JP3888949B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメモリIC等の半導体集積回路において、低消費電力且つ安定に動作する昇圧電源等の電源発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器の普及に伴い、また、省エネルギーという観点から、電池駆動を可能とした低電圧動作、低消費電力のLSIに対する需要が高まってきている。ダイナミックメモリ(DRAM)においては、高速に低電圧動作を実現する技術として常時昇圧方式という技術が開発されている(例えば特開平3 −273594号公報参照)。そして、本出願人は、前記常時昇圧方式において、待機時の消費電力を低減するため、動作時と待機時とで独立2系統の昇圧電源回路を設け、電流供給能力は低いが消費電力が少ない昇圧電源回路で待機時の昇圧電源を供給する方式を特願平5 −280918に提案している。
【0003】
前記提案のもの、即ち動作時と待機時とで独立2系統の昇圧電源回路を設け、電流供給能力は低いが消費電力が少ない昇圧電源回路で待機時の昇圧電源を供給する方式について、図面を参照しながら説明する。図2は前記提案例の昇圧電源回路の構成を示すものである。図2において、401は動作時用チャージポンプ回路、402は動作時用チャージポンプ制御回路、403は待機時用チャージポンプ回路、405は昇圧電位検知回路、404は発振回路である。
【0004】
動作時において、昇圧電源は、ワード線の昇圧等、ロウアドレスストローブ信号(RAS)のレベル遷移に同期して消費されるので、動作時用チャージポンプ制御回路402はRASのレベル遷移に応じて動作時用チャージポンプ回路401を駆動している。
【0005】
待機時(RASがハイである期間)の昇圧電源の消費は、リーク成分のみであるから、待機時の昇圧電源供給能力はリーク量を補充する程度でよい。また、昇圧電位が検知レベルを越えてからも、検知時間遅れにより、チャージポンプ回路はむだに動作してしまう。したがって、動作時と待機時で2系統のチャージポンプ回路を備え、動作時チャージポンプ回路と比べて待機時チャージポンプ回路の供給能力、すなわち消費電流を低く抑え、待機時は待機時用チャージポンプ回路のみが動く構成とした方が、待機時の低消費電力化には得策である。待機時の昇圧電位を昇圧電位検知回路405で検知し、昇圧電位が検知レベル以下になると発振回路404が発振して、待機時用チャージポンプ回路403を駆動する。
【0006】
また、近年の半導体集積回路は、それを搭載する機器の低消費電力化を図るために低電圧の外部単一電源を使用する傾向にあるが、内部回路の一部に於いて、複数の信号電位を必要とする場合が生じる。例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリに於いては、メモリセルの容量に蓄積される電位をNチャネルMOSトランジスタを介してビット線に読み出すが、電位低下無しに読み出しを行なうためには、NチャネルMOSトランジスタのゲートを容量に蓄積する電位に対してNチャネルMOSトランジスタのしきい値以上高い電位で駆動しなければならない。容量に蓄積される電位は、通常、外部電源電位が使用されるので、NチャネルMOSトランジスタのゲート駆動電位は、電源電位より高い電位に昇圧しなければならず、この高電位を集積回路内部で発生する必要がある。また、半導体集積回路はそれ自身の低消費電力化、高速化の要求が厳しく、動作電流が少なく、且つ高速で動作する昇圧回路が必要とされている。
【0007】
以下、図面を参照しながら、上記した従来の昇圧回路、即ち前記図2に示す動作時用又は待機時用のチャージポンプ回路の一例について説明する。
【0008】
図14に従来の昇圧回路の構成の一例を示す。図15に、図14に示す従来の昇圧回路に於ける動作タイミングチャートを示す。
【0009】
図14に於いて、各トランジスタはMOSトランジスタであり、200〜202はそれぞれ異なるクロックφ1〜φ3を供給するクロック供給手段である。203はクロック供給手段200の出力クロックφ1を入力しノードaに接続される電荷供給手段であって、昇圧用電荷を蓄積するキャパシタ210と、クロックφ1を入力して大容量キャパシタ210を駆動するドライバ211を備える。
【0010】
204は大容量キャパシタ210をプリチャージするプリチャージ手段であって、ゲート及びドレインが外部電源もしくは図14に示されない内部電源発生回路で生成した電源であるVCC電源に接続され、ソースがノードaに接続されるNチャネルMOSトランジスタで構成される。
【0011】
205は整流スイッチであって、ドレインがノードaに接続され、ゲートがノードcに接続され、ソースが昇圧電源VPPに接続されたNチャネルMOSトランジスタで構成される。
【0012】
206は整流スイッチ制御手段であって、ドレインがノードaに接続され、ソースがノードbに接続され、ゲートがノードcに接続されたNチャネルMOSトランジスタ212と、ノードbとノードcのそれぞれに異なる電極を接続したキャパシタ213を備える。
【0013】
207はリセット手段であって、ソースが接地電源に接続され、ゲートがクロック供給手段202の出力であるクロックφ3を入力するNチャネルMOSトランジスタ214と、ソースがNチャネルMOSトランジスタ214のドレインに接続され、ゲートがVCC電源に接続され、ドレインがノードbに接続されるNチャネルMOSトランジスタ215を備える。
【0014】
クロックφ1〜φ3の信号レベルは論理的なHighレベルがVCC電源レベル、論理的なLowレベルが接地電源レベルである。ノードcは後述する様にVCC電源レベルより高いレベルに昇圧されるため、ノードcがVCC電源レベルより高いレベルに昇圧された時に、ノードcからVCC電源への逆流を避けるためクロック供給手段201の出力であるクロックφ2はハイインピーダンスにする必要がある。
【0015】
図14に示す従来の昇圧回路は、初期状態で、図15の(a)〜(c)に示す如く、クロックφ1及びφ3はVCCレベルであり、クロックφ2は接地レベルである。図15の(d)に示す如く、ノードaはプリチャージ手段204により(VCC−Vtn)レベル。ここでVtnとはNチャネルMOSトランジスタのしきい値である。図15の(e)、(f)に示す如く、ノードb及びノードcは接地レベルである。
【0016】
図14に示す従来の昇圧回路が動作すると、先ず、図15の(b)に示す如く、クロックφ2がVCCレベルに遷移すると、図15の(f)に示す如く、ノードcがVCCレベルに遷移し、NチャネルMOSトランジスタ212をオンする。これによりプリチャージ手段204のVCC電源からNチャネルMOSトランジスタ212及びNチャネルMOSトランジスタ215、214を通じて接地電源に貫通電流が生じるが、、図15の(e)に示す如く、ノードbは接地電位に保たれる様に、NチャネルMOSトランジスタ212の駆動能力は十分小さく設定されている。
【0017】
続いて、図15の(c)に示す如く、クロックφ3が接地レベルに遷移し、NチャネルMOSトランジスタ214がオフして、図15の(e)に示す如く、ノードbはプリチャージ手段204により(VCC−Vtn)レベルに充電される、この際、キャパシタ213の両電極間にはVCCレベルだけ電位差があり、図15の(f)に示す如く、ノードcはキャパシタ213により(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。同時に、ノードcからクロック供給手段201を構成する回路のVCC電源への電流の逆流を避けるため、図15の(b)に示す如く、クロック供給手段201の出力であるφ2はハイインピーダンスに設定される。
【0018】
続いて、図15の(a)に示す如く、クロックφ1が接地レベルに遷移し、電荷供給手段203を構成するドライバ211が、キャパシタ210のノードaとは反対側の電極を接地レベルからVCCレベルまで昇圧して、図15の(d)に示す如く、ノードaは(VCC−Vtn)レベルから(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。これにより、図15の(e)に示す如く、ノードbは、NチャネルMOSトランジスタ212を介して、(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧され、図15の(f)に示す如く、ノードcがキャパシタ213により(3VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。この時、ノードcのレベルはノードaの(2VCC−Vtn)レベルよりNチャネルMOSトランジスタ205のしきい値以上高くなり、ノードaに蓄積された電荷はNチャネルMOSトランジスタ205を介して昇圧電源VPPに供給される。その結果、図15の(d)、(e)に示す如く、ノードa及びノードbのレベルは、昇圧電源VPPと同レベルとなる。
【0019】
次に、前記レベル検知回路405の従来における具体的構成の一例を図22に示す。
【0020】
図22において、ソース電位とウエル電位が昇圧電位であるpチャンネルトランジスタ524は抵抗527と直列に接続し昇圧電源とグランド間に配置され、ドレインは、しきい値電圧を所望の値に設定したインバーター525を介して内部昇圧電位ジェネレータに接続し、ゲートは、抵抗526と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置した、ゲートとドレインを短絡したpチャンネルトランジスタ523のドレインに接続されている。
【0021】
以上のように構成された従来の半導体集積回路について、以下、その動作について説明する。
【0022】
pチャンネルトランジスタ523のしきい値電圧をVt1とすると、pチャンネルトランジスタ523のドレイン電位はVCC−Vt1となる。pチャンネルトランジスタ524のしきい値電圧をVt2とすると、昇圧電位がVCC−Vt1+Vt2に達した時、トランジスタ524はオン状態になりトランジスタ524のドレイン電圧は上昇する。しきい値電圧Vt1、Vt2及び抵抗526、527の抵抗値を調整することにより、pチャンネルトランジスタ524のドレイン電位をソース電圧の昇圧電位の変動に連動させることができる。
【0023】
昇圧電位が所望の設定値より高くなった時には、pチャンネルトランジスタ524のドレイン電位は上昇し、インバータ514のしきい値電圧以上になると、内部昇圧電位ジェネレータを停止させ、昇圧電位が所望の電位より高くなることを防止することが可能である。
【0024】
同様にして、昇圧電位が低下した場合も、内部昇圧電位ジェネレータを動作させ、昇圧電位が所望の電位より低くなることを防止することが可能である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者等は、RASがロウである期間の昇圧電源リーク電流が、RASがハイである期間(待機時)の昇圧電源リーク電流よりも増大することを見出した。
【0026】
このことを図6を用いて説明する。図6はワード線ドライバ回路を示したものである。ノード344に昇圧電源が印加されている。RASがハイの場合、ノード346、347はGNDレベルでNチャンネルトランジスタ349がオフ、ノード348はハイレベルでNチャンネルトランジスタ343がオンで、ワード線341はGNDレベルに固定されており、昇圧電源のリークパスは存在しないので、問題はない。これに対し、RASがロウの場合、ロウアドレスに応じて選択されたワード線ドライバ回路では、ノード348がGNDレベルに遷移してNチャンネルトランジスタ343がオフし、ノード347が昇圧レベルまで立ち上がり、ノード345の電位は昇圧レベルからNチャンネルトランジスタ349のしきい値Vtを引いた値となる。更に、ロウアドレスに対応したワード線ドライバ回路では、ノード346に昇圧電源が印加される。ノード346と345のカップリングによってノード345の電位が上昇し、Nチャンネルトランジスタ342を通じてワード線341に昇圧電源が印加される。ここで、昇圧電源はNチャンネルトランジスタ343を通じてGNDにリークするため、待機時よりも昇圧電源リーク電流が増加する。
【0027】
しかしながら、前記提案のような昇圧電源回路の構成では、RASのレベル遷移に応じて動作時用電源電圧発生回路が昇圧電源を発生するため、ファーストページモードのようにRASがロウである期間が長い場合には、待機時用電源電圧発生回路で昇圧電源を供給しなければならず、従って、RASがロウである期間の、増大した昇圧電源リーク電流を考慮して待機時の昇圧電源供給能力を高く設定しなければならず、その結果、待機時での消費電流が増大してしまうという問題を有していた。
【0028】
また、上記の様な構成の半導体集積回路に備えるチャージポンプ回路では、図14に示す如く、異なるクロックを供給するクロック供給手段が3つも必要であり、特に、クロックφ2を供給するクロック供給手段201は、VCCレベル及び、接地レベルの他に、ハイインピーダンス状態を供給する必要があり、複雑な回路構成が必要であるという問題点を有していた。
【0029】
更に、ノードcが(3VCC−Vtn)レベルに達するまでに、3段階の昇圧を行なわねばならず、図15に示す期間t1、t2、t3の如く、各々の昇圧が十分に行なわれる様に、昇圧を制御する各々のクロック間のタイミングにマージンをとらなければならない。このため、図15に示す如く、最初に供給されるクロックであるクロックφ2から、ノードcが(3VCC−Vtn)レベルに達し、ノードaに蓄積された電荷がNチャネルMOSトランジスタ205を介して昇圧電源VPPに供給されるまでに要する期間t4が長く、高周波数動作が困難であるという問題点を有していた。
【0030】
加えて、広範囲の電源電圧で動作を行なう場合、例えば、VCC電圧が5.5Vから1.8Vという範囲である場合には、高電圧5.5V時に比べて、低電圧1.8V時ではトランジスタの駆動能力が著しく小さくなる。特に、上述した様に、NチャネルMOSトランジスタ212の駆動能力は小さく設定されているため、図15に示す如く、ノードaが昇圧されてから、NチャネルMOSトランジスタ212によってノードbがノードaと同じレベルにイコライズされるのに要する期間t2、t3が低電圧時には非常に長くなり、高周波数動作が困難であり、高周波数動作時には、ノードcの3段階の昇圧時に、ノードbがノードaと同じレベルにイコライズされる前に次の昇圧が始まり、ノードbのレベルが十分上がらず、その結果、ノードcのレベルが十分上がらず、ノードaに蓄積された電荷がNチャネルMOSトランジスタ205を介して昇圧電源VPPに十分供給されないという問題点を有していた。
【0031】
また、回路動作開始時に、図15に示す期間t5の間、NチャネルMOSトランジスタ212、214はオンしており、プリチャージ手段204のVCC電源からNチャネルMOSトランジスタ212及びNチャネルMOSトランジスタ215、214を通じて接地電源に貫通電流が生じるという問題点を有していた。
【0032】
更に、前記の従来の半導体集積回路に備えるレベル検知回路(昇圧電位検知回路)では、その検知回路自体に、常時、内部昇圧電源からグランドへのリークパスが存在していて、内部発生電源ジェネレーターの動作効率を低下させており、チップ全体の消費電流を増加させている欠点があった。
【0033】
即ち、図22において、pチャンネルトランジスタ524のゲート、ソース間電圧は、pチャンネルトランジスタ524のしきい値電圧Vt2近傍の値をとるように設定しているため、pチャンネルトランジスタ524は常に微小な電流を流す状態にあり、pチャンネルトランジスタ524のソース電源である内部昇圧電位ジェネレーターとグランド間にはリーク電流が流れてる。すなわち、昇圧電位を検知するために、昇圧電位のレベルが低下し内部昇圧電位ジェネレーターが動作しなければならず、消費電流を増加させるいう課題を有していた。
【0034】
本発明は前記問題点に鑑み、その目的は、内部発生電源電位ジェネレータの動作効率を低下させることなく、すなわち、内部発生電源電位の電位変化なしに内部発生電源電位を検知し、チップの消費電流低減が可能な半導体集積回路を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、請求項1記載の発明の半導体集積回路では、昇圧電位検知回路として、検知するチップ内部発生電源を、ドレインを検知信号とするトランジスタの基板又はゲートに接続する構成を採用することにより、電流のリークパスを内部昇圧電源以外の電源,即ち外部電源やその電圧を降圧した電源からグランドへのパスとして、そのリーク電流を、従来の昇圧電源からグランドへリークする電流に比して、小値に制限することとする。
【0036】
即ち、請求項1記載の発明の半導体集積回路では、ソースが第1の電源に接続され、ドレインが抵抗又はトランジスタを介してグランドに接続され、ゲート電位がチップ内部で発生する昇圧電源電位である第1のnチャンネルトランジスタと、ドレインを抵抗又はトランジスタを介してグランドに接続した第1のpチャンネルトランジスタと、ソースが第1の電源に接続され、ドレインが抵抗又はトランジスタを介してグランドに接続され、ゲートとドレインとを短絡した第2のpチャンネルトランジスタとを備え、前記第1のnチャンネルトランジスタのドレインは、前記第1のpチャンネルトランジスタのソースに接続され、前記第1のpチャンネルトランジスタのゲートは、前記第2のpチャンネルトランジスタのドレインに接続され、前記第1のpチャンネルトランジスタのドレインの電位を昇圧電位検知信号とすることを特徴とする。
【0037】
前記の構成により、請求項1記載の発明では、チップ内部発生の昇圧電源と他電源との間にリークパスを作ることなく、内部発生昇圧電源の電位の検知を可能にするので、リーク電流が従来に比して少なく制限され、よってチップ内部発生電源ジェネレータの動作効率を高めながら内部発生昇圧電源の電位を所望の設定電圧範囲内に制御することが可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により本発明を具体的に説明すると共に、本発明に関連する技術を提案例により具体的に説明する。先ず、本発明に関連する技術の提案例を説明する。
(第1の提案例)
図1は本発明に関連する技術の第1の提案例における電源電圧発生回路の構成を示すものである。
【0039】
図1(b)に示すように、昇圧電源消費電流(IPP)は、ロウアドレスストローブ信号(以下、RASという)がハイからロウへ遷移することによって開始されるワード線の充電と、RASがロウからハイへ遷移することによって開始されるレベルシフタのリセット等で主に消費される。このように、IPPはRASの周期TRCに同期している。
【0040】
0.5nmルールで設計した16MbitDRAMにおけるRASの状態に関するIPPを図1(c)に示す。RASの周期TRCが150nsの場合は、VCC=3.3VでIPP=10mAを消費する。RASがロウレベルの期間はIPP=50uA、RASがハイレベルの期間はIPP=2uA程度の電流を消費する。
【0041】
そこで、IPPを最も消費するRASのレベル遷移時に同期して、昇圧電源電圧を供給するための電源電圧発生回路と、RASがロウの期間のみ動作する電源電圧発生回路と、RASがハイの期間のみ動作する電源電圧発生回路との3系統の電源電圧発生回路で昇圧電源回路を構成すれば、待機時(RASがハイレベルの期間)の昇圧電源リーク電流に対して最小限の供給能力を有する昇圧電源発生回路、すなわち、待機時の電流消費量が最小の昇圧電源発生回路が実現できる。この昇圧電源発生回路を図1(a)示す。
【0042】
図1(a)において、301は動作時用電源電圧発生回路(第1の電源電圧発生回路)、302は補助電源電圧発生回路(第3の電源電圧発生回路)、303は待機時用電源電圧発生回路(第2の電源電圧発生回路)、304はレベル検知回路(電圧検知部)、305は発振回路である。前記レベル検知回路304及び発振回路305は、補助及び待機時用の各電源電圧発生回路302、303で共用される。
【0043】
以上のように構成された電源電圧発生回路について、その動作を説明する。動作時用電源電圧発生回路301はロウアドレスストローブ信号(RAS)によって制御されており、RASのレベル遷移に応じて動作時用電源電圧発生回路301内部のチャージポンプ回路が昇圧電源を発生する。RASのレベル遷移がない期間は、動作時用電源電圧発生回路301は昇圧電源を供給しない。
【0044】
レベル検知回路304は昇圧電源電位に応じて信号を発生し、この信号が発生している期間、発振回路305が発振信号を出力して、待機時用電源電圧発生回路303と補助電源電圧発生回路302を駆動する。昇圧電源電位が検知回路304の検知レベルよりも下がると、RASのレベルに関係なく、待機時用電源電圧発生回路303は発振回路305によって駆動される。補助電源電圧発生回路302は、昇圧電源電位が検知回路304の検知レベルよりも下がっていても,RASがハイレベルの場合には駆動されず、RASがロウレベルの場合のみ駆動される。
【0045】
このように、RASがハイレベルの期間は、待機時用電源電圧発生回路303のみで昇圧電源を供給し、RASがロウレベルの期間の昇圧電源リーク電流に対しては、待機時用電源電圧発生回路303と補助電源電圧発生回路302の両方で昇圧電源を供給する。すなわち、待機時用電源電圧発生回路303に関しては、RASがロウレベルの期間の昇圧電源リーク電流を考慮する必要がなく、RASがハイレベルの期間の昇圧電源リーク電流に対して、昇圧電源電位を保持する必要最小限の電流供給能力を持たせればよい。したがって、RASがロウレベルの期間の昇圧電源リークの増大を補償しても、待機時(RASがハイレベルの期間)における、昇圧電位発生に係る消費電流を増加させることはない。
【0046】
尚、待機時用電源電圧発生回路と補助電源電圧発生回路は、それぞれ独立にレベル検知回路、発振回路で制御してもよい。また、待機時用電源電圧発生回路303はRASがハイレベルの期間のみ昇圧電源を発生する構成としてもよい。
(第2の提案例)
図3(a)は本発明に関連する技術の第2の提案例を示す。同図の電源電圧発生回路は、動作時用電源電圧発生回路により補助電源電圧発生回路を兼用したものである。図3(a)において、311はチャージポンプ回路、312は発振回路(第1の発振回路)、313は遅延回路である。図3(b)は、遅延回路313で生じる遅延時間よりも制御信号のパルス幅が短い場合の電位変化、図3(c)は、遅延回路313で生じる遅延時間よりも制御信号のパルス幅が長い場合の電位変化を示している。
【0047】
図3(a)のレベル検知信号がハイレベルの場合における、電源電圧発生回路の動作について図3(b)、(c)を用いて説明する。制御信号がロウである場合は、ノード314はハイ、ノード315はロウ、ノード316はハイである。制御信号がロウからハイに遷移すると、ただちにノード314はロウに遷移する。ノード314の電位変化から遅延回路313で生ずる遅延時間だけ遅れて、ノード315はロウからハイに遷移する。ここまでは、制御信号の長短にかかわらず各ノードの電位変化は同じである。
【0048】
図3(b)に示すように、遅延回路313の遅延時間よりも早く制御信号が再びハイからロウに遷移すると、ノード316はハイのまま変化せず、ノード314はハイに遷移し、発振回路312は制御信号に同期したパルスを1回だけ発生する。
【0049】
図3(c)に示すように、制御信号がハイのままであれば、ノード315がロウからハイへ遷移することによりノード316はハイからロウに遷移し、続いてノード314がハイに遷移する。制御信号がハイを保ち続けると、ノード315には遅延回路313で生じた遅延時間を持って、ノード314と反転したレベル遷移が現れ、続いてノード316のレベルが反転し、さらにノード314のレベルも反転する。このように、制御信号がハイの期間は、発振回路312は遅延回路313で生じる遅延時間を半周期として発振する。
【0050】
レベル検知信号がロウの場合は、ノード316がハイに固定されるので、制御信号に同期した信号を発振回路312は出力する。
【0051】
制御信号にロウアドレスストローブ(RAS)に同期した信号を用いれば、RASがハイからロウに遷移する時に、発振回路312がチャージポンプ回路311を駆動して電源電圧を発生する。さらに、レベル検知信号がハイであり、RASがロウレベルである期間が発振周期よりも長い場合は、RASがハイからロウに遷移する時と、RASがハイからロウに遷移する時から発振周期毎に発振回路312がチャージポンプ回路311を駆動して電源電圧を発生する。
【0052】
したがって、図3(a)に示す電源電圧発生回路を動作時の昇圧電源発生回路として用いれば、RASがロウレベルの期間の昇圧電源リークも補償できる。待機時の昇圧電源発生回路は、待機時の昇圧電源リークを補償する必要最小限の電流供給能力でよいので、待機時の消費電流を増大させることなくRASがロウレベルの期間の昇圧電源リークも補償できる。
(第3の提案例)
図4は本発明に関連する技術の第3の提案例を示す。同図の電源電圧発生回路は、待機時用電源電圧発生回路により補助電源電圧発生回路を兼用したものである。図4において、320はチャージポンプ回路、321は発振回路(第2の発振回路)、324、328はPチャンネルMOSトランジスタ、325、329はNチャンネルMOSトランジスタ、326、327は抵抗である。
【0053】
図4に示す電源電圧発生回路の動作を説明する。レベル検知信号がハイである期間、発振回路321が発振信号を出力し、チャージポンプ回路320を駆動して電源電圧を発生する。発振回路321の発振周期は遅延回路322の信号遅延によって作られる。この際、制御信号がハイであれば、PチャンネルMOSトランジスタ324とNチャンネルMOSトランジスタ325はオフしており、遅延回路322で生じる信号遅延は、抵抗326の抵抗値とPチャンネルMOSトランジスタ328のオン抵抗をたした値、又は、抵抗327の抵抗値とNチャンネルMOSトランジスタ329のオン抵抗をたした値と、ノード333の容量を掛けた時定数できまる。制御信号がロウであれば、PチャンネルMOSトランジスタ324とNチャンネルMOSトランジスタ325はオンし、遅延回路322の時定数は、抵抗326の抵抗値とPチャンネルMOSトランジスタ324のオン抵抗を並列に合成した値に、PチャンネルMOSトランジスタ328のオン抵抗をたした値にノード333の容量を掛け合わせた値、又は、抵抗327の抵抗値とNチャンネルMOSトランジスタ325のオン抵抗を並列に合成した値に、NチャンネルMOSトランジスタ329のオン抵抗をたした値と、ノード333の容量を掛け合わせた値になる。
【0054】
したがって、抵抗326、327の抵抗値と、PチャンネルMOSトランジスタ324のオン抵抗、NチャンネルMOSトランジスタ325のオン抵抗を適当に選べば、制御信号のハイ、ロウに応じて、発振回路321の発振周波数を設定できる。制御信号としてRASに同期した信号を選べば、RASがハイの期間よりもRASがロウの期間に発振回路321の発振周波数は高くなる。発振回路321の発振周波数が高くなればチャージポンプ回路320で発生する電流が増加する。RASがロウの期間の昇圧電源リークを補償するように、RASがロウの期間の発振回路321の発振周期を高くし、RASがハイの期間の昇圧電源リークを補償する必要最小限の電流が供給できるように、RASがハイの期間の発振回路321の発振周期を設定すれば、RASがハイの期間の消費電流を増やすことなく、RASがロウの期間の昇圧電源リークを補償できる。
(第4の提案例)
図5は本発明に関連する技術の第4の提案例における電源電圧発生回路の構成を示すものである。図5において、340は動作時用電源電圧発生回路、341は補助電源電圧発生回路、342は待機時用電源電圧発生回路、343はレベル検知回路、344は発振回路である。
【0055】
以上のように構成された電源電圧発生回路について、その動作を説明する。動作時用電源電圧発生回路340はロウアドレスストローブ信号(RAS)によって制御されており、RASのレベル遷移に応じて動作時用電源電圧発生回路340内部のチャージポンプ回路が昇圧電源を発生する。RASのレベル遷移がない期間は、動作時用電源電圧発生回路340は昇圧電源を供給しない。
【0056】
レベル検知回路343は昇圧電源電位応じて信号を発生し、この信号が発生している期間、発振回路344が発振信号を出力して、待機時用電源電圧発生回路342を駆動する。昇圧電源電位が検知回路343の検知レベルよりも下がると、RASのレベルに関係なく、待機時用電源電圧発生回路342は発振回路344によって駆動される。
【0057】
補助電源電圧発生回路341は、動作時用電源電圧発生回路340と同様の構成であるが、制御信号として、RASではなくコラムアドレスストローブ信号(CAS)を使用する。CASのレベル遷移に応じて補助電源電圧発生回路341内部のチャージポンプ回路が駆動されて昇圧電源を発生するが、CASのレベル遷移がない場合は昇圧電源を供給しない。
【0058】
DRAMのファーストページモードでは、ロウアドレスを一定にしてコラムアドレスだけを変化させる期間が存在し、RASがロウに保持されている期間にCASがハイ、ロウの遷移を繰り返す。図5に示した構成の電源電圧発生回路を用いれば、ファーストページモードでは、補助電源電圧発生回路341によって、CASの周期に同期して昇圧電源を発生できるので、RASがロウの期間の昇圧電源リークを補助電源電圧発生回路341で補償できる。ファーストページモード以外では、RASがロウである期間の昇圧電源リークによって昇圧電源レベルが下がらない程度に、RASがロウである期間を短く規定すれば、待機時電源電圧発生回路342の電流供給能力は、RASがハイの期間の昇圧電源リークを補償する必要最小限でよく、待機時の消費電流は増加しない。
【0059】
尚、以上の説明では、昇圧回路を例に上げて説明したが、本発明は、その他、降圧回路にも同様に適用できるのは勿論である。
(第5の提案例)
図6は本発明に関連する技術の第5の提案例を示す。図6はワード線ドライバ回路を示している。図中341はワード線、342、349はNチャンネルMOSトランジスタ、343はNチャンネルMOSトランジスタ(制御トランジスタ)、344は昇圧電源であり、ノード344には昇圧電源が印加されている。
【0060】
RASがハイの場合、ノード346、347はGNDレベルでNチャンネルMOSトランジスタ349がオフ、ノード348はハイレベルでNチャンネルMOSトランジスタ343がオンであり、ワード線341はGNDレベルに固定されており、昇圧電源のリークパスは存在しない。
【0061】
RASがロウの場合、ロウアドレスに応じて選択されたワード線ドライバ回路では、ノード348がGNDレベルに遷移してNチャンネルMOSトランジスタ343がオフし、ノード347が昇圧レベルまで立ち上がり、ノード345の電位は昇圧レベルからNチャンネルMOSトランジスタ344のしきい値Vtを引いた値となる。ノード346に昇圧電源が印加され、ノード346とノード345のカップリングによってノード345の電位が上昇し、NチャンネルMOSトランジスタ342を通じてワード線341に昇圧電源が印加される。NチャンネルMOSトランジスタ343のソース・ドレイン間に昇圧電圧がかかり、昇圧電源のリークパスとなる。
【0062】
選択されなかったワード線ドライバ回路では、ノード347はGNDレベルでNチャンネルMOSトランジスタ349がオフ、ノード348はハイレベルでNチャンネルMOSトランジスタ343がオンのままであるが、ロウアドレスに応じてノード346に昇圧電源が印加される場合もある。この場合、NチャンネルMOSトランジスタ342のソース・ドレイン間に昇圧電圧がかかり、昇圧電源のリークパスとなる。
【0063】
図7はNチャンネルMOSトランジスタにおける、ゲート長に対する単位ゲート幅当りのオフリーク電流を示すグラフである。NチャンネルMOSトランジスタのゲートは、加工精度のばらつきによって、10%程度小さくなることもある。例えば、設計時のゲート長を0.5umとすると、仕上がり寸法のばらつきによってNチャンネルMOSトランジスタのオフリーク電流は2桁ほど増大してしまう。
【0064】
昇圧電源は電源を安定させるために大きな容量を有しており、一旦レベルがさがってしまうと所定昇圧電位まで容易には回復せず、動作不良を引き起こす。このように、昇圧電源リークは消費電流を増加させるのみならず動作不良も引き起こすので、昇圧電源レベルが下がらないように昇圧電源リークを補償しなければならない。
【0065】
図6におけるNチャンネルMOSトランジスタ342、343は、レイアウト面積を最小にして動作速度を速くするため一般に、デバイスで使用できる最小のゲート長(いわゆる最小ルール)で構成されている。NチャンネルMOSトランジスタ342、343のゲート長、ゲート幅をそれぞれ0.5um、10umと設計する。加工ばらつきを10%と見積ればワード線ドライバ回路1組あたりの昇圧電源リーク電流は、0.1nA程度から1uA程度までの幅を持つと予想される。
【0066】
上述のように、0.5um程度のゲート長では、加工ばらつき10%当り2桁ほどのNチャンネルMOSトランジスタのオフリーク電流の増大があるので、昇圧電源供給能力は、予想される昇圧電源オフリーク電流より1桁以上高いことを要求される。そこで、ワード線の立ち上げ立ち下げ速度は若干犠牲にして、NチャンネルMOSトランジスタ342、343のゲート長を0.55umで設計すると、ワードドライバ回路1組当りの昇圧電源リーク電流は1nA以下と予想される。このように、動作時のみ昇圧電源のリークパスとなるMOSトランジスタ343のゲート長をその他のMOSトランジスタの最小ゲート長より大きく設計し、リーク電流が無視できるレベルまで小さくなれば、動作時の昇圧電源リークを考慮せずに待機時電源電圧発生回路を設計できる。
【0067】
尚、本提案例では、制御トランジスタをNチャンネルMOSトランジスタ343で構成したが、PチャンネルMOSトランジスタで構成してもよいのは勿論である。
【0068】
次に、本発明に関連する技術の半導体集積回路(昇圧回路)について、図面を参照しながら、説明する。
(第6の提案例)
図8に本発明に関連する技術の第6の提案例に於ける昇圧回路の回路構成の一例を示し、図9に、図8に示す本第6の提案例の昇圧回路の動作タイミングチャートを示す。
【0069】
図8に於いて、各トランジスタは半導体MOSトランジスタで構成される。Vppは昇圧電源(昇圧端子)、100はクロックφ1を供給するクロック供給手段、101はクロック供給手段100の出力クロックφ1を入力しノードaに接続される電荷供給手段であって、昇圧用電荷を蓄積する大容量のキャパシタ106と、クロックφ1を入力して前記キャパシタ106を駆動するドライバ107を備える。
【0070】
102は大容量キャパシタ106をプリチャージするプリチャージ手段であって、ゲート及びドレインが外部電源もしくは図8に示されない内部電源発生回路で生成した電源であるVCC電源に接続され、ソースがノードaに接続されるNチャネルMOSトランジスタ(第4のトランジスタ)で構成される。
【0071】
103は整流スイッチであって、ドレインがノードaに接続され、ゲートがノードcに接続され、ソースが昇圧電源VPPに接続されたNチャネルMOSトランジスタ(第5のトランジスタ)で構成される。
【0072】
104は整流スイッチ制御手段であって、ソース及びウェル電位がノードaに接続され、ドレインがノードbに接続され、ゲートがVCC電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタ108と、ノードbとノードcのそれぞれに異なる電極を接続したキャパシタ109と、ソースがノードcに接続され、ゲート及びドレインがノードaに接続されたNチャネルMOSトランジスタ110(第3のトランジスタ)を備える。
【0073】
105はリセット手段であって、ソースが接地電源に接続され、ゲートがクロック供給手段100の出力であるクロックφ1を入力するNチャネルMOSトランジスタ112(第1のトランジスタ)と、ソースがNチャネルMOSトランジスタ112のドレインに接続され、ゲートがVCC電源に接続され、ドレインがノードbに接続されるNチャネルMOSトランジスタ111(第2のトランジスタ)を備える。
【0074】
クロックφ1の信号レベルは論理的なHighレベルがVCC電源レベル、論理的なLowレベルが接地電源レベルである。
【0075】
以上の様に構成された本第6の提案例の昇圧回路に於いて、以下、その動作を、図9を参照して説明する。
【0076】
図8に示す本提案例の昇圧回路は、初期状態で、図9の(a)に示す如く、クロックφ1はVCCレベルである。図9の(b)に示す如く、ノードaはプリチャージ手段102により(VCC−Vtn)レベル。図9の(c)、(d)に示す如く、ノードbは接地レベル、ノードcは(VCC−2Vtn)レベル。
【0077】
先ず、図9の(a)に示す如く、クロックφ1が接地電源レベルに遷移すると、NチャネルMOSトランジスタ112がオフし、電荷供給手段101を構成するドライバ107が、キャパシタ106のノードaとは反対側の電極を接地レベルからVCCレベルまで昇圧して、図9の(b)に示す如く、ノードaは(VCC−Vtn)レベルから(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。ノードaの電位が(VCC+Vtp)レベル以上になると、PチャネルMOSトランジスタ108がオンし、図9の(c)に示す如く、ノードbの電位は接地レベルから(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。ここでVtpとは、PチャネルMOSトランジスタのしきい値である。この際、キャパシタ109の両電極間には(VCC−2Vtn)レベルだけ電位差があるので、図9の(d)に示す如く、ノードcはキャパシタ109により(3VCC−3Vtn)レベルまで昇圧される。この時、ノードcのレベルは、ノードaの(2VCC−Vtn)レベルよりNチャネルMOSトランジスタ103のしきい値以上高くなり、ノードaに蓄積された電荷はNチャネルMOSトランジスタ103を介して昇圧電源VPPに供給される。その結果、図9の(b)、(c)に示す如く、ノードa及びノードbのレベルは、昇圧電源VPPと同レベルとなる。
【0078】
以上の様に、本第6の提案例によれば、単一のクロック供給手段100のみでノードa及びノードcを昇圧することが可能であり、従来回路に必要であった複雑なクロック供給回路が不要である。
【0079】
また、クロックφ1を供給してから、ノードa、ノードb及び、ノードcの昇圧がスタティックに行なわれ、特に、ノードb、ノードcが一度に(2VCC−Vtn)レベル分だけ昇圧されるので、従来回路の様に数段階の昇圧過程を経ず、複数クロック間のタイミングマージンが不要であるので、図9のt5に示す如く、クロックを供給してからノードcが(3VCC−3Vtn)レベルまで昇圧される時間が短いため、高周波の動作が可能である。
【0080】
更に、従来回路の動作開始時に生じていた貫通電流がなく、消費電力を低減することが可能である。
(第7の提案例)
次に、図10に本発明に関連する技術の第7の提案例に於ける昇圧回路の回路構成の一例を示し、図11に、図10に示す本第7の提案例の昇圧回路の動作タイミングチャートを示す。
【0081】
図10に於いて、120は互いに論理的なLowレベルがオーバラップしない相補的なクロックφ1、φ1を供給するクロック供給手段である。121、122はそれぞれ、図8に示す第6の提案例に於ける昇圧回路の内、電荷供給手段101、プリチャージ手段102、整流スイッチ制御手段104、及び、リセット手段105と同じ回路を含む回路部分であり、それぞれ、クロック供給手段120の出力であるクロックφ1、φ1を入力する。123、124はそれぞれ、図8に示す第6の提案例に於ける昇圧回路の整流スイッチ103と同じNチャネルMOSトランジスタであり、互いのソースは昇圧電源VPPに接続されている。
【0082】
そして、125、126は、各々、ソースが回路部分121、122のそれぞれの電荷供給手段の出力であるノードd、ノードgに接続され、ドレインがVCC電源に接続され、一方のゲートが他方のソースに接続されたNチャネルMOSトランジスタ(第6及び第7のトランジスタ)である。
【0083】
以上の様に構成された本第7の提案例の昇圧回路に於いて、以下、その動作を、図11を参照して説明する。
【0084】
回路部分121、122は、それぞれ、図8に示す第6の提案例の回路と同様に動作する。図11の(a)、(b)に示す如く、クロックφ1、φ1は互いに論理的なLowレベルがオーバラップしないので、整流スイッチであるNチャネルMOSトランジスタ123、124は同時にオンすることはなく、交互にオン、オフし、回路部分121、122それぞれが有する電荷供給手段の出力電荷を交互に昇圧電源VPPに供給する。
【0085】
クロックφ1、φ1が動作しない初期状態では、ノードd、ノードfはそれぞれ、回路部分121、122が有するプリチャージ手段であるNチャネルMOSトランジスタ127、128によって(VCC−Vtn)レベルにプリチャージされるが、クロックφ1、φ1が動作すると、ノードdが昇圧されている期間はNチャネルMOSトランジスタ126のゲート電位がVCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのしきい値以上高くなり、ノードfはNチャネルMOSトランジスタ126によって、図11(e)に示す如く、VCC電源電位にプリチャージされ、ノードgは図11(f)に示す如く、(VCC−Vtn)レベルにプリチャージされる。同様に、ノードfが昇圧されている期間はNチャネルMOSトランジスタ125のゲート電位がVCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのしきい値以上高くなり、ノードdはNチャネルMOSトランジスタ125によって、図11(c)に示す如く、VCC電源電位にプリチャージされ、ノードeは図11(d)に示す如く、(VCC−Vtn)レベルにプリチャージされる。
【0086】
図8に示す第6の提案例では、ノードaはVCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのしきい値だけ低いレベルにしかプリチャージされず、また、ノードcはVCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのしきい値の2倍だけ低いレベルにしかプリチャージされないが、図10に示す本第7の提案例の回路構成をとることによって、図8に示す第6の提案例のノードaに相当するノードd、ノードfは、図11(c)、(e)に示す如く、VCC電源電位にプリチャージされる。即ち、図8に示す第6の提案例よりNチャネルMOSトランジスタのしきい値分だけ高いレベルにプリチャージでき、最終的に、図11(c)、(e)に示す如く、2VCCレベルに昇圧できる。また、図8に示す第6の提案例のノードcに相当するノードe、ノードgも、図8に示す第6の提案例よりNチャネルMOSトランジスタのしきい値分だけ高いレベルにプリチャージでき、最終的に、図11(d)、(f)に示す如く、3VCCよりNチャネルMOSトランジスタのしきい値分だけ低いレベルに昇圧できる。
(第8の提案例)
次に、図12に本発明に関連する技術の第8の提案例に於ける昇圧回路の回路構成の一例を示し、図13に、図12に示す本第8の提案例の昇圧回路の動作タイミングチャートを示す。
【0087】
図12に示す本第8の提案例は、図10に示す第7の提案例の昇圧回路に昇圧用キャパシタ140、141及び、NチャネルMOSトランジスタ(第8のトランジスタ)150、151を付加した回路構成となっている。
【0088】
図12に示す本第8の提案例の昇圧回路に於いて、以下、その動作を、図13を参照して説明する。
【0089】
図13に示す如く、本第8の提案例は、図11に示す第7の提案例の昇圧回路の動作タイミングチャートと同様に動作するが、異なる点は、図11(c)、(e)に示す第7の提案例の昇圧回路のノードd、ノードfのレベルは2VCCに昇圧された後、整流スイッチであるNチャネルMOSトランジスタ123、124がオンすると、昇圧電源VPPレベルと同一レベルに低下し、これに追従して、図10(d)、(f)に示す如く、ノードe、ノードgが(3VCCーVtn)レベルから、(VPP+VCCーVtn)レベルまで低下するのに対し、本第8の提案例に於ける昇圧回路では、図13(c)、(e)に示す如く、レベル低下が起こるノードh、ノードjと整流スイッチ148、149のゲートを昇圧するノードi、ノードkの昇圧パスを別系統にすることにより、図13(d)、(f)に示す如く、ノードi、ノードkが(3VCCーVtn)レベルに昇圧された後のレベル低下が生じない。
【0090】
即ち、図10に示す第7の提案例に比べて、整流スイッチ148、149のゲートレベルをドレインであるノードh、ノードiのレベルに対してより高く保つことが可能で、昇圧電源VPPへの電荷供給を効率よく行なうことができる。
【0091】
尚、第6、第7及び第8の提案例に於いて、プリチャージ用NチャネルMOSトランジスタ102、110、125〜130、142〜147、150、151及び、整流スイッチ用NチャネルMOSトランジスタ103、123、124、148、149のしきい値を、他の通常プロセスのNチャネルMOSトランジスタのしきい値より低いしきい値に設定して製造することにより、ノードa、b、c、e、g、d、f、i、kの昇圧時のしきい値に起因するレベル低下を少なくすることが可能で、整流スイッチの出力をより高いレベルにすることが可能である。
【0092】
また、第6〜第8の各提案例のNチャネルMOSトランジスタとPチャネルMOSトランジスタ、及び、VCC電源と接地電源を置き換えて、降圧回路を構成することも可能である。
第9の提案例
図16は本発明の第9の提案例における半導体集積回路の構成を示す。
【0093】
図16において、チップ内部発生昇圧電源にウエルが接続されているpチャンネルトランジスタ(第1のpチャンネルトランジスタ)501は、抵抗504と直列に接続され、外部電源(昇圧電源の出力電位よりも低い出力電位を有する第1の電源)とグランドとの間に配置されている。pチャンネルトランジスタ501のドレインは、しきい値を所望の値に設定したインバーター502を介して内部昇圧電源ジェネレーターに接続され、pチャンネルトランジスタ501のゲートは、抵抗503と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置した、ゲートとドレインを短絡したpチャンネルトランジスタ(第2のpチャンネルトランジスタ)500のドレインに接続されている。
【0094】
以上のように構成された半導体集積回路について、内部発生昇圧電源電位の検知動作について説明する。
【0095】
図16において内部昇圧電位が変動した時、ウエルを内部昇圧電位に接続したpチャンネルトランジスタ501のドレインの電位は内部昇圧電位の変動に連動して変化する。図23にpチャンネルトランジスタのしきい値電圧の基板電位依存性を示す。基板電位が上昇すると、しきい値電圧も大きくなる。昇圧電位が上昇した時は、pチャンネルトランジスタ501のしきい値電圧の上昇によりpチャンネルトランジスタ501のドレインの電位は低下し、一方、昇圧電位が低下した時は、pチャンネルトランジスタ501のドレインの電位は上昇する。この時、シミュレーション等により内部昇圧電源電位が所望の電圧範囲に納まるようにインバーター502のしきい値の設定を行うことによりpチャンネルトランジスタ501のドレインの電位変化から、昇圧電位が所望の電圧範囲より上昇した時には内部昇圧電源ジェネレーターを停止させ、昇圧電位が所望の電圧範囲より低下した時には内部昇圧電源ジェネレーターを動作させることが、内部昇圧電源と他電源間にリークパスを作らずに可能である。つまり、内部昇圧電源の動作効率を低下させることなく、昇圧電位を検知することが可能になる。
第9の提案例の変形例)
前記の構成において、図17に示すように、pチャンネルトランジスタ501に直列に接続された抵抗504をゲートを、昇圧電源に接続したnチャンネルトランジスタで構成することにより、昇圧電位の検知感度を向上させることができる。
【0096】
図17において、昇圧電位が上昇した時、ウエル電位が上昇したpチャンネルトランジスタ501は、そのしきい値電圧が上昇し、pチャンネルトランジスタ501のオン抵抗は増大する。さらに、nチャンネルトランジスタ504のオン抵抗がゲート電圧の上昇により減少し、この相乗効果によりpチャンネルトランジスタ501のドレインの電位はいっそう敏感に昇圧電源の上昇に反応し低下する。
【0097】
尚、トランジスタ501のゲート長を大きく、ウエルの不純物濃度を濃くすることにより、ウエル電位の変動、言い替えれば内部昇圧電位の変動により敏感な検知回路を構成することができる。
第10の提案例
図18は本発明の第10の提案例における半導体集積回路の構成を示す。
【0098】
図18において、抵抗508と直列に接続され電源電圧とグランド間に配置されたpチャンネルトランジスタ(第3のpチャンネルトランジスタ)506は、そのウエルがチップ内部発生昇圧電源に接続され、ゲートとドレインを短絡し、ドレインが電位比較器509に接続されている。電位比較器509は、出力がインバータ510を介して内部昇圧電源ジェネレーターに接続され、更に入力として、抵抗507と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置された、ゲートとドレインを短絡したpチャンネルトランジスタ(第4のpチャンネルトランジスタ)505のドレインと接続されている。
【0099】
以上のように構成された半導体集積回路について、内部発生昇圧電源電位の検知動作について説明する。
【0100】
図18において内部昇圧電位が変動した時、ウエルを内部昇圧電位に接続したpチャンネルトランジスタ506のドレインの電位は内部昇圧電位の変動に連動して変化する。図23にpチャンネルトランジスタのしきい値電圧の基板電位依存性を示す。基板電位が上昇すると、しきい値電圧も大きくなる。昇圧電位が上昇した時は、ウエル電位が上昇したpチャンネルトランジスタ506のしきい値電圧は上昇して、pチャンネルトランジスタ506のドレインの電位は低下し、一方、昇圧電位が低下した時は、ウエル電位が低下したpチャンネルトランジスタ506のしきい値電圧は低下し、pチャンネルトランジスタ506のドレインの電位は上昇する。
【0101】
昇圧電位検知回路を昇圧電源電位の上昇防止のために用いる時は、昇圧電位がある上限の電位に上昇した時、pチャンネルトランジスタ506のドレインの電位が、pチェンネルトランジスタ505のドレインの電位より低くなるようにpチャンネルトランジスタ505、506のしきい値、及び、抵抗507、508の抵抗値を設定することにより、電圧比較器509で両pチャンネルトランジスタのドレインの電位を比較後、内部昇圧電源ジェネレーターを停止させることが、内部昇圧電源と他電源間にリークパスを作ることなく可能になる。
【0102】
同様にして、検知回路を昇圧電源電位の低下防止に用いる時にも、内部昇圧電源と他電源間にリークパスを作ることなく昇圧電位を検知することが可能になる。つまり、内部昇圧電源の動作効率を低下させることなく、昇圧電位を検知することが可能になる。
【0103】
前記の構成において、pチャンネルトランジスタ506に直列に接続された抵抗508を、ゲートを昇圧電源に接続したnチャンネルトランジスタで構成することにより、昇圧電位の検知感度を向上させることができる。
第10の提案例の変形例)
前記の構成において、図19に示すようにpチャンネルトランジスタ506に直列に接続された抵抗成分508をゲートを昇圧電源に接続したnチャンネルトランジスタで構成することにより、昇圧電位の検知感度を向上させることができる。
【0104】
図19において昇圧電位が上昇した時、ウエル電位が上昇したpチャンネルトランジスタ506は、そのしきい値電圧が上昇し、pチャンネルトランジスタ506のオン抵抗は増大する。さらに、nチャンネルトランジスタ508のオン抵抗がゲート電圧の上昇により減少し、この相乗効果によりpチャンネルトランジスタ506のドレインの電位はいっそう敏感に昇圧電源の上昇に反応し低下する。
【0105】
尚、トランジスタ506のゲート長を大きく、ウエルの不純物濃度を濃くすることにより、ウエル電位の変動、言い替えれば内部昇圧電位の変動により敏感な検知回路を構成することができる。
【0106】
以下、本発明の実施の形態の半導体集積回路を詳細に説明する。
実施の形態
図20は本発明の実施の形態における半導体集積回路の構成を示すものである。
【0107】
図20において、抵抗515と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置され、チップ内部発生昇圧電源にゲートが接続されているnチャンネルトランジスタ(第1のnチャンネルトランジスタ)511のソースは、抵抗517を介してグランドに接続されたpチャンネルトランジスタ(第1のpチャンネルトランジスタ)513のソースに接続されている。pチャンネルトランジスタ513のゲートは、抵抗516と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置されたゲートとドレインを短絡したpチャンネルトランジスタ(第2のpチャンネルトランジスタ)512のドレインに接続され、pチャンネルトランジスタ513のドレインは、しきい値を所望の値に設定したインバーター514を介して内部昇圧電源ジェネレーターに接続されている。
【0108】
以上のように構成された半導体集積回路について、内部発生昇圧電源電位の検知動作について説明する。
【0109】
図20において、内部昇圧電位が変動した時、ゲートを内部昇圧電位に接続したnチャンネルトランジスタ511のソース電位は内部昇圧電位の変動に連動して変化する。即ち、昇圧電位が上昇した時は、nチャンネルトランジスタ511のソース電位は上昇し、pチャンネルトランジスタ513のソース電位も上昇する。一方、昇圧電位が低下した時は、nチャンネルトランジスタ511のソース電位は低下し、pチャンネルトランジスタ513のソース電位は低下する。この時、シミュレーション等により内部昇圧電源電位が所望の電圧範囲に納まるようにインバーター514のしきい値の設定を行うことによりpチャンネルトランジスタ511のソース電位変化から、昇圧電位が所望の電圧範囲より上昇した時には内部昇圧電源ジェネレーターを停止させ、昇圧電位が所望の電圧範囲より低下した時には内部昇圧電源ジェネレーターを動作させることが、内部昇圧電源と他電源間にリークパスを作らずに可能である。つまり、内部昇圧電源の動作効率を低下させることなく、昇圧電位を検知することが可能になる。
第11の提案例
図21は本発明の第11の提案例における半導体集積回路の構成を示す。
【0110】
図21において、チップ内部発生基板電源にウエルが接続されているnチャンネルトランジスタ(第2のnチャンネルトランジスタ)519は、抵抗522と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置されている。nチャンネルトランジスタ519のドレインはしきい値を所望の値に設定したインバーター520を介して内部基板電源ジェネレーターに接続され、nチャンネルトランジスタ519のゲートは、抵抗521と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置した、ゲートとドレインを短絡した,ウエル電位が接地電位であるnチャンネルトランジスタ(第3のnチャンネルトランジスタ)518のドレインに接続されている。図21から判るように、nチャンネルトランジスタ519のゲート電位は常に接地電位よりも高い。ここで、nチャンネルトランジスタ518、519のウエル電位が異なっているが、図25に示す様に、トリプルウエル構造を採用することにより異なる電位に設定することが可能である。
【0111】
以上のように構成された半導体集積回路について、内部発生基板電源電位の検知動作について説明する。
【0112】
図21において、内部基板電位が変動した時、ウエルを内部基板電位に接続したnチャンネルトランジスタ519のドレインの電位は内部基板電位の変動に連動して変化する。図24にnチャンネルトランジスタのしきい値電圧の基板電位依存性を示す。基板電位が上昇すると、しきい値電圧は小さくなる。従って、基板電位が上昇した時は、ウエル電位が上昇したnチャンネルトランジスタ519のしきい値電位は低下し、nチャンネルトランジスタ519のドレインの電位は低下し、一方、基板電位が低下した時は、ウエル電位が低下したnチャンネルトランジスタ519のしきい値電圧は上昇し、nチャンネルトランジスタ519のドレインの電位は上昇する。この時、シミュレーション等により内部基板電源電位が所望の電圧範囲に納まるようにインバーター520のしきい値の設定を行うことによりnチャンネルトランジスタ519のドレインの電位変化から、基板電位が所望の電圧範囲より上昇した時には内部基板電源ジェネレーターを動作させ、基板電位が所望の電圧範囲より低下した時には内部基板電源ジェネレーターを停止させることが、内部基板電源と他電源間にリークパスを作らずに可能である。つまり、内部基板電源の動作効率を低下させることなく、基板電位を検知することが可能になる。
【0113】
尚、トランジスタ519のゲート長を大きく、ウエルの不純物濃度を濃くすることにより、ウエル電位の変動、言い替えれば内部昇圧電位の変動により敏感な検知回路を構成することができる。
【0114】
以上の説明において、図16の抵抗503、図18の抵抗507、図20の抵抗515〜517、及び図21の抵抗521、522は、何れもトランジスタにより構成してもよい。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、ドレインが検知信号となるトランジスタの基板又はゲートにチップ内部発生昇圧電源を接続して、チップ内部発生昇圧電源と他電源間にリークパスを作ることなく内部発生昇圧電源の電位の検知を可能にしたので、内部リーク電流を少なく制限して、チップ内部発生昇圧電源ジェネレータの動作効率を低下させることなく内部発生昇圧電源の電位を所望の設定電圧範囲内に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関連する技術の第1の提案例における電源電圧発生回路の構成図である。
【図2】 従来の電源電圧発生回路の構成図である。
【図3】 本発明に関連する技術の第2の提案例における電源電圧発生回路の回路図と内部電位のタイミングチャート図である。
【図4】 本発明に関連する技術の第3の提案例における電源電圧発生回路の回路図である。
【図5】 本発明に関連する技術の第4の提案例における電源電圧発生回路の構成図である。
【図6】 本発明に関連する技術の第5の提案例を説明するための回路図である。
【図7】 同第5の提案例を説明するためのNチャンネルMOSトランジスタのオフリーク特性を示す図である。
【図8】 本発明に関連する技術の第6の提案例に於ける昇圧回路の回路構成図である。
【図9】 同第6の提案例の動作タイミングチャート図である。
【図10】 本発明に関連する技術の第7の提案例に於ける昇圧回路の回路構成図である。
【図11】 同第7の提案例の動作タイミングチャート図である。
【図12】 本発明に関連する技術の第8の提案例に於ける昇圧回路の回路構成図である。
【図13】 同第8の提案例の動作タイミングチャート図である。
【図14】 従来の昇圧回路の回路構成図である。
【図15】 同従来例の動作タイミングチャート図である。
【図16】 本発明の第9の提案例における昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図17】 本発明の第9の提案例の変形例における昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図18】 本発明の第10の提案例における昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図19】 本発明の第10の提案例の変形例における昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態における昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図21】 本発明の第11の提案例における基板電位検知回路の構成を示す図である。
【図22】 従来例における昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図23】 pチャンネルトランジスタしきい値の基板電位依存性を示す図である。
【図24】 nチャンネルトランジスタしきい値の基板電位依存性を示す図である。
【図25】 トリプルウエルの電位を示す図である。
【符号の説明】
301、340 動作時用電源電圧発生回路(第1の電源電圧発生回路)
302、341 補助電源電圧発生回路(第3の電源電圧発生回路)
303、342 待機時用電源電圧発生回路(第2の電源電圧発生回路)
304、343 レベル検知回路(電圧検知部)
312 発振回路(第1の発振回路)
321 発振回路(第2の発振回路)
311、320 チャージポンプ回路
313、322 遅延回路
343 NチャンネルMOSトランジスタ(制御トランジスタ)
101 電荷供給手段
102 プリチャージ手段
103 整流スイッチ
104 整流スイッチ制御手段
105 リセット手段
106、109
140、141 キャパシタ
108 PチャネルMOSトランジスタ
500 pチャンネルトランジスタ
(第2のpチャンネルトランジスタ)
501 pチャンネルトランジスタ
(第1のpチャンネルトランジスタ)
505 pチャンネルトランジスタ
(第4のpチャンネルトランジスタ)
506 pチャンネルトランジスタ
(第3のpチャンネルトランジスタ)
509 電位比較器(比較器)
511 nチャンネルトランジスタ
(第1のnチャンネルトランジスタ)
512 pチャンネルトランジスタ
第2のpチャンネルトランジスタ
513 pチャンネルトランジスタ
第1のpチャンネルトランジスタ
518 nチャンネルトランジスタ
(第3のnチャンネルトランジスタ)
519 nチャンネルトランジスタ
(第2のnチャンネルトランジスタ)

Claims (1)

  1. ソースが第1の電源に接続され、ドレインが抵抗又はトランジスタを介してグランドに接続され、ゲート電位がチップ内部で発生する昇圧電源電位である第1のnチャンネルトランジスタと、
    ドレインを抵抗又はトランジスタを介してグランドに接続した第1のpチャンネルトランジスタと、
    ソースが第1の電源に接続され、ドレインが抵抗又はトランジスタを介してグランドに接続され、ゲートとドレインとを短絡した第2のpチャンネルトランジスタとを備え、
    前記第1のnチャンネルトランジスタのドレインは、前記第1のpチャンネルトランジスタのソースに接続され、
    前記第1のpチャンネルトランジスタのゲートは、前記第2のpチャンネルトランジスタのドレインに接続され、
    前記第1のpチャンネルトランジスタのドレインの電位を昇圧電位検知信号とすることを特徴とする半導体集積回路。
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