JP3891320B2 - 建物用シャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建屋の出入口、窓等の開口部を開閉する建物用シャッタ、特に手動開閉式の建物用シャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物用シャッタは電動開閉式と手動開閉式があるが、住宅用車庫や物置の出入口等の小開口部には一般に手動開閉式の建物用シャッタが用いられる。
【0003】
図7〜図12に於いて従来の建物用シャッタを説明する。
【0004】
図示しないまぐさに沿ってシャッタカーテン収納部(図示せず)が取付けられ、該シャッタカーテン収納部は巻取りシャフトとバランススプリング(いずれも図示せず)を有している。
【0005】
シャッタカーテン1は前記巻取りシャフトに巻取られると共に前記バランススプリングにより上方に付勢される様になっており、又、前記シャッタカーテン1の両側にはガイドレール2が立設され、前記シャッタカーテン1は前記ガイドレール2に沿って摺動可能となっている。更に、該ガイドレール2の内面の下部には係止孔(図示せず)がそれぞれ1箇所ずつ穿設されている。
【0006】
前記シャッタカーテン1は横長板状のスラット3が鉛直方向に屈曲自在に多数連結されたものである。前記シャッタカーテン1の下部所要段の前記スラット3には左右対称に横長矩形の孔4が2箇所穿設され、該各孔4にそれぞれ手掛けボックス5が嵌設されている。
【0007】
該手掛けボックス5は前面が開放された横長の箱型で、外周縁部6は外側に直角に屈曲し、前記手掛けボックス5とスラット3間の隙間を覆う様になっている。
【0008】
所定位置の前記スラット3の後面には該スラット3に沿って水平にロック装置7が設けられ、該ロック装置7は中央部に設けられた操作部8と、該操作部8の両側に水平に延出する平板状の右錠前バー9、左錠前バー10とで構成されている。前記ロック装置7は前記シャッタカーテン1が閉塞した際にのみ操作可能であり、該シャッタカーテン1の開放途中では操作できない様になっている。
【0009】
前記操作部8は回転部11を有し、該回転部11の中央部には鍵穴12が穿設されている。前記回転部11にはピニオンギア(図示せず)が嵌着され、前記右錠前バー9、左錠前バー10の前記ピニオンギア側にはそれぞれラック(図示せず)が形成されている。該各ラックはそれぞれ前記ピニオンギアに螺合し、前記回転部11を図12中の時計回り方向に回転させると、前記右錠前バー9、左錠前バー10が離反方向に移動する様になっている。
【0010】
又、前記右錠前バー9、左錠前バー10は所要数の支持バンド13により摺動可能に支持され、前記右錠前バー9、左錠前バー10の先端部14は2股状を成し、該先端部14は前記シャッタカーテン1の閉塞位置で前記ガイドレール2の係止孔(図示せず)に嵌脱可能となっている。
【0011】
前記シャッタカーテン1を閉塞する場合は、前面側から前記両手掛けボックス5の底面に指先を掛け、前記シャッタカーテン1を引下げる。該シャッタカーテン1を閉塞後、前記鍵穴12に鍵を差込み、図12中の時計回り方向に回転させ、前記右錠前バー9、左錠前バー10を互いに離反する方向に移動させ、前記各先端部14を前記ガイドレール2の係止孔(図示せず)に嵌入させる。
【0012】
前記シャッタカーテン1を開放する場合は、前記鍵を前記鍵穴12に差込み、図12中の反時計回り方向に回転させ、前記右錠前バー9、左錠前バー10を互いに近接する方向に移動させ、前記各先端部14を前記ガイドレール2の係止孔(図示せず)から抜脱する。その後、前面側から前記各手掛けボックス5内部上面に指先を掛け、前記シャッタカーテン1を持上げる。該シャッタカーテン1は前記ガイドレール2に沿って上昇し、前記巻取りシャフト(図示せず)に巻取られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の建物用シャッタでは、前記手掛けボックス5の前面が常時開放されており、前記シャッタカーテン1を閉塞している間、前記手掛けボックス5の底面側或は上面側に埃や雨水が付着し易いので、前記手掛けボックス5の底面或は上面に指先を掛け、前記シャッタカーテン1を閉塞或は開放させる際に指先が汚れたり濡れたりすることがあった。
【0014】
又、前記手掛けボックス5の後面は開放されておらず、前記シャッタカーテン1の後面側から前記手掛けボックス5内に指先を差入れることができないので、後面側から前記シャッタカーテン1を開閉させる場合、前記スラット3の連結部に指先を引掛けて行なっていた。然し、連結部には指先を掛け易い水平面がないので、前記シャッタカーテン1の開閉作業が困難であると共に前記スラット3の連結部に埃が溜り易いので、シャッタカーテン1の開閉時に指先が汚れるという問題があった。
【0015】
更に、前記スラット3が規則的に連続された前記シャッタカーテン1の前面に凹状の前記手掛けボックス5が設けられているので、シャッタの外観を損ねていた。
【0016】
更に又、前記シャッタカーテン1を閉塞し施錠する際には、鍵を使う必要があるので、夜等で明かりがない時に鍵穴を見つけるのは容易でなく、又、施錠後に施錠されたかどうかを確認するには、鍵を外した後、再び前記手掛けボックス5に指先を掛ける必要があり手間が掛かっていた。
【0017】
又、前記シャッタカーテン1は前記バランススプリングにより上方に付勢されており、前記シャッタカーテン1を上方に引上げる力と該シャッタカーテン1の重力により下降しようとする力とをバランスさせ、開放或は閉塞途中の任意の位置で前記シャッタカーテン1を停止させるのは困難であるので、該シャッタカーテン1を長時間一定位置で停止させ、建物内への日射量や通風量を調整することができなかった。
【0018】
本発明は斯かる実情に鑑み、シャッタカーテンの開閉作業が指先を汚すことなく容易にできると共に容易に施錠し、且つ任意の位置でシャッタカーテンを停止させ、更にシャッタの外観を向上させるものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シャッタカーテンを構成するスラットの少なくとも1つに手掛けボックスを嵌装し、該手掛けボックス前面パネルと後面パネル設け、前記前面パネルと前記後面パネルのうち少なくとも前面パネルが下端部を中心に前記手掛けボックスに回転自在に支持され、前記前面パネルの上端部に後方に屈曲し前記手掛けボックスの上端部内面に当接可能な段差部が形成され、前記前面パネルの下端部に前記手掛けボックスの下端部を覆う水切りが形成された建物用シャッタに係り、又、前記手掛けボックスが幅方向に摺動可能に設けられ、錠前バーが前記スラットに摺動自在且シャッタカーテンのガイドレールに嵌脱可能に設けられると共に前記手掛けボックスに連結され前記錠前バーに該錠前バーと前記手掛けボックスとの相対変位を一方向に規制する係止部材を設けた建物用シャッタに係り、又、前記手掛けボックスにガイド孔を穿設し、該ガイド孔に該ガイド孔に沿って摺動可能にレバー部を貫通させ、錠前バーが前記スラットに摺動自在且シャッタカーテンのガイドレールに嵌脱可能に設けられ、前記錠前バーが前記レバーに連結され前記錠前バーに該錠前バーと前記レバー部との相対変位を一方向に規制する係止部材を設けた建物用シャッタに係り、更に、前記手掛けボックスの側面に該手掛けボックス外側よりアームの一端部を摺動自在に貫通させ、錠前バーが前記スラットに摺動自在且シャッタカーテンのガイドレールに嵌脱可能に設けられ、前記アームの他端部と前記錠前バーとを連結し、該錠前バーに該錠前バーと前記アームとの相対変位を一方向に規制する係止部材を設けた建物用シャッタに係り、前記前面パネル或は後面パネルを開閉し、前記手掛けボックスに指先を掛け、前記シャッタカーテンの開閉作業及び施錠作業を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照しつつ本発明の第1の実施の形態を説明する。尚、図1〜図3中、図7〜図12中と同等のものには同符号を付し、説明は省略する。
【0021】
スラット3に左右一対の横長の矩形孔19が穿設され、該各矩形孔19にそれぞれ横長箱型の手掛けボックス20が設けられ、該手掛けボックス20の水平方向の長さは前記矩形孔19の長さより短くなっている。
【0022】
前記左右一対の手掛けボックス20は左右対称な構成を有するので、以下、シャッタカーテン1の後面側から見て左側の手掛けボックス20について説明する。
【0023】
該手掛けボックス20の前面側外周縁部は外側に直角に屈曲し鍔部21を形成し、該鍔部21は前記スラット3と前記手掛けボックス20の間の隙間を覆う様になっている。図2、図3中の前記鍔部21の右側部分に覆われた前記スラット3の表面色は該スラット3の他の部分の表面色と異なる色に塗装されている。
【0024】
又、前記鍔部21の下辺を除く3辺は内側方向に僅かに延出し前面当接部22を形成すると共に前記鍔部21の後面側外周縁部の下辺を除く3辺は内側に直角に屈曲し、前記前面当接部22と同様に後面当接部23を形成している。
【0025】
前記手掛けボックス20の上面の前側には前記鍔部21と平行にL字型断面の上補助部材24が固着されていると共に前記手掛けボックス20底面の前側に前記鍔部21と平行に逆L字型断面の下補助部材25が固着されている。而して、前記鍔部21と上補助部材24及び前記鍔部21と下補助部材25とで前記スラット3を挾持し、前記手掛けボックス20は前記矩形孔19内を水平に摺動可能となっている。
【0026】
前記手掛けボックス20の前面パネル26は蝶番或はピボット等の支持手段27により前記前面パネル26の下端部を中心に前記手掛けボックス20に回転自在に支持されていると共に図示しないコイルバネにより前方に付勢されている。前記前面パネル26の上端部及び両側端部は前記前面当接部22の内面に当接可能に後方に屈曲し、段差部28が形成され、前記前面パネル26の下端部は前方に屈曲し、前記鍔部21の下端部を覆う水切り29が形成されている。
【0027】
而して、前記前面パネル26は前記支持手段27を支点に後方に回転し、前記手掛けボックス20の前面を開放し、又、前記コイルバネの反発力により前記段差部28が前記前面当接部22に当接すると共に前記水切り29が前記鍔部21の下端部を覆い、前記手掛けボックス20の前面を常閉可能となっている。
【0028】
前記手掛けボックス20の後面パネル30は前記支持手段27により前記手掛けボックス20に回転自在に支持されていると共に図示しないコイルバネにより後方に付勢されている。前記後面パネル30には、前記前面パネル26と同様に段差部31、水切り32が形成されている。
【0029】
而して、前記後面パネル30は前記支持手段27を支点に前方に回転し、前記手掛けボックス20の後面を開放し、又、前記コイルバネの反発力により前記段差部31が前記後面当接部23に当接すると共に前記水切り32が前記鍔部21の下端部を覆い、前記手掛けボックス20の後面を常閉可能となっている。
【0030】
該手掛けボックス20の下面にはアーム33が固着され、該アーム33を左錠前バー10が前記スラット3に沿って水平に摺動自在に貫通している。又、後面側から見て、前記左錠前バー10の前記アーム33の左側には係止部材34が止めネジ35で固着され、前記係止部材34により前記左錠前バー10と前記手掛けボックス20との相対変位が一方向に規制される様になっている。
【0031】
前記左錠前バー10は所要数の支持バンド36により摺動可能に前記スラット3に支持され、前記手掛けボックス20が図2、図3中の左方に摺動すると前記アーム部33が前記係止部材34に当接する様になっている。
【0032】
以下、作用を説明する。
【0033】
前面側からシャッタカーテン1を閉塞させるには、前記手掛けボックス20に指先を差入れる。前記前面パネル26が前記コイルバネ(図示せず)に抗して後方に倒伏回転し水平姿勢となる。前記前面パネル26に指先を掛け引下げる。
【0034】
前記前面パネル26が水平姿勢になると水切り29が前方に突出し、その分手掛け面積が増大するので、指先の負担が減少し容易に前記シャッタカーテン1を閉塞することができる。
【0035】
前記手掛けボックス20内から指先を引抜くと前記前面パネル26は前記コイルバネの反発力により前方へ起立回転し、前記段差部28が前記前面当接部22に当接し、再び前記前面パネル26は鉛直姿勢となる。
【0036】
前記シャッタカーテン1の閉塞状態では前記前面パネル26は鉛直姿勢であり、表面に埃が付着し難く、又、雨水が掛っても直ちに流下し、表面が乾き易いので、閉塞作業時に指先が汚れたり濡れたりすることが防止できる。
【0037】
前記シャッタカーテン1を閉塞後、前記手掛けボックス20自体を図2、図3中左方へ摺動させると、前記アーム部33が前記係止部材34に当接し、前記左錠前バー10は前記係止バンド34を介して図2、図3中の左側方向に移動する。前記左錠前バー10の先端部(図示せず)はガイドレールの係止孔(図示せず)に嵌入し、前記シャッタカーテン1は施錠された状態となる。施錠する際、鍵が不要であるので施錠作業が簡素化される。
【0038】
図2、図3中の前記鍔部21の右方に表面色の異なる前記スラット3が現れる。施錠状態の確認は表面色の異なる前記スラット3が現れたこと或は前記手掛けボックス20に指先を掛け前記シャッタカーテン1を引上げられるかどうかにより行う。
【0039】
又、施錠状態の確認後、表面色の異なる前記スラット3が前記鍔部21で完全に覆われる迄、前記手掛けボックス20を図2、図3中の右方へ移動させると、前記スラット3の表面色が同一色となるので外観を損ねることもない。又、前記手掛けボックス20を図2、図3中の右方へ移動させても、前記アーム33は前記係止部材34と当接せず、前記左錠前バー10が移動することはないので、施錠状態は維持される。
【0040】
後面側から前記シャッタカーテン1を閉塞する場合も前面側から閉塞する場合と同様の手順でできるので説明は省略する。
【0041】
又、前面側から前記シャッタカーテン1を開放するには、鍵穴(図示せず)に鍵を差込み回転させ、ロック装置の作動により前記左錠前バー10の先端部をガイドレールの係止孔(図示せず)から抜脱する。その後前面側から指先を差入れ、前記前面パネル26を前記コイルバネ(図示せず)に抗して後方に倒伏回転させ、指先を前記手掛けボックス20内部の上面パネルに掛け持上げる。前記シャッタカーテン1は巻上げられ開放される。
【0042】
前記手掛けボックス20から指先を抜くと、前記前面パネル26は前記コイルバネ(図示せず)の反発力により前方に起立回転し、前記手掛けボックス20の前面を閉塞する。
【0043】
前記シャッタカーテン1の開閉及び施錠作業時以外は前記手掛けボックス20の開口部は閉塞状態を保っているので該手掛けボックス20内部への埃や雨水の浸入を防止できると共に前記前面パネル26は水切り29を有しているので、雨水が上部の前記スラット3から流れ落ちて来ても前記前面パネル26の下端部の隙間から前記手掛けボックス20内部へ雨水が浸入することはない。又、前記前面パネル26の前記段差部28は前記前面当接部22の後面側に当接しているので、雨水又は埃が前記前面当接部22と前記段差部28との当接箇所から前記手掛けボックス20内へ浸入することはない。
【0044】
尚、上記実施の形態に於いては、前記前面パネル26と前記後面パネル30の両方が開閉可能に設けられているが前記前面パネル26だけが開閉可能であってもよい。
【0045】
又、施錠作業後、前記手掛けボックス20が自動的に元の位置に戻る様に前記スラット3と前記手掛けボックス20との間に復帰スプリングを張設してもよい。
【0046】
次に、図4、図5に於いて本発明の第2の実施の形態を説明する。尚、図4、図5中、図1〜図3中と同等のものには同符号を付し、説明は省略する。
【0047】
スラット3に左右一対の横長の矩形孔40が穿設され、該各矩形孔40にそれぞれ横長箱型の手掛けボックス41が嵌設されている。
【0048】
前記左右一対の手掛けボックス41は左右対称な構成を有するので、以下、シャッタカーテン1の後面側から見て左側の手掛けボックス41について説明する。
【0049】
該手掛けボックス41は図4、図5中の左側端部42を残して前面及び後面にそれぞれ開口部43,44を有し、該開口部43,44は前面パネル26、後面パネル30により開閉される様になっている。
【0050】
前記手掛けボックス41の図4、図5中の左側面45には側孔46が穿設され、該側孔46を図4、図5中の左方から逆L字型のアーム47の水平部分の先端部48が貫通している。該先端部48は前記アーム47の水平部分の他の部分より径が細く、該アーム47の水平部分には段差部49が形成され、前記アーム47の水平部分の他の部分の径は前記側孔46の径より太くなっている。前記先端部48には小突起50が形成され、該小突起50に押釦キャップ51が嵌着されている。該押釦キャップ51の径は前記先端部48の径より太く、前記押釦キャップ51と前記側面45との間にはスプリング52が圧縮状態で介装されている。
【0051】
以下、作用を説明する。尚、シャッタカーテンを開閉する手順及び解錠手順は第1の実施の形態と同様であるので説明は省略し、施錠手順のみを説明する。
【0052】
シャッタカーテン1を閉塞した後、前記手掛けボックス41の内部側から指先で前記押釦キャップ51を押圧すると、前記アーム47は図4、図5中の左方へ移動する。該アーム47が前記係止部材34に当接し、左錠前バー10は前記アーム47と共に移動する。前記左錠前バー10の先端部がガイドレールの係止孔(図示せず)に嵌入し、前記シャッタカーテン1は施錠された状態となる。
【0053】
前記押釦キャップ51から指先を離すと、前記左錠前バー10の先端部が前記ガイドレールの係止孔に嵌入した状態を維持しつつ、前記押釦キャップ51及びアーム47は前記スプリング52の反発力で図4、図5中の右方へ移動し、前記段差部49が前記側面45に当接し、前記押釦キャップ51及びアーム47の右方への動きは停止する。
【0054】
尚、上記第2の実施の形態に於いては、前記押釦キャップ51と前記側面45との間にスプリング52を圧縮状態で介装しているが、該スプリング52は設けなくてもよい。
【0055】
次に、図6に於いて本発明の第3の実施の形態を説明する。尚、図6中、図1〜図3中と同等のものには同符号を付し、説明は省略する。
【0056】
スラット3に左右一対の横長の矩形孔53が穿設され、該各矩形孔53にそれぞれ横長箱型の手掛けボックス20が嵌設されている。
【0057】
前記手掛けボックス20の上面にはスラット3に平行にスリット状のガイド孔54が穿設され、該ガイド孔54にアーム55のレバー部56が貫通し、該レバー部56は前記ガイド孔54に沿って摺動可能となっている。又、前記アーム55には錠前バーの内、例えば左錠前バー10が摺動自在に貫通している。
【0058】
以下、作用を説明する。尚、シャッタカーテン1を開閉する手順及び解錠手順は第1の実施の形態と同様であるので説明は省略し、施錠手順のみを説明する。
【0059】
前記手掛けボックス20内に指先を差入れ前記レバー部56を図6中の手前方向へ摺動させると、前記アーム55が係止部材(図示せず)に当接し、前記左錠前バー10は前記係止部材を介して図6中の手前方向に移動する。前記左錠前バー10の先端部(図示せず)はガイドレールの係止孔(図示せず)に嵌入し、前記シャッタカーテン1は施錠された状態となる。
【0060】
施錠後、前記レバー部56を図6中の奥行方向へ移動させてもよいが、前記アーム55は前記係止部材と当接せず、前記左錠前バー10が移動することはないので、施錠状態は維持される。
【0061】
尚、上記第1、第2、第3の実施の形態に於いて、前記ガイドレールの係止孔(図示せず)を所要間隔で複数個設けてもよい。この場合、前記錠前バーの先端部(図示せず)を任意の位置の前記係止孔に嵌入させることにより、前記シャッタカーテン1を開放或は閉塞途中の任意の位置で固定させることができるので、建物内への日射量や通風量を所要値に調整することができる。
【0062】
又、前記手掛けボックス20,41は複数段の前記スラット3に設けてもよい。この場合、前記シャッタカーテン1を開放或は閉塞途中の任意の位置に固定して使用する際に、屈まずに前記手掛けボックス20,41に指先を掛けることができるので操作性の向上が図れる。
【0063】
更に、前記シャッタカーテン1を構成するスッラト3は板状に限るものではなく、中空或は中実のパネル状等他の形状であってもよい。
【0064】
更に又、上下動式シャッタに限らず、横引きや水平引きのシャッタにも実施可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、シャッタカーテンの開閉及び施錠作業以外は手掛けボックスの前面パネル及び後面パネルは閉塞状態であるので、前記手掛けボックス内部に埃や雨水が浸入するのを防止することができる。従って、前記シャッタカーテン開閉作業時等前記手掛けボックス内に指先を掛けても指先が汚れたり濡れたりすることがない。
【0066】
又、前記手掛けボックスの後面パネルも開閉可能の場合には、前記シャッタカーテンの前面及び後面の両面側から前記手掛けボックス内に指先を掛けることができるので前記シャッタカーテンの開閉作業が容易になる。
【0067】
更に、前記手掛けボックスで鍵を使用せず施錠作業も行えるので、前記シャッタカーテンの閉塞作業と施錠作業が一連の動作ででき、作業効率の向上が図れる。
【0068】
更に又、前記手掛けボックスの前面パネルは通常鉛直姿勢であり、前記スラットと同一平面を形成するので前記シャッタカーテンの外観の向上が図れる等種々の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】該実施の形態を示す背面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図5】図4のB−B矢視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図7】従来例を示す正面図である。
【図8】従来の手掛けを示す正面図である。
【図9】図8のC−C矢視図である。
【図10】図8のD−D矢視図である。
【図11】従来のロック装置を示す側面図である。
【図12】従来のロック装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 シャッタカーテン
2 ガイドレール
3 スラット
9 右錠前バー
10 左錠前バー
20 手掛けボックス
26 前面パネル
29 水切り
30 後面パネル
31 段差部
33 アーム
34 係止部材
40 矩形孔
41 手掛けボックス
47 アーム
54 ガイド孔
55 アーム
56 レバー部

Claims (4)

  1. シャッタカーテンを構成するスラットの少なくとも1つに手掛けボックスを嵌装し、該手掛けボックス前面パネルと後面パネル設け、前記前面パネルと前記後面パネルのうち少なくとも前面パネルが下端部を中心に前記手掛けボックスに回転自在に支持され、前記前面パネルの上端部に後方に屈曲し前記手掛けボックスの上端部内面に当接可能な段差部が形成され、前記前面パネルの下端部に前記手掛けボックスの下端部を覆う水切りが形成されたことを特徴とする建物用シャッタ。
  2. 前記手掛けボックスが幅方向に摺動可能に設けられ、錠前バーが前記スラットに摺動自在且シャッタカーテンのガイドレールに嵌脱可能に設けられると共に前記手掛けボックスに連結され前記錠前バーに該錠前バーと前記手掛けボックスとの相対変位を一方向に規制する係止部材を設けた請求項1の建物用シャッタ。
  3. 前記手掛けボックスにガイド孔を穿設し、該ガイド孔に該ガイド孔に沿って摺動可能にレバー部を貫通させ、錠前バーが前記スラットに摺動自在且シャッタカーテンのガイドレールに嵌脱可能に設けられ、前記錠前バーが前記レバーに連結され前記錠前バーに該錠前バーと前記レバー部との相対変位を一方向に規制する係止部材を設けた請求項1の建物用シャッタ。
  4. 前記手掛けボックスの側面に該手掛けボックス外側よりアームの一端部を摺動自在に貫通させ、錠前バーが前記スラットに摺動自在且シャッタカーテンのガイドレールに嵌脱可能に設けられ、前記アームの他端部と前記錠前バーとを連結し、該錠前バーに該錠前バーと前記アームとの相対変位を一方向に規制する係止部材を設けた請求項1の建物用シャッタ。
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