JP3886292B2 - 歩行型管理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦向きの出力軸を備えたエンジンからの動力を、前記出力軸を太陽ギヤとする遊星減速装置と、前記出力軸と同一軸芯上に配設された縦向き伝動軸とを介して、前記遊星減速装置及び縦向き伝動軸を内装するミッションケースの下部に配設した横向きの出力軸に伝達するように構成した歩行型管理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような歩行型管理機においては、例えば、実公昭61−18274号公報で開示されているように、大径ギヤ部と小径ギヤ部とを上下に備えた複数の遊星ギヤ、大径ギヤ部に噛合する大径リングギヤ、小径ギヤ部に噛合する小径リングギヤ、大径リングギヤと小径リングギヤとの間に介装されたブレーキシュー、及び、このブレーキシューを大径リングギヤ又は小径リングギヤを制動停止させる状態に切り換え操作可能なカム機構、などを備えて高低2段の変速を行えるように構成したものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術は、遊星減速装置に変速装置の機能を付加することから遊星減速装置の複雑化を招くものであり、それによって、組付け誤差が生じ易くなり、太陽ギヤに対する各遊星ギヤの噛合が不均等になることなどに起因した太陽ギヤや遊星ギヤなどの早期磨耗あるいは異音の発生などの不都合を招き易くなっていた。
【0004】
又、大径リングギヤと小径リングギヤとを備え、それらの間にブレーキシューを介装することから、遊星減速装置の径寸法が大きくなって機体が大型化する不都合を招くようになっていた。
【0005】
本発明の目的は、遊星減速型の歩行型管理機を、太陽ギヤや遊星ギヤなどの早期磨耗、異音の発生、及び、機体の大型化を招くことなく変速可能に構成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、縦向きの出力軸を備えたエンジンからの動力を、前記出力軸を太陽ギヤとする遊星減速装置と、前記出力軸と同一軸芯上に配設された縦向き伝動軸とを介して、前記遊星減速装置及び縦向き伝動軸を内装するミッションケースの下部に配設した横向きの出力軸に伝達するように構成した歩行型管理機において、前記縦向き伝動軸に沿う方向のシフト操作で、前記遊星減速装置から前記縦向き伝動軸への伝動を変速する変速装置を備え、前記変速装置は、前記遊星減速装置の遊星キャリヤに常時噛合う大径ギヤとその下方位置において前記大径ギヤと一体に形成した小径ギヤを備えた一対の変速ギヤと、前記縦向き伝動軸と一体回転するとともにシフトフォークの操作により上下動するシフト部材とを備え、前記シフトフォークによるシフト部材の上方への操作でシフト部材が前記遊星キャリヤと噛合して該遊星キャリヤを前記縦向き伝動軸に対して直結する状態と、シフトフォークによるシフト部材の下方への操作でシフト部材が前記遊星キャリヤに対して離脱するとともにシフトフォークの係合部よりも上方の位置におけるシフト部材の外周に形成したギヤと前記小径の変速ギヤとが噛合して前記シフト部材が遊星キャリヤに直結した状態よりも低速で伝動する状態との高低2段に切り換え可能に構成してある。
【0007】
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、遊星減速装置に変速装置の機能を付加するのではなく、新たに変速装置を備えることから、遊星減速装置の複雑化を防止することができ、それによって、組付け誤差が生じ易くなることを回避することができて、太陽ギヤに対する各遊星ギヤの噛合が不均等になることなどに起因した太陽ギヤや遊星ギヤなどの早期磨耗並びに異音の発生などを招き難くすることができるようになる。
【0008】
又、変速装置は、縦向き伝動軸に沿う方向のシフト操作で遊星減速装置から縦向き伝動軸への伝動を変速する、というように、遊星減速装置と縦向き伝動軸との間の比較的余裕のある箇所に介装されるものであることから、それによって遊星減速装置の径寸法が大きくなって機体が大型化する、といった不都合を招くこともない。
【0009】
〔効果〕
従って、遊星減速型の歩行型管理機を、太陽ギヤや遊星ギヤなどの早期磨耗、異音の発生、及び、機体の大型化を招くことなく変速可能に構成できるようになった。
【0010】
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記変速装置を、前記遊星減速装置の遊星キャリヤに前記縦向き伝動軸を直結する状態と、前記遊星キャリヤに変速ギヤを介して前記縦向き伝動軸を伝動連結する状態と、前記遊星キャリヤに前記縦向き伝動軸を伝動連結しない状態とに切り換え可能に構成した。
【0011】
〔作用〕
上記請求項2記載の発明によると、変速装置により高低2段の変速と伝動の断続を行えるようになる。又、高低いずれか一方の変速状態を遊星キャリヤに縦向き伝動軸を直結する状態としていることから、遊星キャリヤに高速ギヤを介して縦向き伝動軸を伝動連結する状態と、遊星キャリヤに低速ギヤを介して縦向き伝動軸を伝動連結する状態とに切り換え可能に構成する場合に比較して、構成の簡素化や製造コストの低減化を図れるようになる。
【0012】
〔効果〕
従って、構成の簡素化や製造コストの低減化を図りながら変速装置を主クラッチとして機能させることができるようになった。
【0013】
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記変速ギヤを前記ミッションケース内に立設した縦向きの支軸に回動自在に外嵌装着するとともに、前記ミッションケースから前記支軸の上部に亘ってプレートを架設した。
【0014】
〔作用〕
上記請求項3記載の発明によると、変速ギヤとその上方に位置する遊星減速装置との間に形成される狭い空間を利用して、プレートをミッションケースから支軸の上部に亘って架設するようにしていることから、縦向き伝動軸に沿う方向のシフト操作に伴って変速ギヤが支軸に沿う方向に摺動することを阻止できるようになる。
【0015】
〔効果〕
従って、機体の大型化を招くことなく、変速装置の切り換え操作を円滑に行えるようになった。
【0016】
本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項2又は3記載の発明において、前記遊星キャリヤの周囲に複数個の前記変速ギヤを等間隔に配設した。
【0017】
〔作用〕
上記請求項4記載の発明によると、遊星キャリヤの周囲に複数個の変速ギヤを等間隔に配設していることにより、遊星キャリヤに掛かるギヤ反力を相殺することができ、これによって、遊星キャリヤに掛かるギヤ反力で、遊星キャリヤに支持された各遊星ギヤの太陽ギヤに対する噛合が不均等になる不都合が生じることを回避でき、結果、遊星キャリヤに掛かるギヤ反力に起因した太陽ギヤや遊星ギヤなどの早期磨耗並びに異音の発生などを防止できるようになる。
【0018】
〔効果〕
従って、太陽ギヤや遊星ギヤなどの早期磨耗並びに異音の発生などをより効果的に防止できるようになった。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1には歩行型管理機の全体側面が示されており、この歩行型管理機は、空冷式で縦軸型のエンジン1、エンジン1の下部に連設されたミッションケース2、後方に向けて延設された左右一対の操縦ハンドル3、及び、ミッションケース2の左右両側に配設される作業装置の一例である推進車輪兼用の耕耘ロータ4、などによって耕耘作業を行う状態に構成されている。
【0021】
図2〜4に示すように、ミッションケース2は、エンジン1の下部に連結される筒状のケース本体2Aと、その底部に接合される底壁部材2Bとから構成されている。ミッションケース2には、エンジン1の出力軸1aを太陽ギヤとする遊星減速装置5、出力軸1aと同一軸芯P1上に配設された縦向き伝動軸6、及び、縦向き伝動軸6の下端に装着されたベベルギヤ式伝動機構7、などが内装されている。又、ミッションケース2の下部には、ミッションケース2から左右の両外側方に向けて突出する横向きの出力軸8が配設されており、この出力軸8の両端に耕耘ロータ4が一体回転するように装着されている。
【0022】
遊星減速装置5は、出力軸1a、出力軸1aのスプラインに噛合する3個の遊星ギヤ9、これらの遊星ギヤ9を等間隔に支持する遊星キャリヤ10、及び、これらの遊星ギヤ9を噛合案内するリングギヤ11、などによって構成されており、出力軸1aの回転に伴って、各遊星ギヤ9が公転しながら遊星キャリヤ10に減速伝動することで、遊星キャリヤ10が出力軸1aと同一軸芯P1周りに減速回転駆動されるようになっている。
【0023】
図2及び図3に示すように、リングギヤ11は、その外周とそれを支持するミッションケース2の内周との間に径方向の融通を有する状態でミッションケース2に載置支持されている。ミッションケース2には、リングギヤ11の下方に配置される円弧状の摩擦板12Aが装備されており、この摩擦板12Aには、ミッションケース2の内面に形成された凹部2aとの係合で、この摩擦板12Aのリングギヤ11との連れ回りを阻止する凸部12aが形成されている。エンジン1には、リングギヤ11の上方に配置される円弧状の摩擦板12Bを備えるとともに、これら上下の摩擦板12A,12Bでリングギヤ11を上下方向から圧接してミッションケース2に対するリングギヤ11の相対回転を阻止する制動状態と、前記圧接を解除してミッションケース2に対するリングギヤ11の相対回転を許容する非制動状態とを切り換え現出する乗り上がりカム式の操作機構13が装備されている。操作機構13は、上側の摩擦板12Aがビス13aにて固定されるとともに上下方向に変位可能な押圧部材13A、縦軸芯P2周りの回動で押圧部材13Aを押圧する状態と押圧しない状態とに切り換える操作部材13B、操作部材13Bと一体回動する操作アーム13C、及び、操作部材13Bを非制動状態に復帰付勢するバネ13D、などによって構成されるとともに、操作アーム13Cが、図1に示す左側の操縦ハンドル3に装備された操作レバー14に、その操作レバー14の操縦ハンドル3側への握り込み操作に伴って、操作部材13Bが押圧部材13Aを押圧する側に回転するようにワイヤ連係されている。
【0024】
この構成から、操作レバー14を操縦ハンドル3側に握り込み操作すると、リングギヤ11の回転を阻止する制動状態が現出されて各遊星ギヤ9が公転するようになっており、これによって、エンジン1から耕耘ロータ4への伝動が行われるようになる。又、操作レバー14の操縦ハンドル3側への握り込み操作を解除すると、リングギヤ11の回転を許容する非制動状態が現出されて各遊星ギヤ9の公転が阻止されるようになり、これによって、エンジン1から耕耘ロータ4への伝動が遮断されるようになる。
【0025】
つまり、リングギヤ11、摩擦板12、及び、操作機構13によって、耕耘ロータ4に対するエンジン1からの伝動を断続する主クラッチ15が構成されている。
【0026】
図3及び図4に示すように、遊星減速装置2の遊星キャリヤ10と縦向き伝動軸6との間には変速装置16が介装されている。変速装置16は、縦向き伝動軸6にスプライン嵌合されたシフト部材16Aの縦向き伝動軸6に沿う方向へのシフト操作で、遊星キャリヤ10に縦向き伝動軸6を直結する高速伝動状態〔図4において実線で示す状態〕と、遊星キャリヤ10に一対の変速ギヤ16Bを介して縦向き伝動軸6を伝動連結する低速伝動状態〔図4において二点鎖線で示す状態〕とに切り換え可能に構成されている。シフト部材16Aは、ミッションケース2に横軸芯P3周りに前後揺動可能に支持された変速レバー17の揺動操作で、それと支軸18を介して一体揺動するように連動連結されたシフトフォーク16Cを上下揺動させることによって、縦向き伝動軸6に沿う方向にシフト操作されるようになっている。
【0027】
一対の変速ギヤ16Bは、遊星キャリヤ10の周囲に等間隔に配設されるように、ミッションケース2内において縦向き伝動軸6を中心とする対称位置に立設された縦向きの支軸19に回動自在に外嵌装着されている。又、各変速ギヤ16Bは、ミッションケース2から各支軸19に亘って架設されたプレート20によって上下方向への変位が阻止されている。
【0028】
図3〜5に示すように、ベベルギヤ式伝動機構7は、縦向き伝動軸6の下部に一体形成された第1ベベルギヤ6Aと、第1ベベルギヤ6Aに噛合する第2ベベルギヤ21とから構成されている。出力軸8は、同一軸芯P4上に配設された左出力軸部8Aと右出力軸部8Bとの2分割構造に構成されている。ベベルギヤ式伝動機構7と出力軸8との間には、左右の出力軸部8A,8Bを独立駆動可能に伝動するサイドクラッチ機構22が介装されている。
【0029】
サイドクラッチ機構22は、第2ベベルギヤ21と一体回転する左右向きの筒軸23、左右の各出力軸部8A,8Bにおいて筒軸23に内嵌される内嵌部分8a,8b、筒軸23の周部に形成した左右の貫通孔23a,23bと各内嵌部分8a,8bの外周に形成した凹部8aa,8baとに亘って係入する伝動位置と、凹部8aa,8baから離脱する非伝動位置とに移動可能な左右6個ずつの伝動ボール24、それらの各伝動ボール24を伝動位置に保持する保持位置と左右一方の伝動ボール24の非伝動位置への移動を許容する左右の非保持位置とに亘って摺動可能なホルダ25、及び、ホルダ25を保持位置に復帰付勢する左右一対のバネ26、などによって、単一のシフトフォーク27によるホルダ25の摺動操作で、左右の出力軸部8A,8Bを一体駆動する状態〔図4参照〕と左右一方の出力軸部8A,8Bを独立駆動する状態〔図5参照〕とに切り換え可能なボール伝動式に構成されるとともに、ベベルギヤ式伝動機構7のデッドスペースSに配設されている。
【0030】
図1及び図3に示すように、シフトフォーク27は、ミッションケース2内における縦向き伝動軸6の直前方箇所において、縦向き伝動軸6と平行で縦軸芯P5周りに回動自在に配設された操作軸28の下端に固着されている。操作軸28の上端には、ダイカスト製のベベルギヤ29が縦軸芯P5周りに一体回動するように連結されている。ベベルギヤ29には、ミッションケース2に前後軸芯P6周りに回動自在に支持された連係軸30と一体回動するダイカスト製のベベルギヤ31が噛合している。連係軸30の外端には天秤型の連係アーム32が固着されており、連係アーム32の両端は、右側の操縦ハンドル3に装備された操向レバー33にワイヤ連係されている。
【0031】
この構成から、作業中に操向レバー33を中立位置から右方向に揺動操作すると、連係アーム32が右回りに揺動し、それによって、シフトフォーク27が右方向に揺動し、ホルダ25を右方向へ摺動させて右出力軸部8Bへの伝動を遮断するようになっており、もって、左出力軸部8Aに装着した耕耘ロータ4の推力による、右出力軸部8Bに装着した耕耘ロータ4側を支点とする右旋回状態を現出でき、又逆に、作業中に操向レバー33を中立位置から左方向に揺動操作すると、連係アーム32が左回りに揺動し、それによって、シフトフォーク27が左方向に揺動し、ホルダ25を左方向へ摺動させて左出力軸部8Aへの伝動を遮断するようになっており、もって、右出力軸部8Bに装着した耕耘ロータ4の推力による、左出力軸部8Aに装着した耕耘ロータ4側を支点とする左旋回状態を現出できるようになっている。つまり、旋回操作時には、機体の小回り旋回などの旋回操作を簡単に行えるようになっており、もって、作業効率の向上を図れるようになっている。
【0032】
尚、操向レバー33の揺動操作を解除すると、サイドクラッチ機構22に備えた左右一対のバネ26の付勢によって、ホルダ25が保持位置に復帰して左右の出力軸部8A,8Bに伝動するようになっており、もって、左右の出力軸部8A,8Bに装着した各耕耘ロータ4の推力による直進状態を現出できるようになっている。
【0033】
図1に示すように、耕耘ロータ4の後方には、耕耘ロータ4からの動力がチェーン式減速伝動機構34を介して伝達される単一の駆動輪35を配備している。つまり、駆動輪35を備えることによって、耕深を深くした際の推力不足の発生を回避できるとともに、この駆動輪35を支点にして耕耘ロータ4を持ち上げることによって移動走行を容易に行えるようになっている。又、駆動輪35には、耕耘ロータ4からの動力を減速伝動していることから、耕耘ロータ4の推力によるダッシングを防止できるようになっている。尚、駆動輪35は機体の左右中央に配置されており、その通過跡が操縦者の足跡と一致するようになっている。
【0034】
チェーン式減速伝動機構34は、耕耘ロータ4の筒軸4Aに軸芯P4周りに揺動可能な状態で連動連結されるとともに、その中間部が支持フレーム36を介してヒッチ37に吊り下げ支持されている。支持フレーム36は、ヒッチ37に高さ調節可能に取り付けられている。つまり、ヒッチ37に対する支持フレーム36の取り付け高さ位置を調節することによって、耕耘ロータ4に対する駆動輪35の高さ位置を変更できるようになっており、これによって、所望の耕深位置に耕耘ロータ4を容易に位置させることができて、耕耘作業を所望の耕深で安定して行えるようになっている。
【0035】
尚、駆動輪35に代えて、図6〜8に示すように、耕耘ロータ4の推力によるダッシングを防止するための抵抗棒38と、移動走行を容易にするための左右一対の移動輪39とを、抵抗棒38が接地するとともに左右の移動輪39が上方に退避する作業姿勢〔図6参照〕と、抵抗棒38が上方に退避するとともに左右の移動輪39が接地する移動姿勢〔図7参照〕とに、姿勢切り換え可能に備えるようにしてもよい。
【0036】
その構成について詳述すると、図6〜8に示すように、抵抗棒38は、ヒッチ37の上部にボス40を介して横軸芯P7周りに揺動自在に取り付けられ、左右の移動輪39は、ヒッチ37の下部に支持フレーム41を介して横軸芯P8周りに揺動自在に取り付けられている。ボス40には、横軸芯P7周りに一体揺動する揺動アーム42が、支持フレーム41には、横軸芯P8周りに一体揺動する第1アーム43と第2アーム44とが備えられ、揺動アーム42と第1アーム43とが円弧状のリンク45を介して連係されている。第2アーム44の遊端にはボス46が備えられ、そのボス46に操作レバー47が摺動可能に内嵌されている。第2アーム44の中間部には、ヒッチ37に突設された第1係止ピン48及び第2係止ピン49に係止可能な係止アーム50が枢支されており、この係止アーム50と操作レバー47とがボス46を挿通するロッド51で連結されている。ロッド51には、このロッド51を介して係止アーム50を第1係止ピン48及び第2係止ピン49側に揺動付勢するバネ52が外嵌されている。
【0037】
以上の構成から、図6に示すように、操作レバー47を操作して係止アーム50を第1係止ピン48に係止させることによって、抵抗棒38と左右の移動輪39とを作業姿勢に切り換えることができ、この状態で抵抗棒38を地面に押し付けることによって耕耘ロータ4の推力によるダッシングを防止できるようになっている。又、図7に示すように、操作レバー47を操作して係止アーム50を第2係止ピン49に係止させることによって、抵抗棒38と左右の移動輪39とを移動姿勢に切り換えることができ、この状態で左右の移動輪39を支点にして耕耘ロータ4を持ち上げることによって移動走行を容易に行えるようになっている。
【0038】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1) 変速装置16を、縦向き伝動軸6に沿う方向のシフト操作で、遊星減速装置5の遊星キャリヤ10に縦向き伝動軸6を直結する状態と、遊星キャリヤ10に変速ギヤ16Bを介して縦向き伝動軸6を伝動連結する状態と、遊星キャリヤ10に縦向き伝動軸6を伝動連結しない状態とに切り換え可能に構成して、主クラッチ15の機能をも備えさせるようにしてもよい。
(2) 出力軸8に装着される作業装置としては、代掻きロータや培土用ロータなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】歩行型管理機の全体側面図
【図2】遊星減速装置の構成を示す要部の横断平面図
【図3】歩行型管理機の伝動構成を示す要部の縦断側面図
【図4】サイドクラッチ機構の直進状態を示す要部の縦断背面図
【図5】サイドクラッチ機構の旋回状態を示す要部の縦断背面図
【図6】抵抗棒が接地する作業姿勢に切り換えた状態を示す要部の側面図
【図7】移動輪が接地する移動姿勢に切り換えた状態を示す要部の側面図
【図8】抵抗棒と移動輪の姿勢切り換え構造を示す要部の側面図
【符号の説明】
1 エンジン
1a 出力軸
2 ミッションケース
5 遊星減速装置
6 縦向き伝動軸
8 出力軸
10 遊星キャリヤ
16 変速装置
16B 変速ギヤ
19 支軸
20 プレート
P1 軸芯
Claims (4)
- 縦向きの出力軸を備えたエンジンからの動力を、前記出力軸を太陽ギヤとする遊星減速装置と、前記出力軸と同一軸芯上に配設された縦向き伝動軸とを介して、前記遊星減速装置及び縦向き伝動軸を内装するミッションケースの下部に配設した横向きの出力軸に伝達するように構成した歩行型管理機であって、
前記縦向き伝動軸に沿う方向のシフト操作で、前記遊星減速装置から前記縦向き伝動軸への伝動を変速する変速装置を備え、
前記変速装置は、前記遊星減速装置の遊星キャリヤに常時噛合う大径ギヤとその下方位置において前記大径ギヤと一体に形成した小径ギヤを備えた一対の変速ギヤと、前記縦向き伝動軸と一体回転するとともにシフトフォークの操作により上下動するシフト部材とを備え、前記シフトフォークによるシフト部材の上方への操作でシフト部材が前記遊星キャリヤと噛合して該遊星キャリヤを前記縦向き伝動軸に対して直結する状態と、シフトフォークによるシフト部材の下方への操作でシフト部材が前記遊星キャリヤに対して離脱するとともにシフトフォークの係合部よりも上方の位置におけるシフト部材の外周に形成したギヤと前記小径の変速ギヤとが噛合して前記シフト部材が遊星キャリヤに直結した状態よりも低速で伝動する状態との高低2段に切り換え可能に構成してある歩行型管理機。 - 前記変速装置を、前記遊星減速装置の遊星キャリヤに前記縦向き伝動軸を直結する状態と、前記遊星キャリヤに変速ギヤを介して前記縦向き伝動軸を伝動連結する状態と、前記遊星キャリヤに前記縦向き伝動軸を伝動連結しない状態とに切り換え可能に構成してある請求項1記載の歩行型管理機。
- 前記変速ギヤを前記ミッションケース内に立設した縦向きの支軸に回動自在に外嵌装着するとともに、前記ミッションケースから前記支軸の上部に亘ってプレートを架設してある請求項2記載の歩行型管理機。
- 前記遊星キャリヤの周囲に複数個の前記変速ギヤを等間隔に配設してある請求項2又は3に記載の歩行型管理機。
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JP2009011233A (ja) * | 2007-07-04 | 2009-01-22 | Kubota Corp | 歩行型管理機 |
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