JP3886204B2 - カードコネクタ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等の電子機器にPCカードを電気的および機械的に接続するためのカードコネクタに関し、特に、エジェクト機構付きPCカード用カードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
PCカードを装着した状態でも、PCカード抜去用のプッシュボタンを非装着状態と同じ位置に保持し、PCカードを抜去するときにのみプッシュボタンを突出させることのできるエジェクト機構を備えたカードコネクタの例が特開平8−96891号、米国特許第5,558,527号および第5,575,669号に記載されている。
これらのエジェクト機構は、基本的には、プッシュボタンを外端部に取付けられかつ外方に向けてばねで付勢される操作ロッドと、レバーを介してPCカード抜去用プレートを駆動する駆動ロッドと、カム駆動されて外側の操作ロッドと内側の駆動ロッドとを連結および分離する中間部材と、これらの操作ロッドと駆動ロッドとを摺動自在に案内するケースとを備える。このケースの底壁には、凸設端側を外側に配置しかつ凹設端側を内側に配置した大略ハート型状のカム溝が形成されている。操作ロッドから突出する従動ピンがこのカム溝と係合し、操作ロッドが移動されるときに、このカム溝内を一定方向に沿って移動することができる。通常の状態では、従動ピンが大略ハート型状のカム溝の凹部内に配置されており、操作ロッドは、ばねの付勢力に抗して保持される。したがって、プッシュボタンは、電子機器の外側に大きく突出せず、プッシュボタンの誤操作が防止されると共に、他の装置等と干渉することもない。
【0003】
PCカードを抜去する場合は、プッシュボタンを軽く押圧する。これにより、従動ピンが大略ハート型状のカム溝の凹部から押出され、この後、ばねの付勢力により、カム溝内を凸設端側に移動され、プッシュボタンが電子機器の外側に大きく突出する。このとき、中間部材もカム駆動されて、操作ロッドから駆動ロッドに力伝達可能な状態に配置される。そして、外側に大きく突出したプッシュボタンを押圧すると、中間部材を介して、プッシュボタンに作用する押圧力が操作ロッドから駆動ロッドに伝達され、レバーおよびPCカード抜去用プレートが駆動される。操作ロッドと駆動ロッドとがケースの内面に沿って案内されるため、中間部材との当接部で中折れ状態とはならない。PCカード抜去用プレートの移動と共に、PCカードも移動し、カードコネクタから抜去される。PCカードが抜去された後、プッシュボタンに作用する押圧力が解除されると、操作ロッドの従動ピンがハート型状カムの凹部内に再度保持される。中間部材は、駆動ロッドおよびPCカード抜去プレートが、操作ロッドと干渉することなく、この操作ロッドの位置に関わりなく自由に移動できるようにする。
【0004】
しかし、従来のエジェクト機構は、いずれも操作ロッドおよび駆動ロッドを中間部材と共にケース内に収容し、このケースの内面に沿って案内するため、多くの部品を必要としている。このため、近年における電子機器の小形化および高機能化の要請に応えることのできるカードコネクタが必要とされている。
【0005】
本発明は、これらの事情に基づいてなされたもので、構造が簡単で安価に製造することのできるエジェクト機構付きカードコネクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、本発明のエジェクト機構付きPCカード用カードコネクタは、PCカードに接続する複数の端子ピンを配列したヘッダ部と、このPCカードに係合する係合部を有し、PCカードの挿抜方向に沿って案内されるエジェクト板と、このエジェクト板と回動自在に連結される連結部と、この連結部から離隔した位置でヘッダ部に回動可能に支えられる支持部と、この支持部から連結部の反対側に延び、ヘッダ部の側方に突出する突片部とを有するリンク部材と、ヘッダ部に隣接配置される内端部と、ヘッダ部から離隔配置されかつ押圧力を受ける外端部とを有し、この外端部がヘッダ部から離隔する外方に繰出される繰出し位置からヘッダ部に近接する内方に押込まれる押込み位置に移動されるときに、リンク部材を介してエジェクト板をPCカード抜去方向に移動するプッシュロッドと、繰出し位置に向けて、このプッシュロッドを付勢する付勢手段と、外端部から受ける押圧力により、このプッシュロッドが繰出し位置から押込み位置に向けて移動されるときに、リンク部材を介して前記エジェクト板をPCカードの抜去方向に駆動し、このプッシュロッドが押込み位置に配置されかつ押圧力を解除されたときに、外端部が押込み位置よりも僅かに外方に配置される保持位置に、このプッシュロッドを係止し、この保持位置のプッシュロッドが外端部を介して押圧力を受けたときに、プッシュロッドの係止を解除して繰出し位置に復帰させる作動装置とを具備してなり、この作動装置は、プッシュロッドの内端部に配置された可動アクチュエータ部材と、ヘッダ部に設けられてこのアクチュエータ部材を作動するカムとを備え、このカムは、プッシュロッドが繰出し位置から押し込み位置に移動されるときに、アクチュエータ部材を、リンク部材の突片部と係合可能な突出位置に突出させて案内する駆動部と、このプッシュロッドが押込み位置に配置されかつ押圧力を解除されたときに、アクチュエータ部材を突片部との係合が不能な引込み位置に引込みかつこのアクチュエータ部材を係止してプッシュロッドが繰出し位置に復帰するのを阻止する係止部と、この保持位置のプッシュロッドが外端部を介して押圧力を受けたときに、アクチュエータ部材の係止を解除しかつ引込み位置に引込んで案内する復帰部とを有することに特徴がある。
このカードコネクタによれば、アクチュエータ部材を内包したプッシュロッドが、このアクチュエータ部材によりリンク部材に直接係合し、このリンク部材を介してエジェクト板を移動する。このため、数少ない部品によりカードコネクタの小形化および低コスト化が可能であると共に、プッシュロッドの外端部に作用する押圧力が、このプッシュロッドからリンク部材に直接作用し、PCカードを効率的に抜去することができる。
【0007】
また、ヘッダ部が、リンク部材の突片部が突出する側に配置されて上記カムを形成した側部突出部と、この側部突出部に形成されてプッシュロッドの内端部をPCカードの挿抜方向に沿って案内する案内レールとを有し、プッシュロッドの内端部が、この案内レールに沿って摺動しかつカムに重なる状態に配置される中空構造のスライダを有し、アクチュエータ部材が、このスライダ内に装着され、スライダのヘッダ部に対向する側壁部に形成された開口から突出可能とすることもできる。この場合は、案内レールおよびカムがヘッダ部に形成されることにより、極めて簡単かつ高精度に組立てることができる。
【0008】
上記アクチュエータ部材は、スライダで係止されるストッパを有し、このストッパにより開口からの突出量を規制されるのが好ましい。この場合には、スライダがアクチュエータ部材に作用する力を支えることができ、別個の案内部材を必要としない。
【0009】
上記プッシュロッドは、スライダの一端に連結される作動アームを有し、この作動アームの外端部が押圧力を受けるようにしてもよい。
更に、このカードコネクタは、ヘッダ部と、このヘッダ部の両側端部から延び、PCカードの側縁部をPCカードの挿抜方向に沿って案内する一対の対向した腕部とでコネクタフレームを形成し、それぞれがこのコネクタフレームに装着されるボディ部と、このボディ部から延びてコネクタフレームとプリント基板との間に所定の間隔を保持するスタンドオフ部と、このスタンドオフ部から延びてプリント基板の開口内に突出し、このプリント基板の反対側から締結具で締付けられる結合部とを有し、コネクタフレームをプリント基板に固定する複数の取付けブラケットとを備え、各取付けブラケットのボディ部とコネクタフレームとの一方に係止孔が設けられ、かつ、他方にはこの係止孔に挿入される保持爪が設けられ、各取付けブラケットは、これらの係止孔と保持爪とを噛合わせることにより、各ボディ部をコネクタフレームに固定され、取付けブラケットを反転させてスタンドオフ部を反対側に配置した反転位置と非反転位置とで、PCカードの幅方向および挿抜方向に沿う各結合部の位置を同じ位置とし、プリント基板の任意に選択した側に取付け可能とすることもできる。この場合には、取付けブラケットを反転させても、各取付けブラケットの結合部がPCカードの幅方向および挿抜方向に沿って同じ位置に配置されるため、取付けブラケットの方向を変更するだけで、プリント基板のいずれの側にも簡単に装着することができる。
【0010】
腕部を、互いに同一構造とすることにより、同一の腕部をいずれの側にも用いることができる。
また、カムを、エジェクト板が移動する平面に対してほぼ直交する平面内に配置し、このカムの駆動部を、PCカードの挿抜方向に対してほぼ直交する方向に向けてアクチュエータ部材を突出させて案内するように形成してもよい。この場合には、ヘッダ部の幅を狭く形成し、小形化することができる。
【0011】
更に、カムが、側部突出部に設けた溝を有し、アクチュエータ部材が、この溝に沿って案内される従動ピンを有しかつ側部突出部に向けてばね付勢され、この従動ピンが溝の底壁に接触するようにしてもよい。この場合には、カードコネクタがどのような状態に配置されていても、アクチュエータ部材が確実にカム駆動される。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
【実施の形態】
図1から図9は、本発明の好ましい実施の形態によるカードコネクタ10を示す。本実施の形態におけるカードコネクタ10はプリント基板P(図8参照)にねじ止めされるものである。
図1に示すように、このカードコネクタ10は、PCカードCに接続する複数の端子ピン12を幅方向に沿って配列したヘッダ部14と、このヘッダ部の両側端部から延びる一対の対向した腕部16とを有するコネクタフレームを18を備える。
【0013】
ヘッダ部14には、絶縁材により同一構造に形成された2つのヘッダボディ14aがPCカードCの厚さ方向に重ねて配置される(図8参照)。これらのヘッダボディ14aは、端子ピン12の先端側を小プリント基板20のスルーホール28a(図4参照)に挿通させ、これらのスルーホールに半田付けされる。また、各ヘッダボディ14aの後端側は、腕部16により両側端部で一体的に連結されており、したがって、各ヘッダボディ14aはこれらの小プリント基板20と一対の腕部16とにより、強固な一体構造に形成される。そして、各腕部16は互いに同一構造に形成してあり、それぞれのガイド溝22(図8参照)を互いに対向させて配置される。各種の厚さのPCカードCが、その側縁部をこれらのガイド溝22で案内され、挿抜方向Eに沿って移動することができる。符号24はシールドプレート、符号26はPCカードCの表面に接触するカードバスシールドであり、いずれも所定間隔で突出する接地ピンを小プリント基板20のスルーホールに挿通されて半田付けされる。
【0014】
ヘッダ部14からPCカードCを抜去するためのエジェクト機構30は、薄い金属板で形成されたエジェクト板32を備える。このエジェクト板32は、ヘッダボディ14aの両側縁部に摺動自在に装着される。本実施の形態では、図2に示すように、ヘッダボディ14aの側縁部に形成されたガイド溝34内に、両側縁部に形成されたフック状の爪部が嵌合され、PCカードCの挿抜方向Eに沿って案内される。
【0015】
図1および図5に示すように、このエジェクト板32は、その全体が段付き構造に形成されており、段部32aの両側の板部からは、それぞれPCカードCの端面に係合する一対の係合部36がヘッダボディ14a側に突出する。これらの係合部36は、各側縁部の近部で、エジェクト板32の板材から切り起こして形成され、エジェクト板32をヘッダボディ14aに装着したときに、このヘッダボディ14aに形成された収容溝38内に収容される。また、エジェクト板32の段部32aの近部には、リンク部材40との干渉を防止する凹部32bが形成され、ほぼ中央部には、リンク部材40を回動自在に連結するための略矩形状の開口39が形成されている。
【0016】
リング部材40は、薄い金属板により、エジェクト板32とは逆向きの段付き構造に形成され、リンク部材40の段部40aの近部には、エジェクト板32の段部32aと噛合い、エジェクト板32との干渉を防止する凹部40bが形成される。したがって、それぞれの凹部32b,40b内に相手方の段部40b,32bが収容されたときに、これらの段部40b,32bの両側の板部が互いにほぼ平行な状態に重なる。
【0017】
エジェクト板32とヘッダボディ14aとの間に配置されるリンク部材40の板部からは、突部42が突出し、更にこの板部の先端部には、突部42とは逆にヘッダボディ14a側に突出する係合部44(図8参照)が設けられる。この突部42は、エジェクト板32の開口39内に収容されてリンク部材40と回動自在に連結される連結部を形成する。この突部42は、開口39の内縁部に当接する外周面を湾曲させて形成されており、エジェクト板32とリンク部材40との間で滑らかに力を伝達することができる。また、係合部44は、エジェクト板32がこの連結部を介してPCカードの抜去方向に移動されたときに、このエジェクト板32の係合部36よりも更に外方に移動し、PCカードをより大きく抜去する。
【0018】
更に、リンク部材40の段部40aの近部には支持部として開口46が形成されており、この開口46を通じてヘッダボディ14aから突出する支持軸部47に回転自在に支えられる。なお、リンク部材の支持部として、このような開口46をリンク部材40に形成することに代え、先端側の縁部に湾曲凸部を形成し、ヘッダボディ14aから直立させた壁部でこの湾曲凸部を回転自在に支えるようにしてもよい。この場合には支持軸部47が不要である。
【0019】
更に、リンク部材40の外側部には、ヘッダボディ14aの外方に突出する突片部48が設けられる。エジェクト機構30のプッシュロッド50は、この突片部48を介してリンク部材40を駆動する。
このプッシュロッド50は、このリンク部材40の突片部48に係合する内端部52と、この内端部52に取外し可能に連結された作動アーム54と、このプッシュロッドを外方に付勢するコイルばね56とを有する。この作動アーム54は金属板を折曲げて形成され、その外端部にプッシュボタン58が取付けてられている。このプッシュボタン58を内方に押圧することにより、プッシュロッドを腕部16に沿って摺動することができる。
【0020】
そして、PCカードCをこのコネクタ10に装着した状態でも、PCカードの非装着時と同じ位置にプッシュボタン58を配置し、PCカードを抜去するときにのみプッシュボタン58を突出させるために、作動装置がこのエジェクト機構30に設けられる。
図1から図3に示すように、本実施の形態の作動装置は、プッシュロッド50の内端部52と、ヘッダボディ14aの側部突出部60とで形成されている。図2および図3に示すように、側部突出部60は案内レールとしてヘッダボディ14a側に形成されたガイド溝62と、このガイド溝62と反対側の側縁部64とを有し、これらの平行な案内レール62,64に沿って、プッシュロッドの内端部52を案内する。更に、側部突出部60には、内端部52を案内するカム溝66が上面に形成され、コイルばね56を支えかつ内端部52をこのコイルばね56の付勢力に抗して係止するストッパ68が腕部16側の端部に設けられる。
【0021】
一方、プッシュロッド50の内端部52は、カム溝66の上に重なる状態に配置されかつ案内レール62,64に沿って摺動するスライダ70と、このスライダ内に突出する支持ピン72に揺動自在に装着されたアクチュエータ部材74とを有する。このアクチュエータ部材74は、カム溝66に係合する従動ピン76を有し、この従動ピン76の突出する側が後述するストッパ面75を有する段付き構造に形成されている。このアクチュエータ部材74は、スライダ70内に固定されたばね71により、側部突出部60に向けて付勢されており、スライダ70が移動するときに、従動ピン76はカム溝66の底壁に沿って摺動する。
【0022】
特に図3に示すように、スライダ70は、金属板から折曲げ形成するのが好ましく、ヘッダボディ14a側の案内レールすなわちガイド溝62内に緩く嵌合する摺動縁部82と、反対側の案内レールすなわち側縁部64を緩く挟持する摺動縁部84a,84bとを有する。更に、ヘッダボディ14aに近接する側壁部には、アクチュエータ部材74の先端部を突出させる開口78aを形成しており、この開口78aから突出したアクチュエータ部材74の先端部はリンク部材40の突片部48に係合することができる。このとき、アクチュエータ部材74のストッパ面75はスライダ70の側壁部に係合し、アクチュエータ部材74の回転あるいは、更に突出するのを防止する。また、反対側の側壁部にも開口78bが形成してあり、内端部52を側部突出部60に装着する際に、アクチュエータ部材74を側方に振出し、従動ピン76が側部突出部60と干渉するのを防止することができる。
【0023】
更に、スライダ70から作動ロッド54(図1)側に向けて連結アーム86が延び、この連結アーム86の先端には、作動ロッド54の係止孔55に嵌合する係止片87が形成される。この連結アーム86および係止片87は、側部突出部60に近接して配置するのが好ましい。
【0024】
図4から図7は、このカードコネクタ10の概略的な組立て手順を示す。
図4に示すように、まず、上段または下段側の各ヘッダボディ14aは、シールドプレート24およびカードバスシールド26を取付けられ、更に、小プリント基板20とエジェクト機構30とを取付けられる。
【0025】
小プリント基板20には、各ヘッダボディ14aの2列に配列された端子ピン12を受入れるスルーホール28aの列が形成されている。また、これらの端子ピン12が挿通される2列のスルーホール28を上下方向すなわちPCカードCの厚さ方向から挟む位置に、シールドプレート24およびカードバスシールド26の接地ピンを受入れるための所定間隔のスルーホール28bの列が配置されている。このため、各ヘッダボディ14aに対応して、それぞれ4列のスルーホール28a,28bが配置される。そして、各ヘッダボディ14aに対応する4列のスルーホール28a,28b、それぞれ別個の面に形成された導電パッド19に電気的に接続されており、これにより、小プリント基板20の両面のエッジ部に沿って配列された導電パッド19は、それぞれ別個のヘッダボディ14aの端子ピン12および接地ピンと電気的に接続される。
【0026】
更に、小プリント基板20の両側端部から突片21が突出しており、これらの突片21はヘッダボディ14aに設けられた突条15に沿って案内されるガイドとして作用すると共に、互いに重ねられたヘッダボディ14aを所定間隔に保持する作用をなす。また、小プリント基板20がヘッダボディ14aに完全に装着された状態では、この突片21が突条15に設けられた小突起(図示しない)により係止され、所定位置に保持される。
【0027】
図5に示すように、下側のヘッダボディ14aをこのように形成された小プリント基板20に装着した後、このヘッダボディ14aにエジェクト機構30のエジェクト板32およびリンク部材40を取付け、更に、側部突出部60にプッシュロッドの内端部52を装着する。
ヘッダボディ14aの支持軸部47にリンク部材40の開口46を装着することにより、リンク部材40はこの支持軸部47を中心として自由に回動し、連結部すなわち突起42および開口39を介してエジェクト板32をPCカードCの挿抜方向Eに沿って移動することができる。突部42が形成された板部が、エジェクト板32とヘッダボディ14aとの間に配置され、このエジェクト板32がそのフック状の爪部をガイド溝34(図2)に嵌合するため、リンク部材40が支持軸部47から脱落することはない。
【0028】
一方、内端部52は、スライダ70内にアクチュエータ部材74を装着し、従動ピン76を開口78bから突出させた状態で側部突出部60に取付ける。案内レール62,64に沿って摺動縁部82,84a,84b(図2)を摺動させ、支持ピン76がカム溝66の切欠き部67の位置に整合したときに、この切欠き部67を通して支持ピン76をカム溝66内に嵌合させる。
【0029】
このように、小プリント基板20に下側のヘッダボディ14aとエジェクト板32とリンク部材40とスライダ70とを装着した後、この小プリント基板20に上側のヘッダボディ14aを同様な手順で取付ける。この後、小プリント基板20に各端子ピン12および接地ピンを半田付けする。このとき、小プリント基板20の反対側に、上下に重ねられた2つのヘッダボディ14aを支える仮止め手段を設けておくのが好ましい。
【0030】
小プリント基板20を取付けられたヘッダ部14は、各端子ピン12および接地ピンを小プリント基板20のスルーホール28a,28bに挿通して半田付けされ、各ヘッダボディ14aと小プリント基板20とが強固に結合される。更に、上下に重ねられた各ヘッダボディ14aの間は、小プリント基板20の突片34により所定の間隔に保持される。そして、各ヘッダボディ14aは、小プリント基板20の反対側を、腕部16により結合される。
【0031】
各ヘッダボディ14aの両側端部に装着される腕部16は、互いに同一構造に形成してあり、したがって、その一方について説明する。
図6に示すように、各腕部16は、金属板を折曲げ成形した心材90と共に樹脂材料92を射出成形した一体構造を有し、この樹脂材料92によりPCカードCを案内するガイド溝22(図8参照)を形成している。この腕部16は、その先端部から略平行な2本の金属板製の結合腕94を突出させてあり、これらの結合腕94を各ヘッダボディ14aの端部に開口する結合孔96(図8参照)内に挿入することにより、互いに重ねられた2つのヘッダボディ14aを小プリント基板20の反対側で結合することができる。これらの結合腕94の表面部に小突起あるいは凹部を設け、ヘッダボディ14aの樹脂材料との摩擦力を増大させるようにしてもよい。この腕部16は、図6の(C)に明瞭に示すように、長手方向の中心線95を中心とした対称形状を有し、したがって、ヘッダ部14のいずれの側の側端部にも取付けることができる。
【0032】
更に、この腕部16は、中央の樹脂材料92aと両側の樹脂材料92bとが心材90よりも外側面側に突出し、これらの樹脂材料92a,92b間に略平行な2つの凹部96(図6の(C))が形成されている。この凹部96に、図1に示すプッシュロッド50の作動アーム54が配置され、この凹部96内を長手方向に摺動することができる。この作動アーム54には、図示しない開口を設け、腕部16から突出するストッパ98を収容することが好ましい。このストッパ98とにより、プッシュロッド50の移動限度を規定し、内端部52のアクチュエータ部材74等に無理な力が作用するのを防止することができる。
【0033】
図7は、ヘッダ部14に腕部16を取付け、更に、一方の腕部16にプッシュロッド50を装着し、組立てが完了した状態を示す。組立てが完了したカードコネクタ10は、ヘッダ部14に装着される第1対の取付けブラケット100と、腕部16に装着される第2対の取付けブラケット110との2つの対を形成する取付けブラケットにより、プリント基板Pに取付けられる。
【0034】
図8は、カードコネクタ10をプリント基板Pに固定する取付けブラケット100,110を示す。図8では、各取付けブラケット100,110を図1および図7と反対方向に配置して示すように、このカードコネクタ10および取付けブラケット100,110は、プリント基板Pの上側あるいは下側のいずれにも、小プリント基板20および取付けブラケット100,110の取付け方向を変えるだけで簡単に固定できるものである。
【0035】
図8に示すように、ヘッダ部14に装着される第1対の取付けブラケット100は、全体が金属板から形成され、ボディ部102とこのボディ部102から延びるスタンドオフ部104とを有する。ボディ部102からは、4つの保持爪106が突出する。これらの4つの保持爪106のそれぞれが挿入される係止孔は、各ヘッダボディ14aの小プリント基板20側の端面にそれぞれ2つづつほぼ同じ形状でかつ互いに略平行に開口している。これらの4つの保持爪106と4つの係止孔とは、それぞれ互いに直交する2つの対称軸線を有し、したがって、取付けブラケット100を図7に示す非反転位置、あるいは、図8に示すようにこの取付けブラケット100の上下を反転させた反転位置のいずれの状態でも、これらの4つの保持爪106と4つの係止孔とを噛合わせることができる。
【0036】
このボディ部102からはスタンドオフ部104が延びる。このスタンドオフ部104の先端部は、保持爪106と同じ側に屈曲された支持板部108を有する。ボディ部102から離隔する方向に向けて、この支持板部108から結合部としての円筒状突起109が突出する。この円筒状突起109の内周面はねじを形成され、この円筒状突起109により、プリント基板Pに挿通された締結具すなわち取付けねじ120(図8の(B))に螺合することができる。更に、このねじ孔を形成した円筒状突起109により、プリント基板Pに対してこのカードコネクタ10を位置決めする際の位置決めあるいは仮止め手段として作用させることができる。
【0037】
一方、腕部16に装着される第2対の取付けブラケット110も、金属板から形成されたボディ部112とこのボディ部112から延びるスタンドオフ部114とを有する。このボディ部112の上縁部と下縁部とからそれぞれ2つの舌片部113が折曲げ形成され、これらの各舌片部113を貫通して係止孔116が形成されている。これらの係止孔116を、それぞれ腕部16の上下の各縁部から突出した保持爪99(図6および図7参照)と噛合わせることにより、取付けブラケット110の腕部16の長手方向および横方向に対する移動を防止し、更に、腕部16を上下方向から挟む舌片部113により、高さ方向の移動を防止することができる。この保持爪99は図6の(C)に示すように、金属製の心材90と一体に形成するのが好ましい。そして、これらの4つの舌片部113および係止孔116と、4つの保持爪99とは、それぞれ2つの互いに直交する対称軸線を有し、したがって、第2対の取付けブラケット110を図7に示す非反転位置、あるいは、図8に示すようにこの取付けブラケット110の上下を反転させた反転位置のいずれの状態でも、これらの4つの保持爪99と4つの係止孔116とを噛合わせることができる。
【0038】
第1対の取付けブラケット100と同様に、第2対の取付けブラケット110のボディ部112からスタンドオフ部114が延び、このスタンドオフ部114の先端部からは支持板部118が屈曲されて形成されている。この支持板部118も、舌片部113と同じ側に屈曲され、ボディ部112から離隔する方向に向けて、ねじ孔を形成した結合部としての円筒状突起119が突出する。
【0039】
この第2対の取付けブラケット110は、図7に示すように、プッシュロッド50を腕部16の凹部96(図6の(C))内に摺動可能に保持するガイドとしても作用させることができる。
【0040】
このような取付けブラケット100,110をプリント基板Pに取付ける場合は、図8の(B)に示すように、プリント基板Pの取付け孔内に結合部である円筒状突起109,119を挿入し、反対側からワッシャ122を介して挿入した締結具である取付けねじ120を、この円筒状突起109,119のねじ孔内にねじ込む。プリント基板Pの取付け孔を、円筒状突起109,119の外径よりも僅かに大径に形成することにより、プリント基板Pに対するカードコネクタ10の位置決めを極めて容易に行うことができる。
【0041】
このカードコネクタ10をプリント基板Pの反対側に取付ける場合は、各取付けブラケット100,110を反転させて取付ける共に、小プリント基板20も反転させる。これにより、結合部である円筒状突起109,119の位置したがってねじ孔の位置は、PCカードCの挿抜方向EおよびPCカードCの幅方向で変化せず、したがって、PCカードCの同一の極性を維持しつつプリント基板Pの反対側に取付けることができる。この場合、小プリント基板20も反転されるため、導電パッド19は同じ側で同じヘッダボディ14aに接続される。
【0042】
更に、各取付けブラケット100,110は、ねじ孔を形成した支持板部108,118がコネクタフレーム18とプリント基板Pとの間に配置され、コネクタフレーム18の外側に突出しないため、プリント基板P上に占める領域が極めて僅かですむ。
【0043】
なお、上述の実施の形態では、取付けブラケットの結合部を形成する円筒状突起109,119の内周面に雌ねじを形成してあるが、これに代え、この円筒状突起109,119の外周面に雄ねじを形成してもよい。この場合には、円筒状突起109,119は中実構造としてもよく、締結具として取付けナットを用いる。更に、このような取付けねじ120あるいは取付けナットに代え、締結具としてリベットを用いてもよく、この場合には、円筒状突起109,119に雌ねじあるいは雄ねじを形成する必要はない。
【0044】
図9は、このように形成されたカードコネクタ10からPCカードを抜去する際のカム溝66とアクチュエータ部材74との作動を示す。
このカム溝66は、ヘッダボディ14aに隣接して直線状に延びる駆動部66aと、小プリント基板20側に配置された係止部66bと、この係止部66bから小プリント基板20の反対側に向けて延びる湾曲した復帰部66cとから連続した溝状に形成される。アクチュエータ部材74の従動ピン76は、プッシュロッド50の移動と共にこのカム溝66内を矢印方向に沿って移動する。駆動部66aから係止部66bに移行する遷移部、および、復帰部66cから駆動部66aに移行する遷移部には、それぞれ矢印の反対方向に移動するのを防止するための傾斜部69を設けてある。このため、従動ピン76は駆動部66aから復帰部66cへの移動、および、係止部66bから駆動部66aへの移動は完全に防止される。
【0045】
アクチュエータ部材74の従動ピン76は、通常は係止部66b内に配置されている。この状態では、アクチュエータ部材74はスライダ70内に収容された引込み位置に配置され、また、プッシュロッド50は保持位置に配置されている。アクチュエータ部材74がスライダ70内の引込み位置に配置されているため、リンク部材40の突片部48は、このアクチュエータ部材74と干渉せず、リンク部材40およびエジェクト板32は自由に移動することができる。このため、PCカードCをこのカードコネクタ10に挿入すると、このPCカードCがエジェクト板32の係合部36を押圧しつつリンク部材40を回動し、端子ピン12に嵌合することができる。このとき、プッシュロッド50の外端部に取付けられたプッシュボタン58は、内方に押込められた状態を維持しておいる。
【0046】
PCカードCを抜去する場合は、プッシュボタン58を軽く押圧する。これにより、アクチュエータ部材74の従動ピン76が係止部66bから押出され、プッシュロッド50に作用するコイルばね56の付勢力により、復帰部66cを経て駆動部66aの最外端部(図9)に移動する。この状態を図7に示してあり、プッシュボタン58はヘッダ部14から離隔する方向に大きく外方に突出した繰出し位置に配置される。また、アクチュエータ部材74は、先端部をスライダ70の開口78a(図3)から突出させた突出位置に配置される。この状態でプッシュボタン58を押圧すると、従動ピン76がカム溝66の駆動部66aに沿って案内され、アクチュエータ部材74をヘッダボディ14a側に突出させたまま移動する。これにより、リンク部材40の突片部48がアクチュエータ部材74で移動され、支持軸部47を中心として回動し、エジェクト板32を外方に移動する。PCカードCは、エジェクト板32の係合部36で内端部を係止されてこのエジェクト板32と共に外方に押出される。プッシュロッドが押込み位置まで完全に押圧されると、PCカードCが端子ピン12から抜去された後、リンク部材40の先端部に設けられた係合部44(図8)が更にPCカードCを外方に押出す。
【0047】
プッシュボタン58の押圧を解除すると、コイルばね56の付勢力により、従動ピン76が係止部66bに配置され、アクチュエータ部材74はスライド70内に引込まれ、引込み位置に配置される。これにより、プッシュロッド50は再度保持位置に配置される。この保持位置では、プッシュボタン58は完全に押込まれた押込み位置よりも僅かに外方に配置される。
【0048】
図10は他の実施の形態を示す。上述の実施の形態と同様な部分には同様な符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施の形態では、カム溝66はヘッダボディ14aの側面に形成されている。アクチュエータ部材140は、プッシュロッド150の内端部に形成されたガイド孔152内を摺動自在に案内される。このアクチュエータ部材140から従動ピン76がカム溝66内に延び、板ばね144により、カム溝66の底壁に押圧される。アクチュエータ部材140の円筒状の先端部142は、カム溝66および従動ピン76により、図10の(B)に示す突出位置と、ガイド孔152内に引込められた位置との間を移動する。なお、リンク部材40の突片部48は、アクチュエータ部材140がガイド孔152内に引込められたときに、プッシュロッド152の内端部に形成されたスロット154内を自由に移動することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明のカードコネクタによると、プッシュロッド内のアクチュエータ部材がヘッダ部に設けられたカムで作動され、リンク部材を直接作動してエジェクト板を移動することにより、PCカードを抜去するときにのみプッシュボタンを突出可能なエジェクト機構付カードコネクタを、極めて作動信頼性の高い簡単な構造としつつ安価に製造することを可能とする。
【0050】
更に、反転させてスタンドオフ部を反対側に配置した反転位置と非反転位置とで、PCカードの幅方向および挿抜方向に沿う各結合部の位置を同じ位置に保持する取付けブラケットを用いて取付けることにより、このカードコネクタをプリント基板の任意の側に対する極めて簡単な取付けを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるカードコネクタを一部分解して示す概略的な説明図である。
【図2】図1のカードコネクタのヘッダ部の一部を示す概略的な斜視図であり、(A)はその分解した状態の図、(B)はアクチュエータ部材の異なる方向から見た状態の図である。
【図3】図1のカードコネクタのプッシュロッドの内端部を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う図、(C)は(A)のC−C線に沿う図、(D)は外端側から見た図である。
【図4】図1のカードコネクタのヘッダボディを小プリント基板に取付ける状態の説明図である。
【図5】図4で組立てられたヘッダ部にエジェクト機構のリンク部材およびエジェクト板と、プッシュロッドの内端部とを取付ける状態を示す説明図である。
【図6】図5で組立てられたヘッダ部に腕部を取付ける状態の説明図であり、(A)はヘッダ部の図、(B)は腕部の平面図、(C)は(B)のC−Cの方向から見た状態の図である。
【図7】組立てを完了したカードコネクタの説明図である。
【図8】組立てられたカードコネクタをプリント基板に取付ける状態の説明図であり、(A)は各取付けブラケットと共に一部を省略した図、(B)はプリント基板と取付けブラケットとの関係を示す図である。
【図9】カムとアクチュエータとの作動を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態によるカードコネクタのヘッダ部の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
10…カードコネクタ、12…端子ピン、14…ヘッダ部、14a…ヘッダボディ、16…腕部、18…コネクタフレーム、20…小プリント基板、22…ガイド溝、30…エジェクト機構、32…エジェクト板、40…リンク部材、48…突片部、50…プッシュロッド、52…先端部、60…側部突出部、66…カム溝、66a…駆動部、66b…係止部、66c…復帰部、70…スライダ、74…アクチュエータ部材、76…従動ピン、100,11…取付けブラケット、102,112…ボディ部、104,114…スタンドオフ部、120…取付けねじ、C…PCカード、P…プリント基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等の電子機器にPCカードを電気的および機械的に接続するためのカードコネクタに関し、特に、エジェクト機構付きPCカード用カードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
PCカードを装着した状態でも、PCカード抜去用のプッシュボタンを非装着状態と同じ位置に保持し、PCカードを抜去するときにのみプッシュボタンを突出させることのできるエジェクト機構を備えたカードコネクタの例が特開平8−96891号、米国特許第5,558,527号および第5,575,669号に記載されている。
これらのエジェクト機構は、基本的には、プッシュボタンを外端部に取付けられかつ外方に向けてばねで付勢される操作ロッドと、レバーを介してPCカード抜去用プレートを駆動する駆動ロッドと、カム駆動されて外側の操作ロッドと内側の駆動ロッドとを連結および分離する中間部材と、これらの操作ロッドと駆動ロッドとを摺動自在に案内するケースとを備える。このケースの底壁には、凸設端側を外側に配置しかつ凹設端側を内側に配置した大略ハート型状のカム溝が形成されている。操作ロッドから突出する従動ピンがこのカム溝と係合し、操作ロッドが移動されるときに、このカム溝内を一定方向に沿って移動することができる。通常の状態では、従動ピンが大略ハート型状のカム溝の凹部内に配置されており、操作ロッドは、ばねの付勢力に抗して保持される。したがって、プッシュボタンは、電子機器の外側に大きく突出せず、プッシュボタンの誤操作が防止されると共に、他の装置等と干渉することもない。
【0003】
PCカードを抜去する場合は、プッシュボタンを軽く押圧する。これにより、従動ピンが大略ハート型状のカム溝の凹部から押出され、この後、ばねの付勢力により、カム溝内を凸設端側に移動され、プッシュボタンが電子機器の外側に大きく突出する。このとき、中間部材もカム駆動されて、操作ロッドから駆動ロッドに力伝達可能な状態に配置される。そして、外側に大きく突出したプッシュボタンを押圧すると、中間部材を介して、プッシュボタンに作用する押圧力が操作ロッドから駆動ロッドに伝達され、レバーおよびPCカード抜去用プレートが駆動される。操作ロッドと駆動ロッドとがケースの内面に沿って案内されるため、中間部材との当接部で中折れ状態とはならない。PCカード抜去用プレートの移動と共に、PCカードも移動し、カードコネクタから抜去される。PCカードが抜去された後、プッシュボタンに作用する押圧力が解除されると、操作ロッドの従動ピンがハート型状カムの凹部内に再度保持される。中間部材は、駆動ロッドおよびPCカード抜去プレートが、操作ロッドと干渉することなく、この操作ロッドの位置に関わりなく自由に移動できるようにする。
【0004】
しかし、従来のエジェクト機構は、いずれも操作ロッドおよび駆動ロッドを中間部材と共にケース内に収容し、このケースの内面に沿って案内するため、多くの部品を必要としている。このため、近年における電子機器の小形化および高機能化の要請に応えることのできるカードコネクタが必要とされている。
【0005】
本発明は、これらの事情に基づいてなされたもので、構造が簡単で安価に製造することのできるエジェクト機構付きカードコネクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、本発明のエジェクト機構付きPCカード用カードコネクタは、PCカードに接続する複数の端子ピンを配列したヘッダ部と、このPCカードに係合する係合部を有し、PCカードの挿抜方向に沿って案内されるエジェクト板と、このエジェクト板と回動自在に連結される連結部と、この連結部から離隔した位置でヘッダ部に回動可能に支えられる支持部と、この支持部から連結部の反対側に延び、ヘッダ部の側方に突出する突片部とを有するリンク部材と、ヘッダ部に隣接配置される内端部と、ヘッダ部から離隔配置されかつ押圧力を受ける外端部とを有し、この外端部がヘッダ部から離隔する外方に繰出される繰出し位置からヘッダ部に近接する内方に押込まれる押込み位置に移動されるときに、リンク部材を介してエジェクト板をPCカード抜去方向に移動するプッシュロッドと、繰出し位置に向けて、このプッシュロッドを付勢する付勢手段と、外端部から受ける押圧力により、このプッシュロッドが繰出し位置から押込み位置に向けて移動されるときに、リンク部材を介して前記エジェクト板をPCカードの抜去方向に駆動し、このプッシュロッドが押込み位置に配置されかつ押圧力を解除されたときに、外端部が押込み位置よりも僅かに外方に配置される保持位置に、このプッシュロッドを係止し、この保持位置のプッシュロッドが外端部を介して押圧力を受けたときに、プッシュロッドの係止を解除して繰出し位置に復帰させる作動装置とを具備してなり、この作動装置は、プッシュロッドの内端部に配置された可動アクチュエータ部材と、ヘッダ部に設けられてこのアクチュエータ部材を作動するカムとを備え、このカムは、プッシュロッドが繰出し位置から押し込み位置に移動されるときに、アクチュエータ部材を、リンク部材の突片部と係合可能な突出位置に突出させて案内する駆動部と、このプッシュロッドが押込み位置に配置されかつ押圧力を解除されたときに、アクチュエータ部材を突片部との係合が不能な引込み位置に引込みかつこのアクチュエータ部材を係止してプッシュロッドが繰出し位置に復帰するのを阻止する係止部と、この保持位置のプッシュロッドが外端部を介して押圧力を受けたときに、アクチュエータ部材の係止を解除しかつ引込み位置に引込んで案内する復帰部とを有することに特徴がある。
このカードコネクタによれば、アクチュエータ部材を内包したプッシュロッドが、このアクチュエータ部材によりリンク部材に直接係合し、このリンク部材を介してエジェクト板を移動する。このため、数少ない部品によりカードコネクタの小形化および低コスト化が可能であると共に、プッシュロッドの外端部に作用する押圧力が、このプッシュロッドからリンク部材に直接作用し、PCカードを効率的に抜去することができる。
【0007】
また、ヘッダ部が、リンク部材の突片部が突出する側に配置されて上記カムを形成した側部突出部と、この側部突出部に形成されてプッシュロッドの内端部をPCカードの挿抜方向に沿って案内する案内レールとを有し、プッシュロッドの内端部が、この案内レールに沿って摺動しかつカムに重なる状態に配置される中空構造のスライダを有し、アクチュエータ部材が、このスライダ内に装着され、スライダのヘッダ部に対向する側壁部に形成された開口から突出可能とすることもできる。この場合は、案内レールおよびカムがヘッダ部に形成されることにより、極めて簡単かつ高精度に組立てることができる。
【0008】
上記アクチュエータ部材は、スライダで係止されるストッパを有し、このストッパにより開口からの突出量を規制されるのが好ましい。この場合には、スライダがアクチュエータ部材に作用する力を支えることができ、別個の案内部材を必要としない。
【0009】
上記プッシュロッドは、スライダの一端に連結される作動アームを有し、この作動アームの外端部が押圧力を受けるようにしてもよい。
更に、このカードコネクタは、ヘッダ部と、このヘッダ部の両側端部から延び、PCカードの側縁部をPCカードの挿抜方向に沿って案内する一対の対向した腕部とでコネクタフレームを形成し、それぞれがこのコネクタフレームに装着されるボディ部と、このボディ部から延びてコネクタフレームとプリント基板との間に所定の間隔を保持するスタンドオフ部と、このスタンドオフ部から延びてプリント基板の開口内に突出し、このプリント基板の反対側から締結具で締付けられる結合部とを有し、コネクタフレームをプリント基板に固定する複数の取付けブラケットとを備え、各取付けブラケットのボディ部とコネクタフレームとの一方に係止孔が設けられ、かつ、他方にはこの係止孔に挿入される保持爪が設けられ、各取付けブラケットは、これらの係止孔と保持爪とを噛合わせることにより、各ボディ部をコネクタフレームに固定され、取付けブラケットを反転させてスタンドオフ部を反対側に配置した反転位置と非反転位置とで、PCカードの幅方向および挿抜方向に沿う各結合部の位置を同じ位置とし、プリント基板の任意に選択した側に取付け可能とすることもできる。この場合には、取付けブラケットを反転させても、各取付けブラケットの結合部がPCカードの幅方向および挿抜方向に沿って同じ位置に配置されるため、取付けブラケットの方向を変更するだけで、プリント基板のいずれの側にも簡単に装着することができる。
【0010】
腕部を、互いに同一構造とすることにより、同一の腕部をいずれの側にも用いることができる。
また、カムを、エジェクト板が移動する平面に対してほぼ直交する平面内に配置し、このカムの駆動部を、PCカードの挿抜方向に対してほぼ直交する方向に向けてアクチュエータ部材を突出させて案内するように形成してもよい。この場合には、ヘッダ部の幅を狭く形成し、小形化することができる。
【0011】
更に、カムが、側部突出部に設けた溝を有し、アクチュエータ部材が、この溝に沿って案内される従動ピンを有しかつ側部突出部に向けてばね付勢され、この従動ピンが溝の底壁に接触するようにしてもよい。この場合には、カードコネクタがどのような状態に配置されていても、アクチュエータ部材が確実にカム駆動される。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
【実施の形態】
図1から図9は、本発明の好ましい実施の形態によるカードコネクタ10を示す。本実施の形態におけるカードコネクタ10はプリント基板P(図8参照)にねじ止めされるものである。
図1に示すように、このカードコネクタ10は、PCカードCに接続する複数の端子ピン12を幅方向に沿って配列したヘッダ部14と、このヘッダ部の両側端部から延びる一対の対向した腕部16とを有するコネクタフレームを18を備える。
【0013】
ヘッダ部14には、絶縁材により同一構造に形成された2つのヘッダボディ14aがPCカードCの厚さ方向に重ねて配置される(図8参照)。これらのヘッダボディ14aは、端子ピン12の先端側を小プリント基板20のスルーホール28a(図4参照)に挿通させ、これらのスルーホールに半田付けされる。また、各ヘッダボディ14aの後端側は、腕部16により両側端部で一体的に連結されており、したがって、各ヘッダボディ14aはこれらの小プリント基板20と一対の腕部16とにより、強固な一体構造に形成される。そして、各腕部16は互いに同一構造に形成してあり、それぞれのガイド溝22(図8参照)を互いに対向させて配置される。各種の厚さのPCカードCが、その側縁部をこれらのガイド溝22で案内され、挿抜方向Eに沿って移動することができる。符号24はシールドプレート、符号26はPCカードCの表面に接触するカードバスシールドであり、いずれも所定間隔で突出する接地ピンを小プリント基板20のスルーホールに挿通されて半田付けされる。
【0014】
ヘッダ部14からPCカードCを抜去するためのエジェクト機構30は、薄い金属板で形成されたエジェクト板32を備える。このエジェクト板32は、ヘッダボディ14aの両側縁部に摺動自在に装着される。本実施の形態では、図2に示すように、ヘッダボディ14aの側縁部に形成されたガイド溝34内に、両側縁部に形成されたフック状の爪部が嵌合され、PCカードCの挿抜方向Eに沿って案内される。
【0015】
図1および図5に示すように、このエジェクト板32は、その全体が段付き構造に形成されており、段部32aの両側の板部からは、それぞれPCカードCの端面に係合する一対の係合部36がヘッダボディ14a側に突出する。これらの係合部36は、各側縁部の近部で、エジェクト板32の板材から切り起こして形成され、エジェクト板32をヘッダボディ14aに装着したときに、このヘッダボディ14aに形成された収容溝38内に収容される。また、エジェクト板32の段部32aの近部には、リンク部材40との干渉を防止する凹部32bが形成され、ほぼ中央部には、リンク部材40を回動自在に連結するための略矩形状の開口39が形成されている。
【0016】
リング部材40は、薄い金属板により、エジェクト板32とは逆向きの段付き構造に形成され、リンク部材40の段部40aの近部には、エジェクト板32の段部32aと噛合い、エジェクト板32との干渉を防止する凹部40bが形成される。したがって、それぞれの凹部32b,40b内に相手方の段部40b,32bが収容されたときに、これらの段部40b,32bの両側の板部が互いにほぼ平行な状態に重なる。
【0017】
エジェクト板32とヘッダボディ14aとの間に配置されるリンク部材40の板部からは、突部42が突出し、更にこの板部の先端部には、突部42とは逆にヘッダボディ14a側に突出する係合部44(図8参照)が設けられる。この突部42は、エジェクト板32の開口39内に収容されてリンク部材40と回動自在に連結される連結部を形成する。この突部42は、開口39の内縁部に当接する外周面を湾曲させて形成されており、エジェクト板32とリンク部材40との間で滑らかに力を伝達することができる。また、係合部44は、エジェクト板32がこの連結部を介してPCカードの抜去方向に移動されたときに、このエジェクト板32の係合部36よりも更に外方に移動し、PCカードをより大きく抜去する。
【0018】
更に、リンク部材40の段部40aの近部には支持部として開口46が形成されており、この開口46を通じてヘッダボディ14aから突出する支持軸部47に回転自在に支えられる。なお、リンク部材の支持部として、このような開口46をリンク部材40に形成することに代え、先端側の縁部に湾曲凸部を形成し、ヘッダボディ14aから直立させた壁部でこの湾曲凸部を回転自在に支えるようにしてもよい。この場合には支持軸部47が不要である。
【0019】
更に、リンク部材40の外側部には、ヘッダボディ14aの外方に突出する突片部48が設けられる。エジェクト機構30のプッシュロッド50は、この突片部48を介してリンク部材40を駆動する。
このプッシュロッド50は、このリンク部材40の突片部48に係合する内端部52と、この内端部52に取外し可能に連結された作動アーム54と、このプッシュロッドを外方に付勢するコイルばね56とを有する。この作動アーム54は金属板を折曲げて形成され、その外端部にプッシュボタン58が取付けてられている。このプッシュボタン58を内方に押圧することにより、プッシュロッドを腕部16に沿って摺動することができる。
【0020】
そして、PCカードCをこのコネクタ10に装着した状態でも、PCカードの非装着時と同じ位置にプッシュボタン58を配置し、PCカードを抜去するときにのみプッシュボタン58を突出させるために、作動装置がこのエジェクト機構30に設けられる。
図1から図3に示すように、本実施の形態の作動装置は、プッシュロッド50の内端部52と、ヘッダボディ14aの側部突出部60とで形成されている。図2および図3に示すように、側部突出部60は案内レールとしてヘッダボディ14a側に形成されたガイド溝62と、このガイド溝62と反対側の側縁部64とを有し、これらの平行な案内レール62,64に沿って、プッシュロッドの内端部52を案内する。更に、側部突出部60には、内端部52を案内するカム溝66が上面に形成され、コイルばね56を支えかつ内端部52をこのコイルばね56の付勢力に抗して係止するストッパ68が腕部16側の端部に設けられる。
【0021】
一方、プッシュロッド50の内端部52は、カム溝66の上に重なる状態に配置されかつ案内レール62,64に沿って摺動するスライダ70と、このスライダ内に突出する支持ピン72に揺動自在に装着されたアクチュエータ部材74とを有する。このアクチュエータ部材74は、カム溝66に係合する従動ピン76を有し、この従動ピン76の突出する側が後述するストッパ面75を有する段付き構造に形成されている。このアクチュエータ部材74は、スライダ70内に固定されたばね71により、側部突出部60に向けて付勢されており、スライダ70が移動するときに、従動ピン76はカム溝66の底壁に沿って摺動する。
【0022】
特に図3に示すように、スライダ70は、金属板から折曲げ形成するのが好ましく、ヘッダボディ14a側の案内レールすなわちガイド溝62内に緩く嵌合する摺動縁部82と、反対側の案内レールすなわち側縁部64を緩く挟持する摺動縁部84a,84bとを有する。更に、ヘッダボディ14aに近接する側壁部には、アクチュエータ部材74の先端部を突出させる開口78aを形成しており、この開口78aから突出したアクチュエータ部材74の先端部はリンク部材40の突片部48に係合することができる。このとき、アクチュエータ部材74のストッパ面75はスライダ70の側壁部に係合し、アクチュエータ部材74の回転あるいは、更に突出するのを防止する。また、反対側の側壁部にも開口78bが形成してあり、内端部52を側部突出部60に装着する際に、アクチュエータ部材74を側方に振出し、従動ピン76が側部突出部60と干渉するのを防止することができる。
【0023】
更に、スライダ70から作動ロッド54(図1)側に向けて連結アーム86が延び、この連結アーム86の先端には、作動ロッド54の係止孔55に嵌合する係止片87が形成される。この連結アーム86および係止片87は、側部突出部60に近接して配置するのが好ましい。
【0024】
図4から図7は、このカードコネクタ10の概略的な組立て手順を示す。
図4に示すように、まず、上段または下段側の各ヘッダボディ14aは、シールドプレート24およびカードバスシールド26を取付けられ、更に、小プリント基板20とエジェクト機構30とを取付けられる。
【0025】
小プリント基板20には、各ヘッダボディ14aの2列に配列された端子ピン12を受入れるスルーホール28aの列が形成されている。また、これらの端子ピン12が挿通される2列のスルーホール28を上下方向すなわちPCカードCの厚さ方向から挟む位置に、シールドプレート24およびカードバスシールド26の接地ピンを受入れるための所定間隔のスルーホール28bの列が配置されている。このため、各ヘッダボディ14aに対応して、それぞれ4列のスルーホール28a,28bが配置される。そして、各ヘッダボディ14aに対応する4列のスルーホール28a,28b、それぞれ別個の面に形成された導電パッド19に電気的に接続されており、これにより、小プリント基板20の両面のエッジ部に沿って配列された導電パッド19は、それぞれ別個のヘッダボディ14aの端子ピン12および接地ピンと電気的に接続される。
【0026】
更に、小プリント基板20の両側端部から突片21が突出しており、これらの突片21はヘッダボディ14aに設けられた突条15に沿って案内されるガイドとして作用すると共に、互いに重ねられたヘッダボディ14aを所定間隔に保持する作用をなす。また、小プリント基板20がヘッダボディ14aに完全に装着された状態では、この突片21が突条15に設けられた小突起(図示しない)により係止され、所定位置に保持される。
【0027】
図5に示すように、下側のヘッダボディ14aをこのように形成された小プリント基板20に装着した後、このヘッダボディ14aにエジェクト機構30のエジェクト板32およびリンク部材40を取付け、更に、側部突出部60にプッシュロッドの内端部52を装着する。
ヘッダボディ14aの支持軸部47にリンク部材40の開口46を装着することにより、リンク部材40はこの支持軸部47を中心として自由に回動し、連結部すなわち突起42および開口39を介してエジェクト板32をPCカードCの挿抜方向Eに沿って移動することができる。突部42が形成された板部が、エジェクト板32とヘッダボディ14aとの間に配置され、このエジェクト板32がそのフック状の爪部をガイド溝34(図2)に嵌合するため、リンク部材40が支持軸部47から脱落することはない。
【0028】
一方、内端部52は、スライダ70内にアクチュエータ部材74を装着し、従動ピン76を開口78bから突出させた状態で側部突出部60に取付ける。案内レール62,64に沿って摺動縁部82,84a,84b(図2)を摺動させ、支持ピン76がカム溝66の切欠き部67の位置に整合したときに、この切欠き部67を通して支持ピン76をカム溝66内に嵌合させる。
【0029】
このように、小プリント基板20に下側のヘッダボディ14aとエジェクト板32とリンク部材40とスライダ70とを装着した後、この小プリント基板20に上側のヘッダボディ14aを同様な手順で取付ける。この後、小プリント基板20に各端子ピン12および接地ピンを半田付けする。このとき、小プリント基板20の反対側に、上下に重ねられた2つのヘッダボディ14aを支える仮止め手段を設けておくのが好ましい。
【0030】
小プリント基板20を取付けられたヘッダ部14は、各端子ピン12および接地ピンを小プリント基板20のスルーホール28a,28bに挿通して半田付けされ、各ヘッダボディ14aと小プリント基板20とが強固に結合される。更に、上下に重ねられた各ヘッダボディ14aの間は、小プリント基板20の突片34により所定の間隔に保持される。そして、各ヘッダボディ14aは、小プリント基板20の反対側を、腕部16により結合される。
【0031】
各ヘッダボディ14aの両側端部に装着される腕部16は、互いに同一構造に形成してあり、したがって、その一方について説明する。
図6に示すように、各腕部16は、金属板を折曲げ成形した心材90と共に樹脂材料92を射出成形した一体構造を有し、この樹脂材料92によりPCカードCを案内するガイド溝22(図8参照)を形成している。この腕部16は、その先端部から略平行な2本の金属板製の結合腕94を突出させてあり、これらの結合腕94を各ヘッダボディ14aの端部に開口する結合孔96(図8参照)内に挿入することにより、互いに重ねられた2つのヘッダボディ14aを小プリント基板20の反対側で結合することができる。これらの結合腕94の表面部に小突起あるいは凹部を設け、ヘッダボディ14aの樹脂材料との摩擦力を増大させるようにしてもよい。この腕部16は、図6の(C)に明瞭に示すように、長手方向の中心線95を中心とした対称形状を有し、したがって、ヘッダ部14のいずれの側の側端部にも取付けることができる。
【0032】
更に、この腕部16は、中央の樹脂材料92aと両側の樹脂材料92bとが心材90よりも外側面側に突出し、これらの樹脂材料92a,92b間に略平行な2つの凹部96(図6の(C))が形成されている。この凹部96に、図1に示すプッシュロッド50の作動アーム54が配置され、この凹部96内を長手方向に摺動することができる。この作動アーム54には、図示しない開口を設け、腕部16から突出するストッパ98を収容することが好ましい。このストッパ98とにより、プッシュロッド50の移動限度を規定し、内端部52のアクチュエータ部材74等に無理な力が作用するのを防止することができる。
【0033】
図7は、ヘッダ部14に腕部16を取付け、更に、一方の腕部16にプッシュロッド50を装着し、組立てが完了した状態を示す。組立てが完了したカードコネクタ10は、ヘッダ部14に装着される第1対の取付けブラケット100と、腕部16に装着される第2対の取付けブラケット110との2つの対を形成する取付けブラケットにより、プリント基板Pに取付けられる。
【0034】
図8は、カードコネクタ10をプリント基板Pに固定する取付けブラケット100,110を示す。図8では、各取付けブラケット100,110を図1および図7と反対方向に配置して示すように、このカードコネクタ10および取付けブラケット100,110は、プリント基板Pの上側あるいは下側のいずれにも、小プリント基板20および取付けブラケット100,110の取付け方向を変えるだけで簡単に固定できるものである。
【0035】
図8に示すように、ヘッダ部14に装着される第1対の取付けブラケット100は、全体が金属板から形成され、ボディ部102とこのボディ部102から延びるスタンドオフ部104とを有する。ボディ部102からは、4つの保持爪106が突出する。これらの4つの保持爪106のそれぞれが挿入される係止孔は、各ヘッダボディ14aの小プリント基板20側の端面にそれぞれ2つづつほぼ同じ形状でかつ互いに略平行に開口している。これらの4つの保持爪106と4つの係止孔とは、それぞれ互いに直交する2つの対称軸線を有し、したがって、取付けブラケット100を図7に示す非反転位置、あるいは、図8に示すようにこの取付けブラケット100の上下を反転させた反転位置のいずれの状態でも、これらの4つの保持爪106と4つの係止孔とを噛合わせることができる。
【0036】
このボディ部102からはスタンドオフ部104が延びる。このスタンドオフ部104の先端部は、保持爪106と同じ側に屈曲された支持板部108を有する。ボディ部102から離隔する方向に向けて、この支持板部108から結合部としての円筒状突起109が突出する。この円筒状突起109の内周面はねじを形成され、この円筒状突起109により、プリント基板Pに挿通された締結具すなわち取付けねじ120(図8の(B))に螺合することができる。更に、このねじ孔を形成した円筒状突起109により、プリント基板Pに対してこのカードコネクタ10を位置決めする際の位置決めあるいは仮止め手段として作用させることができる。
【0037】
一方、腕部16に装着される第2対の取付けブラケット110も、金属板から形成されたボディ部112とこのボディ部112から延びるスタンドオフ部114とを有する。このボディ部112の上縁部と下縁部とからそれぞれ2つの舌片部113が折曲げ形成され、これらの各舌片部113を貫通して係止孔116が形成されている。これらの係止孔116を、それぞれ腕部16の上下の各縁部から突出した保持爪99(図6および図7参照)と噛合わせることにより、取付けブラケット110の腕部16の長手方向および横方向に対する移動を防止し、更に、腕部16を上下方向から挟む舌片部113により、高さ方向の移動を防止することができる。この保持爪99は図6の(C)に示すように、金属製の心材90と一体に形成するのが好ましい。そして、これらの4つの舌片部113および係止孔116と、4つの保持爪99とは、それぞれ2つの互いに直交する対称軸線を有し、したがって、第2対の取付けブラケット110を図7に示す非反転位置、あるいは、図8に示すようにこの取付けブラケット110の上下を反転させた反転位置のいずれの状態でも、これらの4つの保持爪99と4つの係止孔116とを噛合わせることができる。
【0038】
第1対の取付けブラケット100と同様に、第2対の取付けブラケット110のボディ部112からスタンドオフ部114が延び、このスタンドオフ部114の先端部からは支持板部118が屈曲されて形成されている。この支持板部118も、舌片部113と同じ側に屈曲され、ボディ部112から離隔する方向に向けて、ねじ孔を形成した結合部としての円筒状突起119が突出する。
【0039】
この第2対の取付けブラケット110は、図7に示すように、プッシュロッド50を腕部16の凹部96(図6の(C))内に摺動可能に保持するガイドとしても作用させることができる。
【0040】
このような取付けブラケット100,110をプリント基板Pに取付ける場合は、図8の(B)に示すように、プリント基板Pの取付け孔内に結合部である円筒状突起109,119を挿入し、反対側からワッシャ122を介して挿入した締結具である取付けねじ120を、この円筒状突起109,119のねじ孔内にねじ込む。プリント基板Pの取付け孔を、円筒状突起109,119の外径よりも僅かに大径に形成することにより、プリント基板Pに対するカードコネクタ10の位置決めを極めて容易に行うことができる。
【0041】
このカードコネクタ10をプリント基板Pの反対側に取付ける場合は、各取付けブラケット100,110を反転させて取付ける共に、小プリント基板20も反転させる。これにより、結合部である円筒状突起109,119の位置したがってねじ孔の位置は、PCカードCの挿抜方向EおよびPCカードCの幅方向で変化せず、したがって、PCカードCの同一の極性を維持しつつプリント基板Pの反対側に取付けることができる。この場合、小プリント基板20も反転されるため、導電パッド19は同じ側で同じヘッダボディ14aに接続される。
【0042】
更に、各取付けブラケット100,110は、ねじ孔を形成した支持板部108,118がコネクタフレーム18とプリント基板Pとの間に配置され、コネクタフレーム18の外側に突出しないため、プリント基板P上に占める領域が極めて僅かですむ。
【0043】
なお、上述の実施の形態では、取付けブラケットの結合部を形成する円筒状突起109,119の内周面に雌ねじを形成してあるが、これに代え、この円筒状突起109,119の外周面に雄ねじを形成してもよい。この場合には、円筒状突起109,119は中実構造としてもよく、締結具として取付けナットを用いる。更に、このような取付けねじ120あるいは取付けナットに代え、締結具としてリベットを用いてもよく、この場合には、円筒状突起109,119に雌ねじあるいは雄ねじを形成する必要はない。
【0044】
図9は、このように形成されたカードコネクタ10からPCカードを抜去する際のカム溝66とアクチュエータ部材74との作動を示す。
このカム溝66は、ヘッダボディ14aに隣接して直線状に延びる駆動部66aと、小プリント基板20側に配置された係止部66bと、この係止部66bから小プリント基板20の反対側に向けて延びる湾曲した復帰部66cとから連続した溝状に形成される。アクチュエータ部材74の従動ピン76は、プッシュロッド50の移動と共にこのカム溝66内を矢印方向に沿って移動する。駆動部66aから係止部66bに移行する遷移部、および、復帰部66cから駆動部66aに移行する遷移部には、それぞれ矢印の反対方向に移動するのを防止するための傾斜部69を設けてある。このため、従動ピン76は駆動部66aから復帰部66cへの移動、および、係止部66bから駆動部66aへの移動は完全に防止される。
【0045】
アクチュエータ部材74の従動ピン76は、通常は係止部66b内に配置されている。この状態では、アクチュエータ部材74はスライダ70内に収容された引込み位置に配置され、また、プッシュロッド50は保持位置に配置されている。アクチュエータ部材74がスライダ70内の引込み位置に配置されているため、リンク部材40の突片部48は、このアクチュエータ部材74と干渉せず、リンク部材40およびエジェクト板32は自由に移動することができる。このため、PCカードCをこのカードコネクタ10に挿入すると、このPCカードCがエジェクト板32の係合部36を押圧しつつリンク部材40を回動し、端子ピン12に嵌合することができる。このとき、プッシュロッド50の外端部に取付けられたプッシュボタン58は、内方に押込められた状態を維持しておいる。
【0046】
PCカードCを抜去する場合は、プッシュボタン58を軽く押圧する。これにより、アクチュエータ部材74の従動ピン76が係止部66bから押出され、プッシュロッド50に作用するコイルばね56の付勢力により、復帰部66cを経て駆動部66aの最外端部(図9)に移動する。この状態を図7に示してあり、プッシュボタン58はヘッダ部14から離隔する方向に大きく外方に突出した繰出し位置に配置される。また、アクチュエータ部材74は、先端部をスライダ70の開口78a(図3)から突出させた突出位置に配置される。この状態でプッシュボタン58を押圧すると、従動ピン76がカム溝66の駆動部66aに沿って案内され、アクチュエータ部材74をヘッダボディ14a側に突出させたまま移動する。これにより、リンク部材40の突片部48がアクチュエータ部材74で移動され、支持軸部47を中心として回動し、エジェクト板32を外方に移動する。PCカードCは、エジェクト板32の係合部36で内端部を係止されてこのエジェクト板32と共に外方に押出される。プッシュロッドが押込み位置まで完全に押圧されると、PCカードCが端子ピン12から抜去された後、リンク部材40の先端部に設けられた係合部44(図8)が更にPCカードCを外方に押出す。
【0047】
プッシュボタン58の押圧を解除すると、コイルばね56の付勢力により、従動ピン76が係止部66bに配置され、アクチュエータ部材74はスライド70内に引込まれ、引込み位置に配置される。これにより、プッシュロッド50は再度保持位置に配置される。この保持位置では、プッシュボタン58は完全に押込まれた押込み位置よりも僅かに外方に配置される。
【0048】
図10は他の実施の形態を示す。上述の実施の形態と同様な部分には同様な符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施の形態では、カム溝66はヘッダボディ14aの側面に形成されている。アクチュエータ部材140は、プッシュロッド150の内端部に形成されたガイド孔152内を摺動自在に案内される。このアクチュエータ部材140から従動ピン76がカム溝66内に延び、板ばね144により、カム溝66の底壁に押圧される。アクチュエータ部材140の円筒状の先端部142は、カム溝66および従動ピン76により、図10の(B)に示す突出位置と、ガイド孔152内に引込められた位置との間を移動する。なお、リンク部材40の突片部48は、アクチュエータ部材140がガイド孔152内に引込められたときに、プッシュロッド152の内端部に形成されたスロット154内を自由に移動することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明のカードコネクタによると、プッシュロッド内のアクチュエータ部材がヘッダ部に設けられたカムで作動され、リンク部材を直接作動してエジェクト板を移動することにより、PCカードを抜去するときにのみプッシュボタンを突出可能なエジェクト機構付カードコネクタを、極めて作動信頼性の高い簡単な構造としつつ安価に製造することを可能とする。
【0050】
更に、反転させてスタンドオフ部を反対側に配置した反転位置と非反転位置とで、PCカードの幅方向および挿抜方向に沿う各結合部の位置を同じ位置に保持する取付けブラケットを用いて取付けることにより、このカードコネクタをプリント基板の任意の側に対する極めて簡単な取付けを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるカードコネクタを一部分解して示す概略的な説明図である。
【図2】図1のカードコネクタのヘッダ部の一部を示す概略的な斜視図であり、(A)はその分解した状態の図、(B)はアクチュエータ部材の異なる方向から見た状態の図である。
【図3】図1のカードコネクタのプッシュロッドの内端部を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う図、(C)は(A)のC−C線に沿う図、(D)は外端側から見た図である。
【図4】図1のカードコネクタのヘッダボディを小プリント基板に取付ける状態の説明図である。
【図5】図4で組立てられたヘッダ部にエジェクト機構のリンク部材およびエジェクト板と、プッシュロッドの内端部とを取付ける状態を示す説明図である。
【図6】図5で組立てられたヘッダ部に腕部を取付ける状態の説明図であり、(A)はヘッダ部の図、(B)は腕部の平面図、(C)は(B)のC−Cの方向から見た状態の図である。
【図7】組立てを完了したカードコネクタの説明図である。
【図8】組立てられたカードコネクタをプリント基板に取付ける状態の説明図であり、(A)は各取付けブラケットと共に一部を省略した図、(B)はプリント基板と取付けブラケットとの関係を示す図である。
【図9】カムとアクチュエータとの作動を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態によるカードコネクタのヘッダ部の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
10…カードコネクタ、12…端子ピン、14…ヘッダ部、14a…ヘッダボディ、16…腕部、18…コネクタフレーム、20…小プリント基板、22…ガイド溝、30…エジェクト機構、32…エジェクト板、40…リンク部材、48…突片部、50…プッシュロッド、52…先端部、60…側部突出部、66…カム溝、66a…駆動部、66b…係止部、66c…復帰部、70…スライダ、74…アクチュエータ部材、76…従動ピン、100,11…取付けブラケット、102,112…ボディ部、104,114…スタンドオフ部、120…取付けねじ、C…PCカード、P…プリント基板。
Claims (8)
- エジェクト機構付きPCカード用カードコネクタであって、
PCカードに接続する複数の端子ピンを配列したヘッダ部と、
前記PCカードに係合する係合部を有し、PCカードの挿抜方向に沿って案内されるエジェクト板と、
このエジェクト板と回動自在に連結される連結部と、この連結部から離隔した位置で前記ヘッダ部に回動可能に支えられる支持部と、この支持部から連結部の反対側に延び、ヘッダ部の側方に突出する突片部とを有するリンク部材と、
前記ヘッダ部に隣接配置される内端部と、ヘッダ部から離隔配置されかつ押圧力を受ける外端部とを有し、この外端部がヘッダ部から離隔する外方に繰出される繰出し位置からヘッダ部に近接する内方に押込まれる押込み位置に移動されるときに、前記リンク部材を介してエジェクト板をPCカード抜去方向に移動するプッシュロッドと、
前記繰出し位置に向けて、このプッシュロッドを付勢する付勢手段と、
前記外端部から受ける押圧力により、このプッシュロッドが前記繰出し位置から押込み位置に向けて移動されるときに、前記リンク部材を介して前記エジェクト板をPCカードの抜去方向に駆動し、このプッシュロッドが押込み位置に配置されかつ押圧力を解除されたときに、外端部が前記押込み位置よりも僅かに外方に配置される保持位置に、このプッシュロッドを係止し、この保持位置のプッシュロッドが外端部を介して押圧力を受けたときに、プッシュロッドの係止を解除して前記繰出し位置に復帰させる作動装置とを具備してなり、
この作動装置は、プッシュロッドの内端部に配置された可動アクチュエータ部材と、ヘッダ部に設けられてこのアクチュエータ部材を作動するカムとを備え、このカムは、プッシュロッドが繰出し位置から押し込み位置に移動されるときに、アクチュエータ部材を、リンク部材の突片部と係合可能な突出位置に突出させて案内する駆動部と、このプッシュロッドが押込み位置に配置されかつ押圧力を解除されたときに、アクチュエータ部材を突片部との係合が不能な引込み位置に引込みかつこのアクチュエータ部材を係止してプッシュロッドが繰出し位置に復帰するのを阻止する係止部と、この保持位置のプッシュロッドが外端部を介して押圧力を受けたときに、アクチュエータ部材の係止を解除しかつ引込み位置に引込んで案内する復帰部とを有するカードコネクタ。 - 前記ヘッダ部は、前記リンク部材の突片部が突出する側に配置されて前記カムを形成した側部突出部と、この側部突出部に形成されて前記プッシュロッドの内端部をPCカードの挿抜方向に沿って案内する案内レールとを有し、前記プッシュロッドの内端部は、この案内レールに沿って摺動しかつカムに重なる状態に配置される中空構造のスライダを有し、前記アクチュエータ部材は、このスライダ内に装着され、スライダのヘッダ部に対向する側壁部に形成された開口から突出可能である請求項1に記載のカードコネクタ。
- 前記アクチュエータ部材は、スライダで係止されるストッパを有し、このストッパにより前記開口からの突出量を規制される請求項2に記載のカードコネクタ。
- 前記プッシュロッドは、前記スライダの一端に連結される作動アームを有し、この作動アームの外端部が押圧力を受ける請求項2に記載のカードコネクタ。
- 前記ヘッダ部と、このヘッダ部の両側端部から延び、PCカードの側縁部をPCカードの挿抜方向に沿って案内する一対の対向した腕部とを有するコネクタフレームと、
それぞれがこのコネクタフレームに装着されるボディ部と、このボディ部から延びてコネクタフレームとプリント基板との間に所定の間隔を保持するスタンドオフ部と、このスタンドオフ部から延びてプリント基板の開口内に突出し、このプリント基板の反対側から締結具で締付けられる結合部とを有し、コネクタフレームをプリント基板に固定する複数の取付けブラケットとを備え、
各取付けブラケットのボディ部とコネクタフレームとの一方に係止孔が設けられ、かつ、他方にはこの係止孔に挿入される保持爪が設けられ、各取付けブラケットは、これらの係止孔と保持爪とを噛合わせることにより、各ボディ部をコネクタフレームに固定され、取付けブラケットを反転させてスタンドオフ部を反対側に配置した反転位置と非反転位置とで、PCカードの幅方向および挿抜方向に沿う各結合部の位置を同じ位置とし、プリント基板の任意に選択した側に取付け可能とした請求項1に記載のカードコネクタ。 - 前記腕部は、互いに同一構造である請求項5に記載のカードコネクタ。
- 前記カムは、エジェクト板が移動する平面に対してほぼ直交する平面内に配置され、このカムの駆動部は、PCカードの挿抜方向に対してほぼ直交する方向に向けてアクチュエータ部材を突出させて案内する請求項1に記載のカードコネクタ。
- 前記カムは、側部突出部に設けた溝を有し、前記アクチュエータ部材は、この溝に沿って案内される従動ピンを有しかつ側部突出部に向けてばね付勢され、この従動ピンが溝の底壁に接触する請求項2に記載のカードコネクタ。
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