JP3885899B2 - 油水分離性洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄性が高く、しかも極めて安定な油水分離性を有する油水分離性洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、船舶のエンジンルーム、甲板、セットリングタンクなどは、多量の鉱物油等が付着し易く、カーゴタンクやディープタンクの積荷変更の際、或いは陸上タンクの油積荷変更の際などの清掃には、油溶性及び水溶性の洗浄剤を使用して付着した鉱物油等を除去している。そして、洗浄廃液は、I.M.O.(国際海事機関)の規制油分濃度の15ppm以下をクリヤーしない限り海洋に投棄することができないので、航海中の船舶における洗浄廃液は一度ビルジタンクに集めた後、ビルジセパレータ等の分離器で処理して油と水とに分離する必要があった。
【0003】
しかし、前記したような油溶性及び水溶性の洗浄剤は、高い乳化、分散作用を有して洗浄性が優れているものの、その洗浄廃液中において油を約0.05〜数百ミクロンの微粒子として安定化させるので、洗浄廃液の油水分離に極めて時間がかかり、また規制の15ppm以下の処理がクリヤーできないのもしばしばであった。
また、油の微粒子によりビルジセパレータのエレメントが目詰まりを生じるので、エレメントの寿命が短く、エレメントを頻繁に交換する必要があり、油水分離処理を効果的に短縮化することができなかった。
【0004】
上記したような実状に鑑み、油水分離性を向上させた洗浄剤が検討されているが、これらは単に洗浄力を犠牲にして油水分離性を多少向上させただけのものであり、本来の洗浄剤としての目的を達するものではなかった。
また、現在の洗浄剤は、洗浄廃液を長時間静置することにより油と水とを分離できるのであるが、水層には界面活性剤と共に一部の油が可溶化しており、更に再混合すると油を再乳化、分散してしまうので、油水分離をより困難にする要因となっていた。
【0005】
そこで、このような問題に関して、本発明者は洗浄力に優れ、洗浄後は速やかに油水分離し、且つ分離した後は、再混合しても再乳化することなく速やかに油と水とに分離することができる油水分離性洗浄剤を提案した(特開平3−234798号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記油水分離性洗浄剤(特開平3−234798号公報)は洗浄力に優れ、洗浄後は速やかに油水分離し、且つ分離した後は、再混合しても再乳化することなく急速に油と水とに分離するが、分離した油と水との間に僅かに乳化層が見られ、しかも分離した油が一部再付着する傾向にあり、またフッ素系界面活性剤を配合しているので洗浄剤が高価になる等の欠点があった。
したがって、上記欠点を改良した油水分離性洗浄剤が希求されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、炭化水素系溶剤60〜99.5wt%と、アルキロールアミド系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の合計が0.5〜40wt%とを含有してなり、アルキロールアミド系界面活性剤とカチオン系界面活性剤との比が100:1〜1:1の範囲であることを特徴とする油水分離性洗浄剤に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
前記のように本発明の油水分離性洗浄剤は、炭化水素系溶剤と、アルキロールアミド系界面活性剤と、カチオン系界面活性剤との3成分を含有してなるものであり、それぞれの成分を説明すると、先ず、炭化水素系溶剤としては、灯油、軽油、殺虫灯油、煙霧灯油等の石油留分、パラフィン系、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素等が例示される。
次に、アルキロールアミド系界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(1:1型、1:2型)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型、1:2型)、オレイン酸ジエタノールアミド(2:1型、1:1型、1:2型)、ラウリン酸ジエタノールアミド(1:1型、1:2型)、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型、1:2型)、パルミチン酸ジエタノールアミド(1:1型、1:2型)、ミリスチン酸ジエタノールアミド(1:1型、1:2型)ポリオキシエチレンステアリン酸アミド(1:1型、1:2型)等が例示される。尚、上記アルキロールアミド系界面活性剤のうち、ヤシ油脂肪酸、オレイン酸、ラウリン酸系のアルキロールアミド系界面活性剤がより好適であり、またその中でも1:1型及び2:1型が特に好ましい。
また、カチオン系界面活性剤としては、ヤシ油ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のベンジル型、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩等のアミン塩、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキサイド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルペンタエトキシアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド等のメチル型、その他、1−ヒドロキシエチル2−アルキルイミダゾリン4級塩、アルキルイソキノリニウムブロマイド等が例示される。尚、上記カチオン系界面活性剤のうち、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド等のメチル型がより好適である。
【0009】
前記の3成分を含有してなる本発明の油水分離性洗浄剤には、前記炭化水素系溶剤を全量の60〜99.5wt%、特に70〜95wt%含有させることが好ましく、前記アルキロールアミド系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の合計の配合量は全量の0.5〜40wt%、特に5〜30wt%含有させることが好ましい。
前記アルキロールアミド系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の合計の配合量が40wt%より多い場合(当然のことながら炭化水素系溶剤の割合は60%より少なくなる)、
▲1▼ 配合された洗浄剤の粘性の増大により被洗浄油に対する溶解性及び浸透性が落ち、洗浄力が低下する。
▲2▼ 界面活性剤割合量の増加により、アルキロールアミド系界面活性剤とカチオン系界面活性剤の配合割合にかかわらず、両界面活性剤の水への親和力が強くなり、水中で安定なミセルを形成し、洗浄液の乳化安定性が増大し、その結果として油水分離性能が低下する。
▲3▼ 比重の小さい(水に比べて)成分量の低下により、油水分離速度が遅くなる。
等の不備が生じる。
界面活性剤の合計の配合量が0.5wt%より少ない場合(当然のことながら炭化水素系溶剤の割合は99.5wt%より多くなる)は、洗浄性能が極端に低下する。
そして、配合洗浄剤の粘性、洗浄性、油水分離性を考慮した場合、アルキロールアミド系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の合計の配合割合は5〜30wt%(炭化水素系溶剤の配合割合は70〜95wt%)がより良好な範囲といえる。
【0010】
また、アルキロールアミド系界面活性剤とカチオン系界面活性剤の配合重量比は100:1〜1:1が良く、特に50:1〜2:1の範囲が好適である。100:1を越える過剰量のアルキロールアミド系界面活性剤の添加は油水分離性を不十分とし、また1:1を越える過剰量のカチオン系界面活性剤の添加は乳化、分散効果を低下させるため好ましくない。
【0011】
本発明の油水分離性洗浄剤において、アルキロールアミド系界面活性剤とカチオン系界面活性剤の配合重量比が前記の100:1〜1:1の範囲でもって、乳化、分散効果と油水分離性との相反する作用をなす。
アルキロールアミド系界面活性剤は、イオン性の分類ではノニオン系に属するが、その構造上弱カチオン性を有するもので、カチオン系界面活性剤との併用で乳化分散の相乗効果が得られたものと推測される。その証拠に、炭化水素系溶剤とアルキロールアミド系界面活性剤のみ、及び炭化水素系溶剤とカチオン系界面活性剤のみでは、何れも良好な乳化、分散性能が得られないことが机上実験で判明している。
一方、カチオン系界面活性剤の作用として、O/W型エマルジョンの水分離剤として一部使用されている。本発明においても、この作用(油水分離性)が現れたものと考えられる。
即ち、本発明の油水分離性洗浄剤を水中に添加して攪拌すると、完全な乳白色のO/W型エマルジョンを生成するが、急速にその色が薄くなり、時間の経過とともに無色に近づく現象が見られる。この現象は、水中に添加した直後は両界面活性剤の乳化分散の相乗効果で良好なエマルジョンを生成するが、その後、カチオン系界面活性剤がエマルジョンを破壊させる作用をなし、水中から炭化水素系溶剤を分離させたものと判断される。
当然、上述のような現象は炭化水素系溶剤とアルキロールアミド系界面活性剤のみ、及び炭化水素系溶剤とカチオン系界面活性剤のみでは見られない。炭化水素系溶剤とアルキロールアミド系界面活性剤のみではO/W型エマルジョンの乳白色が長時間継続したままであり、炭化水素系溶剤とカチオン系界面活性剤のみではO/W型エマルジョンをほとんど形成しない。また、他のノニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤の組合せでも上述の現象は見られない(乳白色が長時間継続したままである)。
【0012】
尚、本発明の油水分離性洗浄剤には、他のノニオン系界面活性剤を、その性能が損なわれない程度(アルキロールアミド系界面活性剤と同量以下)添加しても良い。この場合、カチオン系界面活性剤は溶剤に難溶であるので、ノニオン系界面活性剤を少量添加すると、カチオン系界面活性剤の可溶化に貢献する。このようなノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェノールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が例示される。尚、上記ノニオン系界面活性剤では、HLBが16以下、特に12以下が好適である。
【0013】
このように構成される本発明の油水分離性洗浄剤を水と共に鉱物油等で汚染されたタンク等に投入すると、鉱物油等は洗浄液中に0.05〜数百ミクロンの微粒子となって乳化、分散され、その後、静置すると、その微粒子が短時間のうちに浮上し、速やかに乳化層のない油層を形成する。さらに、油の再付着現象も見られない。
こうして洗浄廃液は油層と水層とに分離し、しかも水層(洗浄廃水)はI.M.O.の規制油分濃度の15ppm以下となる。したがって、ビルジセパレーター等の処理をすることなく水層を海洋に投棄することができる。また、ビルジセパレーターを使用した場合は、従来の洗浄剤のようにエレメントを頻繁に交換する必要がなく、エレメントの寿命を長期化することができる。
一方、油層は、回収して燃料として使用することができる。したがって、船舶に付着していた鉱物油等や、油層に大部分が含有される本発明の油水分離性洗浄剤は、このようにして極めて有効に再利用される。
また、洗浄廃液を静置して油層と水層が分離した後、再混合しても、従来の洗浄剤を使用した場合のように油が再乳化されることがなく、安定な油水分離性を示すものであり、この場合、油層は一時的に0.1〜1.0mm程度の粗大粒子の油滴となって水中に分散するに過ぎず、急速に油層と水層とに分離する。
【0014】
したがって、本発明の油水分離性洗浄剤を使用することにより、良好な洗浄を行うことができることは勿論、清掃後に集液した洗浄廃液をビルジタンク中で貯留し、静置する時間を著しく短縮することができ、油水分離及びその後の処理を極めて容易に且つ短時間に行うことができると共に、経済的な効果をも生じるものである。
【0015】
尚、本発明の油水分離性洗浄剤は、鉱物油ばかりでなく動植物油及び各種廃油の洗浄処理にも充分な効果を発揮するものであり、したがって、船舶のみに使用を限定するものではなく、種々の汚染物に使用することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。
【0017】
実施例1
プロファンEX24〔三洋化成工業(株)製〕 20.0wt%
[ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1:1型]
カチナールCTC−70ET(東邦化学工業(株)製) 0.5wt%
[セチルトリメチルアンモニウムクロライド]
煙霧灯油〔日本石油(株)製〕 79.5wt%
【0018】
実施例2
スタホームDO〔日本油脂(株)製〕 20.0wt%
[オレイン酸ジエタノールアミド 1:1型]
カチナールLTC−35A〔東邦化学工業(株)製〕 0.5wt%
[ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド]
殺虫灯油〔日本石油(株)製〕 79.5wt%
【0019】
実施例3
プロファン1281〔三洋化成工業(株)製〕 10.0wt%
[ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1:2型]
ブラウノンOL−05〔青木油脂(株)製〕 10.0wt%
[オレイン酸ジエタノールアミド 2:1型]
ノイゲンEA80〔第一工業製薬(株)製〕 5.0wt%
[ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル,HLB=10]
カチナールCTC−70ET〔東邦化学工業(株)製〕 2.0wt%
[セチルトリメチルアンモニウムクロライド]
白灯油〔日本石油(株)製〕 73.0wt%
【0020】
実施例4
スタホームDL〔日本油脂(株)製〕 2.0wt%
[ラウリル酸ジエタノールアミド 1:1型]
ソフタノール70〔日本触媒(株)製〕 2.0wt%
[ポリオキシエチレンアルキルエーテル,HLB=12.1]
カチナールSTS−80〔東邦化学工業(株)製〕 0.5wt%
[ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド]
ソニックMTF−120〔(株)ジャパンエナジー製〕 95.5wt%
[n−パラフィン系溶剤]
【0021】
比較例1
煙霧灯油 100.0wt%
【0022】
比較例2
プロファンEX24 20.0wt%
[ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1:1型]
煙霧灯油 80.0wt%
【0023】
比較例3
カチナールLTC−35A 1.0wt%
[セチルトリメチルアンモニウムクロライド]
殺虫灯油 99.0wt%
【0024】
比較例4
ノイゲンEA120〔第一工業製薬(株)製〕 20.0wt%
[ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル,HLB=12]
白灯油 80.0wt%
【0025】
比較例5
ノイゲンEA120 20.0wt%
[ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル,HLB=12]
カチナールCTC−70ET〔東邦化学工業(株)製〕 1.0wt%
[セチルトリメチルアンモニウムクロライド]
ソニックMTF120 79.0wt%
[n−パラフィン系溶剤]
【0026】
比較例6
ノイゲンEA80 10.0wt%
[ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル,HLB=10]
プロファンEX24 10.0wt%
[ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1:1型]
殺虫灯油 80.0wt%
【0027】
比較例7
ノイゲンEA80 10.0wt%
[ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル,HLB=10]
ノイゲンEA140〔第一工業製薬(株)製〕 20.0wt%
[ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル,HLB=14]
プロファン1281 5.0wt%
[ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1:2型]
水 65.0wt%
【0028】
〔試験方法〕
▲1▼洗浄性試験
取水口付き〔側壁下部の取水口にゴム管を取付けピンチコックで止めておく〕1リットルビーカーに前記実施例1〜4及び比較例1〜7の洗浄剤10gを入れ、次いで水を1リットル加えた。その界面上にC重油5gを滴下し、10分間静置した。
次に、スターラーを用いて渦を巻く程度に液を10分間撹拌し、撹拌終了後5分間静置した。
そして取水口を開いて洗浄液の900mlを抜取り、n−ヘキサンで油を抽出して、液中の油分濃度を測定した。結果は表1に示した。
【0029】
▲2▼油水分離性試験
取水口付き〔側壁下部の取水口にゴム管を取付けピンチコックで止めておく〕1リットルビーカーに前記実施例1〜4及び比較例1〜7の洗浄剤10gを入れ、次いで水を1リットル加えた。その界面上にC重油5gを滴下し、10分間静置した。
次に、スターラーを用いて渦を巻く程度に液を10分間撹拌し、撹拌終了後8時間静置した。
そして、取水口を開いて洗浄液の900mlを抜取り、n−ヘキサンで油を抽出して、液中の油分濃度を測定した。結果は表1に示した。
【0030】
▲3▼再混合後の油水分離性試験
取水口付き〔側壁下部の取水口にゴム管を取付けピンチコックで止めておく〕1リットルビーカーに前記実施例1〜4及び比較例1〜7の洗浄剤10gを入れ、次いで水を1リットル加えた。その界面上にC重油5gを滴下し、10分間静置した。
次に、スターラーを用いて渦を巻く程度に液を10分間撹拌し、撹拌終了後8時間静置した。
そして、再度、スターラーを用いて渦を巻く程度に液を5分間攪拌した。次いで、5分間静置した後、取水口を開いて洗浄液の900mlを抜取り、n−ヘキサンで油を抽出して、液中の油分濃度を測定した。結果は表1に示した。
【0031】
【表1】
尚、前記▲1▼〜▲3▼の各試験は、室温下で行ったものであり、各試験に使用したC重油は、以下に示す物性を有するものである。
密度〔g/cm3 ,15℃〕:0.976
粘度〔50℃,cst〕:175
残留炭素分〔%〕:8.86
引火点〔℃〕:106
灰分〔%〕:0.03
【0032】
表1より明らかなように本発明の実施例1〜4の洗浄剤は、洗浄性に優れ、油水分離性については再混合後においてもI.M.O.の規制油分濃度の15ppm以下であった。これに対して、比較例2,4〜7の洗浄剤は、洗浄性は満足するものの油水分離性が著しく悪く、比較例1,3では何れの試験でも満足する結果が得られなかった。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の油水分離性洗浄剤は従来の洗浄力を低下することなく、また再付着性もなく油水分離性を付与したものであり、洗浄時には各種の油を乳化、分散することができ、その洗浄廃液を集液して短時間静置するだけで、容易に油水分離することができる。
また、洗浄廃液を油分と水分とに分離させた後に再混合しても、油を再乳化してしまうことがなく、極めて安定な油水分離性を維持させることができ、分離した水層は、油分の残存濃度が極めて低いものとなる。
さらに、従来の洗浄剤を使用した際のように水層と油層との間に乳化層を生ずることもないし、分離した油が一部再付着することもない。
【0034】
したがって、本発明の油水分離性洗浄剤を鉱物油等が付着した船舶などの洗浄に使用すると、洗浄効果が高く、しかもその洗浄廃液はビルジタンクに集液して短時間静置するだけで速やかに油水分離することができる。そして、分離した水層は、油分濃度が極めて低く、I.M.O.の規制に抵触しないので、ビルジセパレータで処理することなく海洋に投棄することができる。
また、ビルジセパレータを使用しても従来のようにエレメントを頻繁に交換する必要がなくロングライフのエレメントの使用が可能となる。
さらに、水層を排出した後に残る油層は、回収して燃料として使用することができ、鉱物油等の種々の油及び本発明の油水分離性洗浄剤を有効に再利用することができるので、経済的効果も高いものとなる。加えて、従来の洗浄剤のようにフッ素系界面活性剤を配合していないので、そのことで洗浄剤が高価となることもない。
Claims (1)
- 炭化水素系溶剤60〜99.5wt%と、アルキロールアミド系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の合計が0.5〜40wt%とを含有してなり、アルキロールアミド系界面活性剤とカチオン系界面活性剤との比が100:1〜1:1の範囲であることを特徴とする油水分離性洗浄剤。
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