JP3887332B2 - 放射線モニタリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線モニタリング装置、特に、移動体に搭載された放射線モニタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所、その周辺自治体、あるいは研究機関などが行う外部環境下での放射線測定の一つに、移動式環境モニタリングがある。これは、放射線モニタリング装置を車両や航空機(ヘリコプタや軽飛行機など)等の移動体に搭載し、定まった地点(定点測定)や、移動途上(走行測定)において測定を行うものである。従来においては、この移動体には、移動体を操縦する操縦者と、放射線モニタリング装置を制御する操作者が搭乗していた。そして、操作者はキーボード等の手動入力手段を通じて放射線モニタリング装置に制御指令を出すとともに、ディスプレイ等の視覚的出力手段を通じて制御結果や測定結果などを監視していた。
【0003】
なお、特許文献1には、音声メッセージによって、管理区域内の作業者の被爆線量が一定レベルを超えた場合に警告を発する装置が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−67568号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の放射線モニタリング装置は、移動体の操縦者とは別の操作者によって操作されていたため、操作者の搭乗空間の確保の点や、人的資源の確保の点などに問題があった。そこで、本発明においては、操作性が高く、操縦者による操作も可能となる放射線モニタリング装置の実現を目的とする。これにより、操作者が搭乗する場合にも、操作者の手動動作等を軽減することができるようになる。特に、放射線モニタリング装置の分野では、緊急の場合にも適切な測定を行うことが求められており、操作性の改善は極めて重要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の放射線モニタリング装置の一態様においては、移動体に搭載され、搭乗者によって操作される放射線モニタリング装置において、環境放射線を測定する放射線測定器と、前記放射線測定器の測定動作を含む当該放射線モニタリング装置の動作の制御を行う制御部と、搭乗者の音声による制御指令を入力するマイクと、前記マイクから出力された音声信号を制御指令信号に変換して前記制御部へ出力する音声入力変換部と、前記制御部からの音声出力信号を合成音声信号に変換する音声出力変換部と、前記合成音声信号を入力して搭乗者へ合成音声を伝えるスピーカと、を備え、前記制御部は、前記搭乗者の音声入力と、前記搭乗者への合成音声出力とを対話的に実施する対話制御部を備え、前記音声入力変換部は、前記音声信号の語句を認識する語句認識手段と、前記認識された語句に対応する制御指令信号を出力する手段であって、各制御指令信号に対して複数の語句を対応づけ可能な少なくとも一つの変換テーブルを有する語句指令対応手段と、を有し、前記語句指令対応手段は、通常の放射線測定を行う通常モードで用いられる通常変換テーブルと、通常モードに比べて測定の時間間隔が短い緊急モードで用いられ、前記通常変換テーブルよりも変換対象となる制御指令信号の個数が削減された緊急変換テーブルと、前記通常変換テーブルと前記緊急変換テーブルを、前記各モードに応じて選択するテーブル選択手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
これにより、搭乗者は、放射線モニタリング装置に対し、音声を対話的に用いて、測定および制御に必要な指令を送ることができる。音声入力や音声出力においては、放射線モニタリング装置を直接手を使って制御したり、直接目で見て監視したりする必要がないので、搭乗者の操作上の負担が大きく軽減される。
【0009】
制御指令信号が、一つの音声データだけと対応づけられている場合には、搭乗者はその言葉を覚えておく必要がある。しかし、複数の音声データが対応づけられている場合には、搭乗者はそれらの音声データのうちのどれか一つを用いて入力すれば良く、言葉を覚えておく負担が軽減され、操作性が向上する。
【0010】
このように各モードにおいて最適化された複数の変換テーブルを用いることで、変換の精度や速度の不必要な低下を避けることができる。
【0011】
また、本発明の放射線モニタリング装置の一態様においては、移動体に搭載され、搭乗者によって操作される放射線モニタリング装置において、環境放射線を測定する放射線測定器と、前記放射線測定器の測定動作を含む当該放射線モニタリング装置の動作の制御を行う制御部と、搭乗者の音声による制御指令を入力するマイクと、前記マイクから出力された音声信号を制御指令信号に変換して前記制御部へ出力する音声入力変換部と、前記制御部からの音声出力信号を合成音声信号に変換する音声出力変換部と、前記合成音声信号を入力して搭乗者へ合成音声を伝えるスピーカと、を備え、前記制御部は、前記搭乗者の音声入力と、前記搭乗者への合成音声出力とを対話的に実施する対話制御部を備え、前記放射線測定器による測定は、通常の放射線測定を行う通常モードと、通常モードに比べて測定の時間間隔が短い緊急モードとを含むことができ、前記緊急モードでは、制御部が放射線の測定結果を随時出力しても良い。
【0012】
また、本発明の放射線モニタリング装置においては、前記音声入力変換部は、前記音声信号の語句を認識する語句認識手段と、前記語句認識手段が出力休止を示す語句を認識した場合に、制御指令信号の制御部への出力を休止した状態へ移行する休止手段と、前記休止した状態において前記語句認識手段が出力再開を示す語句を認識した場合に、制御指令信号の制御部への出力を再開する再開手段と、を備えることができる。これにより、搭乗者の電話による会話期間中などに制御指令信号の出力を休止することができるため、誤制御を防止することが可能となる。
【0013】
また、本発明の放射線モニタリング装置においては、前記音声入力変換部は、前記再開手段が動作してから、または、最後の音声信号が入力されてから所定時間が経過した後に、自動的に制御部への制御指令信号の出力を休止する自動休止手段を備えることができる。
【0014】
また、本発明の放射線モニタリング装置においては、当該放射線モニタリング装置の操作を行う搭乗者は、前記移動体の操縦者であっても良い。この場合には、移動体に放射線モニタリング装置のみを行う操作者の同乗が不要となり、人的コストの軽減や、作業空間の縮小が可能となる。
【0015】
また、本発明の放射線モニタリング装置は、前記移動体の地理上の位置を測定する位置測定器と、前記放射線測定器の放射線測定結果と、前記位置測定器の位置測定結果とに基づいて、地理上の放射線分布を求めるためのデータ処理を実行するデータ処理手段と、をさらに備えることが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る放射線モニタリング装置の基本的な構成概略図である。放射線モニタリング装置は、移動体としての車両10に搭載されており、定められた地点や移動中における環境放射線の測定に用いられる。放射線測定器としては、様々な波長に対する様々な種類の装置を用いることが可能であり、本実施の形態においては、電離箱検出器12とNaI検出器14を用いたγ線の測定装置を搭載している。電離箱検出器12は放射線が物質を電離させることで作られる電子やイオンを検出するものであり、プリアンプ16で増幅される検出信号を高線量測定装置18で測定することで放射線の強度、線量等が得られる。また、NaI検出器14は、放射線が発光物質であるヨウ化ナトリウムに衝突して発する光を電気信号として捉え、その電気信号を低線量測定装置20に処理させることで放射線を測定する。これらの放射線測定器からの出力、すなわち高線量測定装置18と低線量測定装置20からの放射線測定結果は、データ処理部22へと出力される。また、車両10には、車両10の地理上の位置測定器としてGPS24が備えられており、これにより得られた現在位置の測定結果もデータ処理部22へと送られる。データ処理部22は、演算機能を備えており、入力した放射線測定結果と、位置測定結果を対応づけて記憶部26へと出力する。対応づけは、単に両結果データに対して、時刻データを付与するだけでも良いし、放射線測定結果に実際に位置情報を付与しても良い。こうした処理により、地理上の放射線分布を求めることが可能となる。なお、記憶部26には、データ解析の内容を記載したプログラムなども組み込まれている。
【0018】
データ処理部22は、演算機能を備えた制御部28によってデータ処理手順や処理間隔等を制御されている。この制御部28もまた、記憶部26に組み込まれたプログラムによって動作内容を規定されており、その内容に従って、低線量測定装置20における測定時刻や測定間隔などの測定動作の制御を行っている。車両10の搭乗者がデータ処理部22に対し制御指令を発する場合は、キーボード30等の手動入力手段を用いることが可能である。キーボード30からは制御指令信号が制御部28へと送られて制御がなされる。また、制御やデータ処理の内容は、制御部28からディスプレイ32等の視覚的出力手段に出力させることで、確認可能となる。そして、搭乗者は、ディスプレイ32の表示内容を確認しながら、キーボード30を用いて次の制御指令を入力することができる。
【0019】
さらに、本実施の形態においては、搭乗者は、音声によって制御部28を操作することも可能である。この場合、搭乗者は、ヘッドセット34等に備えられたマイクから、指令内容を音声入力する。マイクから出力される音声信号は、音声入力変換部36に入力される。この音声入力変換部36には、語句認識部38と、語句指令対応部40が含まれており、これらは音声認識ソフトウエアと演算機能等を用いて実現されている。入力された音声信号は、まず、語句認識部38に送られ、どの語句が含まれるかを解析される。語句指令対応部40は、解析され認識された語句を制御指令信号に変換して、制御部28へと出力する役割を担っている。この変換においては、複数の制御指令信号と、各制御指令信号に対応する少なくとも1つの語句が結びつけられた変換テーブル42が用いられる。図1に示した例では、語句指令対応部40には、通常変換テーブル42aと緊急変換テーブル42bの二つの変換テーブル42が設けられている。そして、後で詳しく示すように、語句指令対応部40は、いずれか一方を用いて、認識した語句に対応する制御指令信号が探し出し、制御部28へと出力する。
【0020】
なお、音声入力変換部36は、「認識」期間中にのみ、入力された音声信号に対し制御指令信号を出力を行う。この仕組みは、例えば搭乗者が携帯電話を使用した場合などに、その音声に基づいて制御指令信号を出力しないようにするために採用されている。このため、音声入力変換部36は、制御指令信号の出力休止を意味する語句が入力された場合に、認識期間から休止期間へと移行する休止手段と、休止期間中に出力再開を意味する語句が入力された場合に、休止期間から認識期間へと移行する再開手段とを備える。なお、制御指令信号の出力の休止は、語句指令対応部40の動作を行わないことにより実施しても良いし、語句指令対応部40によって選ばれた制御指令信号を出力しないことで実施しても良い。また、認識期間から休止期間への移行を、認識期間に移行してから、または、最後の音声信号が入力されてから一定時間経過後に自動的に行う自動休止手段を備えることができる。
【0021】
また、制御部28は音声によって情報を出力することも可能である。すなわち、制御部28からの音声出力信号を合成音声信号に変換する音声出力変換部44が備えられており、この音声出力変換部44が出力する合成音声信号は、ヘッドセット34のスピーカや、別途設けられたスピーカ46において合成音声に変えられ、搭乗者に伝えられる。これにより、搭乗者は、ディスプレイ32を見ることなく、測定値の監視や測定器の監視を行うことが可能となる。この合成音声出力と、前に述べた音声入力とを有機的に結びつけるため、制御部28には、両者を対話的に進行させる対話制御部48が設けられている。対話制御部48は、合成音声出力を通じて、搭乗者による適切な音声入力を促すとともに、入力された音声の内容に応じた適切な応答を搭乗者に伝える。なお、ここに述べた音声変換に関するシステム、すなわち音声入力変換部36と音声出力変換部44を音声ユニットと呼ぶことにする。音声ユニットは、全体として一つの筐体に収納することが可能であり、制御部とは、互いの接続回路間を通信ケーブル等で繋ぐことで接続することができる。このような場合に、対話制御部48に関連する制御部28の機能を、音声ユニット側の筐体に取り入れることも可能である。これにより、音声ユニットを持たない放射線モニタリング装置へ音声ユニットを拡張接続することが容易となる。
【0022】
この他、制御部28は、アンテナ50とも接続されており、外部の設備等と通信可能になっている。通信は、形態電話や専用無線通信など、様々な方式によって実現することができる。そして、この通信においては、データ処理の結果等を外部に送信できるだけでなく、外部から制御指令信号を入力して、制御部28の制御に用いることも可能である。
【0023】
図2は、語句指令対応部40で用いられる変換テーブル42の内容の一例を示している。変換テーブル42は、制御指令信号と音声データの二つの項目を対応づけており、図示した例においては、a行からi行までに記した10個の制御指令信号と、各制御指令信号に対応する複数の語句とを対応づけている。例えば、a行における制御指令信号は「測定を開始する指示」であり、対応する語句としては、「測定開始」「開始」「スタート」の3つが登録されている。搭乗者は、「測定を開始する指示」の制御指令信号を制御部28に送ろうと思えば、これら3つの語句のうちのいずれかを音声入力すれば良い。また、例えば、h行における対応関係を用いて、どの放射線測定器に対する測定を開始するかの指令を出すことができる。低線量測定装置20を選ぶ場合には、「低線量」等の語句を音声入力すれば良い。なお、各制御指令信号に対応づける語句は必ずしも複数である必要はない。
【0024】
語句指令対応部40には、図1に示した例では、通常変換テーブル42aと、緊急変換テーブル42bの二つが設けられている。緊急変換テーブル42bは、通常変換テーブル42aに比べ、登録する制御指令信号の個数が少ない。緊急変換テーブル42bは、後で述べる緊急モードにおいて用いられるものであり、緊急モードにおいては通常モードに比べて制御内容が限定されることに伴い、制御指令信号の個数を限定することが可能となるからである。したがって、類似語句を減少させ、音声入力変換部36における音声認識率を向上させることができるようになる。なお、この他の変換テーブル42の例として、搭乗者毎に、その搭乗者の語句の癖を登録した変換テーブル42を用意する態様が挙げられる。
【0025】
次に、図3と図4のフローチャートを参照して、音声ユニットを利用した放射線モニタリング装置の処理の流れを説明する。図3は、通常の環境モニタリングを行う通常モードに関するものであり、図4は、緊急の場合に用いられる緊急モードの様子を説明するものである。
【0026】
図3に示すように、通常モードにおいて、制御部28は、放射線測定器の測定する線量率値等が環境レベルを超えたか否かを定期的に監視している(S10)。そして、環境レベルを超えた場合には、図4に示す緊急モードの処理が行われる。一方、環境レベルを超えていない場合には、通常モードの処理が続けられる。音声入力変換部36は、音声入力を常時監視し(S12)、音声信号があった場合には、制御指令信号を出力する認識期間であるか否かを判定する(S14)。認識期間中でない場合には、この音声信号が、認識開始の指示、すなわち再開手段の実施を命じる指令であるか否かを判定し(S16)、認識開始の指示であれば再開手段により認識を開始して(S18)、ステップS10に戻る。一方、認識開始の指示でない場合には、特に処理を行わず、ステップS10に戻る。ステップS14において、認識期間中である場合には、認識期間から休止期間に移行する休止指示であるか、または、自動休止手段を実施する所定時間が経過したかを判定する(S20)。そして、該当する場合には、休止手段または自動休止手段を実行して認識を休止し(S22)、該当しない場合にはステップS24を実施する。
【0027】
ステップS24においては、語句認識部38が語句解析を行い、語句指令対応部40がその語句に一致する制御指令信号があるかを探す。そして、一致する制御信号がない場合には、その旨が制御部28に伝えられ、対話制御部48によって音声入力の「やり直し」を命じる音声出力信号が出力されて(S26)、再び音声入力を監視するステップS10に戻る。なお、この処理においては、音声入力を意図しない会話が入力された場合に、「やり直し」を命じる音声出力が連続的に繰り返されることを防ぐために、「やり直し」命令を間引いて数回に一度だけ出力するようにしても良い。ステップS24において、一致する制御指令信号が得られ制御部28に送られると、制御部28は、その制御指令信号が一連の制御シーケンス上有効な指示であるか否かを判定する(S28)。例えば、測定が開始されている状態で、さらに測定開始が指示されるといった無効な指示があった場合には、対話制御部48は、「指示無効」を示す音声出力信号を発し(S30)、ステップS10に戻る。この出力においても、S26と同様に間引き処理を行っても良い。一方、指示が有効であった場合には、対話制御部48によって指示内容に応じた音声による応答がなされ、制御部28によって指示内容に応じた制御が実施される(S32)。なお、ここに示した処理手順は、容易に、適宜入れ替えて実施可能である。例えば、ステップS10の線量率値の監視を、ステップS12の音声入力の監視とは別に行い、環境レベルを超えた時点で、音声入力に関する処理に対し、割り込みを掛ける態様を採用しても良い。
【0028】
図4の処理は、図3のステップS10において、線量率値が環境レベルを超えた場合に実施される。この場合、制御部28は、まず、音声出力信号を発して、測定値が環境レベルを超えたとの通知を行い(S40)、強制的に音声入力変換部36を認識期間に移行させる(S42)。そして、音声入力変換部36において、搭乗者から緊急モードに変更する旨の音声入力が行われたか否かが判定され(S44)、その音声入力が無い場合には、図3のステップS12に戻って通常モードにおける音声入力の処理を行う。
【0029】
一方、ステップS44において、緊急モードに変更する指示があった場合には、制御部28は緊急モードに移行し、放射線測定器による測定を緊急モードにおいて予定されている短い時間間隔で実施する(S46)。例えば、通常モードにおいて1分であった測定時間間隔が、緊急モードにおいては10秒に変更されるという具合である。同時に、制御部28は、音声入力変換部36に命じて、語句指令対応部40が使用する変換テーブル42を通常変換テーブル42aから緊急変換テーブル42bに差し替えることができる。したがって、搭乗者は、緊急変換テーブル42bに登録された範囲で、音声入力により環境モニタリング装置の制御を行うことになる。具体的には、緊急変換テーブル42bには、搭乗者がパニックに陥り誤設定することを防止する目的で、緊急時の基本的な観測条件の変更を行う制御指令信号を登録しないようにすることができる。また、短周期で合成音声出力が行われるため、測定結果の再読み上げに係る制御指令信号を登録しないようにしても良いし、緊急モードを終了する制御指令信号は、「緊急モード解除」以外に登録しないようにしても良い。緊急モードにおいては、制御部28は、放射線測定器の測定結果を、音声出力信号として随時出力する(S48)。そして、搭乗者は、線量率値の確認を行いながら、災害対策本部等へ移動する(S50)。
【0030】
図5から図9は、搭乗者の音声入力による指示と、装置からの合成音声による応答が、対話制御部48を利用して対話的になされる例を示している。図5は、搭乗者が、車両10に乗車した後、測定開始までの間に、低線量測定装置20の設定を行う様子を示したものである。設定は、S60において搭乗者が認識の開始を指示することで始まり、S78において認識状態を解除することで終了する。この間、例えばステップS62では、装置側から搭乗者に対して「どの機器ですか」(S62)という回答を促す合成音声を出力している。これは、搭乗者が操作手順を曖昧にしか記憶していない場合にも、装置側の問いかけに答える形で適切な設定を行うことができるように配慮したものである。また、ステップS68において搭乗者が「測定時間」と発したことに対し、装置側からは「1分です」と回答している。このように、装置に標準設定された値を確認する対話を行う機能も備えている。
【0031】
図6は、車両10が定められた測定開始地点に到達して、音声入力により測定開始を指示した様子を示している。もちろん、必要であれば、これに先立って、認識開始の指示を送ることになる。
【0032】
図7は、一定時間間隔で測定され合成音声出力された結果を、搭乗者が再確認する様子を示している。搭乗者が「再読み上げ」と指示した場合、自動的に直前の出力が選ばれて再度読み上げられる。
【0033】
図8は、低線量測定装置20に対し、測定の中断と測定条件の変更を指示する様子を示している。搭乗者は、S100で測定の中断を行い、S106で確認した測定時間10分を、S110で1分に変更し、S116で測定の再開を命じている。このように、複雑な処理を容易に実行できる点で、対話型の処理は極めて有用である。
【0034】
図9は、車両10が測定終了地点に到達した時に、測定を終了し(S120)、音声認識も終了する(S122)様子を示している。ここで発せられる「認識終了」の指令は、音声入力変換部36の休止手段とは異なり、これ以降は再開手段が実施できなくなるようにする指令である。
【0035】
以上の説明においては、移動体として車両10を用いる場合を想定したが、もちろん、移動体は、航空機や船舶等であっても全く同様に実施することが可能である。また、ここで述べた搭乗者は、移動体の操縦者であっても良いし、もちろん、環境モニタリング装置の操作を行うために同乗した操作者であっても良い。
【0036】
【発明の効果】
本発明の放射線モニタリング装置を用いることにより、装置を操作する搭乗者は装置に対する制御指令を音声入力することが可能となり、手動入力時に比べて操作性が向上する。また、この装置は合成音声を用いて対話的な応答を行うことができるので、搭乗者はディスプレイを見るなどの視覚的な確認をすることなく、制御指令の入力を実施することが可能となる。このように搭乗者の操作上の負担が軽減されるので、放射線モニタリング装置が搭載された移動体の操縦者自身が操作を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の構成を示す概略図である。
【図2】 変換テーブルの一例を示す図である。
【図3】 通常モードにおける処理を説明するフローチャートである。
【図4】 緊急モードにおける処理を説明するフローチャートである。
【図5】 搭乗者と放射線モニタリング装置との対話例を示す図である。
【図6】 搭乗者と放射線モニタリング装置との別の対話例を示す図である。
【図7】 搭乗者と放射線モニタリング装置との別の対話例を示す図である。
【図8】 搭乗者と放射線モニタリング装置との別の対話例を示す図である。
【図9】 搭乗者と放射線モニタリング装置との別の対話例を示す図である。
【符号の説明】
10 車両、12 電離箱検出器、14 NaI検出器、18 高線量測定装置、20 低線量測定装置、22 データ処理部、24 GPS、26 記憶部、28 制御部、30 キーボード、32 ディスプレイ、34 ヘッドセット、36 音声入力変換部、38 語句認識部、40 語句指令対応部、42a 通常変換テーブル、42b 緊急変換テーブル、44 音声出力変換部、46 スピーカ、48 対話制御部、50 アンテナ。
Claims (6)
- 移動体に搭載され、搭乗者によって操作される放射線モニタリング装置において、
環境放射線を測定する放射線測定器と、
前記放射線測定器の測定動作を含む当該放射線モニタリング装置の動作の制御を行う制御部と、
搭乗者の音声による制御指令を入力するマイクと、
前記マイクから出力された音声信号を制御指令信号に変換して前記制御部へ出力する音声入力変換部と、
前記制御部からの音声出力信号を合成音声信号に変換する音声出力変換部と、
前記合成音声信号を入力して搭乗者へ合成音声を伝えるスピーカと、
を備え、
前記制御部は、前記搭乗者の音声入力と、前記搭乗者への合成音声出力とを対話的に実施する対話制御部を備え、
前記音声入力変換部は、
前記音声信号の語句を認識する語句認識手段と、
前記認識された語句に対応する制御指令信号を出力する手段であって、各制御指令信号に対して複数の語句を対応づけ可能な少なくとも一つの変換テーブルを有する語句指令対応手段と、
を有し、
前記語句指令対応手段は、
通常の放射線測定を行う通常モードで用いられる通常変換テーブルと、
通常モードに比べて測定の時間間隔が短い緊急モードで用いられ、前記通常変換テーブルよりも変換対象となる制御指令信号の個数が削減された緊急変換テーブルと、
前記通常変換テーブルと前記緊急変換テーブルを、前記各モードに応じて選択するテーブル選択手段と、
を含むことを特徴とする放射線モニタリング装置。 - 移動体に搭載され、搭乗者によって操作される放射線モニタリング装置において、
環境放射線を測定する放射線測定器と、
前記放射線測定器の測定動作を含む当該放射線モニタリング装置の動作の制御を行う制御部と、
搭乗者の音声による制御指令を入力するマイクと、
前記マイクから出力された音声信号を制御指令信号に変換して前記制御部へ出力する音声入力変換部と、
前記制御部からの音声出力信号を合成音声信号に変換する音声出力変換部と、
前記合成音声信号を入力して搭乗者へ合成音声を伝えるスピーカと、
を備え、
前記制御部は、前記搭乗者の音声入力と、前記搭乗者への合成音声出力とを対話的に実施する対話制御部を備え、
前記放射線測定器による測定は、通常の放射線測定を行う通常モードと、通常モードに比べて測定の時間間隔が短い緊急モードとを含み、
前記緊急モードでは、制御部が放射線の測定結果を随時出力することを特徴とする放射線モニタリング装置。 - 請求項1または2に記載の放射線モニタリング装置において、
前記音声入力変換部は、
前記音声信号の語句を認識する語句認識手段と、
前記語句認識手段が出力休止を示す語句を認識した場合に、制御指令信号の制御部への出力を休止した状態へ移行する休止手段と、
前記休止した状態において前記語句認識手段が出力再開を示す語句を認識した場合に、制御指令信号の制御部への出力を再開する再開手段と、
を備えることを特徴とする放射線モニタリング装置。 - 請求項3に記載の放射線モニタリング装置において、
前記音声入力変換部は、前記再開手段が動作してから、または、最後の音声信号が入力されてから所定時間が経過した後に、自動的に制御部への制御指令信号の出力を休止する自動休止手段を備えることを特徴とする放射線モニタリング装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置において、
当該放射線モニタリング装置の操作を行う搭乗者は、前記移動体の操縦者であることを特徴とする放射線モニタリング装置。 - 請求項1または2に記載の放射線モニタリング装置において、
前記移動体の地理上の位置を測定する位置測定器と、
前記放射線測定器の放射線測定結果と、前記位置測定器の位置測定結果とに基づいて、地理上の放射線分布を求めるためのデータ処理を実行するデータ処理手段と、をさらに備えることを特徴とする放射線モニタリング装置。
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