JP3887183B2 - 生ごみ発酵処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ごみ処理槽の底部に並設した少なくとも2個の部分円筒状の底壁に沿って、少なくとも2個の回転軸に設けた攪拌羽根をそれぞれ回転させることで生ごみを攪拌する生ごみ発酵処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる生ごみ発酵処理装置は、例えば特開2000−550号公報、特開2000−233169号公報により公知である。これらの生ごみ発酵処理装置の生ごみ処理槽は並設された2個の部分円筒状の底壁を備えており、各々の底壁に沿って攪拌羽根を回転させて生ごみを攪拌するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図17および図18に示すように、生ごみ処理槽01の底壁02,02を構成する金属板の相対向する側縁を溶接Wで結合する場合、溶接の熱で両底壁02,02の結合部が波うつように変形してしまい、生ごみ処理槽01の精度が低下する問題がある。この問題は、両底壁02,02が比較的に薄い金属板で構成されていることから、それらをボルトやリベットで結合する場合にも多かれ少なかれ発生する。また両底壁02,02の側縁を直接突き合わせて結合すると鋭く尖ったエッジが生じるため、そこに生ごみが引っ掛かり易くなるという問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、生ごみ処理槽の複数の部分円筒状の底壁の結合部の精度を高めるとともに、その結合部における生ごみの引っ掛かりを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、生ごみ処理槽の底部に並設した少なくとも2個の部分円筒状の底壁に沿って、少なくとも2個の回転軸に設けた攪拌羽根をそれぞれ回転させることで生ごみを攪拌する生ごみ発酵処理装置において、前記生ごみ処理槽内の上部には、その生ごみ処理槽内の加熱空気を吸入して排出するための加熱空気排出ダクトを配置し、前記少なくとも2個の部分円筒状の底壁の相対向する側縁を、前記底壁の軸線と平行に配置したパイプ部材を介して結合するとともに、そのパイプ部材の上流端を前記加熱空気排出ダクトの下流端に連結し、前記パイプ部材の内部に前記加熱空気排出ダクト内の加熱空気を流通させることを特徴とする生ごみ発酵処理装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、少なくとも2個の部分円筒状の底壁の相対向する側縁を結合して生ごみ処理槽の底部を構成する際に、それら底壁の側縁どうしをパイプ部材を介して結合するので、曲げに対して高い剛性を持つパイプ部材で底壁の側縁の波うちを防止して結合部の精度を高めることができる。しかもパイプ部材が介在することで両底壁の結合部に鋭いエッジが発生しなくなるため、その結合部に生ごみが引っ掛かり難くすることができる。さらに、パイプ部材の上流端を、生ごみ処理槽内の上部に配置され生ごみ処理槽内の加熱空気を吸入して排出するための加熱空気排出ダクトの下流端に連結し、パイプ部材の内部に加熱空気排出ダクト内の加熱空気を流通させるので、その加熱空気で生ごみ処理槽の底部を加熱して生ごみの処理効率を高めることができる。
【0009】
尚、実施例の加熱用パイプ25は本発明のパイプ部材に対応し、実施例の加熱空気は本発明の加熱媒体に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図15は本発明の第1実施例を示すもので、図1は生ごみ発酵処理装置の全体側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は図1の3−3線断面図、図4は図1の4−4線断面図、図5は図1の5−5線断面図、図6は図5の6−6線断面図、図7は図1の7−7線断面図、図8は図2の8−8線断面図、図9は図6の9部拡大図、図10は図6の10部拡大図、図11は図9の11−11線断面図、図12は図10の12−12線断面図、図13は制御パネルの拡大図、図14は作用を説明するフローチャートの第1分図、図15は作用を説明するフローチャートの第2分図である。
【0012】
図1〜図6に示すように、生ごみ発酵処理装置の直方体状のハウジング11は、その長手方向に延びる複数本の縦梁12a〜12dと、長手方向と直交する方向に延びて縦梁12a〜12d間を相互に接続する複数本の横梁13a〜13kと、上下方向に延びて縦梁12a〜12dおよび横梁13a〜13k間を相互に接続する複数本の支柱14a〜14mとで構成される。ハウジング11の上面は平坦な天井壁15で覆われ、前面(図1における右側の面)は外部前壁16で覆われ、左側面(図3〜図5における右側の面)は外部側壁17で覆われる。
【0013】
ハウジング11の内部に第1生ごみ処理槽18aおよび第2生ごみ処理槽18bを区画すべく、2本の横梁13c,13dと2本の支柱14f,14lとの間に後壁19が設けられ、3本の横梁13e,13f,13kと3本の支柱14b,14h,14mとの間に前壁20が設けられる。また第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの右側壁21および右底壁22を一体化した断面J字状のパネルが、5本の支柱14b,14c,14d,14e,14fに固定され、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの左側壁23および左底壁24を一体化した断面J字状のパネルが、5本の支柱14h,14i,14j,14k,14lに固定される。相対向する右底壁22の先端と左底壁24の先端とは、ハウジング11の中央を長手方向に延びる加熱用パイプ25の両側面に溶接W1,W1される。右底壁22および左底壁24の下面には、それらを加熱するためのパネルヒータ27,28が設けられる。そして右側壁21、右底壁22、左側壁23および左底壁24の内面を接続する隔壁26により、第1、第2生ごみ処理槽18a,18b間が仕切られる。このようにして、天井壁15、後壁19、前壁20、右側壁21、右底壁22、左側壁23および左底壁24により第1、第2生ごみ処理槽18a,18bが区画され、両生ごみ処理槽18a,18bは隔壁26の上部空間で相互に連通する。
【0014】
ハウジング11の外部前壁16および第1生ごみ処理槽18aの前壁20の間に動力室31が区画される。第1生ごみ処理槽18aの前壁20に設けた左右一対の軸受け32,32と、第2生ごみ処理槽18bの後壁19に設けた左右一対の軸受け33,33とに、隔壁26を貫通する左右一対の回転軸34,34が支持される。動力室31の内部に突出する回転軸34,34の端部に設けた従動スプロケット35,35と、動力室31の床面に支持したモータ36,36に設けた駆動スプロケット37,37とに無端チェーン38,38が巻き掛けられ、これらの無端チェーン38,38に中間部にテンショナスプロケット39,39が噛合する。従って、モータ36,36を駆動することにより、駆動スプロケット37,37、無端チェーン38,38および従動スプロケット35,35を介して左右一対の回転軸34,34が相互に逆方向に回転する(図4および図5の矢印参照)。
【0015】
各々の回転軸34の外周には2枚が一対になった10対の攪拌羽根40…がそれぞれ取付ブラケット41…を介して支持されており、10対の攪拌羽根40…の位相は相互に36°ずつずれている。尚、図5では便宜的に1本の回転軸34について1対の攪拌羽根40,40だけを示しており、また図6では便宜的に10対の攪拌羽根40…の位相を同一に表示してある。後壁19の前面、前壁20の後面および隔壁26の前後面に対向する位置には、各1枚の攪拌羽根42…がそれぞれ取付ブラケット43…を介して支持される。これら4枚の攪拌羽根42…を後壁19、前壁20および隔壁26に接近させて配置することにより、生ごみが滞留し易い第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの隅部を効果的に攪拌するとともに、それら後壁19、前壁20および隔壁26に生ごみが付着するのを防止することができる。
【0016】
第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの右底壁22および左底壁24の形状は回転軸34,34の軸線L,Lを中心とする部分円筒面から構成されており、従って、攪拌羽根40…,42…の先端は右底壁22および左底壁24の内面との間に一定の間隔を存して移動する。そして加熱用パイプ25は2本の回転軸34,34の間に、それらの軸線L,Lと平行に配置される。攪拌羽根40…の形状は耕耘機の耕耘羽根と類似のもので、その回転方向遅れ側に湾曲し、かつ先端部が回転面に対して捩じれている。この形状により、回転軸34,34を駆動するモータ36,36の負荷を軽減しながら、生ごみを効果的に攪拌することができる。
【0017】
第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの上部左側面に沿って四角断面の加熱空気供給ダクト44が配置され、これと対称的に第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの上部右側面に沿って四角断面の加熱空気排出ダクト45が配置される。動力室31の内部に配置されたはファンヒーター46は、入口ダクト47を介して外部から吸入した空気を図示せぬヒータで加熱した後、その加熱空気を図示せぬファンで加圧して連結パイプ48から加熱空気供給ダクト44の上流端に供給する。加熱空気供給ダクト44の下面には7個の加熱空気供給口44a…が開口しており、これらの加熱空気供給口44a…から第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部に加熱空気が供給される。
【0018】
一方、加熱空気排出ダクト45の上面には8個の加熱空気排出口45a…が開口しており、これらの加熱空気排出口45a…に第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部の加熱空気が吸入される。加熱空気排出ダクト45の下流端は、後壁19の外部に配置された連結パイプ49を介して前記加熱用パイプ25の上流端に接続されており、加熱用パイプ25の下流端は、動力室31の内部に配置した排出ブロア50の吸入口に連結パイプ51で連結され、排出ブロア50の排出口は出口ダクト52を介して動力室31の外部に連通する。
【0019】
図9および図11から明らかなように、加熱空気供給ダクト44の下面に形成された各々の加熱空気供給口44aを開閉する蓋体53は、加熱空気供給ダクト44の内面に溶接したナット54に螺合するボルト55を支点として揺動可能であり、その揺動位置を変化させることにより加熱空気供給口44aの開口面積を任意に調整することができる。
【0020】
図10および図12から明らかなように、加熱空気排出ダクト45の上面に形成された各々の加熱空気排出口45aを開閉する蓋体56は、加熱空気排出ダクト45の内面に溶接したナット57に螺合するボルト58を支点として揺動可能であり、その揺動位置を変化させることにより加熱空気排出口45aの開口面積を任意に調整することができる。
【0021】
図2および図8に示すように、ハウジング11の天井壁15には、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bに生ごみを投入する2個の生ごみ投入口61,61と、それらの生ごみ投入口61,61を開閉する2個の投入口開閉扉62,62とが設けられる。各々の生ごみ投入口61は、天井壁15に形成した開口15aの周囲を囲む四角形の枠体63の内周に形成されており、その一側縁に2個のヒンジ64,64を介して投入口開閉扉62が枢支される。投入口開閉扉62の下面には環状のシール部材65が設けられており、このシール部材65は枠体63の上面に設けた環状の凸部63aに当接して生ごみ投入口61をシールする。投入口開閉扉62のヒンジ64,64と反対側の側縁には把手66が設けられ、また2個のヒンジ64,64の間には投入口開閉扉62が開いたことを検知する、磁気近接スイッチよりなる開閉検知手段67が設けられる。
【0022】
図1および図7に示すように、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの右側壁21の下方に連なる右底壁22に、生ごみを処理した残滓を取り出すための4個の残滓排出口68…と、それらの残滓排出口68…を開閉すると4個の排出口開閉扉69…とが設けられる。各々の残滓排出口68は、右底壁22に形成した開口22aの周囲を囲む四角形の枠体70の内周に形成されており、その上縁に2個のヒンジ71,71を介して排出口開閉扉69が枢支される。排出口開閉扉69の内面には環状のシール部材72が設けられており、このシール部材72は枠体70の外面に当接して残滓排出口68をシールする。また排出口開閉扉69を閉位置にロックすべく、その両側縁と下縁とに4個のロックレバーが73…が設けられる。
【0023】
図3および図6に示すように、動力室31の右側面に設けられた扉74の内側に制御装置75が設けられており、その上部に設けられた制御パネル76の一部が扉74の窓74aに臨んでいる。
【0024】
図13に示すように、制御パネル76には、二つのパネルヒータ温度調節器77,78、二つの内容物温度表示器79,80、排気温度調節器81、熱風温度調節器82、通常運転用タイマ83、通常運転表示ランプ84、満杯表示ランプ85、異常表示ランプ86、非常停止表示押しボタンスイッチ87、通常・停止・排出切換スイッチ88、正転・停止・逆転切換スイッチ89、休日運転ランプ押しボタンスイッチ90および休日運転タイマ91が設けられる。
【0025】
パネルヒータ温度調節器77,78は、それぞれ第1、第2生ごみ処理槽18a,18bのパネルヒータ27,28の温度表示および調整を司る。内容物温度表示器79,80は、それぞれ第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内容物(生ごみあるいは残滓)の温度を表示する。排気温度調節器81は、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bから排出される排気の温度を表示するとともに、その温度が上限温度以上になるとファンヒータ46の電源をオフし、その温度が下限温度以下になるとファンヒータ46の電源をオンする。熱風温度調節器82は、ファンヒータ46の熱風の温度を表示するとともに、その温度を設定温度に調節する。通常運転用タイマ83は、通常運転モードにおいて攪拌羽根40…,42…を間欠的に回転させべく、モータ36,36を駆動する時間と停止する時間とを設定する。
【0026】
通常運転表示ランプ84は、通常運転モードでの運転中に点灯し、その間に投入口開閉扉62,62を開くと点滅する。満杯表示ランプ85は、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bが満杯になると点灯する。異常表示ランプ86は、異常の発生時に点灯する。非常停止表示押しボタンスイッチ87は、それを押すと生ごみ発酵処理装置の全ての作動が停止する。通常・停止・排出切換スイッチ88は、通常運転モード、停止モード、排出モードを切り換える。正転・停止・逆転切換スイッチ89は、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bから残滓を排出する排出モードにおいて、攪拌羽根40…,42…の正転、停止および逆転を切り換える。
【0027】
休日運転ランプ押しボタンスイッチ90は、それを押すと休日運転モードになってランプが点灯し、休日運転タイマ91で設定した時間が経過すると生ごみ発酵処理装置の作動が停止する。休日運転タイマ91は、休日運転ランプ押しボタンスイッチ90を押してから生ごみ発酵処理装置の作動が停止するまでの時間を設定する。
【0028】
通常運転モードおよび休日運転モードの詳細は、後からフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0030】
先ず、ハウジング11の天井壁15に設けた投入口開閉扉62,62を開き、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部に生ごみを投入する。この状態でファンヒータ46を作動させ、入口ダクト47から吸入した空気をファンヒータ46で加熱して連結パイプ48から加熱空気供給ダクト44に供給するとともに、モータ36,36を駆動して回転軸34,34に設けた攪拌羽根40…,42…を回転させ、これに加えて排出ブロア50を作動させ、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部の加熱空気を加熱空気排出ダクト45、連結パイプ49、加熱用パイプ25、連結パイプ51、排出ブロア50および出口ダクト52を介して排出する。
【0031】
第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部に投入された生ごみは攪拌羽根40…,42…により攪拌されながら、加熱空気供給ダクト44から供給された加熱空気により加熱され、更にパネルヒータ27,28が発生する熱および加熱用パイプ25の内部を流れる加熱空気により加熱されることで、通性嫌気性菌および好気性菌を混合した微生物群の働きで発酵して微量の残滓が生成する。このとき、生ごみの発酵により発生した二酸化炭素と水(水蒸気)は、加熱空気と共に加熱空気排出ダクト45を経て第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの外部に排出される。そして生成した残滓は、排出口開閉扉69…を開くことにより第1、第2生ごみ処理槽18a,18bから取り出すことができる。尚、前記残滓は肥料、土壌改良材あるいは発酵促進材として利用可能である。
【0032】
ファンヒータ46からの加熱空気は加熱空気供給ダクト44の前端側(図6における右側)から後端側(図6における左側)に向けて流れる間に、7個の加熱空気供給口44a…から第1、第2生ごみ処理槽18a,18bに流入するが、仮に7個の加熱空気供給口44a…の開度が均一であると、加熱空気供給ダクト44の前端側の加熱空気供給口44aから流入する加熱空気の量が多くなり、後端側の加熱空気供給口44aから流入する加熱空気の量が少なくなるため、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの全体に均一に加熱空気を供給することができなくなる。そこで図6に示すように、7個の加熱空気供給口44a…の蓋体53…の位置を個々に調整し、前端側の加熱空気供給口44aの開度を小さくし、後端側の加熱空気供給口44aの開度を大きくすることにより、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの全体に均一に加熱空気を供給することができる。
【0033】
また第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部の加熱空気は排出ブロア50により加熱空気排出ダクト45の8個の加熱空気排出口45…に吸入されるが、仮に8個の加熱空気排出口45a…の開度が均一であると、加熱空気排出ダクト45の前端側(図6における右側)の加熱空気排出口45aから吸入される加熱空気の量が少なくなり、後端側(図6における左側)の加熱空気排出口45aから吸入される加熱空気の量が多くなるため、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの全体から均一に加熱空気を吸入することができなくなる。そこで図6に示すように、8個の加熱空気排出口45a…の蓋体56…の位置を個々に調整し、前端側の加熱空気排出口45aの開度を大きくし、後端側の加熱空気排出口45aの開度を小さくすることにより、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの全体から均一に加熱空気を吸入することができる。
【0034】
ところで、加熱空気供給ダクト44の加熱空気供給口44a…からは加熱空気が噴出しているため、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部で攪拌されて飛散した生ごみの屑が加熱空気供給ダクト44の内部に侵入する虞はないが、加熱空気排出ダクト45の加熱空気排出口45a…は加熱空気を吸入しているため、加熱空気と共に生ごみの屑が加熱空気排出ダクト45の内部に吸い込まれる虞がある。しかしながら、本実施例では加熱空気排出口45a…が加熱空気排出ダクト45の上面に開口しているため、その下方で攪拌されて飛散した生ごみの屑が加熱空気排出口45a…に吸い込まれないようにし、加熱空気排出ダクト45の詰まりを確実に防止することができる。しかも、生ごみの屑の吸い込み防止するために加熱空気排出ダクト45を攪拌羽根40…,42…に対して特別に高い位置に配置する必要がないため、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの高さを低くして投入口開閉扉62からの生ごみの投入作業を容易にすることができる。
【0035】
また図5に示すように、本実施例では相対向する右底壁22の先端と左底壁24の先端とを加熱用パイプ25の両側面に溶接W1,W1しているが、仮に右底壁22の先端と左底壁24の先端とを直接突き合わせて溶接すると、その接合部が溶接の熱で波うつように歪んで精度が低下する場合がある。しかしながら、本実施例の如く右底壁22の先端と左底壁24の先端との間に剛性の高い加熱用パイプ25を介在させることで、接合部が歪んで波うつのを防止することができる。しかも、加熱用パイプ25を介在させたことで右底壁22および左底壁24の接合部が滑らかに連続して鋭く尖らなくなるため、そこに生ごみが引っ掛かり難くすることができる。
【0036】
処理すべき生ごみの量が多い場合には、二つの生ごみ処理槽18a,18bを用いて処理を行うが、両生ごみ処理槽18a,18bへの生ごみの投入量が不均一になった場合、過剰に投入された生ごみが隔壁26を乗り越えて第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの一方から他方に移動するため、両生ごみ処理槽18a,18bの内部の生ごみの量が極端にアンバランスになるのを防止することができる。このことから、二つの投入口開閉扉62,62の一方だけから生ごみを投入しても、二つの生ごみ処理槽18a,18bで処理を行わせることができる。勿論、処理すべき生ごみの量が少ない場合には、何れか一方の生ごみ処理槽18a,18bだけを用いて処理を行うことができる。
【0037】
ところで、生ごみ発酵処理装置の運転は基本的に24時間連続して行われるが、休日に生ごみの処理を行わない場合には、必要な時間だけ生ごみ発酵処理装置を運転して節電を図ることができる。以下、その手法を図14および図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
先ず、ステップS1で通常・停止・排出切換スイッチ88を操作して通常運転モードを選択すると、ステップS2で通常運転モードが実行され、攪拌装置(つまりモータ36,36)と、給気装置(つまりファンヒータ46)と、排気装置(つまり排出ブロア50)とが作動する。この通常運転モードは、ステップS3で休日運転ランプ押しボタンスイッチ90を操作して休日運転モードを選択しない限り、またステップS4で開閉検知手段67,67がオンして投入口開閉扉62,62が開かれたことが検知されない限り継続される。そしてステップS5で通常・停止・排出切換スイッチ88を操作して停止モードを選択すると、ステップS6で停止モードが実行され、モータ36,36、ファンヒータ46および排出ブロア50の作動が停止する。また通常運転モードの実行中に、ステップS4で第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部に生ごみを投入すべく投入口開閉扉62,62を開くと開閉検知手段67,67がオンし、ステップS7でファンヒータ46および排出ブロア50が作動したままモータ36,36の作動だけが停止する。これにより、攪拌羽根40…,42…の回転が停止して生ごみの投入時の安全が確保される。そして生ごみの投入を終えて投入口開閉扉62,62を閉じると、ステップS8で開閉検知手段67,67がオフして前記ステップS2にリターンし、通常運転モードが再開される。
【0039】
生ごみの投入を行う予定のない休日の前日に、ステップS3で休日運転ランプ押しボタンスイッチ90を操作して休日運転モードを選択すると、ステップS9で休日運転タイマ91がスタートし、ステップS10で休日運転モードが実行され、モータ36,36、ファンヒータ46および排出ブロア50が作動する。この休日運転モードは、ステップS11で投入口開閉扉62,62を開いて開閉検知手段67,67がオンしなければ継続し、ステップS12で休日運転タイマ91がタイムアップすると、ステップS13で休日運転モードが終了し、モータ36,36およびファンヒータ46が作動を停止し、排出ブロア50だけが低速で作動を継続する。従って、休日の前日に最後の生ごみを投入したときに、休日運転タイマ91でその生ごみを処理するのに必要最小限の時間をセットしておけば、生ごみの処理が終わった後に生ごみ発酵処理装置が無駄な運転を継続して電力消費量が増加するのを防止することができる。
【0040】
ステップS13で休日運転モードが終了した後に、ステップS14で生ごみを投入すべく投入口開閉扉62,62を開いて開閉検知手段67,67がオンすると、ステップS15でモータ36,36が作動を停止したままファンヒータ46および排出ブロア50が通常どおり作動し、ステップS16で投入口開閉扉62,62を閉じて開閉検知手段67,67がオフすると、ステップS2にリターンして通常運転モードに復帰する。またステップS12で休日運転タイマ91がタイムアップする前に、ステップS11で生ごみを投入すべく投入口開閉扉62,62を開いて開閉検知手段67,67がオンすると、ステップS17で休日運転タイマ91がキャンセルされてステップS15に移行する。そしてステップS15でファンヒータ46および排出ブロア50を作動させたままモータ36,36が作動を停止し、ステップS16で投入口開閉扉62,62を閉じて開閉検知手段67,67がオフすると、ステップS2にリターンして通常運転モードに復帰する。
【0041】
以上のように、休日運転モードが選択された場合には、休日運転タイマ91がタイムアップする前に(つまり生ごみ発酵処理装置の運転中に)、新たに生ごみを投入すべく投入口開閉扉62,62を開くことにより通常運転モードに復帰するため、新たに追加投入した生ごみが未処理のまま休日運転タイマ91がタイムアップして生ごみ発酵処理装置が運転を停止してしまう事態を確実に防止することができる。また休日運転タイマ91がタイムアップして生ごみ発酵処理装置が運転を停止した後に、新たに生ごみを投入すべく投入口開閉扉62,62を開くことにより通常運転モードに復帰するため、休日み明けに生ごみ発酵処理装置の運転を再開するために通常・停止・排出切換スイッチ88を操作する必要がなく、新たに生ごみを投入すべく投入口開閉扉62,62を開くことで自動的に通常運転モードに復帰することができ、しかも新たに生ごみを投入した後に通常運転モードに復帰するための操作を忘れることもない。
【0042】
尚、第1、第2生ごみ処理槽18a,18bの内部の残滓を排出するには、通常・停止・排出切換スイッチ88で停止モードを選択して生ごみ発酵処理装置の運転を停止した後に排出口開閉扉69…を開き、正転・停止・逆転切換スイッチ89を正転位置あるいは逆転位置操作する。これにより、攪拌羽根40…,42…が正転あるいは逆転して残滓が自動的に排出される。
【0043】
次に、図16に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0044】
第1実施例では右底壁22および左底壁24を円形断面の加熱用パイプ25の両側面に溶接W1,W1しているが、第2実施例ではU字状の連結板92の下面開口部に底板93を溶接W2,W2して加熱用パイプ25を構成し、その連結板91の両端を右底壁22および左底壁24に溶接W1,W1したものである。この第2実施例によっても、第1実施例と同様の作用効果を達成することができる。
【0045】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0047】
また実施例では加熱用パイプ25と底壁22,24とを溶接W1,W1で結合しているが、ボルトやリベットのような任意の結合手段を用いても良い。
【0048】
また実施例の生ごみ発酵処理装置には2個の生ごみ処理槽18a,18bを設けているが、3個以上の生ごみ処理槽を設けても良い。
【0049】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、少なくとも2個の部分円筒状の底壁の相対向する側縁を結合して生ごみ処理槽の底部を構成する際に、それら底壁の側縁どうしをパイプ部材を介して結合するので、曲げに対して高い剛性を持つパイプ部材で底壁の側縁の波うちを防止して結合部の精度を高めることができる。しかもパイプ部材が介在することで両底壁の結合部に鋭いエッジが発生しなくなるため、その結合部に生ごみが引っ掛かり難くすることができる。さらに、パイプ部材の上流端を、生ごみ処理槽内の上部に配置され生ごみ処理槽内の加熱空気を吸入して排出するための加熱空気排出ダクトの下流端に連結し、パイプ部材の内部に加熱空気排出ダクト内の加熱空気を流通させるので、その加熱空気で生ごみ処理槽の底部を加熱して生ごみの処理効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生ごみ発酵処理装置の全体側面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】図5の6−6線断面図
【図7】図1の7−7線断面図
【図8】図2の8−8線断面図
【図9】図6の9部拡大図
【図10】図6の10部拡大図
【図11】図9の11−11線断面図
【図12】図10の12−12線断面図
【図13】制御パネルの拡大図
【図14】作用を説明するフローチャートの第1分図
【図15】作用を説明するフローチャートの第2分図
【図16】本発明の第2実施例に係る加熱用パイプの横断面を示す図
【図17】従来の生ごみ処理槽の底部の構造を示す図
【図18】図17の18方向矢視図
【符号の説明】
18a 生ごみ処理槽
18b 生ごみ処理槽
22 底壁
24 底壁
25 加熱用パイプ(パイプ部材)
34 回転軸
40 攪拌羽根
42 攪拌羽根
L 軸線
Claims (1)
- 生ごみ処理槽(18a,18b)の底部に並設した少なくとも2個の部分円筒状の底壁(22,24)に沿って、少なくとも2個の回転軸(34)に設けた攪拌羽根(40,42)をそれぞれ回転させることで生ごみを攪拌する生ごみ発酵処理装置において、
前記生ごみ処理槽(18a,18b)内の上部には、その生ごみ処理槽(18a,18b)内の加熱空気を吸入して排出するための加熱空気排出ダクト(45)を配置し、前記少なくとも2個の部分円筒状の底壁(22,24)の相対向する側縁を、前記底壁(22,24)の軸線(L)と平行に配置したパイプ部材(25)を介して結合するとともに、そのパイプ部材(25)の上流端を前記加熱空気排出ダクト(45)の下流端に連結し、前記パイプ部材(25)の内部に前記加熱空気排出ダクト(45)内の加熱空気を流通させることを特徴とする生ごみ発酵処理装置。
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