JP3891276B2 - 車両用灯火器の車体着脱機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドライト、テールライトなど光源により照明、信号機能を行なったり、あるいは、リフレックスリフレクタなど反射機能により信号機能を行なう車両用灯火器に関するものであり、詳細には、上記の車両用灯火器を車体に着脱するときの構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の車両用灯火器90における車体80への着脱機構の例を示すものが図9〜図11であり、先ず、図9に示す構成では車体80の凹部81にはネジ穴81aを設けておき、車両用灯火器90をレンズ91面側から貫通する取付ネジ82で止着するものである。また、図10に示すものは車両用灯火器90にボス92を設けておき、この車両用灯火器90の背面側から止ネジ83で止着を行なうものである。さらに、図11に示すものは、車両用灯火器90の側にスタッドピン93などバネ性を利用した係止手段を設けておき、圧入することで凹部81に設けられた取付穴84に止着させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の車体着脱機構において、先ず、図9に示したものでは、取付け、取り外しが容易である利点は有するが、前記取付ネジ82が車両用灯火器90の意匠面であるレンズ91面に存在し美観を損ねる問題点を生じるものとなっている。また、図10に示すものでは、確かに止ネジ83は外部から見えるものとはならず美観に優れるものとなるが、背面から、即ち、目視で確認が行えない状況で前記止ネジ83の取付け、取り外しを行なわなければならないものとなり、作業が困難となる問題点を生じている。
【0004】
さらに、図11に示したものでは、確かに取付性も美感も向上するものとはなるが、取り外しを行なう際には、例えば凹部81と車両用灯火器90との間の隙間にドライバーなどを差し込み、コジることでスタッドピン93と取付穴84との係着を解除しなければならないものとなり、その際に車両用灯火器90のレンズ91に破損を生じるなどして、作業時に車両用灯火器90を破損させ使用不能となるなど、より重大な問題点を生じる要因を含むものとなっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、車体側に設けられる灯火器取付部に車両用灯火器の着脱を行なうための車体着脱機構であって、前記灯火器取付部には車両用灯火器のレンズの外形に見合う凹部が設けられると共に、該凹部には軸承部が設けられて前記車両用灯火器の背面側に設けられる揺動軸部とで、この凹部内で前記車両用灯火器を一方向に揺動自在に承持するものとされ、且つ、前記車両用灯火器の揺動する側の一方の端部にはフック部が、前記灯火器取付部の前記フック部に対応する端部にはフック掛着部が設けられ、前記車両用灯火器の揺動する側の他方の端部にはネジ穴が、前記灯火器取付部の前記ネジ穴に対応する端部には取付穴が設けられており、前記車体と車両用灯火器との取付は、前記凹部に前記車両用灯火器を挿入し、前記軸承部と前記揺動軸部とを合致させた状態で前記車両用灯火器のフック部が設けられている側を前面レンズ側から押圧することで前記フック部とフック掛着部とを係着させ、しかる後に前記取付穴と前記ネジ穴とを螺子により固定することで行ない、前記車体と車両用灯火器との取外しは、前記螺子を外して前記取付穴と前記ネジ穴との固定を解除した後に、前記車両用灯火器のネジ穴が設けられている側を前面レンズ側から押圧することで前記フック部とフック掛着部との係着を解除して前記凹部からの前記車両用灯火器の引き抜きを行なうものとされていることを特徴とする車両用灯火器の車体着脱機構を提供することで課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯火器であり、この車両用灯火器1は、ヘッドライト、テールライトなど光源を有するものであっても良く、あるいは、リフレックスリフレクタなど光源を有することはなく、反射により他車などに信号を発するものであっても良い。
【0007】
ここで、本発明では前記車両用灯火器1に、揺動軸部2と、フック部3と、ネジ穴4とを設けるものであり、前記揺動軸部2は車両用灯火器1のハウジング1aの長辺1b側の略中心となる位置にリブ状などとして図示の状態で上方に突出して形成され、その先端2aで後に説明する軸承部13と突接するものとされている。また、前記揺動軸部2は図示の状態で下方の対称位置にも設けられていて、同様に対称位置に設けられる軸承部13とで、前記車両用灯火器1をフック部3を一方の端部とし、ネジ穴4を他方の端部としてシーソ状に揺動させるものとなっている。
【0008】
図2は車体10における灯火器取付部11を示すものであり、この灯火器取付部11には前記車両用灯火器1を収納するのに適切な寸法とした凹部12が設けられている。そして、この凹部12には前記揺動軸部2に対応する位置に軸承部13が設けられている。このときに、前記軸承部13は例えばV字状に形成され、凹部12に車両用灯火器1を挿入する際に、前記揺動軸部2と軸承部13とが合致したことが手応えにより作業者に明確に判るようにされている。
【0009】
同時に、前記凹部12には前記車両用灯火器1の一方の端部に設けられたフック部3に対応してはフック掛着部14が設けられ、他方の端部に設けられたネジ穴4に対応しては取付穴15が設けられている。前記フック部3とフック掛着部14とを掛着した状態では、前記ネジ穴4と取付穴15とも位置的に一致するものとされている。
【0010】
図3〜図5は上記の構成とした本発明の車両用灯火器1を車体10に取付けるときの手順を示すものであり、先ず、第一の手順としては図3に示すように、凹部12内に車両用灯火器1を、図中に矢印Sで示す方向にネジ穴4側を先頭方向として挿入するが、このときに、挿入を行なうに従い前記揺動軸部2の先端2aが軸承部13に当接するものとなり、前記車両用灯火器1の移動方向は軸承部13によりガイドが行なわれるものとなって、例えばV字状などと軸承部13の形状を形成したことにより、作業者は揺動軸部2が軸承部13の所定位置に達したことを手応えで察知できるものとなる。
【0011】
上記所定位置に達したならば、作業者は図4に示すように前記車両用灯火器1のレンズ1cのフック部3が設けられている側を手などで押圧すれば、車両用灯火器1は前記揺動軸部2の先端2aを軸としてシーソ状に動き、この結果、フック部3とフック掛着部14とは掛着されるものとなる。そして、フック部3とフック掛着部14との掛着が行なわれれば、車体10の取付穴15と、車両用灯火器1のネジ穴4とは位置的に整合するものとなるので、図5に示すように車体10外面側からビス16により固定を行なえば、車両用灯火器1は確実に車体10に取付けられるものとなる。
【0012】
上記説明のようにして車体10に取付が行なわれた車両用灯火器1であっても、例えば光源の断線、あるいは、事故による破損などにより車体から取り外しを行なわなければならない事態を生じる。図6〜図8は上記取り外しを行なうときの手順を示すものであり、まず最初には前記ビス16を取り外し、車両用灯火器1を上記にも説明した揺動軸部2と軸承部13による揺動が可能な状態(図6参照)とする。
【0013】
そして、前記車両用灯火器1のレンズ1cのネジ穴4寄りの部分を手などにより押圧(図7参照)すれば、前記フック部3とフック掛着部14との掛着が解除され、車両用灯火器1はフック部3側が車体10から浮き上がる状態となるので、図中に矢印Pで示す方向にフック部3側に向かい引き抜けば(図8参照)車両用灯火器1は容易に車体から取り外しが行なえるものとなる。
【0014】
以上の説明でも明らかなように、本発明に係る車体着脱機構によれば、車体10の外面側から容易に車両用灯火器1の取付け、および、取り外しが行なえるものとなり、このときに車両用灯火器1を取付けるためのビス16はレンズ1c面以外の位置に設けられているので外観を損なうことがない。また、取り外し時においてもレンズ1c面を押圧するのみで行なえるものとなるので、極めて容易であり、且つ、傷付きなども生じないものとなる。
【0015】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明により、車両用灯火器には揺動軸部を、車体側には軸承部を設け車両用灯火器が車体の凹部内でシーソ状に揺動自在な状態とすると共に、車両用灯火器の揺動する一方の端部にはフック部を他方の端部にはネジ穴を設け、凹部の一方の端部にはフック掛着部、他方の端部には取付穴を設けておき、車両用灯火器の他方の端部にはネジ穴、凹部の他方の端部には取付穴を設けておき、レンズを外側から押圧することで前記フック部とフック掛着部とを係着させ、しかる後に前記取付穴と前記ネジ穴とを螺子により固定する車両用灯火器の車体着脱機構としたことで、ネジがレンズ面に設けられて外観を損なう問題もなく、また、外観を損なわないために裏面から取付作業を行なわざるを得ず作業性を損なうという問題点もなく、更には、外観を損なわないためにクリップ、スタッドピンなどを使用し、取外作業時が困難で、且つ、破損を生じるなどの問題点を生じることもなく簡便、確実に着脱ができるものとして、この種の車両用灯火器に対する取付け、取外しを簡素化し作業性の向上に極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用灯火器の車体着脱機構における車両用灯火器側の構成を示す斜視図である。
【図2】 同じく本発明に係る車両用灯火器の車体着脱機構における車体側の構成を示す斜視図である。
【図3】 本発明に係る車両用灯火器の車体着脱機構における車両用灯火器の取付工程の第一の手順を示す説明図である。
【図4】 同じく車両用灯火器の取付工程の第二の手順を示す説明図である。
【図5】 同じく車両用灯火器の取付工程の第三の手順を示す説明図である。
【図6】 本発明に係る車両用灯火器の車体着脱機構における車両用灯火器の取外工程の第一の手順を示す説明図である。
【図7】 同じく車両用灯火器の取外工程の第二の手順を示す説明図である。
【図8】 同じく車両用灯火器の取外工程の第三の手順を示す説明図である。
【図9】 従来例を示す説明図である。
【図10】 別の従来例を示す説明図である。
【図11】 更に別の従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1……車両用灯火器
1a……ハウジング
1b……長辺
1c……レンズ
2……揺動軸部
2a……先端
3……フック部
4……ネジ穴
10……車体
11……灯火器取付部
12……凹部
13……軸承部
14……フック掛着部
15……取付穴
16……ビス
Claims (2)
- 車体側に設けられる灯火器取付部に車両用灯火器の着脱を行なうための車体着脱機構であって、前記灯火器取付部には車両用灯火器のレンズの外形に見合う凹部が設けられると共に、該凹部には軸承部が設けられて前記車両用灯火器の背面側に設けられる揺動軸部とで、この凹部内で前記車両用灯火器を一方向に揺動自在に承持するものとされ、且つ、前記車両用灯火器の揺動する側の一方の端部にはフック部が、前記灯火器取付部の前記フック部に対応する端部にはフック掛着部が設けられ、前記車両用灯火器の揺動する側の他方の端部にはネジ穴が、前記灯火器取付部の前記ネジ穴に対応する端部には取付穴が設けられており、前記車体と車両用灯火器との取付は、前記凹部に前記車両用灯火器を挿入し、前記軸承部と前記揺動軸部とを合致させた状態で前記車両用灯火器のフック部が設けられている側を前面レンズ側から押圧することで前記フック部とフック掛着部とを係着させ、しかる後に前記取付穴と前記ネジ穴とを螺子により固定することで行ない、前記車体と車両用灯火器との取外しは、前記螺子を外して前記取付穴と前記ネジ穴との固定を解除した後に、前記車両用灯火器のネジ穴が設けられている側を前面レンズ側から押圧することで前記フック部とフック掛着部との係着を解除して前記凹部からの前記車両用灯火器の引き抜きを行なうものとされていることを特徴とする車両用灯火器の車体着脱機構。
- 前記凹部への前記車両用灯火器の挿入はネジ穴側を先端として行ない、引き抜きは前記フック部側を先端として行なうことを特徴とする請求項1記載の車両用灯火器の車体着脱機構。
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