JP3890705B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭及びレストランなどで使用される誘導加熱調理器などの誘導加熱装置に関するもので、さらに詳しくは、そのインバータ回路構成と制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導加熱装置のインバータ回路構成と制御方法について、図19〜21に基づいて説明する。
【0003】
図19は誘導加熱装置のインバータの基本回路である。1は直流電源で、具体的には商用交流電源から整流器を介して得ている。2は加熱コイルで、図には特に記していないが、この上に被加熱物が載置され、加熱コイル2からの高周波磁界により誘導加熱される。3は加熱コイル2と並列接続された共振コンデンサ、4はスイッチング素子で、この素子のオン・オフにより、加熱コイルに高周波電流が供給される。スイッチング素子4には駆動電力が、バイポーラトランジスタなどより大幅に少なくてすむIGBTを用いており、その耐圧は900V、電流定格は60Aである。5はスイッチング素子4と並列接続された逆導通ダイオード、6はスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間電圧などを検知し、スイッチング素子4のオン・オフを制御する制御回路である。
【0004】
図20は図19のインバータの動作時の各部波形を示した図である。(ア)は制御回路6から出力されるスイッチング素子4のドライブ信号で、HIGHの時にスイッチング素子4がオンする。(イ)はスイッチング素子4及び逆導通ダイオード5に流れる電流を示している。(ウ)はスイッチング素子4のコレクターエミッタ間に生じる電圧である。
【0005】
図21は図20の動作波形中、スイッチング素子4がオンからオフに遷移する期間(すなわちターンオフ時)のコレクタ電流、コレクタ−エミッタ間電圧を拡大した図である。図でテール電流とはIGBT特有の現象であり、素子のスイッチング速度が低速なものほど、その発生期間が長い。またテール電流の温度特性は正であり、スイッチング素子が高温になるほど発生期間は長くなり、損失が大きくなる。
【0006】
以上より、本インバータの動作によって発生するスイッチング素子4の損失は、図20のドライブ信号がHIGHの期間中に発生する導通損失と、図21に示すターンオフ時の損失すなわちターンオフ損失の二つに分類される。
【0007】
導通損失は、スイッチング素子4のコレクタ電流と、そのコレクタ電流と相関のあるオン電圧の積で決定される。一般に導通損失の損失温度特性は、ほぼフラットか、スイッチング素子の性能によっては負である。
【0008】
本インバータにおいてスイッチング素子4は20kHz〜30kHz程度の周波数でオン・オフしており、その発生損失は素子性能にもよるが、概略30〜40W程度である。また発生損失のうち、ターンオフ損失の比率は、動作周波数にもよるが、概略30〜50%程度である。発生損失が大きいため、スイッチング素子4はヒートシンクに取り付けられ、冷却ファンによって強制冷却されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の誘導加熱装置には以下に記す課題があった。
【0010】
第1の課題は、動作時に冷却ファンが駆動するため、その騒音が大きく、使用者に不快感を与えるというものである。この騒音は特に鍋物など調理器を使用者が囲んで使用する場合において問題となる。炊飯器に応用したものにおいては、タイマー炊飯などで早朝あるいは深夜などに動作させた場合、同様にこの騒音が使用者に不快感を与える。この課題は、一般の電熱ヒータタイプ、あるいはガスコンロなどの調理器においてはないことから、誘導加熱装置特有の重大な課題である。また損失全体の温度特性は、ターンオフ損失の温度特性が支配的であり、スイッチング素子4の素子温度が上昇すると、損失も上昇するため、ファンによる強制空冷の設計は充分な検討が必要であり、開発工数上の問題も抱えている。
【0011】
第2の課題は、素子の制御が、なんらかの異常原因(瞬時停電や雷サージなどの電源異常あるいは、外来ノイズなど)で、所定タイミングから外れた場合、スイッチング素子4の耐圧以上の電圧が発生する可能性があるというものである。一般にスイッチング素子4は、耐圧以上の電圧がかかると即時に破壊するため、図には特に記載していないが、スイッチング素子4の両端電圧や、入力電圧を検知して、異常時には即座に発振を停止する保護回路が必要となっている。この保護回路は、インバータ定数(加熱コイル2や共振コンデンサ3などの電気的定数)と密接な関係があり(インバータ定数によって通常動作時のコレクタ−エミッタ間電圧の波形が異なるため)、種々の誘導加熱装置の開発毎に、回路定数を見直す必要があり、開発工数上のネックのひとつとなっている。
【0012】
本発明は上記従来の課題を解決し、冷却ファン騒音を充分低減でき、かつ上記保護回路が不要にも関わらず、スイッチング素子破壊を防止できる安全な誘導加熱装置を簡単な構成で実現することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、直流電源と、チョークコイルと、自己消弧型のスイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続された逆導通ダイオードと、加熱コイルと共振コンデンサからなる共振回路と、前記スイッチング素子のオンオフ信号を発生する発振回路を含む制御回路とを有し、前記チョークコイルのインダクタンスは略1mH以下とし、前記直流電源と、前記チョークコイルは直列に接続され、前記チョークコイルの他端と、前記直流電源の他端は、前記スイッチング素子と前記共振回路とに並列に接続され、前記スイッチング素子は、両端電圧が所定値以上のとき、自己短絡する自己短絡手段を有し、自己短絡復帰後、発振回路のオンオフ信号に関わらず、自己短絡によるジャンクション温度の上昇から定常状態に戻るまでの時間、前記スイッチング素子はオフ状態を継続する誘導加熱装置とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、直流電源と、チョークコイルと、自己消弧型のスイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続された逆導通ダイオードと、加熱コイルと共振コンデンサからなる共振回路と、前記スイッチング素子のオンオフ信号を発生する発振回路を含む制御回路とを有し、前記チョークコイルのインダクタンスは略1mH以下とし、前記直流電源と、前記チョークコイルは直列に接続され、前記チョークコイルの他端と、前記直流電源の他端は、前記スイッチング素子と前記共振回路とに並列に接続され、前記スイッチング素子は、両端電圧が所定値以上のとき、自己短絡する自己短絡手段を有し、自己短絡復帰後、発振回路のオンオフ信号に関わらず、自己短絡によるジャンクション温度の上昇から定常状態に戻るまでの時間、前記スイッチング素子はオフ状態を継続する誘導加熱装置とするものである。本構成により、スイッチング素子に流れる電流は共振波形となり、その電流がゼロあるいは、逆導通ダイオードに流れている間にターンオフするため、スイッチング素子の損失として、ターンオフ損失は発生せず、導通損失のみとなり、スイッチング素子の損失を大幅に低減することができる。さらにターンオフ損失がないため、損失温度特性は、ほぼフラットあるいは負の特性となり、熱的に極めて安定で冷却設計の容易なインバータ回路を得ることができる。また、上記所定値をスイッチング素子の耐圧よりも低めに設定することにより、なんらかの異常原因で、素子の耐圧以上の電圧が発生した場合においても、スイッチング素子自体が自己短絡(自己クランプ)して破壊を免れるため、従来必要であった外部回路による保護(外部回路により異常を検知し、スイッチング素子をオフさせる保護動作)を必要としない。スイッチング素子が自己短絡によって瞬時的に損失大となり、ジャンクション温度が過渡的に増大するため、万一連続して自己短絡が発生するモードがおきた場合でもスイッチング素子を保護できる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す図である。図1において11は、直流電源で、具体的には商用交流電源を整流器を介して得ている。12は、直流電源11に直列に接続されたチョークコイルで、そのインダクタンスは本実施例の場合300μHとしている。13は、スイッチング素子で、逆導通ダイオード14と並列に接続されている。15は加熱コイルで、図には特に記載していないが、コイル上に鍋などの被加熱物が載置されている。16は共振コンデンサで、加熱コイル15と直列接続され、この2つの部品で共振回路を形成している。17は発振回路を含む制御回路で、スイッチング素子13の制御を行う。18は、自己短絡手段で、スイッチング素子13の両端が所定値(具体的には通常動作時に発生する電圧よりも高く、スイッチング素子13の耐圧よりも低い値)以上となったときスイッチング素子13を自己短絡させるものである。
【0016】
図2は通常動作時におけるスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)波形である。図でスイッチング素子は駆動信号がHIGHの時にオンし、LOWの時にオフする。図2(イ)に示すように電流波形は本インバータ回路構成にすることにより、共振波形となり、スイッチング素子13に流れる電流がゼロまたは、逆導通ダイオード14に電流が流れている間にオフするため、従来のターンオフ損失は発生せず、大幅な低損失化が可能となる。
【0017】
図3は、何らかの異常原因でスイッチング素子13のオンオフタイミングが狂い、スイッチング素子13にサージ電圧が発生したときのスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)波形である。
【0018】
図に示すようにスイッチング素子13に電流が流れている状態で、オフとなった時、スイッチング素子13の両端電圧には極めて高いサージ電圧が発生するが、本実施例の場合、所定値において、スイッチング素子13が自己短絡し、スイッチング素子13の耐圧を越えることがない。
【0019】
図4は、自己短絡時のスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)と駆動端子電圧(Vge)の拡大波形で、自己短絡手段18によりスイッチング素子13の両端電圧が所定値を越えると、駆動端子電圧が上昇し、スイッチング素子13のスレッシュ電圧を超えて、自己短絡させる。
【0020】
以上の説明で明らかなように、本第1の実施例によれば簡単な構成でスイッチング素子13の損失を低減し、かつ異常時でもスイッチング素子13の耐圧破壊がない誘導加熱装置を得ることができる。
【0021】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施の形態を示す図である。図2において21は、ツェナーダイオードとダイオードを直列に接続したものを、スイッチング素子13のコレクタ−ゲート間に挿入して、第1の実施例の自己短絡手段18を実現している。スイッチング素子13は電圧制御型の素子として、IGBTを用いている。その他の部分は第1の実施例と同様である。ツェナーダイオードのクランプ電圧は、第1の実施例と同様の所定値になっている。本実施例の動作は上記第1の実施例の動作と同じとなる。以上より、自己短絡手段18を極めて簡易な部品構成で実現できる。
【0022】
(実施例3)
以下、本発明の第3の実施例について説明する。図6は本発明の第3の実施の形態を示す図である。図3おいて22は、スイッチング素子13の両端電圧を抵抗分割した構成となっており、その分割電圧は、スイッチング素子13のゲートに供給する構成として、第1の実施例の自己短絡手段18を実現している。スイッチング素子13は電圧制御型の素子として、IGBTを用いている。その他の部分は第1の実施例と同様である。抵抗分割される電圧は、第1の実施例と同様に、通常動作時においては、スイッチング素子13のスレッシュ電圧を超えずかつ、スイッチング素子13の耐圧以下でスレッシュ電圧を超える値に設計されている。図7は自己短絡時のスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)と駆動端子電圧(Vge)の拡大波形である。本実施例の動作は上記第1の実施例の動作とほぼ同じとなるが、自己短絡時の駆動端子電圧波形(Vge)が抵抗分割のため、若干異なる。以上より、自己短絡手段18を極めて簡易な部品構成で実現でき、かつ第2の実施例と比べて、抵抗だけで実現可能なため安価となる。
【0023】
(実施例4)
以下、本発明の第4の実施例について説明する。図8は本発明の第4の実施の形態を示す図である。図8において、23はスイッチング素子13の両端電圧検知回路で、24は、スイッチング素子13の駆動回路である。両端電圧検知回路23は、所定値以上の電圧が発生したとき、駆動回路24を介してスイッチング素子13を自己短絡させる構成としている。スイッチング素子13は電圧制御型の素子として、IGBTを用いている。その他の部分は第1の実施例と同様である。図9は、自己短絡時のスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)と駆動端子電圧(Vge)の拡大波形である。駆動回路24は、スイッチング素子13のターンオン、ターンオフを制限する制限抵抗を充分大きくしているため、急峻な駆動端子電圧波形とならず、図9に示すような緩やかな波形となり、本実施例の動作は上記第1の実施例の動作とほぼ同じとなる。以上より、第2の実施例と比較して、安価な構成となり(両端電圧検知回路は、抵抗とトランジスタ程度の簡単な部品で可能となる)かつ第3の実施例と比較して、スイッチング素子13のスレッシュ電圧ばらつきなどに関わる設計が不要となる。
【0024】
(実施例5)
以下、本発明の第5の実施例について説明する。図1は本発明の第5の実施の形態を示す図となる。図1において、スイッチング素子13はIGBTとし、そのIGBTの素子性能選択方法を図10に示す。図10は一般的なIGBTのスイッチング速度とオン電圧ばらつきのトレードオフカーブを示す。図のように素子性能ばらつきはスイッチング速度が高速なものはオン電圧が高く、逆にスイッチング速度が低速なものはオン電圧が低くなる。本実施例の場合の選択範囲は、オン電圧が低く、スイッチング速度が低速なものとしている。本実施例におけるスイッチング素子13の損失モードは導通損失のみであり、導通損失はオン電圧と相関があるため、本選択により通常のばらつきよりも低損失な誘導加熱装置を簡単に得ることが可能となる。従来の構成の誘導加熱装置においては、本実施例の選択をすると、ターンオフ損失が大きくなり、結果熱的に不安定なものとなるが、本実施例においてはターンオフ損失がなく、またスイッチング素子13に電流が流れているときに誤って遮断してしまった時においてもスイッチング速度が低速なものほどサージ電圧は小となることから、本選択は、本実施例に最適なものとなる。
【0025】
(実施例6)
以下、本発明の第6の実施例について説明する。図11は本発明の第6の実施の形態を示す図となる。図11において、スイッチング素子25はMCTなどの電圧駆動型サイリスタ動作素子を用いている。その他の部分は第1の実施例と同様である。一般的にこれらの素子はIGBTよりもオン電圧が低くなる反面、スイッチング速度はIGBTよりも低速になるという性質をもっているが、本実施の形態においては上記第5の実施の形態でも述べたように、極めて低損失化が図れ、かつサージ電圧も小もなる。以上より本実施例により、第5の実施例よりも低損失な誘導加熱装置を得ることができる。
【0026】
(実施例7)
以下、本発明の第7の実施例について説明する。図12は本発明の第7の実施の形態を示す図となる。図12において、26はスイッチング素子13を駆動する駆動回路、27は、スイッチング素子13の駆動端子電圧検知回路と計時手段を有した発振回路である。その他の部分は第1の実施例と同様である。
【0027】
図13は何らかの異常により、スイッチング素子13にサージ電圧が発生した時のスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)波形である。サージ電圧が発生した時スイッチング素子13の駆動端子電圧は、発振回路がオフ信号を出しているにも関わらず、スレッシュ電圧以上となるため、発振回路27は、その電圧を検知し、計時手段に設定された所定時間、次の発振信号を停止する。所定時間を設ける理由は、スイッチング素子13が自己短絡によって瞬時的に損失大となり、ジャンクション温度が過渡的に増大するため、万一連続して自己短絡が発生するモードがおきた場合に、スイッチング素子13を保護するためである。従って所定時間の設計は、スイッチング素子13が自己短絡によるジャンクション温度上昇から、定常状態に戻るまでの時間が目安となり、一般的には数ms〜数100ms程度で充分となる。以上の動作により、電源異常時など連続してサージ電圧が発生する可能性があるモードにおいても、スイッチング素子13の自己短絡は1回ですみスイッチング素子13の破壊を防ぐことが可能となる。
【0028】
(実施例8)
以下、本発明の第8の実施例について説明する。図14は本発明の第8の実施の形態を示す図となる。図14において、28は発振回路、29はスイッチング素子13を駆動する駆動回路、30はスイッチング素子13の駆動端子電圧を検知し、所定時間駆動端子電圧をLOWに引き下げる保護回路で計時手段を有している。その他の部分は第1の実施例と同様である。
【0029】
図15は何らかの異常により、スイッチング素子13にサージ電圧が発生した時のスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)駆動端子電圧(Vge)波形である。サージ電圧が発生した時スイッチング素子13の駆動端子電圧は、発振回路がオフ信号を出しているにも関わらず、スレッシュ電圧以上となるため、保護回路30は、その電圧を検知し、計時手段に設定された所定時間、発振回路側からの駆動信号の有無に関わらずスイッチング素子13の駆動端子電圧をLOWに引き下げる。所定時間を設ける理由は、スイッチング素子13が自己短絡によって瞬時的に損失大となり、ジャンクション温度が過渡的に増大するため、万一連続して自己短絡が発生するモードがおきた場合に、スイッチング素子13を保護するためである。従って所定時間の設計は、スイッチング素子13が自己短絡によるジャンクション温度上昇から、定常状態に戻るまでの時間が目安となり、一般的には数ms〜数100ms程度で充分となる。以上の動作により、電源異常時など連続してサージ電圧が発生する可能性があるモードに加え、何らかの原因で発振回路動作が一時的に不正常になった場合においても、スイッチング素子13の自己短絡は1回ですみスイッチング素子13の破壊を防ぐことが可能となる。
【0030】
(実施例9)
以下、本発明の第9の実施例について説明する。図16は本発明の第9の実施の形態を示す図となる。図16において31は保護回路でその動作は第8の実施例で述べたものと同様である。32はスイッチング素子13を駆動する駆動回路、33は、保護回路31の保護動作を検知する発振回路、34は保護回路31の保護動作回数をカウントするカウント手段である。その他の部分は第1の実施例と同様である。図17は、無負荷状態など被誘導加熱物が以上の場合におけるスイッチング素子13の駆動信号と電流(Ic)電圧(Vce)波形である。
【0031】
図17に示すような波形となった場合、連続してサージ電圧が発生する様になるため、回路側で負荷の異常を検知することが可能となる。具体的には、保護回路31の保護動作をカウント手段34でカウントし、所定回以上となった場合は、発振回路33は発振を充分長い時間停止する。以上より、無負荷時など加熱動作が不要の場合において無用の発振を軽減することが回路側で簡単に行うことができる。
【0032】
(実施例10)
以下、本発明の第10の実施例について説明する。図18は本発明の第10の実施の形態を示す図となる。図18において35は、外部へ負荷異常報知を行う報知手段であり、本実施の形態においては、LEDを点灯させることにより使用者に負荷異常を知らしめる構成としている。その他の部分は第9の実施例と同様である。第9の実施例において述べた様に、保護回路31の保護動作が所定回以上続くモードとなった時、発振回路33は充分長い時間発振を停止するが、このとき報知手段35は外部へ負荷異常の報知を行う。以上より使用者は、負荷異常状態を即座に知ることが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、スイッチング素子に流れる電流を共振波形とし、ゼロ電流にて遮断することから、ターンオフ損失が発生せず、極めて低損失かつ、熱的に安定した誘導加熱装置を簡単な構成で得ることができる。また電源異常、発振異常などで、スイッチング素子に耐圧を越えるような電圧が発生した場合においても、スイッチング素子自体が自己短絡して破壊を防ぐ構成としているため、従来のように電圧を検知して、発振を停止する様な開発工数の大なる保護回路は不要となる。この種の電流共振インバータにおいては、一般的にチョークコイルのインダクタンスを充分大きく(1mH以上)して、必ず充分なダイオード電流が流れる様にする(サージ電圧の発生から極力逃げる、あるいはサイリスタなどをスイッチング素子として使用しているため)が、本構成においては自己消弧型のスイッチング素子を使用していることに加えて、上記自己短絡保護を有しているため、チョークコイルのインダクタンスは小と出来、結果低コスト化や、チョークコイルの発熱を抑えることが可能となるものである。さらにこの種の電流共振インバータにおいては、上記サージ電圧保護のため、CRスナバなどを用いてサージ吸収を行う例もあるが、本構成においては不要となることはいうまでもなく、スナバ回路のコストや発熱も考慮する必要はない。スイッチング素子が自己短絡によって瞬時的に損失大となり、ジャンクション温度が過渡的に増大するため、万一連続して自己短絡が発生するモードがおきた場合でもスイッチング素子を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図2】 同、通常動作時の動作波形図
【図3】 同、異常時の動作波形図
【図4】 同、異常時の保護動作を示す波形図
【図5】 本発明の第2の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図6】 本発明の第3の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図7】 同、異常時の保護動作を示す波形図
【図8】 本発明の第4の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図9】 同、異常時の保護動作を示す波形図
【図10】 本発明の第5の実施例である誘導加熱装置のスイッチング素子の選択範囲を示す図
【図11】 本発明の第6の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図12】 本発明の第7の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図13】 同、異常時の保護動作を示す波形図
【図14】 本発明の第8の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図15】 同、異常時の保護動作を示す波形図
【図16】 本発明の第9の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図17】 同、異常時の動作波形図
【図18】 本発明の第10の実施例である誘導加熱装置の回路構成図
【図19】 従来の誘導加熱装置の回路構成図
【図20】 同、動作波形図
【図21】 同、スイッチング素子のターンオフ時の動作波形図
【符号の説明】
11 直流電源
12 チョークコイル
13 スイッチング素子
14 逆導通ダイオード
15 加熱コイル
16 共振コンデンサ
17 制御回路
18 自己短絡手段
19 発振回路
20 共振回路
21 ツェナーダイオードとダイオード
22 抵抗
23 両端電圧検知回路
24 駆動回路
25 電圧駆動型サイリスタ動作素子
Claims (1)
- 直流電源と、チョークコイルと、自己消弧型のスイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続された逆導通ダイオードと、加熱コイルと共振コンデンサからなる共振回路と、前記スイッチング素子のオンオフ信号を発生する発振回路を含む制御回路とを有し、前記チョークコイルのインダクタンスは略1mH以下とし、前記直流電源と、前記チョークコイルは直列に接続され、前記チョークコイルの他端と、前記直流電源の他端は、前記スイッチング素子と前記共振回路とに並列に接続され、前記スイッチング素子は、両端電圧が所定値以上のとき、自己短絡する自己短絡手段を有し、自己短絡復帰後、発振回路のオンオフ信号に関わらず、自己短絡によるジャンクション温度の上昇から定常状態に戻るまでの時間、前記スイッチング素子はオフ状態を継続する誘導加熱装置。
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