システムを示すブロック図、図4は図3の画像形成システムの主要信号を示すタイミングチャート、図5は図3の親機の処理を説明するためのフローチャート、図6は図3の画像形成システムの通信シーケンスを示す説明図である。
【0024】
(1)複合機内部の構成
図2は、この発明による画像形成装置の一例である複合機200の内部の全体構成を示すブロック図である。複合機200は、エンジン部201と、コントローラ208とから構成され、その両者がPCI(Peripheral Component Interconnect )バス226により接続されている。PCIバス226には、通信I/F227が接続されている。
【0025】
エンジン部201は、原稿の画像を読取り、読取った画像の画像データを補正するなどして用紙に画像を形成する機構を備え、スキャナ202と、プロッタ203と、CPU204と、ASIC(Application Specific Integrated circuit)205とを有している。
【0026】
スキャナ202は、原稿の画像を読取る画像読取り手段であって、イメージスキャナ又はファクシミリの読取り機構によって構成されている。プロッタ203はスキャナ202又は後述するハードディスク211から画像データを入力して用紙に画像を形成し、印刷するための機構を備えた手段であって、白黒画像を形成する白黒プロッタ又はカラー画像を形成する1ドラムカラープロッタである。CPU204は、図示しないROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムにしたがって、ASIC205を介して、エンジン部201の機械的な動作を行う部分(スキャナ202及びプロッタ203のいわゆるエンジン部分)の動作の制御を司る。ASIC205は、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理を行う画像処理部206と、PCIバス226とのインターフェースであるPCIインターフェース(PCI・I/F部)207とを有している。
【0027】
コントローラ208は、複合機200全体の制御と描画及び通信を制御するとともに、操作部210からの操作入力を制御するコントロールユニットである。このコントローラ208は、ASIC209と、操作部210と、ハードディスク(HD)ドライブ(以下「HDD」と略記する)211と、ローカルメモリ(MEM−C)216と、CPU218と、ノースブリッジ(NB)219、システムメモリ(MEM−P)220、サウスブリッジ(SB)221、ASIC222、OPTION(オプション)スロット223,224及びROM225からなるチップセット(データの受渡しを管理する一群のLSI)を有して構成されている。また、コントローラ208は、ASIC209とノースブリッジ219との間をAGP(Accelerated Graphics Port)217で接続して構成されている。
【0028】
ASIC209は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICであり、AGP217、PCIバス226、HDD211及びローカルメモリ(MEM−C)216をそれぞれ接続するブリッジの役割も有している。また、ASIC209は、内部レジスタ212と、ビデオ入出力部213と、合成器214及び編集器215を有している。
【0029】
内部レジスタ212には、CPU218が処理を実行する際のデータが記憶され、例えばdilay情報(ディレイ情報)が記憶されている。また、操作部210の操作入力で設定された情報が記憶され、ビデオ入出力部213、合成器214、編集器215の設定も行うようになっている。ビデオ入出力部213は、PCIバス226を介してエンジン部201との間で画像データの入出力を行うユニットであり、合成器214と接続されている。合成器214は、複数の画像データを合成して一つの画像データを生成し、1つに合成された画像データをビデオ入出力部213に出力する。編集器215は、複数の画像データを加工して編集するユニットである。
【0030】
操作部210は、ユーザからの入力操作を受け付けてユーザに向けた表示を行う手段であって、所定のテンキー及び文字入力キーを備えたメカニカルキーやタッチパネルキーなどからなる操作キーを有するとともに、操作キーから操作入力される情報や複合機200の動作状態及び時刻等を表示する液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置を有している。操作キーとしては、テンキー、複写動作を開始させるスタートキー、停止させるストップキーなどがある。
【0031】
HDD211は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うための記憶手段である。HDD211は、これらの情報を記憶することができる手段であればよく、ハードディスクドライブの代わりに光ディスクにより構成してもよい。ローカルメモリ(MEM−C)216は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いられるローカルメモリである。
【0032】
AGP217は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速化する。このAGP217は、本来は3D(三次元)画像をスムーズにディスプレイに表示する際に用いられるものであるが、複合機200では、このAGP217を介してNB219とASIC209とを接続している。
【0033】
CPU218は、ROM225に記憶されているプログラムにしたがい、エンジン部201のCPU204にコマンドを発行し、エンジン部201とともにコントローラ208の動作を制御して複合機200全体の制御を行うユニットである。CPU218はここではチップセットの一部であるNB219を介してASIC209が接続されている。この際、CPU218とASIC209をPCIバスにより接続するとパフォーマンスが低下するため、AGP217を拡張利用して接続している。
【0034】
ノースブリッジ(NB)219は、CPU218とシステムメモリ220、SB221、AGP217とを接続するためのブリッジである。システムメモリ220は、複合機200の描画用メモリ等として用いられる。サウスブリッジ221は、PCIバス228を介してノースブリッジ219と、ROM225と、PCIデバイス及び図示しない周辺デバイスを接続するブリッジである。OPTIONスロット223,224は、オプションとしてのPCIデバイス、周辺デバイスを接続するための空きスロットである。ノースブリッジ(NB)219とサウスブリッジ221とはPCIバス228で接続されている。
【0035】
通信インターフェース(I/F)227は、後述する外部の複写機と画像信号(印刷データ)、制御信号の送受信を行う双方向の高速シリアル通信インターフェースであり、例えばIEEE1394にしたがったインターフェースがあげられる。この通信I/F227は、PCIバス226に接続されている。この複合機200では、通信I/F227をPCIバス226に接続しているから、同じ通信I/F227をOPTION223,224が接続されるPCIバス228に接続する場合に比べてローカルメモリ216に画像データを早く転送できるようになっている。
【0036】
(2)画像形成システムの構成
図3は、上述した複合機200を含む画像形成システム300の構成を示すブロック図である。この画像形成システム300は、親機として設定された画像形成装置(以下「親機」という)301と、複数(図面では3台)の子機として設定された画像形成装置(以下「子機」という)からなる子機群302とからなっていて、親機301と、その子機群302を構成する3つの子機303,304,305とが1つの画像形成装置群を構成し、互いに通信回線を介してデイジーチェーン方式により接続されている。
【0037】
親機301は、上述の複合機200と同じ構成を有する複合機である。スキャナ202は複合機200のそれと等価である。子機303,304,305の各々のスキャナ306,307,308も同様である。親機301は、通信I/F227に通信回線である通信ケーブル312,313,314を介して子機群302を構成する子機303が接続されている。子機303,304,305は、上述の複合機200と同じ構成を有する複合機であって、いずれも他の複合機に接続するためのポートが2つ設けられている。それぞれの通信I/F309,310,311は、通信I/F227と等価の通信機能を有している。例えば、通信I/F227と同様にIEEE1394にしたがうインターフェースである。そして、親機301と子機303,子機303と子機304,子機304と子機305とは、それぞれ通信ケーブル312,313,314で接続されている。
【0038】
この画像形成システム300のように、通信I/F227,309,310,311をIEEE1394にしたがうインターフェースで構成すると、各複合機をデイジーチェーン方式で接続して画像形成システム300を形成することが可能となる。したがって、親機301と子機304とにおいてデータ信号、制御信号をやり取りするのに子機303を通過して享受することが可能である。また、子機304,305は親機301が介在しなくても、それぞれ子機同士でデータ通信を行える。なお、図示した画像形成システム300は、複合機を4台接続しているが、この発明による画像形成システムは、接続される複合機の台数は4台には限定されない。
【0039】
(3)複合機及び画像形成システムの動作
次に以上のような構成を有する複合機200の動作及び画像形成システム300の動作内容について説明する。図4は画像形成システム300を構成する親機301と、子機群302とでやりとりされるデータのタイミングチャートである。また、図5は、親機301が画像形成システムにかかる動作を実行する場合の動作手順を示すフローチャートであり、図6は画像形成システムが作動している場合に親機301と子機群302とでデータがやりとりされる手順を示す図である。なお、図4では、斜線により時間の経過を一部省略している。また、図4の上段の▲2▼で表示される部分と▲7▼で表示される部分の間で、下段の▲3▼で表示される部分から▲6▼で表示される部分で示される動作が実行されている。
【0040】
図4に示すように、親機301と子機群302とでやりとりされるデータはすべて通信クロック(TRANS_CLK)401に同期して出力されている。その通信クロック401は、親機301のCPU218において、図示しないシステムクロックを図示しない逓倍器により逓倍して得られるクロック信号である。なお、図4及び以下の説明において、末尾に「_M」が付されている信号は、親機301から子機群302への信号を意味している。また、「_S1」,「_S2」,「_S3」と付されている信号は、それぞれ子機303,304,305から親機301への信号を意味している。
【0041】
画像形成システム300は、図5に示す手順にしたがい以下のようにして動作する。まず、ユーザが親機301において、原稿を自動原稿給装手段であるADF(Auto Document Feeder)にセットし、操作部210を操作してその表示画面にモード設定画面を出力させる。ユーザがこのモード設定画面を参照して、複写して出力する用紙の部数(出力部数)とともに、出力モードの設定を行う。この出力モードの設定では、単独出力モードと連結出力モードのいずれかを選択して設定することができる。
【0042】
「単独出力モード」とは、ADFで読取った原稿の画像データを親機301でのみ画像形成して出力するモードであり、このモードを設定すると、以下に説明する動作は実行されない。「連結出力モード」とは、ADFを作動させつつスキャナ202により読取った原稿の画像データを親機301から子機群302に送信して、親機301とともに、子機群302を構成する各子機303,304,305でも、それぞれ指定された部数ずつ分配して画像形成を行い出力するモードである。この連結出力モードをユーザが設定すると以下に説明する動作が実行される。つまり、親機301は、ユーザによる連結出力モードの設定をもって親機として作動するようになっている。
【0043】
上述した複合機200は、親機301又は子機303,304,305と同様の親機又は子機として作動する。よって、複数の複合機200を通信I/F227により、通信ケーブル309,310,311で接続して画像形成システム300と同様の画像形成システムを構成する場合には、そのうちの1つの複合機200で連結出力モードの設定を行い、その複合機を親機に設定する。この場合、次のようにして、複合機200のいずれか1つが自動的に親機となるようにしてもよい。
【0044】
いずれの複合機200も連結出力モードの設定が行われていない状態において、いずれか1つの複合機200において、画像をスキャナ202により読取らせるべく、原稿をADFにセット(載置)したときに、検出手段として作動するADFによりそのことを検出して、そのADFから原稿のセットを通知する信号をCPU218に入力する。そして、CPU218がその信号を入力してADFに原稿がセットされたことを検出したときに、その複合機200が親機301となって、後述する読取制御手段を作動させるようにするとよい。こうすると、接続された複数の複合機200のいずれかで、ADFに原稿がセットされた時点で自動的に親機301が確定するから、連結出力モードの設定が不要となり、その分ユーザの操作が簡単になる。
【0045】
そして、複合機200のいずれか1つ(ここでは、親機301を想定している)では、ステップS1において連結出力モードの設定が行われるまで待機して、連結出力モードが設定されるとステップS2に進み、CPU218が通信I/F227に指示して、通信I/F227から子機群302にステータス信号(STAT_M)402の送信a(図6参照)を実行させる。このステータス信号(STAT_M)402の送信aを実行することにより、親機301は、画像形成を行うための子機として利用可能な複写機を検索する。
【0046】
一方、子機群302を構成する子機303,304,305は、そのステータス信号(STAT_M)402を通信I/F309,310,311を介してそれぞれ受信する。子機303,304,305は、ステータス信号(STAT_M)402をそれぞれ受信して、画像形成が可能であるか否かを判断し、画像形成が可能であれば、親機301に対して、それぞれ許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)403,404,405のアサートbを行う。ただし、故障やジャム等の理由で画像形成ができない場合には、この許可信号のアサートbは実行されない。
【0047】
そして、親機301は処理をステップS3に進めて、許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)のアサートを検出する間待機して、その間に何れかの許可信号のアサートを検出するとステップS4に進み、その検出した許可信号に対応する子機を決定してその子機を操作部210に表示させる。ユーザは、その操作部210の表示を確認して画像形成で利用する子機を選択し、その選択した子機を指定する情報を操作部210から入力するとともに、選択した子機ごとに出力部数を入力して、出力部数の割り振りを行う。すると、親機301は処理をステップS5に進めて、操作部210から入力された情報をCPU218に入力する。このとき、親機301から、子機群302に対して、親機301から指定された旨及びその指定による出力部数を指定された子機に通知する。これは、図4のTRANSACTIN406の▲1▼で示されるタイミングで出力されている。
【0048】
続いて、ユーザが操作部210を操作してスタートボタンを入力すると、CPU218が処理をステップS6からステップS7に進め、原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を次のようにして実行する。すなわち、CPU204がCPU218の指示にしたがい作動して、エンジン部201のスキャナ202を作動させ、ADFにセットされている原稿を搬送しながら1枚ずつ原稿の画像を読取る。ここで、読取られた画像データは、PCIバス226を経由して、ASIC209のビデオ入出力部213に転送され、ビデオ入出力部213のFIFO(First-in First-out)方式のメモリに格納される(以下このメモリを「FIFOメモリ」とする)。
【0049】
ASIC209のビデオ入出力部213は、FIFOメモリに画像データが格納されたことを検知すると画像データをFIFOメモリから読出し、その画像データをローカルメモリ216の指定されたアドレスに書き込む。このとき、ユーザがモード設定にて合成指定をしていた場合は、2ページ分の画像が読終わった時点で合成器214が格納された2つの画像データを一つに合成して合成画像データを生成し、その合成画像データをローカルメモリ216に格納するとともに、ビデオ入出力部213に出力する。CPU218は、ローカルメモリ216に格納された合成画像データをHDD211に格納させる。
【0050】
その後、CPU218はステップS8に進み、ADFにセットされている原稿が有るか否かを判断し、あればステップS7に戻って原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を実行し、なければ後続のステップS9に進む。こうして、ステップS7及びS8を実行することにより、ADFにセットされた原稿がなくなるまで、親機301において原稿の画像読取り及び画像データの格納処理が繰返される。この処理は、図4のTRANSACTION406の▲2▼で実行されている。
【0051】
ADFにセットされているすべての原稿の読取りが完了すると、CPU218が読取制御手段として作動し、ステップS9に進んでROM225から読取制御情報を読出す。この制御情報は、連結システム300の画像形成動作に必要のない各画像形成装置(子機303,304,305)のスキャナ(306,307,308)の動作を停止させるか否かの制御信号である。親機301はこの読取制御情報を通信I/F227を通じて各画像形成装置(子機303,304,305)へ送信すると共にスキャンオフ要求c(SCANOFF_REQ_M 407)を送信する。
【0052】
ステップS10において、子機(303,304,305)からスキャンオフ許可信号d(SCANOFF_ACK_S1,SCANOFF_ACK_S2,SCANOFF_ACK_S3)を受信する。各画像形成装置(子機303,304,305)のCPU218は受信したスキャン制御情報(SCANOFF_INFO)411を解釈し、この制御情報に基づきスキャナ(306,307,308)を停止させるコマンドを発行するか否か決める。スキャナを停止させる制御を受信した場合にスキャナ停止コマンドを発行する(ステップ11)。この処理は、図4のTRANSACTION406の▲3▼で実行されている。
【0053】
続いて、親機301は、CPU218の処理をステップS12に進め、通信I/F227を介して子機群302に印刷データ(PRINT DATA)412の送信eを実行する。すると、子機303,305,304はそれぞれのCPU218の指示にしたがい、通信I/F309,310,311を介して印刷データ(PRINT DATA)412を受信し、受信した印刷データ(PRINT DATA)412をそれぞれHDD211に格納する。これらは図4のTRANSACTION406▲4▼で実行されている。
【0054】
親機301は印刷データ(PRINT_DATA)412を送信し次第、また子機303,305,304はそれぞれ印刷データ(PRINT DATA)412をHDD211に格納して印刷準備が整い次第、ステップ13へ進み印刷を開始する。親機301はステップ14において子機(303,304,305)からの許可信号f (OK_S1,OK_S2,OK_S3)がネゲートするまで待機し全ての許可信号がネゲートしたら印刷終了である。この動作は 図4のTRANSACTION406▲5▼で実行されている。
【0055】
ここで、この発明が特徴とすることは、スキャンオフ信号(SCANOFF_INFO)411は、3つの情報(SCANOFF_INFO1,SCANOFF_INFO2,SCANOFF_INFO3)を含むが、これらのキャンオフ情報は各子機303,304,305の画像形成時にスキャナを動作させるかどうか相違している点である。
【0056】
複合機301及び画像形成システム300では、親機301に読取制御手段を設けていることにより、各子機303,304,305のスキャナ306,307,308の動作を制御できる。このことによる作用効果について図1を参照して説明する。
【0057】
ここで、図1(a)は、従来の画像形成システム全体における消費電力の推移を示すグラフである。この図に示すように、従来の画像形成システムでは、連結動作するしないに関わらず印刷動作開始時には複合機のエンジン部(プロッタ部,スキャナ部)の駆動部分が同時に動作を開始する。そのため、消費電力の立ち上がりが急峻であり、大きな電力ピークP0maxが発生している。また、印刷終了時も駆動部を停止させるのに大きな電力を必要する。
【0058】
一方、この発明による画像形成装置及びそれにより構成される画像形成システムでは、各子機の必要としないスキャナの動作を停止させるため、プロッタ部の駆動電力のみ必要となる。そのため、画像システムとしての消費電力ピークは低減される(P0max>P1max)。この点は、印刷終了時も同様である。また、印刷動作時の消費電力も低減される(P0ave>P1ave)。よって、この発明によれば、複合機200及びそれにより構成される画像形成システム300を導入するオフィス等の空間に電力面での影響を与えない。また、システム全体で連結して行う印刷の生産性が低下することにはならない。 さらに、親機が各子機のスキャナON/OFFを制御しているから、システム全体での制御が容易である。
【0059】
<第2の実施の形態>
この実施の形態では、第1の実施の形態と同様の複合機200により、画像形成システム300と同様の画像形成システムを構成しているので、複合機200と画像形成システム300の説明は省略する。この実施の形態では、画像形成システム300の動作が相違している。ただし、親機301と子機群302とでやりとりされるデータはすべて通信クロック(TRANS_CLK)501に同期して出力される点、親機301と子機群302とでやりとりされる信号の表記は第1の実施の形態と同様である。
【0060】
画像形成システム300は、図7、図8に示す手順にしたがい以下のようにして作動する。まず、ユーザが親機301において、原稿をADFにセットし、操作部210を操作してその表示画面にモード設定画面を出力させる。ユーザがこのモード設定画面を参照して、複写して出力する用紙の部数(出力部数)とともに、出力モードの設定を行う。この出力モードの設定では、第1の実施の形態と同様にして、単独出力モードと連結出力モードのいずれかを選択して設定することができる。
【0061】
そして、複合機200のいずれか1つ(ここでは、親機301を想定している)では、ステップS1において連結出力モードの設定が行われるまで待機して、連結出力モードが設定されると、ステップS2に進み、CPU218が通信I/F227に指示して、通信I/F227から子機群302にステータス信号(STAT_M)502の送信aを実行させる。このステータス信号(STAT_M)502の送信aを実行することにより、親機301は、画像形成を行うための子機として利用可能な複写機を検索する。
【0062】
また、このとき、ユーザは、モード設定画面での出力モードの設定に続いて、操作部210を操作して、子機303,304,305のスキャナオフ情報を入力することができる。ここでのユーザの入力を受けて、CPU218は処理をステップS15に進め、入力された情報をASIC209の内部レジスタ212に格納する。このようにして、ユーザは、子機303,304,305のスキャナオフ情報を任意に設定することができる。
【0063】
一方、子機群302を構成する子機303,304,305は、そのステータス信号(STAT_M)502を通信I/F309,310,311を介してそれぞれ受信する。子機303,304,305は、ステータス信号(STAT_M)502をそれぞれ受信して、画像形成が可能であるか否かを判断し、画像形成が可能であれば、親機301に対して、それぞれ許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)503,504,505のアサートbを行う。ただし、故障やジャム等の理由で画像形成ができない場合には、この許可信号の送信bは実行されない。
【0064】
そして、親機301は処理をステップS15からステップS3に進めて許可信号(OK_S1,OK_S2,OK_S3)のアサートを検出する間待機して、その間に何れかの許可信号のアサートを検出するとステップS4に進み、その検出した許可信号に対応する子機を決定して、その子機を操作部210に表示させる。ユーザは、その操作部210の表示を確認して画像形成で利用する子機を選択し、その選択した子機を指定する情報を操作部210から入力するとともに、選択した子機ごとに出力部数を入力して、出力部数の割り振りを行う。すると、親機301は処理をステップS5に進めて、操作部210から入力された情報をCPU218に入力する。このとき、親機301から、子機群302に対して、親機301から指定された旨及びその指定による出力部数を指定された子機に通知する。これは、図7のTRANSACTIN506の▲1▼で示されるタイミングで出力されている。
【0065】
続いて、ユーザが操作部210を操作してスタートボタンを入力すると、CPU218が処理をステップS6からステップS7に進め、原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を次のようにして実行する。すなわち、CPU204がCPU218の指示にしたがい作動して、エンジン部201のスキャナ202を作動させ、ADFにセットされている原稿を搬送しながら1枚ずつ原稿の画像を読取る。ここで、読取られた画像データは、PCIバス226を経由して、ASIC209のビデオ入出力部213に転送され、ビデオ入出力部213のFIFOメモリに格納される。
【0066】
ASIC209のビデオ入出力部213は、FIFOメモリに画像データが格納されたことを検知すると画像データをFIFOメモリから読出し、その画像データをローカルメモリ216の指定されたアドレスに書き込む。このとき、ユーザがモード設定にて合成指定をしていた場合は、2ページ分の画像が読終わった時点で合成器214が格納された2つの画像データを一つに合成して合成画像データを生成し、その合成画像データをローカルメモリ216に格納するとともに、ビデオ入出力部213に出力する。CPU218は、ローカルメモリ216に格納された合成画像データをHDD211に格納させる。
【0067】
その後、ステップS8に進み、CPU218がADFにセットされている原稿が有るか否かを判断し、あればステップS7に戻って原稿の画像読取り及び画像データの格納処理を実行し、なければ後続のステップS9に進む。こうして、ステップS7及びS8を実行することにより、ADFにセットされた原稿がなくなるまで、親機301において原稿の画像読取り及び画像データの格納処理が繰返される。この処理は、図7のTRANSACTION506の▲2▼で実行されている。
【0068】
ADFにセットされているすべての原稿の読取りが完了すると、CPU218が読取制御手段として作動し、ステップS9に進んでASIC209の内部レジスタ212から読取制御情報を読出す。この制御情報は、連結システム300の画像形成動作に必要のない各画像形成装置(子機303,304,305)のスキャナ(306,307,308)の動作を停止させるか否かの制御信号である。親機301はこの読取制御情報を通信I/F227を通じて各画像形成装置(子機303,304,305)へ送信すると共にスキャンオフ要求c(SCANOFF_REQ_M 507)を送信する。
【0069】
ステップS10において、子機(303,304,305)からスキャンオフ許可信号d(SCANOFF_ACK_S1,SCANOFF_ACK_S2,SCANOFF_ACK_S3)を受信する。各画像形成装置(子機303,304,305)のCPU218は受信したスキャン制御情報(SCANOFF_INFO 511)を解釈し、この制御情報に基づきスキャナ(306,307,308)を停止させるコマンドを発行するか否か決める。スキャナを停止させる制御を受信した場合にスキャナ停止コマンドを発行する(ステップ11)。この処理は、図7のTRANSACTION506の▲3▼で実行されている。
【0070】
続いて、親機301は、CPU218の処理をステップ12に進め、通信I/F227を介して子機群302に印刷データ(PRINT DATA)512の送信eを実行する。すると、子機303,305,304はそれぞれのCPU218の指示にしたがい、通信I/F309,310,311を介して印刷データ(PRINT DATA)412を受信し、受信した印刷データ(PRINT DATA)512をそれぞれHDD211に格納する。これらは図7のTRANSACTION506▲4▼で実行されている。
【0071】
親機301は印刷データ(PRINT_DATA)412を送信し次第、また子機303,305,304はそれぞれ印刷データ(PRINT DATA)412をHDD211に格納して印刷準備が整い次第、ステップS13へ進み印刷を開始する。親機301はステップS14において子機(303,304,305)からの許可信号f (OK_S1,OK_S2,OK_S3)がネゲートするまで待機し全ての許可信号がネゲートしたら印刷終了である。この動作は 図7のTRANSACTION506▲5▼で実行されている。
【0072】
この実施の形態では、子機のスキャナON/OFF情報(SCAN Off INFO1,SCAN Off INFO2,SCAN Off INFO3をユーザ自らが設定する手段を設け、その手段により設定したスキャナON/OFF情報により、スキャナを制御しているから、ユーザが画像形成システムの動作環境や複合機の印刷能力や動作環境に応じて各子機のスキャナの設定を任意に設定することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、画像形成装置間で画像を転送して印刷する場合に、依頼先画像形成装置の原稿読み取り手段の電源をオフにするので、システム全体の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例と本発明の電力消費量を比較したグラフである。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2の画像形成装置を含む画像形成システムを示すブロック図である。
【図4】図3の画像形成システムの主要信号を示すタイミングチャートである。
【図5】図3の親機の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図3の画像形成システムの通信シーケンスを示す説明図である。
【図7】第2の実施形態の画像形成システムの主要信号を示すタイミングチャートである。
【図8】第2の実施形態の親機の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
301 親機
302 子機
202,306,307,308 スキャナ
Claims (3)
- 原稿読み取り手段を有する複数の画像形成装置を通信回線を介して接続した画像形成システムにおいて、
前記複数の画像形成装置の少なくとも1つが、
通信回線を介して接続した他の画像形成装置に画像を転送してその印刷を依頼する画像転送手段と、
前記他の画像形成装置がその印刷をする前に、前記他の画像形成装置の原稿読み取り手段の電源をオフにする電源制御手段とを備え、
前記複数の画像形成装置が、
前記電源制御手段からの信号により、画像転送手段からの画像を印刷する前に原稿読み取り手段の電源をオフにする手段を備えた、
画像形成システム。 - 前記複数の画像形成装置の少なくとも1つが、
原稿台に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ順次給紙する自動原稿給紙手段と、
前記原稿給紙手段に原稿が載置されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段が原稿の載置を検出したときに、前記電源制御手段を自動的に作動させる手段と
をさらに設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。 - 前記電源制御手段が前記他の画像形成装置の原稿読み取り手段の電源をオフにするか否かをユーザが設定する設定手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載の画像形成システム。
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