JP3891081B2 - 走行車速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、設定車速を維持しながら走行する定速走行制御や、先行車両と一定の車間距離を保ちながら走行する追従走行制御等を実行する走行速度制御装置に関し、特に、Stop&Go制御(渋滞時の自動追従速度制御)やACC(adaptive cruise control)を行う走行速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
先行車追従制御或いは車間距離制御として、Stop&Go制御(渋滞時の自動追従速度制御)やACC(adaptive cruise control)等といった技術がある。
ここで、Stop&Go制御では、予め設定した目標車速を上限とし、自車速が比較的低速域であるとき、先行車に対し所定の相対位置関係(具体的には目標車間時間)を維持して追従するとともに、先行車の停止時に自車両の停止を行うことができるようになっている。例えば、特許文献1には、そのような技術としての渋滞追従制御装置が開示されており、所定の上限速度内で、渋滞時に先行車に追従できるようになっている。
【0003】
一方、ACCでは、自車速が高車速域であるときに実行され、予め設定した目標車速を上限とし、先行車に対し所定の相対位置関係を維持して追従するが、前記Stop&Go制御と異なり、先行車の停止時に自車両を停止させる制御を行わないようになっている。
このようにStop&Go制御とACCとでは、制御対象としている車度域が異なっており、このようなことから、車速域に応じてStop&Go制御とACCとの間で切り換えを行う必要があり、この場合、一方の制御を一旦解除し、その後、運転者の意図(具体的には運転者によるスイッチ操作)により、他方の制御を開始することになる。
【0004】
ここで、それぞれの制御が対象としている車速域がそのように別々ではあるが、制御対象の車速域の一部にて重複しているのが一般的な構成である。例えば、Stop&Goでは0km/h〜50km/hを制御対象の車速域としており、ACCでは30km/h〜100km/hを制御対象の車速域としており、30km/h〜50km/hで制御対象の車速域が重複している。このように重複する車速域において、Stop&Go制御を一旦解除し、その後、ドライバーの意図等により、ACCを制御開始させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−205367号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、Stop&Go制御では、運転者によるブレーキ等の操作を運転者の意図としてその制御を中止するようになっているが、その他に、先行車への追従を制御条件としていることから、先行車を見失った場合、追従制御を中止するようになっている。
【0007】
そもそも、Stop&Go制御では、制御目標として「目標車間時間」と「目標車速」とを予め設定し、その予め設定した目標車速を上限として、目標車間時間を一定にすべくアクセル制御やブレーキ制御をするため、目標車速を制御上限車速に設定するのが一般的となっている。そして、Stop&Go制御では、このような条件の下で、先行車が加速していくような場合にはその先行車を見失うまでその先行車に追従していき、先行車の車速が制御上限車速を超えた場合には、当該Stop&Go制御を解除することなく、目標速度を制御上限車速として制限されるようになっている。
【0008】
このようなことから、Stop&Go制御の制御上限車速を超えた車速の先行車に追従していくには、ACCに切り換える必要があるが、Stop&Go制御からACCに制御切り換えをするには、運転者は制御の切り換え操作をしなければならない。しかし、運転者がその切り換え操作を忘れてしまうと、切り換え操作すべきことを運転者が認識するまで、Stop&Go制御により自車両が制御上限車速で走行することになってしまう。これでは、で自車両が先行車から引き離される(離脱する)状況になり、運転者が違和感を感じてしまう。
【0009】
なお、ACCの場合は、自動ブレーキ制御等で、自車速がある程度低下した場合に自動的に制御が解除されるほか、運転者のブレーキ等の操作によっても制御が解除されるようになっている。しかし、ブレーキ制御やブレーキ操作はほとんどが交通状況に応じてなされたものであり、運転者はそのような交通状況からブレーキ制御やブレーキ操作によりACCが解除されたことを認識することができているといえる。このようにACCが解除されたことを認識することができることから、その後は、運転者の意図(具体的には運転者によるスイッチ操作)で、交通状況や車速等に応じて、Stop&Go制御を開始させるので、制御切り換えに対する違和感は発生しない。
【0010】
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、Stop&Go制御からACCへの切り換えを運転者が円滑に行うことをできる走行速度制御装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る走行速度制御装置は、低車速域における走行車追従制御と、高車速域における走行車追従制御とを有し、これら2つの先行車追従制御を切り換えスイッチにより切り換え可能とし、前記低車速域における先行車追従制御では、先行車に追従して自車速が制御上限速度に達したときに当該先行車への追従を止める走行速度制御装置である。
【0012】
ここで、先行車に追従して自車速が制御上限速度に達したときに当該先行車への追従を止めることとしては、先行車に追従して自車速が制御上限速度に達したときに追従走行から定速走行に移行することが挙げられる
【0013】
そして、前述の問題を解決するために、請求項1記載の発明に係る走行速度制御装置は、切り換え催促報知手段により、低車速域における先行車追従制御中に自車速が制御上限速度に達したことを検出し、且つ離脱傾向検出手段が自車両に対する先行車の離脱傾向を検出したとき、運転者に前記切り換えスイッチを操作して高車速域における先行車追従制御に切り換えることを促す。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、運転者に低車速域における先行車追従制御から高車速域における先行車追従制御への制御切り換え忘れを認識させ、同時に高車速域における先行車追従制御の開始についての適切なタイミングを運転者に伝達できる。これにより、運転者はたとえ不慣れであっても、低車速域における先行車追従制御から高車速域における先行車追従制御への切り換えを円滑に行うことをできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、Stop&Go制御(渋滞時の自動追従速度制御)やACC(adaptive cruise control)といった複数の先行車追従制御を切り換えて制御することができる車両である。
【0016】
図1は本発明の実施の形態を示す概略構成図であって、図中、1FL,1FRは従動輪としての前輪1RL,1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL,1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。また、図2は車両の各構成部を制御するコントローラ20及びこのコントローラ20により制御等される各構成部を示す。
【0017】
図1に示すように、前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、夫々制動力を発生するディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8により制御される。
制動制御装置8は、図示しないブレーキペダルの踏み込みに応じて制動油圧を発生すると共に、コントローラ20から供給される制動圧指令値PBDの大きさに応じた制動油圧を発生してディスクブレーキ7に供給するように構成されている。さらに、制動制御装置8は、VDC(Vehicle Dynamics Control)等のように、目標のヨーレートと図2に示すヨーレートセンサ22の実測ヨーレートとに基づいて車両の横滑りを自動的に制御するようにも構成されている。
【0018】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。エンジン出力制御装置9は、エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転数を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する方法とが考えられるが、本実施形態では、スロットルバルブの開度を調整する方法が採用されている。
【0019】
また、図示しないステアリングホイールには、図2に示すステアリングセンサ23が取付けられており、このステアリングセンサ23からの出力信号に基づいて図2に示す操舵量測定部25によって操舵量を測定し、その測定した操舵量に基づいてコントローラ20が前輪1FL,1FRを転舵する。
一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両との間の車間距離Lを検出するレーダ装置で構成される車間距離センサ12(図2で示す前方認識部24に含まれる部分)が設けられている。この車間距離センサ12としては、例えばレーザ光を前方に掃射して先行車両からの反射光を受光することにより、先行車両と自車両との車間距離Lを計測するレーダ装置や電波や超音波を利用して車間距離Lを計測する距離センサを適用することができる。
【0020】
また、車両には、図2に示すように、運転者に対して速度表示等を行う表示部21、音声或いは音により運転者に種々の情報を報知するための音声発生部26、及びスイッチ及びLED(Light Emiting Diode)の機能を果すLED内蔵スイッチ27が設けられている。
ここで、LED内蔵スイッチ27のスイッチについては、Stop&Go制御とACCとを切り換えるためのものであり、内蔵されているLEDはそのようなスイッチ操作に連動してStop&Go制御やACCの選択状態を表示したり、運転者にStop&Go制御からACCへの切り換えの催促報知をするためのものである。そして、LED内蔵スイッチ27のスイッチの操作状態がシステム操作スイッチ部29により検出されるようになっており、また、LED内蔵スイッチ27におけるLEDの発光駆動がLED駆動部28により制御されるようになっている。このLED内蔵スイッチ27の構成等については後で詳述する。
【0021】
また、車両には、自動変速機3の出力側に配設された出力軸の回転数を検出することにより、自車速Vを検出する車速センサ13(図2で示す自車速測定部13)が配設されている。そして、車間距離センサ12及び車速センサ13の各出力信号がコントローラ20に入力され、このコントローラ20によって、車間距離センサ12で検出した車間距離L、車速センサ13で検出した自車速に基づいて、制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置を制御することにより、Stop&Go制御やACCを行っている。
【0022】
ここで、Stop&Go制御では、予め設定した目標車速を上限とし、自車速が比較的定速域であるとき、先行車に対し所定の相対位置関係(具体的には目標車間時間)を維持して追従するようになっている。すなわち、Stop&Go制御では、制御目標として「目標車間時間」と「目標車速」とを予め設定し、その予め設定した目標車速を上限として、アクセル制御やブレーキ制御により目標車間時間を一定にするように走行速度を制御している。また、Stop&Go制御では、先行車の停止時には、自車両も停止させるようになっている。さらに、Stop&Go制御では、先行車への追従を制御条件としていることから、先行車を見失うまで追従制御を行うようになっているが、先行車が車線変更等により自車線上に先行車がいなくなった場合には、設定車速(制御上限車速)を徐行レベルに変更して、その変更した徐行レベルの設定車速内で制御を行うようになっている。例えば、このようなStop&Go制御としては、特開平10−205367号公報に開示されている渋滞追従制御装置によるものが挙げられる。
【0023】
一方、ACCでは、自車速が高車速域であるときに実行され、予め設定した目標車速を上限とし、先行車に対し所定の相対位置関係を維持して追従するが、前記Stop&Go制御と異なり、先行車の停止時に自車両を停止させる制御を行わない。
そして、このようなStop&Go制御とACCとは、運転者による前記LED内蔵スイッチ27の操作により切り換えられ、作動するようになっている。
【0024】
前記LED内蔵スイッチ27は、具体的には、図3及び図4に示すように構成されている。すなわち、LED内蔵スイッチ27は、四角柱形状の本体27aが支持点27bに支持されて回動自在にされているいわゆるシーソー型スイッチの形態をなしている。そして、LED内蔵スイッチ27は、本体27aのそれぞれ端部に位置するように第1及び第2のLED27c,27dを内蔵している。このように、LED内蔵スイッチ27は、いわゆるLED内蔵のモーメンタリの3ポジションタイプのスイッチを構成している。
【0025】
このようなLED内蔵スイッチ27が、図3中(A)に示すように、同図において右側が押された場合、ACC選択状態になる。すなわち、この場合、コントローラ20は、システム操作スイッチ部29の検出結果によりACCが選択されたと判定し、LED駆動部28によりその押された側に設けられている第2のLED27d(同図において右側のLED)を点灯させるともに、ACCを開始する。
【0026】
また、図3中(B)に示すように、LED内蔵スイッチ27が、同図において左側が押された場合、Stop&Go制御の選択状態になる。すなわち、この場合、コントローラ20は、システム操作スイッチ部29の検出結果によりStop&Go制御が選択されたと判定し、LED駆動部28によりその押された側に設けられている第1のLED27c(同図において左側のLED)を点灯させるともに、Stop&Go制御を開始する。
【0027】
また、図3中(C)に示すように、LED内蔵スイッチ27が中立状態とされている場合、ACC及びStop&Go制御のいずれも選択されていない無選択状態になる。すなわち、この場合、コントローラ20は、システム操作スイッチ部29の検出結果によりACC及びStop&Go制御のいずれも選択されていないと判定し、第1及び第2のLED27c,27dを消灯状態にする。
【0028】
このように前記LED内蔵スイッチ27の操作によりStop&Go制御とACCが切り換えることで作動するようになっている。
また、前述のStop&Go制御では、先行車が加速していくような場合には追従制御により自車両は先行車に追従していき、これにより制御上限車速を超えるような場合には、Stop&Go制御を自動的に解除することなく、目標速度を制御上限車速として走行するようになっている。このようなことから、Stop&Go制御からACCに切り換えるには、運転者がLED内蔵スイッチ27を操作することが必要な構成になっており、これに対応して、コントローラ20は、所定の条件で、Stop&Go制御からACCに切り換えるスイッチ操作が必要があることを運転者に促す処理をしている。
【0029】
すなわち、Stop&Go制御中であることから、運転者に操作により、LED内蔵スイッチ27の状態は、図4に示すように、同図において左側が押された状態とされ、且つ、その押された側に設けられている第1のLED27c(同図において右側のLED)が点灯状態になっているが、このような状態のままで、コントローラ20は、LED駆動部28により第2のLED27dを点滅させることで、Stop&Go制御からACCに切り換えるスイッチ操作が必要があることを運転者に促している。
【0030】
図5は、コントローラ20によるそのような処理のための処理手順を示す。例えば、コントローラ20はマイクロコンピュータとその周辺機器を備え、このような処理手順をマイクロコンピュータのソフトウェア形態により実現している。
先ず、ステップS1において、コントローラ20は、ACCによる制御中であるか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、システム操作スイッチ部29によりLED内蔵スイッチ27の操作状態をみて、ACCによる制御中であるか否かを判定する。すなわち、コントローラ20は、LED内蔵スイッチ27が図3中(A)に示すような操作状態であればACCによる制御中であると判定する。
【0031】
ここで、コントローラ20は、ACCによる制御中でない場合、ステップS2に進み、今度は、Stop&Go制御による制御中であるか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、システム操作スイッチ部29によりLED内蔵スイッチ27の操作状態をみて、Stop&Go制御による制御中であるか否かを判定する。すなわち、コントローラ20は、LED内蔵スイッチ27が図3中(B)に示すような操作状態であればStop&Go制御による制御中であると判定する。
【0032】
ここで、コントローラ20は、Stop&Go制御による制御中である場合、ステップS3に進み、Stop&Go制御による制御中でない場合、ステップS8に進む。
ステップS3では、コントローラ20は、先行車検出中であるか否か、すなわちStop&Go制御による追従走行中であるか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、前方認識部24の検出結果から(例えば、車間距離センサ12の検出結果を利用して、)先行車があるか否かを判定する。ここで、コントローラ20は、先行車検出中である場合、ステップS4に進み、先行車検出中でない場合、ステップS9に進む。
【0033】
ステップS4では、コントローラ20は、自車速が制限車速上限、すなわち目標車速に達しているか否かを判定する。ここで、コントローラ20は、自車速が制限車速上限に達している場合、ステップS5に進み、自車速が制限車速上限に達していない場合、再びステップS1からの処理を開始する。
ステップS5では、コントローラ20は、先行車が加速中か否かを判定する。具体的には、次のようにして先行車の加速度の値を得て先行車が加速中か否かを判定している。
【0034】
前方認識部24で現在時刻t1で測定された先行車との相対速度Vr1と自車速Vs1とから、現在の先行車の車速Vt1を下記(1)式により得ることができる。
Vt1=Vs1−Vr1 ………(1)
ここで、相対速度Vr1の符号は目車から離れる方向が負となるように定義している。そして、次回の時刻t2の測定では、先行車との相対速度Vr2と自車速Vs2とから、現在の先行車の車速Vt2を下記(2)式として得ることができる。
【0035】
Vt2=Vs2−Vr2 ………(2)
よって、制御周期或いは計測周期を△Tとすれば、先行車の加速度Atを下記(3)式により得ることができる。
At=(Vt2−Vt1)/△T ………(3)
このような(3)式によれば、先行車が加速している場合、先行車の加速度Atは正の値として得ることができるようになる。
【0036】
コントローラ20は、このように得た先行車の加速度の値に基づいて、先行車が加速している場合、ステップS6に進み、先行車が加速していない場合、ステップS7に進む。
ステップS6では、コントローラ20は、ACCへの制御切り換えを促す。すなわち、前記図4に示すように、同図において左側が押された状態とされているLED内蔵スイッチ27の第1のLED27cを点灯状態としたままで、第2のLED27dを点滅させる。
【0037】
ステップS7では、コントローラ20は、車間時間が増加しているか否かを判定する。ここで、コントローラ20は、車間時間が増加している場合、前記ステップS6に進み、車間時間が増加していない場合、再びステップS1からの処理を開始する。
一方、前記ステップS2においてStop&Go制御による制御中でない場合に進むステップS8では、コントローラ20は、先行車検出中であるか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、前記ステップS3と同様に、前方認識部24の検出結果から(例えば、車間距離センサ12の検出結果を利用して、)先行車があるか否かを判定する。ここで、コントローラ20は、先行車検出中である場合、前記ステップS4に進み、先行車検出中でない場合、再び前記ステップS1からの処理を開始する。
【0038】
また、前記ステップS3において先行車検出中でない場合に進むステップS9では、コントローラ20は、Stop&Go制御の待機状態であり、再び前記ステップS1からの処理を開始する。
以上のように、コントローラ20は、Stop&Go制御からACCに切り換えるスイッチ操作が必要であることを運転者に促すための処理を行っている。
【0039】
なお、以上の処理において、ステップS5又は7の処理は、自車両に対する先行車の離脱傾向を検出する離脱傾向検出手段を実現しており、ステップS6の処理は、Stop&Go制御である一の先行車追従制御中に自車速が制御上限速度に達し(ステップS4)、且つ離脱傾向検出手段が離脱傾向を検出したとき(ステップS5又はステップS7)、運転者に切り換えスイッチを操作してACCである他の先行車追従制御に切り換えることを運転者に促す切り換え催促報知手段を実現している。
【0040】
このような処理により、Stop&Go制御による制御中に(前記ステップS2)、先行車検出中、すなわち追従制御中であって、自車速が制限車速上限に達してい場合(前記ステップS3及びステップS4)、先行車加速中又は車間時間が増加していことを条件に(前記ステップS5又はステップS7)、ACCへの制御切り換えを促すための第2のLED27dを点滅させる動作をするようになる(前記ステップS6)。
【0041】
そして、このような動作による効果は次のようになる。
Stop&Go制御中に自車両が先行車に追従して加速し、自車速がStop&Go制御の制御上限車速に達した場合に、先行車が加速中或いは車間時間が増加方向である場合、第2のLED27dを点滅させ、Stop&Go制御からACCへの切り換えを運転者に促すことで、運転者に制御切り換え忘れを認識させ、同時にACCの開始についての適切なタイミングを運転者に伝達できる。
【0042】
すなわち、自車速がStop&Go制御の制御上限車速に達したときに、先行車が加速中或いは車間時間が増加方向にあると、自車両は制御上限車速で追従走行から定速走行に移行するといったように追従走行を止めるようになり、これがStop&Go制御により追従走行が続くであろうと思っていた運転者の意図に反することになる。このようなことから、自車速がStop&Go制御の制御上限車速に達し、且つ先行車が加速中或いは車間時間が増加方向であるときには、第2のLED27dを点滅させ、Stop&Go制御からACCへの切り換えを運転者に促すことで、運転者に制御切り換え忘れを認識させ、同時にACCの開始についての適切なタイミングを運転者に伝達している。これにより、運転者はたとえ不慣れであっても、Stop&Go制御からACCへの切り換えを円滑に行うことをできるようになる。
【0043】
また、Stop&Go制御の制御上限車速が50km/hであるような場合に、先行車が50km/h以上の速度で定速走行を行う場合でも、先行車の加速度は0である。しかし、制御上限車速が50km/hであることから、自車両は50km/hの定速走行を行うため、先行車との車間時間は広がっていく。このようなことから、前述したように、Stop&Go制御で自車速が制御上限車速であるときに、先行車の加速度の他に、車間時間についても判定している。すなわち、先行車の加速度に基づいて直接的に先行車の逸脱傾向を検出することはできないが、現時点の状況或いは他の情報である車間時間から自車両に対する先行車の将来の離脱傾向を検出するようにしている。
【0044】
これにより、先行車の加速度で先行車の離脱傾向を判断できない場合でも、Stop&Go制御で自車速が制御上限車速に達し、先行車との車間時間が増加方向にあるときには、ACCへの切り換えを運転者に促することができ、運転者に制御切り換え忘れを認識させ、同時にACCの開始についての適切なタイミングを運転者に伝達することができるようになる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施の形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施の形態では、図5を用いて説明したように、先行車が加速中か否か、或いは車速時間が増加しているか否かに基づいてACCへの切り換えを運転者に促すようにしているが、これに限定されるものではない。
【0046】
図6は、他の例の処理手順を示す。この処理では、先行車の将来の車速を予測して、その予測した速度に基づいてACCへの切り換えを運転者に促すようになっている。図6では、ステップS11以降の処理が前記図5に示した処理と異なり、ステップS11以降の処理について説明する。
ステップS11において、コントローラ20は、先行車が加速中か否かを判定する。例えば、前記図5のステップS5と同様に、先行車の加速度の値を得て判定する。ここで、コントローラ20は、先行車が加速している場合、ステップS12に進み、先行車が加速していない場合、ステップS13に進む。
【0047】
ステップS12では、コントローラ20は、先行車の将来の車速を予測して、予測先行車車速Veを得て、この予測先行車車速Veが制御車速上限に達しているか否かを判定する。
例えば、先行車の加速度がAtのとき、制御周期或いは計測周期を△Tとすると、先行車に対する予測先行車車速Veを下記(4)式により得ることができる。
【0048】
Ve=At×ΔT ………(4)
ここで、先行車の加速度Atは、例えば前記(1)式〜(3)式によって得られる値である。
コントローラ20は、このように得た先行車の予測先行車車速Veが制御車速上限に達する場合(予測先行車車速Ve>制御車速上限)、前記図5の場合と同様に、ステップS6において、ACCへの制御切り換えを促す。すなわち、前記図4に示すように、同図において左側が押された状態とされているLED内蔵スイッチ27の第1のLED27cを点灯状態としたままで、第2のLED27dを点滅させる。
【0049】
また、コントローラ20は、先行車の予測先行車車速Veが制御車速上限に達していない場合(予測先行車車速Ve≦制御車速上限)、再びステップS1からの処理を開始する。
一方、ステップS11において先行車が加速していない場合に進むステップS13では、コントローラ20は、前記図5のステップS4と同様に、自車速が制限車速上限、すなわち目標車速に達しているか否かを判定する。ここで、コントローラ20は、自車速が制限車速上限に達している場合、ステップS7に進み、自車速が制限車速上限に達していない場合、再びステップS1からの処理を開始する。
【0050】
ステップS7では、コントローラ20は、前記図5の場合と同様に、車間時間が増加しているか否かを判定し、ここで、車間時間が増加している場合、前記ステップS6に進み、車間時間が増加していない場合、再びステップS1からの処理を開始する。
以上のように、コントローラ20は、先行車の将来の車速を予測して、その予測した速度に基づいてACCへの切り換えを運転者に促すための処理を行っている。
【0051】
なお、以上の処理において、ステップS12の処理は、Stop&Go制御である一の先行車追従制御中に自車速が制御上限速度に達することを検出する処理である。具体的には、ステップS12の処理は、現時点での先行車の車速から将来の先行車の車速を予測することで、そのような先行車に追従していくことで変化する自車両の将来の車速を予測し、この予測した自車速或いは先行車の車速が制御上限速度に達することを検出する処理を行っている。
【0052】
このような処理により、Stop&Go制御による制御中に(前記ステップS2)、先行車検出中、すなわち追従制御中であって、先行車が加速中である場合に、先行車の予測先行車車速が制御車速上限に達するようなことがあるときには(前記ステップS12)、ACCへの制御切り換えを促すための第2のLED27dを点滅させる動作をするようになる。
【0053】
このように、先行車の予測先行車車速が制御車速上限に達するか否かを判定することで、先行車の車速が制御上限車速になるであろうことを予め予測することができ、この予測に基づいてStop&Go制御からACCへの切り換えを運転者に促すことができるようになる。
前述したように、Stop&Go制御では制御上限速度で定速走行を行う構成になっているので、先行車の車速が未だ制御上限速度に達していなければ、Stop&Go制御中であれば先行車への追従制御を行うことになる。しかし、予測先行車車速Veは近い将来の先行車の車速、或いはそのような先行車に追従する自車両の車速を示すものであり、このような予測先行車車速VeがStop&Go制御の制御上限車速よりも大きい場合、近い将来において実際の自車速が制御上限車速に達し、制御上限車速で定速走行に移行してしまう。よって、先行車の車速が制御上限車速に達する前に運転者にACCへの切り換えを促すことで、運転者はACCへの切り換えを余裕をもって行うことができるようになり、その結果、ACCをよりスムーズに開始させることができるようになる。
【0054】
また、前述の実施の形態では、LEDを点灯させて、Stop&Go制御からACCへの制御切り換えを運転者に促しているが、これに限定されないことはいうまでもない。例えば、音声発生部26による音声或いは音の出力、又は表示部21によるその旨の表示により、Stop&Go制御からACCへの制御切り換えを運転者に促すようにしてもよい。
【0055】
また、前述の実施の形態では、前記図5や図6のステップS7において車間時間を基準に判定を行っているが、相対距離を基準に判定を行ってもよい。この場合、先行車から自車両が離れるような値を相対距離が示す場合(例えば、相対距離の値が負の値を示す場合)、ステップS6に進み、Stop&Go制御からACCへの制御切り換えを運転者に促すようにする。
【0056】
また、前述の実施の形態では、実施する車速制御がACC(adaptive cruise control)やStop&Go制御(渋滞時の自動追従速度制御)である場合について説明しているが、これに限定されることなく、他の先行車追従制御であってもよい。さらに、切り換え可能な先行車追従制御が2つであることに限定されるものではなく、3以上の先行車追従制御を切り換え可能である場合に本発明を適用することもできる。すなわち、複数の先行車追従制御のうちの少なくとも一の先行車追従制御が、Stop&Go制御のように先行車に追従して自車速が制御上限速度に達したときに当該先行車への追従を止める先行車追従制御であり、当該一の先行車追従制御中に運転者の意図に反して追従を止める可能性があるとき、運転者に切り換えスイッチを操作して他の先行車追従制御に切り換えることを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】図1のコントローラ等からなる構成を示すブロック図である。
【図3】LED内蔵スイッチの状態を示す図であり、(A)はStop&Go制御を選択した状態であり、(B)はACCを選択した状態であり、(C)は無選択の状態である。
【図4】Stop&Go制御からACCへの制御切り換えを運転者に促すときのLED内蔵スイッチの状態を示す図である。
【図5】前記コントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】前記コントローラの他の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン
8 制動制御装置
9 エンジン出力制御装置
12 車間距離センサ
13 車速センサ
20 コントローラ
21 表示部
24 前方認識部
26 音声発生部
27 LED内蔵スイッチ
27c,27d LED
28 LED駆動部
29 システム操作スイッチ

Claims (3)

  1. 低車速域における走行車追従制御と、高車速域における走行車追従制御とを有し、これら2つの先行車追従制御を切り換えスイッチにより切り換え可能とし、前記低車速域における先行車追従制御では、先行車に追従して自車速が制御上限速度に達したときに当該先行車への追従を止める走行速度制御装置において、
    前記自車両に対する先行車の離脱傾向を検出する離脱傾向検出手段と、
    前記低車速域における先行車追従制御中の自車速が制御上限速度に達したことを検出し、且つ前記離脱傾向検出手段が前記離脱傾向を検出したとき、運転者に前記切り換えスイッチを操作して前記高車速域における先行車追従制御に切り換えることを促す切り換え催促報知手段と、
    を備えたことを特徴とする走行速度制御装置。
  2. 前記離脱傾向検出手段は、現時点の状況から前記自車両に対する先行車の将来の離脱傾向を検出することを特徴とする請求項1記載の走行速度制御装置。
  3. 前記離脱傾向検出手段は、先行車の加速を前記離脱傾向として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行速度制御装置。
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