JP3886646B2 - 地面掘削埋め戻し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地面を掘削して凹所を形成し、この凹所に例えば管材を配設し、その後凹所を埋め戻す地面掘削埋め戻し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、例えば地面にガス管,水道管,光ファイバー等の電気通信ケーブル管などの管材を埋設する作業は、土留用の矢板を地面に所定の間隔を置いて突き刺しこの矢板間の地面を適宜な掘削機により掘削して凹所を形成し、作業者がこの凹所内において所定の管敷設管継合作業を行い、矢板を除去して該凹所に土を埋め戻し、この工程を順次繰り返して前方に管材を埋設していく作業となる。
【0003】
従って、矢板の突き刺し、矢板を除去する作業は必須の作業である為、非常に厄介である。
【0004】
ところで、上記従来の管材の埋設作業において、凹所に埋め戻す土は、掘削した土が適当な土でない場合、別のところで採取した土を埋め戻すやり方が採用されている。即ち、耐荷重性を考慮すると(沈下を防止する為)埋め戻す土は砂質の土が望ましく、よって、現実には掘削土はダンプカー等で現場外へ搬出し、砂質の土をダンプカーで現場へ搬入していることがほとんどであり、よって、この点においても管材の埋設作業は非常に厄介な作業となっている。また、このダンプカーの土の搬出入は、例えば車道に管材を埋設する場合には通行を一般的に遮断しなければならないことにもつながり、この意味でも非常に厄介な作業となっている。
【0005】
本発明は上述の問題点を解決した地面掘削埋め戻し装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
移動車1の後方に一対の土留体2,3が設けられ、この土留体2,3の間には地面を掘削して凹所4を形成する掘削部5が設けられ、この掘削部5により掘削した土を改質する土改質部6が設けられ、この土改質部6で改質された改質済土を土留体2,3の後方にして掘削部5で掘削された凹所4に搬送する搬送部7が設けられ、この搬送部7は、一対の回動ローラー体7a,7bに所定巾を有するベルト部材7cを巻回して成り、更に、この搬送部7は、前記土留体2,3の上方に配設されるとともに該搬送部7の後端部は前記土留体2,3の後端部より後方に位置するように構成され、更に、この搬送部7は前記移動車1の後方にして前記掘削部5及び土改質部6との近傍位置に着脱自在に設けられていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の地面掘削埋め戻し装置において、前記一対の土留体2,3間の間隔Lが適宜な手段により広狭可能に構成されていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置に係るものである。
【0009】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の地面掘削埋め戻し装置において、前記一対の土留体2,3が上方へ擺動可能に構成されていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置に係るものである。
【0010】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の地面掘削埋め戻し装置において、前記搬送部7により凹所4に搬送された改質済土を整地する整地部8が設けられていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置に係るものである。
【0011】
【発明の作用及び効果】
移動車1を所定の位置まで進め、掘削部5により地面を掘削しつつ移動車1を前進させる。この所定量の掘削により形成される所定長の凹所4の両側には土留体2,3が配設され、よって、この土留体2,3間において、作業者は所定の管材の配設及び継合作業を行う。
【0012】
また、掘削された土は土改質部において改質され、この改質済土は搬送部7により搬送され、管材の配設及び継合作業が完了した凹所に埋め戻される。
【0013】
以上の工程の連続により所定長の管材の埋設が完了する。
【0014】
従って、本装置によれば非常に効率良く管材の埋設を行うことができることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0016】
符号1は移動車,1aは操縦席,10は本装置の施工面となる地面、11は例えばガス管,水道管,光ファイバー等の電気通信ケーブル管などの管材である。尚、管材11の他、側溝等どのようなものでも良い。
【0017】
本実施例は、図1,2に図示したように移動車1の後方に一対の土留体2,3を設け、この土留体2,3の間にして移動車1の後方には地面を掘削して凹所4を形成する掘削部5が設けられ、この掘削部5により掘削した土を改質する土改質部6が設けられ、この土改質部6で改質された改質済土を土留体2,3の後方にして掘削部5で掘削された凹所4に搬送する搬送部7を設けたものである。
【0018】
以下、本実施例に係る構成各部の詳細な説明をする。
【0019】
土留体2,3は、適宜な金属製の板状であり、この土留体2,3は、移動車1の後方に互いに間隔Lをおいて枢着連設され、よって、土留体2,3は移動車1に対して上方に擺動自在に設けられている。従って、土留体2,3は作業時以外における移動車1の移動時や車庫への格納時には上方へ擺動させ、移動に支障のない状態とすることができることになる。尚、土留体2,3は図1の状態から180°擺動し、操縦席1aの両側に載置されるように構成することが望ましい。
【0020】
また、土留体2,3は、互いの間隔Lを4つの油圧ジャッキ9により広狭可能に構成されている。従って、土留体2,3は、土留め作用を行う場合、即ち、土留体2,3間で作業者が管材11の配設及び継合作業を行う場合には、互いの間隔Lを広げてしっかりと土留め作用を行い、それ以外の場合には互いの間隔Lを閉じて移動に支障のない状態とすることができることになる。
【0021】
掘削部5は、図示省略の適宜な駆動源により回動する一対の回動ローラー体
【0022】
5a,5bに所定巾を有する部材5cを巻回し、この部材5cの外周に該部材5cと略同巾の湾曲掘削歯板5dを並設して成るもので、移動車1の後方にして土留体2,3の間に設けている。従って、移動車1を前進させながら掘削部5を作動させることで、移動車1の通った地面10は土が掘削され凹所4を形成することができることになる。
【0023】
また、掘削部5は、前記土留体2,3と同様に上方へ擺動自在に設けられている。
【0024】
土改質部6は、土改質剤を収納する収納部6aと、この収納部6aから土改質剤を噴出する噴出部6bとから成るもので、移動車1の後方にして前記掘削部5の近傍位置に設けている。尚、この土改質剤とは、一般的に土が備える耐荷重性を向上させる為の公知のもので、例えば粘性を有する土に有効なものとしては市販のセメント系の土改質剤が挙げられる(この他にも土の質に合わせた種々の土改質剤が提案されている。)。従って、この土改質部6は、掘削部5で掘削した土に土改質剤をかけることで、当該土を埋め戻し用の土として最適な(耐荷重性に秀れた)ものにすることができることになる。
【0025】
尚、土改質部6には、掘削部5で掘削した土の質を検知し、この土の質に合わせて埋め戻し用の土として適するものに改質する土改質剤を種々の土改質剤の中から最適なものを選定する検知選定機構を設けても良い。
【0026】
搬送部7は、図示省略の適宜な駆動源により回動する一対の回動ローラー体7a,7bに所定巾を有するベルト部材7cを巻回して成るもので、移動車1の後方にして前記掘削部5及び土改質部6との近傍位置に着脱自在に設けられている。
【0027】
また、搬送部7は、前記土留体2,3よりも長く設定され、且つ、土留体2,3間上方に配設されることになる。符号7dは搬送部7の移動用車輪である。
【0028】
従って、搬送部7は作業時に移動車1に連結され(作業場まではトラック等で搬送される)、掘削部5で掘削され且つ土改質部6で改質された改質済み土をベルト部材7cで搬送し、掘削部5で掘削された凹所4まで搬送して埋め戻すことができることになる。
【0029】
また、搬送部7には、その後端部に整地部8が設けられている。この整地部8は搬送部7で搬送され、凹所4内に埋め戻された土を均し且つ締め固めるものである。
【0030】
この整地部8としては、作業する土の質や作業環境などを考慮して、土を叩いて締め固める殴打式の整地部8であったり、土を振動により締め固めるバイブレーター式の整地部8など適宜選択するものである。
【0031】
尚、移動車1にペットボトル等の廃材を溶融して管材11を製造する装置を設けると、本装置は更に実用性に秀れたものとなる。
【0032】
本実施例は上述のように構成したから、移動車1を所定の位置まで進め、掘削部5により地面を掘削しつつ移動車1を前進させる。この所定量の掘削により形成される所定長の凹所4の両側には土留体2,3が配設され、よって、この土留体2,3間において、作業者は所定の管材11の配設及び継合作業を行う(この作業者による管材11の配設及び継合作業の際、搬送部7の作動を停止して埋め戻しを一時中断したり、搬送部7の作動をゆっくりするなどして、作業者の作業に支障を来さないようにするものである。)。
【0033】
掘削された土は土改質部6において改質され、この改質済土は搬送部7により搬送され、管材11の配設及び継合作業が完了した凹所4に埋め戻される。
【0034】
以上の工程の連続により所定長の管材11の埋設が完了する。
【0035】
また、管材11の配設及び継合作業の施工法として、前述した工法の他にも、例えば、先ず、移動車1で前進しながら掘削部5により地面10を土留体2,3の長さ分だけ掘削して凹所4を形成し、続いて、この掘削部5により掘削した土を搬送部7に載せたまま該搬送部7を移動車1から外して少しだけ避けて作業者の凹所4への侵入部を確保し、続いて、作業者は搬送部7が避けてできた侵入部から凹所4内に入って管材11の配設及び継合作業を行い(この作業の間、移動車1の前進,掘削部5による掘削,搬送部7における改質済み土の搬送を一旦停止する。)、その後、再び移動車1に搬送部7を連結して、移動車1を前進させて掘削部5により地面10を掘削しながら、搬送部7を作動させて前記施工済みの凹所4に当該搬送部7上の改質済みの土を埋め戻し、順次この工程を繰り返して行う施工法や、掘削部5の掘削速度に比して搬送部7における改質済み土の搬送速度を遅らせることで埋め戻しのタイミングを遅らせて作業者の凹所4への侵入部を確保し(例えばこの搬送部7の速度は、掘削部5が土留体2,3の2倍の長さ分だけ掘削した時点で改質済み土の埋め戻しが行われる程度とする。)、作業者は埋め戻されていない部分から凹所4内に入って管材11の配設及び継合作業を行い(この作業の間、移動車1の前進,掘削部5による掘削,搬送部7における改質済み土の搬送を一旦停止する。)、その後、前記施工法と同様に、再び移動車1を前進させて掘削部5により地面を掘削しながら、搬送部7を作動させて前記施工済みの凹所4に当該搬送部7上の改質済みの土を埋め戻し、順次この工程を繰り返すようにする施工法などが考えられる(尚、搬送部7の搬送速度を制御する装置を設けなくても、搬送部7を土留体2,3の2倍の長さ分に設定して改質済み土の埋め戻しのタイミングを擦らすようにしても良い。)。
【0036】
従って、従来工法で施工した場合、矢板の突き刺し、矢板を除去する作業は必須の作業である為、非常に厄介であったり、この他にも、掘削土はダンプカー等で現場外へ搬出し、砂質の土をダンプカーで現場へ搬入していることがほとんどであったが、この点においても管材11の埋設作業は非常に厄介な作業となってしまい、その上、これに伴い、このダンプカーの土の搬出入は、例えば車道に管材11を埋設する場合には通行を一般的に遮断しなければならないことにもつながり、この意味でも非常に厄介な作業となってしまうなど様々な問題点があったが、本実施例によればそれら問題点は確実に解消することとなる。具体的には、本実施例によれば、地面の掘削部5による凹所4の形成、土留体2,3による作業空間の確保、土改質部6による掘削土の土改質、搬送部7による改質済み土の搬送及び埋め戻し、整地部8による埋め戻した土の整地、が移動体1の前進移動に伴って一連の作業の中で行われることになるから、管材の埋設作業を非常に効率良く且つ迅速にしかも小スペースで行うことができることになる。
【0037】
本実施例により施工した場合、従来の方法に比し、約10倍の管材11の埋設が行えることを確認している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の使用状態説明図である。
【図2】 本実施例の使用状態説明図である。
【符号の説明】
L 間隔
1 移動車
2 土留体
3 土留体
4 凹所
5 掘削部
6 土改質部
7 搬送部
7a ローラー体
7b ローラー体
7c ベルト部材
8 整地部
Claims (4)
- 移動車の後方に一対の土留体が設けられ、この土留体の間には地面を掘削して凹所を形成する掘削部が設けられ、この掘削部により掘削した土を改質する土改質部が設けられ、この土改質部で改質された改質済土を土留体の後方にして掘削部で掘削された凹所に搬送する搬送部が設けられ、この搬送部は、一対の回動ローラー体に所定巾を有するベルト部材を巻回して成り、更に、この搬送部は、前記土留体の上方に配設されるとともに該搬送部の後端部は前記土留体の後端部より後方に位置するように構成され、更に、この搬送部は前記移動車の後方にして前記掘削部及び土改質部との近傍位置に着脱自在に設けられていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置。
- 請求項1記載の地面掘削埋め戻し装置において、前記一対の土留体間の間隔が適宜な手段により広狭可能に構成されていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の地面掘削埋め戻し装置において、前記一対の土留体が上方へ擺動可能に構成されていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の地面掘削埋め戻し装置において、前記搬送部により凹所に搬送された改質済土を整地する整地部が設けられていることを特徴とする地面掘削埋め戻し装置。
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