JP3889431B1 - レーザーマーキング用多層シート及びレーザーマーキング方法 - Google Patents

レーザーマーキング用多層シート及びレーザーマーキング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外観の損傷がなく、コントラストが良好で、表面平滑性の優れたレーザーマーキングができ、しかも耐熱性に優れるプラスチック多層シートとそれを用いたレーザーマーキング方法を提供する。
【解決手段】第一の表層/内層/第二の表層からなる多層シートであって、(A)透明の熱可塑性樹脂100重量部に対し、雲母及び/又はカーボンブラックを0.0001〜5重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる透明な第一及び第二の表層と、(B)熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザー光線を吸収するエネルギー吸収体0.001〜3重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる内層とから形成され、第一の表層/内層/第二の表層のシートの厚み構成比が1:4:1〜1:10:1であり、第一の表層/内層/第二の表層を、溶融共押し出しにて形成してなるレーザーマーキング用多層シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー光線により、プラスチックシート表面に、損傷なくマーキングされ、マーキング部が平滑であり、かつ生地色と印字部のコントラストが高く、鮮明な文字、記号、写真が得られ、しかも耐熱性に優れる、レーザーマーキング用多層シートに関する。
プラスチック成形品表面への印刷は、従来、タンポ印刷、シルク印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷などのインキを用いた印刷方法が用いられている。この方法では、有機溶媒を含有するインキを使用するため環境衛生上問題があること、印刷時にインキの滲みが発生すること、印刷部の耐摩耗性が劣ること、屋外使用では使用するインキの耐候性に問題があること、成形品形状が複雑なものでは印刷ができないなどの種々の問題がある。
また、従来から、クレジットカード、キャッシュカード、IDカード、タグカード、表示板、認証プレートなどの基板用途にプラスチックシートが用いられており、これらのカードやプレートに、個人名、記号、文字、写真をシルク印刷、昇華性印刷を施しているが、生産工程が複雑で生産性が劣るという問題がある。
一方、インキを使用しない印刷方法として、レーザー光線を照射してプラスチック成形品に印刷するレーザーマーキング法(例えば,特許文献1〜5を参照)が提案されている。
しかし、プラスチック射出成形品へのレーザーマーキングを考慮した方法をそのまま表面透明表皮層を有したプラスチック多層シートに適用すると、種々の問題点が発生する。すなわち、特許文献6では、透明熱可塑性樹脂のシート、フイルムの裏にエラストマーでラミネートし、ヒートシールした多層シートが好ましいと記載されている。しかしながら、この多層シートでは、表皮層と内層との密着性が悪いと、レーザー光線のエネルギー吸収体である内層へのレーザーマーキングの条件によっては、マーキング時に発生するガスにより透明表皮層が膨れたり、損傷したりする問題がある。
そして最近になり、本出願人は、表層が透明樹脂層で、内層がエネルギー吸収剤としてカーボンブラックを含み、かつ着色剤を含む熱可塑性樹脂組成物の2層構造、または表層/内層/表層の3層構造のレーザーマーキング用多層シートを提案したが(特許文献7参照)、耐熱性について多少の問題があった。
このように、従来のプラスチック多層シートでは、さらなる改良が求められている。
特公昭61−11771号公報 特公昭61−41320号公報 特公昭62−59663号公報 特開昭61−192737号公報 特公平2−47314号公報 特開平7−276575号公報 特開2002−273832号公報
本発明は、IDカード、タグカード、クレジットカード、表示板、認証プレート、キャッシュカード、ETCカードなどで広く用いられているプラスチック製多層シートに、外観の損傷がなく、コントラストが良好で、表面平滑性の優れたレーザーマーキングができ、しかも耐熱性に優れるプラスチック多層シートとそれを用いたレーザーマーキング方法を提供することにある。
本発明の第一の形態によれば、第一の表層/内層/第二の表層からなる多層シートであって、(A)透明の熱可塑性樹脂100重量部に対し、雲母及び/又はカーボンブラックを0.0001〜5重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる透明な第一及び第二の表層と、(B)熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザー光線を吸収するエネルギー吸収体0.001〜3重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる内層とから形成され、前記第一の表層/内層/第二の表層のシートの厚み構成比が1:4:1〜1:10:1であり、前記第一の表層/内層/第二の表層を、溶融共押し出しにて形成してなるレーザーマーキング用多層シート、が提供される。
本発明においては、用いるカーボンブラックの平均粒径が13〜75nmであることが、得られる内層の地色がより白色系が強くなって、よりコントラクトが良好になることから、好ましい。また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBT)吸油量は、60〜120ml/100grであることが好ましい。
また、多層シートの厚みとしては0.1〜2.0mmであることが好ましい。
さらに本発明によれば、上記のレーザーマーキング用多層シートに、レーザー発振波長が532(第2高調波)、1,064nm(基本波)、レーザー媒質がネオジウム変成イットリウム−四酸化バナジウムであり、レーザービームがシングルモードで、ビーム径が20〜40μmであるレーザーマーカーで照射して印字し、印字発色部と下地部のコントラストを3以上となす、レーザーマーキング方法が提供される。
本発明の多層シート及びレーザーマーキング方法によれば、IDカード、タグカード、クレジットカード、表示板、認証プレート、キャッシュカード、ETCカードなどで広く用いられているプラスチック製多層シートに、外観の損傷がなく、コントラストが良好で、表面平滑性の優れたレーザーマーキングができ、しかも耐熱性に優れるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という。)を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
まず、本発明の第一の形態について説明する。
(A)熱可塑性樹脂組成物からなる透明な第一及び第二の表層:
本発明の表層において用いる熱可塑性樹脂組成物は、透明の熱可塑性樹脂に対し、雲母及び/又はカーボンブラックを含有するものである。ここで、「透明」とは、全光線透過率が40%以上のものを意味するものであり、具体的には、全光線透過率は、平板プレートを用い、JIS−K7105(光線透過率および全光線反射率)に準拠して測定した。測定機器としては、グレイタグマクベス社CE7000Aを用いた。
上記の透明の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET、A−PET、PETG)、ポリシクロヘキサン1,4−ジメチルフタレート(PCT)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、透明ABS(MABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などが挙げられる。これらの(A)熱可塑性樹脂の中で、特に表面硬度特性、耐候性特性の要求がある用途には、PMMA樹脂が好ましい。また、各種カード用途には他のシートとのラミネート特性から、PVC樹脂、PETG樹脂が好ましい。
この透明の熱可塑性樹脂100重量部に対し、雲母及び/又はカーボンブラックを0.001〜3重量部を含有する。雲母及び/又はカーボンブラックを含有することにより、透明性を維持しつつ、表層を薄く形成した場合であってもコントラストを向上させることが可能となる。
雲母及び/又はカーボンブラックの含有量は、好ましくは0.001〜0.7重量部、特に好ましくは0.005〜0.5重量部である。0.001重量部未満ではコントラストの向上がみられず、一方、3重量部を超えると熱可塑性樹脂組成物の全光線透過率が低下して透明性が低下する。
ここで、雲母とは、層状ケイ酸塩鉱物の一群で、層間陽イオン、八面体陽イオン、四面体陽イオンおよび水酸基と酸素(O)からなる粘土鉱物の一種である。白雲母、ソーダ雲母、黒雲母、金雲母、紅雲母などがあり、人工的にOHをFで置換した人工雲母も合成されている。
また、透明の熱可塑性樹脂に含有されるカーボンブラックとしては、後述する内層を形成する(B)熱可塑性樹脂組成物に用いられるものと同一の特性(平均粒径、ジブチルフタレート(DBT)吸油量)を有するものが用いられる。
表層の厚さは、0.01〜0.25mmが好ましく、その中で、特に0.05〜0.1mmの厚さが好ましい。
内層の(B)熱可塑性樹脂組成物:
内層を形成する(B)熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザー光線を吸収するエネルギー吸収体0.001〜3重量部を含有する。上記熱可塑性樹脂としては、例えばABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂、HIPS樹脂などのゴム強化スチレン系樹脂、PC樹脂、PBT樹脂、PET樹脂、変性PPO樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中で、PC樹脂、PBT樹脂が好ましく、特に耐熱性の観点からPC樹脂が好ましい。
また、内層を形成する(B)熱可塑性樹脂組成物に用いられるエネルギー吸収体としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、炭酸塩および金属ケイ酸塩の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。このうち、エネルギー吸収体に用いられるカーボンブラックは、平均粒径が13〜75nmで、ジブチルフタレート(DBT)吸油量60〜120ml/100grのカーボンブラックが好ましい。また、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化珪素、三酸化アンチモンなどが挙げられる。さらに、金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化カドミニウムなどが挙げられる。さらに、炭酸塩としては炭酸カルシウムなどが、また、金属ケイ酸塩としてはケイ酸アルミナ、鉄を含むケイ酸アルミナ(マイカ)、含水ケイ酸アルミナ(カオリン)、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。以上のエネルギー吸収体は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
本発明に用いられるエネルギー吸収体の添加量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.001〜5重量部、好ましくは0.002〜5重量部、さらに好ましくは0.005〜3重量部である。0.001重量部未満では充分なコントラストが得られず、一方5重量部を超えるとエネルギー吸収機能が過剰となりコントラストの低下、また、透明層への損傷の問題が発生する。
なお、内層を形成する(B)熱可塑性樹脂組成物には、さらに着色剤を添加することもできる。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。このうち、無機顔料としては、白色顔料として酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、黄色顔料として酸化鉄、チタンイエロー、赤色顔料として酸化鉄、青色顔料としてコバルトブルー、群青などが挙げられる。また、有機顔料としては、黄色はモノアゾ、縮合アゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はキナクリドン、アンスラキノン、ペリレン、モノアゾ、青色はフタロシアニン、緑色はフタロシアニンなどが挙げられる。さらに、染料としては、黄色はモノアゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はアンスラキノン、ペリノン、チオインヂゴ、ジスアゾ、青色はアンスラキノンなどが挙げられる。
上記着色剤の使用量は用途により異なるが、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.05〜15重量部、より好ましくは0.1〜12重量部、特に好ましくは0.2〜11重量部である。着色剤が15重量部を超えると、成形体の物性が低下し、好ましくなく、一方、着色剤が0.05重量部未満と少ない場合には、隠蔽性に問題が生じることがある。
次に、本発明の第二の形態について説明する。
本発明の第二の形態が、第一の形態と相違する点は、(C)透明の熱可塑性樹脂からなる表層が雲母及び/又はカーボンブラックを含有することを必須としないこと、内層を形成する(D)熱可塑性樹脂組成物に用いられるエネルギー吸収体として、所定粒径のカーボンブラックを用いたことである。
表層として用いる(C)透明の熱可塑性樹脂としては、上記した(A)透明の熱可塑性樹脂と同じものが用いられる。なお、(C)透明の熱可塑性樹脂は、樹脂単体であっても、樹脂に適当な他成分を含む樹脂組成物であってもよい。
内層を形成する(D)熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂としては、上記した(B)熱可塑性樹脂組成物に用いたものと同じものが用いられる。
(D)熱可塑性樹脂組成物に含有されるカーボンブラックとしては、平均粒子径が13〜75nm、好ましくは50〜75nmである。
カーボンブラックの平均粒子径の大きいものを使用することにより、カード等白色用途部材の白色度を阻害せず、良好なコントラクトが得られる。
本発明において、内層を形成する(B)熱可塑性樹脂組成物又は(D)熱可塑性樹脂組成物を調製するには、例えば、各構成成分を例えばヘンシェルミキサーなどで混合し、一般の押出機などで溶融混合してペレット化するなどの手段により得られるが、これに限定されるものではない。
なお、内層の厚さは用途により異なるが、カード用途では0.15〜0.7mmが好ましい。そのなかで、特に0.2〜0.5mmの厚さが好ましい。
本発明の多層シートの全体の厚みは、0.2〜2mm、好ましくは0.2〜8mmである。0.2mm未満ではレーザーマーキング時の表層破損、印字の透過問題が起こり、一方、2mmを超えると、マーキング性は問題ないが、例えばカードサイズに切断する時に綺麗に切断できない問題がある。
また、本発明のレーザーマーキング用多層シートは、第一の表層/内層/第二の表層からなる3層のシートの厚み構成比は1:4:1〜1:10:1であり、好ましくは1:5:1〜1:8:1である。この厚みの構成比であると、場合によっては更なるコントラストを出す際、2回レーザーマーキングを実施することがある。このようなケースで表層の破損が起こらずレーザーマーキング条件巾の広いシート厚み構成であり好ましいものである。また、耐熱性の観点からも、上記の3層のシートの厚み構成比であることが好ましい。
なお、本発明の多層シートは、3層のシートのみからなる形態が通常であるが、それに限定されず、更に他の層を有する4層以上のものであってもよい。
なお、本発明のレーザーマーキング用多層シートを構成する表層や内層には、必要に応じて、その特性を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば離型剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、強化剤などを添加することができる。
本発明の多層シートは、例えば、マルチダイスが装備された溶融押し出し機を用い、(A)成分/(B)成分/(A)成分を、共押し出しし、第一の表層/内層/第二の表層が溶融共押し出しにより熱圧着された多層シートとして得られる。この際の溶融押し出しの温度は、通常、250〜290℃、好ましくは260〜280℃程度である。
なお、本発明の多層シートでは、第一の表層と第二の表層は同じ材質で同じ厚さであることが好ましいが、その用途によってそれぞれ異なる材質、異なる厚さで形成してもよい。
本発明のレーザーマーキング用多層シートを用いて、レーザーマーキングするには、例えば、本発明の多層シートに、レーザー発振波長が532nm(第2高調波)、1,064nm(基本波)、レーザー媒質がネオジウム変成イットリウム−四酸化バナジウムであり、レーザービームがシングルモードで、ビーム径が20〜40μmであるレーザーマーカーを照射して印字し、印字発色部と下地部のコントラストを3以上となす方法が挙げられる。
レーザーマーカーは、一般的に多く使用されている波長1,064nmのNd:YAGレーザーを用いたマルチモード、ビーム径が80〜100μmであるため、写真のような微細ドットの構成で印字されるケースでは不向きである。本発明では、シングルモードでビーム径が20〜40μmのNd:YVO4レーザー(レーザー発振波長が532nm、1,064nm)を用いているため、印字発色部と下地部のコントラストを3以上となすことができ、コントラストが良好な印字品質を得ることができる。
本発明のレーザーマーキング用多層シートは、レーザーマーク性に優れ、その表面にレーザーで線描などを、容易かつ美麗に描くことができる。従って、本発明のレーザーマーキング用多層シートは、電気部品、電子部品、自動車部品、各種記録媒体のケース、各種表示板などの印字に効果的に使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例中の各種項目の評価は以下の方法によった。
レーザーマーキングは、Nd:YVO4レーザー(ロフィンバーゼル社製のRSM20E)のレーザーマーカーを使用した。
マーキング性の評価は、400mm/secのレーザー照射速度にてマーキングを行い、コントラストの良否、表面層破損の有無から判定した。
○:コントラスト3以上、表面層破損なし
△:コントラスト2以上〜3未満、表面層破損なし
×:コントラスト2未満、表面破損なし
多層シート透過性は、グレイタグマクベス社のCE7000Aを用い、全光線透過率を測定した。
○:全光線透過率5%未満
△:全光線透過率5〜10%
×:全光線透過率10%を超える
レーザーマーキング印字部の表面層の損傷は、キーエンス社製の拡大顕微鏡VH5900を用いて観察した。
○:破損なし
△:一部破損
×:破損
印字のコントラスト評価は、コニカミノルタ社製の輝度計LS100を用いて測定した。数値の大きいほどコントラストが高く、視認性が高い。本発明では、コントラストが3以上が合格である。
耐熱性の評価は、エスペック社製恒高槽SH−221を用い、各シートを8.5×5.4mmのサイズに裁断した試験片を、85℃、4時間で前記恒高槽内に放置し、試験片の寸法変化を測定した。長手方向の寸法変化が1mm以下を、◎:特に良好とし、寸法変化が2mm以下を、○:合格とし、寸法変化が2mm超を、×:不合格とした。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
実施例、比較例では、以下の原料を使用し、3層マルチダイ方式にて、溶融温度280℃で、各種の多層シートを作製した。そして、各種の多層シートに対し、レーザーマーキングを施した。結果を表1に示す。
(透明樹脂の表層)
PC樹脂:出光興産社製 タフロンA2500 ナチュラル
PC樹脂−a:出光興産社製 タフロンA2500 100重量部に対し、カーボンブラック0.002重量部を添加し、通常の押出機にて造粒した。
PETG樹脂:イーストマンケミカル社製 6763 ナチュラル
PETG樹脂−a:イーストマンケミカル社製 6763 100重量部に対し、雲母0.05重量部を添加し、通常の押出機にて造粒した。
PETG樹脂−b:イーストマンケミカル社製 6763 100重量部に対し、カーボンブラック0.08重量部を添加し、通常の押出機にて造粒した。
PMMA樹脂:三菱レイヨン社製 アクリペットVH ナチュラル
(着色樹脂の内層)
PC樹脂−1:出光興産社製 タフロンA2500 100重量部に対し、カーボンブラック0.002重量部を添加し、白色着色剤の酸化チタン6重量部、硫化亜鉛5重量部を添加し、通常の押出機にて造粒した。
PC樹脂−2:出光興産社製 タフロンA2500 100重量部に対し、白色着色剤の酸化チタン6重量部、硫化亜鉛5重量部を添加し、通常の押出機にて造粒した。
PBT樹脂−1:ウインテックポリマー社製 C7000 100重量部に対し、カーボンブラック0.003重量部、白色着色剤の酸化チタン6重量部、硫化亜鉛5重量部を添加し、通常の押出機にて造粒した。
雲母:メルク社製 イリオジンLS825
カーボンブラック:三菱化学社製 #10、#950
(着色剤)
酸化チタン:石原産業社製 CR60−2
硫化亜鉛:サントリウス社製 HD
Figure 0003889431
(結果)
表1に示された結果から以下のことが明らかである。
実施例1〜5の多層シートでは、透過性、耐熱性のほか、レーザーマーキングした際のコントラスト及び表面層損傷についても良好であった。
一方、比較例1の多層シートでは、表層に雲母、カーボンブラックが含まれておらず、比較例3の多層シートでは、内層にカーボンブラックなどのエネルギー吸収体が含まれておらず、コントラストに劣る。比較例2は、表層/内層/表層の厚み構成比が1:4:1に比して、内層が薄く、耐熱性に劣ることがわかる。
本発明のレーザーマーキング用多層シートは、IDカード、タグカード、クレジットカード、表示板、認証プレート、キャッシュカード、ETCカードなどで広く用いられているプラスチック製多層シートとして有効に利用される。

Claims (4)

  1. 第一の表層/内層/第二の表層からなる多層シートであって、
    (A)透明の熱可塑性樹脂100重量部に対し、雲母及び/又はカーボンブラックを0.0001〜5重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる透明な第一及び第二の表層と、
    (B)熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザー光線を吸収するエネルギー吸収体0.001〜3重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる内層とから形成され、
    前記第一の表層/内層/第二の表層のシートの厚み構成比が1:4:1〜1:10:1であり、
    前記第一の表層/内層/第二の表層を、溶融共押し出しにて形成してなるレーザーマーキング用多層シート。
  2. 前記エネルギー吸収体が、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、炭酸塩および金属ケイ酸塩の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のレーザーマーキング用多層シート。
  3. 前記カーボンブラックの平均粒径が13〜75nmである請求項1又は2記載のレーザーマーキング用多層シート。
  4. 前記カーボンブラックのジブチルフタレート(DBT)吸油量が60〜120ml/100grである請求項1又は2記載のレーザーマーキング用多層シート。
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