JP3889374B2 - 磁気ヘッド装置および前記磁気ヘッド装置を用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置および前記磁気ヘッド装置を用いた磁気ディスク装置 Download PDF

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    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
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    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスクへの記録用及び/または再生用の磁気素子を備えた磁気ヘッドスライダを有する磁気ヘッド装置及びそれを用いた磁気ディスク装置に係わり、特に前記磁気ヘッドスライダが前記磁気ディスク上から浮上する際と、浮上後におけるピッチ角の差を大きくできるとともに、気圧変化による前記ピッチ角の変動を低減でき、磁気素子の損傷の防止、及び磁気ヘッドスライダの浮上姿勢の安定化を図ることが可能な磁気ヘッド装置及びそれを用いた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図21は、以下に示す特許文献1に記載の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を模式図的に示した平面図、図22は、以下に示す特許文献2に記載の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を模式図的に示した平面図、図23は、以下に示す特許文献3に記載の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を模式図的に示した平面図である。
【0003】
図21において、磁気ヘッドスライダM1のディスク対向面には、ステップ面A、正圧発生面B、及び凹溝Cが形成される。前記ステップ面A及び正圧発生面Bは前記凹溝Cよりも高い高さで形成され、且つ前記正圧発生面Bは前記ステップ面Aよりも高い高さで形成される。前記ステップ面Aは、磁気ヘッドスライダM1のリーディング側端面Sl側に広く大きな面積で形成され、前記正圧発生面Bが、前記ステップ面Aよりもトレーリング側端面St側に形成される。前記正圧発生面Bは幅方向(図示X方向)で二分割され、前記正圧発生面B,B間には、前記正圧発生面Bよりもリーディング側に位置するステップ面Aから一体となって形成されたステップ面A1が延びている。
【0004】
前記凹溝Cは前記正圧発生面B及びステップ面Aよりもトレーリング側端面St側に形成されている。
【0005】
図21に示すように、前記磁気ヘッドスライダM1のトレーリング側端面St側には磁気ディスクに対して磁気記録を行ない、及び/または磁気ディスクに記録された磁気信号を再生するための磁気素子が設けられ、前記磁気素子はディスク対向面上に露出している。前記磁気素子が設けられている磁気素子形成面Eは、前記正圧発生面Bと同じ高さである。
【0006】
図22の磁気ヘッドスライダM2では、図21と異なって、リーディング側端面Sl側に位置する正圧発生面Bが幅方向(図示X方向)に長く延びており、図21のように二分割されていない。図22に示すように、前記正圧発生面Bよりもトレーリング側端面St側には幅方向(図示X方向)に離れて二つの正圧発生面B1,B1が形成され、この正圧発生面B1と正圧発生面Bとが、前記ステップ面Aと同じ高さで形成された連結面A2,A2によって長手方向(図示Y方向)で繋がっている。
【0007】
図23に示す磁気ヘッドスライダM3では、図22と異なって、磁気素子形成面Eが幅方向(図示X方向)に長く延びて形成されており、前記凹溝Cが前記正圧発生面Bと磁気素子形成面E間に完全に挟まれた状態になっている。
【0008】
図21ないし図23に示すいずれの磁気ヘッドスライダM1,M2,M3も磁気ディスクが回転すると、空気流がリーディング側端面Slからステップ面A下を通り、正圧発生面Bとの間で空気が圧縮されることで正圧が発生し、磁気ヘッドスライダのリーディング側端面Sl側がトレーリング側端面St側に比べて磁気ディスク上から上方に持ち上がる。さらに磁気ディスクの回転速度が速くなると、前記磁気ヘッドスライダが磁気ディスク面上から浮上し、浮上状態では、主に正圧発生面Bで発生する正圧と、凹溝Cで発生する負圧とのバランスによって、前記磁気ヘッドスライダの磁気素子が磁気ディスク面に近づく傾斜姿勢を保ち、その傾斜姿勢の状態で前記磁気ディスクに対して記録及び/または再生が行われる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001―283549号公報
【特許文献2】
特開平9―153210号公報
【特許文献3】
特開2002―230732号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで図21ないし図23に示す磁気ヘッドスライダM1,M2,M3にはそれぞれ以下のような問題点がある。
【0011】
図21に示す磁気ヘッドスライダM1では、正圧発生面Bが幅方向に二分割され、その間にステップ面A1が形成されている。従って磁気ヘッドスライダM1が磁気ディスク面から浮上する際には、空気流がリーディング側端面Sl側のステップ面A上から前記正圧発生面B,B間のステップ面A1上に向けて流れやすくなり、極端に大きな正圧は発生しにくい構造である。
【0012】
このため磁気ヘッドスライダM1が磁気ディスク面から浮上する際に、前記磁気ヘッドスライダM1のリーディング側端面Slが急激に磁気ディスク面から持ち上がることはないと考えられるが、面積比率が小さい正圧発生面Bでは、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク上に浮上した後も、正圧発生面B,Bで発生する正圧は高くなりにくいと考えられ、トレーリング側端面Stがリーディング側端面Slに比べて、より磁気ディスク面方向に下がる浮上姿勢をとりにくく、トレーリング側端面Sl側に設けられた磁気素子と磁気ディスク間の距離を効果的に短くすることができないものと考えられる。よってスペーシングロスが大きくなり高記録密度化に適切に対応可能な磁気ヘッド装置を提供できない。
【0013】
図22に示す磁気ヘッドスライダM2では、正圧発生面Bがニ分割されることなく幅方向(図示X方向)に長く延びて形成されているため、磁気ヘッドスライダM2が磁気ディスク面上から浮上する際には、ステップ面Aと正圧発生面Bとの間での正圧が大きくなり、図21に示す磁気ヘッドスライダM2に比べてリーディング側端面Slが磁気ディスク面上から持ち上がりやすくなっている。
【0014】
しかし後述する実験で示すように、前記ステップ面Aの面積比等を適切に規制しないと、浮上時における前記正圧が大きくなりすぎて、磁気ヘッドスライダM2が磁気ディスク面から浮上する際に前記トレーリング側端面St側に設けられた磁気素子が磁気ディスク面に接触し、前記磁気素子に損傷を与えることがわかった。
【0015】
図23に示す磁気ヘッドスライダM3では、ステップ面Aの面積が正圧発生面Bの面積に比べて極端に大きく、後述する実験では、図23に示す磁気ヘッドスライダM3の形態では、前記ステップ面Aと正圧発生面B間で発生する正圧が大きくなりすぎて、前記磁気ヘッドスライダM3が磁気ディスク面上から浮上する際に、磁気ヘッドスライダM3のリーディング側端面Slが持ち上がりすぎて前記トレーリング側端面St側に設けられた磁気素子が前記磁気ディスク面に接触しやすくなる。
【0016】
すなわち磁気ヘッドスライダは、磁気ディスク面から浮上する際には、前記磁気素子が前記磁気ディスク面に接触しない程度に、トレーリング側端面Slが磁気ディスク面から持ち上がるとともに、ディスク回転が高速になり磁気ヘッドスライダが完全に磁気ディスク面上から浮上した後は、磁気素子が設けられているトレーリング側端面Stがリーディング側端面Slよりもより下方に傾いて、前記磁気素子が磁気ディスク面に近づく浮上姿勢を取り、前記磁気素子と磁気ディスク面間の距離(スペーシング)が小さくなることが好ましい。
【0017】
磁気ヘッドスライダが浮上した後に上記した好ましい浮上姿勢を保つには、トレーリング側端面St側におけるディスク対向面の形状も重要で、例えば図23のようにトレーリング側端面St側に非常に大きい面積の磁気素子形成面Eがあり、凹溝Cが正圧発生面Bと磁気素子形成面E間に挟まれた形態では、前記磁気素子形成面Eで発生する正圧が強くなりすぎて、磁気ヘッドスライダS3が浮上した後、前記磁気素子形成面Eで発生する正圧によってトレーリング側端面St側も磁気ディスク面から離れるように持ち上がりやすく、この結果、磁気素子を効果的に磁気ディスク面に近づけることができないものと考えられる。
【0018】
また磁気ヘッドスライダは、浮上後、気圧変化(空気流の変動)によっても傾きが大きく変わらない方が磁気素子と磁気ディスク面間の距離の変動を小さく抑えることができ、安定した記録特性及び再生特性を維持することが可能である。
【0019】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に前記磁気ヘッドスライダが前記磁気ディスク上から浮上する際と、浮上後におけるピッチ角の差を大きくできるとともに、気圧変化による前記ピッチ角の変動を低減でき、磁気素子の損傷の防止、及び磁気ヘッドスライダの浮上姿勢の安定化を図ることが可能な磁気ヘッド装置及びそれを用いた磁気ディスク装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレーリング側端面に記録用あるいは再生用又は記録用及び再生用の磁気素子が設けられた磁気ヘッドスライダと、前記磁気ヘッドスライダをディスク対向面の逆面側から弾性支持する支持部材とが設けられてなる磁気ヘッド装置において、
前記磁気スライダは前記支持部材に設けられた揺動支点を中心として、ピッチ方向に揺動可能に弾性支持され、
前記磁気ヘッドスライダのディスク対向面に、前記揺動支点と前記スライダの厚み方向で対向する仮想点上から前記トレーリング側端面と平行な方向に仮想線1を引いたとき、前記磁気ヘッドのリーディング側端面から前記仮想線1までの前端領域内には、前記リーディング側端面から前記トレーリング側端面方向に向けて、ステップ面、正圧発生面、及び凹溝がこの順番に形成され、前記ステップ面及び正圧発生面は、前記凹溝よりもディスク面方向に突出し、且つ前記正圧発生面は前記ステップ面よりもディスク面方向に突出しており、
前記前端領域全体の面積をS、前記正圧発生面のリーディング側縁部よりも前記リーディング側端面側に位置する、前記前端領域内での前記ステップ面の面積をS1、前記前端領域内での前記正圧発生面の面積をS2、前記ディスク対向面に前記仮想点上から前記磁気ヘッドスライダの長手方向に向けて仮想線2を引き、磁気ヘッドスライダ全体の長手方向の長さ寸法をL、前記仮想線2上に乗る前記ステップ面の長さ寸法をL1、前記仮想線2上に乗る前記正圧発生面の長さ寸法をL2、L1+L2をL3としたとき、
S1/Sが、0.180〜0.232の範囲内であり、S1/S2が、0.30〜0.47の範囲内であり、
L1/Lが、0.0240〜0.065の範囲内であり、L1/L3が、0.07〜0.250の範囲内であり、L2/L3が0.8〜0.935の範囲内であることを特徴とするものである。
【0021】
上記の面積比率の範囲内とすることで、後述する実験結果によれば、磁気ディスクの高速回転(実験では回転数を7200rpmとした)時における浮上状態の磁気ヘッドスライダのピッチ角(例えば、図9に示すように磁気ヘッドスライダのディスク対向面側から所定の手法で引かれた仮想線5と磁気ディスクD面との成す角度を意味する。以下におけるピッチ角は、特に断わらない限り全て上記手法で定義される)と、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク面から浮上する際(実験では、磁気ヘッドスライダが浮上する際の磁気ディスクの回転数を2000rpmとした)におけるピッチ角との差をより大きくできる。すなわち磁気ヘッドスライダが磁気ディスク面から浮上する際には、前記ピッチ角を小さくでき磁気素子が磁気ディスク面に接触するのを抑制できるとともに、浮上後は、前記磁気ヘッドスライダのピッチ角を大きくでき、磁気素子と磁気ディスク面間の距離(スペーシング)を小さくでき、高記録密度化を促進させることができる。また上記した面積範囲内であれば、平地(sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダの前記ピッチ角と、高地(実験では10kfeetとした)の気圧下での磁気ヘッドスライダの前記ピッチ角との差をより小さくできる。すなわち気圧変化によっても前記磁気ヘッドスライダのピッチ角の変動を抑制でき、前記磁気素子と磁気ディスク面間の距離(スペーシング)の変動を最小限に抑え、安定した記録特性及び再生特性を得ることが可能である。
【0022】
また本発明では、前記ディスク対向面の前記仮想線1から前記トレーリング側端面までの後端領域には、前記前端領域に形成された凹溝と連続して形成された凹溝が形成されており、前記前端領域側に形成された前記凹溝は少なくとも一部が前記トレーリング側端面にまで通じて形成されていることが好ましい。
【0024】
後述する実験結果では、上記した面積比率とともにL1/Lの長さ寸法の比率も上記範囲内にすることで、より効果的に、浮上する際と浮上後の磁気ヘッドスライダのピッチ角の差をより大きくでき、且つ気圧変化に対する磁気ヘッドスライダのピッチ角の変動をより小さくすることができる。
【0025】
また本発明では、前記ディスク対向面には、前記正圧発生面よりもディスク面方向に突出する凸状突起部が少なくとも一つ以上設けられていることが好ましい。
【0026】
また前記凸状突起部の少なくとも一つは、前記仮想線1から前記トレーリング側端面までの後端領域内に設けられることが好ましい。前記凸状突起部の形成は、前記磁気素子が磁気ディスク面に接触するのを効果的に防止できる。
【0027】
また本発明は、前記凸状突起部が設けられた上記記載の磁気ヘッド装置と、前記磁気ヘッドスライダのディスク対向面と対向する側に磁気ディスクが設けられた磁気ディスク装置において、
前記磁気ヘッドスライダが前記磁気ディスク上から浮上する際の、前記磁気ヘッドスライダとディスク面との成すピッチ角θ1は、前記磁気素子と前記凸状突起部とが磁気ディスク上に接触したと仮定した場合の、前記支持面とディスク面との成すピッチ角θxよりも小さいことを特徴とするものである。
【0028】
上記の関係を満たせば、前記磁気ヘッドスライダが磁気ディスク面上から浮上する際に磁気素子が前記磁気ディスク面に接触するのを抑制することができる。
【0029】
ところで本発明ではS1/SとS1/S2の面積の比率を上記範囲内に設定することで、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク面上から浮上する際のピッチ角θ1を小さくできる。
【0030】
実験によれば、前記ピッチ角θxを、210μrad以上とすれば、前記ピッチ角θxは磁気ディスクの回転数が2000rpm時における磁気ヘッドスライダのピッチ角θ1よりも大きくなり、磁気ヘッドスライダの浮上時における磁気素子の磁気ディスク面への衝突を防止できる。
【0031】
本発明では、磁気ディスクの回転数が2000rpm時における磁気ヘッドスライダのピッチ角θ1を効果的に小さくできるから、ピッチ角θxを設定する際の凸状突起部の高さや形成位置などの数値範囲を広範囲にでき、浮上時において磁気素子が磁気ディスク面に接触しない磁気ヘッドスライダを高い自由度で形成することが可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の磁気ヘッドスライダ1の斜視図である。図1の磁気ヘッドスライダ1は、ディスク対向面2を上向きにして示した斜視図である。
【0033】
図2は図1に示す磁気ヘッドスライダ1をディスク対向面2側から見た平面図である。
【0034】
図1及び図2に示す磁気ヘッドスライダ1は、磁気ヘッド装置Hの一部を構成する。前記磁気ヘッドスライダ1は、例えば図10に示すように、前記磁気ヘッドスライダ1をディスク対向面2の逆面側から弾性支持する支持部材3に取り付けられる。前記支持部材3は板ばねのロードビーム4と、その先部に設けられた薄い板ばねのフレキシャ(弾性支持部材)5とを有して構成される。
【0035】
前記磁気ヘッド装置Hは、磁気ディスク装置内に搭載され、前記磁気ディスク装置内に設けられた磁気ディスクDに磁気信号を記録したり、あるいは前記磁気ディスクDに記録された磁気信号を再生する機能を有している。
【0036】
図5は、前記磁気ディスク装置内に設けられた磁気ディスクD上に前記磁気ヘッド装置Hを構成する磁気ヘッドスライダ1が停止している状態を示している。後述するように図5に示す停止状態から磁気ディスクDが回転することによって前記磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上に浮上し、上記した記録・再生が行われる。
【0037】
図5に示すように、前記フレキシャ5の下面には磁気ヘッドスライダ1がディスク対向面2の逆面側から接着固定されている。図5に示すように前記フレキシャ5には、例えば図示上方向に突き出した球面状のピボットPが形成されており、このピボットPの先端がロードビーム3に当接している。
【0038】
図5の状態では前記磁気ヘッドスライダ1は、支持部材3により磁気ディスクDの記録面に対して弱い弾性力で付勢されている。磁気ディスクDが回転し始めると空気流を受けることで前記ピボットPを揺動支点として、前記磁気ヘッドスライダ1のリーディング側端面Slが上方に持ち上がる。前記磁気ヘッドスライダ1は磁気ディスクD上に浮上すると、磁気ディスク面のうねりに追従するように前記ピボットPを揺動支点としてピッチ方向に揺動する。
【0039】
図2には、ディスク対向面2側から見た前記ピボットPの位置が「仮想点」として×印で示されている。前記仮想点は、ピボットPの頂点位置と磁気ヘッドスライダ1の厚み方向で対向する位置関係にある。
【0040】
図2に示すように磁気ヘッドスライダ1の図示左側の端面は「リーディング側端面Sl」と呼ばれ、図示右側の端面は「トレーリング側端面St」と呼ばれている。
【0041】
図3は、前記仮想点上から磁気ヘッドスライダ1のリーディング側端面Sl(あるいはトレーリング側端面St)と平行な方向(図示X方向)に仮想線1を引いたとき、前記磁気ヘッドスライダ1のリーディング側端面Slから前記仮想線1までの前端領域6を示した部分平面図である。
【0042】
図1及び図2に示す磁気ヘッドスライダ1は、例えばアルミナチタンカーバイトなどで形成されている。
【0043】
図1及び図2に示すように、前記磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2には、リーディング側端面Slからトレーリング側端面St方向に向けて、ステップ面11、正圧発生面12、及び凹溝13がこの順番で形成されている。図3に示す磁気ヘッドスライダ1の前端領域6だけに着目しても、上記の各面は前端領域6内に現れている。
【0044】
図1に示すようにリーディング側端面Sl側に形成されているステップ面11は、その高さが正圧発生面12よりも低く且つ凹溝13よりも高く形成される。すなわち前記ステップ面11の高さは前記正圧発生面12と凹溝13の間の高さである。図1に示すように、前記ステップ面11は、リーディング側端面Slの幅方向(図示X方向)全体に広がるとともに、幅方向(図示X方向)の中央部分での長さ寸法L1(図示Y方向への長さ)が、その両側部分の長さ寸法よりも短くなるようにトレーリング側端面St方向に向けて所定形状に画定され、前記ステップ面11のトレーリング側縁部11aから段差を介して一段高くなった正圧発生面12が形成されている。
【0045】
前記正圧発生面12には幅方向(図示X方向)の両側からトレーリング側端面St方向に延びる2本の腕部12a,12aが形成されている。前記正圧発生面12のトレーリング側縁部12bからトレーリング側端面St方向に向けて前記ステップ面11の高さよりもさらに低い高さ寸法を有する凹溝13が形成されている。
【0046】
例えば前記ステップ面11の高さ寸法は、凹溝13上から1.0μm〜2.5μmの高さ寸法、正圧発生面12の高さ寸法は、凹溝13上から1.1μm〜2.7μmの高さ寸法で形成される。
【0047】
図2に示すように前記凹溝13は前記仮想線1からトレーリング側端面Stまでの後端領域7上の大部分を占めるように形成される。
【0048】
図2に示すように前記後端領域7のトレーリング側端面St寄りには、磁気素子形成面14が前記凹溝13上から突出形成され、前記磁気素子形成面14上に磁気素子のディスク対向面が配置されている。
【0049】
前記磁気素子形成面14は、前記ステップ面11と同じ高さのトレーリング側ステップ面14aと、前記トレーリング側ステップ面14aから、前記正圧発生面12と同じ高さのトレーリング側正圧面14bが突出形成される。前記トレーリング側正圧面14b上からは突出する突起部14cが設けられ、前記突起部14cよりもトレーリング側に位置する前記トレーリング側正圧面14b上に前記磁気素子のディスク対向面が配置されている。
【0050】
前記磁気素子は、例えば磁気抵抗効果を利用したスピンバルブ型薄膜素子に代表される再生用のMR素子と、記録用のインダクティブ素子との複合素子であるか、あるいはMR素子及びインダクティブ素子の一方のみで構成されたものである。
【0051】
図2に示すように、前記磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2の後端領域7にはその幅方向の両側に前記凹溝13上から突出するサイド面15,16が形成される。前記サイド面15,16は、前記ステップ面11と同じ高さのサイドステップ面15a,16aと、前記正圧発生面12と同じ高さのサイド正圧面15b,16bとで構成される。
【0052】
図1及び図2に示すように、前記凹溝13からは4つの凸状突起部17が形成されている。これら凸状突起部17の高さは、前記正圧発生面12よりも高い高さ寸法で形成される。
【0053】
前記凸状突起部17のうちリーディング側寄りの2つの凸状突起部17は、ちょうど仮想線1上に位置し、前記仮想点から幅方向(図示X方向)に等間隔で形成される。また前記凸状突起部17のうちトレーリング側寄りの2つの凸状突起部17は、前記後端領域7上にあり、前記仮想点上に長手方向(Y方向)に仮想線2を引いたとき、その仮想線2から幅方向(図示X方向)に等間隔となるように位置している。
【0054】
ただし前記凸状突起部17の形成位置は上記に限るものではない。図1及び図2に示すように、前記正圧発生面12上からも2つの凸状突起部18が形成され、また前記ステップ面11上からも2つの凸状突起部19が形成される。
【0055】
これら凸状突起部17,18及び19と、既に説明した磁気素子形成面14に形成された突起部14cとは全て同じ高さであるか、前記突起部14cの高さは凸状突起部よりも低くされる。
【0056】
前記凸状突起部17,,18,19は図2のように上から見た平面形状は円形状であるがこの形状に限るものではない。
【0057】
以下、本発明の特徴的部分について説明する。
図3に示すように磁気ヘッドスライダ1の前端領域6内には、前記リーディング側端面Slから前記トレーリング側端面St方向に向けて、ステップ面11、正圧発生面12及び凹溝13がこの順番で形成されている。
【0058】
ここで前記前端領域6全体の面積をS、前記前端領域6内における前記正圧発生面12のリーディング側縁部12cよりも前記リーディング側端面Sl側に位置するステップ面11の面積をS1(図3にはS1の面積領域が斜線で示されている)、前記前端領域6内における前記正圧発生面12の面積をS2(図3にはS2の面積領域がクロスする斜線で示されている)としたとき、S1/Sが、0.180〜0.232の範囲内であり、且つ前記S1/S2が0.30〜0.47の範囲内で形成されている。
【0059】
上記面積比率の範囲内とすることで、以下の効果を期待できる。図5は既に説明した通り、磁気ヘッド装置Hを構成する磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上で停止している状態である。前記磁気ディスクDが矢印方向に回転し始めると、空気流が磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2の下をリーディング側端面Slからトレーリング側端面Stにかけて流れる。
【0060】
前記空気流がリーディング側端面Slから図2に示すステップ面11に流入し、さらに前記正圧発生面12のリーディング側縁部12cにぶつかると空気は圧縮されて正圧が発生する。このため前記磁気ヘッドスライダ1は図6に示すようにピボットPを揺動支点としてリーディング側端面Slが磁気ディスクD上から上方に持ち上がる。
【0061】
このとき、ピッチ角は通常、後述する図9に示す手法を用いて定義されるが、図6ないし図8ではピッチ角をわかりやすくするために前記ピッチ角は、前記磁気ディスクDの上面と、前記磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2と逆面側の支持面との成す角度で定義されている。ただし、「磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2と逆面側の支持面」と、磁気ディスクD上面間の成す角度でピッチ角を定義する場合には、前記磁気ヘッドスライダの前記支持面が図9に示す仮想線5と平行でなければならないことに注意されたい。図6ないし図8では前記支持面が全て前記仮想線5と平行な関係にある。なお図9については後で詳述する。
【0062】
図6は、ちょうど前記磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上から浮上する瞬間である。この浮上する瞬間において、前記ピッチ角はθ1であり、このピッチ角θ1であれば、前記磁気ヘッドスライダ1のトレーリング側端面St側に設けられた磁気素子は前記磁気ディスクD上に接触しない状態である。
【0063】
すなわち本発明では、上記した面積比率の範囲内とすることで、前記磁気ヘッドスライダ1が浮上するときの前記ピッチ角θ1を、前記磁気素子が磁気ディスクDに接触するために必要なピッチ角よりも小さくすることが可能なのである。
【0064】
図8は仮に磁気素子が前記磁気ディスクD上に接触したと仮定した場合の磁気ヘッドスライダ1のピッチ角θxである。図8は、前記磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2に形成されたトレーリング側端面St側寄りの凸状突起部17と磁気素子とが磁気ディスクD上に当接した状態であり、このときのピッチ角はθxである。図6に示す前記ピッチ角θ1は図8に示すピッチ角θxよりも小さい。
【0065】
本発明では図6のように磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上から浮上する際には磁気素子が磁気ディスクD上に接触しない程度の小さいピッチ角θ1で傾くが、図7(図7では支持体3は図面上削除され、磁気ヘッドスライダ1と磁気ディスクDとの関係のみが示されている)のように前記磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上に浮上し、磁気ディスクDがさらに高速回転すると、前記磁気ヘッドスライダ1のリーディング側端面Slがより上方に持ち上がるとともにトレーリング側端面Stがより下方に下がる、大きなピッチ角θ2を有する浮上姿勢となり、前記磁気ヘッドスライダ1のトレーリング側端面St側に形成された磁気素子が、効果的に前記磁気ディスクD上に近づき、スペーシングの狭小化を促進させることができる。
【0066】
このように本発明では、磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上から浮上するとき(浮上する瞬間)のピッチ角θ1を前記磁気ヘッドスライダ1の磁気素子が磁気ディスクD上に接触したと仮定した場合のピッチ角θxよりも小さくすることが可能なのであり、さらに磁気ヘッドスライダ1が浮上した後は、より大きなピッチ角θ2を取ることができ、すなわちピッチ角の差(θ2―θ1)を大きくすることが可能になっている。
【0067】
また本発明では、上記した面積比率の範囲内で規制することで、平地(海抜0m、sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダ1のピッチ角と、高地(例えば高さ10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダ1のピッチ角との差をより小さくすることが可能になっている。すなわち気圧変化によって大きくピッチ角が変動することを抑制でき、安定した浮上姿勢を維持できることが後述のシミュレーション実験で証明されている。
【0068】
よって磁気ディスクD上における空気流の変動によっても、安定した浮上姿勢を維持でき、前記磁気素子と磁気ディスクD間の距離(スペーシング)の変動を小さくでき安定した記録特性及び再生特性を実現できる。
【0069】
ところで磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上に浮上した後、図7のようにリーディング側端面Slがより上方に持ち上げられ、トレーリング側端面Stがより下方に下がる大きなピッチ角θ2を有するようにするには、前記磁気ヘッドスライダ1の前端領域6に占める正圧発生面12やステップ面11の面積比率の関係のみならず、後端領域7に示す凹溝13の面積比率及び形状も重要な要素であると考えられる。
【0070】
空気流は凹溝13の少なくとも一部の領域では磁気ヘッドスライダ1を下方に(磁気ディスクD側)に押し下げる負圧を発生する。従って前記凹溝13は前端領域6より後端領域7に大きく形成されていると、磁気ヘッドスライダ1のトレーリング側端面Stが下方に傾きやすくなり前記ピッチ角θ2が大きくなる。また前記凹溝13は図1及び図2に示すように、磁気素子形成面14の幅方向(図示X方向)の両側まで前記正圧発生面12のトレーリング側縁部12bから連続して形成され、磁気素子形成面14の幅方向(図示X方向)の両側に位置する前記凹溝13が前記トレーリング側端面Stにまで通じて形成されていることが好ましい。これによって前記磁気ヘッドスライダ1の後端領域7で強い正圧が発生しにくくなり、磁気ヘッドスライダ1のトレーリング側端面Stを下方に傾かせやすく図7に示すピッチ角θ2を大きくすることが可能である。
【0071】
なお前記ピッチ角θ2は、図8に示す前記ピッチ角θx以上の大きさであることが、よりスペーシングロスを低減できる上で好ましい。また磁気ヘッドスライダ1が図7の状態で、凸状突起部17が磁気ディスクD上を摺動したり、あるいは磁気ディスクD上に間欠的に接触することを抑制できるため、磁気ディスクD面を傷つけることがなく、また前記磁気ヘッドスライダ1の浮上姿勢の安定化を図ることが可能になる。
【0072】
また前記凹溝13は前記後端領域7で80%以下の面積比率を有することが好ましい。
【0073】
また後述するシミュレーション実験結果によれば、図2に示す磁気ヘッドスライダ1全体の長手方向(図示Y方向)の長さ寸法をL、前記仮想点上から長手方向に向けて引いた仮想線2上に乗る前記ステップ面11の長さ寸法をL1としたとき、L1/Lは0.0240〜0.065の範囲内であることが好ましい。
【0074】
上記した面積比率(S1/S及びS1/S2)とともに長さ寸法の比率(L1/L)を上記範囲内に設定することで、図6に示す磁気ヘッドスライダ1が浮上する際と図7に示す浮上後のピッチ角の差をより効果的に大きくできるとともに、気圧変化によるピッチ角の変動を小さく抑えることが可能である。
【0075】
また図2に示すように、前記仮想線2上に乗る正圧発生面12の長さ寸法をL2、前記L1+L2をL3としたとき、L1/L3を0.070〜0.250、L2/L3を0.8〜0.935の範囲内とすることで、さらに効果的に図6に示す磁気ヘッドスライダ1が浮上する際と図7に示す浮上後のピッチ角の差をより効果的に大きくできるとともに、気圧変化によるピッチ角の変動を小さく抑えることが可能である。
【0076】
また本発明では図1及び図2に示すように、磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2には正圧発生面12よりも高い高さ寸法で形成された凸状突起部17,18,19、及び突起部14cが形成されているが、これら凸状突起部17,18,19及び突起部24cは、磁気ヘッドスライダ1が傾いてもトレーリング側端面St側に形成された磁気素子が磁気ディスクDに接触するのを抑制するために設けられたものである。そしてより好ましく前記磁気素子が前記磁気ディスクDに接触するのを防ぐには、前記凸状突起部の少なくとも一つが前記後端領域7内に形成されることである。
【0077】
また上記したように本発明では、磁気ヘッドスライダ1が浮上する際のピッチ角θ1は、図8のように磁気素子と少なくとも一つの凸状突起部17とが磁気ディスクD上に接触したと仮定した場合のピッチ角θxよりも小さくなり、これによって前記磁気素子が前記磁気ディスクD上に接触するのを防止できると説明したが、前記ピッチ角θxは当然、凸状突起部の高さ寸法や形成位置、前記ディスク対向面2に形成されたクラウン形状などによって変動する値である。
【0078】
図3などを用いて説明した面積比率における実験結果では、その面積比率内において磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上から浮上する際(磁気ディスクの回転速度は2000rpm)のピッチ角は175μrad〜206μradであったことから、前記ピッチ角θxは210μrad以上の大きい角度となるように、前記凸状突起部の形成位置や高さ寸法等を規制すれば、磁気ヘッドスライダ1の浮上時において前記磁気素子が前記磁気ディスクD上に接触するのを防止することが可能である。
【0079】
本発明では、磁気ディスクの回転数が2000rpm時における磁気ヘッドスライダのピッチ角θ1を175μrad〜206μrad程度に効果的に小さくできるから、ピッチ角θxを設定する際の凸状突起部の高さや形成位置などの数値範囲を広範囲にでき、浮上時において磁気素子が磁気ディスク面に接触しない磁気ヘッドスライダを高い自由度で形成することが可能になる。
【0080】
なお本発明では磁気ヘッドスライダ1のディスク対向面2の形状は図1及び図2に示す形状に限定されるものではない。上記したように、前端領域7にリーディング側端面Slからトレーリング側端面St方向にかけてステップ面11、正圧発生面12及び凹溝13の順番に各面が形成され、S1/Sの面積比率及びS1/S2の面積比率が上記した寸法範囲内に入れば足りる。
【0081】
例えば図4(本発明における別の実施形態の磁気ヘッドスライダをディスク対向面側から見た平面図)に示す磁気ヘッドスライダのように、前端領域6に形成された正圧発生面20,21が幅方向に二分割され、前記正圧発生面20,21間に前記正圧発生面20,21よりもリーディング側に形成されたステップ面22と一体のステップ面22aが介在していてもよい。
【0082】
かかる場合、ステップ面22の面積S1は、前記正圧発生面20,21のリーディング側縁部20a,21aよりもリーディング側端面Sl側に位置する、図面上斜線で示した部分で規制され、前記正圧発生面20,21間のステップ面20aおよび前記ステップ面20aにリーディング側端面Sl側から通じるステップ面22の部分は面積S1として含まれないことに注意されたい。
【0083】
最後にピッチ角の定義について図9を参照して説明する。図9では磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスクD上に浮上した状態を示している。
【0084】
図9に示す磁気ヘッドスライダ1の正圧発生面は湾曲したいわゆるクラウン形状である。図9は例えば磁気ヘッドスライダ1を厚み方向から切断した断面形状である(ここでは便宜上断面としただけで、実際の測定で磁気ヘッドスライダを切断しなくてもよい。当然、磁気ヘッドスライダの側面から下記のピッチ角を測定することは可能である)。
【0085】
図9の断面に現れる前記正圧発生面の曲率を基にして、前記正圧発生面から近似的に断面と平行な面内に二次曲線を外方に延長して引き、その延長された二次曲線を仮想線3とする。
【0086】
次に、図9の断面に現れる前記磁気ヘッドスライダ1のトレーリング側端面St及びリーディング側端面Slから、前記断面と平行な方向に仮想線4を前記磁気ディスクD方向に向けて引き伸ばし、前記仮想線3と仮想線4とが交わる交点1及び交点2を直線で結んだ仮想線5と、磁気ディスクDが成す角度をピッチ角θ2として定義する。
【0087】
なおピッチ角θ2を上記した方法で定義した場合は、当然にピッチ角θ1及びピッチ角θxも上記と同じ方法で定義しなければならない。
【0088】
【実施例】
本発明では図11に示す磁気ヘッドスライダ30を用いて以下のシミュレーション実験を行った。図11に示す磁気ヘッドスライダ30はディスク対向面2を上向きにして示した平面図である。図1及び図2に示す磁気ヘッドスライダ1と同じ符号が付けられている面は同じ面を示している。
【0089】
図11に示す磁気ヘッドスライダ30と図2に示す磁気ヘッドスライダ1は非常に良く似ている。特に仮想点上から幅方向(図示X方向)に引いた仮想線1とリーディング側端面Sl間の前端領域6に形成されたステップ面11,正圧発生面12及び凹溝13の形状は図2と図11とで同じである。
【0090】
そして前記前端領域6全体の面積Sに対する、前記前端領域6内におけるステップ面11の面積S1の面積比率(以下、S1/Sと表現する)、あるいは前記前端領域6内での正圧発生面12の面積S2に対するステップ面11の面積S1の面積比率(以下、S1/S2と表現する)と、磁気ヘッドスライダ30が磁気ディスク上に浮上する際と浮上後におけるピッチ角の差及び気圧変化に対するピッチ角の差についてシミュレーション実験を行った。
【0091】
実験では、図11に示す前記磁気ヘッドスライダ30のリーディング側端面Slからトレーリング側端面Stまでの長さ寸法Lを1.241mm、幅寸法Tを1.000mmに固定した。
【0092】
そして実験に使用した磁気ヘッドスライダ30のS、S1及びS2を、長さL1(図11に示す仮想点上から長手方向に仮想線2を引き、その仮想線2上に乗るステップ面11の長さ)及びL2(仮想線2上に乗る正圧発生面12の長さ)を変動させて、種々異なる値となった7種類の磁気ヘッドスライダを得た。
【0093】
【表1】
Figure 0003889374
【0094】
なおシミュレーション実験では磁気ディスクの回転数を7200rpmまで上げるが、どの実験結果においても回転数が7200rpmのときに、磁気素子と磁気ディスクD間の距離(スペーシング)が10nmとなり、且つピッチ角が280μradとなるように支持体3の弾性力値等の諸条件を変動させてシミュレーションを行っている。
【0095】
まず磁気ディスクを回転させ、磁気ディスクの回転数が2000rpmで磁気ヘッドスライダが浮上したと仮定したときの前記磁気ヘッドスライダ30のピッチ角と、さらに磁気ディスクの回転数を7200rpmまで上げ、この7200rpmの高速回転時の、前記磁気ヘッドスライダ30のピッチ角との差を、面積比率S1/Sの関係から求めた。
【0096】
また磁気ディスクの回転数が7200rpmのときに、平地(0m、sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダ30のピッチ角と、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダ30のピッチ角との差を面積比率S1/Sの関係から求めた。
【0097】
また、上記のシミュレーション実験を面積比率S1/S2の関係からも求めた。
【0098】
図12は、S1/Sの面積比率に対するシミュレーション実験結果である。縦軸におけるピッチ角の差は、磁気ディスクの回転数が2000rpmのときの磁気ヘッドスライダ30のピッチ角から、磁気ディスクの回転数が7200rpmのときの磁気ヘッドスライダ30のピッチ角を引いたピッチ角差を示している。また磁気ディスクの回転数が7200rpmのときに、平地(0m、sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダ30のピッチ角から、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダ30のピッチ角を引いたピッチ角差を示している。
【0099】
図12に示すように、S1/Sの面積比率が0.180〜0.232の範囲内であれば、回転数が7200rpmと回転数が2000rpmのときのピッチ角の差(絶対値)をより大きくできるとともに、平地(sea level)と高地(10kfeet)でのピッチ角の差(絶対値)をより小さくできることがわかった。
【0100】
図13は、図12に示す縦軸を比に直したものであり、図12と同様の結果が得られることがわかった。
【0101】
図14は、S1/S2の面積比率に対するシミュレーション実験結果である。図14に示すように、S1/S2の面積比率が0.30〜0.47の範囲内であれば、磁気ディスクの回転数が7200rpmと回転数が2000rpmのときのピッチ角の差(絶対値)をより大きくできるとともに、平地(sea level)と高地(10kfeet)でのピッチ角の差(絶対値)をより小さくできることがわかった。
【0102】
図15は、図14に示す縦軸を比に直したものであり、図14と同様の結果が得られることがわかった。
【0103】
上記したシミュレーション実験結果から次の点を導き出すことができる。すなわち磁気ヘッドスライダ30の前端領域6に占めるステップ面11の面積はかなり小さいことが好ましく、また前端領域6に占める正圧発生面12はある程度の大きさを有していることが必要であるということである。
【0104】
前記ステップ面11は空気流を正圧発生面12さらには凹溝13方向に導くための導入路となる。しかしリーディング側端面Sl側に占める前記ステップ面11の面積が大きいと磁気ヘッドスライダ30が例えば2000rpmの磁気ディスクDの回転数で浮上する際(浮上する瞬間)に正圧発生面12との間で圧縮される空気量が増し正圧が大きくなる。この結果、磁気ヘッドスライダ30が浮上する際にピッチ角が大きくなり磁気素子が磁気ディスクDに衝突しやすくなる。一方、磁気ヘッドスライダ30が磁気ディスクD上を浮上し、磁気ディスクDが例えば7200rpmまで高速回転したとき、磁気ヘッドスライダ30の前端領域6に占める正圧発生面12の割合が小さいと、正圧が大きく作用せずピッチ角が小さくなりやすい。気圧変化に対しても同様に、ステップ面11及び正圧発生面12の面積の割合は正圧と負圧とのバランスを考えた際に非常に重要なファクターであるものと考えられる。
【0105】
本発明では上記したシミュレーション実験結果を踏まえて、S1/Sを0.180〜0.232の範囲内と規定し、且つS1/S2を0.3〜0.47の範囲内に規定した。
【0106】
次に、L1/Lの長さ比率、L1/L3の長さ比率及びL2/L3の長さ比率に対して、上記のピッチ角差(絶対値)を考察した。
【0107】
図16は、L1/Lの長さ比率に対するシミュレーション実験結果である。図16に示すように、L1/Lの長さ比率が0.024〜0.065の範囲内であれば、磁気ディスクの回転数が7200rpmと回転数が2000rpmのときのピッチ角の差(絶対値)をより大きくできるとともに、平地(sea level)と高地(10kfeet)でのピッチ角の差(絶対値)をより小さくできることがわかった。
【0108】
図17は、図16に示す縦軸を比に直したものであり、図16と同様の結果が得られることがわかった。
【0109】
図18は、L1/L3の長さ比率に対するシミュレーション実験結果である。図18に示すように、L1/L3の長さ比率が0.070〜0.250の範囲内であれば、磁気ディスクの回転数が7200rpmと回転数が2000rpmのときのピッチ角の差(絶対値)をより大きくできるとともに、平地(sea level)と高地(10kfeet)でのピッチ角の差(絶対値)をより小さくできることがわかった。
【0110】
図19は、図18に示す縦軸を比に直したものであり、図18と同様の結果が得られることがわかった。
【0111】
図20は、L2/L3の長さ比率に対するシミュレーション実験結果である。図20に示すように、L2/L3の長さ比率が0.80〜0.935の範囲内であれば、磁気ディスクの回転数が7200rpmと回転数が2000rpmのときのピッチ角の差(絶対値)をより大きくできるとともに、平地(sea level)と高地(10kfeet)でのピッチ角の差(絶対値)をより小さくできることがわかった。
【0112】
以上のように、上記したS1/S及びS1/S2の面積比率に加えて、さらにL1/L、L1/L3及び/L2/L3の長さ比率を上記範囲内に収めることで、より効果的に磁気ディスクの回転数が7200rpmと回転数が2000rpmのときのピッチ角の差(絶対値)を大きくできるとともに、平地(sea level)と高地(10kfeet)でのピッチ角の差(絶対値)をより小さくできることがわかった。
【0113】
上記長さの比率の関係で言えることは、ステップ面11の長さ寸法L1は、磁気ヘッドスライダ30の全長に対してかなり小さいことが好ましく、また正圧発生面12の長さ寸法L2は、前記ステップ面11の長さ寸法L1に対してかなり長く形成されることで上記効果を得られるというこである。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、磁気ヘッドスライダの前端領域に占めるステップ面、正圧発生面の面積を所定範囲内に収めることで、前記磁気ヘッドスライダが磁気ディスク上から浮上する際と、浮上後におけるピッチ角の差を大きくできるとともに、気圧変化による前記ピッチ角の変動を低減でき、磁気素子の損傷の防止、及び磁気ヘッドスライダの浮上姿勢の安定化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにした斜視図、
【図2】図1に示す磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにして示した平面図、
【図3】図2に示すディスク対向面の前端領域のみを示す部分平面図、
【図4】本発明の別の実施形態の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにした平面図、
【図5】本発明の磁気ヘッドスライダが磁気ディスク上で停止している状態を示す磁気ディスク装置の部分側面図、
【図6】本発明の磁気ヘッドスライダが磁気ディスク上から浮上する瞬間の状態を示す磁気ディスク装置の部分側面図、
【図7】本発明の磁気ヘッドスライダが磁気ディスク上から浮上した後の状態を示す磁気ディスク装置の部分側面図、
【図8】磁気ヘッドスライダに設けられた磁気素子が磁気ディスク上に接触したと仮定した場合の状態を示す磁気ディスク装置の部分側面図、
【図9】ピッチ角の定義を説明するための説明図、
【図10】磁気ヘッド装置の部分斜視図、
【図11】実験で使用した磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにして示した部分平面図、
【図12】面積比率(S1/S)と、磁気ディスクの回転数が2000rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角から磁気ディスクの回転数が7200rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差及び、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角から平地(sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差との関係を示すグラフ、
【図13】図12に示すグラフの縦軸を比率にしたときの面積比率(S1/S)との関係を示すグラフ、
【図14】面積比率(S1/S2)と、磁気ディスクの回転数が2000rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角から磁気ディスクの回転数が7200rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差及び、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角から平地(sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差との関係を示すグラフ、
【図15】図14に示すグラフの縦軸を比率にしたときの面積比率(S1/S2)との関係を示すグラフ、
【図16】長さの比率(L1/L)と、磁気ディスクの回転数が2000rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角から磁気ディスクの回転数が7200rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差及び、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角から平地(sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差との関係を示すグラフ、
【図17】図16に示すグラフの縦軸を比率にしたときの長さの比率(L1/L)との関係を示すグラフ、
【図18】長さの比率(L1/L3)と、磁気ディスクの回転数が2000rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角から磁気ディスクの回転数が7200rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差及び、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角から平地(sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差との関係を示すグラフ、
【図19】図18に示すグラフの縦軸を比率にしたときの長さの比率(L1/L3)との関係を示すグラフ、
【図20】長さの比率(L2/L3)と、磁気ディスクの回転数が2000rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角から磁気ディスクの回転数が7200rpmの際の磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差及び、高地(10kfeet)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角から平地(sea level)の気圧下での磁気ヘッドスライダのピッチ角を引いたピッチ角差との関係を示すグラフ、
【図21】従来の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにして示した平面図、
【図22】従来の別の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにして示した平面図、
【図23】従来の別の磁気ヘッドスライダのディスク対向面を上向きにして示した平面図、
【符号の説明】
1 磁気ヘッドスライダ
2 ディスク対向面
6 前端領域
7 後端領域
11、22 ステップ面
12、20、21 正圧発生面
13 凹溝
17、18、19 凸状突起部
Sl リーディング側端面
St トレーリング側端面

Claims (6)

  1. トレーリング側端面に記録用あるいは再生用又は記録用及び再生用の磁気素子が設けられた磁気ヘッドスライダと、前記磁気ヘッドスライダをディスク対向面の逆面側から弾性支持する支持部材とが設けられてなる磁気ヘッド装置において、
    前記磁気スライダは前記支持部材に設けられた揺動支点を中心として、ピッチ方向に揺動可能に弾性支持され、
    前記磁気ヘッドスライダのディスク対向面に、前記揺動支点と前記スライダの厚み方向で対向する仮想点上から前記トレーリング側端面と平行な方向に仮想線1を引いたとき、前記磁気ヘッドのリーディング側端面から前記仮想線1までの前端領域内には、前記リーディング側端面から前記トレーリング側端面方向に向けて、ステップ面、正圧発生面、及び凹溝がこの順番に形成され、前記ステップ面及び正圧発生面は、前記凹溝よりもディスク面方向に突出し、且つ前記正圧発生面は前記ステップ面よりもディスク面方向に突出しており、
    前記前端領域全体の面積をS、前記正圧発生面のリーディング側縁部よりも前記リーディング側端面側に位置する、前記前端領域内での前記ステップ面の面積をS1、前記前端領域内での前記正圧発生面の面積をS2、前記ディスク対向面に前記仮想点上から前記磁気ヘッドスライダの長手方向に向けて仮想線2を引き、磁気ヘッドスライダ全体の長手方向の長さ寸法をL、前記仮想線2上に乗る前記ステップ面の長さ寸法をL1、前記仮想線2上に乗る前記正圧発生面の長さ寸法をL2、L1+L2をL3としたとき、
    S1/Sが、0.180〜0.232の範囲内であり、S1/S2が、0.30〜0.47の範囲内であり、
    L1/Lが、0.0240〜0.065の範囲内であり、L1/L3が、0.07〜0.250の範囲内であり、L2/L3が0.8〜0.935の範囲内であることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 前記ディスク対向面の前記仮想線1から前記トレーリング側端面までの後端領域には、前記前端領域に形成された凹溝と連続して形成された凹溝が形成されており、前記前端領域側に形成された前記凹溝は少なくとも一部が前記トレーリング側端面にまで通じて形成されている請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  3. 前記ディスク対向面には、前記正圧発生面よりもディスク面方向に突出する凸状突起部が少なくとも一つ以上設けられている請求項1又は2に記載の磁気ヘッド装置。
  4. 前記凸状突起部の少なくとも1つは、前記仮想線1から前記トレーリング側端面までの後端領域内に設けられる請求項記載の磁気ヘッド装置。
  5. 請求項またはに記載の磁気ヘッド装置と、前記磁気ヘッドスライダのディスク対向面と対向する側に磁気ディスクが設けられた磁気ディスク装置において、
    前記磁気ヘッドスライダが前記磁気ディスク上から浮上する際の、前記磁気ヘッドスライダと磁気ディスク面との成すピッチ角θ1は、前記磁気素子と前記凸状突起部とが磁気ディスク上に接触したと仮定した場合の、前記支持面とディスク面との成すピッチ角θxよりも小さいことを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 前記ピッチ角θxは、210μrad以上である請求項記載の磁気ディスク装置。
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