JP3890576B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を内燃機関の吸気系へパージ(放出)する燃料蒸発ガスパージシステムを搭載した内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料蒸発ガスパージシステムにおいては、燃料タンク内で発生する燃料蒸発ガス(HC)が大気中に漏れ出すことを防止するため、燃料蒸発ガスをキャニスタ内に吸着すると共に、このキャニスタ内に吸着されている燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気管へパージするパージ通路の途中にパージ制御弁を設け、このパージ制御弁によって、キャニスタから吸気管へパージする燃料蒸発ガス量(パージ量)を制御するようになっている。
【0003】
従来、パージ量の制御は、特公平7−59917号公報や特開平7−293361号公報に示すように、空燃比フィードバック制御(ラムダ制御)の出力である空燃比フィードバック補正係数FAFに基づいて行われるようになっている。ここで、空燃比フィードバック補正係数FAFは、次式により燃料噴射量TAUの演算値(以下「演算TAU」と表記する)を用いて表される。
【0004】
FAF=演算TAU/(TP×FTHA×FPA)
−(FWL+FSE+FASE+FFC+FTC+FPRG+FLAF)
TP :基本噴射量(基本噴射時間)
FTHA:吸気温補正係数
FPA :大気圧補正係数
FWL :暖機補正係数
FSE :始動時補正係数
FASE:始動後補正係数
FFC :燃料カット復帰時補正係数
FTC :加減速補正係数
FPRG:パージ補正係数
FLAF:空燃比学習補正係数
【0005】
尚、上記したFAFを表す式は、演算TAUを算出する次式を解くことで求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、演算TAUは、燃料噴射弁の最小/最大噴射量に対応する下限ガード値TAUmin と上限ガード値TAUmax が設定され、TAUmin ≦演算TAU≦TAUmax の範囲から外れると、演算TAUがTAUmin 又はTAUmax でガード処理され、演算TAU=TAUmin 又はTAUmax となる。従って、演算TAUがガード値TAUmin 〜TAUmax から外れた領域では、燃料噴射弁から実際に噴射する燃料量(以下「実TAU」と表記する)が演算TAUと異なってくる。このため、上記従来のように、空燃比フィードバック補正係数FAFによってパージ量の制御を行うと、演算TAUがガード値TAUmin 〜TAUmax から外れた領域では、パージ制御量が実TAUに対応しない不正確な値となり、パージの影響を考慮した正確な空燃比フィードバック制御を行うことができず、排気エミッションを悪くする結果となる。
【0007】
しかも、前記したFAFを表す式の右辺の第2項において、パージ以外の空燃比変動要因(暖機補正係数FWL,始動時補正係数FSE,始動後補正係数FASE,燃料カット復帰時補正係数FFC)が含まれるため、パージによるFAFの変動分のみを取り出すことができない。従って、従来のように、FAFに基づいてパージ制御量を決定すると、パージ制御量にもパージ以外の空燃比変動要因が含まれてしまうため、正確なパージ制御を行うことができず、パージの影響を考慮した正確な空燃比フィードバック制御を行うことができない。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、パージの影響を考慮した精度の良い空燃比フィードバック制御を行うことができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1,2の空燃比制御装置は、内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射量を燃料噴射量演算手段により演算し、この燃料噴射量の演算値が最小噴射量より小さいとき又は最大噴射量より大きいときに、該燃料噴射量の演算値を該最大噴射量又は該最小噴射量でガード処理して燃料噴射弁から実際に噴射する燃料量(以下「実燃料噴射量」という)を実燃料噴射量決定手段により決定した後、この実燃料噴射量に基づいてキャニスタからパージする燃料蒸発ガスの制御量(以下「パージ制御量」という)をパージ制御量演算手段により演算する。
【0010】
この空燃比制御装置によれば、パージ制御量を、ガード処理後の実燃料噴射量に基づいて演算するため、実燃料噴射量に対応したパージ制御量を求めることができ、パージの影響を考慮した精度の良い空燃比フィードバック制御を行うことができる。
【0011】
このようにして求めたパージ制御量に基づいてパージ制御弁を制御手段により制御すれば、精度の良いパージ制御が可能となる(請求項3)。
【0012】
更に、請求項4のように、実燃料噴射量に加え、空燃比変動要因の中でパージによる空燃比変動要因のみをパラメータとしてパージ制御量を演算することが好ましい。このようにすれば、パージによる変動分のみを取り出すことができて、パージ以外の変動要因を排除した精度の良いパージ制御を行うことができ、パージの影響を考慮した精度の良い空燃比フィードバック制御を行うことができる。
【0014】
また、請求項5のように、前記パージ制御量に基づいてパージガスの燃料濃度を学習手段により学習し、この学習手段の学習値に基づいて燃料噴射量を補正手段により補正しても良い。この場合、実燃料噴射量に基づいて演算されたパージ制御量は従来より正確であるため、このパージ制御量に基づいてパージガスの燃料濃度を学習すれば、パージガスの燃料濃度を従来より精度良く学習することができ、パージによる燃料噴射量の補正精度も向上できる。
【0015】
また、請求項6のように、吸入空気量とパージ流量とに基づいてパージ率をパージ率演算手段により演算し、パージ制御量に基づき、該パージ率を目標にしてパージ制御弁の開度を制御するようにしても良い。このようにすれば、パージ率の演算精度も向上でき、パージ制御の精度向上につながる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の途中にスロットルバルブ13が設けられ、このスロットルバルブ13の開度がスロットルセンサ14により検出される。スロットルバルブ13の下流側に設けられたサージタンク15には、スロットルバルブ13を通過した吸入空気の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ16が設けられ、サージタンク15を通過した吸入空気を各気筒に導入する吸気マニホールド12aには、燃料タンク21から供給される燃料を噴射する燃料噴射弁17が取り付けられている。また、エンジン11の排気管18には、排出ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素センサ19が設けられ、更に、エンジン11のシリンダブロックには、エンジン冷却水温を検出する冷却水温センサ20が取り付けられている。
【0017】
一方、燃料タンク21内の燃料は燃料ポンプ22により汲み上げられ、燃料配管23を通して送られてくる燃料が燃料フィルタ29で濾過されてデリバリパイプ24に送られ、このデリバリパイプ24から各気筒の燃料噴射弁17に分配される。また、デリバリパイプ24内の余剰燃料はリターン配管25を通して燃料タンク21内に戻される。このリターン配管25の途中にはプレッシャレギュレータ26が設けられ、このプレッシャレギュレータ26の背圧室を圧力導入管27を介してサージタンク15に連通させて、プレッシャレギュレータ26の背圧室に吸気圧を導入することで、デリバリパイプ24内の燃圧を吸気圧との差圧が一定になるように調整する。
【0018】
次に、燃料蒸発ガスパージシステム30の構成を説明する。燃料タンク21には、連通管31を介してキャニスタ32が接続されている。このキャニスタ32内には、燃料蒸発ガスを吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。また、キャニスタ32には、大気に連通する大気連通管33が設けられ、このキャニスタ32とサージタンク15との間には、キャニスタ32内に吸着されている燃料蒸発ガスを吸気管12にパージ(放出)するためのパージ通路34が設けられ、このパージ通路34の途中にパージ流量を調整するパージ制御弁35が設けられている。
【0019】
このパージ制御弁35は、内部のガス流路を開閉する弁体36と、この弁体35をスプリング(図示せず)に抗して開弁方向へ移動させるソレノイドコイル37等を備えた電磁弁である。このパージ制御弁35のソレノイドコイル37には、パルス信号にて電圧が印加され、このパルス信号の周期に対するパルス幅の比率(デューティ比)を変えることによって、弁体36の開度を調整して、キャニスタ32から吸気管12への燃料蒸発ガスのパージ流量を制御する。このパージ制御弁35のデューティ比とパージ流量との変化特性を図2に示している。
【0020】
一方、エンジン制御回路40には、上述した各種センサからエンジン運転状態を表す各種の情報が入力され、その入力情報がCPU41で演算処理されて、空燃比フィードバック制御、燃料噴射制御、点火制御、燃料蒸発ガスパージ制御等が行われる。このエンジン制御回路40内には、後述する各種の制御プログラムやマップ等のデータが格納されたROM42(記憶媒体)、入力データや演算データ等を一時的に記憶するRAM43等が内蔵されている。以下、このエンジン制御回路40が実行する空燃比フィードバック制御、燃料噴射制御、燃料蒸発ガスパージ制御等について説明する。
【0021】
[空燃比フィードバック制御]
空燃比フィードバック制御は、図3に示す空燃比フィードバック制御プログラムに従って、例えば4msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ101で、フィードバック実行条件が成立しているか否かを判別する。ここで、フィードバック実行条件としては、(1)エンジン始動時でないこと、(2)燃料カット中でないこと、(3)冷却水温THW≧40℃であること、(4)燃料噴射量TAU>TAUmin であること(但しTAUmin は燃料噴射弁17の最小燃料噴射量)、(5)排出ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ19が活性状態であること等があり、これら(1)〜(5)の条件を全て満たす場合に、フィードバック実行条件が成立する。このフィードバック実行条件が不成立の場合には、ステップ102に進み、空燃比フィードバック補正係数FAFを「1.0」に設定して本プログラムを終了する。
【0022】
一方、フィードバック実行条件が成立している場合には、ステップ103に進み、酸素センサ19の出力を所定の判定レベルと比較して、それぞれ所定時間H,I(msec)だけ遅らせて空燃比フラグXOXRを操作する。具体的には、酸素センサ19の出力がリッチからリーンに反転してからH(msec)後に、XOXR=0(リーンを意味)にセットし、酸素センサ19の出力がリーンからリッチに反転してからI(msec)後に、XOXR=1(リッチを意味)にセットする。
【0023】
次のステップ104で、上記空燃比フラグXOXRに基づいて空燃比フィードバック補正係数FAFの値を次のように操作する。即ち、空燃比フラグXOXRが「0」→「1」又は「1」→「0」に変化したときに、空燃比フィードバック補正係数FAFの値を所定量スキップさせ、空燃比XOXRが「1」又は「0」を継続しているときに、空燃比フィードバック補正係数FAFの積分制御を行なう。この後、ステップ105で、空燃比フィードバック補正係数FAFの値の上下限チェック(ガード処理)を行い、続くステップ106で、空燃比フィードバック補正係数FAFを基に、スキップ毎又は所定時間毎になまし(平均化)処理を行なって空燃比フィードバック補正係数のなまし値FAFAVを算出し、本プログラムを終了する。
【0024】
[パージ率制御]
パージ率制御は、図4に示すパージ率制御プログラムに従って例えば32msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムは、特許請求の範囲でいうパージ率演算手段としての役割を果たす。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ201〜203で、パージ実行条件が成立しているか否かを判定する。
【0025】
ここで、パージ実行条件は、▲1▼冷却水温THWが例えば40℃以上であること(ステップ201)、▲2▼空燃比フィードバック実行中であること(ステップ202)、▲3▼燃料カット中でないこと(ステップ203)であり、これら▲1▼〜▲3▼の条件を1つでも満たさなければ、パージ実行条件が成立せず、ステップ210に進み、パージ実行フラグXPRGをパージ禁止を意味する「0」にリセットすると共に、続くステップ211で、最終パージ率RPRGを「0」にリセットして、本プログラムを終了する。この最終パージ率RPRGが「0」ということは、パージを実行しないことを意味する。尚、本実施形態では、パージ実行時の冷却水温THWの条件をTHW≧40℃とすることで、比較的低い水温域からパージを開始するようにしている。
【0026】
一方、上述した▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たせば、パージ実行条件が成立し、ステップ205に進み、パージ実行フラグXPRGをパージ実行を意味する「1」にセットした後、ステップ206〜209で最終パージ率RPRGを次のようにして演算する。まず、ステップ206で、吸気管圧力PMとエンジン回転数NEとをパラメータとする図5の二次元マップから、その時のPMとNEに応じた全開パージ率RPRGMXを読み込む。この後、ステップ207で、目標TAU補正量KTPRGを燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVで除算して目標パージ率RPRGOを算出する(RPRGO=KTPRG/FLPRGAV)。
【0027】
ここで、目標TAU補正量KTPRGとは、パージ実行時に燃料噴射量TAUを減量補正する際の最大補正量に相当する。この目標TAU補正量KTPRGは燃料噴射弁17の最小噴射量に対する余裕度を基に予め設定され、吸気管圧力PMとエンジン回転数NEをパラメータとする図6の二次元マップから、その時のPMとNEに応じた目標TAU補正量KTPRGが読み込まれる。また、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVは、キャニスタ32内の燃料蒸発ガス吸着量に対応しており、後述の処理によって推定され、随時更新されつつRAM43に書き込まれている。
【0028】
従って、上記ステップ207で算出される目標パージ率RPRGOは、目標TAU補正量KTPRGまで燃料噴射量を減量することを想定したとき、どれだけの燃料蒸発ガスをパージによって補充したらよいかを表している。この場合、同じ運転状態であれば、目標パージ率RPRGOは燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVが大きいほど小さな値となる。
【0029】
目標パージ率RPRGOの算出後、ステップ208で、後述する図7のパージ率徐変制御プログラムによって算出されたパージ率徐変値RPRGDを読み込む。ここで、パージ率徐変値RPRGDとは、パージ率をいきなり大きく変更すると、補正が追いつかず最適な空燃比を保てなくなってしまうため、これを避けるために設けられた制御値である。
【0030】
このようにして、全開パージ率RPRGMX、目標パージ率RPRGO、パージ率徐変値RPRGDを算出した後、ステップ209に進み、これらの中から最小値を最終パージ率RPRGとして決定する。この最終パージ率RPRGにてパージ制御が実施される。通常は、パージ率徐変値RPRGDにて最終パージ率RPRGが制御され、このパージ率徐変値RPRGDが増え続ければ、最終パージ率RPRGは全開パージ率RPRGMX又は目標パージ率RPRGOによって上限ガードされることになる。
【0031】
[パージ率徐変制御]
パージ率徐変制御は、図7に示すパージ率徐変制御プログラムに従って例えば32msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ301で、パージ実行フラグXPRGがパージ実行を意味する「1」であるか否かを判定し、XPRG=0の場合、つまりパージが実行されない場合には、ステップ304に進み、パージ率徐変値RPRGDを「0」に設定して本プログラムを終了する。
【0032】
一方、XPRG=1の場合(パージ実行の場合)には、ステップ302に進み、後述する図12のパージ制御量演算プログラムのステップ602で算出されたパージ制御量AFPRGが0.8から1.2までの範囲内であるか否かを判定し、AFPRGが0.8以下又は1.2以上の場合には、ステップ305に進み、前回の最終パージ率RPRG(i-1) から「0.1%」を減算した値を今回のパージ率徐変値RPRGDとする。
【0033】
また、0.8<AFPRG<1.2の場合には、ステップ302からステップ303に進んで、後述する図12のステップ602で算出されたパージ制御量なまし値AFPRGSMが基準値(=1)からどの程度ずれているか、そのズレ量|AFPRGSM−1|を判定する。このとき、|AFPRGSM−1|≦5%であれば、ステップ306に進み、前回の最終パージ率PFR(i-1) に「0.2%」を加算した値を今回のパージ率徐変値PFRDとする。また、5%<|AFPRGSM−1|≦10%であれば、ステップ307に進んで、前回の最終パージ率RPRG(i-1) に「0.1%」を加算した値を今回のパージ率徐変値RPRGDとする。また、|AFPRGSM−1|>10%であれば、ステップ308に進んで、前回の最終パージ率RPRG(i-1) をそのまま今回のパージ率徐変値RPRGDとする。
【0034】
以上説明したパージ率徐変値RPRGDの演算方法は、図8を参照すれば、一層理解が容易である。
【0035】
[燃料蒸発ガス濃度検出]
燃料蒸発ガス濃度検出は、図9に示す燃料蒸発ガス濃度検出プログラムに従って例えば4msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ401で、キースイッチ投入時であるか否かを判別する。キースイッチ投入時であれば、ステップ415〜417で各データを初期化し、燃料蒸発ガス濃度FLPRG=0、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAV=0、初回濃度検出終了フラグXNFLPRG=0にする。
【0036】
ここで、燃料蒸発ガス濃度FLPRG=0、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAV=0は、燃料蒸発ガス濃度が「0」であること(換言すればキャニスタ32に燃料蒸発ガスが全く吸着されていないこと)を意味する。エンジン始動時には初期化により吸着量が「0」に仮定される。初回濃度検出終了フラグXNFLPRG=0は、エンジン始動後に未だ燃料蒸発ガス濃度が検出されていないことを意味する。
【0037】
キースイッチ投入後は、ステップ402に進み、パージ実行フラグXPRGが「1」であるか否か、即ちパージ制御が開始されているか否かを判別する。ここで、XPRG=0(パージ制御開始前)の場合には、そのまま本プログラムを終了する。一方、XPRG=1(パージ制御開始後)の場合には、ステップ403に進み、車両が加減速中であるか否かを判定する。ここで、加減速中であるか否かの判定は、アイドルスイッチ(図示せず)のオフ、スロットルバルブ13の弁開度変化、吸気管圧力変化、車速変化等の検出結果によって行われる。そして、加減速中であると判定されると、そのまま本プログラムを終了する。つまり、加減速中(エンジン運転の過渡状態)では燃料蒸発ガス濃度検出が禁止され、誤検出防止が図られる。
【0038】
また、上記ステップ403で、加減速中でないと判定されると、ステップ404に進み、初回濃度検出終了フラグXNFPGが「1」であるか否か、即ち燃料蒸発ガス濃度の初回検出が終了しているか否かを判定する。ここで、XNFLPRG=1(初回検出後)であれば、ステップ405に進み、XNFPG=0(初回検出前)であれば、ステップ405を飛び越してステップ406に進む。
【0039】
最初は、燃料蒸発ガス濃度検出が終了していないので(XNFLPRG=0)、ステップ404からステップ406に進み、パージ制御量AFPRGのなまし値AFPRGSMが基準値(=1)からどの程度ずれているか判定し、AFPRGSM−1<−0.02の場合は、ステップ408に進み、前回の燃料蒸発ガス濃度FLPRG(i-1) から所定値bを減算した値を今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGとする。また、−0.02≦AFPRGSM−1≦+0.02の場合は、ステップ409に進み、前回の燃料蒸発ガス濃度FLPRG(i-1) をそのまま今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGとする。また、AFPRGSM−1>+0.02の場合は、ステップ410に進み、前回の燃料蒸発ガス濃度FLPRG(i-1) に所定値aを加算した値を今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGとする。この場合、所定値aは所定値bよりも小さい値に設定されている。これは、燃料蒸発ガス濃度が低いときには、パージしても濃度が徐々にしか下がらないためである。
【0040】
前述した初期化処理により、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの初期値は「0」に設定され(ステップ415)、上記ステップ406〜410の処理によりパージ制御量なまし値AFPRGSMのずれ量に応じて燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値が徐々に更新される。このステップ406〜410の処理が特許請求の範囲でいう学習手段としての役割を果たす。この燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値の更新方法は、図10を参照すれば、一層理解が容易である。
【0041】
このようにして燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値を更新した後、ステップ411に進み、初回濃度検出終了フラグXNFLPRGが初回濃度検出終了を意味する「1」であるか否かを判定する。ここで、XNFLPRG=0(初回濃度検出前)であれば、ステップ412に進み、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの前回検出値と今回検出値との変化が所定値(例えば3%)以下の状態が例えば3回以上継続したか否かによって、燃料蒸発ガス濃度FLPRGが安定したか否かを判定する。燃料蒸発ガス濃度FLPRGが安定すると、次のステップ413に進み、初回濃度検出終了フラグXNFLPRGに「1」をセットした後、ステップ414に進む。
【0042】
一方、上記ステップ411で、XNFLPRG=1(初回濃度検出終了)の場合、又はステップ412で燃料蒸発ガス濃度FLPRGが安定していないと判定された場合、ステップ414へジャンプし、今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGを平均化するために、所定のなまし演算(例えば1/64なまし演算)を実行し、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVを求める。
【0043】
このようにして初回濃度検出が終了すると(XNFLPRG=1がセットされると)、ステップ404が常に「Yes」と判定され、ステップ405に進んで、最終パージ率RPRGが所定値β(例えば0%)を越えるか否かを判定する。そして、RPRG>βの場合のみ、ステップ406以降の燃料蒸発ガス濃度の学習処理を実行する。つまり、パージ実行フラグXPRGが「1」にセットされていても、最終パージ率RPRGが「0」となる場合があり、この場合は、実際にはパージが実施されないため、初回検出時以外は、RPRG=0の場合に燃料蒸発ガス濃度の検出を行なわないようにしている。
【0044】
尚、最終パージ率RPRGが小さい場合、即ちパージ制御弁35が低流量側で制御されている場合は開度制御の精度が比較的低く、燃料蒸発ガス濃度検出の信頼性が低い。そこで、ステップ405の所定値βをパージ制御弁35の低開度域に設定し(例えば0%<β<2%)、初回検出時以外は、精度の良い検出条件が揃った場合のみ、燃料蒸発ガス濃度検出を行うようにしても良い。
【0045】
[燃料噴射量演算]
燃料噴射量の演算は、図11に示す燃料噴射量演算プログラムに従って例えば4msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ501で、ROM42内にマップとして格納されているデータに基づき、エンジン回転数NEと負荷(例えば吸気管圧力PM)に応じた基本噴射量(基本噴射時間)TPを演算する。そして、次のステップ502で、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVに最終パージ率RPRGを乗算することで、パージ補正係数FPRGを算出する(FPRG=FLPRGAV×RPRG)。
【0046】
この後、ステップ503で、燃料噴射量TAUの演算値(演算TAU)を次式により算出する。
TP :基本噴射量
FTHA:吸気温補正係数
FPA :大気圧補正係数
FWL :暖機補正係数
FSE :始動時補正係数
FASE:始動後補正係数
FFC :燃料カット復帰時補正係数
FTC :加減速補正係数
FPRG:パージ補正係数
FLAF:空燃比学習補正係数
FAF :空燃比フィードバック補正係数
【0047】
上記ステップ501〜503の処理は、特許請求の範囲でいう燃料噴射量演算手段としての役割を果たす。また、上記ステップ502,503の処理は、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAV(燃料蒸発ガス濃度の学習値の平均値)に基づいて燃料噴射量を補正する補正手段としても機能する。
【0048】
次のステップ504で、演算TAUを燃料噴射弁17の最小/最大噴射量に対応する下限ガード値TAUmin と上限ガード値TAUmax でガード処理して燃料噴射弁17から実際に噴射する実燃料燃料量(実TAU)を決定する。つまり、TAUmin ≦演算TAU≦TAUmax の範囲では、実TAU=演算TAUとなるが、演算TAUがガード値TAUmin 〜TAUmax から外れた領域では、ガードが働いて、実TAU=TAUmin 又はTAUmax となる。このステップ504の処理は、特許請求の範囲でいう実燃料噴射量決定手段としての役割を果たす。
【0049】
そして、CPU41は、所定の燃料噴射タイミングで実TAUの指令を燃料噴射弁17に出力して燃料噴射を実行する。
【0050】
[パージ制御量演算]
パージ制御量演算は、図12に示すパージ制御量演算プログラムに従って例えば32msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムは、特許請求の範囲でいうパージ制御量演算手段としての役割を果たす。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ601で、空燃比フィードバック中であるか否かを判定し、空燃比フィードバック中でない場合には、パージ制御は実行されないので、ステップ604,605に進み、パージ制御量AFPRGとなまし値AFPRGSMを「1.0」に設定して、本プログラムを終了する。
【0051】
一方、空燃比フィードバック中であれば、ステップ602に進み、パージ制御量AFPRGを実TAUを用いて次式により演算する。
AFPRG=実TAU/(TP×FTHA×FPA)−(FTC+FPRG+FLAF)
TP :基本噴射量
FTHA:吸気温補正係数
FPA :大気圧補正係数
FTC :加減速補正係数
FPRG:パージ補正係数
FLAF:空燃比学習補正係数
【0052】
上式の右辺の第2項において、空燃比変動要因のうちパージ以外の空燃比変動要因(暖機補正係数FWL,始動時補正係数FSE,始動後補正係数FASE,燃料カット復帰時補正係数FFC)が除外され、パージによる空燃比変動要因(FPRG)のみをパラメータとしてパージ制御量AFPRGが演算される。尚、このパージ制御量AFPRGは、パージ制御弁35の調整範囲を考慮してガード処理しても良い。
【0053】
この後、ステップ603で、パージ制御量AFPRGのなまし値AFPRGSMを次のなまし式により演算する。
AFPRGSM=AFPRGSM(i-1) +(AFPRG−AFPRG(i-1) )/N
ここで、AFPRGSM(i-1) は前回のパージ制御量のなまし値、AFPRG(i-1) は前回のパージ制御量、Nはなまし係数である。
【0054】
[パージ制御弁の制御]
パージ制御弁35の制御は、図13に示すパージ制御弁制御プログラムに従って例えば100msec毎に割込み処理により実行される。本プログラムは、特許請求の範囲でいう制御手段としての役割を果たす。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ701で、パージ実行フラグXPRGがパージ実行を意味する「1」であるか否かを判定し、XPRG=0(パージ不実施)であれば、ステップ702に進み、パージ制御弁35を駆動させるための制御値Dutyを「0」とし、パージ制御弁35を全閉して、パージを停止する。
【0055】
また、XPRG=1(パージ実施)であれば、ステップ703に進み、最終パージ率RPRG及びその時点での運転状態に見合った全開パージ率RPRGMXに基づき、次式により制御値Dutyを算出する。
【0056】
Duty=(RPRG/RPRGMX)×(100ms−Pv)×Ppa+Pv
この式で、パージ制御弁35の駆動周期は100msecに設定されている。また、Pvはバッテリ電圧の変動に対する電圧補正値(駆動周期補正用の時間相当量)であり、Ppaは大気圧の変動に対する大気圧補正値である。上式で算出された制御値Dutyに基づき、パージ制御弁35の駆動パルス信号のデューティ比が設定され、パージ制御弁35の開度が制御される。
【0057】
[制御例]
上述した各プログラムによる燃料蒸発ガスパージ制御の挙動を図14及び図15のタイムチャートを用いて説明する。
【0058】
図14は、パージを停止している状態からパージを開始し、そのパージ実行中に演算TAUが下限ガード値TAUmin を下回った時の挙動を示している。演算TAUが下限ガード値TAUmin に到達するまでは、演算TAUと実TAUが一致するため、FAF(演算TAU)による従来のパージ制御と実TAUによる本実施形態のパージ制御との挙動が一致する。
【0059】
その後、演算TAUが下限ガード値TAUmin を下回ると、ガードが働いて、実TAUが下限ガード値TAUmin で固定され、実TAU≠演算TAUとなり、FAF(演算TAU)による従来のパージ制御と実TAUによる本実施形態のパージ制御との挙動が異なってくる。即ち、本実施形態では、演算TAUが下限ガード値TAUmin を下回ると、実TAUが下限ガード値TAUmin で固定されるため、暫くしてパージ制御量AFPRGが基準値で一定となり、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値も一定となると共に、この学習値に基づいて設定されるパージ補正係数FPRGも一定となる。
【0060】
これに対し、FAF(演算TAU)による従来のパージ制御では、演算TAUが下限ガード値TAUmin を下回った後も、演算TAUの低下に伴ってパージ制御量AFPRGが下がり続け、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値とパージ補正係数FPRGも下がり続ける。このため、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習は、斜線で示す部分が誤学習となり、パージ補正係数FPRGも斜線で示す部分が過補正となる。その結果、パージの影響を考慮した正確な空燃比フィードバック制御を行うことができず、排気エミッションを悪くしてしまう。
【0061】
この点、本実施形態では、実TAUに基づいてパージ制御量AFPRGを演算するため、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの誤学習やパージ補正係数FPRGの過補正を回避できて、実TAUに対応したパージ制御量AFPRGを求めることができ、パージの影響を考慮した精度の良い空燃比フィードバック制御を行うことができて、パージによる排気エミッションの悪化を回避することができる。
【0062】
一方、図15は、エンジン始動後に空燃比フィードバックを開始し、その後、パージを開始した時の挙動を示している。エンジン始動直後から、始動後補正係数FASEと暖機補正係数FWLを設定して、空燃比フィードバックを開始する。これにより、空燃比フィードバック補正係数FAFは、始動後補正係数FASEと暖機補正係数FWLによる変動分が加えられ、その後、パージが開始されると、FAFにパージによる変動分が追加される。また、燃料カットが行われると、その燃料カット復帰直後にFAFに燃料カット復帰時補正係数FFCによる変動分が追加される。
【0063】
従来は、FAF(演算TAU)によるパージ制御を行っていたため、パージだけによるFAFの変動分を取り出すことができない。このため、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値にパージ以外の変動要因(FASE,FEL,FFC)が含まれてしまうため、斜線で示す部分が誤学習となり、パージの影響を考慮した正確な空燃比フィードバック制御を行うことができず、排気エミッションを悪くしてしまう。
【0064】
これに対し、本実施形態では、パージ制御量AFPRGの演算式から、空燃比変動要因のうちパージ以外の空燃比変動要因(暖機補正係数FWL,始動時補正係数FSE,始動後補正係数FASE,燃料カット復帰時補正係数FFC)が除外され、パージによる空燃比変動要因(FPRG)のみをパラメータとしてパージ制御量AFPRGが演算される(図12のステップ602)。このため、パージによる変動分のみを取り出すことができて、パージ以外の空燃比変動要因による燃料蒸発ガス濃度FLPRGの誤学習を防止でき、濃度学習の精度を向上できて、パージの影響を考慮した精度の良い空燃比フィードバック制御を行うことができる。
【0067】
また、次式によりパージ制御量AFPRGを算出するようにしても良い。
AFPRG=実TAU/(TP×FTHA×FPA)
−(FWL+FSE+FASE+FFC+FTC+FPRG+FLAF)
【0068】
この場合、右辺の第2項において、パージ以外の空燃比変動要因(暖機補正係数FWL,始動時補正係数FSE,始動後補正係数FASE,燃料カット復帰時補正係数FFC)が含まれるが、実TAUに基づいてパージ制御量AFPRGを算出するため、演算TAUを用いる従来のパージ制御と比較して、パージ制御量AFPRGの演算精度を向上でき、空燃比フィードバック制御の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム全体の概略構成図
【図2】パージ制御弁駆動デューティとパージ流量との関係を示す特性図
【図3】空燃比フィードバック制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図4】パージ率制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】全開パージ率マップの一例を示す図
【図6】目標TAU補正量マップの一例を示す図
【図7】パージ率徐変制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】パージ率徐値RPRGDの演算方法を説明する図
【図9】燃料蒸発ガス濃度検出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図10】燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値の更新方法を説明する図
【図11】燃料噴射量演算プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図12】パージ制御量演算プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図13】パージ制御弁制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図14】パージ実行中に演算TAUが下限ガード値TAUmin を下回った時の挙動を示すタイムチャート
【図15】エンジン始動後に空燃比フィードバックを開始し、その後、パージを開始した時の挙動を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、13…スロットルバルブ、15…サージタンク、16…吸気圧センサ、17…燃料噴射弁、18…排気管、19…酸素センサ、21…燃料タンク、22…燃料ポンプ、23…燃料配管、26…プレッシャレギュレータ、25…リターン配管、30…燃料蒸発ガスパージシステム、32…キャニスタ、33…大気連通管、34…パージ通路、35…パージ制御弁、40…エンジン制御回路(制御手段,燃料噴射量演算手段,実燃料噴射量決定手段,パージ量演算手段,パージ率演算手段,学習手段,補正手段)。
Claims (6)
- 内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃料タンク内で発生した燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、このキャニスタ内に吸着されている燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気系へパージする動作を制御するパージ制御弁とを備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、
前記燃料噴射量の演算値が最小噴射量より小さいときに該燃料噴射量の演算値を該最小噴射量でガード処理して前記燃料噴射弁から実際に噴射する燃料量(以下「実燃料噴射量」という)を決定する実燃料噴射量決定手段と、
前記実燃料噴射量に基づいて前記キャニスタからパージする燃料蒸発ガスの制御量(以下「パージ制御量」という)を演算するパージ制御量演算手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃料タンク内で発生した燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、このキャニスタ内に吸着されている燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気系へパージする動作を制御するパージ制御弁とを備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、
前記燃料噴射量の演算値が最大噴射量より大きいときに該燃料噴射量の演算値を該最大噴射量でガード処理して前記燃料噴射弁から実際に噴射する燃料量(以下「実燃料噴射量」という)を決定する実燃料噴射量決定手段と、
前記実燃料噴射量に基づいて前記キャニスタからパージする燃料蒸発ガスの制御量(以下「パージ制御量」という)を演算するパージ制御量演算手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記パージ制御量に基づいて前記パージ制御弁を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記パージ制御量演算手段は、前記実燃料噴射量、及び、空燃比変動要因の中でパージによる空燃比変動要因のみをパラメータとして前記パージ制御量を演算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記パージ制御量に基づいてパージガスの燃料濃度を学習する学習手段と、この学習手段の学習値に基づいて前記燃料噴射量を補正する補正手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 吸入空気量とパージ流量とに基づいてパージ率を演算するパージ率演算手段を備え、
前記制御手段は、前記パージ制御量に基づき前記パージ率演算手段で演算されたパージ率を目標にして前記パージ制御弁の開度を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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