JP3890855B2 - フィニッシャーの障害物検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙の排出枚数に応じて上下移動するスタッカートレイを備えたフィニッシャーにおいて、スタッカートレイの下部に配設されたダンパー部材に障害物が衝突したことを検知するフィニッシャーの障害物検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成システム装置(特開平8−26570)は、図6に示されるように画像形成された用紙を積載する上下移動可能な排紙トレイTを有する画像形成システム装置において、前記排紙トレイTの下面側に反射型の光センサOSを配設して、前記排紙トレイTの下部の上下移動範囲内にあるすなわち下限位置より上方に存在する障害物Oを検知するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の画像形成システム装置は、前記排紙トレイTの下面側に配設された前記反射型の光センサOSによって、障害物Oからの反射光を検知するものであるため、前記障害物Oの反射率、色彩、および使用場所における背景光の影響を受けるという問題があった。
【0004】
そこで本発明者は、紙の排出枚数に応じて上下移動するスタッカートレイを備えたフィニッシャーにおいて、前記スタッカートレイの下部に固定された固定部材の下部に対向して揺動自在に配設され離れる方向に付勢されたダンパー部材に障害物が当たりダンパー部材が揺動して、前記固定部材に対して一定距離以内に到達したことを検知するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、前記障害物の反射率、色彩、および使用場所における背景光の影響を受けずに、前記障害物を確実且つ精確に検出するという目的を達成する本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)のフィニッシャーの障害物検知装置は、紙の排出枚数に応じて上下移動するスタッカートレイを備えたフィニッシャーにおいて、
前記スタッカートレイの下部に固定された固定部材と、
該固定部材の下部に対向して揺動自在に配設され離れる方向に付勢されたダンパー部材と、
該ダンパー部材に障害物が当たりダンパー部材が揺動して前記固定部材に対して一定距離以内に到達したことを検知する検知手段と
から成るものである。
【0006】
本発明(請求項2に記載の第2発明)のフィニッシャーの障害物検知装置は、
前記第1発明において、
前記固定部材とダンパー部材との間に揺動自在に介挿され、前記ダンパー部材が揺動して前記固定部材に対して一定距離以内に到達した時揺動して前記検知手段によって検知される状態になる揺動部材を備えている
ものである。
【0007】
本発明(請求項3に記載の第3発明)のフィニッシャーの障害物検知装置は、
前記第2発明において、
前記揺動部材が、前記ダンパー部材の幅方向に延在して配設され、少なくとも両端および中央部にそれぞれ突出片が一体的に形成され、
前記障害物が前記ダンパー部材の幅方向のどの部位に当たっても前記ダンパー部材がいずれかの前記突出片に当接して、前記揺動部材を揺動させ前記検知手段によって検知される状態になるように構成されている
ことを特徴とするフィニッシャーの障害物検知装置。
【0008】
【発明の作用および効果】
上記構成より成る第1発明のフィニッシャーの障害物検知装置は、紙の排出枚数に応じて上下移動するスタッカートレイを備えたフィニッシャーにおいて、前記スタッカートレイの下部に固定された前記固定部材の下部に対向して揺動自在に配設され離れる方向に付勢されたダンパー部材に障害物が当たりダンパー部材が揺動して、前記固定部材に対して一定距離以内に到達したことを検知するので前記障害物の反射率、色彩、および使用場所における背景光の影響を受けずに、前記障害物を確実且つ精確に検出するという効果を奏する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
本第1実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、図1および図2に示されるように紙の排出枚数に応じて上下移動するスタッカートレイ1を備えたフィニッシャー10において、前記スタッカートレイ1の下部に固定された固定部材2と、該固定部材2の下部に対向して揺動自在に配設され離れる方向に付勢されたダンパー部材3と、該ダンパー部材3に障害物Oが当たりダンパー部材が揺動して前記固定部材2に対して一定距離以内に到達したことを検知する検知手段4とから成るものである。
【0011】
前記スタッカートレイ1の下部に固定された前記固定部材2の下端の支点回りに前記ダンパー部材3が揺動自在に配設され、前記固定部材2の下面上端と前記ダンパー部材3の上面上端との間にバネ5が介挿され、前記ダンパー部材3が前記固定部材2から離れる時計方向に付勢されるように構成されている。
【0012】
前記ダンパー部材3の上面上部に突出部31が形成され、前記固定部材2の下面上部に前記突出部31に対向してコの字状横断面形状のスイッチ41が配設され、前記ダンパー部材3が前記障害物Oが当たりダンパー部材が反時計方向に揺動して、前記ダンパー部材3の上面上部に突設された突出部31が、前記固定部材2の下面上部に前記突出部31に対向して配設されたコの字状横断面形状のスイッチ41内の凹部に侵入すると、前記スイッチ41がオンになり、前記ダンパー部材3に障害物Oが当たったことを検知するように構成されている。
【0013】
上記構成より成る第1実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、紙の排出枚数に応じて上下移動する前記スタッカートレイ1を備えた前記フィニッシャー10において、前記スタッカートレイ1の下部に固定された前記固定部材2の下部に対向して揺動自在に配設され離れる方向に付勢された前記ダンパー部材3に障害物Oが当たり前記ダンパー部材が揺動すると、前記ダンパー部材3の上面上部に突設された突出部31が、前記固定部材2の下面上部に前記突出部31に対向して配設されたコの字状横断面形状のスイッチ41内の凹部に侵入すると、前記スイッチ41がオンになり、前記ダンパー部材3に障害物Oが当たったことを検知する。
【0014】
上記作用を奏する第1実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記ダンパー部材3に障害物Oが当たり前記ダンパー部材が揺動すると、前記ダンパー部材3の上部の突出部31が、前記固定部材2の前記コの字状横断面形状のスイッチ41内の凹部に侵入すると、前記スイッチ41がオンになり、前記ダンパー部材3に障害物Oが当たったことを検知するので、従来のように前記障害物の反射率、色彩、および使用場所における背景光の影響を受けずに、前記障害物を確実且つ精確に検出するという効果を奏する。
【0015】
また第1実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記固定部材2の下面上端と前記ダンパー部材3の上面上端との間にバネ5が介挿されているので、前記障害物Oが前記ダンパー部材3に当たった時も前記バネ5の変形によりダンピングされた前記スタッカートレイ1への衝撃を緩和するという効果を奏する。
【0016】
さらに第1実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、障害物Oが当たり前記ダンパー部材が揺動すると、前記ダンパー部材3の上面上部に突設された突出部31が、前記固定部材2の下面上部に前記突出部31に対向して配設された前記検知手段4としてのコの字状横断面形状のスイッチ41内の凹部に侵入すると、前記スイッチ41がオンになり、前記ダンパー部材3に障害物Oが当たったことを検知する前記スイッチ41によって構成したので、従来の光センサに比べて構成をシンプルにするとともに、動作を確実にして、安価にするという効果を奏する。
【0017】
(第2実施形態)
本第2実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、図3および図4に示されるように固定部材2とダンパー部材3との間に揺動自在に揺動部材6を介挿する点が、上述した第1実施形態との主たる相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
【0018】
前記固定部材2は、図4に示されるように不規則な碁盤目状のリブが突設された矩形の部材20によって構成され、前記ダンパー部材3が、前記固定部材2を構成する矩形の部材20のほぼ5割増しの面積を有する矩形の部材30によって構成されるとともに、規則的なピッチの細かい碁盤目状のリブが突設されている。
【0019】
前記揺動部材6は、図3に示されるように前記固定部材2と前記ダンパー部材3との間に揺動自在に介挿され、前記ダンパー部材3が揺動して前記固定部材2に対して一定距離以内に到達した時揺動して前記検知手段4によって検知される状態になるように構成されている。
【0020】
前記揺動部材6が、前記ダンパー部材3の幅方向に延在して配設された軸状部材60によって構成され、前記固定部材2の幅方向の両端および中央部に突設された把持部22によって揺動自在に支持され、両端および中央部にそれぞれ揺動した前記ダンパー部材3に当接する突出片61、62、63が一体的に形成されている。
【0021】
前記揺動部材6の軸方向の一端の突出片61の内側にスイッチ用の突出片64が突設され、該スイッチ用の突出片64に対向して検知手段4を構成するスイッチ42が前記固定部材2に配設されている。
【0022】
障害物Oが、前記ダンパー部材3の幅方向のどの部位に当たってもいずれかの前記突出片61、62、63が前記ダンパー部材3に当接して、軸状の前記揺動部材6を揺動させ、それに伴い前記スイッチ用の突出片64が前記検知手段を構成するスイッチ42内に侵入することにより、前記検知手段を構成するスイッチ42によって検知されるように構成されている。
【0023】
上記構成より成る第2実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記障害物Oが、前記ダンパー部材3の幅方向のどの部位に当たっても前記突出片61、62、63のいずれかが前記ダンパー部材3に当接して、軸状の前記揺動部材6を揺動させ、それに伴い前記スイッチ用の突出片64が前記検知手段を構成するスイッチ42内に侵入することにより、前記検知手段を構成する前記スイッチ42によって検知される。
【0024】
上記作用を奏する第2実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記障害物Oが、前記ダンパー部材3に当たり前記ダンパー部材が揺動すると、前記突出片61、62、63が前記ダンパー部材3に当接して、軸状の前記揺動部材6を揺動させ、それに伴い前記スイッチ用の突出片64が前記検知手段を構成するスイッチ42内に侵入することにより、前記検知手段を構成するスイッチ42によって検知されるので、従来のように前記障害物の反射率、色彩、および使用場所における背景光の影響を受けずに、前記障害物を確実且つ精確に検出するという効果を奏する。
【0025】
また第2実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記障害物Oが、前記ダンパー部材3の幅方向のどの部位に当たっても前記突出片61、62、63のいずれかが前記ダンパー部材3に当接して、軸状の前記揺動部材6を揺動させ、それに伴い前記スイッチ用の突出片64が前記検知手段を構成するスイッチ42内に侵入することにより、前記検知手段を構成するスイッチ42によって検知されるので、前記障害物Oが、前記ダンパー部材3の幅方向のどの部位に当たっても確実且つ精確に前記障害物を検出するという効果を奏する。
【0026】
(第3実施形態)
本第3実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、図5に示されるように固定部材2とダンパー部材3との間に介挿される揺動部材6が前記ダンパー部材3に揺動自在に支持される点が、上述した第2実施形態との主たる相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
【0027】
前記揺動部材6は、前記ダンパー部材3の上面に揺動自在に支持され、前記固定部材2の下面の前記揺動部材6の一方の部分に対向する部位に突出部23が突設されている。
【0028】
検知手段4は、前記ダンパー部材3の上面に前記揺動部材6の一方の部分に対向して突設された突出部67の先端に揺動可能に配設された揺動片43によって構成されている。
【0029】
前記障害物Oが、前記ダンパー部材3に当接していない時は、前記固定部材2の下面に突設された前記突出部23と前記固定部材2の下面の前記揺動部材6の一方の部分とが係合していないので、図中実線で示されるように水平状態であり、前記検知手段4を構成する前記揺動片43と前記揺動部材6の他方の部分とが係合していないので、前記障害物Oとの衝突ではないと判断される。
【0030】
前記障害物Oが、前記ダンパー部材3に当接して前記ダンパー部材3を図中反時計方向に揺動させる時は、前記固定部材2の下面に突設された前記突出部23と前記固定部材2の下面の前記揺動部材6の一方の部分とが係合して、該揺動部材6を図中時計方向に揺動させるので、図中破線で示されるように傾斜状態となり、前記検知手段4を構成する前記揺動片43と前記揺動部材6の他方の部分とが係合して、前記揺動片43が揺動するため前記障害物Oとの衝突であると判断される。
【0031】
上記第3実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記障害物Oが前記ダンパー部材3に当接して前記ダンパー部材3が図中反時計方向に揺動すると、前記固定部材2の下面に突設された前記突出部23と前記固定部材2の下面の前記揺動部材6の一方の部分とが係合して、該揺動部材6を図中時計方向に揺動させるので、図中破線で示されるように傾斜状態となり、前記検知手段4を構成する前記揺動片43と前記揺動部材6の他方の部分とが係合して、前記揺動片43が揺動するため前記障害物Oとの衝突であると判断されるので、従来のように前記障害物の反射率、色彩、および使用場所における背景光の影響を受けずに、前記障害物を確実且つ精確に検出するという効果を奏する。
【0032】
また第3実施形態のフィニッシャーの障害物検知装置は、前記揺動部材6および検知手段4としての前記揺動片43をいずれも前記ダンパー部材3に配設したので、前記スタッカートレイ1の下部に固定される前記固定部材の構造をシンプルにするという効果を奏する。
【0033】
上述の実施形態は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0034】
上述の実施形態においては、一例として検知手段をスイッチによって構成する例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、スイッチ用突出片の動きおよび侵入を検知出来るものであれば、光学的,磁気的、電気的、機械的各種センサおよびスイッチが利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の障害物検知装置を適用したフィニッシャー全体を示す側面図である。
【図2】本第1実施形態の障害物検知装置の要部を示す部分拡大側面図である。
【図3】本発明の本第2実施形態の障害物検知装置の要部を示す部分拡大側面図である。
【図4】本第2実施形態の障害物検知装置の要部を示す部分拡大平面図である。
【図5】本発明の本第3実施形態の障害物検知装置の要部を示す部分拡大側面図である。
【図6】従来の画像形成システム装置を示す全体図である。
【符号の説明】
1 スタッカートレイ
2 固定部材
3 ダンパー部材
4 検知手段
O 障害物
10 フィニッシャー

Claims (3)

  1. 紙の排出枚数に応じて上下移動するスタッカートレイを備えたフィニッシャーにおいて、
    前記スタッカートレイの下部に固定された固定部材と、
    該固定部材の下部に対向して揺動自在に配設され離れる方向に付勢されたダンパー部材と、
    該ダンパー部材に障害物が当たりダンパー部材が揺動して前記固定部材に対して一定距離以内に到達したことを検知する検知手段と
    から成ることを特徴とするフィニッシャーの障害物検知装置。
  2. 請求項1において、
    前記固定部材とダンパー部材との間に揺動自在に介挿され、前記ダンパー部材が揺動して前記固定部材に対して一定距離以内に到達した時揺動して前記検知手段によって検知される状態になる揺動部材を備えている
    ことを特徴とするフィニッシャーの障害物検知装置。
  3. 請求項2において、
    前記揺動部材が、前記ダンパー部材の幅方向に延在して配設され、少なくとも両端および中央部にそれぞれ突出片が一体的に形成され、
    前記障害物が前記ダンパー部材の幅方向のどの部位に当たっても前記ダンパー部材がいずれかの前記突出片に当接して、前記揺動部材を揺動させ前記検知手段によって検知される状態になるように構成されている
    ことを特徴とするフィニッシャーの障害物検知装置。
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